JP2004015874A - 電動機の駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】運転指令操作器1から運転指令が与えられると、カウンタ31にてこの運転指令のエッジを検出し、インバータ装置20の起動回数を積算する。カウンタ31の積算値は比較演算部33に入力されて基準回数設定器32からの基準回数と比較され、起動回数が基準回数を越えたか否かを判断し、起動回数が基準回数を越えた場合は、警報表示部34を点灯させてベルト4の寿命を知らせる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動機の駆動装置に関し、特に工作機械等の主軸とベルトを介して接続された電動機を駆動するインバータ装置等の電動機の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械等の主軸とインバータ装置等の駆動装置により駆動される電動機の回転軸とをベルトで接続したものにおいては、ベルトの寿命が問題となる。従来、ベルトの寿命は、定期的にベルトのたわみをチェックして判断していたが、このようなベルトの寿命の判断方法では、作業者により判断基準にばらつきがあるとともに、ベルトのたわみをチェックする作業が煩わしいという問題があった。
【0003】
そこで、電動機を駆動する駆動装置の運転時間を積算し、この運転時間が予め定められた基準運転時間を超えるとベルトの寿命と判断してベルトの交換作業をすることが行われている。
図10は、このような従来技術を示す回路図であり、図において、1は運転指令操作器、2は運転指令操作器1の運転指令信号を受けるインバータ装置、3はインバータ装置2により制御される電動機、5は工作機械、4は電動機3の回転軸3aと工作機械5の主軸5aとを接続し動力伝達を行うベルトである。
【0004】
10はインバータ装置2の運転時間を積算する運転時間カウンタ、11は運転時間カウンタ10の出力と予め定められた基準運転時間とを比較し、運転時間の積算値が基準運転時間を超えたとき出力する比較器、12は比較器11の出力を受けて警報表示する警報表示器である。そして、運転時間カウンタ11の積算時間が基準運転時間を超えると、警報表示器12を点灯させてベルト4の寿命を知らせる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ベルトの寿命は、その運転時間よりも起動回数が大きく影響する。すなわち、工作機械等では、頻繁に起動と停止とが繰り返されるため、起動と停止を行う度にベルトには引張応力と圧縮応力とが加えられることになり、このストレスがベルトの寿命に大きく影響することになる。
【0006】
したがって、従来のインバータ装置の運転時間に基づいてベルトの寿命を判断するものでは、ベルトの寿命を正確に検出できないという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ベルトの寿命を精度よく検知することができる電動機の駆動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明の電動機の駆動装置は、前記駆動装置の起動回数を積算する起動回数計測手段を設けるものとする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記起動回数計測手段の出力に基づいて起動状態を表示する表示手段を設けるものとする。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記起動回数計測手段が出力する起動回数を予め定めた基準回数と比較し、前記起動回数が前記基準回数を越えると警報を発する警報手段を設けるものとする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1〜3に係る発明において、前記起動回数計測手段は、前記駆動装置に運転指令手段から与えられる運転指令を検出して起動回数を積算するものとする。
【0009】
また、請求項5に係る発明は、請求項1〜3に係る発明において、前記駆動装置をインバータ装置とし、前記起動回数計測手段は、前記駆動装置の出力周波数の立上りを検出して起動回数を積算するものとする。
また、請求項6に係る発明は、請求項1〜3に係る発明において、前記駆動装置をインバータ装置とし、前記起動回数計測手段は、前記インバータ装置の主回路スイッチング素子のアクティブ状態を監視して起動回数を積算するものとする。
【0010】
また、請求項7に係る発明は、請求項1〜3に係る発明において、前記駆動装置をインバータ装置とし、前記起動回数計測手段は、前記インバータ装置の制御電源の立上りを検出して起動回数を積算するものとする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る電動機の駆動装置の実施の形態につき、図面を参照して詳細に説明する。図1はこの発明の原理的な構成を示すブロック図を示すものであり、図1において、図10と同一符号を付したものはおおよそ同一の機能を有する。
【0012】
図1において、1は運転指令操作器、20は運転指令操作器1の運転指令信号を受けるインバータ装置、21はインバータ装置20全般の制御を行うとともに起動回数計測手段を備えたインバータ装置20内部の制御部、3はインバータ装置20により制御される電動機、5は工作機械、4は電動機3の回転軸3aと工作機械5の主軸5aとを接続し動力伝達を行うベルトである。
【0013】
次に、図2はこの発明の第1の実施の形態を示す回路図である。図2において、22はインバータ装置20が出力する出力周波数を周波数設定値f*として設定する周波数設定器、23は周波数設定値f*に基づき予め設定した加速時間勾配および減速時間勾配で出力する出力周波数fを増加または減少させ、最終的にはf*=fになる出力周波数fを演算する加減速演算器、24は出力周波数fに対応する電圧指令値Vを導出する周波数/電圧変換器(f/V変換器)、25は電圧指令値Vに基づいてインバータ装置20が出力する周波数,電圧の交流信号を導出し、この交流信号をパルス幅変調(PWM)したパルス信号に変換するPWM演算器、26は前記パルス信号からインバータ装置20のインバータ部27を構成するスイッチング素子への駆動信号を生成する駆動回路である。
【0014】
31は起動回数計測手段であるカウンタであり、運転指令操作器1から与えられる運転指令信号のOFFからONのエッジを検出し、インバータ装置20の起動回数の積算を行う。32はベルト4の寿命を表す基準回数を設定する基準回数設定器、33はカウンタ31が出力する起動回数の積算値と基準回数設定器32からの基準回数とが入力される比較演算部である。比較演算部33では、カウンタ31が出力する起動回数の積算値と基準回数設定器32からの基準回数との比較を行い、インバータ装置20の起動回数が基準回数を越えると警報表示部34を点灯させる信号を出力する。更に、比較演算部33は、インバータ装置20の起動回数,基準回数に達するまでの残り起動回数,基準回数に対する起動回数の割合等の起動状態を表示部35に表示させるための信号も出力する。
【0015】
図2の動作を図3に示すタイムチャートに基づいて説明する。図3(a)に示すように運転指令操作器1から運転指令が与えられると、図3(b)に示すようにカウンタ31にてこの運転指令のエッジを検出し、インバータ装置20の起動回数を積算する。カウンタ31の積算値は比較演算部33に入力されて基準回数設定器32からの基準回数と比較され、起動回数が基準回数を越えたか否かを判断する。起動回数が基準回数を越えた場合は、警報表示部34を点灯させてベルト4の寿命を知らせる。
【0016】
一方、比較演算部33は、インバータ装置20の起動状態を表示部35に表示させるための信号も出力するものであり、図示しないタッチパネル等の操作部が操作されて起動回数を表示させる要求があれば、インバータ装置20の起動回数を表示部35に数字表示させる。また、操作部を操作して表示部35の表示内容を切り換えることにより、カウンタ31の起動回数の積算値および基準回数設定器32からの基準回数とに基づいて、基準回数に達するまでの残り起動回数を表示部35に数字表示させたり、基準回数に対する起動回数の割合をパーセント表示させたりすることもできる。
【0017】
図4は、この発明の第2の実施の形態を示す回路図である。
図4において、図2と同一符号を付したものはおおよそ同一の機能を有するのでその説明は省略する。
図4において、41は加減速演算器23が出力する出力周波数fと予め設定されている始動周波数とを比較して出力周波数の立上りを検出する出力周波数立上検出器、42は出力周波数立上検出器41から与えられる周波数立上信号に基づいてインバータ装置20の起動回数の積算を行うカウンタ、43はカウンタ42が出力する起動回数の積算値と基準回数設定器32からの基準回数とが入力される比較演算部である。
【0018】
図4の動作を図5に示すタイムチャートに基づいて説明する。図5(a)に示すように運転指令操作器1から運転指令が与えられて周波数設定値f*が加減速演算器23に入力されると、加減速演算器23は図5(b)に示すように出力周波数fをランプ関数状に変化させる。出力周波数立上検出器41では出力周波数fが一点鎖線で示す予め定めた始動周波数を超えたことにより出力周波数の立上りを検出し、出力周波数立上検出器41が出力する周波数立上信号がカウンタ42に入力されると、この信号に基づいて図5(c)に示すようにインバータ装置20の起動回数の積算を行う。
【0019】
そして、図2の実施の形態と同様に、カウンタ42の積算値は、比較演算部43に入力されて基準回数設定器32からの基準回数と比較され、起動回数が基準回数を越えた場合は、警報表示部34を点灯させてベルト4の寿命を知らせる。一方、カウンタ42の起動回数の積算値および基準回数設定器32からの基準回数とに基づいて、インバータ装置20の起動回数を表示部35に数字表示させたり、基準回数に達するまでの残り起動回数を表示部35に数字表示させたり、基準回数に対する起動回数の割合をパーセント表示させたりすることもできる。
【0020】
図6は、この発明の第3の実施の形態を示す回路図である。
図6において、図2と同一符号を付したものはおおよそ同一の機能を有するのでその説明は省略する。
図6において、51はPWM演算器25が出力するパルス信号が入力されるワンショットタイマ、52はワンショットタイマ51から与えられるパルス信号のOFFからONのエッジを検出し、インバータ装置20の起動回数の積算を行うカウンタ、53はカウンタ52が出力する起動回数の積算値と基準回数設定器32からの基準回数とが入力される比較演算部である。
【0021】
図6の動作を図7に示すタイムチャートに基づいて説明する。図7(a)に示すように運転指令操作器1から運転指令が与えられて周波数設定値f*が加減速演算器23に入力されると、加減速演算器23は図7(b)に示すように出力周波数fをランプ関数状に変化させる。f/V変換器24では出力周波数fに対応する電圧指令値Vを出力し、この電圧指令値Vに基づいてPWM演算器25により図7(c)に示すパルス信号を生成する。このパルス信号は、駆動回路26に入力されるとともに、ワンショットタイマ51にも入力され、図7(d)に示すようにインバータ部27のスイッチング素子のアクティブ状態を表すワンショットパルスを生成しカウンタ52へ出力する。カウンタ52では、ワンショットパルスのOFFからONのエッジを検出し、インバータ装置20の起動回数の積算を行う。
【0022】
そして、図2の実施の形態と同様に、カウンタ52の積算値は、比較演算部53に入力されて基準回数設定器32からの基準回数と比較され、起動回数が基準回数を越えた場合は、警報表示部34を点灯させてベルト4の寿命を知らせる。
一方、カウンタ52の起動回数の積算値および基準回数設定器32からの基準回数とに基づいて、インバータ装置20の起動回数を表示部35に数字表示させたり、基準回数に達するまでの残り起動回数を表示部35に数字表示させたり、基準回数に対する起動回数の割合をパーセント表示させたりすることもできる。
【0023】
図8は、この発明の第4の実施の形態を示す回路図である。
図8において、図2と同一符号を付したものはおおよそ同一の機能を有するのでその説明は省略する。
図8において、61は交流電源、62は電源スイッチ、28は交流電源61の交流を直流に変換するコンバータ部、29はコンバータ部28の出力を平滑する平滑コンデンサ、27は直流電力を任意の可変電圧可変周波数の交流に変換するインバータ部であり、インバータ部27は帰還ダイオードが逆並列接続されたスイッチング素子をブリッジ接続して構成され、駆動回路26(図2参照)から各スイッチング素子にパルス信号が入力され、そのオン・オフ制御が行われる。63は直流中間部の平滑コンデンサ29の両端子から制御部21が必要とする直流電力を供給するDC/DCコンバータである。
【0024】
インバータ装置の場合、運転指令操作器1はONにしたままで、電源スイッチ62をON/OFFすることによりインバータ装置20を起動/停止することもある。この実施の形態は、このような場合に対応するものであり、図8の動作を図9に示すタイムチャートに基づいて説明する。
図9(a)に示すように運転指令操作器1をONにしたままで制御部21に運転指令が入力され続けた状態で、図9(b)に示すように電源スイッチ62がONされると、直流中間部の平滑コンデンサ29が充電されてその端子間電圧が上昇し、図9(c)に示すようにDC/DCコンバータ63の制御電源が確立される。制御部21では制御電源が確立したことを検出し、第1〜3の実施の形態と同様、図9(d)に示すように制御部21内のカウンタがインバータ装置20の起動回数の積算を行う。
【0025】
そして、図2の実施の形態と同様に、カウンタの積算値は、制御部21内の比較演算部に入力されて基準回数設定器32からの基準回数と比較され、起動回数が基準回数を越えた場合は、警報表示部34を点灯させてベルト4の寿命を知らせる。
一方、カウンタの起動回数の積算値および基準回数設定器32からの基準回数とに基づいて、インバータ装置20の起動回数を表示部35に数字表示させたり、基準回数に達するまでの残り起動回数を表示部35に数字表示させたり、基準回数に対する起動回数の割合をパーセント表示させたりすることもできる。
【0026】
このような第1〜4の実施の形態によれば、操作者は警報表示部34が点灯したことにより、ベルト4が寿命であると判断してベルト4を新しいベルトに交換することができるので、ベルトのメンテナンスが容易になる。また、起動状態を表示部35に表示させることにより、操作者がベルト4の寿命が残り少なくなってきたことを知ることができるので、事前に交換用の新しいベルトを準備することも可能である。
【0027】
さらに、上記第1〜4実施の形態によれば、起動回数の計測は、インバータ装置20内部の制御部21で行うことができるので、外部に特別な機器を設ける必要がなく、安価なシステムを構築することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る電動機の駆動装置によれば、駆動装置の起動回数を積算する起動回数計測手段を設けることにより、ベルトの寿命を精度よく検知することができ、ベルトのメンテナンスが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の原理的な構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態を示す回路図である。
【図3】図2の動作を示すタイムチャートである。
【図4】この発明の第2の実施の形態を示す回路図である。
【図5】図4の動作を示すタイムチャートである。
【図6】この発明の第3の実施の形態を示す回路図である。
【図7】図6の動作を示すタイムチャートである。
【図8】この発明の第4の実施の形態を示す回路図である。
【図9】図8の動作を示すタイムチャートである。
【図10】従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 運転指令操作器
3 電動機
4 ベルト
5 工作機械
20 インバータ装置
21 制御部
Claims (7)
- 電動機の駆動装置において、前記駆動装置の起動回数を積算する起動回数計測手段を設けることを特徴とする電動機の駆動装置。
- 請求項1記載の電動機の駆動装置において、前記起動回数計測手段の出力に基づいて起動状態を表示する表示手段を設けることを特徴とする電動機の駆動装置。
- 請求項1または2記載の電動機の駆動装置において、前記起動回数計測手段が出力する起動回数を予め定めた基準回数と比較し、前記起動回数が前記基準回数を越えると警報を発する警報手段を設けることを特徴とする電動機の駆動装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の電動機の駆動装置において、前記起動回数計測手段は、前記駆動装置に運転指令手段から与えられる運転指令を検出して起動回数を積算することを特徴とする電動機の駆動装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の電動機の駆動装置において、前記駆動装置をインバータ装置とし、前記起動回数計測手段は、前記駆動装置の出力周波数の立上りを検出して起動回数を積算することを特徴とする電動機の駆動装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の電動機の駆動装置において、前記駆動装置をインバータ装置とし、前記起動回数計測手段は、前記インバータ装置の主回路スイッチング素子のアクティブ状態を監視して起動回数を積算することを特徴とする電動機の駆動装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の電動機の駆動装置において、前記駆動装置をインバータ装置とし、前記起動回数計測手段は、前記インバータ装置の制御電源が確立したことを検出して起動回数を積算することを特徴とする電動機の駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002163356A JP2004015874A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 電動機の駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002163356A JP2004015874A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 電動機の駆動装置 |
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JP2004015874A true JP2004015874A (ja) | 2004-01-15 |
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ID=30431861
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004015874A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007082277A (ja) * | 2005-09-12 | 2007-03-29 | Okura Yusoki Co Ltd | 電気駆動機械の監視装置 |
CN112302785A (zh) * | 2019-08-02 | 2021-02-02 | 罗伯特·博世有限公司 | 用于保护机动车的电机的方法 |
-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002163356A patent/JP2004015874A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2007082277A (ja) * | 2005-09-12 | 2007-03-29 | Okura Yusoki Co Ltd | 電気駆動機械の監視装置 |
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