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JP2004025078A - 機能性超純水の製造方法及びそれに用いる装置 - Google Patents

機能性超純水の製造方法及びそれに用いる装置 Download PDF

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Abstract

【課題】超純水に炭酸ガスを溶解させて機能性超純水を得るにあたり、比抵抗のみを測定してもユースポイントでの炭酸ガス量を所定の値に正確に調整することができる機能性超純水の製造方法及びそれに用いる装置を提供する。
【解決手段】炭酸ガスを溶解した機能性超純水の製造方法において、溶解した炭酸ガスが不完全解離状態での超純水の比抵抗値を測定して、測定した比抵抗値に基づき解離が進行した状態での超純水の比抵抗値を予測し、予測した比抵抗値が制御値となるように炭酸ガス溶解量を制御する。また、この製造方法を、超純水の配管の所定位置に設けた比抵抗計センサー15と、比抵抗計センサー15で測定した比抵抗値に基づき溶解が進行した状態での超純水の比抵抗値を予測し、予測した比抵抗値が制御値となるように炭酸ガス溶解量を制御する制御部31と、を備えた装置1で実施する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ガスを溶解した超純水の製造方法及びそれに用いる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超純水へ炭酸ガスを溶解させることで、超純水の電気抵抗値だけを下げた機能性超純水が知られている。この機能性超純水は、マスク・レチクル洗浄水、スクラバー洗浄水、ジェットスプレー洗浄水、ダイサー用ブレード水、LCDの各洗浄工程で使用される洗浄水などとして使用され、静電気によるゴミの再付着を防止するとともに、静電破壊を防止する機能を有している。
【0003】このような機能性超純水において、炭酸ガスの溶解のためにはイオン化する解離時間が必要である。通常はこの解離時間を、超純水に炭酸ガスを混入させてから実際にその機能性超純水を使用するユースポイントまでの配管の距離で稼いでいる。そして、炭酸ガス量の調整は、配管の所定の箇所に設けた測定点で炭酸ガスを注入した超純水の比抵抗値を測定し、測定した比抵抗値が制御値(制御比抵抗)となるようにフィードバック制御することで行っている。または、超純水の流量を測定して、炭酸ガスは完全解離するものとして、測定した流量に応じた炭酸ガスを超純水へ注入するフィードバック制御を行い、炭酸ガス量の調整を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した炭酸ガス量の調整のうち、比抵抗を測定するだけで行う制御では、炭酸ガスの解離時間を配管の距離で取っているので、流量変動時の追従性が遅くなる問題があった。また、解離時間が充分でない場合や超純水の流量が変動した場合に、この炭酸ガスの解離の程度による影響で、比抵抗値の測定点での比抵抗の変動がおき、ユースポイントでの比抵抗は制御値に対し低くなる問題もあった。そのため、超純水の比抵抗の変動幅を小さく抑えるには、この炭酸ガスの解離の動向を把握して、制御方法に反映させる必要があることがわかった。
【0005】一方、上述した炭酸ガス量の調整のうち、超純水の流量を測定する制御では、超純水流量が変動した場合に、その変動に応じて注入すべき炭酸ガス流量が適正な流量になるまでに多くの時間を要してしまう問題があった。
【0006】本発明は上述した課題を解消して、超純水に炭酸ガスを溶解させて機能性超純水を得るにあたり、比抵抗のみを測定してもユースポイントでの炭酸ガス量を所定の値に正確に調整することができる機能性超純水の製造方法及びそれに用いる装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の機能性超純水の製造方法は、炭酸ガスを溶解した機能性超純水の製造方法において、溶解した炭酸ガスが不完全解離状態での超純水の比抵抗値を測定して、測定した比抵抗値に基づき解離が進行した状態での超純水の比抵抗値を予測し、予測した比抵抗値が制御値となるように炭酸ガス溶解量を制御することを特徴とするものである。
【0008】本発明の機能性超純水の製造方法では、溶解した炭酸ガスが不完全解離状態での超純水の比抵抗値を測定して、測定した比抵抗値に基づき解離が進行した状態での超純水の比抵抗値を予測し、予測した比抵抗値が制御値となるように炭酸ガス溶解量を制御することで、機能性超純水におけるユースポイントでの炭酸ガス溶解量を一定に精度良く調整することができる。また、超純水の流量の変動時の追従性も早くなる。
【0009】本発明の機能性超純水の製造方法の好適例としては、炭酸ガス溶解量の制御を、炭酸ガスの流路を複数に分岐させ、各分岐した流路にそれぞれ流量抵抗の異なるフィルターを設置し、これらのフィルターの前又は後に流路を遮断するバルブを設け、バルブの開閉により行うこと、及び、炭酸ガスの流路に設けたマスフローコントローラーにより行うこと、がある。いずれの場合も、本発明の機能性超純水をより好適に製造することができる。
【0010】また、本発明の機能性超純水の製造装置では、溶解した炭酸ガスが不完全解離状態での超純水の比抵抗値を測定するため、超純水の配管の所定位置に設けた比抵抗計センサーと、比抵抗計センサーで測定した比抵抗値に基づき溶解が進行した状態での超純水の比抵抗値を予測し、予測した比抵抗値が制御値となるように炭酸ガス溶解量を制御する制御部と、を備えることで、上記機能性超純水の製造方法を好適に実施することができる。
【0011】本発明の機能性超純水の製造装置の好適例としては、比抵抗計センサーの設置位置を、超純水に溶解した炭酸ガスの解離度が完全解離となる配管長さの50%以下の所定の位置とするとともに、解離が進行した状態での超純水の比抵抗を予測する位置を、完全解離となる配管長さの90%以上の所定の位置とすることがある。さらに、制御部での炭酸ガスの溶解量の制御を、炭酸ガスが不完全解離状態での比抵抗値と、炭酸ガスの溶解が進行した状態での比抵抗値との関係を示す予め求めた相関データを利用して、比抵抗計センサーで測定した比抵抗値から予測した比抵抗値を求め、求めた予測比抵抗値が制御値となるように、炭酸ガスの供給量を段数分けしてこの段数毎に制御比抵抗値を変えて炭酸ガス溶解量を制御して行うこと、及び、制御部での炭酸ガスの溶解量の制御を、相関データに加えて、超純水の流量と解離が進行した状態での比抵抗値との関係を示す予め求めた相関データをも考慮して行うこと、がある。いすれの場合も本発明の機能性超純水製造装置をより好適に構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の機能性超純水の製造方法及びそれに用いる装置における最大の特徴は、炭酸ガスを溶解した機能性超純水を製造するにあたり、炭酸ガスが不完全解離状態での超純水の比抵抗値を測定するだけで、炭酸ガスの解離が進行した状態、通常は、炭酸ガスが完全に解離した状態での超純水の比抵抗値(これがユースポイントにおける機能性超純水の比抵抗値、すなわち、炭酸ガスの溶解量となる)を予測し、予測した比抵抗値が制御値となるように、炭酸ガス溶解量を制御する点である。
【0013】すなわち、好適な一例として、超純水に炭酸ガス注入後のある測定点(この位置では炭酸ガスは不完全解離状態である)での比抵抗値と、注入した炭酸ガスがほぼ解離した位置(ユースポイント)の比抵抗値との関係を、予め相関データとして求めておく。そして、予め求めておいた相関データに基づき、比抵抗の測定点でのフィードバック制御による制御比抵抗値を、ユースポイントにおけるユーザが希望する比抵抗値(炭酸ガス溶解量に対応)から求め、測定点における比抵抗値が求めた制御比抵抗値となるように炭酸ガスの供給量を制御している。また、他の好適例として、炭酸ガスの調整量は設定値として比例積分動作(フィードバック制御)させているが、流量変動初期の比抵抗値の変動幅で超純水流量変動を予測して素早く制御値となるようにしている。
【0014】本発明で対象とする機能性超純水の製造装置では、製造装置とユースポイントとが離れていることが多い。このような場合、従来のように、製造装置内の炭酸ガスが不完全解離状態での比抵抗値がユースポイントでの比抵抗値になるものとしてフィードバック制御を行うと、炭酸ガスの解離が進行したすなわち通常は完全解離したユースポイントにおいて、正確に比抵抗値すなわち炭酸ガス溶解量の制御を行うことができない。通常、流量にもよるがユースポイントでの比抵抗値は測定点での比抵抗値よりも低くなる。この点を、予め求めた相関データに基づき、ユースポイントでの比抵抗値を予測し、その予測した比抵抗値に基づき測定点での制御比抵抗値を決定してフィードバック制御を行うことで、製造装置から離れているユースポイントでの炭酸ガス溶解量をユーザの望み通りの値に正確に制御することができる。
【0015】本発明におけるユースポイントの比抵抗の予測方法は、以下の通りである。図1は測定点(不完全解離状態)での制御比抵抗値を、比抵抗と純水流量との関係で、ユースポイント(完全解離状態)の目標比抵抗値毎に示したグラフである。図1では、炭酸ガスの注入ポイントから内径19mmで2m後の測定点における制御比抵抗値を、ユースポイントで希望する比抵抗値(2、1、0.5、0.3、0.2、0.1(MΩ・cm))毎に示している。また、純水の最大流量は30L/minと決定し、炭酸ガス流量を16段階で分割している。純水流量30L/minを16段階に分割すると、電磁弁の流路段数で純水流量が対応するようになる。この各流路段数の時の制御比抵抗値を、炭酸ガスの完全解離の比抵抗(ユースポイントの比抵抗)になるようにしている。例えば、ユースポイントの比抵抗値を1MΩ・cmで制御する場合、純水流量最大30L/cmで電磁弁全開で、測定点での制御比抵抗値は2.8MΩ・cmとなる。電磁弁の開度で制御比抵抗値は変わる。
【0016】次に、本発明の機能性超純水の製造装置の構成について説明する。図2は本発明の機能性超純水の製造装置の一例の構成を示す図である。図2に示す例において、本発明の機能性超純水の製造装置1は、炭酸ガス注入装置11と制御装置31とから構成されている。炭酸ガス注入装置11は、炭酸ガスボンベ12と、ガス流量調整部13と、炭酸ガス注入部14と、比抵抗計センサー15とを、流路16、17、18で接続して構成されている。
【0017】上述した構成の機能性超純水の製造装置1では、炭酸ガスボンベ12から供給される炭酸ガスは、流路16を介してガス流量調整部13へ供給され、制御装置31の制御のもと、注入すべき炭酸ガス量を調整する。所定の注入量となった炭酸ガスは、さらに流路17を介して炭酸ガス注入部14へ供給される。炭酸ガス注入部14において、超純水に炭酸ガスを注入し、比抵抗計センサー15を通過した後、流路19を介してユースポイント20まで供給されて使用される。
【0018】上述した構成は従来例とほぼ同じであり、図2に示す本発明の機能性超純水の製造装置1で従来例と異なる点は、比抵抗計センサー15で測定した超純水の比抵抗値を制御装置31で制御して、ユースポイント20における炭酸ガス溶解量を調整することである。
【0019】ここで重要なのは、比抵抗計センサー15を、溶解した炭酸ガスが不完全解離状態での超純水の比抵抗値を測定できるように、炭酸ガス注入部14に近い位置、本例では、炭酸ガス注入部14から2m離れた位置に設ける点である。そして、制御装置31において、比抵抗計センサー15で測定した比抵抗値に基づき、炭酸ガスの溶解が進行した状態、通常は、炭酸ガスが完全解離した状態の超純水の比抵抗値、図2に示す例では、比抵抗計センサー15から10m以上離れた位置のユースポイント20における超純水の比抵抗値を予測し、予測した比抵抗値が制御値となるように、炭酸ガス溶解量を制御する。すなわち、予測したユースポイント20の比抵抗値が制御値となるように、比抵抗計センサー15での被測定値が、予め求めた相関データに基づき、予測した比抵抗値から得られる制御比抵抗値となるように、比抵抗計センサー15、制御装置31、ガス流量調整部13との間でフィードバック制御を行っている。
【0020】なお、図2に示す例において、比抵抗計センサー15を炭酸ガス注入部14から2m離れた位置に設け、ユースポイント20を比抵抗計センサー15から10m以上離れた位置に設けている。しかし、これは一例であって、比抵抗計センサー15は炭酸ガスが不完全解離状態での超純水の比抵抗値を測定できる位置ならいずれの位置でも良く、また、ユースポイント20も解離が進行した状態での超純水の比抵抗値を測定できる位置ならいずれの位置でも良い。好適例として、比抵抗計センサー15の設置位置を、超純水に溶解した炭酸ガスの解離度が完全解離となる配管長さの50%以下の所定の位置とするとともに、解離が進行した状態での超純水の比抵抗を予測する位置を、完全解離となる配管長さの90%以上の所定の位置とする。
【0021】図3は炭酸ガス注入部14の一例の構成を示す図である。図3に示す例において、炭酸ガスの流路16を4個に分岐して、各分岐した流路にはそれぞれ流量抵抗の異なるフィルター21−1〜21−4を設置するとともに、これらのフィルター21−1〜21−4の前に流路を遮断するバルブ22−1〜22−4を設けて、バルブ22−1〜22−4の開閉の組み合わせで炭酸ガスの流量をコントロールしている。従って、流路を4個に分岐したこの組み合わせで、0〜15までの16段階の炭酸ガスの流路段数を有する。また、超純水入口23と制御水出口24とを有するセル25の内部には疎水性の膜26を設置し、膜26の外側に超純水を流す一方膜26の内側に炭酸ガスを供給して、超純水に炭酸ガスを注入している。そして、炭酸ガス注入後の超純水は制御水出口24から流路18へ供給される。
【0022】
【実施例】図2及び図3に示す構成の機能性超純水の製造装置を用い、従来例として、炭酸ガス溶解量の制御を比抵抗計センサーを利用したフィードバック制御のみで行った▲1▼比抵抗の測定ポイントが制御値となる制御と、本発明例として、ユースポイントでの予測を加味した▲2▼炭酸ガスが完全解離と流量変動予測する制御と、さらに、本発明例として、図2及び図3に示す装置にさらに流量計を設置し、超純水の流量をも加味した制御を行う▲3▼流量信号による比抵抗制御と、の3例について、実際にユースポイントにおける比抵抗の変動を求め比較した。
【0023】各例とも以下に示す同じ条件下で比較した。まず、超純水の最大流量は30L/minとし、流路は内径19mmの配管とし、比抵抗計センサーは炭酸ガス注入部から2mの位置とした。比抵抗計センサーで目標値とする制御比抵抗値、ユースポイントにおいて炭酸ガスが完全解離した比抵抗値となるように、炭酸ガスの流路段数毎に変えてフィードバック制御を行った。なお、表示する比抵抗は完全解離した比抵抗を換算して表示している。制御方法は、フィードバック制御時の比例積分動作に加えて、流量変動初期の比抵抗変動値で純水流量の変動を予測して、炭酸ガス量を調整する制御も加えてある。
【0024】確認のため、ほぼ完全解離している10m後の比抵抗値を同時に測定して表示させた。炭酸ガス流量を調整するフィルターに供給する炭酸ガス圧力は、比抵抗1MΩ・cmの時0.05MPa、比抵抗0.5MΩ・cmの時0.2MPa、比抵抗0.2MΩ・cmの時0.9MPaとした。▲3▼の制御の場合は、流量信号による比抵抗制御を行った。これは、流量信号でバルブ段数を割り当てと比抵抗の設定値近辺での比例積分動作を行った制御を行うことで実施される。実際に、純水流量を30→20→10→5→10→20→30L/minと変動させた。制御比抵抗値は、1MΩ・cm、0.5MΩ・cm、0.2MΩ・cmで制御させた。上記▲1▼、▲2▼、▲3▼の制御結果をそれぞれ図4、図5、図6に示す。
【0025】図4、図5、図6の結果から、図5、図6に示す本発明例は図4に示す従来例と比較して、流量変動する場合の制御比抵抗値の制御性が良くなることが分かる。純水流量が多い場合(10L/min以上)と制御比抵抗値が高い場合(0.5MΩ・cm以上)及び比抵抗測定点を極端に炭酸ガス注入位置の近辺に配置する場合に、炭酸ガスの解離時間の影響が大きいことが分かる。この時、連続的に流れる超純水の流量が変動する時に比抵抗値変動幅は小さくなり、注入精度を向上させることができた。また、このことより、制御値と、ユースポイントで使用する超純水の比抵抗値をほぼ同じに制御することができるようになった。
【0026】特に、純水最大流量が大きい装置では、炭酸ガスの解離時間が90%以上進むポイントはかなり遠い位置になってしまうが、そのような場合でも本発明のように予測制御させることにより、比抵抗計センサーによる比抵抗の測定を装置近傍で行うだけで正確な制御を行うことができる。本発明例▲2▼、▲3▼の例を比較すると、精度的には、流量センサーを備えた▲3▼の例と同等の制御を▲2▼の流量センサーを備えない例でも出来るようになった。▲2▼のように比抵抗のみを測定する装置は、シンプルでコンパクトである。
【0027】上述した例では、炭酸ガス溶解量の制御を、炭酸ガスの流路を複数に分岐させ、各分岐した流路にそれぞれ流量抵抗の異なるフィルターを設置し、これらのフィルターの前または後に流路を遮断するバルブを設け、バルブの開閉により行っている。しかし、炭酸ガス溶解量の制御が上記方法に限定されないことはいうまでもない。その一例として、炭酸ガス溶解量の制御を、炭酸ガスの流路に設けたマスフローコントローラーにより行うこともできる。
【0028】炭酸ガスの溶解量の制御にマスフローコントローラーを使用する場合は、通常は流量センサーを取り付けてこの信号に対応するようにマスフローコントローラーで炭酸ガス量を調整する。純水の流量計の信号を使用しないでも、純水の最大流量が既知であれば、上記の同じ制御をさせることが出来る。すなわち、炭酸ガスの最大流量の信号を16分割して、比抵抗値だけを測定して制御させる。流路段数で純水流量が対応するようになるので、この各流路段数の時の制御比抵抗値を、炭酸ガスの完全解離の比抵抗になるようにする。流量センサーで流量を測定してマスフローコントローラーで炭酸ガスを調整して比抵抗値を確認する作業が、比抵抗を測定してマスフローコントローラーで炭酸ガスを調整するだけで済むようになる。しかも、炭酸ガスの完全解離する超純水を測定する訳ではないので、装置はコンパクトになる。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、溶解した炭酸ガスが不完全解離状態での超純水の比抵抗値を測定して、測定した比抵抗値に基づき解離が進行した状態での超純水の比抵抗値を予測し、予測した比抵抗値が制御値となるように炭酸ガス溶解量を制御しているため、機能性超純水におけるユースポイントでの炭酸ガス溶解量を一定に精度良く調整することができる。また、超純水の流量の変動時の追従性も早くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるユースポイントにおける比抵抗値を予測する方法を証明するためのグラフである。
【図2】本発明の機能性超純水の製造装置の一例の構成を示す図である。
【図3】本発明の機能性超純水の製造装置における炭酸ガス注入部の一例の構成を示す図である。
【図4】従来例の比抵抗の測定ポイントが制御値となる制御の結果を示すグラフである。
【図5】本発明例の炭酸ガスの完全解離で流量変動予測による制御の結果を示すグラフである。
【図6】本発明例の流量信号による比抵抗制御の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 機能性超純水の製造装置、11 炭酸ガス注入装置、12 炭酸ガスボンベ、13 ガス流量調整部、14 炭酸ガス注入部、15 比抵抗計センサー、16、17、18、19 流路、20 ユースポイント、21−1〜21−4 フィルター、22−1〜22−4 バルブ、23 超純水入口、24 制御水出口、25 セル、26 膜、31 制御装置

Claims (7)

  1. 炭酸ガスを溶解した機能性超純水の製造方法において、溶解した炭酸ガスが不完全解離状態での超純水の比抵抗値を測定して、測定した比抵抗値に基づき解離が進行した状態での超純水の比抵抗値を予測し、予測した比抵抗値が制御値となるように炭酸ガス溶解量を制御することを特徴とする機能性超純水の製造方法。
  2. 前記炭酸ガス溶解量の制御を、炭酸ガスの流路を複数に分岐させ、各分岐した流路にそれぞれ流量抵抗の異なるフィルターを設置し、これらのフィルターの前又は後に流路を遮断するバルブを設け、バルブの開閉により行う請求項1記載の機能性超純水の製造方法。
  3. 前記炭酸ガス溶解量の制御を、炭酸ガスの流路に設けたマスフローコントローラーにより行う請求項1記載の機能性超純水の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性超純水の製造方法に用いる装置において、溶解した炭酸ガスが不完全解離状態での超純水の比抵抗値を測定するため、超純水の配管の所定位置に設けた比抵抗計センサーと、比抵抗計センサーで測定した比抵抗値に基づき溶解が進行した状態での超純水の比抵抗値を予測し、予測した比抵抗値が制御値となるように炭酸ガス溶解量を制御する制御部と、を備えることを特徴とする機能性超純水の製造装置。
  5. 前記比抵抗計センサーの設置位置を、超純水に溶解した炭酸ガスの解離度が完全解離となる配管長さの50%以下の所定の位置とするとともに、前記解離が進行した状態での超純水の比抵抗を予測する位置を、前記完全解離となる配管長さの90%以上の所定の位置とする請求項4記載の機能性超純水の製造装置。
  6. 前記制御部での炭酸ガスの溶解量の制御を、炭酸ガスが不完全解離状態での比抵抗値と、炭酸ガスの溶解が進行した状態での比抵抗値との関係を示す予め求めた相関データを利用して、前記比抵抗計センサーで測定した比抵抗値から前記予測した比抵抗値を求め、求めた予測比抵抗値が制御値となるように、炭酸ガスの供給量を段数分けしてこの段数毎に制御比抵抗値を変えて炭酸ガス溶解量を制御して行う請求項4または5記載の機能性超純水の製造装置。
  7. 前記制御部での炭酸ガスの溶解量の制御を、前記相関データに加えて、超純水の流量と解離が進行した状態での比抵抗値との関係を示す予め求めた相関データをも考慮して行う請求項6記載の機能性超純水の製造装置。
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