JP2004027442A - ガラス繊維ヤーンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラスクロスの緯糸として用いられ、エアジェット製織時の毛羽発生を防止し、かつ、エアジェット製織における飛走性に優れる、ガラス繊維ヤーンの製造方法を提供する。
【解決手段】平均径7〜10μmであるガラスフィラメント200〜800本を集束剤で集束してストランドとし、このストランドをケーキに巻き取るストランド形成工程と、前記ケーキからストランドを引き出して撚りをかける撚糸工程とからなる、ガラスクロスの緯糸として用いられるガラス繊維ヤーンの製造工程において、前記撚糸工程を、温度30〜40℃、湿度10〜25%の雰囲気下で行なうことを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】平均径7〜10μmであるガラスフィラメント200〜800本を集束剤で集束してストランドとし、このストランドをケーキに巻き取るストランド形成工程と、前記ケーキからストランドを引き出して撚りをかける撚糸工程とからなる、ガラスクロスの緯糸として用いられるガラス繊維ヤーンの製造工程において、前記撚糸工程を、温度30〜40℃、湿度10〜25%の雰囲気下で行なうことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、例えば、プリント配線板等の基板材料として使用されるガラスクロスに用いられる、ガラス繊維ヤーンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス繊維ヤーンは、繊維径数ミクロンのガラスフィラメント数百本〜千数百本を、集束剤を用いて集束してストランドとし、このストランドに撚りをかけて得られる。そして、このガラス繊維ヤーンは、製織工程によってガラスクロスとなり、このガラスクロスに樹脂を含浸させることによって、繊維強化プラスチック(FRP)製品の補強材として使用されている。
【0003】
近年、このガラスクロスの用途として、特にプリント配線板の基板材料への適用が注目されている。このプリント配線板の製造工程においては、ガラスクロスにエポキシ等の樹脂を含浸させてプレプリグを形成し、更に、薄い銅箔等が積層されて形成される。このため、銅箔を損傷しないように、ガラスクロスの表面には毛羽等の欠陥が非常に少ないことが要求されている。
【0004】
一方、このようなガラスクロスの製造工程としては、上記のストランドにリング撚糸機等を用いて撚りをかけてガラス繊維ヤーンとし、これをエアージェット織機等によって製織することが行なわれている。エアジェット織機は、製織時において緯糸をエアーに乗せて搬送してよこ入れすることを特徴とし、これにより高速製織を可能としている。したがって、エアジェット織機に用いられるガラス繊維ヤーンの緯糸は、このエアーによる搬送され易さ(製織性)である飛走性が要求されている。
【0005】
しかし、特に、上記のプリント配線板に使用されるガラス繊維ヤーンとしては、例えばG75(ストランドの番手で67.5tex)と呼ばれる糸のように、太めで重いヤーンが使用される場合、製織性が劣り、飛走性が劣るといった傾向がある。この場合、エアー圧を高くして製織することも考えられるが、高圧エアーによってガラス繊維ヤーンが損傷して毛羽が発生しやすくなるという問題がある。したがって、このようなガラス繊維ヤーンには適度の開繊性を付与して、これによって、飛走性を向上させる必要がある。
【0006】
このような、ガラス繊維ヤーンに適度の開繊性を付与することは、ガラスフィラメントをストランドに集束する際の集束剤の組成によって調整することができる。すなわち、一般には、ガラス繊維用の集束剤としては、澱粉等の被膜形成剤を主とし、乳化によってエマルジョン化した油剤液を混合し、集束剤溶液としてガラス繊維に付与することが行なわれているが、このうちの油剤及び乳化剤の種類と量を調整することにより、集束剤の潤滑性を調整して開繊性を調整することが行なわれている。
【0007】
ここで、集束剤はエマルジョン系であるため、上記の開繊性は、集束剤の乾燥条件によっても影響を受ける、この乾燥条件に影響する製造工程としては、ストランドを巻き取ったケーキの水分調整を行なうコンディショニングと呼ばれる工程や、撚糸工程における雰囲気の温度及び湿度が挙げられる。
【0008】
このうち、撚糸工程における雰囲気の温度及び湿度を調整する点について、例えば特開2001−262441号公報には、コンディショニングを不要ないしはコンディショニング時間を大幅に短縮することができ、しかも毛羽が少なく、また粉落ちの問題がなく、製織性に優れたヤーンの製造方法として、ケーキからストランドを繰り出し、撚りをかけて巻き取る方法において、温度25〜40℃、湿度35〜50%の環境下で撚糸及び巻き取りを行うことが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとしている課題】
上記のプリント配線板に使用される太いガラス繊維ヤーンにおいては、集束剤の絶対塗布量が増加するので、乾燥による水分調整量も多くなる。このため、上記の集束剤の乾燥条件が、エアジェット製織時の緯糸の開繊性に大きく影響する。しかし、このような、開繊性を向上させて飛走性を良好にする一方、製織時の毛羽発生も抑制するという、相反する性質を同時に満足するような集束剤の最適な乾燥条件は従来検討されていなかった。
【0010】
また、上記の特開2001−262441号公報の方法では、撚糸工程における湿度が35〜50%と高いので、上記のような太いガラス繊維ヤーンの製織に適する集束剤においては乾燥が不充分であり、エアジェット製織時における飛走性が低下し、製織後の毛羽も増加するという問題があった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、特にプリント配線板に使用されるガラスクロスの緯糸として用いられ、エアジェット製織時の開繊性を向上して飛走性に優れ、かつ、毛羽の発生も抑制できるガラス繊維ヤーンの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のガラス繊維ヤーンの製造方法は、平均径7〜10μmであるガラスフィラメント200〜800本を集束剤で集束してストランドとし、このストランドをケーキに巻き取るストランド形成工程と、前記ケーキからストランドを引き出して撚りをかける撚糸工程とからなる、ガラスクロスの緯糸として用いられるガラス繊維ヤーンの製造工程において、
前記撚糸工程を、温度30〜40℃、湿度10〜25%の雰囲気下で行なうことを特徴とする。
【0013】
これによれば、撚糸工程中に集束剤の水分を適度に減少させるので、次工程のエアジェット製織時の開繊性を向上して飛走性に優れる緯糸を得ることができる。また、集束剤の過剰な乾燥を防止することによって過剰な開繊を抑え、毛羽の発生を抑制することができる。
【0014】
本発明においては、前記ストランド形成工程の終了から前記撚糸工程の開始までの間、前記ケーキを温度10〜40℃、湿度10〜70%の雰囲気下で、24〜48時間保管することが好ましい。
【0015】
これによれば、あらかじめケーキの状態でコンディショニングを行ない、主としてケーキ表面の水分を適度に減少させるので、更に、エアジェット織機における開繊性を向上させて飛走性を向上させつつ、毛羽の発生を抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】
本発明のガラス繊維ヤーン用の製造方法は、ガラスフィラメントを集束剤で集束してストランドとしてケーキに巻き取るストランド形成工程と、前記ケーキからストランドを引き出して撚りをかける撚糸工程とからなる。
【0018】
まず、ストランド形成工程について説明すると、本発明においては、平均径7〜10μmであるガラスフィラメント200〜800本を集束剤で集束してストランドとし、このストランドをケーキに巻き取る。このような平均繊維径、集束数のストランドとしては、例えば22〜135tex番手のストランドが好ましく挙げられる。また、紡糸方法としては、特に限定されず、従来公知の溶融紡糸法により、溶融したガラスをブッシングから引き出して連続的に繊維化することにより得ることができる。
【0019】
集束剤は特に限定されないが、上記のG75のような太いガラスクロスの緯糸として使用され、開繊性に優れ、毛羽抑制効果のある集束剤としては、澱粉と、油剤と、乳化剤とを含む集束剤等が好ましく使用できる。
【0020】
具体的には、澱粉と、植物油と、パラフィンと、エーテル系乳化剤を少なくとも含む乳化剤とを含有する集束剤を用いることが好ましい。
【0021】
澱粉はフィラメントを集束するとともに、被膜形成剤として工程中での屈曲、摩擦からガラス繊維を保護する目的として用いられる。澱粉の種類としては特に限定されず、例えばコーンスターチが好ましく用いられる。また、エーテル変性されたエーテル化澱粉を用いることも好ましい。これにより、製織時の粉落ちを抑制することができるとともに、加熱脱油時においても比較的容易に除去することができる。
【0022】
油剤は主にストランドに潤滑性を付与する目的として用いられ、油剤としては、植物油とパラフィンとを併用することが好ましい。植物油のみでは潤滑性が不足するので、毛羽の発生、飛走性共に好ましくなく、パラフィンを含有させることによって滑り性を付与し、これによって開繊性を付与してエアジェット織機における飛走性を向上させることができる。ただし、パラフィンのみでは、飛走性は向上するものの、逆に開繊過剰となって毛羽の発生が増加するので、両者を併用することが好ましい。
【0023】
植物油としては、特に限定されず、ヤシ油、パーム油、パーム核油、コーン油、綿実油等が挙げられる。また、植物油は不飽和のままでもよく、水添して飽和植物油としてもよい。これらは、単独又は2種類以上を混合して用いてもよく、また、前記植物油は、ラード等の動物油を併用して動植物油として用いることが好ましい。なお、動植物油として用いる場合、後述に記載する植物油の量とは、動植物油の量をいうものとする。
【0024】
パラフィンとしては特に限定されず、従来公知のパラフィンワックス等を用いることができる。
【0025】
油剤の含有量としては、例えば、前記植物油とパラフィンとを併用する場合、油剤全体として、前記澱粉100質量部に対して前記パラフィン及び前記植物油の含有量が10〜30質量部であることが開繊性を付与することができ好ましい。前記パラフィン及び前記植物油の含有量が10質量部以下であると、飛走性が低下して毛羽発生も増加するので好ましくなく、30質量部を超えると飛走性は向上するものの、毛羽の発生が増加するので好ましくない。
【0026】
また、前述の植物油とパラフィンとを併用する場合、その配合割合としては、前記パラフィン及び前記植物油に対する、前記パラフィンの含有量が70〜90質量%であることが好ましい。このように油剤に対するパラフィン量を前記量にすることで、開繊性を良好にするとともに、毛羽を効果的に抑制することができる。前記パラフィンの含有量が70質量%未満であると、飛走性が低下し、毛羽の発生が増加するので好ましくなく、また、90質量%を超えると飛走性は向上するものの、毛羽の発生が増加するので好ましくない。
【0027】
更に、本発明においては、上記の油剤の乳化剤として、エーテル系乳化剤を少なくとも含む乳化剤を含有することが好ましい。、特にパラフィンとエーテル系乳化剤を組み合わせてパラフィンエマルジョンとすることによって、ガラス繊維ヤーンの開繊性を向上させることができる。
【0028】
このようなエーテル系乳化剤としては、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物であることが好ましい。具体的には、非イオン系の界面活性剤である、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のフェニルエーテル型の乳化剤が挙げられる。
【0029】
また、上記のエーテル系乳化剤の含有量は、パラフィン及びエーテル系乳化剤に対して5〜40質量%である。これにより開繊を良好とし、毛羽の発生を抑制することができる。エーテル系乳化剤の含有量が5質量%未満であると、開繊性が不充分となり、40質量%を超えると、開繊過剰となって毛羽の発生が増加する。
【0030】
また、前記乳化剤としては、更にエステル系乳化剤を含有することが好ましい。これによれば、更に開繊性が向上するので、少量の添加であっても、エアジェット織機における飛走性を向上させることができる。
【0031】
このような、エステル系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエートのポリオキシエチレンモノアルキルエステルや、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンエステルや、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンラウリン酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステル等の脂肪酸グリセリンエステルを用いることができる。なかでも脂肪酸グリセリンエステルを用いることが好ましい。
【0032】
本発明の集束剤においては、上記の成分以外に他の成分を含んでいても良い。このような成分としては、例えば、カチオン潤滑剤や、防カビ剤の他、シランカップリング剤、その他各種添加剤が挙げられる。
【0033】
集束剤の製造方法としては、従来公知の方法により、澱粉に、油剤を乳化してエマルジョン化したものを加え、更にその他の成分を混合することにより製造できる。
【0034】
ここで、本発明においては、油剤と乳化剤との乳化工程において、植物油と、パラフィンと、エーテル系乳化剤を少なくとも含む乳化剤とを一括して乳化してエマルジョン化してもよいが、植物油とパラフィンとが、それぞれ別々に乳化されてエマルジョン化しており、パラフィンの乳化剤として、エーテル系乳化剤を少なくとも含む乳化剤を用いることが好ましい。
【0035】
ガラス繊維に集束剤を付着させる方法としては、ロールアプリケーターなどを用いて塗布することができる。集束剤の付着量は、集束剤付着後のガラス繊維ストランドの質量を基準として、固形分量で0.3〜2.0質量%の範囲が好ましい。また、集束剤を付着させるタイミングは、繊維化後であればいつでも良いが、効率的に付着させるために繊維化直後に付着させた方が好ましい。
【0036】
このようにして、集束剤が付着したストランドは、ケーキに一旦巻き取られる。
【0037】
次に、撚糸工程について図1を用いて説明する。図1には、本発明の撚糸工程の一例を示すリング撚糸機の概略構成図が示されている。図1に示すように、撚糸工程においては、ケーキ10からストランド11が引き出され、このストランド11が、リング12の内側にフリーに走行するように設けられたトラベラ13を通して、スピンドル14によって回転するボビン15に巻き取られる。そして、このとき、ボビン15の回転に遅れて、リング12の内側に沿って連れ回りするトラベラ13が回転することによって、ストランド11に撚りがかけられる。
【0038】
撚糸の条件としては特に限定されず適宜設定可能である。また、撚り数としては0.1〜2.0回/25mmが好ましく、0.5〜1.0回/25mmが特に好ましい。このようにして得られる代表的なガラス繊維ヤーンの種類としては、JIS−R3413におけるECG75 1/0 0.7 Zのガラス繊維ヤーンが例示できる。
【0039】
そして、本発明においては、この撚糸工程を、温度30〜40℃、湿度10〜25%の雰囲気下で行なうことを特徴とする。上記温度としては、33〜37℃がより好ましく、湿度としては15〜20%がより好ましい。
【0040】
この適度な乾燥条件によって、ケーキ表面から繰り出されるストランドにおける集束剤の水分が適度に低下するので、ガラス繊維ヤーンに適度の開繊性を付与して緯糸としての飛走性を向上させるとともに、毛羽の発生を抑制することができる。
【0041】
温度が30℃未満の場合、乾燥が不充分となるので開繊が不足し、飛走性が低下し、毛羽発生が増加する。また、40℃を超えると、乾燥が過剰となるので開繊が過剰となり、飛走性が増大し過ぎ、毛羽発生が増加する。
【0042】
一方、湿度が10%未満の場合、乾燥が過剰となるので開繊が過剰となり、飛走性が増大し過ぎ、毛羽発生が増加する。また、25%を超えると、乾燥が不充分となるので開繊が不足し、飛走性が低下し、毛羽発生が増加する。
【0043】
なお、撚糸工程における雰囲気の温度及び湿度を調整する方法としては、例えば、図1における仮想線16の範囲である、ケーキ10からボビン15までの部分を囲う方法、撚糸装置全体を囲う方法、撚糸装置を含む製造場所全体の雰囲気を調整する方法等が挙げられ特に限定されない。また、温度の調整手段としては、従来公知のヒーター等が使用でき、湿度の調整手段としては、従来公知の除湿装置等が使用できる。
【0044】
本発明においては、更に、上記のストランド形成工程から撚糸工程の開始までの間にケーキを温度10〜40℃、湿度10〜70%の雰囲気下で、24〜48時間保管することが好ましい。
【0045】
このような保管工程は、いわゆるコンディショニング工程と呼ばれており、紡糸直後のケーキが水分を多く含むことから、自然蒸発による乾燥を行なうものである。これによれば、あらかじめケーキの段階でコンディショニングを行ない、ケーキ表面の水分を低減させて調整することにより、前記撚糸環境に適合して前記の乾燥が最適となり、撚糸中に引き出されるストランドにおける集束剤の水分を安定させることができ、エアジェット織機における開繊性を向上させ、飛走性を向上させることができる。特に、集束剤の付着量が多くなる太いガラス繊維ストランドにおいては、このコンディショニング工程によってケーキ表面の水分を適度に低減することが好ましい。
【0046】
コンディショニング工程における温度及び湿度としては、温度10〜40℃、湿度10〜70%の雰囲気下が好ましい。また、適宜上記の範囲になるように温度及び湿度を調整してもよい。
【0047】
また、保管時間は24〜48時間が好ましい。保管時間が24時間未満の場合、乾燥が不充分となるので開繊が不足し、飛走性が低下し、毛羽発生が増加するので好ましくない。また、48時間を超えると、乾燥が過剰となるので開繊が過剰となり、飛走性が増大し過ぎ、毛羽発生が増加するので好ましくない。
【0048】
このように、撚糸工程前のケーキを温度10〜40℃、湿度10〜70%の雰囲気下で、24〜48時間保管することによって、ケーキ表面の水分を、ストランド形成工程直後の10〜15%から、1.5〜3.0%程度にまで低下でき、適度に水分を調整することができる。
【0049】
これは、前記コンディショニング工程で、主として前記ケーキの表面箇所を特定の水分量に減少させることにより、ケーキからストランドを引き出す際に、引き出されたストランドにおける集束剤の水分量と前記撚糸条件とが相俟って、充分な乾燥が可能になると考えられる。また、ケーキの中心部から巻芯にかけては水分量は多いものの、前記撚糸環境による最適な乾燥条件により、巻かれているストランドがケーキ表面に引き出される時に近づくにつれて水分が減少し、前記特定の水分量が得られると考えられる。
【0050】
上記のストランド形成工程、コンディショニング工程、撚糸工程を経て製造されたガラス繊維ヤーンは、ガラスクロスの緯糸として用いられる。織機としては、高速で製織できることからエアジェット織機を用いることが好ましい。そして、上記の本発明の製造方法により製造されたガラス繊維ヤーンは、集束剤の乾燥条件が最適であるので、開繊性が向上してエアジェット織機のよこ入れ動作における飛走性に優れ、低圧エアーでの搬送が可能となる。また、毛羽の発生も防止できる。
【0051】
上記の製織条件としては、従来公知の条件が使用でき特に限定されない。また、織構造としては特に限定されないが、例えばプリント配線板の基板材料として用いる場合には、平織が好ましく用いられる。
【0052】
このようにして得られる上記のガラスクロスは、表面に毛羽等の欠陥が非常に少なく、主としてプリント配線板の用途に好適に用いることができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の製造例における、各原料の配合量は、最終的に得られる集束剤を100質量%とした場合の固形分量で記載されている。
【0054】
製造例
以下の順に集束剤調整工程、ストランド形成工程、コンディショニング工程、撚糸工程、エアジェット製織工程を行ないガラスクロスを製造した。
【0055】
<集束剤調整工程>
▲1▼澱粉糊化液の調整
エーテル化澱粉であるヒドロキシプロピル化コーンスターチ4.4質量%(集束剤全体を100質量%とした場合の固形分量を意味する。以下の製造例における配合量についても同じ。)を水に分散させ、加熱し、95℃で30分間糊化し糊化液を得た。
【0056】
▲2▼植物油(動植物油)エマルジョンの調整
次に、パーム油・ラード・コーン油からなる動植物油0.2質量%と、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート0.03質量%、及びポリエチレングリコールモノオレエート0.02質量%とを溶融、混合し、80℃の熱水で乳化し、植物油エマルジョンを得た。
【0057】
▲3▼パラフィンワックスエマルジョンの調整
次に、パラフィンワックス0.8質量%と、乳化剤であるポリオキシエチレンステアリルエーテル0.3質量%、ポリグリセリンステアリン酸エステル0.1質量%とを溶融、混合し、80℃の熱水で乳化し、パラフィンワックスエマルジョンを得た。
【0058】
▲4▼その他添加成分の調整
次に、テトラエチレンペンタミン(TEPA)及びステアリン酸縮合物酢酸塩からなるカチオン潤滑剤0.2質量%、防カビ剤0.01質量%となるように熱水に分散した。
【0059】
▲5▼集束剤の調整
上記のコーンスターチ糊化液と、植物油エマルジョンと、パラフィンワックスエマルジョンと、カチオン潤滑剤及び防カビ剤とを混合し、温水を加えて100質量%として集束剤を得た。
【0060】
<ストランド形成工程>
平均径9μmであるガラスフィラメント400本を集束してストランドを製造し、上記の集束剤を、集束剤付着後のガラス繊維ストランドの質量を基準として固形分量で1.0質量%となるように繊維化直後に付着させ、このストランド10kgをケーキに巻き取った。
【0061】
<コンディショニング工程>
上記のケーキを、温度25℃、湿度50%の条件下で所定の時間保管し、コンディショニングを行なった。
【0062】
<撚糸工程>
コンディショニング後のケーキを、図1に示すようなリング撚糸機を用いて撚糸し、JIS−R3413におけるECG75 1/0 0.7 Zのガラス繊維ヤーンを得た。
【0063】
なお、リング撚糸機のうち、図1に示すケーキ10からボビン15まで部分の周囲を囲い、一定の恒温、恒湿条件下にて撚糸を行なった。
【0064】
<ガラスクロスの製造>
更に、このガラス繊維ヤーンを緯糸として、エアジェット織機を用いてガラスクロスを得た。
【0065】
試験例1
上記の製造例において、コンディショニング工程を36時間とした。また、撚糸工程における雰囲気湿度を18%とし、雰囲気温度を20〜50℃まで変化させた条件で撚糸工程を行ない、それぞれの条件のガラス繊維ヤーンを得た。
【0066】
このガラス繊維ヤーンを緯糸としてエアジェット製織工程を行ない、製織における緯糸の飛走性、及び、ガラスクロス表面の毛羽本数について調べた。その結果をまとめて図2、3に示す。
【0067】
なお、エアジェット織機における飛走性の測定は、ボビンからガラス繊維ヤーンを解舒し、ガラス繊維ヤーンをエアーノズルに通し、エアー圧1kgf/cm2で、1分間にエアノズルを通過するガラス繊維ヤーンの質量(g/min)を測定した。
【0068】
また、毛羽本数はガラスクロス1m2当たりの、緯糸由来の毛羽本数を目視で観察して測定した。
【0069】
図2、3より、本発明の撚糸時の雰囲気温度である30〜40℃においては飛走性は80〜90g/min程度と良好であり、かつ、毛羽本数も10本以下で良好であった。
【0070】
これに対して、撚糸時の雰囲気温度が20℃の場合には、飛走性が74g/minと開繊が不足気味となり、毛羽本数も18本と増加した。また、撚糸時の雰囲気温度が40℃の場合には、飛走性は96g/minで開繊が過剰気味となり、毛羽本数が22本と増加した。
【0071】
試験例2
上記の製造例において、コンディショニング工程を36時間とした。また、撚糸工程における雰囲気温度を35℃とし、雰囲気湿度を5〜35%まで変化させた条件で撚糸工程を行ない、それぞれの条件のガラス繊維ヤーンを得た。
【0072】
このガラス繊維ヤーンを緯糸としてエアジェット製織工程を行ない、製織における緯糸の飛走性、及び、ガラスクロス表面の毛羽本数について調べた。その結果をまとめて図4、5に示す。
【0073】
図4、5より、本発明の撚糸時の雰囲気湿度である10〜25%においては、飛走性は80〜90g/min程度と良好であり、かつ、毛羽本数も10本以下で良好であった。
【0074】
これに対して、撚糸時の雰囲気湿度が5%の場合には、飛走性は96g/minで開繊が過剰気味となり、毛羽本数が16本と増加した。また、撚糸時の雰囲気湿度が35%の場合には、飛走性が65g/minと開繊が不足して、毛羽本数も25本と増加した。
【0075】
試験例3
上記のコンディショニング工程における保管時間を0〜72時間まで変化させて、エアジェット製織工程における緯糸の飛走性、及び、ガラスクロス表面の毛羽数について調べた。なお、撚糸工程における雰囲気温度35℃、雰囲気湿度18%の条件下で行なった。その結果をまとめて図6、7に示す。
【0076】
図6、7より、本発明の好ましい態様である、保管時間が24〜48時間においては、飛走性は80〜90g/min程度と良好であり、かつ、毛羽本数も10本以下で良好であった。
【0077】
これに対して、保管時間が24時間未満の場合には、飛走性、即ち開繊が不足気味又は不足であり、毛羽本数も増加した。また、保管時間が48時間を超える場合には、飛走性、即ち開繊が過剰気味であり、毛羽本数が増加した。
【0078】
【発明の効果】
以上、本発明の製造方法によれば、エアジェット製織において、緯糸の毛羽発生を防止し、かつ、飛走性にも優れるガラス繊維ヤーンを提供できる。したがって、この製造方法によるガラス繊維ヤーンは、プリント配線板に用られるガラスクロスに好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス繊維ヤーンの製造方法に用いられる撚糸機の概略構成図である。
【図2】本発明の実施例における撚糸工程の雰囲気温度と飛走性との関係を示す図表である。
【図3】本発明の実施例における撚糸工程の雰囲気温度と毛羽数との関係を示す図表である。
【図4】本発明の実施例における撚糸工程の雰囲気湿度と飛走性との関係を示す図表である。
【図5】本発明の実施例における撚糸工程の雰囲気湿度と毛羽数との関係を示す図表である。
【図6】本発明の実施例におけるコンデショニング工程の保管時間と飛走性との関係を示す図表である。
【図7】本発明の実施例におけるコンデショニング工程の保管時間と毛羽数との関係を示す図表である。
【符号の説明】
10:ケーキ
11:ストランド
12:リング
13:トラベラ
14:スピンドル
15:ボビン
16:仮想線
【発明の属する分野】
本発明は、例えば、プリント配線板等の基板材料として使用されるガラスクロスに用いられる、ガラス繊維ヤーンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス繊維ヤーンは、繊維径数ミクロンのガラスフィラメント数百本〜千数百本を、集束剤を用いて集束してストランドとし、このストランドに撚りをかけて得られる。そして、このガラス繊維ヤーンは、製織工程によってガラスクロスとなり、このガラスクロスに樹脂を含浸させることによって、繊維強化プラスチック(FRP)製品の補強材として使用されている。
【0003】
近年、このガラスクロスの用途として、特にプリント配線板の基板材料への適用が注目されている。このプリント配線板の製造工程においては、ガラスクロスにエポキシ等の樹脂を含浸させてプレプリグを形成し、更に、薄い銅箔等が積層されて形成される。このため、銅箔を損傷しないように、ガラスクロスの表面には毛羽等の欠陥が非常に少ないことが要求されている。
【0004】
一方、このようなガラスクロスの製造工程としては、上記のストランドにリング撚糸機等を用いて撚りをかけてガラス繊維ヤーンとし、これをエアージェット織機等によって製織することが行なわれている。エアジェット織機は、製織時において緯糸をエアーに乗せて搬送してよこ入れすることを特徴とし、これにより高速製織を可能としている。したがって、エアジェット織機に用いられるガラス繊維ヤーンの緯糸は、このエアーによる搬送され易さ(製織性)である飛走性が要求されている。
【0005】
しかし、特に、上記のプリント配線板に使用されるガラス繊維ヤーンとしては、例えばG75(ストランドの番手で67.5tex)と呼ばれる糸のように、太めで重いヤーンが使用される場合、製織性が劣り、飛走性が劣るといった傾向がある。この場合、エアー圧を高くして製織することも考えられるが、高圧エアーによってガラス繊維ヤーンが損傷して毛羽が発生しやすくなるという問題がある。したがって、このようなガラス繊維ヤーンには適度の開繊性を付与して、これによって、飛走性を向上させる必要がある。
【0006】
このような、ガラス繊維ヤーンに適度の開繊性を付与することは、ガラスフィラメントをストランドに集束する際の集束剤の組成によって調整することができる。すなわち、一般には、ガラス繊維用の集束剤としては、澱粉等の被膜形成剤を主とし、乳化によってエマルジョン化した油剤液を混合し、集束剤溶液としてガラス繊維に付与することが行なわれているが、このうちの油剤及び乳化剤の種類と量を調整することにより、集束剤の潤滑性を調整して開繊性を調整することが行なわれている。
【0007】
ここで、集束剤はエマルジョン系であるため、上記の開繊性は、集束剤の乾燥条件によっても影響を受ける、この乾燥条件に影響する製造工程としては、ストランドを巻き取ったケーキの水分調整を行なうコンディショニングと呼ばれる工程や、撚糸工程における雰囲気の温度及び湿度が挙げられる。
【0008】
このうち、撚糸工程における雰囲気の温度及び湿度を調整する点について、例えば特開2001−262441号公報には、コンディショニングを不要ないしはコンディショニング時間を大幅に短縮することができ、しかも毛羽が少なく、また粉落ちの問題がなく、製織性に優れたヤーンの製造方法として、ケーキからストランドを繰り出し、撚りをかけて巻き取る方法において、温度25〜40℃、湿度35〜50%の環境下で撚糸及び巻き取りを行うことが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとしている課題】
上記のプリント配線板に使用される太いガラス繊維ヤーンにおいては、集束剤の絶対塗布量が増加するので、乾燥による水分調整量も多くなる。このため、上記の集束剤の乾燥条件が、エアジェット製織時の緯糸の開繊性に大きく影響する。しかし、このような、開繊性を向上させて飛走性を良好にする一方、製織時の毛羽発生も抑制するという、相反する性質を同時に満足するような集束剤の最適な乾燥条件は従来検討されていなかった。
【0010】
また、上記の特開2001−262441号公報の方法では、撚糸工程における湿度が35〜50%と高いので、上記のような太いガラス繊維ヤーンの製織に適する集束剤においては乾燥が不充分であり、エアジェット製織時における飛走性が低下し、製織後の毛羽も増加するという問題があった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、特にプリント配線板に使用されるガラスクロスの緯糸として用いられ、エアジェット製織時の開繊性を向上して飛走性に優れ、かつ、毛羽の発生も抑制できるガラス繊維ヤーンの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のガラス繊維ヤーンの製造方法は、平均径7〜10μmであるガラスフィラメント200〜800本を集束剤で集束してストランドとし、このストランドをケーキに巻き取るストランド形成工程と、前記ケーキからストランドを引き出して撚りをかける撚糸工程とからなる、ガラスクロスの緯糸として用いられるガラス繊維ヤーンの製造工程において、
前記撚糸工程を、温度30〜40℃、湿度10〜25%の雰囲気下で行なうことを特徴とする。
【0013】
これによれば、撚糸工程中に集束剤の水分を適度に減少させるので、次工程のエアジェット製織時の開繊性を向上して飛走性に優れる緯糸を得ることができる。また、集束剤の過剰な乾燥を防止することによって過剰な開繊を抑え、毛羽の発生を抑制することができる。
【0014】
本発明においては、前記ストランド形成工程の終了から前記撚糸工程の開始までの間、前記ケーキを温度10〜40℃、湿度10〜70%の雰囲気下で、24〜48時間保管することが好ましい。
【0015】
これによれば、あらかじめケーキの状態でコンディショニングを行ない、主としてケーキ表面の水分を適度に減少させるので、更に、エアジェット織機における開繊性を向上させて飛走性を向上させつつ、毛羽の発生を抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】
本発明のガラス繊維ヤーン用の製造方法は、ガラスフィラメントを集束剤で集束してストランドとしてケーキに巻き取るストランド形成工程と、前記ケーキからストランドを引き出して撚りをかける撚糸工程とからなる。
【0018】
まず、ストランド形成工程について説明すると、本発明においては、平均径7〜10μmであるガラスフィラメント200〜800本を集束剤で集束してストランドとし、このストランドをケーキに巻き取る。このような平均繊維径、集束数のストランドとしては、例えば22〜135tex番手のストランドが好ましく挙げられる。また、紡糸方法としては、特に限定されず、従来公知の溶融紡糸法により、溶融したガラスをブッシングから引き出して連続的に繊維化することにより得ることができる。
【0019】
集束剤は特に限定されないが、上記のG75のような太いガラスクロスの緯糸として使用され、開繊性に優れ、毛羽抑制効果のある集束剤としては、澱粉と、油剤と、乳化剤とを含む集束剤等が好ましく使用できる。
【0020】
具体的には、澱粉と、植物油と、パラフィンと、エーテル系乳化剤を少なくとも含む乳化剤とを含有する集束剤を用いることが好ましい。
【0021】
澱粉はフィラメントを集束するとともに、被膜形成剤として工程中での屈曲、摩擦からガラス繊維を保護する目的として用いられる。澱粉の種類としては特に限定されず、例えばコーンスターチが好ましく用いられる。また、エーテル変性されたエーテル化澱粉を用いることも好ましい。これにより、製織時の粉落ちを抑制することができるとともに、加熱脱油時においても比較的容易に除去することができる。
【0022】
油剤は主にストランドに潤滑性を付与する目的として用いられ、油剤としては、植物油とパラフィンとを併用することが好ましい。植物油のみでは潤滑性が不足するので、毛羽の発生、飛走性共に好ましくなく、パラフィンを含有させることによって滑り性を付与し、これによって開繊性を付与してエアジェット織機における飛走性を向上させることができる。ただし、パラフィンのみでは、飛走性は向上するものの、逆に開繊過剰となって毛羽の発生が増加するので、両者を併用することが好ましい。
【0023】
植物油としては、特に限定されず、ヤシ油、パーム油、パーム核油、コーン油、綿実油等が挙げられる。また、植物油は不飽和のままでもよく、水添して飽和植物油としてもよい。これらは、単独又は2種類以上を混合して用いてもよく、また、前記植物油は、ラード等の動物油を併用して動植物油として用いることが好ましい。なお、動植物油として用いる場合、後述に記載する植物油の量とは、動植物油の量をいうものとする。
【0024】
パラフィンとしては特に限定されず、従来公知のパラフィンワックス等を用いることができる。
【0025】
油剤の含有量としては、例えば、前記植物油とパラフィンとを併用する場合、油剤全体として、前記澱粉100質量部に対して前記パラフィン及び前記植物油の含有量が10〜30質量部であることが開繊性を付与することができ好ましい。前記パラフィン及び前記植物油の含有量が10質量部以下であると、飛走性が低下して毛羽発生も増加するので好ましくなく、30質量部を超えると飛走性は向上するものの、毛羽の発生が増加するので好ましくない。
【0026】
また、前述の植物油とパラフィンとを併用する場合、その配合割合としては、前記パラフィン及び前記植物油に対する、前記パラフィンの含有量が70〜90質量%であることが好ましい。このように油剤に対するパラフィン量を前記量にすることで、開繊性を良好にするとともに、毛羽を効果的に抑制することができる。前記パラフィンの含有量が70質量%未満であると、飛走性が低下し、毛羽の発生が増加するので好ましくなく、また、90質量%を超えると飛走性は向上するものの、毛羽の発生が増加するので好ましくない。
【0027】
更に、本発明においては、上記の油剤の乳化剤として、エーテル系乳化剤を少なくとも含む乳化剤を含有することが好ましい。、特にパラフィンとエーテル系乳化剤を組み合わせてパラフィンエマルジョンとすることによって、ガラス繊維ヤーンの開繊性を向上させることができる。
【0028】
このようなエーテル系乳化剤としては、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物であることが好ましい。具体的には、非イオン系の界面活性剤である、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のフェニルエーテル型の乳化剤が挙げられる。
【0029】
また、上記のエーテル系乳化剤の含有量は、パラフィン及びエーテル系乳化剤に対して5〜40質量%である。これにより開繊を良好とし、毛羽の発生を抑制することができる。エーテル系乳化剤の含有量が5質量%未満であると、開繊性が不充分となり、40質量%を超えると、開繊過剰となって毛羽の発生が増加する。
【0030】
また、前記乳化剤としては、更にエステル系乳化剤を含有することが好ましい。これによれば、更に開繊性が向上するので、少量の添加であっても、エアジェット織機における飛走性を向上させることができる。
【0031】
このような、エステル系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエートのポリオキシエチレンモノアルキルエステルや、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンエステルや、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンラウリン酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステル等の脂肪酸グリセリンエステルを用いることができる。なかでも脂肪酸グリセリンエステルを用いることが好ましい。
【0032】
本発明の集束剤においては、上記の成分以外に他の成分を含んでいても良い。このような成分としては、例えば、カチオン潤滑剤や、防カビ剤の他、シランカップリング剤、その他各種添加剤が挙げられる。
【0033】
集束剤の製造方法としては、従来公知の方法により、澱粉に、油剤を乳化してエマルジョン化したものを加え、更にその他の成分を混合することにより製造できる。
【0034】
ここで、本発明においては、油剤と乳化剤との乳化工程において、植物油と、パラフィンと、エーテル系乳化剤を少なくとも含む乳化剤とを一括して乳化してエマルジョン化してもよいが、植物油とパラフィンとが、それぞれ別々に乳化されてエマルジョン化しており、パラフィンの乳化剤として、エーテル系乳化剤を少なくとも含む乳化剤を用いることが好ましい。
【0035】
ガラス繊維に集束剤を付着させる方法としては、ロールアプリケーターなどを用いて塗布することができる。集束剤の付着量は、集束剤付着後のガラス繊維ストランドの質量を基準として、固形分量で0.3〜2.0質量%の範囲が好ましい。また、集束剤を付着させるタイミングは、繊維化後であればいつでも良いが、効率的に付着させるために繊維化直後に付着させた方が好ましい。
【0036】
このようにして、集束剤が付着したストランドは、ケーキに一旦巻き取られる。
【0037】
次に、撚糸工程について図1を用いて説明する。図1には、本発明の撚糸工程の一例を示すリング撚糸機の概略構成図が示されている。図1に示すように、撚糸工程においては、ケーキ10からストランド11が引き出され、このストランド11が、リング12の内側にフリーに走行するように設けられたトラベラ13を通して、スピンドル14によって回転するボビン15に巻き取られる。そして、このとき、ボビン15の回転に遅れて、リング12の内側に沿って連れ回りするトラベラ13が回転することによって、ストランド11に撚りがかけられる。
【0038】
撚糸の条件としては特に限定されず適宜設定可能である。また、撚り数としては0.1〜2.0回/25mmが好ましく、0.5〜1.0回/25mmが特に好ましい。このようにして得られる代表的なガラス繊維ヤーンの種類としては、JIS−R3413におけるECG75 1/0 0.7 Zのガラス繊維ヤーンが例示できる。
【0039】
そして、本発明においては、この撚糸工程を、温度30〜40℃、湿度10〜25%の雰囲気下で行なうことを特徴とする。上記温度としては、33〜37℃がより好ましく、湿度としては15〜20%がより好ましい。
【0040】
この適度な乾燥条件によって、ケーキ表面から繰り出されるストランドにおける集束剤の水分が適度に低下するので、ガラス繊維ヤーンに適度の開繊性を付与して緯糸としての飛走性を向上させるとともに、毛羽の発生を抑制することができる。
【0041】
温度が30℃未満の場合、乾燥が不充分となるので開繊が不足し、飛走性が低下し、毛羽発生が増加する。また、40℃を超えると、乾燥が過剰となるので開繊が過剰となり、飛走性が増大し過ぎ、毛羽発生が増加する。
【0042】
一方、湿度が10%未満の場合、乾燥が過剰となるので開繊が過剰となり、飛走性が増大し過ぎ、毛羽発生が増加する。また、25%を超えると、乾燥が不充分となるので開繊が不足し、飛走性が低下し、毛羽発生が増加する。
【0043】
なお、撚糸工程における雰囲気の温度及び湿度を調整する方法としては、例えば、図1における仮想線16の範囲である、ケーキ10からボビン15までの部分を囲う方法、撚糸装置全体を囲う方法、撚糸装置を含む製造場所全体の雰囲気を調整する方法等が挙げられ特に限定されない。また、温度の調整手段としては、従来公知のヒーター等が使用でき、湿度の調整手段としては、従来公知の除湿装置等が使用できる。
【0044】
本発明においては、更に、上記のストランド形成工程から撚糸工程の開始までの間にケーキを温度10〜40℃、湿度10〜70%の雰囲気下で、24〜48時間保管することが好ましい。
【0045】
このような保管工程は、いわゆるコンディショニング工程と呼ばれており、紡糸直後のケーキが水分を多く含むことから、自然蒸発による乾燥を行なうものである。これによれば、あらかじめケーキの段階でコンディショニングを行ない、ケーキ表面の水分を低減させて調整することにより、前記撚糸環境に適合して前記の乾燥が最適となり、撚糸中に引き出されるストランドにおける集束剤の水分を安定させることができ、エアジェット織機における開繊性を向上させ、飛走性を向上させることができる。特に、集束剤の付着量が多くなる太いガラス繊維ストランドにおいては、このコンディショニング工程によってケーキ表面の水分を適度に低減することが好ましい。
【0046】
コンディショニング工程における温度及び湿度としては、温度10〜40℃、湿度10〜70%の雰囲気下が好ましい。また、適宜上記の範囲になるように温度及び湿度を調整してもよい。
【0047】
また、保管時間は24〜48時間が好ましい。保管時間が24時間未満の場合、乾燥が不充分となるので開繊が不足し、飛走性が低下し、毛羽発生が増加するので好ましくない。また、48時間を超えると、乾燥が過剰となるので開繊が過剰となり、飛走性が増大し過ぎ、毛羽発生が増加するので好ましくない。
【0048】
このように、撚糸工程前のケーキを温度10〜40℃、湿度10〜70%の雰囲気下で、24〜48時間保管することによって、ケーキ表面の水分を、ストランド形成工程直後の10〜15%から、1.5〜3.0%程度にまで低下でき、適度に水分を調整することができる。
【0049】
これは、前記コンディショニング工程で、主として前記ケーキの表面箇所を特定の水分量に減少させることにより、ケーキからストランドを引き出す際に、引き出されたストランドにおける集束剤の水分量と前記撚糸条件とが相俟って、充分な乾燥が可能になると考えられる。また、ケーキの中心部から巻芯にかけては水分量は多いものの、前記撚糸環境による最適な乾燥条件により、巻かれているストランドがケーキ表面に引き出される時に近づくにつれて水分が減少し、前記特定の水分量が得られると考えられる。
【0050】
上記のストランド形成工程、コンディショニング工程、撚糸工程を経て製造されたガラス繊維ヤーンは、ガラスクロスの緯糸として用いられる。織機としては、高速で製織できることからエアジェット織機を用いることが好ましい。そして、上記の本発明の製造方法により製造されたガラス繊維ヤーンは、集束剤の乾燥条件が最適であるので、開繊性が向上してエアジェット織機のよこ入れ動作における飛走性に優れ、低圧エアーでの搬送が可能となる。また、毛羽の発生も防止できる。
【0051】
上記の製織条件としては、従来公知の条件が使用でき特に限定されない。また、織構造としては特に限定されないが、例えばプリント配線板の基板材料として用いる場合には、平織が好ましく用いられる。
【0052】
このようにして得られる上記のガラスクロスは、表面に毛羽等の欠陥が非常に少なく、主としてプリント配線板の用途に好適に用いることができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の製造例における、各原料の配合量は、最終的に得られる集束剤を100質量%とした場合の固形分量で記載されている。
【0054】
製造例
以下の順に集束剤調整工程、ストランド形成工程、コンディショニング工程、撚糸工程、エアジェット製織工程を行ないガラスクロスを製造した。
【0055】
<集束剤調整工程>
▲1▼澱粉糊化液の調整
エーテル化澱粉であるヒドロキシプロピル化コーンスターチ4.4質量%(集束剤全体を100質量%とした場合の固形分量を意味する。以下の製造例における配合量についても同じ。)を水に分散させ、加熱し、95℃で30分間糊化し糊化液を得た。
【0056】
▲2▼植物油(動植物油)エマルジョンの調整
次に、パーム油・ラード・コーン油からなる動植物油0.2質量%と、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート0.03質量%、及びポリエチレングリコールモノオレエート0.02質量%とを溶融、混合し、80℃の熱水で乳化し、植物油エマルジョンを得た。
【0057】
▲3▼パラフィンワックスエマルジョンの調整
次に、パラフィンワックス0.8質量%と、乳化剤であるポリオキシエチレンステアリルエーテル0.3質量%、ポリグリセリンステアリン酸エステル0.1質量%とを溶融、混合し、80℃の熱水で乳化し、パラフィンワックスエマルジョンを得た。
【0058】
▲4▼その他添加成分の調整
次に、テトラエチレンペンタミン(TEPA)及びステアリン酸縮合物酢酸塩からなるカチオン潤滑剤0.2質量%、防カビ剤0.01質量%となるように熱水に分散した。
【0059】
▲5▼集束剤の調整
上記のコーンスターチ糊化液と、植物油エマルジョンと、パラフィンワックスエマルジョンと、カチオン潤滑剤及び防カビ剤とを混合し、温水を加えて100質量%として集束剤を得た。
【0060】
<ストランド形成工程>
平均径9μmであるガラスフィラメント400本を集束してストランドを製造し、上記の集束剤を、集束剤付着後のガラス繊維ストランドの質量を基準として固形分量で1.0質量%となるように繊維化直後に付着させ、このストランド10kgをケーキに巻き取った。
【0061】
<コンディショニング工程>
上記のケーキを、温度25℃、湿度50%の条件下で所定の時間保管し、コンディショニングを行なった。
【0062】
<撚糸工程>
コンディショニング後のケーキを、図1に示すようなリング撚糸機を用いて撚糸し、JIS−R3413におけるECG75 1/0 0.7 Zのガラス繊維ヤーンを得た。
【0063】
なお、リング撚糸機のうち、図1に示すケーキ10からボビン15まで部分の周囲を囲い、一定の恒温、恒湿条件下にて撚糸を行なった。
【0064】
<ガラスクロスの製造>
更に、このガラス繊維ヤーンを緯糸として、エアジェット織機を用いてガラスクロスを得た。
【0065】
試験例1
上記の製造例において、コンディショニング工程を36時間とした。また、撚糸工程における雰囲気湿度を18%とし、雰囲気温度を20〜50℃まで変化させた条件で撚糸工程を行ない、それぞれの条件のガラス繊維ヤーンを得た。
【0066】
このガラス繊維ヤーンを緯糸としてエアジェット製織工程を行ない、製織における緯糸の飛走性、及び、ガラスクロス表面の毛羽本数について調べた。その結果をまとめて図2、3に示す。
【0067】
なお、エアジェット織機における飛走性の測定は、ボビンからガラス繊維ヤーンを解舒し、ガラス繊維ヤーンをエアーノズルに通し、エアー圧1kgf/cm2で、1分間にエアノズルを通過するガラス繊維ヤーンの質量(g/min)を測定した。
【0068】
また、毛羽本数はガラスクロス1m2当たりの、緯糸由来の毛羽本数を目視で観察して測定した。
【0069】
図2、3より、本発明の撚糸時の雰囲気温度である30〜40℃においては飛走性は80〜90g/min程度と良好であり、かつ、毛羽本数も10本以下で良好であった。
【0070】
これに対して、撚糸時の雰囲気温度が20℃の場合には、飛走性が74g/minと開繊が不足気味となり、毛羽本数も18本と増加した。また、撚糸時の雰囲気温度が40℃の場合には、飛走性は96g/minで開繊が過剰気味となり、毛羽本数が22本と増加した。
【0071】
試験例2
上記の製造例において、コンディショニング工程を36時間とした。また、撚糸工程における雰囲気温度を35℃とし、雰囲気湿度を5〜35%まで変化させた条件で撚糸工程を行ない、それぞれの条件のガラス繊維ヤーンを得た。
【0072】
このガラス繊維ヤーンを緯糸としてエアジェット製織工程を行ない、製織における緯糸の飛走性、及び、ガラスクロス表面の毛羽本数について調べた。その結果をまとめて図4、5に示す。
【0073】
図4、5より、本発明の撚糸時の雰囲気湿度である10〜25%においては、飛走性は80〜90g/min程度と良好であり、かつ、毛羽本数も10本以下で良好であった。
【0074】
これに対して、撚糸時の雰囲気湿度が5%の場合には、飛走性は96g/minで開繊が過剰気味となり、毛羽本数が16本と増加した。また、撚糸時の雰囲気湿度が35%の場合には、飛走性が65g/minと開繊が不足して、毛羽本数も25本と増加した。
【0075】
試験例3
上記のコンディショニング工程における保管時間を0〜72時間まで変化させて、エアジェット製織工程における緯糸の飛走性、及び、ガラスクロス表面の毛羽数について調べた。なお、撚糸工程における雰囲気温度35℃、雰囲気湿度18%の条件下で行なった。その結果をまとめて図6、7に示す。
【0076】
図6、7より、本発明の好ましい態様である、保管時間が24〜48時間においては、飛走性は80〜90g/min程度と良好であり、かつ、毛羽本数も10本以下で良好であった。
【0077】
これに対して、保管時間が24時間未満の場合には、飛走性、即ち開繊が不足気味又は不足であり、毛羽本数も増加した。また、保管時間が48時間を超える場合には、飛走性、即ち開繊が過剰気味であり、毛羽本数が増加した。
【0078】
【発明の効果】
以上、本発明の製造方法によれば、エアジェット製織において、緯糸の毛羽発生を防止し、かつ、飛走性にも優れるガラス繊維ヤーンを提供できる。したがって、この製造方法によるガラス繊維ヤーンは、プリント配線板に用られるガラスクロスに好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス繊維ヤーンの製造方法に用いられる撚糸機の概略構成図である。
【図2】本発明の実施例における撚糸工程の雰囲気温度と飛走性との関係を示す図表である。
【図3】本発明の実施例における撚糸工程の雰囲気温度と毛羽数との関係を示す図表である。
【図4】本発明の実施例における撚糸工程の雰囲気湿度と飛走性との関係を示す図表である。
【図5】本発明の実施例における撚糸工程の雰囲気湿度と毛羽数との関係を示す図表である。
【図6】本発明の実施例におけるコンデショニング工程の保管時間と飛走性との関係を示す図表である。
【図7】本発明の実施例におけるコンデショニング工程の保管時間と毛羽数との関係を示す図表である。
【符号の説明】
10:ケーキ
11:ストランド
12:リング
13:トラベラ
14:スピンドル
15:ボビン
16:仮想線
Claims (2)
- 平均径7〜10μmであるガラスフィラメント200〜800本を集束剤で集束してストランドとし、このストランドをケーキに巻き取るストランド形成工程と、前記ケーキからストランドを引き出して撚りをかける撚糸工程とからなる、ガラスクロスの緯糸として用いられるガラス繊維ヤーンの製造工程において、
前記撚糸工程を、温度30〜40℃、湿度10〜25%の雰囲気下で行なうことを特徴とするガラス繊維ヤーンの製造方法。 - 前記ストランド形成工程の終了から前記撚糸工程の開始までの間、前記ケーキを温度10〜40℃、湿度10〜70%の雰囲気下で、24〜48時間保管する請求項1記載のガラス繊維ヤーンの製造方法。
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JP (1) | JP2004027442A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011140721A (ja) * | 2010-01-05 | 2011-07-21 | Nippon Electric Glass Co Ltd | ガラスヤーンの製造装置及びガラスヤーンの製造方法 |
KR20190059960A (ko) * | 2016-10-07 | 2019-05-31 | 히타치가세이가부시끼가이샤 | 클래드 튜브, 클래드식 전극, 납 축전지 및 이들의 제조 방법, 그리고 전동차 |
JP7480832B1 (ja) | 2022-12-23 | 2024-05-10 | 信越化学工業株式会社 | 石英ガラス繊維の保管方法 |
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2002
- 2002-06-27 JP JP2002187947A patent/JP2004027442A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102201100B1 (ko) * | 2016-10-07 | 2021-01-11 | 쇼와덴코머티리얼즈가부시끼가이샤 | 클래드 튜브, 클래드식 전극, 납 축전지 및 이들의 제조 방법, 그리고 전동차 |
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