JP2004148350A - 摩擦攪拌接合装置とその接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合前、接合中及び接合後の加熱による種々の欠陥、変形及び酸化や結晶等の化学的欠陥を防止でき、長時間の接合においても熱的な種々の欠陥を減少できる摩擦撹拌接合装置の発明。
【解決手段】接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う装置において、接合位置直前若しくはその周囲と、その接合直後の接合線後方位置夫々を冷却する冷却手段を備え、該冷却手段が、粉粒体、液体、気体のいずれか若しくはこれらの混合流体の噴霧手段であることを特徴とし、好ましくは接合直後の接合線後方を冷却する冷却手段を備え、該冷却手段の冷却区域が、接合ビートからはずれたその両側区域であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う装置において、接合位置直前若しくはその周囲と、その接合直後の接合線後方位置夫々を冷却する冷却手段を備え、該冷却手段が、粉粒体、液体、気体のいずれか若しくはこれらの混合流体の噴霧手段であることを特徴とし、好ましくは接合直後の接合線後方を冷却する冷却手段を備え、該冷却手段の冷却区域が、接合ビートからはずれたその両側区域であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両、航空機、船舶、建物等の構造体を製造する際の構体等の製造に用いるシングルスキンやダブルスキンパネル(二面中空パネル)の摩擦攪拌接合装置とその製造方法に係り、特に回転工具の少なくとも一側を加熱しながら、摩擦攪拌接合する装置とその接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば特表平7−505090号公報(特許文献1)には、摩擦攪拌による固相接合方法として長尺材同士の新規な接合方法が開示されており、かかる接合方法は、加工物より実質的に硬い材質からなる回転ツ−ルを加工物の接合部に挿入し、回転ツ−ルを回転させながら移動することにより、回転ツ−ルと加工物との間に生じる摩擦熱による塑性流動によって加工物を接合する接合方法で、かかる摩擦接合法は、接合部材を固相状態で、回転ツ−ルを回転させながら移動させつつ軟化させた固相部分を一体化しながら接合できるために、熱歪みがなく接合方向に対して実質的に無限に長い長尺材でもその長手方向に連続的に固相接合できる利点がある。さらに、回転ツ−ルと接合部材との摩擦熱による金属の塑性流動を利用した固相接合のため、接合部を溶融させることなく接合できる。また、加熱温度が低いため、接合後の変形が少ない。接合部は溶融されないため、欠陥が少ないなどの多くの利点がある。
【0003】
次に摩擦撹拌接合に使用される回転工具について説明する。摩擦撹拌接合は前記特許文献1に開示されているように、ブローブ型とボビンツール型の回転工具が存在し、プローブ型回転工具20は図5(A)に示すように、ショルダ部21とこのショルダ部21に備えられたプローブ22とを備えており、このショルダ部21は円形ショルダ面を有している。そして、複数の型材を突き合わせ、若しくは嵌合された状態の接合線表面より、前記回転工具20を回転させて、プローブ22を被加工物の接合線に設けた不図示の孔に侵入させるとともに、複数の型材の接合線上で摺接回転するショルダ部21の円形ショルダ面によって被加工物に摩擦熱が付与されるとともに、プローブ22周囲が塑性流動化し、この状態で回転工具20を接合線に沿って移動させることにより、接合線周囲が塑性流動化しつつ接合線に沿って2つの素材が圧力を受けながら撹拌混練され、プローブ22の後方側に移行する。この結果、塑性流動した素材は後方側で摩擦熱を失って急速に冷却固化するので両パネル板は素材同士が混じり合って完全に一体化した状態で接合される。
【0004】
しかしながらかかる接合方法では接合時に摩擦熱を発生させるために、回転工具20を接合線側に押しつける必要があり、従ってこの反力に対処するために、裏当金が使用されている。これに対しボビンツール30と呼ばれる回転工具は図5(B)に示すように、接合する金属板の表裏両面を挟持するように一定間隔を設けた一対のショルダ31、32が設けられているとともに、該上下一対のショルダ31、32間に回転軸33が設けられているので、接合面の両面において摩擦発熱させることが出来、裏面側の接合不良が生じないのみならず、上下一対のショルダ31、32間で互いの反力を受けているために、前記した裏当金が不要になるというメリットがある。
【0005】
このような摩擦攪拌接合方法は摩擦入熱が400〜500℃前後の特にアルミニウム合金に適しているが、アルミニウム合金でも被加工物の接合長さが長い場合又は厚さが厚い場合、または被加工物の剛性が高い銅又は鉄鋼を接合、又は加工する場合、回転ツールと被加工物との摩擦熱が大きくなる。このため、接合または加工後の変形(ひずみ)が大きくなり、変形に伴う欠陥も生じやすくなる。さらに、前記回転ツールの温度も高くなるため、熱的な破損も頻繁に生じる。
【0006】
即ち、摩擦攪拌接合の場合に、回転工具に発生した摩擦熱は回転工具と接合材に分配されて拡散する。接合材に分配される熱は、接合材を軟化させるという、摩擦熱本来の役目を果たすが、回転工具に分配される熱は、不可避的に生じるものであり、本来不要な熱である。接合が短時間である場合には、回転ツールの温度上昇も小さいため、回転ツールに分配される熱による害は無視し得る程度である。しかし、接合が長時間に渡ると、回転工具に分配される熱による害が顕在化してくる。すなわち、回転工具の温度は高くなり、回転工具自体の材質劣化を招く。
【0007】
一方接合材に分配される熱も接合完了直後においては、その残存熱により熱歪み残留応力の発生等の問題が発生する。
かかる欠点を解消するために、摩擦攪拌接合装置を水中に沈めて行う方法や、局部的に水をはるボックスタイプの接合装置などが提案されているが、かかる方式は装置が大がかりになるのみならず、接合部及び加工部の表面に水分が直接接触するため、特に加工材表面の酸化が激しく、製品としての品質及び美観の低下につながる。
【0008】
又装置の大がかりかを防止しながら、回転工具または/および接合材を冷却する技術が、特開平10−52770号公報(特許文献2)および特開平11−10367号公報(特許文献3)に開示されている。これらの技術には、回転ツールの内部に設けた流路に冷却媒体を流す、いわゆる内部冷却方式と回転ツールおよび/または接合材表面に冷却媒体を噴射する、いわゆる外部冷却方式が提案されている。又、特開2002−153977号公報(特許文献4)には、回転工具のショルダー部に下方に向け傾斜した放射状に広げてフィンが設けられており、該フィンにより空気流が接合材側に流れるように構成されている。
【0009】
しかしながらかかる特許文献2、3では以下のような問題点がある。
回転工具内部に冷却媒体を流す構造や、回転工具の表面に冷却媒体を噴出させる構造のため、回転工具の構造が複雑になること、冷却のための予備設備が必要になるとともに、回転工具のみの冷却であるために、接合位置後方で発生する熱変形や残留応力の発生には何ら考慮されていない。
又特許文献4では、回転工具のショルダー部に下方に向け傾斜した放射状に広げて設けられたフィンにより空気流が接合材側に流れるように構成されている為に、回転工具と合わせて被接合部周囲を冷却可能であるが、これはいわゆる扇風機であるために、冷却能力は極めて低く、しかも冷却範囲も狭いために、後記する接合位置前方及び後方の問題を何ら解決し得ない。
【0010】
特に、アルミニウム合金からなるシングルスキンやダブルスキンパネル(二面中空パネル)では被加工物の接合長さが25〜50mと長く、このような長いものを接合しようとする場合、または被加工物の剛性が高い銅又は鉄鋼を接合する場合、回転工具と被加工物との摩擦熱が大きくなる。このため、形態や材質等より熱が溜まり易いワークを接合対象とするとき、接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大することから、接合の開始部位と終了部位とで接合品位に差を生じるという問題があったが前記のように回転工具とともに回転するファン構造では接合移動経過に従って冷却量を調整することが出来ない。
【0011】
【特許文献1】
特表平7−505090号公報
【特許文献2】
特開平10−52770号公報
【特許文献3】
特開平11−10367号公報
【特許文献4】
特開2002−153977号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、接合前、接合中及び接合後の加熱による種々の欠陥、変形及び酸化や結晶等の化学的欠陥を防止でき、長時間の接合においても熱的な種々の欠陥を減少できる摩擦攪拌接合装置及びその方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、接合移動経過に従って冷却量を調整することが可能で、これにより形態や材質等より熱が溜まり易いワークを接合対象とするとき、接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大するものでも円滑に冷却可能な摩擦攪拌接合装置及びその方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、冷却を効果的に利用して高品質な接合を高能率に行うことが可能な摩擦撹拌接合装置とその接合方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う装置において、
接合線上前方から接合位置までの選択した一または複数点を冷却する冷却手段を設け、該冷却手段が気化潜熱を利用したエタノール等アルコール若しくはエーテルの非水冷却液の噴霧手段であることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、接合線上の前方から接合位置までの選択した一または複数点、より具体的には、回転工具で摩擦入熱する直前位置で、エタノール等の気化潜熱を利用した冷却剤噴霧により冷却することにより、接合部材にアルミ合金をもちいた場合に、組織内のアルミ合金結晶の微細化が達成され、高強度化を実現できる。
この場合にエタノール等の非水冷却材を用いることにより、接合部表面に空気や水分の直接接触を防ぎ、接合部材表面の酸化が防止でき、製品としての品質及び美観の増加につながる。
【0015】
又本第2発明は、接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う装置において、
接合位置周囲と、その接合直後の接合線後方位置夫々を冷却する冷却手段を備え、該冷却手段が、粉粒体、液体、気体のいずれか若しくはこれらの混合流体の噴霧手段であることを特徴とし、好ましくは接合直後の接合線後方を冷却する冷却手段を備え、該冷却手段の冷却区域が、接合ビートからはずれたその両側区域であることを特徴とする。
【0016】
ここで粉粒体にはドライアイス、液体には水や前記したエタノール、気体には低温空気等を用いることができる。
接合位置の大径部周囲と、接合直後の、接合ビートからはずれた両側区域の熱的影響残存部を強制冷却する理由は、攪拌接合部の残留応力分布は、溶接ビート部であまり高くなく、ビート両脇の母材領域である。従って接合線上を冷却するよりその両脇を冷却する方が、残留応力や変形の低減につながる。
この場合に、冷却媒体を回転工具に循環することなく、別異に構成し、粉粒体、液体、気体のいずれか若しくはこれらの混合流体の噴霧により冷却する構成をとることにより、回転工具と被加工物との摩擦熱に対応して冷却量を調整でき、特に接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大する場合においても入熱量に対応させて冷却エネルギを調整できる。
【0017】
本第3発明は、前記接合線上の前方位置を予備加熱する予備加熱手段と、接合直後の接合線後方を冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする摩擦攪拌接合装置を備え、更に好ましくは接合線上の前方位置を予備加熱した後、回転工具の大径部周囲と、その接合直後の接合線後方位置夫々を冷却することを特徴とし、更に好ましくは接合直後の、接合ビートからはずれた両側区域の熱的影響残存部を強制冷却することを特徴とする。
【0018】
かかる発明によれば、工具の前方を接合前に加熱し、工具の後方を冷却することにより、アルミ(アルミ合金も含む)より高融点の銅又は鉄鋼を接合する場合においても、施工を容易に出来るとともに、入熱増加による変形や残留応力の増加を抑えることが出来る。この結果、接合部の迅速軟化、撹拌、冷却固化が回転工具の移動に伴って順次繰り返されていき、突合せ部において接合部は熱変形や残留応力の発生がなく、相互に一体化され順次接合されていき、熱歪みの小さく良好な接合状態の接合品が得られる。
【0019】
又 、被加工物の剛性が高い銅又は鉄鋼を接合する場合、回転ツールと被加工物との摩擦熱が大きくなる。このため、形態や材質等より熱が溜まり易いワークを接合対象とするとき、接合の進行に伴って接合部位への摩擦入熱量が次第に増大することがあるが、この場合においても、接合の開始部位では予備加熱手段の加熱量を大きく更に接合終了部位に近づくにつれ予備加熱量を少なくする等のように接合距離に応じて加熱量を制御するようにしてもよい。
【0020】
前記冷却手段においても同様で、接合位置、その接合方向前方、接合方向後方の温度検知信号、接合速度、若しくは接合距離に応じて冷媒の潤滑量を制御することで、接合部は熱変形や残留応力の発生がなく、熱歪みの小さく良好な接合状態の接合品が得られる。
【0021】
又本発明は、接合部位内に侵入攪拌される小径部と表裏の接合面に圧接摺動される一対の大径部を具えたボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う装置において、前記接合線上の前方位置を予備加熱する予備加熱手段が裏面側接合部位になく、表側接合部位にのみ存在することを特徴とする。
即ち、接合部位内に侵入攪拌される小径部と表裏の接合面に圧接摺動される一対の大径部を具えたボビン型回転工具の接合線上の前方位置を予備加熱する際に、裏面側接合部位を予備加熱することなく、表側接合部位のみを予備加熱させるものである。
【0022】
即ち、これにより摩擦攪拌時の初期にパネル裏面側入熱量を表面側入熱量より大にしながら摩擦攪拌接合がなされるように構成でき、これにより接合部の突き合わせ部にギャップ(隙間)が生じても、パネル自由端の裏面側(中空部側)の板厚を厚くすることで、裏面ショルダ面側が表側ショルダ面より先に軟化してその摩擦熱による入熱により裏面側の軟化した部分のみが接合ギャップ空間に進入するため、外部から見える表面側は凹部が発生することなく、平坦を維持できるとともに、表側は前記したエタノール噴霧して予備冷却を行う事により、100℃以下に十分冷却した状態で摩擦攪拌を行うことにより、接合部材にアルミ合金をもちいた場合に、組織内のアルミ合金結晶の微細化が達成され、高強度化を実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0024】
図1上段はは接合線上の接合直前位置で冷媒噴射による第1の冷却手段と、前記摩擦攪拌接合による接合後、該接合位置後方の熱的影響残存位置を冷却する第2の冷却手段を含む本発明の第1実施例の概略構成図であり、下段は、温度/接合方向を示すグラフ図である。
図1に示す第1実施例は、接合線上の接合直前位置で母材1に向けた冷媒噴射による予備冷却を行う第1の冷却手段3と、前記回転工具20による摩擦攪拌接合による接合後、該接合位置後方の熱的影響残存位置(前接合直後の接合ビート2)を冷却する第2の冷却手段4とからなり、これらの噴射手段3、4は、制御装置6よりの信号に基づいて、接合位置直前の温度検知センサT1、接合位置直後温度検知センサT2の温度検知信号、接合速度や接合距離の信号に応じて前記制御装置6より所定の信号が送出されて冷媒噴出制御機構5の冷媒の温度と噴射及び量を制御して熱的影響残存位置の冷却量と冷却域を制御することにより、運転状態に応じた好ましい予備冷却と後冷却が可能となる。
即ち、母材1の剛性が高い銅又は鉄鋼を接合する場合、回転工具20と被加工物(母材1)との摩擦熱が大きくなる。このため、形態や材質等より熱が溜まり易い母材1を接合対象とするとき、接合の進行に伴って接合部位への摩擦入熱量が次第に増大することがあるが、この場合においても、接合の開始部位では予備冷却手段3の冷却を行わずに、接合途中で予備冷却を行うように制御装置6で制御する。更に接合終了部位に近づくにつれ予備冷却量を多くするように制御装置6で制御する。この場合は接合距離を制御装置の入力信号として該距離に応じて冷却手段3、4の冷却剤噴霧量を制御するようにしてもよい。
【0025】
従って本実施例によれば、回転工具20の前方を接合前に予備冷却し、工具20の後方を冷却することにより、アルミ(アルミ合金も含む)より高融点の銅又は鉄鋼を接合する場合においても、施工を容易に出来るとともに、入熱増加による変形や残留応力の増加を抑えることが出来る。この結果、接合部の迅速軟化、撹拌、冷却固化が回転工具20の移動に伴って順次繰り返されていき、突合せ部において接合部は熱変形や残留応力の発生がなく、相互に一体化され順次接合されていき、熱歪みの小さく良好な接合状態の接合品が得られる。
【0026】
又 、本実施例は、回転工具20と冷却手段3、4を別異に構成し、冷媒として粉粒体にはドライアイス、液体には水や前記したエタノール、気体には低温空気等を用いることができる。
即ち粉粒体状のドライアイスを用いることにより、母材1表面温度を−0℃以下まで低下させることが出来、又エタノールや他の非水溶媒のように、70〜300℃の間に蒸発点を有する液体を用いれば、接合位置の直前温度が前記気化潜熱により、大幅な奪熱が可能であるとともに、予備冷却温度をその蒸発点近傍に維持させることが出来る。この結果前記冷媒の選択とその量の調整により、回転工具20と被加工物(母材1)との摩擦熱に対応して冷却量と冷却温度を調整でき、特に接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大する場合においても入熱量に対応させて冷却エネルギを変化できる。
【0027】
前記後方冷却手段4においても同様で、接合位置、その接合方向前方、接合方向後方の温度検知信号、接合速度、若しくは接合距離に応じて制御装置6より冷媒噴出制御機構5を介して冷媒の潤滑量と温度を制御することで、接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大する場合においてもこれに対応して接合部冷却量を調整して熱的影響残存位置の温度を300℃以下にすることにより、熱変形や残留応力の発生がなく、熱歪みの小さく良好な接合状態の接合品が得られる。
具体的には、前記後方冷却手段4では、接合位置直後の温度T2を取り込んだ制御装置6よりの信号に基づいて冷媒噴出制御機構5で冷媒量の制御が行われ、接合後の母材1を300℃以下、好ましくは260℃前後まで低下させる
【0028】
図2は、回転工具20による母材1の接合線上の前方位置でエタノール噴射による冷却手段3を設けた本発明の第2実施例の要部構成図であり、21は回転工具20のショルダ部、22はプルーブである。2は接合直後の接合ビートで、2’は軟化部を示す。
エタノールは、「C2H5OH無色液体、水に可溶、沸点78、32°C」でしかも気化潜熱も多いために、接合位置直前でエタノールを吹き付けると、接合位置に進入する母材1が、100℃以下に十分冷却した後摩擦攪拌を行うことにより、母材1にアルミ合金をもちいた場合に、組織内のアルミ合金結晶の微細化が達成され、高強度化を実現できる。
【0029】
図3は、接合線上の前方位置で冷媒噴射による第1の冷却手段3A、3Bと、前接合直後の、接合ビート2からはずれた両側区域2A、2Bの熱的影響残存部を強制冷却する手段4A、4Bを含む本発明の第3実施例の概略構成図で、(A)は正面図、(B)は平面図、温度/接合方向を示すグラフ図である。
図において、回転工具20の大径部(ショルダ部)21前側周囲と、接合直後の、接合ビート2からはずれた両側区域の熱的影響残存部2A、2Bを強制冷却する理由は、攪拌接合部の残留応力分布は、溶接ビート部2であまり高くなく、ビート両脇の母材領域である。従って接合線上を冷却するよりその両脇を冷却する方が、残留応力や変形の低減につながる。
この場合に、冷却手段は、第1の冷却手段3A、3Bと、第2の強制冷却手段4A、4Bのいずれも、粉粒体、液体、気体のいずれか若しくはこれらの混合流体の噴霧により冷却する構成をとることにより、回転工具20と母材1との摩擦熱に対応して接合位置直前でも直後でも冷却量を調整でき、特に接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大する場合においても入熱量に対応させて接合位置直前でも直後でも冷却エネルギを調整できる。
【0030】
図4はボビンツール30を用いた他の実施例で、接合線上の前方位置で冷媒噴射による第1の冷却手段3は裏面側ショルダ32側にはなく、表面側ショルダ31のみにある。
その理由は特に表面側ショルダ32は、接合位置直前で冷却されているために、裏面側ショルダ32の接合面の方が先に軟化する。この結果例えば接合されるスキンパネルを自由端側の面板の厚みを、自由端内側に位置する中空部の面板厚みより大に設定するとともに、該スキンパネルの自由端同士の突き合わせ面において、図4(B)に示すように、摩擦攪拌時の初期にパネル裏面側入熱量を表面側入熱量より大にしながら摩擦攪拌接合がなされるように構成でき、これにより接合部の突き合わせ部にギャップ(隙間)が生じても、パネル自由端の裏面側(中空部側)の板厚を厚くすることで、裏面側ショルダ32が表面側ショルダ31より先に軟化してその摩擦熱による入熱により裏面側の軟化した部分(図4(B)のギャップ進入部)のみが接合ギャップ空間に進入するため、外部から見える表面側は凹部が発生することなく、平坦を維持できるという極めて好ましい効果を有す。
又表側パネル側はエタノール噴霧により100℃以下に十分冷却した後摩擦攪拌を行うことにより、接合部材にアルミ合金をもちいた場合に、組織内のアルミ合金結晶の微細化が達成され、高強度化を実現できる。
【0031】
同図における冷却手段40は図3の第2の強制冷却手段4A、4Bと同様な構成である。又図4(C)はボビンツールのせん断応力の発生状態を示す。本図でもわかるとおり、接合軟化部2’は表面側ショルダ31と裏面側ショルダ32の対面位置で、軟化部2’が回転軸33中央側に進むにつれ大きくやせている。このような状態でもせん断応力はショルダ31、32外径側に発生する為に、大径部外径周囲を直接冷却するのがよいことが理解できる。
【0032】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、接合前、接合中及び接合後の加熱による種々の欠陥、変形及び酸化や結晶等の化学的欠陥を防止でき、長時間の接合においても熱的な種々の欠陥を減少できる。
又本発明によれば、接合移動経過に従って冷却量を調整することが可能で、これにより形態や材質等より熱が溜まり易いワークを接合対象とするとき、接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大するものでも円滑に冷却可能となる。
更に本発明によれば、冷却を効果的に利用して高品質な接合を高能率に行うことが可能な摩擦撹拌接合装置を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】接合線上の前方位置で冷媒噴射による第1の冷却手段と、前記摩擦攪拌接合による接合後、該接合位置後方の熱的影響残存位置を冷却する手段を含む本発明の第1実施例の概略構成図である。
【図2】接合線上の前方位置でエタノール噴射による冷却手段を設けた本発明の第2実施例の要部構成図である。
【図3】接合線上の前方位置で冷媒噴射による第1の冷却手段と、前接合直後の、接合ビートからはずれた両側区域の熱的影響残存部を強制冷却する手段を含む本発明の第3実施例の概略構成図である。
【図4】接合線上の前方位置で冷媒噴射による第1の冷却手段と、前記摩擦攪拌接合による接合後、該接合位置後方の熱的影響残存位置を冷却する手段を含むボビンツールにおける本発明の第4実施例の概略構成図である。
【図5】従来技術に係る摩擦撹拌接合のプローブツールとボビンツールの基本構成図である。
【符号の説明】
1 母材
2 溶接ビート部
3 第1の冷却手段
4 第2の冷却手段
3A、3B 第1の強制冷却手段
4A、4B 第2の強制冷却手段
5 冷媒噴出制御機構
6 制御装置
20 回転工具
21 ショルダ部
22 プルーブ
30 ボビンツール
31 表面側ショルダ
32 裏面側ショルダ
33 回転軸
40 冷却手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両、航空機、船舶、建物等の構造体を製造する際の構体等の製造に用いるシングルスキンやダブルスキンパネル(二面中空パネル)の摩擦攪拌接合装置とその製造方法に係り、特に回転工具の少なくとも一側を加熱しながら、摩擦攪拌接合する装置とその接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば特表平7−505090号公報(特許文献1)には、摩擦攪拌による固相接合方法として長尺材同士の新規な接合方法が開示されており、かかる接合方法は、加工物より実質的に硬い材質からなる回転ツ−ルを加工物の接合部に挿入し、回転ツ−ルを回転させながら移動することにより、回転ツ−ルと加工物との間に生じる摩擦熱による塑性流動によって加工物を接合する接合方法で、かかる摩擦接合法は、接合部材を固相状態で、回転ツ−ルを回転させながら移動させつつ軟化させた固相部分を一体化しながら接合できるために、熱歪みがなく接合方向に対して実質的に無限に長い長尺材でもその長手方向に連続的に固相接合できる利点がある。さらに、回転ツ−ルと接合部材との摩擦熱による金属の塑性流動を利用した固相接合のため、接合部を溶融させることなく接合できる。また、加熱温度が低いため、接合後の変形が少ない。接合部は溶融されないため、欠陥が少ないなどの多くの利点がある。
【0003】
次に摩擦撹拌接合に使用される回転工具について説明する。摩擦撹拌接合は前記特許文献1に開示されているように、ブローブ型とボビンツール型の回転工具が存在し、プローブ型回転工具20は図5(A)に示すように、ショルダ部21とこのショルダ部21に備えられたプローブ22とを備えており、このショルダ部21は円形ショルダ面を有している。そして、複数の型材を突き合わせ、若しくは嵌合された状態の接合線表面より、前記回転工具20を回転させて、プローブ22を被加工物の接合線に設けた不図示の孔に侵入させるとともに、複数の型材の接合線上で摺接回転するショルダ部21の円形ショルダ面によって被加工物に摩擦熱が付与されるとともに、プローブ22周囲が塑性流動化し、この状態で回転工具20を接合線に沿って移動させることにより、接合線周囲が塑性流動化しつつ接合線に沿って2つの素材が圧力を受けながら撹拌混練され、プローブ22の後方側に移行する。この結果、塑性流動した素材は後方側で摩擦熱を失って急速に冷却固化するので両パネル板は素材同士が混じり合って完全に一体化した状態で接合される。
【0004】
しかしながらかかる接合方法では接合時に摩擦熱を発生させるために、回転工具20を接合線側に押しつける必要があり、従ってこの反力に対処するために、裏当金が使用されている。これに対しボビンツール30と呼ばれる回転工具は図5(B)に示すように、接合する金属板の表裏両面を挟持するように一定間隔を設けた一対のショルダ31、32が設けられているとともに、該上下一対のショルダ31、32間に回転軸33が設けられているので、接合面の両面において摩擦発熱させることが出来、裏面側の接合不良が生じないのみならず、上下一対のショルダ31、32間で互いの反力を受けているために、前記した裏当金が不要になるというメリットがある。
【0005】
このような摩擦攪拌接合方法は摩擦入熱が400〜500℃前後の特にアルミニウム合金に適しているが、アルミニウム合金でも被加工物の接合長さが長い場合又は厚さが厚い場合、または被加工物の剛性が高い銅又は鉄鋼を接合、又は加工する場合、回転ツールと被加工物との摩擦熱が大きくなる。このため、接合または加工後の変形(ひずみ)が大きくなり、変形に伴う欠陥も生じやすくなる。さらに、前記回転ツールの温度も高くなるため、熱的な破損も頻繁に生じる。
【0006】
即ち、摩擦攪拌接合の場合に、回転工具に発生した摩擦熱は回転工具と接合材に分配されて拡散する。接合材に分配される熱は、接合材を軟化させるという、摩擦熱本来の役目を果たすが、回転工具に分配される熱は、不可避的に生じるものであり、本来不要な熱である。接合が短時間である場合には、回転ツールの温度上昇も小さいため、回転ツールに分配される熱による害は無視し得る程度である。しかし、接合が長時間に渡ると、回転工具に分配される熱による害が顕在化してくる。すなわち、回転工具の温度は高くなり、回転工具自体の材質劣化を招く。
【0007】
一方接合材に分配される熱も接合完了直後においては、その残存熱により熱歪み残留応力の発生等の問題が発生する。
かかる欠点を解消するために、摩擦攪拌接合装置を水中に沈めて行う方法や、局部的に水をはるボックスタイプの接合装置などが提案されているが、かかる方式は装置が大がかりになるのみならず、接合部及び加工部の表面に水分が直接接触するため、特に加工材表面の酸化が激しく、製品としての品質及び美観の低下につながる。
【0008】
又装置の大がかりかを防止しながら、回転工具または/および接合材を冷却する技術が、特開平10−52770号公報(特許文献2)および特開平11−10367号公報(特許文献3)に開示されている。これらの技術には、回転ツールの内部に設けた流路に冷却媒体を流す、いわゆる内部冷却方式と回転ツールおよび/または接合材表面に冷却媒体を噴射する、いわゆる外部冷却方式が提案されている。又、特開2002−153977号公報(特許文献4)には、回転工具のショルダー部に下方に向け傾斜した放射状に広げてフィンが設けられており、該フィンにより空気流が接合材側に流れるように構成されている。
【0009】
しかしながらかかる特許文献2、3では以下のような問題点がある。
回転工具内部に冷却媒体を流す構造や、回転工具の表面に冷却媒体を噴出させる構造のため、回転工具の構造が複雑になること、冷却のための予備設備が必要になるとともに、回転工具のみの冷却であるために、接合位置後方で発生する熱変形や残留応力の発生には何ら考慮されていない。
又特許文献4では、回転工具のショルダー部に下方に向け傾斜した放射状に広げて設けられたフィンにより空気流が接合材側に流れるように構成されている為に、回転工具と合わせて被接合部周囲を冷却可能であるが、これはいわゆる扇風機であるために、冷却能力は極めて低く、しかも冷却範囲も狭いために、後記する接合位置前方及び後方の問題を何ら解決し得ない。
【0010】
特に、アルミニウム合金からなるシングルスキンやダブルスキンパネル(二面中空パネル)では被加工物の接合長さが25〜50mと長く、このような長いものを接合しようとする場合、または被加工物の剛性が高い銅又は鉄鋼を接合する場合、回転工具と被加工物との摩擦熱が大きくなる。このため、形態や材質等より熱が溜まり易いワークを接合対象とするとき、接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大することから、接合の開始部位と終了部位とで接合品位に差を生じるという問題があったが前記のように回転工具とともに回転するファン構造では接合移動経過に従って冷却量を調整することが出来ない。
【0011】
【特許文献1】
特表平7−505090号公報
【特許文献2】
特開平10−52770号公報
【特許文献3】
特開平11−10367号公報
【特許文献4】
特開2002−153977号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、接合前、接合中及び接合後の加熱による種々の欠陥、変形及び酸化や結晶等の化学的欠陥を防止でき、長時間の接合においても熱的な種々の欠陥を減少できる摩擦攪拌接合装置及びその方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、接合移動経過に従って冷却量を調整することが可能で、これにより形態や材質等より熱が溜まり易いワークを接合対象とするとき、接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大するものでも円滑に冷却可能な摩擦攪拌接合装置及びその方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、冷却を効果的に利用して高品質な接合を高能率に行うことが可能な摩擦撹拌接合装置とその接合方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う装置において、
接合線上前方から接合位置までの選択した一または複数点を冷却する冷却手段を設け、該冷却手段が気化潜熱を利用したエタノール等アルコール若しくはエーテルの非水冷却液の噴霧手段であることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、接合線上の前方から接合位置までの選択した一または複数点、より具体的には、回転工具で摩擦入熱する直前位置で、エタノール等の気化潜熱を利用した冷却剤噴霧により冷却することにより、接合部材にアルミ合金をもちいた場合に、組織内のアルミ合金結晶の微細化が達成され、高強度化を実現できる。
この場合にエタノール等の非水冷却材を用いることにより、接合部表面に空気や水分の直接接触を防ぎ、接合部材表面の酸化が防止でき、製品としての品質及び美観の増加につながる。
【0015】
又本第2発明は、接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う装置において、
接合位置周囲と、その接合直後の接合線後方位置夫々を冷却する冷却手段を備え、該冷却手段が、粉粒体、液体、気体のいずれか若しくはこれらの混合流体の噴霧手段であることを特徴とし、好ましくは接合直後の接合線後方を冷却する冷却手段を備え、該冷却手段の冷却区域が、接合ビートからはずれたその両側区域であることを特徴とする。
【0016】
ここで粉粒体にはドライアイス、液体には水や前記したエタノール、気体には低温空気等を用いることができる。
接合位置の大径部周囲と、接合直後の、接合ビートからはずれた両側区域の熱的影響残存部を強制冷却する理由は、攪拌接合部の残留応力分布は、溶接ビート部であまり高くなく、ビート両脇の母材領域である。従って接合線上を冷却するよりその両脇を冷却する方が、残留応力や変形の低減につながる。
この場合に、冷却媒体を回転工具に循環することなく、別異に構成し、粉粒体、液体、気体のいずれか若しくはこれらの混合流体の噴霧により冷却する構成をとることにより、回転工具と被加工物との摩擦熱に対応して冷却量を調整でき、特に接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大する場合においても入熱量に対応させて冷却エネルギを調整できる。
【0017】
本第3発明は、前記接合線上の前方位置を予備加熱する予備加熱手段と、接合直後の接合線後方を冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする摩擦攪拌接合装置を備え、更に好ましくは接合線上の前方位置を予備加熱した後、回転工具の大径部周囲と、その接合直後の接合線後方位置夫々を冷却することを特徴とし、更に好ましくは接合直後の、接合ビートからはずれた両側区域の熱的影響残存部を強制冷却することを特徴とする。
【0018】
かかる発明によれば、工具の前方を接合前に加熱し、工具の後方を冷却することにより、アルミ(アルミ合金も含む)より高融点の銅又は鉄鋼を接合する場合においても、施工を容易に出来るとともに、入熱増加による変形や残留応力の増加を抑えることが出来る。この結果、接合部の迅速軟化、撹拌、冷却固化が回転工具の移動に伴って順次繰り返されていき、突合せ部において接合部は熱変形や残留応力の発生がなく、相互に一体化され順次接合されていき、熱歪みの小さく良好な接合状態の接合品が得られる。
【0019】
又 、被加工物の剛性が高い銅又は鉄鋼を接合する場合、回転ツールと被加工物との摩擦熱が大きくなる。このため、形態や材質等より熱が溜まり易いワークを接合対象とするとき、接合の進行に伴って接合部位への摩擦入熱量が次第に増大することがあるが、この場合においても、接合の開始部位では予備加熱手段の加熱量を大きく更に接合終了部位に近づくにつれ予備加熱量を少なくする等のように接合距離に応じて加熱量を制御するようにしてもよい。
【0020】
前記冷却手段においても同様で、接合位置、その接合方向前方、接合方向後方の温度検知信号、接合速度、若しくは接合距離に応じて冷媒の潤滑量を制御することで、接合部は熱変形や残留応力の発生がなく、熱歪みの小さく良好な接合状態の接合品が得られる。
【0021】
又本発明は、接合部位内に侵入攪拌される小径部と表裏の接合面に圧接摺動される一対の大径部を具えたボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う装置において、前記接合線上の前方位置を予備加熱する予備加熱手段が裏面側接合部位になく、表側接合部位にのみ存在することを特徴とする。
即ち、接合部位内に侵入攪拌される小径部と表裏の接合面に圧接摺動される一対の大径部を具えたボビン型回転工具の接合線上の前方位置を予備加熱する際に、裏面側接合部位を予備加熱することなく、表側接合部位のみを予備加熱させるものである。
【0022】
即ち、これにより摩擦攪拌時の初期にパネル裏面側入熱量を表面側入熱量より大にしながら摩擦攪拌接合がなされるように構成でき、これにより接合部の突き合わせ部にギャップ(隙間)が生じても、パネル自由端の裏面側(中空部側)の板厚を厚くすることで、裏面ショルダ面側が表側ショルダ面より先に軟化してその摩擦熱による入熱により裏面側の軟化した部分のみが接合ギャップ空間に進入するため、外部から見える表面側は凹部が発生することなく、平坦を維持できるとともに、表側は前記したエタノール噴霧して予備冷却を行う事により、100℃以下に十分冷却した状態で摩擦攪拌を行うことにより、接合部材にアルミ合金をもちいた場合に、組織内のアルミ合金結晶の微細化が達成され、高強度化を実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0024】
図1上段はは接合線上の接合直前位置で冷媒噴射による第1の冷却手段と、前記摩擦攪拌接合による接合後、該接合位置後方の熱的影響残存位置を冷却する第2の冷却手段を含む本発明の第1実施例の概略構成図であり、下段は、温度/接合方向を示すグラフ図である。
図1に示す第1実施例は、接合線上の接合直前位置で母材1に向けた冷媒噴射による予備冷却を行う第1の冷却手段3と、前記回転工具20による摩擦攪拌接合による接合後、該接合位置後方の熱的影響残存位置(前接合直後の接合ビート2)を冷却する第2の冷却手段4とからなり、これらの噴射手段3、4は、制御装置6よりの信号に基づいて、接合位置直前の温度検知センサT1、接合位置直後温度検知センサT2の温度検知信号、接合速度や接合距離の信号に応じて前記制御装置6より所定の信号が送出されて冷媒噴出制御機構5の冷媒の温度と噴射及び量を制御して熱的影響残存位置の冷却量と冷却域を制御することにより、運転状態に応じた好ましい予備冷却と後冷却が可能となる。
即ち、母材1の剛性が高い銅又は鉄鋼を接合する場合、回転工具20と被加工物(母材1)との摩擦熱が大きくなる。このため、形態や材質等より熱が溜まり易い母材1を接合対象とするとき、接合の進行に伴って接合部位への摩擦入熱量が次第に増大することがあるが、この場合においても、接合の開始部位では予備冷却手段3の冷却を行わずに、接合途中で予備冷却を行うように制御装置6で制御する。更に接合終了部位に近づくにつれ予備冷却量を多くするように制御装置6で制御する。この場合は接合距離を制御装置の入力信号として該距離に応じて冷却手段3、4の冷却剤噴霧量を制御するようにしてもよい。
【0025】
従って本実施例によれば、回転工具20の前方を接合前に予備冷却し、工具20の後方を冷却することにより、アルミ(アルミ合金も含む)より高融点の銅又は鉄鋼を接合する場合においても、施工を容易に出来るとともに、入熱増加による変形や残留応力の増加を抑えることが出来る。この結果、接合部の迅速軟化、撹拌、冷却固化が回転工具20の移動に伴って順次繰り返されていき、突合せ部において接合部は熱変形や残留応力の発生がなく、相互に一体化され順次接合されていき、熱歪みの小さく良好な接合状態の接合品が得られる。
【0026】
又 、本実施例は、回転工具20と冷却手段3、4を別異に構成し、冷媒として粉粒体にはドライアイス、液体には水や前記したエタノール、気体には低温空気等を用いることができる。
即ち粉粒体状のドライアイスを用いることにより、母材1表面温度を−0℃以下まで低下させることが出来、又エタノールや他の非水溶媒のように、70〜300℃の間に蒸発点を有する液体を用いれば、接合位置の直前温度が前記気化潜熱により、大幅な奪熱が可能であるとともに、予備冷却温度をその蒸発点近傍に維持させることが出来る。この結果前記冷媒の選択とその量の調整により、回転工具20と被加工物(母材1)との摩擦熱に対応して冷却量と冷却温度を調整でき、特に接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大する場合においても入熱量に対応させて冷却エネルギを変化できる。
【0027】
前記後方冷却手段4においても同様で、接合位置、その接合方向前方、接合方向後方の温度検知信号、接合速度、若しくは接合距離に応じて制御装置6より冷媒噴出制御機構5を介して冷媒の潤滑量と温度を制御することで、接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大する場合においてもこれに対応して接合部冷却量を調整して熱的影響残存位置の温度を300℃以下にすることにより、熱変形や残留応力の発生がなく、熱歪みの小さく良好な接合状態の接合品が得られる。
具体的には、前記後方冷却手段4では、接合位置直後の温度T2を取り込んだ制御装置6よりの信号に基づいて冷媒噴出制御機構5で冷媒量の制御が行われ、接合後の母材1を300℃以下、好ましくは260℃前後まで低下させる
【0028】
図2は、回転工具20による母材1の接合線上の前方位置でエタノール噴射による冷却手段3を設けた本発明の第2実施例の要部構成図であり、21は回転工具20のショルダ部、22はプルーブである。2は接合直後の接合ビートで、2’は軟化部を示す。
エタノールは、「C2H5OH無色液体、水に可溶、沸点78、32°C」でしかも気化潜熱も多いために、接合位置直前でエタノールを吹き付けると、接合位置に進入する母材1が、100℃以下に十分冷却した後摩擦攪拌を行うことにより、母材1にアルミ合金をもちいた場合に、組織内のアルミ合金結晶の微細化が達成され、高強度化を実現できる。
【0029】
図3は、接合線上の前方位置で冷媒噴射による第1の冷却手段3A、3Bと、前接合直後の、接合ビート2からはずれた両側区域2A、2Bの熱的影響残存部を強制冷却する手段4A、4Bを含む本発明の第3実施例の概略構成図で、(A)は正面図、(B)は平面図、温度/接合方向を示すグラフ図である。
図において、回転工具20の大径部(ショルダ部)21前側周囲と、接合直後の、接合ビート2からはずれた両側区域の熱的影響残存部2A、2Bを強制冷却する理由は、攪拌接合部の残留応力分布は、溶接ビート部2であまり高くなく、ビート両脇の母材領域である。従って接合線上を冷却するよりその両脇を冷却する方が、残留応力や変形の低減につながる。
この場合に、冷却手段は、第1の冷却手段3A、3Bと、第2の強制冷却手段4A、4Bのいずれも、粉粒体、液体、気体のいずれか若しくはこれらの混合流体の噴霧により冷却する構成をとることにより、回転工具20と母材1との摩擦熱に対応して接合位置直前でも直後でも冷却量を調整でき、特に接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大する場合においても入熱量に対応させて接合位置直前でも直後でも冷却エネルギを調整できる。
【0030】
図4はボビンツール30を用いた他の実施例で、接合線上の前方位置で冷媒噴射による第1の冷却手段3は裏面側ショルダ32側にはなく、表面側ショルダ31のみにある。
その理由は特に表面側ショルダ32は、接合位置直前で冷却されているために、裏面側ショルダ32の接合面の方が先に軟化する。この結果例えば接合されるスキンパネルを自由端側の面板の厚みを、自由端内側に位置する中空部の面板厚みより大に設定するとともに、該スキンパネルの自由端同士の突き合わせ面において、図4(B)に示すように、摩擦攪拌時の初期にパネル裏面側入熱量を表面側入熱量より大にしながら摩擦攪拌接合がなされるように構成でき、これにより接合部の突き合わせ部にギャップ(隙間)が生じても、パネル自由端の裏面側(中空部側)の板厚を厚くすることで、裏面側ショルダ32が表面側ショルダ31より先に軟化してその摩擦熱による入熱により裏面側の軟化した部分(図4(B)のギャップ進入部)のみが接合ギャップ空間に進入するため、外部から見える表面側は凹部が発生することなく、平坦を維持できるという極めて好ましい効果を有す。
又表側パネル側はエタノール噴霧により100℃以下に十分冷却した後摩擦攪拌を行うことにより、接合部材にアルミ合金をもちいた場合に、組織内のアルミ合金結晶の微細化が達成され、高強度化を実現できる。
【0031】
同図における冷却手段40は図3の第2の強制冷却手段4A、4Bと同様な構成である。又図4(C)はボビンツールのせん断応力の発生状態を示す。本図でもわかるとおり、接合軟化部2’は表面側ショルダ31と裏面側ショルダ32の対面位置で、軟化部2’が回転軸33中央側に進むにつれ大きくやせている。このような状態でもせん断応力はショルダ31、32外径側に発生する為に、大径部外径周囲を直接冷却するのがよいことが理解できる。
【0032】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、接合前、接合中及び接合後の加熱による種々の欠陥、変形及び酸化や結晶等の化学的欠陥を防止でき、長時間の接合においても熱的な種々の欠陥を減少できる。
又本発明によれば、接合移動経過に従って冷却量を調整することが可能で、これにより形態や材質等より熱が溜まり易いワークを接合対象とするとき、接合の進行に伴って接合部位への入熱量が次第に増大するものでも円滑に冷却可能となる。
更に本発明によれば、冷却を効果的に利用して高品質な接合を高能率に行うことが可能な摩擦撹拌接合装置を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】接合線上の前方位置で冷媒噴射による第1の冷却手段と、前記摩擦攪拌接合による接合後、該接合位置後方の熱的影響残存位置を冷却する手段を含む本発明の第1実施例の概略構成図である。
【図2】接合線上の前方位置でエタノール噴射による冷却手段を設けた本発明の第2実施例の要部構成図である。
【図3】接合線上の前方位置で冷媒噴射による第1の冷却手段と、前接合直後の、接合ビートからはずれた両側区域の熱的影響残存部を強制冷却する手段を含む本発明の第3実施例の概略構成図である。
【図4】接合線上の前方位置で冷媒噴射による第1の冷却手段と、前記摩擦攪拌接合による接合後、該接合位置後方の熱的影響残存位置を冷却する手段を含むボビンツールにおける本発明の第4実施例の概略構成図である。
【図5】従来技術に係る摩擦撹拌接合のプローブツールとボビンツールの基本構成図である。
【符号の説明】
1 母材
2 溶接ビート部
3 第1の冷却手段
4 第2の冷却手段
3A、3B 第1の強制冷却手段
4A、4B 第2の強制冷却手段
5 冷媒噴出制御機構
6 制御装置
20 回転工具
21 ショルダ部
22 プルーブ
30 ボビンツール
31 表面側ショルダ
32 裏面側ショルダ
33 回転軸
40 冷却手段
Claims (11)
- 接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う装置において、
接合線上前方から接合位置までの選択した一または複数点を冷却する冷却手段を設け、該冷却手段が気化潜熱を利用した非水冷却液の噴霧手段であることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う装置において、
接合位置の工具大径部周囲と、その接合直後の接合線後方位置夫々を冷却する冷却手段を備え、該冷却手段が、粉粒体、液体、気体のいずれか若しくはこれらの混合流体の噴霧手段であることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う装置において、
接合直後の接合線後方を冷却する冷却手段を備え、該冷却手段の冷却区域が、接合ビートからはずれたその両側区域であることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う装置において、
前記接合線上の前方位置を予備加熱する予備加熱手段と、接合直後の接合線後方を冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 接合部位内に侵入攪拌される小径部と表裏の接合面に圧接摺動される一対の大径部を具えたボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う装置において、
前記接合線上の前方位置を予備加熱する予備加熱手段が裏面側接合部位になく、表側接合部位にのみ存在することを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う接合方法において、
接合線上の前方から接合位置までの選択した一または複数点を、気化潜熱を利用した非水冷却液噴霧により冷却することを特徴とする摩擦攪拌接合方法。 - 接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う接合方法において、
接合位置の大径部周囲と、その接合直後の接合線後方位置夫々を、粉粒体、液体、気体のいずれか若しくはこれらの混合流体の噴霧により冷却することを特徴とする摩擦攪拌接合方法。 - 接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う接合方法において、
接合直後の、接合ビートからはずれた両側区域の熱的影響残存部を強制冷却することを特徴とする摩擦攪拌接合方法。 - 接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う接合方法において、
接合線上の前方位置を予備加熱した後、接合位置と、その接合直後の接合線後方位置夫々を冷却することを特徴とする摩擦攪拌接合方法。 - 接合部位内に侵入攪拌される小径部と接合面に圧接摺動される大径部を具えたブローブ型若しくはボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う接合方法において、
接合線上の前方位置を予備加熱した後、前接合直後の、接合ビートからはずれた両側区域の熱的影響残存部を強制冷却することを特徴とする摩擦攪拌接合方法。 - 接合部位内に侵入攪拌される小径部と表裏の接合面に圧接摺動される一対の大径部を具えたボビン型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う接合方法において、
前記接合線上の前方位置を予備加熱する際に、裏面側接合部位を予備加熱することなく、表側接合部位のみを予備加熱することを特徴とする摩擦攪拌接合装置。
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