JP2004033509A - 注射シリンジ体用プランジャーロッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガスケットとプランジャーロッドとの接合面を摺動性を有する樹脂で被覆する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は注射シリンジ体用プランジャーロッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の医療現場においては、注射器内部に薬液を予め充填した状態で輸送、保管を行い、投与時に注射針を装着した後、プランジャーロッドを押し込むだけで薬剤の投与が可能な、薬液充填済シリンジが多用されるようになってきた。それらの多くは、注射器内部の薬液を使い切った後、空のシリンジとプランジャーロッドとを分別廃棄するいわゆる使い捨てのセットが一般に用いられている。そして、薬液充填済注射シリンジにおけるガスケットへのプランジャーロッドの接合方法は、ネジ式、嵌合式、接着式および一体成形式が良く用いられているが、投与後の分離作業を必要とした場合、分離が容易なネジ式が多く採用されている。
【0003】
放射性医薬品の場合、放射性廃棄物量をできるだけ少なくする目的により、注射器を使用した後は、放射性物質が付着したシリンジと付着していないプランジャーロッドとを分離し、別々に廃棄することが望まれている。また、放射線遮蔽能を有する特殊なプランジャーロッドを用いた場合、高価であるため、通常、経済的な理由から使い捨てにはせず繰り返し使用されている。従来のネジ式プランジャーロッドを用いた場合、充填された薬液を投与後、シリンジとプランジャーロッドとの分別廃棄作業の際、プランジャーロッドを取り外そうと回転させた場合、ガスケットとシリンジ内壁との摩擦力に比し、プランジャーロッドとガスケットとの摩擦力が大きくなると、ガスケットがプランジャーロッドと密着して回転してしまい、プランジャーロッドの取り外しが困難になるという問題があった。
【0004】
因に、このような問題を解消するため、プランジャーロッドのガスケット係止部先端(ネジ先端部)に突起を形設し、弾性材で形成されているガスケットに歪みをつけてその反発力を用いて分離性を高めるという技術が既に公開されている(特開平9−308689号公報)。しかしながら、この方法では、プランジャーロッドネジ先端部の該突起部の形状とガスケットの雌ネジ穴底部との形状が一致しないため、螺合時にガスケットの接液周辺も歪み、シリンジの気密性やシリンジ内のガスケットの位置保持性が悪くなる恐れがあった。また、ガスケットの雌ネジ部と着脱自在に螺合し、非円形状のネジ山外周形を有する雄ネジ部を前部に形設したプランジャーロッドが公開されている(特開平11−114062号公報)。当該発明は、雄ネジ部の先部に棒状突出端を形設すれば、雄ネジ部のネジ山平坦部がガスケットの雌ネジ部内底壁と密着するのが防止されるので、ガスケットからのプランジャーロッドの取り外しをより容易に行うことができるという技術である。しかしながら、放射性医薬品の場合、通常、放射能量が十分に減衰した数日後に廃棄を行うので、ガスケットとプランジャーロッドの分離性は実用上十分満足できるものではなく、更に常時プランジャーロッドをガスケットから分離し易いものへの改善が強く望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前に述べたような実情からみてなされたもので、一般の医薬品または放射性医薬品が予め充填されたシリンジにおいて、投与後の廃棄物減量等の目的によりプランジャーロッドを分別廃棄する際、薬液投与数日経過後においてもガスケットから極めて容易に分離できる注射シリンジ体用プランジャーロッドを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を達成するため、プランジャーロッドとガスケットとの接合面を摩擦抵抗の小さい樹脂で被覆したものである。このような構成により、ガスケットとプランジャーロッドとの接合面の摩擦抵抗が小さくなるので、分離操作において、プランジャーロットの回転と共にガスケットが回転することがなく、極めて容易かつ確実に分離することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
図1は、薬液を充填したシリンジに用いる本発明注射シリンジ体用プランジャーロッドの先端部断面を示し、図2は、該プランジャーロッド概略斜視図を示すものである。以下該図に基づいて説明する。10はプランジャーロッドでその先部21にガスケット14と螺合する雄ネジ部12を有する。薬液投与後プランジャーロッド10の分離の際、ガスケット14との摩擦力を小さくするため、プランジャーロッド10とガスケット14とが接する雄ネジ部12または先部端面11の少なくとも一部をフッ素等の摺動性の良い樹脂で被覆されている。また、雄ネジ部12と接する雌ネジ部15が当該樹脂で被覆されていても良く、更に先部端面11または雄ネジ部12の少なくとも一方がフッ素等の摺動性の良い樹脂で成形されていても良い。尚、本発明品のプランジャーロッドは、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パ−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド、あるいはフルオレフィンとアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシルアルキル基またはカルボキシル基等の官能基を有する各種ビニルエーテルが交互に結合した共重合体等のようなフッ素樹脂を塗布した後、常法により焼き付け、乾燥させたものである。本発明で利用できる樹脂としては、上記したフッ素系樹脂の他、シリコン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂から選ばれるものが耐薬品性の面からも好ましく、中でもフッ素系樹脂であるポリフッ化エチレンが最も好ましい。また、樹脂には金属が含まれていてもよく、例えば、ニッケル−ポリフッ化エチレン等を挙げることができる。図2は、特に放射性薬剤を充填したシリンジに用いる場合に好適な本発明注射シリンジ体用プランジャーロッドの例を示すもので、プランジャーロッド10の先部21がフッ素系樹脂で被覆された放射線遮蔽材で構成されている。
【0008】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明する。
放射性医薬品薬液充填済シリンジに使用される放射線遮蔽材付設プランジャーロッドの先部(雄ネジ部を含むタングステン部)に常法によりフッ素樹脂加工(ポリフッ化エチレン加工)を施したプランジャーロッドを作製し、次にシリンジ内のガスケットに装着した後、日数経過によるガスケットとプランジャーロッドとの分離性を比較したので、以下説明する。下記の各プランジャーロッドを薬液充填済シリンジ内のガスケットに手操作で通常操作を行う力で十分螺合させ取り付ける。次に30日間室温にて静置保管後、通常の力で手操作によりガスケットが空回りすることなくプランジャーロッドから取り外しが可能であるか試験を行った。その結果は、表1の通りであった。
【0009】
本発明品:放射線遮蔽材付設プランジャーロッドの先部(雄ネジ部を含むタングステン部)にフッ素樹脂を有する図2に示すプランジャーロッド(雄ネジ部の形状が略三角柱状)
従来品1:先部(雄ネジ部)にフッ素樹脂を有しない図4に示すプラスチック製プランジャーロッド
従来品2:放射線遮蔽材付設プランジャーロッドの先部(雄ネジ部を含むタングステン部)にフッ素樹脂を有しない図3に示すプランジャーロッド(雄ネジ部の形状が円柱状)
従来品3:放射線遮蔽材付設プランジャーロッドの先部(雄ネジ部を含むタングステン部)にフッ素樹脂を有しない図2に示すプランジャーロッド(雄ネジ部の形状が略三角柱状)
【0010】
【表1】
プランジャーロッドの取り外し試験
【0011】
【発明の効果】
以上のように、医療用シリンジに用いられる本発明プランジャーロッドは、ガスケットとの接合面を摩擦抵抗の小さい樹脂で被覆されているので、両者の密着が防止され、分離性が維持されている。これにより、通常取り外しが困難となる投与後数日放置されたシリンジにおいても極めて容易かつ確実にプランジャーロッドを取り外して分別廃棄することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明プランジャーロッドとガスケットとの螺合状態を示す要部拡大軸方向断面説明図。
【図2】従来および本発明タングステンプランジャーロッド例(雄ネジ部の形状が略三角柱状)を示す概略斜視説明図。
従来品 :雄ネジ部12を含む先部21にフッ素樹脂を被覆しない。
本発明品:雄ネジ部12を含む先部21にフッ素樹脂を被覆する。
【図3】従来のタングステンプランジャーロッド例(雄ネジ部の形状が円柱状)を示す概略斜視説明図。
従来品 :雄ネジ部12を含む先部21にフッ素樹脂を被覆しない。
本発明品:雄ネジ部12を含む先部21にフッ素樹脂を被覆する。
【図4】従来のプラスチックプランジャーロッド例を示す概略斜視説明図。
【符号の説明】
10;プランジャーロッド
11;先部端面
12;雄ネジ部
13;シリンジ
14;ガスケット
15;雌ネジ部
20;放射線遮蔽先部
21;先部
Claims (3)
- シリンダーとガスケットとプランジャーロッドからなる医療用シリンジにおいて、ガスケットとプランジャーロッドとの接合面の少なくとも一部にフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂から選ばれる樹脂を有することを特徴とするプランジャーロッド。
- フッ素系樹脂がポリフッ化エチレンまたは含金属ポリフッ化エチレンを含有する樹脂である請求項1に記載のプランジャーロッド。
- 放射性薬液充填済シリンジに用いることを特徴とする請求項1または2に記載のプランジャーロッド。
Priority Applications (1)
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JP2002195536A JP2004033509A (ja) | 2002-07-04 | 2002-07-04 | 注射シリンジ体用プランジャーロッド |
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