JP2004144585A - 原子炉容器の取扱方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原子炉建屋を跨ぎ且つ支柱が地上及び原子炉建屋上に設置された梁の上に設置されたジャッキ式つり上げ機を用いて、原子炉建屋の内部に設置されている原子炉容器を原子炉建屋から搬出し、又は該ジャッキ式つり上げ機を用いて、新原子炉容器を原子炉建屋内に搬入する。
【効果】RPVの搬出/搬入に際して、計画軌道上を確実に移動させることができるため、安全性を向上することができる
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電プラントにおける大型構造物(原子炉容器,シュラウド及び炉内構造物等)の取替時の大型構造物の取扱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所は建設時に要求された耐用年数に対して十分な余裕を持って設計されており、寿命の尽きた機器や大型構造物を交換(取替)することで、原子力発電所の延命化(長寿命化)を図ることができる。このような取替工法の従来技術としては、原子炉圧力容器(Reactor Pressure Vessel(以下「RPV」という。))を原子炉建屋から搬出/搬入するものがある。(例えば、特許文献1参照。)特許文献1には、RPVの取替に際し、原子炉建屋を跨いで設置された架台とこの架台上に搭載された格納設備と、原子炉建屋から格納設備にRPVをつり上げるクレーンと格納設備の床面を移動する台車と、架台に搭載され格納設備に移送されたRPVを格納設備外につり降ろすタワークレーンと、このタワークレーンにてつり降ろされたRPVをメンテナンス建屋に移送する走行台車とを備えた搬出/搬入方法が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−262190号公報(第6−8頁,第1図,第13図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術等で扱うRPVは、遮蔽体,吊具等を含めると出力1100Mwe級では約1700トンにも及ぶ大型構造物となる。このため、搬出/搬入作業にあたっては、高い安全性を確保しなければならない。
【0005】
特許文献1では、RPVを架台上から地上の台車へつり降ろすため及びRPVをつり上げるクレーンや格納設備を設置するために、大型のクレーンが必要となる。特許文献1にはクレーンの詳細は明記されていないが、出力1100Mwe級では、総重量1700トンものクレーンが必要となると思われる。
【0006】
大型構造物の取替作業に際し、安全性に関する問題点を検討した結果、大型構造物の移動に際して計画軌道上を確実に移動させること(揚重機の転倒やワイヤの切断等の欠損が生じないことを含む)が特に重要であるという結論に達した。
【0007】
本発明の目的は、原子炉建屋内の大型構造物を原子炉建屋から搬出/搬入する際に、安全性を向上することができる大型構造物の取扱方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、荷重を既設建屋に伝える支柱及び地上に設置された支柱を備えた架構上に設けられたジャッキ式つり上げ機を用いて、原子炉建屋の内部に設置されているRPVを原子炉建屋から搬出し、又は該ジャッキ式つり上げ機を用いて、新RPVを原子炉建屋内に搬入する。
【0009】
RPVの搬出/搬入に際して、計画軌道上を確実に移動させることができるため、安全性を向上することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における大型構造物の搬出/搬入方法を、RPVの取り替えに適用した実施例を説明する。
【0011】
(実施例1)
本実施例のRPVの取扱方法では、RPVの搬出/搬入に際して、ジャッキ式つり上げ機(以下「つり上げ機」という。)101を用いる。また、つり上げ機をのせる梁は原子炉建屋を跨ぐように設置し、梁を支える一部の支柱は原子炉付属棟に設ける。
【0012】
まず、本実施例においてRPV取替工事を適用する沸騰水型原子力プラント(以下「BWRプラント」という。)の詳細を、図2を用いて説明する。原子炉建屋3は、原子炉格納容器(以下「PCV」という。)8が設けられている原子炉棟3aと廃棄物処理設備や非常用ジーゼル発電機設備等を配置している原子炉付属棟3bから構成される。原子炉棟3aは地上高さが40〜50mの建築物である。これに対し原子炉付属棟3bは地上高さ10〜20mの建築物である。
PCV8内にはRPV1が設けられている。PCV8の上部には、燃料集合体(以下「燃料」という。)11の交換、RPV1内の構造物である炉内構造物2の取り出し等に際し、燃料11等からの放射線を遮蔽する遮蔽水を張るための原子炉ウェル5が設けられている。RPV1を取り替える際は、原子炉ウェル5からRPV1を搬出/搬入する。取り出した炉内構造物2を保管するための機器プール7が、原子炉ウェル5に隣接して設置されている。また、燃料11を保管するための使用済燃料プール6が、原子炉ウェル5を挟んで機器プール7の反対側に設けられている。RPV1はペデスタル10上に設置されており、基礎ボルト(図示せず)で固定されて自立している。RPV1の外側にはRPV1や炉内構造物2からの放射線を遮蔽する原子炉遮蔽壁(以下「RSW」という。)9が設けられている。RPV1の上蓋であるトップヘッド1aは、ボルトによりRPVのフランジ1bに固定される。
【0013】
原子炉棟3a内の運転床4には、図3に示すように、原子炉ウェル5の位置を基準として、使用済み燃料プール6と機器プール7とが反対の位置に配置されている。原子炉ウェル5と使用済み燃料プール6の間にはゲート6aが設けられている。
【0014】
図4に示すように、原子炉棟3aの壁3a1には柱3a2が設けられている。天井クレーン12のレール12aの設置及びクレーンの荷重の支持のため、柱
3a2の中央付近から下部の一部は太い柱3a3となっている。
【0015】
以下、図1を用いて本実施例のRPVの取扱方法を説明する。はじめに、ステップS01で原子炉建屋3を跨ぐように架構(梁40及び支柱41,42を一体として「架構」という。)99を設置する(図5参照)。梁40は、ジャッキ式昇降支柱41及び支柱42により支持される。車輪を有する走行装置が走行できるよう、梁40の上面は平面になっている。梁40はレールとしても使用される。大物搬入口3cは、原子炉建屋3へ大型の機器を搬出入する際に用いるものである。RPVつり降ろし位置49は、RPVの地上へのつり降ろし及び新RPVの地上からのつり上げの際に、RPVが設置される地上位置を示したものである。また、原子炉建屋3の真上から見たときの原子炉ウェル5,使用済み燃料プール6及び機器プール7の位置を点線で示す。搬出/搬入されるRPVの軌道が使用済み燃料プール6の上を通過しないように、つまり、原子炉建屋3の真上から見たときに原子炉ウェル5とジャッキ式昇降支柱41との間の位置に燃料プールが存在しないように、梁40,ジャッキ式昇降支柱41及び支柱42を配置する。例えば、図5のように、原子炉ウェルに対して燃料プールの反対側にジャッキ式昇降支柱41を設置する。これにより、仮に、何らかの原因でRPVが計画外の移動をした場合であっても、使用済燃料プールの損傷及び使用済燃料プール内の燃料との接触を回避することができ、安全性を向上することができる。また、ジャッキ式昇降支柱41は原子炉建屋の大物搬入口3c側に設けると良い。これにより、大物搬入口3c付近に設けられている大型の搬入物を移動させるためのスペースを利用してジャッキ式昇降支柱41を設置することができる。
【0016】
タービン建屋3xが原子炉建屋3に隣接して配置されているプラントや、プラント敷地の機器設置状況等の理由により、梁40を支える支柱42を地上に設置することができない場合がある。このような場合、支柱42を原子炉付属棟3bに設置することにより、問題を解決することができる。
【0017】
また、RPV1を搬出/搬入する際、支柱42へ掛かる荷重は大きい。従って、支柱42への荷重が原子炉付属棟3bの壁3b2及び壁に接続された柱3b1に掛かるよう、支柱42は壁3b2及び柱3b1上方に設置される(図6参照)。具体的には、壁3b2及び柱3b1上方の原子炉付属棟3b上にプレート13cを設置し、プレート13c上に荷重又はたわみを測定する装置(例えば、ロードセル。以下「測定装置」という。)13bを設置する。さらに測定装置13b上に、支柱の高さ位置を調節する装置(例えば、ジャッキ。以下「高さ位置調整装置」という。)13aを設置する。支柱42は高さ位置調整装置13a上に設置する。支柱42から壁3b2及び柱3b1に掛かる荷重が分散するように、測定装置13bの測定結果に基づいて、油圧ポンプ制御装置等により高さ位置調整装置13aの高さを制御する。また、柱3b1及び壁3b2を鋼材及び鉄筋コンクリート等により補強する。具体的には、柱3b1を囲むように、鋼材及びステーを取り付けて補強する。柱3b1を囲むように、鉄筋コンクリートパネル15をアンカーボルト等を用いて壁3b2に固定して補強してもよい。
【0018】
次に、ステップS02で、RPVの搬出/搬入を行うためのつり上げ機101を原子炉建屋上方に設置する。
【0019】
まず、つり上げ機101の一例を図7を用いて説明する。つり上げ機101は、その上部にジャッキ式つり上げ装置(以下「つり上げ装置」という。)50を有し、つり上げ装置50,架台57及び走行装置58等から構成される(図7
(a)参照)。つり上げ装置50は、ジャッキ51,ロッド53及び吊具59等により構成される。つり上げ装置50が有するジャッキの数は、つり上げ対象物の重量に対応して増減することが可能である。複数のプラントでRPV取替が実施されることを考慮した場合、RPVはその出力により重量が大きく異なるため、▲1▼RPVの重量に対応した複数のクレーンを所有することや、▲2▼最も重いRPVに対応させたクレーンにより全てのRPV取替作業を行うこと(クレーンが大きいために、原子炉建屋周辺と不要な干渉が生じる。また、不必要な地盤の強化及び強化面積の拡大を行わなければならない。)は、不経済である。つり上げ装置50を用いた場合、クレーンに比べ、つり上げ対象物の重量に対して柔軟に対応することでき、複数のプラントで有効利用することができる。
【0020】
図7(b)に示すロッド53は、一端に雌ネジ53a、他端に雄ネジ53bを有し、ロッド同士を長手方向に接続することができる。接続したロッドの最下端は吊具59に接続し、上端側はジャッキ51により保持される。
【0021】
図7(c)に示すジャッキ51は、ロッド53を保持することができる上部チャック85及び下部チャック86を有する。シリンダー88の油圧によりラム
87を上下方向に移動させることができ、ラム87の移動に伴い、上部チャック85も上下方向に移動する。また、上部チャック85及び下部チャック86は、それぞれ閉方向(ロッドを保持する方向)及び開方向(ロッドの保持を解除する方向)に動かすことが可能である。
【0022】
つり上げ装置50(ジャッキ51)によりロッドを上方に引き上げる手順を図7(d)を用いて説明する。ここで、複数のロッド53が長手方向に接続されたときの全体のロッドをロッド53cとする。まず、▲1▼上部チャック85及び下部チャック86によりロッド53cを保持する(図7(d)(1))。次に、▲2▼下部チャック86を開方向に動かす(図7(d)(2))。次に、▲3▼上部チャック85を油圧により上方に引き上げることにより、ロッド53cを上方に引き上げる(図7(d)(3))。その後、▲4▼下部チャック86を閉方向に動かしロッド53cを保持する。さらに上部チャック85を開方向に動かし、上部チャック85を下降させる(図7(d)(4))。下降させた上部チャック85を閉方向に動かすことによりロッド53cを保持し、ジャッキ51は図7(d)(1)の状態へ戻る。上部チャックより上方の位置となったロッドは、他のロッドから切り離される。以上▲1▼〜▲4▼の工程を繰り返すことにより、ロッド53cを上方に引き上げることができる。
【0023】
つり上げ装置50を用いてRPV1をつり上げることにより、クレーンを用いてRPVをつり上げる場合に比べ、ワイヤの切断,揚重機の転倒及び揺れ等によるRPVの計画外の移動の可能性を極めて小さくすることができ、安全性を向上させることができる。
【0024】
次に、つり上げ機101を原子炉建屋上方に設置する手順について、図8及び図9を用いて説明する。まず、伸縮機能を有するジャッキ式昇降装置60のピン63をジャッキ式昇降支柱41のジャッキ式昇降支柱ピン穴41aに差し込むことにより、各ジャッキ式昇降支柱41にジャッキ式昇降装置60を取り付ける。さらにジャッキ式昇降装置60に構台40c取り付けることにより、構台40cをジャッキ式昇降支柱に設定する。構台40cのジャッキ式昇降装置60への取り付けは、ジャッキ式昇降装置60のピン64を構台ピン穴40c1及びジャッキ式昇降支柱ピン穴41aに差し込むことにより行う。さらに、構台40c上にビーム40bを設置する。その上に走行装置58を設置し、架台57を取り付ける。次いで、つり上げ装置50を架台57の上に設置する。それらの設置にはクレーンを用いる。これでビーム40b上へのつり上げ機101の設置を終了する。つり上げ機101をビーム40b上で組み立てる場合、それぞれの部品をつり上げられるクレーンがあればよいので、つり上げ機101をビーム40b上以外の場所で組み立ててからビーム40b上に移動する場合よりも小さなクレーンでビーム40b上に設置することができる。そのため、大型のクレーンを用いる場合よりもクレーンを設置する地盤の強度を低くすることができる。尚、つり上げ機101をビーム40b上以外の場所で組み立ててから、ビーム40b上に移動してもよい。この場合、つり上げ機101をビーム40b上で組み立てる場合よりもつり上げ機101の設置時間を短縮することができる。その後、構台40cを上昇させることにより、ビーム40bの上面と梁40の上面とを同一の高さとする。構台40cを上昇させる手順を説明する。図7(b)に示すように、構台ピン穴41aからピン64を抜き、ジャッキ式昇降装置60の昇降ジャッキ61を伸ばすことにより、構台40cを押し上げる。その後、ピン64を構台ピン穴(図7(a)で差し込んだ構台ピン穴より上方の構台ピン穴。)41aに指し込み構台40cを保持する。次に、図9(c)に示すように、構台ピン穴41aからピン63を抜き、昇降ジャッキ61を縮めることにより、ジャッキ式昇降装置60を引き上げる。ピン63を構台ピン穴(図7(a)で差し込んだ構台ピン穴aより上方の構台ピン穴。)41aに差し込む。以上図7(a)〜(c)の工程を繰り返すことにより、ジャッキ式昇降装置60により構台40cを上昇させることができる。
【0025】
次に、ステップS1で、発電機を解列し、原子力発電プラントの定期検査を始める。ステップS2で、原子炉の開放作業を行う。原子炉開放作業では、RPVヘッド1aや炉内機器の取外し作業等を実施する。取り外した炉内機器は、機器プール7に移動する。ステップS1及びステップS2は定期検査で行っている作業と同じである。
【0026】
ステップS3では、炉心内に装荷されている燃料11を使用済燃料プール6内のラック11aに移動する。燃料移動方法は以下のように行われる。原子炉ウェル5を満水とし、原子炉ウェル5と使用済み燃料プール6との間のゲート6aを開ける。炉心から取り出された燃料11は、原子炉ウェル5から使用済み燃料プール6へと水中を移動する。炉心内の燃料を取り出すことにより、RPV1の搬出時にRPV1の表面線量率を低減でき、作業者の被曝線量を低減することができる。燃料移動が完了した後、ゲート6aを閉鎖し、原子炉ウェル5の水抜きを行う。次に、ステップS4で、RPVに接続されている配管を切断する。ステップS5で、RPVの搬出/搬入を行うための開口部を原子炉建屋の屋根に形成する。
【0027】
ステップS01及びステップS02はステップS1〜S4と平行して実施してもよい。ステップS01及びステップS02のうち少なくとも何れかをステップS1〜S4と平行して実施することにより、工事期間を短縮することができる。
【0028】
当該RPVの取替工事が行われる前の定期検査期間中に、ステップS01,ステップS02及びステップS5を実施しても良い。炉内構造物の交換作業を二度(当該取替工事及び前回の定期検査)に分けて実施することができる。これにより、当該取替工事期間を短縮することができ、長期間の原子炉停止を回避することができる。また、当該RPVの取替工事が行われる前の原子炉運転中に、ステップS01,ステップS02及びステップS5を実施しても良い。これにより、当該工事期間を短縮することができる。
【0029】
ステップ5の後ステップS6で、図10に示すように、原子炉建屋3内に使用済み燃料プールを防護する鋼製の防護壁43を原子炉ウェル内に設置する。防護壁43はコンクリート製でもよい。防護壁43は、転倒を防止するために防護壁支持材43aにより支持され、その内面には、緩衝材43b及び複数のガイド44を有する。ガイド44は、ローラ44b及びローラ44bを支持するガイドブラケット44aから構成される。ガイドブラケット44aの長さ(防護壁43から内側に突き出た高さ)は、図示しないが調整可能になっている。これにより、放射線遮蔽体21に覆われたRPVを搬出する場合において、ローラ44bを放射線遮蔽体21の外面に接触させてガイドすることができ、さらに、放射線遮蔽体を付ける必要のない新RPVを搬入する場合においても、ローラ44bを新RPVの外面に接触させてガイドすることができる。
【0030】
次に、ステップS7で、搬出されるRPVからの放射線を遮蔽する放射線遮蔽体21を原子炉建屋内に搬入し、RSW9の上端に設置する(図11参照)。放射線遮蔽体21は、放射化されたRPV1からの放射線を遮蔽する。放射線遮蔽体21が鉄製の場合、厚さが150〜200mm、重量が400〜500トンとなる。放射性遮蔽体21は内径がRSW9の内径とほぼ等しく、外径がRSW9の外形よりも若干小さい構造物とする。放射線遮蔽体21をRSW9の上端に設置する手順を以下に説明する。つり上げ装置50により放射線遮蔽体21を原子炉建屋3外の地上から梁40の上方につり上げる。その後、放射線遮蔽体21をつっているジャッキ式つり上げ機101を、梁40上を走行装置58により仮開口部17上方まで移動させる。放射線遮蔽体21は、つり上げ装置50により下降され、仮開口部17から防護壁43内を通って、RSW9上に仮置きされる。放射線遮蔽体21は、防護壁内ではガイド44により案内される。放射線遮蔽体21を仮開口部17からRSW9上に設置する際は、走行装置58をピン114によって梁40に固定する。
【0031】
ここで、つり上げ機101は走行装置58を複数有し、架台57と走行装置58との接続部には、高さ位置調整装置58a及び測定装置58bが取り付けられている(図11(b)参照)。前述のように高さ位置調整装置58a及び測定装置58bを用いることにより、つり上げ機101から梁40に加わる荷重を分散することができる。
【0032】
次に、ステップS8で、RPV1を放射線遮蔽体21とともにつり上げて原子炉建屋3より搬出する。RPV1及び放射線遮蔽体21を原子炉建屋3から搬出する手順について説明する(図12参照)。まず、RSW上端に設置した放射線遮蔽体21に取り付けられているつり上げ装置50の吊具59を外す。次に、吊具59を更に下げ、RPV1のフランジ1bに取り付ける。その後、つり上げ装置50により吊具59を引き上げることによりRPVを引き上げ、放射線遮蔽体21頂部に取り付けられた複数のビーム21aにRPVのフランジ1bを当接させる。即ち、図12(b)に示すように、放射線遮蔽体21上端の各ビーム21aがフランジ1bに引っかけられる。従って、RPV1を更につり上げることにより、放射性遮蔽体21も上方に引き上げられる。
【0033】
ここで、RPV1及び放射線遮蔽体21を搬出する際に、つり上げる途中でRPV1が原子炉ウェル5内に落下したとしても、RPV1は放射線遮蔽体21と一緒に落下する。ここで、放射線遮蔽体21は、防護壁43内を落下し、RPV1とは前述のように当接しているだけであるから、RSW9の上に着座する。また、RPV1は、RSW9内を通って、ペデスタル8上に着座する。着座したRPV1は、RSW9によって使用済燃料プール6側に倒れることが防止される。このように、RPV1がつり上げ途中で落下した場合においても、防護壁43を設置することにより、落下したRPV1が使用済燃料プール6に損傷を与えることを防ぐことができる。
【0034】
次に、RPV1の底部に設けられた制御棒駆動機構60の下端が原子炉建屋3の上面よりも高い位置となるまで、RPV1及び放射線遮蔽体21をつり上げ装置50によりつり上げる。その後、シャッター18を閉じて、仮開口部を封鎖する。
【0035】
次に、ピン114を外し、走行装置58を用いてつり上げ機101を、梁40上を移動させ、RPVつり降ろし位置49の上方の位置とする。その後、つり上げ装置50により、RPV1及び放射線遮蔽体21をRPVつり降ろし位置49までつり降ろし、原子炉建屋外へのRPV1の搬出作業を終了する。このRPVは、地中に設けられた保管庫(図示せず)に保管される。
【0036】
次に、ステップS9で、新RPV118を原子炉建屋3内に搬入し、ペデスタル10上に設置する。前述の新RPV118の搬入は、遮蔽体が無いことを除けば、RPV1の搬出作業の逆の手順により行う。まず、新RPV118をつり降ろし位置49まで運ぶ。次いで、吊具59を新RPV118に接続し、つり上げ装置50により新RPV118をつり上げ、新PRV118をつり上げ機101内に格納する。その後、つり上げ機101を、走行装置58を用いて梁40上を移動させることにより、新RPV118を仮開口部17上方まで移動させる。その後、シャッター18を開く。次いで、防護壁43のガイドブラケット44aの位置を、新RPV118をガイドする位置とする。つり上げ装置50により、新RPV118を仮開口部17,防護壁43,RSW9の各内側を通して、ペデスタル10上に着座させる。その後、新RPV118を、RPV1の場合と同様にペデスタル10に固定する。RPV1の搬出時と同様に、仮に、新PRV118を原子炉建屋3へ搬入する際に何らかの原因で新RPV118が原子炉ウェル内に落下した場合でも、新RPV118は、防護壁43及びガイド44によりRSW9内を通って、ペデスタル10上に着座する。従って、新RPV118が使用済燃料プール6側に倒れることを防止でき、新RPV118による使用済燃料プール6への損傷を防ぐことができる。
【0037】
次に、ステップS10で、防護壁43及び支持材43aを撤去し、原子炉建屋3外に搬出する。防護壁43及び支持材43aの撤去は、設置と逆の手順で行うので、説明を省略する。ステップS11で、仮開口部17を閉鎖する。即ち、ステップS5において開口部の形成の際に撤去した撤去屋根を保管場所から運び、撤去時と逆の手順で仮開口部17に設置する。撤去屋根と原子炉屋根との接合部をあて板,ボルト締め及びコンクリート注入等により復旧する。なお、本実施例では撤去した屋根を再利用したが、仮開口部に新たな屋根を設けてもよい。
【0038】
次に、ステップS03で、つり上げ機101を撤去する。撤去方法は、ステップS02と逆の手順で行うので、説明を省略する。次に、ステップS04で架構99を解体する。撤去方法は、ステップS01の逆の手順で行うので、説明を省略する。ステップS12で新RPVに接続する配管を復旧し、ステップS13で使用済み燃料プールの燃料を炉心に装荷する。以上により、RPV取替作業が終了する。その後、原子炉を起動する。
【0039】
ステップS03及びステップS04を、ステップS12〜14と平行して実施してもよい。また、ステップS03及びステップS04を、ステップS14の後、原子炉が運転を再開してから行ってもよい。ステップS03及びステップS04のうち少なくとも何れかを、ステップS12〜14と平行して実施する又は原子炉の運転再開後に実施することにより、原子炉停止期間を短縮することができる。これにより、原子力プラントの運転率を向上させることができる。
【0040】
また、原子炉建屋3屋根と梁40との間に、高さ位置調整装置13a及び測定装置13bを有する支柱42を複数設置してもよい(図13)。前述のように高さ位置調整装置58a及び測定装置58bを用いることにより、つり上げ機101から梁40に加わる荷重を原子炉建屋3屋根に分散して掛けることができる。
【0041】
架構99は図14のように設置することもできる。図5と異なる点は、
▲1▼ビーム42bにより支柱42を支え、ビーム42bは原子炉付属棟3bとの間に複数の支柱42c(高さ位置調整装置13a及び測定装置13bを有する)を有する。
▲2▼支柱42を、スタッドボルト等により原子炉棟3a外壁に接合する。
▲3▼ジャッキ式昇降支柱41から伸びた梁40を分岐させることにより、原子炉ウェルを挟んでジャッキ式昇降支柱41の反対側の原子炉建屋側を避けて支柱42を設置する。
の3点である。
【0042】
▲1▼により、ビーム13aを用いることにより、支柱42に加わる垂直荷重を原子炉付属棟3bの柱及び壁に分散させることができる。
【0043】
▲2▼により、スタッドボルトを介して支柱42に加わる水平荷重を原子炉建屋3の外壁に分散させることができる。
【0044】
▲3▼により、原子炉ウェルを挟んでジャッキ式昇降支柱41の反対側の原子炉建屋側に支柱が設置できない場合でも、架構を設置することができる。
【0045】
ここで、上記▲1▼〜▲3▼は独立して効果を得ることができ、必ずしも全てを同時に満たす必要はない。
【0046】
本実施例によれば、原子炉建屋上に設置された梁の上をRPVが移動することにより、クレーンを用いてRPVを移動させる場合に比べ、RPVの揺れを小さくすることができる。従って、RPVの計画外の移動の可能性を極めて小さくすることができ、安全性を向上させることができる。つり上げ装置50を用いてRPVをつり上げることにより、クレーンを用いてRPVをつり上げる場合に比べ、ワイヤの切断(ロッドの破断)可能性,揚重機の転倒の可能性及びRPVの揺れを小さくすることができる。従って、RPVの計画外の移動の可能性を極めて小さくすることができ、安全性を向上させることができる。RPVの搬出/搬入において、原子炉建屋3の真上から見たときに原子炉ウェル5とジャッキ式昇降支柱41との間に燃料プールが存在しないように、梁40,ジャッキ式昇降支柱41及び支柱42を配置ことにより、搬出/搬入されるRPVの軌道が使用済み燃料プール6の上を通過しないようにすることができる。従って、仮に、何らかの原因でRPVが計画外の移動をした場合であっても、RPVと燃料集合体との接触を回避することができ、安全性を向上することができる。
【0047】
また、原子炉付属棟3bに支柱を設置することにより、原子炉建屋に他の建屋が隣接し、支柱設置場所の確保が困難なプラントでも、架構を設置することができる。
【0048】
上記第1実施例では、原子炉付属棟3bに支柱を設置したが、他の既設建屋(例えば、タービン建屋)に設置してもよい。この場合でも、RPVの搬出/搬入に際し、安全性を向上させることができ、さらに、支柱設置場所の確保が困難なプラントでも、架構を設置することができる。また、上記第1実施例では、支柱の一部を原子炉建屋(原子炉付属棟3b)に設置したが、全ての支柱を原子炉建屋に設置してもよい。この場合でも同様に、RPVの搬出/搬入に際し、安全性を向上させることができ、さらに、支柱設置場所の確保が困難なプラントでも、架構を設置することができる。
【0049】
(実施例2)
次に、つり上げ機をのせる梁40をワイヤ39等を用いて支持する実施例について説明する。本実施例は、ステップS01以外は実施例1と同じでなのでステップ01以外については説明を省略する。また、ステップ01において実施例1と異なる点のみを図13を用いて説明する。
【0050】
原子炉建屋3の辺3fや辺3g側にタービン建屋3xや他の構築物が隣接しており、辺3fや辺3g側に支柱42を設置できない場合についての本実施例を以下に説明する。原子炉建屋3の辺3d及び辺3eの地上に支柱42を立て、梁39を渡す。ジャッキ式昇降支柱41に接続した梁40は、梁39と交差させ、つり上げ機101が仮開口17の上方に設置可能となる全長及び位置とする。さらに、ジャッキ式昇降支柱41上に支柱35を立て、梁40端部38,支柱35の頂部及び地上に設置した巻あげ機(水平に設けた円筒状の胴を回転し、胴に巻いたロープまたは鎖の一端に重量物を掛けて揚げ下ろしする機械をいう。)37を支点にしてワイヤ36を設置する。巻あげ機37でワイヤの張力を調整することにより、梁40端部38を支持する。以上の方法により、仮開口部17上方につり上げ機の設置を可能とする架構99を設置する。
【0051】
本実施例によれば、原子炉建屋3にタービン建屋3xや他の構築物が隣接している場合でも、原子炉建屋3やタービン建屋上に支柱を立てることなく架構を設置できる。これにより、原子炉建屋やタービン建屋等の補強を不用とすることができ、大型機器の取替工事期間を短縮することができる。
【0052】
また、梁40をワイヤ39等を用いて支持することにより、支柱42に必要とされる強度を減少することができる。
【0053】
さらに、本実施例によれば、原子炉建屋上に設置された架構上をRPVが移動することにより、クレーンを用いてRPVを移動させる場合に比べ、RPVの揺れを小さくすることができる。従って、RPVの計画外の移動の可能性を極めて小さくすることができ、安全性を向上させることができる。つり上げ装置を用いてRPVをつり上げることにより、クレーンを用いてRPVをつり上げる場合に比べ、ワイヤの切断(ロッドの破断)可能性,揚重機の転倒の可能性及びRPVの揺れを小さくすることができる。従って、RPVの計画外の移動の可能性を極めて小さくすることができ、安全性を向上させることができる。RPVの搬出/搬入において、原子炉建屋3の真上から見たときに原子炉ウェル5とジャッキ式昇降支柱41との間に燃料プールが存在しないように、梁40,ジャッキ式昇降支柱41及び支柱42を配置することにより、搬出/搬入されるRPVの軌道が使用済み燃料プール6の上を通過しないようにすることができる。従って、仮に、何らかの原因でRPVが計画外の移動をした場合であっても、RPVと燃料集合体との接触を回避することができ、安全性を向上することができる。
【0054】
上記第2実施例では、全ての支柱を地上に立てたが、少なくとも一つの支柱を原子炉建屋上やタービン建屋上等の既設建屋上に設置してもよい。この場合でも、ワイヤを使用しない場合に比べ、原子炉建屋やタービン建屋等の補強強度を減らすことができ、大型機器の取替工事期間を短縮することができる。
【0055】
上記各実施例では、大型構造物の取替工事をRPVの取替作業として説明したが、例えばシュラウド等の炉内構造物の取替作業に適用しても、同様の効果を得ることができる。
【0056】
上記各実施例では、大型構造物の取替工事を沸騰水型原子力プラントに適用したが、加圧水型原子力プラントに適用しても、同様の効果を得ることができる。
【0057】
上記各実施例では、RPVの搬出に際し、放射線遮蔽体21を原子炉建屋外から搬入し、RPV及び該放射線遮蔽体を一体として搬出した。しかし、RPV1を除染等することにより放射線遮蔽体21を用いる必要がなくなった場合は、放射線遮蔽体21を用いる必要はない。この場合でも、本発明の目的を達成することができる。
【0058】
上記各実施例で用いた「つり上げ機」とは、つり部材及びつり部材を保持する複数の保持機構を有し、これらの保持機構を交互に開閉し、複数の保持機構の間の距離を動力(例えば油圧)を用いて伸縮させることにより、つり部材を介して荷のつり上げ又は、つりさげ等を行うことを目的とした機械装置をいう。上記各実施例では、つり部材としてロッド53を用いたが、ワイヤロープ,PC鋼より線,つり鋼帯(テンションプレート)及び鋼棒(テンションロッド)等を用いても、上記各実施例と同様の効果を得ることができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、RPVの搬出/搬入に際して、計画軌道上を確実に移動させることができるため、安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である構造物の取扱方法、具体的には原子炉建屋内の大型構造物取替方法の作業手順を示すフローチャート。
【図2】原子炉建屋の概略縦断面図。
【図3】図2のA−A視図。
【図4】原子炉棟上部の拡大図。
【図5】架構の取り付け状態を示す原子炉建屋の斜視図。
【図6】図5のB部詳細図。
【図7】ジャッキ式つり上げ機の構成を示し、(a)はジャッキ式つり上げ機の側面図、(b)はロッドの拡大斜視図、(c)はジャッキの拡大図、(d)はロッドを上方に引き上げる手順を示す図。
【図8】ジャッキ式昇降装置及びジャッキ式昇降支柱を示す図。
【図9】(a)〜(c)は図8のG部詳細図で構台を上昇させる手順を示す図、(b)は図9(a)のJ−J断面図。
【図10】防護壁の構造を示し、(a)は防護壁を原子炉ウェル内に設置した状況を示す図、(b)は図10(a)のC部詳細図。
【図11】(a)は放射線遮蔽体をRSW上部に設置する手順を示す説明図であり、(b)は図11(a)のE部詳細図。
【図12】(a)はRPVをつり上げることによりRPVとビームとを当接させる状態を示す図、(b)は図12(a)のD−D視図。
【図13】つり上げ機から梁に掛かる荷重を原子炉建屋屋根に分散して掛ける方法を示す図。
【図14】原子炉棟及び原子炉付属棟により梁を支持している状態を示す原子炉建屋の斜視図。
【図15】(a)はワイヤにより架構を支持している状態を示す図、(b)は図15(a)のE−E視図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、3…原子炉建屋、3a…原子炉棟、3b…原子炉付属棟、3x…タービン建屋、5…原子炉ウェル、6…使用済み燃料プール、7…機器プール、11…燃料、17…仮開口部、35,42…支柱、36…ワイヤ、40…梁、41…ジャッキ式昇降支柱、50…ジャッキ式つり上げ装置、101…ジャッキ式つり上げ機、118…新原子炉圧力容器。
Claims (12)
- 荷重を既設建屋に伝える支柱及び地上に設置された支柱を備えた架構上に設けられたジャッキ式つり上げ機を用いて、原子炉建屋内部に設置されている原子炉容器をつり上げることにより、前記原子炉容器を前記原子炉建屋から搬出し、
前記原子炉容器をつっているジャッキ式つり上げ機を、前記架構上を移動させ、
前記ジャッキ式つり上げ機により前記原子炉容器を前記原子炉建屋外につり降ろすことを特徴とする原子炉容器の取扱方法。 - 架構上に設けられたジャッキ式つり上げ機を既設建屋に設けられた支柱により支持し、該ジャッキ式つり上げ機を用いて、原子炉建屋内部に設置されている原子炉容器をつり上げることにより、前記原子炉容器を前記原子炉建屋から搬出し、
前記原子炉容器をつっているジャッキ式つり上げ機を、前記架構上を移動させ、
前記ジャッキ式つり上げ機により前記原子炉容器を前記原子炉建屋外につり降ろすことを特徴とする原子炉容器の取扱方法。 - 架構の一部の支柱を既設建屋に設置し、
原子炉建屋内部に設置されている原子炉容器上方の前記架構上にジャッキ式つり上げ機を設置し、
前記ジャッキ式つり上げ機により前記原子炉容器をつり上げることにより、前記原子炉容器を前記原子炉建屋から搬出し、
前記原子炉容器をつっているジャッキ式つり上げ機を、前記架構上を移動させ、
前記ジャッキ式つり上げ機により前記原子炉容器を前記原子炉建屋外につり降ろすことを特徴とする原子炉容器の取扱方法。 - 荷重を既設建屋に伝える支柱及び地上に設置された支柱を備えた架構上に設けられたジャッキ式つり上げ機により、原子炉建屋内に搬入する新原子炉容器をつり上げ、
前記新原子炉容器をつっているジャッキ式つり上げ機を、前記架構上を移動させ、
前記ジャッキ式つり上げ機により前記新原子炉容器をつり降ろすことにより、前記原子炉建屋内に搬入することを特徴とする原子炉容器の取扱方法。 - 架構上に設けられたジャッキ式つり上げ機を既設建屋に設けられた支柱により支持し、該ジャッキ式つり上げ機を用いて、原子炉建屋内に搬入する新原子炉容器をつり上げ、
前記新原子炉容器をつっているジャッキ式つり上げ機を、前記架構上を移動させ、
前記ジャッキ式つり上げ機により前記新原子炉容器をつり降ろすことにより、前記原子炉建屋内に搬入することを特徴とする原子炉容器の取扱方法。 - 架構の一部の支柱を既設建屋に設置し、
前記架構上にジャッキ式つり上げ機を設置し、
前記ジャッキ式つり上げ機により、原子炉建屋内に搬入する新原子炉容器をつり上げ、
前記新原子炉容器をつっているジャッキ式つり上げ機を、前記架構上を移動させ、
前記ジャッキ式つり上げ機により前記新原子炉容器をつり降ろすことにより、前記原子炉建屋内に搬入することを特徴とする原子炉容器の取扱方法。 - 請求項1乃至6の何れかにおいて、前記原子炉建屋内にある燃料貯蔵プールは燃料集合体を有し、
前記ジャッキ式つり上げ機は、前記燃料貯蔵プール上方を通過しないように、前記架構上を移動させることを特徴とする原子炉容器の取扱方法。 - 請求項1乃至3の何れかにおいて、前記原子炉容器をつり上げる前に、前記ジャッキ式つり上げ機により前記原子炉容器の放射線を遮蔽する遮蔽体を前記原子炉建屋内に搬入し、
前記原子炉容器を前記放射線遮蔽体とともにつり上げることにより、前記原子炉容器を前記原子炉建屋外から搬出することを特徴とする原子炉容器の取扱方法。 - 請求項1乃至3の何れかにおいて、前記原子炉容器がつり降ろされる位置は、前記原子炉建屋の大物搬入口側であることを特徴とする原子炉容器の取扱方法。
- 請求項2,3,5及び6の何れかにおいて、前記支柱は、原子炉建屋の壁面に接続されることを特徴とする原子炉容器の取扱方法。
- 請求項2,3,5及び6の何れかにおいて、前記支柱は、前記既設建屋の壁及び前記壁に接する柱の上方に設置されることを特徴とする原子炉容器の取扱方法。
- 請求項2,3,5及び6の何れかにおいて、前記支柱は複数個配置されており、前記支柱にはその高さ位置を調節する装置が備えられていることを特徴とする原子炉容器の取扱方法。
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