JP2004144166A - ボルトと、その締付け工具およびボルトと締付け工具とからなる締付け装置 - Google Patents
ボルトと、その締付け工具およびボルトと締付け工具とからなる締付け装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】締付けトルク付与時に工具が簡単に外れることなく保持される締付けのための構造部を備えたボルトを提供する。
【解決手段】ボルトB1は軸部1と、頭部2と、被嵌合部3とを備えており、前記被嵌合部3には、所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面からなる外形部3bと内形部3cとを有する筒状突出部3aが備えられており、該筒状突出部3aが図示されない締付け工具の嵌合凹部である嵌合部に嵌合され、前記ボルトB1が締付けされる。該締付けは前記ボルトB1の前記筒状突出部3aの前記外形部3bと前記内形部3cがそれぞれ前記工具の嵌合部に当接する二重当接によりなされ、これにより締付けトルクの分散が図られ、また、前記工具は外れることなく安定して保持される。
【選択図】 図1
【解決手段】ボルトB1は軸部1と、頭部2と、被嵌合部3とを備えており、前記被嵌合部3には、所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面からなる外形部3bと内形部3cとを有する筒状突出部3aが備えられており、該筒状突出部3aが図示されない締付け工具の嵌合凹部である嵌合部に嵌合され、前記ボルトB1が締付けされる。該締付けは前記ボルトB1の前記筒状突出部3aの前記外形部3bと前記内形部3cがそれぞれ前記工具の嵌合部に当接する二重当接によりなされ、これにより締付けトルクの分散が図られ、また、前記工具は外れることなく安定して保持される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボルトと該ボルトの締付け工具の構造に関し、特に締付け工具による大きな締付トルクの付与時においても該工具が安定して保持される前記締付けのための構造部を備えたボルトと該ボルトの締付け工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のボルトは、その締付けのためにスパナやレンチ等に供される構造として六角形や四角形の形状をした頭部を備えており、また、小ねじにおいては前記構造としてその頭部に−や+のすりわりや十字穴を設けた構造を備えている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
山本 晃著「ねじのおはなし」財団法人 日本規格協会発行、1996年9月30日、p35−40
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来文献に記載のボルト締付けのための頭部形状が六角形もしくは四角形のボルト0Bは、図11に図示されるように良く知られており、とりわけその頭部02が六角形のいわゆる六角ボルトはその代表的なものであり、スパナやレンチ等締付け工具の該頭部02への嵌め外しの容易性や該締付け工具による締付け時における工具の座りが比較的良く安定性に優れることから広く用いられてきたところである。
【0005】
また、図12に図示されるように、小ねじ0B1における締付けのための頭部02の前記−や+のすりわりや十字穴の構造も良く知られ、該−や+のすりわりや十字穴による前記小ねじ0B1の締付けは、スパナやドライバー等締付け工具の嵌め外しが比較的容易であるという利点があり、大きな締付けトルクを要しない小ねじにおいては広く用いられてきたところである。
【0006】
ところで、上述のように、六角形の締付け頭部を備えた六角ボルト等においては、その形状,寸法,強度等についてJISにより規格化がなされており、大きな締付けトルクによる締付けが要求される前記ボルトについては、その締付け部の変形を防ぐために前記規格上該締付け部がその分大きなものとされている。
【0007】
しかしながら、ボルトの大型化とその重量の増大は、各種工業製品における軽量化指向の中で軽視できることではなく、とりわけ、小型軽量化が重視される精密機器等の製品におけるボルトの使用においては、該ボルトの大型化や重量の増大は好ましいことではなく、一方、前記製品における締付けボルトの緩みは許されることではなく、該緩みのない締付けのために所定の大きなトルクによる確実な締め付けがなされる必要性がある。
【0008】
また、前記六角ボルト等において大きなトルクによる締め付けがなされるときには、その締付けのためのスパナやレンチ等の締付け工具は柄の長いものが使用され、該工具の座りが悪く不安定になりやすく、さらに、トルク付加時に身体のブレ等が生じスパナやレンチ等の締付け工具が前記締付け頭部に対して傾き(図10参照)、該工具がボルトの締付け頭部から外れてしまうことがしばしば起こる。
【0009】
そして、大きなトルクによる締付け時に前記スパナやレンチ等締付け工具が前記ボルトの締付け頭部から外れることがしばしば起こると、該ボルトの締付け頭部が変形し、とりわけ該頭部の角部が変形を来たし、該変形はスパナやレンチ等の締付け工具の該頭部へのかかりを悪くし、前記ボルトの締め付けや取外しの作業性を悪化させるばかりでなく、場合によっては、スパナやレンチ等の締付け工具が該頭部において滑って空回りし、前記ボルトの締め付けや取外しが実質的に不可能になることもある。
【0010】
また、前記小ねじにおいては、その頭部における+や−のすりわりや十字穴による締付け工具による締付けであるから、ドライバー等の締付け工具は外れやすく、前記+や−のすりわりや十字穴は比較的簡単に変形し、ドライバー等工具の前記すりわりや十字穴への嵌合が悪くなり、該小ねじの締付けや取外しが円滑になされず、時には、該ねじの締付けや取外しが不可能になることがある。
【0011】
上述した状況の中で、前記課題の解決のために、前記スパナやレンチ等の締付け工具による前記ボルトの締付けが安定した状態においてなされ、かつ該締付け工具による締付けトルクの伝達、とりわけ大きな締付けトルクによる締付けに対しても該トルクの伝達が確実になし得る前記スパナやレンチとの前記締付けのための被嵌合部を備えたボルトの開発が望まれ、また、該ボルトの締付けに適応できる嵌合部を備えたスパナやレンチ等の工具の開発が望まれるところである。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は前記の課題を解決するためのボルトと該ボルトを締付けるための締付け工具の改良構造に関し、特に前記工具による締付けのために供される被嵌合部に特徴をもつボルトの改良構造であり、また、該ボルトの前記被嵌合部に適応する嵌合部をもつ締付け工具の改良構造であって、軸部と、該軸部に設けられたねじ部と、該軸部の軸方向の端部に設けられた工具が嵌合する被嵌合部と、を備えたボルトにおいて、前記軸部の軸方向端部に設けられた前記工具が嵌合する被嵌合部は、前記軸部の軸方向端部から突出しその先端部から所定の深さ中抜き部により中抜きされ筒状とされた突出部として形成され、該筒状突出部の外形部と内形部は所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面からなる形成面として形成されており、該筒状突出部の前記外形部と前記内形部とは共に前記工具が嵌合する被嵌合面を形成している前記ボルトと、該ボルトの被嵌合部に適応する嵌合部をもつ前記ボルトの締付け工具をその特徴とする。
【0013】
前記請求項1に記載の発明においては、前記軸部の軸方向端部に設けられた前記工具が嵌合する被嵌合部は、前記軸部の軸方向端部から突出しその先端部から所定の深さ中抜き部により中抜きされ筒状とされた突出部として形成され、該筒状突出部のその外形部と内形部は所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面からなる形成面として形成されており、該筒状突出部の前記外形部と前記内形部とは共に前記工具が嵌合する被嵌合面を形成しているものであるから、
前記工具の嵌合部と前記ボルトの被嵌合部との嵌合は、実質的に二重の凹凸嵌合を構成してきわめて安定した状態においてなされ、前記工具による大きな締付トルク付加時においても該工具は殆ど外れることはなく、該工具が外れることによる前記ボルトの前記被嵌合部の損傷は殆ど解消される。
また、前記ボルトの被嵌合部の中抜き部は所定の深さとされており、該中抜き部の深さの適切な選択により、例えば、該深さを少し浅めに設定すれば、前記被嵌合部への工具の嵌め外しが容易となる。
さらに、ボルト締付け時の締付トルクの伝達は、前記ボルト被嵌合部の筒状突出部における外形部の所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面と、前記工具嵌合部における外形部の前記多曲面もしくは多面との当接、および前記ボルト被嵌合部の筒状突出部における内形部の所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面と、前記工具嵌合部における内形部の前記多曲面もしくは前記多面との当接によりなされ、該当接は二重の当接構造をなすから前記締付トルク伝達時の該トルク伝達のための当接個所が多く、さらに、幅狭ではあるが、前記多曲面における当接は実質的に面接触であるから、前記締付けのための伝達トルクが大きなものであっても該伝達トルクによる応力が分散されて、該応力による前記当接部の変形はほぼ完全に抑えられ、前記締付トルクの伝達は安定して確実になされる。
【0014】
前記請求項2に記載の発明においては、前記工具が嵌合する前記被嵌合部は、前記軸部の軸方向両端部に設けられているから、前記請求項1に記載の発明の上記効果に加えて、前記軸方向両端部に設けられた前記被嵌合部のいずれからもボルトの締付けを行うことができ、適宜前記被嵌合部の内、工具による締付け作業が行いやすい前記被嵌合部を選択して該ボルトの締付け作業を行うことができるのでその作業性が向上する。
【0015】
前記請求項3に記載の発明においては、前記ボルトは、その軸部の軸方向一方端部に前記軸部より外径の大きな頭部を有しており、その軸部の軸方向他方端部に前記工具が嵌合する前記被嵌合部が設けられているから、前記請求項1に記載の発明の上記効果に加えて、前記ボルト頭部の頸部座面が該ボルトにより締付けられる被締付け部材の板面に直接当接する効果を利用した締付けがなされるので、前記被締付け部材の強固な締付けが可能となる。
【0016】
前記請求項4に記載の発明においては、工具本体部と、該工具本体部の軸方向一端部に設けられたボルトの被嵌合部に嵌合する嵌合部と、を備えた工具において、前記工具本体部の一端部に設けられた前記工具が嵌合する嵌合部は、前記工具本体部の一端部からその軸方向に掘込まれた環状溝からなる嵌合凹部と、該嵌合凹部にその周囲を囲まれて該嵌合凹部の底部から所定の長さ突出する中央突出部とから形成され、前記嵌合凹部のその外形部と内形部は所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面からなる形成面として形成されており、該嵌合凹部の前記外形部と内形部とは共に前記ボルトの被嵌合部が嵌合する嵌合面を形成しているから、
前記請求項1に記載の発明が奏する前記工具の嵌合部とボルトの被嵌合部との嵌合における上述の効果を奏することができ、ボルト締付け時の安定性が確保され、ボルト締付け作業の作業性が向上する。
【0017】
前記請求項5に記載の発明においては、前記請求項1ないし3記載のボルト及び前記請求項4記載の工具からなる締付け装置であるから、前記請求項1ないし3及び請求項4における前記工具の嵌合部とボルトの被嵌合部との嵌合における上述の効果を奏することができ、大きな締付けトルクの付与時においても安定した状態において確実なボルト締付け作業を行うことができる装置が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
図面に基づいて本発明のボルトの構造を説明する。
本発明の特徴あるボルトBの構造が図1に図示され、該図1には前記ボルトBとして3種類のボルトB1ないしB3が図示されており、該3種類のボルトB1ないしB3はそれぞれ、そのボルト軸部1より外径の大きな頭部2により形成される該頭部2付根の頸部座面2cの構造を異にするのみで他のボルト構造部を共通とするものである。
【0019】
すなわち、前記図1において(a)で示される構造のボルトB1は、通常の平面形状とされた頸部座面2c1を備える構造のものであり、該図1において(b)で示される構造のボルトB2は、所定のR面とされた形状の頸部座面2c2を備える構造のものであり、また、該図1において(c)で示される構造のボルトB3は、所定の傾斜角をもつテーパとされた形状の頸部座面2c3を備える構造のものである。
【0020】
上述の頸部座面2c1ないし2c3の構造を異にする前記3種類のボルトB1ないしB3は、既述のように他の構造部を共通のものとしており、ボルトB1ないしB3はそれぞれ、軸部1と、該軸部1の一端に設けられた頭部2と、該軸部1の他端に設けられた該ボルトB1ないしB3の締付けのためにレンチL等締付け工具に供される被嵌合部3とを有し、該軸部1にはねじ部1aが設けられ、また、該ねじ部1aに続くやや細めの中央軸部1bと、該中央軸部1bに続くやや太めの前記頸部1dに繋がる短い軸部1cと、前記頸部1dとが設けられている。
【0021】
そして、前記頭部2は、上述したように前記軸部1に比しその外径が大きく、該頭部2の先端部は球状面2aとして形成され、また、前記軸部1の頸部1dに繋がる頸部座面2cと、該頸部座面2cと前記球状面2aとを連絡する連絡部2bとが設けられている。
【0022】
また、前記ボルトB1ないしB3の締付けのために前記レンチL等の締付け工具に供される該ボルトB1ないしB3の前記被嵌合部3は、前記ボルト軸部1の他端から所定長さ延在する突出部3aとして構成され、該突出部3aはその外形部3bが、その軸方向に沿って延びる互いに60度の角度をもって均等に配設された突状曲面3dと、該突状曲面3d,3d・・・間の各々に均等に配設された軸方向に延びる凹状曲面3e,3e・・・とがその横断面において互いに滑らかな連続曲線により連結された形状である。
【0023】
したがって、前記ボルトB1ないしB3の前記被嵌合部3の前記突出部3aを、その端面もしくは横断面でみると図1(a)ないし図1(c)に図示されるようなトルックス形状と呼ばれる特異な形状を呈しており、前記突出部3aの外形部3bは6つの突状曲面3d,3d・・・と6つの凹状曲面3e,3e・・・を有する全体的に六角形状に類似した形成線により描かれる多曲面とされている。
【0024】
そして、前記被嵌合部3の前記突出部3aの先端部所定長さは、その中央部が中抜きされて所定の深さをもつ凹部をなしており実質的に筒状の突出部3aとされ、前記中抜きは該筒状の突出部3aの肉厚が均一となるようになされて、該中抜き部3fにより前記突出部3aの内形部3cが実質的に形成されており、該内形部3cの形状も6つの突状曲面3g,3g・・・と6つの凹状曲面3h,3h・・・をもつ全体として六角形状に類似した前記多曲面とされている。
【0025】
前記ボルトB1ないしB3は上述の構造を備えるものであり、そして、該ボルトB1ないしB3の締付けや取外しに使用される工具であるソケットレンチLの一例が図2に図示されている。
【0026】
前記ソケットレンチLは、レンチ本体部と、該本体部の軸方向一端部に設けられた前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3と嵌合する嵌合部4とを備え、該嵌合部4は、前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3の前記突出部3aを受入れ嵌合するための実質的に環状溝からなる嵌合凹部4aと、前記ボルトB1ないしB3の前記中抜き部3fに嵌合する該凹部4aの中央部から所定の突出長さをもって突出する中央突出部4fとを有している。
【0027】
そして、前記ソケットレンチLの前記嵌合部4の嵌合凹部4aは、前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3の突出部3aを受入れ嵌合させるための外形部4bと内形部4cとを備えており、前記内形部4cがその形成面の形状を換えることで図2(a),(b)に図示される前記嵌合凹部4aの形状が異なる前記レンチのための2種類の嵌合部4が提供される。
【0028】
前記図2(a)図示の嵌合部4は、その嵌合凹部4aの前記外形部4bが前記突出部3aの外形部3bに対応する前記六角形状類似の多曲面とされ、前記内形部4cが前記突出部3aの前記内形部3cに対応する前記六角形状類似の多曲面とされたものであり、また、図2(b)図示の嵌合部4は、その嵌合凹部4aの前記外形部4bが前記多曲面とされているが、前記内形部4cが前記突出部3aの前記内形部3cに対応する六角形状の多面とされている。
【0029】
したがって、前記ソケットレンチ嵌合部4の前記ボルト被嵌合部3への嵌合時には、図3に図示のように、前記レンチLの前記嵌合凹部4aに前記ボルトB1ないしB3の突出部3aが嵌合し、かつ前記レンチLの前記中央突出部4fが前記ボルトB1ないしB3の中抜き部3fに嵌合することになり、前記嵌合はそれぞれ前記多曲面もしくは前記多面によりなされるものである。
【0030】
そして、前記図3における図示から理解できるように、前記ソケットレンチLの嵌合部4と前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3との実質的な前記凹凸嵌合は座りがよく安定しており、また、前記レンチLの中央突出部4fと前記ボルトB1ないしB3の中抜き部3fの嵌合は比較的浅めになされるので前記レンチLの嵌合部と前記ボルトの被嵌合部との嵌め外しは容易である。
そして、前記嵌合状態における安定性から、該嵌合状態においては従来の六角ボルト等のレンチLによる締付け時にしばしば起こるレンチLの傾き(図10参照)等は殆ど解消されることになる。
【0031】
前記ソケットレンチLの嵌合部4と、前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3との両者のボルトB1ないしB3締付け時における嵌合状態の説明が、図4および図5に図示されている。
なお、前記図示の嵌合状態の説明において用いられた前記ソケットレンチLは、その嵌合部4としてその嵌合凹部4aの内形部4cの形成面が前記多面(実質的に六角形の形成面)とされた前記図2(b)図示のものである。
【0032】
そして、図4(a),(b)には、前記ソケットレンチLによるボルトB1ないしB3締付けのためのトルクが加えられてない状況が示されており、また、図5(a),(b)には、前記ソケットレンチLによるボルトB1ないしB3締め付けのためのトルクが加えられた状況が示されている。
【0033】
前記図5(a),(b)の図示から理解できるように、前記ソケットレンチLによる前記ボルトB1ないしB3の締付けのためのトルク付加時においては、前記ソケットレンチLの嵌合部4の前記嵌合凹部4a、すなわち実質的な環状溝からなる前記嵌合凹部4a外形部4bの多曲面と、前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3の前記突出部3a外形部3bの多曲面が当接する。
【0034】
また、前記多曲面同士の前記当接と同時に、前記ソケットレンチLの前記嵌合凹部4aの内形部4cの多面形成部、すなわち、前記中央突出部4fの外形部の多面が、前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3である前記突出部3aの内形部3c、すなわち、前記中抜き部3fの形成面である多曲面に当接する。
【0035】
したがって、前記ソケットレンチLによる前記ボルトB1ないしB3締付け時の締付トルクは、実質的に前記二重に構成された当接構造部により伝達されることになる。すなわち、前記締付トルクの伝達は、前記レンチLの嵌合部4とボルトB1ないしB3の被嵌合部3の実質的な二重の凹凸嵌合による二重の当接構造によりなされる。
【0036】
そして、前記ソケットレンチLによる前記ボルトB1ないしB3締付け時の前記二重の当接は、既述のように、それぞれ、前記六角形類似の多曲面もしくは多面による当接であるから都合6箇所づつ、合計12箇所においてなされることになり、しかも前記それぞれの当接部Xにおける前記当接はゆるやか且つ滑らかな前記曲線部を介した当接によるから、該当接は微小な所定の接触幅をもってなされる実質面接触となる。
【0037】
したがって、前記当接部Xにおける前記ソケットレンチLによる前記ボルトB1ないしB3締付け時のトルクによる応力は、前記当接部Xにおける前記面接触部によって受けられ分散されて、前記ソケットレンチLによる大きな締付トルクに対しても該当接部Xは前記応力により変形することはなく、該レンチLによる大きな締付トルクによる前記ボルトB1ないしB3の締め付けが可能となる。
【0038】
そして、本発明における上述のトルク伝達における当接構造の有利性は、図9に図示される従来の六角ボルト0Bにおけるレンチ0Lによる締付けとの対比により明らかである。すなわち、従来の六角ボルト0Bにおいては、図9に図示のように、レンチ0Lによるボルト0B締付け時における該レンチ0Lの嵌合部とボルト0Bの被嵌合部の当接は、線接触であり、前記当接部0Xにおける締付トルクによる応力は、該当接部0Xの線状接触部に集中して分散されず、該当接部0Xは大きな応力を受けて変形をきたすことになるから、本発明の前記トルク伝達における当接構造の前記有利性は明白である。
【0039】
図6(a),(b)には、本発明における別の態様のボルトB4,B5が図示されている。
【0040】
すなわち、前記図6(a)に図示されたボルトB4は、その軸部1と、該軸部1の一端に設けられた頭部2と、該頭部2に設けられたレンチLのための被嵌合部3とを有し、前記軸部1には、ねじ部1aと、やや細めに形成された中央軸部1bと、該中央軸部1bに連続し前記頭部2の頚部2cに繋がる長さの短い平坦な軸部1cとが具備された構造であり、前記ボルトB1ないしB3との特徴的な差異は、前記頭部2にレンチLのために供される被嵌合部3が設けられていることである。
【0041】
また、前記図6(b)に図示されたボルトB5は、その軸部1と、該軸部1の一端に設けられた頭部2と、該軸部1の他端に設けられた被嵌合部3Aと、さらに前記頭部2に設けられた他の被嵌合部3Bとを有し、さらに前記軸部1には、ねじ部1aと、やや細めの中央軸部1と、前記中央軸部1bに連続し前記頭部2の頚部2cに繋がる長さの短い平坦な軸部1cとが具備された構造であり、前記ボルトB1ないしB3との特徴的な差異は、前記レンチLのために供される被嵌合部3A,3Bが前記軸部1の端部と前記頭部2にそれぞれ設けられていることである。
【0042】
そして、前記図6(a),(b)に図示されたボルトB4とB5におけるレンチLのために供される前記被嵌合部3,3A,3Bは、いずれも前記ボルトB1ないしB3における前記被嵌合部3と同じ構造とされており、該被嵌合部3,3A,3Bによる前記ボルトB4とB5のそれぞれのレンチLによる締付け態様の一例が、それぞれ図7(a),(b)に図示されている。
【0043】
さらに、図8(a)ないし(d)には、本発明のボルトB、すなわち、前記ボルトB1ないしB5において採用されるそのレンチLによる締付けに供されるための被嵌合部3の変形例が図示されており、該変形例は前記被嵌合部3の構造に換えて前記ボルトB、すなわち前記ボルトB1ないしB5においてその被嵌合部として適宜採用されるものである。
【0044】
そして、前記図8(a)ないし(d)に図示された前記被嵌合部3の構造は、それぞれ、その端面形状として示されている。
【0045】
図8(a)に図示された前記レンチLによる締付けに供される前記ボルトBの被嵌合部31は、前記六角形類似の多曲面に換えて、全体として四角形類似の多曲面を基本としたものであり、その被嵌合部31の突出部31aの外形部と内形部がそれぞれ、前記四角形類似の多曲面として形成されたものである。
【0046】
図8(b)に図示された前記レンチLによる締付けに供される前記ボルトBの被嵌合部32は、前記六角形類似の多曲面を基本としたものであり、その被嵌合部32の突出部32aの外形部は、前記六角形類似の多曲面として形成され、該突出部32aの内形部は、長円もしくは長円に類似の曲面として形成されたものである。
【0047】
図8(c)に図示された前記レンチLによる締付けに供される前記ボルトBの被嵌合部33は、前記六角形類似の多曲面を基本としたものであり、その被嵌合部33の突出部33aの外形部は、前記六角形類似の多曲面として形成され、該突出部33aの内形部は、三角形類似の多曲面として形成されたものである。
【0048】
図8(d)に図示された前記レンチLによる締付けに供される前記ボルトBの被嵌合部34は、前記六角形類似の多面を基本としたものであり、その被嵌合部34の突出部34aの外形部と内形部はいずれも、前記六角形類似の多面として形成されたものである。
【0049】
そして、前記レンチLによる締付けに供される前記ボルトBの被嵌合部3の前記異なる実施態様31ないし34は、いずれも前記レンチLとの嵌合において実質的な二重の凹凸嵌合を構成し二重の当接部を具備させるものであり、その当接箇所が多く、しかも該当接部における当接は前記図8(a)ないし(c)においては多曲面を介した接触によりなされるものである。
【0050】
図1ないし図8に図示の実施形態は、前記のように構成されるので、レンチLの嵌合部4と、該レンチLの嵌合部4が嵌合するボルトBの被嵌合部3との嵌合は、実質的な二重の凹凸嵌合を構成しきわめて安定した状態においてなされ、前記レンチLによる大きな締付トルク付加時においても該レンチLは前記ボルトBの被嵌合部3に安定して保持され外れることは殆どないので、該レンチLが外れることによる前記ボルトBの前記被嵌合部3の損傷は殆ど解消される。
【0051】
一方、嵌合状態におけるボルトBの被嵌合部3の中抜き部3fとレンチLの嵌合部4の中央突出部4fとの嵌合は所定の深さとされるから比較的浅めの選択がなされれば、前記ボルトBの被嵌合部3へのレンチLの嵌合部の嵌め外しは容易なもとすることができる。
【0052】
前記ボルトBの締付けにおける該ボルトBへの前記レンチLによる締付トルクの伝達は、前記ボルトBの被嵌合部3の突出部3aにおける外形部の所定の多角形状が描く外形線に類似した多曲面もしくは多面と、前記レンチL嵌合部4の嵌合凹部4aにおける外形部の前記多曲面もしくは前記多面との当接、および前記ボルトBの被嵌合部3の突出部3aにおける内形部の所定の多角形状が描く外形線に類似した多曲面もしくは多面と、前記レンチL嵌合部4の嵌合凹部4aにおける内形部の前記多曲面もしくは前記多面との当接によりなされ、該当接は実質的に二重の当接構造を構成している。
【0053】
したがって、前記締付トルク伝達時の該トルク伝達のための当接個所が多く、また、幅狭ではあるが前記多曲面を介した当接は実質的に面接触においてなされるから、前記締付けのための伝達トルクが大きなものであっても該伝達トルクによる応力が分散されて、該応力による前記当接部の変形はほぼ完全に抑制され、前記締付トルクの伝達は安定して確実になされる。
【0054】
前記実施形態に換えて次のような実施形態が考えられる。
【0055】
前記実施形態におけるボルトの前記被嵌合部の構造を、前記レンチやスパナの嵌合部の構造として採用し、前記レンチやスパナの前記嵌合部の構造を前記ボルトの被嵌合部の構造として採用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボルトの構造を示す図であり、図1(a)ないし図1(c)は、それぞれ一部構造を異にした本発明のボルトの構造を示している。
【図2】本発明のボルトの締付けに使用されるソケットレンチを示す図であり、図2(a),(b)は、そのボルトへの嵌合部の実施態様を示す図である。
【図3】本発明のボルトに前記図2に図示されたソケットレンチを嵌合させた状態を示す図である。
【図4】本発明のボルトと前記図2に図示されたソケットレンチとの嵌合い状態を示す図であり、図4(a)は前記嵌合部の断面図であり、図4(b)は、図4(a)のイ部拡大図である。
【図5】本発明のボルトと前記図2に図示されたソケットレンチとの、該レンチに該ボルト締付けのためのトルクが付加された時の嵌合い状態を示す図であり、図5(a)は前記嵌合部の断面図であり、図5(b)は、図5(a)のロ部拡大図である。
【図6】本発明の別態様のボルトを示す図であり、図6(a),図6(b)はそれぞれ該別態様のボルトの実施態様を示す図である。
【図7】前記図6における別態様のボルトの締付け態様を示す図であり、図7(a)は前記図6(a)に図示された別態様のボルトの締付け態様を示し、図7(b)は前記図6(b)に図示された別態様のボルトの締付け態様を示す図である。
【図8】本発明のボルトにおけるレンチによる締付けに供される被嵌合部の構造の変形例を示す図であり、図8(a)ないし図8(d)はそれぞれ前記被嵌合部の変形例の実施態様を示す図である。
【図9】従来の六角ボルトとレンチとの、該レンチに前記ボルト締付けのためのトルクが付加された時の嵌合状態を示す図であり、図9(a)は前記嵌合部の断面図であり、図9(b)は、図9(a)のハ部拡大図である。
【図10】従来の六角ボルトとレンチとの嵌合における該レンチの傾き状態を示す図である
【図11】従来のボルトを示す図である。
【図12】従来の小ねじを示す図である。
【符号の説明】
1・・・ボルトの軸部、1a・・・ねじ部、1b・・・中央軸部、1c・・・短い軸部、1d・・・頸部、
2・・・ボルトの頭部、2a・・・球状面、2b・・・連絡部、2c・・・頸部座面、
3,31,32,33,34・・・ボルトの被嵌合部、3a,31a,32a,33a,34a・・・筒状突出部、3b・・・外形部、3c・・・内形部、3d・・・突状曲面、3e・・・凹状曲面、3f・・・中抜き部、3g・・・突状曲面、3h・・・凹状曲面、
4・・・レンチの嵌合部、4a・・・嵌合凹部、4b・・・外形部、4c・・・内形部、4f・・・中央突出部、
B,B1,B2,B3,B4,B5・・・ボルト、L・・・レンチ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボルトと該ボルトの締付け工具の構造に関し、特に締付け工具による大きな締付トルクの付与時においても該工具が安定して保持される前記締付けのための構造部を備えたボルトと該ボルトの締付け工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のボルトは、その締付けのためにスパナやレンチ等に供される構造として六角形や四角形の形状をした頭部を備えており、また、小ねじにおいては前記構造としてその頭部に−や+のすりわりや十字穴を設けた構造を備えている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
山本 晃著「ねじのおはなし」財団法人 日本規格協会発行、1996年9月30日、p35−40
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来文献に記載のボルト締付けのための頭部形状が六角形もしくは四角形のボルト0Bは、図11に図示されるように良く知られており、とりわけその頭部02が六角形のいわゆる六角ボルトはその代表的なものであり、スパナやレンチ等締付け工具の該頭部02への嵌め外しの容易性や該締付け工具による締付け時における工具の座りが比較的良く安定性に優れることから広く用いられてきたところである。
【0005】
また、図12に図示されるように、小ねじ0B1における締付けのための頭部02の前記−や+のすりわりや十字穴の構造も良く知られ、該−や+のすりわりや十字穴による前記小ねじ0B1の締付けは、スパナやドライバー等締付け工具の嵌め外しが比較的容易であるという利点があり、大きな締付けトルクを要しない小ねじにおいては広く用いられてきたところである。
【0006】
ところで、上述のように、六角形の締付け頭部を備えた六角ボルト等においては、その形状,寸法,強度等についてJISにより規格化がなされており、大きな締付けトルクによる締付けが要求される前記ボルトについては、その締付け部の変形を防ぐために前記規格上該締付け部がその分大きなものとされている。
【0007】
しかしながら、ボルトの大型化とその重量の増大は、各種工業製品における軽量化指向の中で軽視できることではなく、とりわけ、小型軽量化が重視される精密機器等の製品におけるボルトの使用においては、該ボルトの大型化や重量の増大は好ましいことではなく、一方、前記製品における締付けボルトの緩みは許されることではなく、該緩みのない締付けのために所定の大きなトルクによる確実な締め付けがなされる必要性がある。
【0008】
また、前記六角ボルト等において大きなトルクによる締め付けがなされるときには、その締付けのためのスパナやレンチ等の締付け工具は柄の長いものが使用され、該工具の座りが悪く不安定になりやすく、さらに、トルク付加時に身体のブレ等が生じスパナやレンチ等の締付け工具が前記締付け頭部に対して傾き(図10参照)、該工具がボルトの締付け頭部から外れてしまうことがしばしば起こる。
【0009】
そして、大きなトルクによる締付け時に前記スパナやレンチ等締付け工具が前記ボルトの締付け頭部から外れることがしばしば起こると、該ボルトの締付け頭部が変形し、とりわけ該頭部の角部が変形を来たし、該変形はスパナやレンチ等の締付け工具の該頭部へのかかりを悪くし、前記ボルトの締め付けや取外しの作業性を悪化させるばかりでなく、場合によっては、スパナやレンチ等の締付け工具が該頭部において滑って空回りし、前記ボルトの締め付けや取外しが実質的に不可能になることもある。
【0010】
また、前記小ねじにおいては、その頭部における+や−のすりわりや十字穴による締付け工具による締付けであるから、ドライバー等の締付け工具は外れやすく、前記+や−のすりわりや十字穴は比較的簡単に変形し、ドライバー等工具の前記すりわりや十字穴への嵌合が悪くなり、該小ねじの締付けや取外しが円滑になされず、時には、該ねじの締付けや取外しが不可能になることがある。
【0011】
上述した状況の中で、前記課題の解決のために、前記スパナやレンチ等の締付け工具による前記ボルトの締付けが安定した状態においてなされ、かつ該締付け工具による締付けトルクの伝達、とりわけ大きな締付けトルクによる締付けに対しても該トルクの伝達が確実になし得る前記スパナやレンチとの前記締付けのための被嵌合部を備えたボルトの開発が望まれ、また、該ボルトの締付けに適応できる嵌合部を備えたスパナやレンチ等の工具の開発が望まれるところである。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は前記の課題を解決するためのボルトと該ボルトを締付けるための締付け工具の改良構造に関し、特に前記工具による締付けのために供される被嵌合部に特徴をもつボルトの改良構造であり、また、該ボルトの前記被嵌合部に適応する嵌合部をもつ締付け工具の改良構造であって、軸部と、該軸部に設けられたねじ部と、該軸部の軸方向の端部に設けられた工具が嵌合する被嵌合部と、を備えたボルトにおいて、前記軸部の軸方向端部に設けられた前記工具が嵌合する被嵌合部は、前記軸部の軸方向端部から突出しその先端部から所定の深さ中抜き部により中抜きされ筒状とされた突出部として形成され、該筒状突出部の外形部と内形部は所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面からなる形成面として形成されており、該筒状突出部の前記外形部と前記内形部とは共に前記工具が嵌合する被嵌合面を形成している前記ボルトと、該ボルトの被嵌合部に適応する嵌合部をもつ前記ボルトの締付け工具をその特徴とする。
【0013】
前記請求項1に記載の発明においては、前記軸部の軸方向端部に設けられた前記工具が嵌合する被嵌合部は、前記軸部の軸方向端部から突出しその先端部から所定の深さ中抜き部により中抜きされ筒状とされた突出部として形成され、該筒状突出部のその外形部と内形部は所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面からなる形成面として形成されており、該筒状突出部の前記外形部と前記内形部とは共に前記工具が嵌合する被嵌合面を形成しているものであるから、
前記工具の嵌合部と前記ボルトの被嵌合部との嵌合は、実質的に二重の凹凸嵌合を構成してきわめて安定した状態においてなされ、前記工具による大きな締付トルク付加時においても該工具は殆ど外れることはなく、該工具が外れることによる前記ボルトの前記被嵌合部の損傷は殆ど解消される。
また、前記ボルトの被嵌合部の中抜き部は所定の深さとされており、該中抜き部の深さの適切な選択により、例えば、該深さを少し浅めに設定すれば、前記被嵌合部への工具の嵌め外しが容易となる。
さらに、ボルト締付け時の締付トルクの伝達は、前記ボルト被嵌合部の筒状突出部における外形部の所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面と、前記工具嵌合部における外形部の前記多曲面もしくは多面との当接、および前記ボルト被嵌合部の筒状突出部における内形部の所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面と、前記工具嵌合部における内形部の前記多曲面もしくは前記多面との当接によりなされ、該当接は二重の当接構造をなすから前記締付トルク伝達時の該トルク伝達のための当接個所が多く、さらに、幅狭ではあるが、前記多曲面における当接は実質的に面接触であるから、前記締付けのための伝達トルクが大きなものであっても該伝達トルクによる応力が分散されて、該応力による前記当接部の変形はほぼ完全に抑えられ、前記締付トルクの伝達は安定して確実になされる。
【0014】
前記請求項2に記載の発明においては、前記工具が嵌合する前記被嵌合部は、前記軸部の軸方向両端部に設けられているから、前記請求項1に記載の発明の上記効果に加えて、前記軸方向両端部に設けられた前記被嵌合部のいずれからもボルトの締付けを行うことができ、適宜前記被嵌合部の内、工具による締付け作業が行いやすい前記被嵌合部を選択して該ボルトの締付け作業を行うことができるのでその作業性が向上する。
【0015】
前記請求項3に記載の発明においては、前記ボルトは、その軸部の軸方向一方端部に前記軸部より外径の大きな頭部を有しており、その軸部の軸方向他方端部に前記工具が嵌合する前記被嵌合部が設けられているから、前記請求項1に記載の発明の上記効果に加えて、前記ボルト頭部の頸部座面が該ボルトにより締付けられる被締付け部材の板面に直接当接する効果を利用した締付けがなされるので、前記被締付け部材の強固な締付けが可能となる。
【0016】
前記請求項4に記載の発明においては、工具本体部と、該工具本体部の軸方向一端部に設けられたボルトの被嵌合部に嵌合する嵌合部と、を備えた工具において、前記工具本体部の一端部に設けられた前記工具が嵌合する嵌合部は、前記工具本体部の一端部からその軸方向に掘込まれた環状溝からなる嵌合凹部と、該嵌合凹部にその周囲を囲まれて該嵌合凹部の底部から所定の長さ突出する中央突出部とから形成され、前記嵌合凹部のその外形部と内形部は所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面からなる形成面として形成されており、該嵌合凹部の前記外形部と内形部とは共に前記ボルトの被嵌合部が嵌合する嵌合面を形成しているから、
前記請求項1に記載の発明が奏する前記工具の嵌合部とボルトの被嵌合部との嵌合における上述の効果を奏することができ、ボルト締付け時の安定性が確保され、ボルト締付け作業の作業性が向上する。
【0017】
前記請求項5に記載の発明においては、前記請求項1ないし3記載のボルト及び前記請求項4記載の工具からなる締付け装置であるから、前記請求項1ないし3及び請求項4における前記工具の嵌合部とボルトの被嵌合部との嵌合における上述の効果を奏することができ、大きな締付けトルクの付与時においても安定した状態において確実なボルト締付け作業を行うことができる装置が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
図面に基づいて本発明のボルトの構造を説明する。
本発明の特徴あるボルトBの構造が図1に図示され、該図1には前記ボルトBとして3種類のボルトB1ないしB3が図示されており、該3種類のボルトB1ないしB3はそれぞれ、そのボルト軸部1より外径の大きな頭部2により形成される該頭部2付根の頸部座面2cの構造を異にするのみで他のボルト構造部を共通とするものである。
【0019】
すなわち、前記図1において(a)で示される構造のボルトB1は、通常の平面形状とされた頸部座面2c1を備える構造のものであり、該図1において(b)で示される構造のボルトB2は、所定のR面とされた形状の頸部座面2c2を備える構造のものであり、また、該図1において(c)で示される構造のボルトB3は、所定の傾斜角をもつテーパとされた形状の頸部座面2c3を備える構造のものである。
【0020】
上述の頸部座面2c1ないし2c3の構造を異にする前記3種類のボルトB1ないしB3は、既述のように他の構造部を共通のものとしており、ボルトB1ないしB3はそれぞれ、軸部1と、該軸部1の一端に設けられた頭部2と、該軸部1の他端に設けられた該ボルトB1ないしB3の締付けのためにレンチL等締付け工具に供される被嵌合部3とを有し、該軸部1にはねじ部1aが設けられ、また、該ねじ部1aに続くやや細めの中央軸部1bと、該中央軸部1bに続くやや太めの前記頸部1dに繋がる短い軸部1cと、前記頸部1dとが設けられている。
【0021】
そして、前記頭部2は、上述したように前記軸部1に比しその外径が大きく、該頭部2の先端部は球状面2aとして形成され、また、前記軸部1の頸部1dに繋がる頸部座面2cと、該頸部座面2cと前記球状面2aとを連絡する連絡部2bとが設けられている。
【0022】
また、前記ボルトB1ないしB3の締付けのために前記レンチL等の締付け工具に供される該ボルトB1ないしB3の前記被嵌合部3は、前記ボルト軸部1の他端から所定長さ延在する突出部3aとして構成され、該突出部3aはその外形部3bが、その軸方向に沿って延びる互いに60度の角度をもって均等に配設された突状曲面3dと、該突状曲面3d,3d・・・間の各々に均等に配設された軸方向に延びる凹状曲面3e,3e・・・とがその横断面において互いに滑らかな連続曲線により連結された形状である。
【0023】
したがって、前記ボルトB1ないしB3の前記被嵌合部3の前記突出部3aを、その端面もしくは横断面でみると図1(a)ないし図1(c)に図示されるようなトルックス形状と呼ばれる特異な形状を呈しており、前記突出部3aの外形部3bは6つの突状曲面3d,3d・・・と6つの凹状曲面3e,3e・・・を有する全体的に六角形状に類似した形成線により描かれる多曲面とされている。
【0024】
そして、前記被嵌合部3の前記突出部3aの先端部所定長さは、その中央部が中抜きされて所定の深さをもつ凹部をなしており実質的に筒状の突出部3aとされ、前記中抜きは該筒状の突出部3aの肉厚が均一となるようになされて、該中抜き部3fにより前記突出部3aの内形部3cが実質的に形成されており、該内形部3cの形状も6つの突状曲面3g,3g・・・と6つの凹状曲面3h,3h・・・をもつ全体として六角形状に類似した前記多曲面とされている。
【0025】
前記ボルトB1ないしB3は上述の構造を備えるものであり、そして、該ボルトB1ないしB3の締付けや取外しに使用される工具であるソケットレンチLの一例が図2に図示されている。
【0026】
前記ソケットレンチLは、レンチ本体部と、該本体部の軸方向一端部に設けられた前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3と嵌合する嵌合部4とを備え、該嵌合部4は、前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3の前記突出部3aを受入れ嵌合するための実質的に環状溝からなる嵌合凹部4aと、前記ボルトB1ないしB3の前記中抜き部3fに嵌合する該凹部4aの中央部から所定の突出長さをもって突出する中央突出部4fとを有している。
【0027】
そして、前記ソケットレンチLの前記嵌合部4の嵌合凹部4aは、前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3の突出部3aを受入れ嵌合させるための外形部4bと内形部4cとを備えており、前記内形部4cがその形成面の形状を換えることで図2(a),(b)に図示される前記嵌合凹部4aの形状が異なる前記レンチのための2種類の嵌合部4が提供される。
【0028】
前記図2(a)図示の嵌合部4は、その嵌合凹部4aの前記外形部4bが前記突出部3aの外形部3bに対応する前記六角形状類似の多曲面とされ、前記内形部4cが前記突出部3aの前記内形部3cに対応する前記六角形状類似の多曲面とされたものであり、また、図2(b)図示の嵌合部4は、その嵌合凹部4aの前記外形部4bが前記多曲面とされているが、前記内形部4cが前記突出部3aの前記内形部3cに対応する六角形状の多面とされている。
【0029】
したがって、前記ソケットレンチ嵌合部4の前記ボルト被嵌合部3への嵌合時には、図3に図示のように、前記レンチLの前記嵌合凹部4aに前記ボルトB1ないしB3の突出部3aが嵌合し、かつ前記レンチLの前記中央突出部4fが前記ボルトB1ないしB3の中抜き部3fに嵌合することになり、前記嵌合はそれぞれ前記多曲面もしくは前記多面によりなされるものである。
【0030】
そして、前記図3における図示から理解できるように、前記ソケットレンチLの嵌合部4と前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3との実質的な前記凹凸嵌合は座りがよく安定しており、また、前記レンチLの中央突出部4fと前記ボルトB1ないしB3の中抜き部3fの嵌合は比較的浅めになされるので前記レンチLの嵌合部と前記ボルトの被嵌合部との嵌め外しは容易である。
そして、前記嵌合状態における安定性から、該嵌合状態においては従来の六角ボルト等のレンチLによる締付け時にしばしば起こるレンチLの傾き(図10参照)等は殆ど解消されることになる。
【0031】
前記ソケットレンチLの嵌合部4と、前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3との両者のボルトB1ないしB3締付け時における嵌合状態の説明が、図4および図5に図示されている。
なお、前記図示の嵌合状態の説明において用いられた前記ソケットレンチLは、その嵌合部4としてその嵌合凹部4aの内形部4cの形成面が前記多面(実質的に六角形の形成面)とされた前記図2(b)図示のものである。
【0032】
そして、図4(a),(b)には、前記ソケットレンチLによるボルトB1ないしB3締付けのためのトルクが加えられてない状況が示されており、また、図5(a),(b)には、前記ソケットレンチLによるボルトB1ないしB3締め付けのためのトルクが加えられた状況が示されている。
【0033】
前記図5(a),(b)の図示から理解できるように、前記ソケットレンチLによる前記ボルトB1ないしB3の締付けのためのトルク付加時においては、前記ソケットレンチLの嵌合部4の前記嵌合凹部4a、すなわち実質的な環状溝からなる前記嵌合凹部4a外形部4bの多曲面と、前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3の前記突出部3a外形部3bの多曲面が当接する。
【0034】
また、前記多曲面同士の前記当接と同時に、前記ソケットレンチLの前記嵌合凹部4aの内形部4cの多面形成部、すなわち、前記中央突出部4fの外形部の多面が、前記ボルトB1ないしB3の被嵌合部3である前記突出部3aの内形部3c、すなわち、前記中抜き部3fの形成面である多曲面に当接する。
【0035】
したがって、前記ソケットレンチLによる前記ボルトB1ないしB3締付け時の締付トルクは、実質的に前記二重に構成された当接構造部により伝達されることになる。すなわち、前記締付トルクの伝達は、前記レンチLの嵌合部4とボルトB1ないしB3の被嵌合部3の実質的な二重の凹凸嵌合による二重の当接構造によりなされる。
【0036】
そして、前記ソケットレンチLによる前記ボルトB1ないしB3締付け時の前記二重の当接は、既述のように、それぞれ、前記六角形類似の多曲面もしくは多面による当接であるから都合6箇所づつ、合計12箇所においてなされることになり、しかも前記それぞれの当接部Xにおける前記当接はゆるやか且つ滑らかな前記曲線部を介した当接によるから、該当接は微小な所定の接触幅をもってなされる実質面接触となる。
【0037】
したがって、前記当接部Xにおける前記ソケットレンチLによる前記ボルトB1ないしB3締付け時のトルクによる応力は、前記当接部Xにおける前記面接触部によって受けられ分散されて、前記ソケットレンチLによる大きな締付トルクに対しても該当接部Xは前記応力により変形することはなく、該レンチLによる大きな締付トルクによる前記ボルトB1ないしB3の締め付けが可能となる。
【0038】
そして、本発明における上述のトルク伝達における当接構造の有利性は、図9に図示される従来の六角ボルト0Bにおけるレンチ0Lによる締付けとの対比により明らかである。すなわち、従来の六角ボルト0Bにおいては、図9に図示のように、レンチ0Lによるボルト0B締付け時における該レンチ0Lの嵌合部とボルト0Bの被嵌合部の当接は、線接触であり、前記当接部0Xにおける締付トルクによる応力は、該当接部0Xの線状接触部に集中して分散されず、該当接部0Xは大きな応力を受けて変形をきたすことになるから、本発明の前記トルク伝達における当接構造の前記有利性は明白である。
【0039】
図6(a),(b)には、本発明における別の態様のボルトB4,B5が図示されている。
【0040】
すなわち、前記図6(a)に図示されたボルトB4は、その軸部1と、該軸部1の一端に設けられた頭部2と、該頭部2に設けられたレンチLのための被嵌合部3とを有し、前記軸部1には、ねじ部1aと、やや細めに形成された中央軸部1bと、該中央軸部1bに連続し前記頭部2の頚部2cに繋がる長さの短い平坦な軸部1cとが具備された構造であり、前記ボルトB1ないしB3との特徴的な差異は、前記頭部2にレンチLのために供される被嵌合部3が設けられていることである。
【0041】
また、前記図6(b)に図示されたボルトB5は、その軸部1と、該軸部1の一端に設けられた頭部2と、該軸部1の他端に設けられた被嵌合部3Aと、さらに前記頭部2に設けられた他の被嵌合部3Bとを有し、さらに前記軸部1には、ねじ部1aと、やや細めの中央軸部1と、前記中央軸部1bに連続し前記頭部2の頚部2cに繋がる長さの短い平坦な軸部1cとが具備された構造であり、前記ボルトB1ないしB3との特徴的な差異は、前記レンチLのために供される被嵌合部3A,3Bが前記軸部1の端部と前記頭部2にそれぞれ設けられていることである。
【0042】
そして、前記図6(a),(b)に図示されたボルトB4とB5におけるレンチLのために供される前記被嵌合部3,3A,3Bは、いずれも前記ボルトB1ないしB3における前記被嵌合部3と同じ構造とされており、該被嵌合部3,3A,3Bによる前記ボルトB4とB5のそれぞれのレンチLによる締付け態様の一例が、それぞれ図7(a),(b)に図示されている。
【0043】
さらに、図8(a)ないし(d)には、本発明のボルトB、すなわち、前記ボルトB1ないしB5において採用されるそのレンチLによる締付けに供されるための被嵌合部3の変形例が図示されており、該変形例は前記被嵌合部3の構造に換えて前記ボルトB、すなわち前記ボルトB1ないしB5においてその被嵌合部として適宜採用されるものである。
【0044】
そして、前記図8(a)ないし(d)に図示された前記被嵌合部3の構造は、それぞれ、その端面形状として示されている。
【0045】
図8(a)に図示された前記レンチLによる締付けに供される前記ボルトBの被嵌合部31は、前記六角形類似の多曲面に換えて、全体として四角形類似の多曲面を基本としたものであり、その被嵌合部31の突出部31aの外形部と内形部がそれぞれ、前記四角形類似の多曲面として形成されたものである。
【0046】
図8(b)に図示された前記レンチLによる締付けに供される前記ボルトBの被嵌合部32は、前記六角形類似の多曲面を基本としたものであり、その被嵌合部32の突出部32aの外形部は、前記六角形類似の多曲面として形成され、該突出部32aの内形部は、長円もしくは長円に類似の曲面として形成されたものである。
【0047】
図8(c)に図示された前記レンチLによる締付けに供される前記ボルトBの被嵌合部33は、前記六角形類似の多曲面を基本としたものであり、その被嵌合部33の突出部33aの外形部は、前記六角形類似の多曲面として形成され、該突出部33aの内形部は、三角形類似の多曲面として形成されたものである。
【0048】
図8(d)に図示された前記レンチLによる締付けに供される前記ボルトBの被嵌合部34は、前記六角形類似の多面を基本としたものであり、その被嵌合部34の突出部34aの外形部と内形部はいずれも、前記六角形類似の多面として形成されたものである。
【0049】
そして、前記レンチLによる締付けに供される前記ボルトBの被嵌合部3の前記異なる実施態様31ないし34は、いずれも前記レンチLとの嵌合において実質的な二重の凹凸嵌合を構成し二重の当接部を具備させるものであり、その当接箇所が多く、しかも該当接部における当接は前記図8(a)ないし(c)においては多曲面を介した接触によりなされるものである。
【0050】
図1ないし図8に図示の実施形態は、前記のように構成されるので、レンチLの嵌合部4と、該レンチLの嵌合部4が嵌合するボルトBの被嵌合部3との嵌合は、実質的な二重の凹凸嵌合を構成しきわめて安定した状態においてなされ、前記レンチLによる大きな締付トルク付加時においても該レンチLは前記ボルトBの被嵌合部3に安定して保持され外れることは殆どないので、該レンチLが外れることによる前記ボルトBの前記被嵌合部3の損傷は殆ど解消される。
【0051】
一方、嵌合状態におけるボルトBの被嵌合部3の中抜き部3fとレンチLの嵌合部4の中央突出部4fとの嵌合は所定の深さとされるから比較的浅めの選択がなされれば、前記ボルトBの被嵌合部3へのレンチLの嵌合部の嵌め外しは容易なもとすることができる。
【0052】
前記ボルトBの締付けにおける該ボルトBへの前記レンチLによる締付トルクの伝達は、前記ボルトBの被嵌合部3の突出部3aにおける外形部の所定の多角形状が描く外形線に類似した多曲面もしくは多面と、前記レンチL嵌合部4の嵌合凹部4aにおける外形部の前記多曲面もしくは前記多面との当接、および前記ボルトBの被嵌合部3の突出部3aにおける内形部の所定の多角形状が描く外形線に類似した多曲面もしくは多面と、前記レンチL嵌合部4の嵌合凹部4aにおける内形部の前記多曲面もしくは前記多面との当接によりなされ、該当接は実質的に二重の当接構造を構成している。
【0053】
したがって、前記締付トルク伝達時の該トルク伝達のための当接個所が多く、また、幅狭ではあるが前記多曲面を介した当接は実質的に面接触においてなされるから、前記締付けのための伝達トルクが大きなものであっても該伝達トルクによる応力が分散されて、該応力による前記当接部の変形はほぼ完全に抑制され、前記締付トルクの伝達は安定して確実になされる。
【0054】
前記実施形態に換えて次のような実施形態が考えられる。
【0055】
前記実施形態におけるボルトの前記被嵌合部の構造を、前記レンチやスパナの嵌合部の構造として採用し、前記レンチやスパナの前記嵌合部の構造を前記ボルトの被嵌合部の構造として採用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボルトの構造を示す図であり、図1(a)ないし図1(c)は、それぞれ一部構造を異にした本発明のボルトの構造を示している。
【図2】本発明のボルトの締付けに使用されるソケットレンチを示す図であり、図2(a),(b)は、そのボルトへの嵌合部の実施態様を示す図である。
【図3】本発明のボルトに前記図2に図示されたソケットレンチを嵌合させた状態を示す図である。
【図4】本発明のボルトと前記図2に図示されたソケットレンチとの嵌合い状態を示す図であり、図4(a)は前記嵌合部の断面図であり、図4(b)は、図4(a)のイ部拡大図である。
【図5】本発明のボルトと前記図2に図示されたソケットレンチとの、該レンチに該ボルト締付けのためのトルクが付加された時の嵌合い状態を示す図であり、図5(a)は前記嵌合部の断面図であり、図5(b)は、図5(a)のロ部拡大図である。
【図6】本発明の別態様のボルトを示す図であり、図6(a),図6(b)はそれぞれ該別態様のボルトの実施態様を示す図である。
【図7】前記図6における別態様のボルトの締付け態様を示す図であり、図7(a)は前記図6(a)に図示された別態様のボルトの締付け態様を示し、図7(b)は前記図6(b)に図示された別態様のボルトの締付け態様を示す図である。
【図8】本発明のボルトにおけるレンチによる締付けに供される被嵌合部の構造の変形例を示す図であり、図8(a)ないし図8(d)はそれぞれ前記被嵌合部の変形例の実施態様を示す図である。
【図9】従来の六角ボルトとレンチとの、該レンチに前記ボルト締付けのためのトルクが付加された時の嵌合状態を示す図であり、図9(a)は前記嵌合部の断面図であり、図9(b)は、図9(a)のハ部拡大図である。
【図10】従来の六角ボルトとレンチとの嵌合における該レンチの傾き状態を示す図である
【図11】従来のボルトを示す図である。
【図12】従来の小ねじを示す図である。
【符号の説明】
1・・・ボルトの軸部、1a・・・ねじ部、1b・・・中央軸部、1c・・・短い軸部、1d・・・頸部、
2・・・ボルトの頭部、2a・・・球状面、2b・・・連絡部、2c・・・頸部座面、
3,31,32,33,34・・・ボルトの被嵌合部、3a,31a,32a,33a,34a・・・筒状突出部、3b・・・外形部、3c・・・内形部、3d・・・突状曲面、3e・・・凹状曲面、3f・・・中抜き部、3g・・・突状曲面、3h・・・凹状曲面、
4・・・レンチの嵌合部、4a・・・嵌合凹部、4b・・・外形部、4c・・・内形部、4f・・・中央突出部、
B,B1,B2,B3,B4,B5・・・ボルト、L・・・レンチ。
Claims (5)
- 軸部と、該軸部に設けられたねじ部と、該軸部の軸方向の端部に設けられた工具が嵌合する被嵌合部と、を備えたボルトにおいて、
前記軸部の軸方向端部に設けられた前記工具が嵌合する被嵌合部は、前記軸部の軸方向端部から突出しその先端部から所定の深さ中抜き部により中抜きされ筒状とされた突出部として形成され、該筒状突出部のその外形部と内形部は所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面からなる形成面として形成されており、該筒状突出部の前記外形部と前記内形部とは共に前記工具が嵌合する被嵌合面を形成していることを特徴とするボルト。 - 前記工具が嵌合する被嵌合部は、前記軸部の軸方向両端部に設けられている請求項1記載のボルト。
- 前記ボルトは、その軸部の軸方向の一方端部に前記軸部より外径の大きな頭部を有しおり、その軸部の軸方向の他端部に前記工具が嵌合する前記被嵌合部が設けられている請求項1記載のボルト。
- 工具本体部と、該工具本体部の軸方向一端部に設けられたボルトの被嵌合部に嵌合する嵌合部と、を備えた工具において、前記工具本体部の一端部に設けられた前記工具が嵌合する嵌合部は、前記工具本体部の一端部からその軸方向に掘込まれた環状溝からなる嵌合凹部と、該嵌合凹部にその周囲を囲まれて該嵌合凹部の底部から所定の長さ突出する中央突出部とから形成され、前記嵌合凹部のその外形部と内形部は所定の多角形状が描く形成線に類似した多曲面もしくは多面からなる形成面として形成されており、該嵌合凹部の前記外形部と内形部とは共に前記ボルトの被嵌合部が嵌合する嵌合面を形成していることを特徴とする工具。
- 前記請求項1ないし3記載のボルトおよび前記請求項4記載の工具からなる締付け装置。
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JP2007040467A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-02-15 | Nissin Kogyo Co Ltd | 車両用ディスクブレーキ |
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2002
- 2002-10-23 JP JP2002308512A patent/JP2004144166A/ja active Pending
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