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JP2004143080A - 皮膚外用剤 - Google Patents

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JP2004143080A
JP2004143080A JP2002309747A JP2002309747A JP2004143080A JP 2004143080 A JP2004143080 A JP 2004143080A JP 2002309747 A JP2002309747 A JP 2002309747A JP 2002309747 A JP2002309747 A JP 2002309747A JP 2004143080 A JP2004143080 A JP 2004143080A
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Japan
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skin
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physiologically active
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vitamin
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JP2002309747A
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Inventor
Yoshinobu Saito
斎藤 吉信
Tomoko Toda
戸田 知子
Takaya Okuda
奥田 隆弥
Tetsuo Nishina
仁科 哲夫
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P & P F Kk
P&PF Co Ltd
Original Assignee
P & P F Kk
P&PF Co Ltd
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Abstract

【課題】生理活性物質の皮膚への接触性を向上させると共に、皮膚浸透性の改善を図って、生理活性物質の効果を有効に発揮させることができる皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】生理活性物質を含有するリポソームと、経皮吸収促進剤とを含有してなる皮膚外用剤である。好適な態様としては、リポソームは、生理活性物質を含有する油性コアを内包するものであり、生理活性物質は油溶性ビタミンである。また、経皮吸収促進剤は、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリプロピレングリコールとの共重合体、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリエチレングリコールとの共重合体、イソステアリルアルコール、イソステアリン酸である。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は皮膚外用剤に関し、より詳しくは、ドラッグキャリアーとしてリポソームを利用した皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
リポソームは、生体膜の主要構成成分であるリン脂質の2分子膜または単分子膜からなる小胞体であり、これは、生体膜のモデルとして研究に用いられると共に、古くから薬剤のマイクロカプセルとして医薬品や化粧品への利用が試みられており、最近では、薬物のドラッグキャリアーとして使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般に、リポソームは、主として生体膜成分であるリン脂質から構成されるため、皮膚との接触性が高いが、皮膚バリアーの透過性は必ずしも高くなく、従って、これに生理活性物質を含有させても、生理活性物質の浸透スピードおよび浸透量に関しては充分に満足できるものではなく、期待した程、生理活性物質の効果が発揮されないのが現状である。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−63265号公報(特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決しようとするものであり、その目的は、皮膚との接触性を向上させると共に、皮膚浸透性の改善を図って、生理活性物質の効果を有効に発揮させることができる皮膚外用剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に対し、鋭意検討した結果、生理活性物質をリポソームに含有させ、これと、経皮吸収促進剤とを併用した皮膚外用剤とすることにより、生理活性物質の効果を有効に発揮させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、生理活性物質を含有するリポソームと、経皮吸収促進剤とを含有してなる皮膚外用剤である。
【0008】
好適な態様としては、リポソームは、油溶性の生理活性物質を含有する油性コアを内包するものであり、ここで、当該生理活性物質は、ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンA類似物質、油溶性のビタミンC誘導体、ビタミンEおよびその誘導体、並びにビタミンE類似物質から選択される少なくとも1つである。また、リポソーム膜は、リン脂質および界面活性剤を含んで構成される。
【0009】
別の好適な態様としては、経皮吸収促進剤は、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリアルキレングリコールとの共重合体、炭素数12〜24の直鎖状または分岐状脂肪族アルコール、炭素数12〜24の直鎖状または分岐状脂肪酸であり、より好適な態様としては、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリプロピレングリコールとの共重合体、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリエチレングリコールとの共重合体、イソステアリルアルコール、イソステアリン酸であり、特に好適な態様としては、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリプロピレングリコールとの共重合体、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリエチレングリコールとの共重合体である。
【0010】
また別の好適な態様としては、生理活性物質の含有量は、0.01〜3重量%であり、経皮吸収促進剤の含有量は0.1〜10重量%である。
【0011】
さらに別の好適な態様としては、皮膚外用剤は乳化物の形態で使用される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の皮膚外用剤は、生理活性物質を含有するリポソームと、経皮吸収促進剤とを含有してなる皮膚外用剤である。
【0013】
<生理活性物質含有リポソーム>
リポソーム膜の構成成分としては、膜が構成できる限り特に限定されないが、本発明においては、リポソーム膜は、リン脂質および界面活性剤を含んで構成されることが好ましい。リン脂質としては、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリン等や、これらの水添物が挙げられる。ホスファチジルコリンについては、天然の大豆レシチン、脳レシチン、卵黄レシチンが使用でき、これらの水添物も使用できる。あるいは、合成の、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン等も使用できる。上記のリン脂質の中でも、レシチン、水添レシチンが好適に使用される。
【0014】
界面活性剤としては、特に制限されないが、アニオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤等が使用可能であり、中でも、アシル化メチルタウレート(例えばメチルステアロイルタウリンナトリウム等)や、ポリソルベート80が好適に使用される。
【0015】
リポソームに含有される生理活性物質は、リポソームに含有される限り、油溶性でも水溶性でもよいが、本発明では、油溶性の生理活性物質を使用し、これを含有する油性コアをリポソームに内包させることが、好適な態様である。
【0016】
油溶性の生理活性物質としては、ビタミンA(レチノール)およびその誘導体(例えば、酢酸エステル、パルミチン酸エステル等)、ビタミンA類似物質(例えば、レチナール、レチノイン酸、3−デヒドロレチノール、α−、β−、γ−またはδ−カロチン、リコピン等);油溶性のビタミンC(l−アスコルビン酸)誘導体(例えば、ステアリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸エステル、イソパルミチン酸エステル等);ビタミンE(dl−α−トコフェロール)およびその誘導体(酢酸エステル、コハク酸エステル、ニコチン酸エステル、リノール酸エステル、リン酸エステル等)、ビタミンE類似物質(例えば、dl−β−トコフェロール、dl−γ−トコフェロール、dl−δ−トコフェロール、dl−α−トコトリエノール、dl−β−トコトリエノール、dl−γ−トコトリエノール、dl−δ−トコトリエノール等)、ビタミンH(ビオチン)、ビタミンP誘導体(ヘスぺリジングリコシド等)等の油溶性ビタミン;パントテン酸誘導体(パントテニルエチルエーテル等);ニコチン酸誘導体(ニコチン酸アミド等)等が挙げられる。これらの中でも、ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンA類似物質、油溶性のビタミンC誘導体、ビタミンEおよびその誘導体、並びにビタミンE類似物質が好適に使用される。
【0017】
油性成分としては、マカダミアナッツ油、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、サザンカ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマシ油、綿実油、落花生油、ホホバ油等の植物性油;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、2−エチルへキサン酸セチル、トリ2−エチルへキサン酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン等のエステル油;その他、低級脂肪酸のトリグリセライド類等が挙げられる。
【0018】
油溶性の生理活性物質を含有する油性コアを内包するリポソームは、例えば、油溶性の生理活性物質を油性成分に溶解し、これに、リン脂質や界面活性剤等のリポソーム膜構成成分を加えて攪拌した後、水を加えてよく攪拌することにより、水分散液として調製することができる。攪拌には、必要に応じて超音波を使用してもよい。
【0019】
調製時の各成分は、生理活性物質1重量部に対し、油性成分が0.3〜1重量部、リン脂質が0.1〜0.5重量部、界面活性剤が0.5〜2重量部、水が90〜100重量部の割合で使用するのが好適である。
【0020】
このようなリポソームにおいては、リポソーム膜の構成成分であるリン脂質および界面活性剤は、共にその親油性基が膜の内側に、親水性基が膜の外側になるように配置して、単分子層の膜が形成されていると推定される。
【0021】
また、本発明においては、リポソームの粒径は、数十〜数百ナノメーター程度と粒径が小さいことが好ましく、これにより、皮膚との接触性をより向上させることができる。
【0022】
上記のような生理活性物質を含有するリポソームは、市販されているものもあり、これを本発明で使用してもよい。例えば、日光ケミカルズ社から市販されている「NIKKOL アクアソーム AE CONC」は、パルミチンレチノール1.5%と酢酸dl−α−トコフェロール1.5%を含有するリポソームである。また、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)から市販されている「Nanotopes」は、酢酸dl−α−トコフェロール2%以上含有するリポソームである。
【0023】
このようにして得られた生理活性物質を含有するリポソームは、水分散液の状態で、次の皮膚外用剤の調製に使用される。
【0024】
<経皮吸収促進剤>
本発明の皮膚外用剤は、上記の生理活性物質を含有するリポソームと共に、経皮吸収促進剤を含有する。
【0025】
本発明で使用される経皮吸収促進剤としては、特に制限されないが、リポソームの皮膚浸透性が特に良好となる点で、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等)との共重合体;炭素数12〜24の直鎖状または分岐状脂肪族アルコール;炭素数12〜24の直鎖状または分岐状脂肪酸等が挙げられる。
【0026】
これらの中でも、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリプロピレングリコールとの共重合体、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリエチレングリコールとの共重合体、イソステアリルアルコールおよびイソステアリン酸が好適であり、特に好適には、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリプロピレングリコールとの共重合体、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリエチレングリコールとの共重合体である。1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリプロピレングリコールとの共重合体と、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリエチレングリコールとの共重合体は市販されており、例えば、日光ケミカルズ社から、ポリオールプレポリマー−2、ポリオールプレポリマー−14、ポリオールプレポリマー−15の商品名で入手可能である。
【0027】
<皮膚外用剤>
本発明の皮膚外用剤は、上記のように調製された生理活性物質を含有するリポソーム水分散液と、経皮吸収促進剤を混合することに調製できる。ここで、生理活性物質の含有量は、皮膚外用剤中、0.01〜3重量%、特に0.05〜0.5重量%であることが好ましく、従って、生理活性物質の含有量が上記範囲となるように、生理活性物質を含有するリポソームを配合すればよい。
【0028】
経皮吸収促進剤の含有量は、皮膚外用剤中、0.1〜10重量%、特に1〜5重量%が好ましい。当該含有量が少なすぎると経皮吸収促進剤による効果、即ち、生理活性物質の皮膚への浸透効果が期待できず、逆に多すぎると、使用性および安全性の面で問題が生じることになるので、好ましくない。
【0029】
本発明の皮膚外用剤は、種々の剤型で使用でき、例えば、化粧水、クリーム、乳液、美溶液、ジェル等の乳化物の形態で使用でき、化粧用、医薬用、医薬部外品用等の用途に適用可能である。
【0030】
乳化物は、従来公知の方法により調製することができる。例えば、クリームに製造するには、通常の製造方法が採用される。即ち、経皮吸収促進剤、界面活性剤等を含む油相成分を50〜70℃程度で加熱混合し、その温度を維持したままで、これに、添加剤を加えた水相成分を添加して混合、乳化(ホモミキサー等を使用)させた後、攪拌冷却しながら生理活性物質を含有するリポソーム水分散液を添加してよく混合することにより、クリームが得られる。なお、乳化の形態は、O/W型、W/O型等のどんな形態でもよい。
【0031】
油相成分としては、通常乳化物に配合されるものが使用でき、例えば、液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油等が挙げられる。
【0032】
界面活性剤としては、通常乳化物に配合されるものが使用でき、例えば、脂肪酸石鹸等のアニオン界面活性剤;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0033】
添加剤としては、保湿剤、粉末成分、水溶性高分子、増粘剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖類(単糖、オリゴ等、多糖)、アミノ酸、有機アミン、pH調整剤、酸化防止剤、酸化防止助剤、防腐剤、消炎剤、美白剤、各種抽出物、賦活剤、血行促進剤、抗脂漏剤、抗炎症剤等が挙げられる。
【0034】
本発明の皮膚外用剤は、生理活性物質がリポソームに含有された状態で配合されているため、リポソーム膜のリン脂質の作用により当該皮膚外用剤の皮膚との接触性が向上すると共に、リポソームによるドラックデリバリー能によりリポソームに含有された生理活性物質が皮膚バリアーを透過して浸透する。本発明の皮膚外用剤には経皮吸収促進剤も同時に配合されているため、透過の際には、この経皮吸収促進剤の作用により、リポソームに含有された生理活性物質の浸透が非常に促進される。その結果、生理活性物質が有する効果が有効に発揮されることとなる。数十〜数百ナノメーター程度と粒径が小さいリポソームを使用すれば、皮膚との接触性が更に向上するので、生理活性物質が有する効果がより有効に発揮される。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0036】
実施例(美容クリームの調製)
生理活性物質を含有するリポソームとして、市販のビタミンEアセテートを2重量%含有するリポソームの水分散液(商品名Nanotopes 粒子径20ナノメーター チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製)を使用し、経皮吸収促進剤として、ポリオールプレポリマー−2(商品名 日光ケミカルズ社製)を使用し、その他の成分として表1に示す成分を使用して、次の方法により美容クリームを調製した。即ち、スクワラン、セチルイソオクタネート、セタノール、ポリオールプレポリマー−2およびグリセリルモノステアレートを50〜70℃で加熱混合し、その温度を維持したままで、これに、キサンタンガム、パラベンおよびポリエチレングリコールを水に溶解した水溶液を添加して混合し、ホモミキサーを使用して乳化した後、攪拌冷却しながらビタミンEアセテートを2重量%含有するリポソームの水分散液を添加して、よく混合することにより、美容クリームを調製した。
【0037】
比較例1(美容クリームの調製)
ポリオールプレポリマー−2を使用しなかったこと以外は、実施例と同様にして、美容クリームを調製した。
【0038】
比較例2(美容クリームの調製)
表1に示す成分を使用し、次の方法により美容クレームを調製した。即ち、即ち、スクワラン、セチルイソオクタネート、セタノール、ポリオールプレポリマー−2、グリセリルモノステアレートおよびビタミンEアセテートを50〜70℃で加熱混合し、その温度を維持したままで、これに、キサンタンガム、パラベンおよびポリエチレングリコールを水に溶解した水溶液を添加して混合し、ホモミキサーを使用して乳化した後、攪拌冷却することにより、美容クリームを調製した。
【0039】
比較例3(美容クリームの調製)
ポリオールプレポリマー−2を使用しなかったこと以外は、比較例2と同様にして、美容クリームを調製した。
【0040】
【表1】
Figure 2004143080
【0041】
実施例および比較例1〜3で得られた美容クリームについて、以下の評価試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0042】
1.肌のなめらかさ
使用中および使用後の肌のなめらかさを専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎:専門パネラー8名以上が使用中および使用後に肌がなめらかであると認めた。
○:専門パネラー6名以上8名未満が使用中および使用後に肌がなめらかであると認めた。
△:専門パネラー3名以上6名未満が使用中および使用後に肌がなめらかであると認めた。
×:専門パネラー3名未満が使用中および使用後に肌がなめらかであると認めた。
【0043】
2.保湿効果感
使用120分後の保湿効果感の有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎:専門パネラー8名以上が保湿効果感があると認めた。
○:専門パネラー6名以上8名未満が保湿効果感があると認めた。
△:専門パネラー3名以上6名未満が保湿効果感があると認めた。
×:専門パネラー3名未満が保湿効果感があると認めた。
【0044】
3.浸透感
使用中および使用後の肌への浸透感(しみ込みむ感じ)を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎:専門パネラー8名以上が使用中および使用後に肌への浸透感を認めた。
○:専門パネラー6名以上8名未満が使用中および使用後に肌への浸透感を認めた。
△:専門パネラー3名以上6名未満が使用中および使用後に肌への浸透感を認めた。
×:専門パネラー3名未満が使用中および使用後に肌への浸透感を認めた。
【0045】
4.肌荒れ改善効果試験
顔(部位:頬)に肌荒れを起こしている10名のパネラーにより、肌荒れ改善効果試験を実施した。試験法は頬に美容クリームを1週間塗布し、その期間終了後の翌日に評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:パネラー8名以上が、肌荒れが改善されていると認めた。
○:パネラー6名以上8名未満が、肌荒れが改善されていると認めた。
△:パネラー3名以上6名未満が、肌荒れが改善されていると認めた。
×:パネラー3名未満が、肌荒れが改善されていると認めた。
【0046】
【表2】
Figure 2004143080
【0047】
表2より、ビタミンEアセテートがリポソームに含有された状態で配合され、そして経皮吸収促進剤であるポリオールプレポリマー−2も配合された実施例の美容クリームは、肌のなめらかさが良好であることから、美容クリームの皮膚との接触性が良好であることがわかる。また、保湿効果や肌への浸透感も良好であることから、皮膚浸透性の点においても良好であることがわかる。そして、肌荒れ改善効果が特に良好であることから、ビタミンEアセテートによる実際の効果が十分に発揮されていることがわかる。
【0048】
これに対し、経皮吸収促進剤であるポリオールプレポリマー−2が配合されていない比較例1の美容クリームは、保湿効果や肌への浸透感が劣るものであり、ビタミンEアセテートによる実際の肌荒れ改善効果も不充分なものであった。
【0049】
また、ビタミンEアセテートがリポソームに含有されておらずそのまま配合された比較例2の美容クリームは、肌のなめらかさが劣るものであり、ビタミンEアセテートによる実際の肌荒れ改善効果も充分といえるものではなかった。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の皮膚外用剤によれば、生理活性物質の皮膚への接触性が向上すると共に、皮膚浸透性が改善されたものであり、従って、生理活性物質の効果を有効に発揮させることができるのである。

Claims (10)

  1. 生理活性物質を含有するリポソームと、経皮吸収促進剤とを含有してなる皮膚外用剤。
  2. リポソームが、油溶性の生理活性物質を含有する油性コアを内包している、請求項1記載の皮膚外用剤。
  3. 生理活性物質が、ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンA類似物質、油溶性のビタミンC誘導体、ビタミンEおよびその誘導体、並びにビタミンE類似物質から選択される少なくとも1つである、請求項1または2記載の皮膚外用剤。
  4. リポソーム膜が、リン脂質および界面活性剤を含んで構成される、請求項1記載の皮膚外用剤。
  5. 経皮吸収促進剤が、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリアルキレングリコールとの共重合体、炭素数12〜24の直鎖状または分岐状脂肪族アルコールおよび炭素数12〜24の直鎖状または分岐状脂肪酸から選択される、請求項1記載の皮膚外用剤。
  6. 経皮吸収促進剤が、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリプロピレングリコールとの共重合体、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリエチレングリコールとの共重合体、イソステアリルアルコールおよびイソステアリン酸から選択される、請求項1記載の皮膚外用剤。
  7. 経皮吸収促進剤が、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリプロピレングリコールとの共重合体、および、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)とポリエチレングリコールとの共重合体から選択される、請求項1記載の皮膚外用剤。
  8. 生理活性物質の含有量が0.01〜3重量%である、請求項1記載の皮膚外用剤。
  9. 経皮吸収促進剤の含有量が0.1〜10重量%である、請求項1記載の皮膚外用剤。
  10. 乳化物の形態である、請求項1記載の皮膚外用剤。
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