JP2004002613A - 澱粉質系複合樹脂組成物およびその成形物 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂を均一にして優れた機械的特性を発揮することができると共に、流動性や成形加工性に優れた澱粉質系複合樹脂組成物、およびこうした樹脂組成物を成形して上記の特性を発揮することのできる成形物を提供する。
【解決手段】本発明の澱粉質系複合樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、澱粉質系材料および相溶化剤を含むものであり、ここで用いる相溶化剤としては、不飽和ジカルボン酸および/またはその酸無水物で変性された酸変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。
【解決手段】本発明の澱粉質系複合樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、澱粉質系材料および相溶化剤を含むものであり、ここで用いる相溶化剤としては、不飽和ジカルボン酸および/またはその酸無水物で変性された酸変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、澱粉質系材料と樹脂を複合した組成物に関するものであり、特にカップ、トレー、食品容器や日曜雑貨品等の樹脂成形物の素材として有用な澱粉質系複合樹脂組成物、およびこうした樹脂組成物から得られ、優れた機械的特性を発揮することのできる成形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境への関心が高くなっており、樹脂成形物(プラスチック成形物)についてもできるだけ環境に優しい素材を用いる傾向が強くなっている。こうした素材として、澱粉質系材料と熱可塑性樹脂を複合した澱粉質系複合樹脂組成物が代表的なものとして知られている。(例えば、特開昭62−39642号)。
【0003】
しかしながら、従来の澱粉質系複合樹脂組成物では、機械的特性が良好な成形物が得られないという問題がある。また耐水性や耐熱性等が低い等の欠点を有していることから、その適用範囲が限られており、広い分野での使用が困難であった。
【0004】
また、澱粉質系材料を熱可塑性樹脂に配合した組成物は、押出機、射出成形機等での流動特性が低く、シリンダー内で焦げるという問題がある。更に流動性・分散性等が低いため、樹脂の均一性が保てず、希望する特性の成形物が得られないという問題もある。
【0005】
一方、食品廃棄物を有効利用するという観点からして、食物残渣と熱可塑性樹脂を複合化した発泡体(澱粉質系複合樹脂発泡体)も提案されている(例えば、特許第729936号)。しかしながら、こうした発泡体においても、他の澱粉質系複合樹脂組成物と同様の問題があるばかりか、耐水性が悪く、また成形物の臭いが強く、濃い褐色で色合いが悪いなどの欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その目的は、樹脂を均一にして優れた機械的特性を発揮することができると共に、流動性や成形加工性に優れ、必要によって、耐水性、成形物の臭い、色合い等の特性をも良好にすることのできる澱粉質系複合樹脂組成物、およびこうした樹脂組成物を成形して上記の特性を発揮することのできる成形物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することのできた本発明の澱粉質系複合樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、澱粉質系材料および相溶化剤を含むものである点に要旨を有するものである。
【0008】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物で用いる相溶化剤としては、不飽和ジカルボン酸および/またはその酸無水物で変性された酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましいものとして挙げられる。
【0009】
また熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂および/または生分解性樹脂が挙げられ、またこのうち生分解性樹脂は、ポリビニルアルコール系樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂および脂肪族・芳香族コポリエステル樹脂等が挙げられ、これらのうちから1種または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0010】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物で用いる澱粉質系材料としては、生澱粉、セルロース粉末、変性澱粉、セルロース粉末、セルロース誘導体、製麺生地およびパン屑等が挙げられ、これらのうちから1種または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0011】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、澱粉質系材料および相溶化剤を少なくとも含むものであるが、必要によって(a)改質剤、(b)カップリング剤、(c)界面活性剤等を含ませることも有効であり、含有されるものに応じて樹脂組成物の特性が更に改善される。
【0012】
必要によって含有される改質剤としては、具体的には、エポキシ化油脂、尿素および脂肪族アミン等が挙げられ、これらのうちから1種若しくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0013】
また上記カップリング剤としては、チタネート系カップリング剤、シラン系カップリング剤およびアルミネート系カップリング剤等が挙げられ、これらのうちから1種若しくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0014】
本発明で用いることのある界面活性剤としては、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリドおよび高級アルコール脂肪酸エステル等が挙げられ、これらのうちから1種若しくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0015】
上記のような澱粉質系複合樹脂組成物を成形することによって、希望する特性を発揮する成形物が得られるのであるが、こうした成形物としてはバラ状緩衝材、発泡シート、型発泡体または射出成形発泡体等の各種発泡体も含まれる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者は、機械的特性が良好な樹脂成形物を得ることができる澱粉質系複合樹脂組成物を目指して様々な角度から検討した。そしてまず、これまで提案されている澱粉質系複合樹脂組成物では、希望する特性の成形物が得られないのは、熱可塑性樹脂と澱粉質系材料の親和性が悪く、均一化された混合物を形成する性質(以下、この性質を「相溶性」と呼ぶ)が良好とは言えないことが原因しているという着想が得られた。
【0017】
そこで、本発明者が更に検討した結果、熱可塑性樹脂と澱粉質系材料との相溶性を良好にするもの(以下、これを「相溶化剤」と呼ぶ)を組成物中に含有させることによって、従来の樹脂組成物における欠点を是正して良好な特性を発揮する澱粉質系複合樹脂組成物が実現できることを見出し、本発明を完成した。
【0018】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物では、少なくとも相溶化剤を含有させることが重要な要件であるが、こうした相溶化剤としては、不飽和ジカルボン酸および/またはその酸無水物で変性された酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましいものとして挙げられる。こうした酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂を熱減成して得られる数平均分子量500〜20000程度の低分子量オレフィン樹脂で、その炭素数1000当り二重結合を0.1個以上含む低分子量化したポリオレフィン樹脂に、不飽和カルボン酸および/またはその無水物を付加反応することによって得られる。またこのとき用いる不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、フマール酸およびマレイン酸等を挙げることができる。不飽和カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸および無水ナジック酸等を挙げることができる。
【0019】
相溶化剤として用いる酸変性ポリオレフィン樹脂は、酸価:5〜50、軟化点:75〜150℃、数平均分子量:500〜20000の低分子量オレフィン樹脂からなる酸で変性された低分子量ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
【0020】
上記酸変性ポリオレフィン樹脂は、熱可塑性樹脂と澱粉質系材料等との相溶性を良好にする他、両者の密着性、分散性、成形加工性、加工性等を向上させる作用をも発揮する。また澱粉質系複合樹脂組成物の流動特性等を改善することで、押出成形や射出成形等の成形加工温度を下げることができ、澱粉質系材料の褐変することがなく均一な樹脂が得られる。
【0021】
相溶化剤の配合量は、澱粉質系材料100質量部に対して0.5〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量部程度である。相溶化剤の配合量が0.5質量部未満になると、澱粉質系複合樹脂組成物の流動性、相溶性等を改善することができず、また30質量部を超えて配合した場合は、加工された樹脂製品の機械的強度が低下し脆くなり、耐熱性も低下し好ましくない。
【0022】
本発明で用いる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂および/または自然環境下で消化分解、崩壊や不腐化等の作用を受ける生分解性樹脂であれば特に限定されるものではない。環境汚染等を考慮すると有害ガスが発生せず、焼却炉を傷めないような生分解性樹脂が好ましい。
【0023】
上記生分解性樹脂としては、例えばポリビニルアルコール系樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチレート、エチレン・ビニルアルコールコポリマー等)、脂肪族ポリエステル系樹脂(例えば、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリヒドロキシバリレート等のホモポリマーあるいはコポリマー、これらのホモポリマーあるいはコポリマーの変性した物等)、および脂肪族・芳香族ポリエステル樹脂(例えば、脂肪族カルボン酸もしくはヒドロキシ酸、芳香族ジカルボン酸と1,3−プロパンジオール等のブロックポリマーあるいはランダムポリマー等)等を挙げることができる。また、天然由来の生分解性樹脂として天然ゴム等を挙げることができる。生分解性樹脂としては、所望の特性並びに用途に応じて生分解速度を調節することができ、単独あるいは2種類以上併用および/またはオレフィン樹脂と併用して用いることができる。その添加率は所望の特性並びに用途に応じて任意に添加される。
【0024】
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンとα−オレフィン変性樹脂、エチレン−アクリル酸あるいはメタクリル酸等のコポリマーあるいはホモポリマー樹脂、ポリブテン樹脂等を挙げることができる。所望の特性並びに用途に応じて、単独あるいは2種類以上併用または生分解性樹脂と併用して用いることができる。その添加率は所望の特性並びに用途に応じて任意に添加される。
【0025】
一方、澱粉質系材料としては、水溶性高分子物質である生澱粉(トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉および蛋白質成分を含む未精製澱粉、馬鈴薯の加工製品製造時に発生する馬鈴薯の皮、未精製馬鈴薯澱粉等)、変性澱粉(α化澱粉、酸化処理澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等)、セルロース粉末、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム,メチルセルロース、酢酸セルロース等)、キトサン、製麺生地(製麺過程で発生する不良品も含む)およびパン屑等を挙げることができる。これらのうち、所望の特性並びに用途に応じて、単独あるいは2種類以上併用して用いることが出来る。
【0026】
澱粉質系材料としてのパン屑は、商品にならない規格外品、パン販売店から賞味期限切れによる回収品、サンドイッチ製造工程で発生するパンの耳(切れ端:クラフト)、パン生地等を挙げることができる。こうしたパン屑は、食品廃棄物であるため手軽に入手ができる原料で、廃棄物の量もパン製造のスケールによって異なるが、数kgから数トン/日になる。澱粉樹脂組成物および成形物の要求される物性に応じて、粉砕・乾燥等をして使用することが出来る。
【0027】
こうしたパン屑には、パン製造する過程で、生地を混捏時の機械耐性の向上、焼き上げ後のふくらみ増加、柔軟性、老化防止等にショートニングオイルやバター等の油脂成分が配合されている。こうした油脂成分を含むパン屑は、他の澱粉質系材料に比べ、その流動性・分散性等の効果が高くなるので好ましい澱粉系材料である。この結果、分散効果を目的とする界面活性剤(後述する)の使用量を少なくすることができ、生産コストの軽減ができる。パン屑の含水分量は20〜40%で、澱粉質樹脂組成物の要求される物性に応じて、乾燥や粉砕することで幅広い成形物の材料として使用することが出来る。またこうしたパン屑は、バラ状緩衝材(後述するウエット系成形物)の製造、あるいは犬、猫等のペット用糞尿処理材等に使用する場合、他の配合剤と混合するだけで、2次的に水を補給する必要がないため、生産コスト、生産性が向上する。
【0028】
尚、本発明の澱粉系複合樹脂組成物においては、熱可塑性樹脂と澱粉系材料の配合割合は、熱可塑性樹脂100質量部に対して澱粉質系材料50〜1000質量部程度であることが好ましく、より好ましくは100〜800質量部程度である。澱粉系材料の配合量が50質量部未満になると、機械的強度や流動性等が低下し、また1000質量部を超えて配合されると、耐水性や成形加工性が低下して好ましくない。
【0029】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物には、必要によって(a)改質剤、(b)カップリング剤、(c)界面活性剤等を含ませることも有効であり、含有される種類に応じて樹脂組成物の特性が更に改善される。
【0030】
上記改質剤としては、エポキシ化油脂(エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル、エポキシ化大豆油)、尿素、尿素誘導体、脂肪族アミン(大豆アルキルアミン、牛脂アルキルアミン、オクタデシルアミン、アルキル牛脂プロピレンジアミン等)よりなる群から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。所望の特性や用途等に応じて、複合樹脂組成物の特性を阻害しない範囲で改質剤を任意に配合することができる。
【0031】
上記改質剤は、複合樹脂組成物と反応し複合樹脂組成物の相溶化作用を改選する改質材および成形・加工等によって得られた製品の脆さや機械的強度を改善する可塑化剤を併用することもできる。こうした改質剤は、複合樹脂組成物の相溶化作用を改善するもので、複合樹脂組成物と反応するアミノ基、エポキシ基等の官能基を有する化合物である。押出機等による高温・高圧下で澱粉質系材料、酸変性ポリオレフィン樹脂等が糊化・可塑化されるとともに該複合樹脂組成物と反応し2次変性する作用を発揮する。
【0032】
可塑化剤としては、澱粉質系複合樹脂組成物の分子構造中に取り込まれ、相溶化され柔軟性や流動性等を付与し、複合樹脂組成物を可塑化する化合物であればよい。水は澱粉質系材料の効果的な可塑化剤であるが、水は揮発性のため澱粉質系材料の老化が早く、得られた樹脂は脆くなるため使用が困難である。このため相溶性のある複合樹脂組成物の脆さを改善する可塑化剤としては、グリセリン、1,3―プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、油脂(ヤシ油、パーム油、大豆油、ヒマシ油等)、油脂硬化油(ヤシ油硬化油、パーム極度硬化油等)等を挙げることができる。尚、こうした改質剤の配合量は、樹脂組成物全体に対して0.1〜5質量%程度であることが好ましい。
【0033】
カップリング剤は、有機物とメタルから構成されている化合物で、分子中に無機材料と化学結合する反応基と有機材料と化学結合する反応基を2種類以上の異なった反応基を持った化合物である。この特性を利用して、澱粉質系複合樹脂組成物の界面に存在する水酸基とカップリング剤とが反応して化学結合し、熱可塑性樹脂と密着した相溶化剤と反応することで密着性が更に向上し、強固に接着することで成形物の機械的強度、耐熱性が高められるのに有効である。
【0034】
こうしたカップリング剤としては、分子中に無機質材料と化学的に結合する反応基と、澱粉質等の有機材料と化学反応する反応基を有するタイプがある。カップリング剤のメタル部分によって、チタネート系、シラン系、アルミネート系等を挙げることができ、反応基としてはビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、アルコキシル基(メトキシ基、エトキシ基等)等を挙げることができるが、本発明ではいずれのカップリング剤を用いることができる。
【0035】
例えば、シラン系のカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、テトラメトキシシランおよびメチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。また、チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリ(N−アミノエチルーアミノエチル)チタネートを挙げることができる。アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートを挙げることができる。
【0036】
こうしたカップリング剤は、所望の特性並びに用途に応じて、単独あるいは1種以上を併用して用いることが出来る。尚、カップリング剤の配合量は、樹脂組成物全体に対して0.1〜5質量%程度であることが好ましく、より好ましくは0.2〜3質量%程度である。0.1質量%未満では、分散効果、密着性効果が得られにくく、5質量%を超えると充分な機械的強度が得られず,脆い樹脂になるので好ましくない。
【0037】
界面活性剤は、熱可塑性樹脂、澱粉質等の分散性、流動性向上、可塑化、滑性等を付与するために必要によって配合される。こうした界面活性剤としては、脂肪酸エステル(ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等)、脂肪酸グリセライド(グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジアセテートモノラウレート、ジグリセリンステアレート等)および高級アルコール脂肪酸エステル(ステアリルステアレート等)等が挙げられ、これらのうちから1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、界面活性剤の配合量は、樹脂組成物全体に対して0.1〜10質量%程度であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%程度である。0.1質量%未満では、組成物の流動性,分散性、潤滑性、凝集防止作用等が充分でなく、10質量%を超えると機械的強度が十分に得られなく好ましくない。
【0038】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物には、所望の特性や用途等に応じて、その特性を阻害しない範囲で各種樹脂用添加剤を任意に配合することができる。例えば充填材としてタルク、炭酸カルシウム等を添加することができる。強度の付与や充填材作用を有する古紙粉砕物、セルロースファイバー等を添加することができる。また、香料,着色料,界面活性剤、酸化防止剤、難燃剤、抗菌剤等の有用な添加剤を配合することができる。
【0039】
ところで、澱粉系材料としてのパン屑には、ショートニングオイルやバター等の油脂成分が配合されていることは上述した通りであり、このした性質は好ましい結果を招くものであるが、油脂成分が過剰になると成形加工を行うと機械的強度が低下し、成形物の表面が荒れる場合がある。こうした場合には、パン屑中の過剰な油脂成分の適度に吸着・吸収する成分(以下、これを「油脂吸着剤」と呼ぶ)を併用することも有効である。こうした油脂吸着剤としては、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、タルク、カオリナイト、ベントナイト、発泡パーライトおよび合成ケイ酸塩等の無機系油脂吸着剤や、澱粉、澱粉変性物、サイクロデキストリン、セルロース、高分子多糖類等の有機高分子系吸着剤等が挙げられる。また、上記無機系吸着剤は成形物の強度を高める機能を併せ持つものであり、また有機高分子吸着剤は澱粉質系材料として使用できるものも含まれる。
【0040】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物は、上記各成分を含む原料を加熱溶融(加熱温度:50〜200℃程度)し、混合することによって製造することができる。このとき用いる装置は、一般的なプラスチック製造に用いられている公知の装置であればよく、例えば一軸式押出機、ニ軸式押出機、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサーおよびこれらを2種類以上組み合せたものが挙げられる。
【0041】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物は、樹脂製品の加工に用いられる常法により成形加工ができ、成形物の形状や用途等に特に制限されることはない。本発明の澱粉質系複合樹脂組成物は、樹脂組成物の相溶化作用にすぐれているため、射出成形,インフレ成形、プレス成形,真空成形等で得られる成形物は、単に澱粉質、熱可塑性樹脂等を配合した場合に比べ機械的特性の低下が少ない。特に,引張破断強度、引張破断率が従来の複合樹脂組成物に比べ高くなる。
【0042】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物から得られる成形物は、その組成物の水分含有量によってドライ系とウエット系の2種類に分けられる。通常の澱粉質系材料は、12〜14質量%程度の水分を含むものであり、こうした澱粉質系材料に水分を更に配合した樹脂組成物(ウエット系組成物)から得られる成形物は、基本的には発泡構造の成形物(発泡体)となる。こうした成形物としては、バラ状緩衝材、発泡シート、型発泡体または射出成形発泡体等が挙げられる。
【0043】
一方、澱粉質系材料は乾燥しても水分含有量をそれほどそれほど低くできず、5〜6%程度(澱粉質系複合樹脂組成物全体として0.5%程度)が限度であるが、上記加熱温度範囲で、真空圧力下で溶融組成物をダイから吐出させることによって発泡を極力抑えた成形体も得ることができる。通常、水分を多く含んだ樹脂組成物を用いて成形加工した場合には、ピンホールやガスホール等が発生し易いのであるが、本発明の樹脂組成物では水分を上記程度に抑えることによって、上記した不都合を招くことなく通常の成形体(発泡体でない成形物)をその機械的特性を良好にしつつ得ることができる。
【0044】
即ち、本発明の樹脂組成物は、ドライ系およびウエット系のいずれにも適用できるものであるが、いずれの系に適用した場合にも機械的特性に優れた成形物を得ることができるのである。
【0045】
以下、実施例によって本発明の具体的な構成を示すが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0046】
【実施例】
実施例1
コーンスターチ:45kg、ポリプロピレン樹脂:40kg、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(酸価28、軟化点107℃):5kg、尿素:3kgおよびパーム油:7kgを秤量し、混練機に投入し、充分に攪拌・混合された原料をニ軸押出機のホッパーに投入し、該混合物を100kg/時間の押出速度、温度:165〜185℃、吐出圧:15〜60kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質系複合樹脂組成ペレットを得た。
【0047】
実施例2
コーンスターチ:45kg、ポリプロピレン樹脂:40kg、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(酸価28、軟化点107℃)5kg、エポキシ化大豆油:4kgおよびパーム油:6kgを秤量し、混練機に投入し、充分に攪拌・混合された該混合物をニ軸押出機のホッパーに投入し、該混合物を100kg/時間の押出速度、温度:155〜175℃、吐出圧:15〜60kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質系複合樹脂組成ペレットを得た。
【0048】
実施例3
コーンスターチ:40kg、生分解性樹脂(ポリカプロラクトン樹脂):40kg、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(酸価28、軟化点107℃):5kg、尿素:3kg、菜種極度硬化油:5kgおよびグリセリン:7kgをミキサーミに投入し、攪拌・混合し、該混合物をニ軸押出機のホッパーに投入し、該混合物を100kg/時間の押出速度、温度:140〜160℃、吐出圧:20〜60kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させ澱粉質系複合樹脂組成ペレットを得た。
【0049】
比較例1
コーンスターチ:50kg、ポリプロピレン樹脂:40kgおよびエポキシ化大豆油:10kgを秤量し、混練機に投入し、充分に攪拌・混合された原料をニ軸押出機のホッパーに投入し、該混合物を100kg/時間の押出速度、165〜185℃、吐出圧:15〜60kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質系複合樹脂組成ペレットを得た。
【0050】
比較例2
コーンスターチ:50kg、ポリプロピレン樹脂:40kg、グリセリン:10kgを秤量し、混練機に投入し、充分に攪拌・混合された原料をニ軸押出機のホッパーに投入し、該混合物を100kg/時間の押出速度、温度:165〜185℃、吐出圧:15〜60kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉材料系複合樹脂組成ペレットを得た。
【0051】
上記実施例1〜3および比較例1、2で得られた澱粉材料系複合樹脂組成ペレットを用いて射出成形機で所定の試験片を作成し、該複合樹脂組成物の物性を評価した。評価法は、下記のとおりである。
引張破断強度および引張破断伸長率:JISK7113に準拠して求めた。
曲げ強度および曲げ弾性率:JISK7203に準拠して求めた。
吸湿性:射出成形品を相対湿度90%、温度25℃の環境下に1日放置後のべとつき性で評価した(○:べとつきなし、×:べとつく)。
【0052】
この結果を下記表1に示すが、本発明で規定する要件を満足する実施例のものでは、従来の澱粉複合樹脂組成物と比較すると機械的強度が高かった。また比較例1、2では、酸変性オレフィン樹脂が添加されないので、成形して得られた樹脂成形物は脆く、吸湿性であった。
【0053】
【表1】
【0054】
実施例4
コーンスターチ:50kgにソルビタンステアレート:1.5kgをヘンシェルミキサーにて10分間混合して混合物Aを製造した。一方、タルク:10kgに3−アミノプロピルトリメトキシシラン:50gをヘンシェルミキサーにて、80℃で10分間混合して混合物Bを製造した。
【0055】
次いで、ポリプロピレン樹脂:37kg、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂:1.5kgを秤量し、これに混合物AとBを投入し、均一に混合して樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物をニ軸押出機に投入し、100kg/時間の押出速度、温度:160〜180℃、吐出圧:5〜20kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0056】
実施例5
コーンスターチ:50kg、グリセリンモノステアレート:1kgおよびグリセリンジアセトモノラウレート:1.5kgをヘンシェルミキサーにて10分間混合して混合物Aを製造した。一方、タルク:10kgに3−アミノプロピルトリメトキシシラン70gをヘンシェルミキサーにて80℃で10分間混合し、混合物Bを製造した。
【0057】
次いで、ポリプロピレン樹脂:36.5kg、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂:1kgを秤量し、これに混合物AとBに投入し、均一に混合して樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物をニ軸押出機に投入し、100kg/時間の押出速度、温度:160〜180℃、吐出圧:5〜20kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0058】
実施例6
実施例4で用いたポリプロピレン樹脂:37kgの代わりにポリカプロラクトン樹脂:37kgを用いると共に、押出時の温度を140〜160℃に代える以外は実施例4と同様にして澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0059】
比較例3
実施例4の配合組成中の無水マレイン酸マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂だけを除いて、他は実施例4と全く同じ条件で澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0060】
比較例4
実施例5の配合組成中のグリセリンモノステアレートとグリセリンジアセトモノラウレートを用いない以外は、実施例5と全く同じ条件で澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0061】
実施例4〜6および比較例3、4で得られた澱粉質複合樹脂組成ペレットを用いて射出成形機で所定の試験片を作成し、該複合樹脂組成物の物性を評価した。評価法は、張破断強度、引張破断伸長率、曲げ強度および曲げ弾性率については、上記と同様である。その他、耐熱性、射出成形性、組成物の均一性、および成形物の耐水性について下記の方法によって評価した。
【0062】
(耐熱性)
電子レンジで600W、10分加熱処理後の外観変化で評価した。
○:変化なし、△:僅かな変化が見られた、×:変形した
(射出成形性)
物性評価に用いたダンベル型試験片の成形性で評価した。
○:正常、×:僅かに成形不良がでた
(組成物の均一性)
射出成形体の表面むらの有無で評価した。
○:均一な表面、△:僅かに凝集物が見られた、×:凝集物有り
(成形物の耐水性)
沸騰水、15分間処理後の重量変化率で評価した。
重量変化率=(煮沸処理後の重量/煮沸前の重量)×100
【0063】
この結果を下記表2に示すが、本発明で規定する要件を満足する実施例のものでは、従来の澱粉複合樹脂組成物と比較すると機械的強度が高かった。また比較例3では、酸変性オレフィン樹脂が添加されないので、成形して得られた樹脂成形物は脆いものであった。また界面活性剤を配合しなかった比較例4では、強度が更に低く、成形物の表面が不均一であった。
【0064】
【表2】
【0065】
実施例7
食パン製造工程からでた食パンの耳を乾燥し、粉砕したパン屑:40kg、コーンスターチ:10kgに、ソルビタンステアレート:1kgをヘンシェルミキサーにて10分間混合して混合物Aを製造した。次いで、タルク:10kg、ポリプロピレン樹脂:37kg、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂:1.5kgを秤量し、これを混合物Aに投入して均一に混合し、樹脂組成物とした。
【0066】
得られた樹脂組成物をニ軸押出機に投入し、100kg/時間の押出速度、130〜160℃、吐出圧5〜10kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0067】
実施例8
食パン製造工程からでた食パンの耳を乾燥し、粉砕したパン屑:40kg、コーンスターチ15kg、ソルビタンステアレート1kgとグリセリンジアセトモノラウレート:1kgをヘンシェルミキサーにて10分間混合し、混合物Aを製造した。次いで、タルク:10kg、ポリプロピレン樹脂:33kg、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂:1kgを秤量し、これを混合物Aに投入して均一に混合し、組成物とした。
【0068】
得られた樹脂組成物をニ軸押出機に投入し、100kg/時間の押出速度、130〜160℃、吐出圧:5〜10kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0069】
比較例5
実施例7の配合組成中の無水マレイン酸マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂だけを用いない以外は、実施例7と全く同じ条件で澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0070】
参考例1
実施例8の配合組成中のグリセリンジアセトモノラウレートを用いない以外は、実施例8と全く同じ条件で澱粉質樹脂組成ペレットを得た。
【0071】
実施例7、8および比較例5並びに参考例1で得られた澱粉質複合樹脂組成ペレットを用いて射出成形機で所定の試験片を作成し、該複合樹脂組成物の物性を評価した。評価法は、張破断強度、引張破断伸長率、曲げ強度および曲げ弾性率については、上記と同様である。その他、上記した射出成形性を評価すると共に、下記の基準によって射出成形品の色合いと澱粉質樹脂組成物の臭いについても評価した。
(射出成形品の色合い試験)
○:変化なし、×:僅かな変化が見られた
(澱粉質樹脂組成物の臭い試験)
○:臭いなし、×:僅かに臭う
【0072】
この結果を下記表3に示すが、本発明で規定する要件を満足する実施例7、8のものでは、従来の澱粉複合樹脂組成物と比較すると機械的強度が高く、成形性、流動性に優れていた。特に、実施例のものでは、これらの特性に加えて、臭いも殆どなく、耐水性にも優れたものであった。
【0073】
これに対して、比較例5では、酸変性オレフィン樹脂が添加されないので、強度が低く、成形物の表面は不均一であり、しかもパンの臭いがした。また、界面活性剤を配合しなかった参考例1では、強度が若干低くなっており、また成形物の表面が不均一であった。
【0074】
【表3】
【0075】
実施例9
食パン製造工程からでた食パンの耳を粉砕したパン屑:40kg、コーンスターチ:16kg、タルク:5kg、ポリプロピレン樹脂:35kg、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(酸価28、軟化点107℃):2kg、尿素:0.5kg、ソルビタンステアレート:0.5kgおよびグリセリンモノステアレート:1kgを秤量し、混練機に投入し、十分に攪拌・混合して樹脂組成物とした。
【0076】
得られた組成物をニ軸押出機に投入し、100kg/時間の押出速度、130〜160℃、吐出圧:5〜10kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質樹脂組成ペレットを得た。
【0077】
実施例10
食パン製造工程からでた食パンの耳を粉砕したパン屑:40kg、コーンスターチ:5kg、ポリプロピレン樹脂:37.3kg、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(酸価28、軟化点107℃):2kgおよびソルビタンステアレート:0.5kgを秤量し、混練機に投入し、十分に攪拌・混合して混合物Aを得た。一方、タルク:10kgに3−アミノプロピルトリメトキシシラン200gをヘンシェルミキサーにて80℃で10分間混合し、混合物Bを製造した。
【0078】
これら混合物Aと混合物Bを混合して、ニ軸押出機に投入し、130〜160℃、吐出圧:15〜60kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質樹脂組成ペレットを得た。
【0079】
実施例11
コーンスターチ:65kg、タルク:2kg、ポリプロピレン樹脂:30kg、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(酸価28、軟化点107℃):1k、エポキシ化大豆油:1kg、グリセリンジアセトモノラウレート:0.5kgおよび水:3.5kgを秤量し、混練機に投入し、十分に攪拌・混合して、樹脂組成物とした。
【0080】
得られた組成物をニ軸押出機に投入し、130〜170℃、吐出圧:5〜30kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質樹脂組成物発泡体を得た。この発泡体は、発泡倍率:66倍で細かな弾力性を有するものであった。
【0081】
実施例12
上記実施例11で用いたポリプロピレン樹脂をポリエチレン樹脂に代える以外は、実施例11と同様にして澱粉質樹脂組成物発泡体を得た。この発泡体は、発泡倍率:72倍で細かな弾力性を有するものであった。
【0082】
実施例13
食パン製造工程からでた食パンの耳を粉砕したパン屑:40kg、コーンスターチ:26kg、ポリプロピレン樹脂:30.6kg、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(酸価28、軟化点107℃):1kg、エポキシ化大豆油:0.2kg、グリセリンジアセトモノラウレート:0.2kg、タルク:2kgおよび水:1.5kgを秤量し、混練機に投入し、十分に攪拌・混合して、樹脂組成物とした。
【0083】
得られた樹脂組成物をニ軸押出機に投入し、130〜170℃、吐出圧:15〜30kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質樹脂組成物の発泡体を得た。この発泡体は、発泡倍率:35倍で弾力性が有り、僅かにパンの香りがするものであった。
【0084】
比較例6
コーンスターチ:66kg、タルク:2kg、ポリプロピレン樹脂:31kg、エポキシ化大豆油:1kgおよび水:3.5kgを秤量し、混練機に投入し、十分に攪拌・混合して、樹脂組成物とした。
【0085】
得られた樹脂組成物をニ軸押出機に投入し、130〜170℃、吐出圧:5〜30kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質樹脂組成物の発泡体を得た。この発泡体は、径:20mm、発泡倍率:20倍で硬く弾力性がないものであった。
【0086】
実施例9、10で得られた澱粉質複合樹脂組成ペレットを用いて射出成形機で所定の試験片を作成し、該複合樹脂組成物の物性(張破断強度、引張破断伸長率、曲げ強度、曲げ弾性率、射出成形性、澱粉質複合樹脂の均一性、射出成形品の臭い、および射出成形品の色合い)について、上記した各方法に従って評価した。また、実施例11〜13および比較例6の発泡体について、嵩密度と吸湿性について評価した。
【0087】
これらの結果を一括して下記表4に示すが、本発明で規定する要件を満足する実施例9、10のものでは、従来の澱粉複合樹脂組成物と比較すると様々な物性が優れていることが分かる。また、実施例11〜13の発泡体では、バラ状態衝材としての特性を発揮するものであった。これに対して、比較例6のものでは、耐水性が劣化しておりバラ状緩衝材としては使用しにくいものであった。
【0088】
【表4】
【0089】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、樹脂を均一にして優れた機械的特性を発揮することができると共に、流動性や成形加工性に優れた澱粉質系複合樹脂組成物、およびこうした樹脂組成物を成形して上記の特性を発揮することのできる成形物が実現でき、こうした成形物は食品包装容器、建築用資材、農業用資材、日用品等の幅広い成形材料として有用に用いることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、澱粉質系材料と樹脂を複合した組成物に関するものであり、特にカップ、トレー、食品容器や日曜雑貨品等の樹脂成形物の素材として有用な澱粉質系複合樹脂組成物、およびこうした樹脂組成物から得られ、優れた機械的特性を発揮することのできる成形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境への関心が高くなっており、樹脂成形物(プラスチック成形物)についてもできるだけ環境に優しい素材を用いる傾向が強くなっている。こうした素材として、澱粉質系材料と熱可塑性樹脂を複合した澱粉質系複合樹脂組成物が代表的なものとして知られている。(例えば、特開昭62−39642号)。
【0003】
しかしながら、従来の澱粉質系複合樹脂組成物では、機械的特性が良好な成形物が得られないという問題がある。また耐水性や耐熱性等が低い等の欠点を有していることから、その適用範囲が限られており、広い分野での使用が困難であった。
【0004】
また、澱粉質系材料を熱可塑性樹脂に配合した組成物は、押出機、射出成形機等での流動特性が低く、シリンダー内で焦げるという問題がある。更に流動性・分散性等が低いため、樹脂の均一性が保てず、希望する特性の成形物が得られないという問題もある。
【0005】
一方、食品廃棄物を有効利用するという観点からして、食物残渣と熱可塑性樹脂を複合化した発泡体(澱粉質系複合樹脂発泡体)も提案されている(例えば、特許第729936号)。しかしながら、こうした発泡体においても、他の澱粉質系複合樹脂組成物と同様の問題があるばかりか、耐水性が悪く、また成形物の臭いが強く、濃い褐色で色合いが悪いなどの欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その目的は、樹脂を均一にして優れた機械的特性を発揮することができると共に、流動性や成形加工性に優れ、必要によって、耐水性、成形物の臭い、色合い等の特性をも良好にすることのできる澱粉質系複合樹脂組成物、およびこうした樹脂組成物を成形して上記の特性を発揮することのできる成形物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することのできた本発明の澱粉質系複合樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、澱粉質系材料および相溶化剤を含むものである点に要旨を有するものである。
【0008】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物で用いる相溶化剤としては、不飽和ジカルボン酸および/またはその酸無水物で変性された酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましいものとして挙げられる。
【0009】
また熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂および/または生分解性樹脂が挙げられ、またこのうち生分解性樹脂は、ポリビニルアルコール系樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂および脂肪族・芳香族コポリエステル樹脂等が挙げられ、これらのうちから1種または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0010】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物で用いる澱粉質系材料としては、生澱粉、セルロース粉末、変性澱粉、セルロース粉末、セルロース誘導体、製麺生地およびパン屑等が挙げられ、これらのうちから1種または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0011】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、澱粉質系材料および相溶化剤を少なくとも含むものであるが、必要によって(a)改質剤、(b)カップリング剤、(c)界面活性剤等を含ませることも有効であり、含有されるものに応じて樹脂組成物の特性が更に改善される。
【0012】
必要によって含有される改質剤としては、具体的には、エポキシ化油脂、尿素および脂肪族アミン等が挙げられ、これらのうちから1種若しくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0013】
また上記カップリング剤としては、チタネート系カップリング剤、シラン系カップリング剤およびアルミネート系カップリング剤等が挙げられ、これらのうちから1種若しくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0014】
本発明で用いることのある界面活性剤としては、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリドおよび高級アルコール脂肪酸エステル等が挙げられ、これらのうちから1種若しくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0015】
上記のような澱粉質系複合樹脂組成物を成形することによって、希望する特性を発揮する成形物が得られるのであるが、こうした成形物としてはバラ状緩衝材、発泡シート、型発泡体または射出成形発泡体等の各種発泡体も含まれる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者は、機械的特性が良好な樹脂成形物を得ることができる澱粉質系複合樹脂組成物を目指して様々な角度から検討した。そしてまず、これまで提案されている澱粉質系複合樹脂組成物では、希望する特性の成形物が得られないのは、熱可塑性樹脂と澱粉質系材料の親和性が悪く、均一化された混合物を形成する性質(以下、この性質を「相溶性」と呼ぶ)が良好とは言えないことが原因しているという着想が得られた。
【0017】
そこで、本発明者が更に検討した結果、熱可塑性樹脂と澱粉質系材料との相溶性を良好にするもの(以下、これを「相溶化剤」と呼ぶ)を組成物中に含有させることによって、従来の樹脂組成物における欠点を是正して良好な特性を発揮する澱粉質系複合樹脂組成物が実現できることを見出し、本発明を完成した。
【0018】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物では、少なくとも相溶化剤を含有させることが重要な要件であるが、こうした相溶化剤としては、不飽和ジカルボン酸および/またはその酸無水物で変性された酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましいものとして挙げられる。こうした酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂を熱減成して得られる数平均分子量500〜20000程度の低分子量オレフィン樹脂で、その炭素数1000当り二重結合を0.1個以上含む低分子量化したポリオレフィン樹脂に、不飽和カルボン酸および/またはその無水物を付加反応することによって得られる。またこのとき用いる不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、フマール酸およびマレイン酸等を挙げることができる。不飽和カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸および無水ナジック酸等を挙げることができる。
【0019】
相溶化剤として用いる酸変性ポリオレフィン樹脂は、酸価:5〜50、軟化点:75〜150℃、数平均分子量:500〜20000の低分子量オレフィン樹脂からなる酸で変性された低分子量ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
【0020】
上記酸変性ポリオレフィン樹脂は、熱可塑性樹脂と澱粉質系材料等との相溶性を良好にする他、両者の密着性、分散性、成形加工性、加工性等を向上させる作用をも発揮する。また澱粉質系複合樹脂組成物の流動特性等を改善することで、押出成形や射出成形等の成形加工温度を下げることができ、澱粉質系材料の褐変することがなく均一な樹脂が得られる。
【0021】
相溶化剤の配合量は、澱粉質系材料100質量部に対して0.5〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量部程度である。相溶化剤の配合量が0.5質量部未満になると、澱粉質系複合樹脂組成物の流動性、相溶性等を改善することができず、また30質量部を超えて配合した場合は、加工された樹脂製品の機械的強度が低下し脆くなり、耐熱性も低下し好ましくない。
【0022】
本発明で用いる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂および/または自然環境下で消化分解、崩壊や不腐化等の作用を受ける生分解性樹脂であれば特に限定されるものではない。環境汚染等を考慮すると有害ガスが発生せず、焼却炉を傷めないような生分解性樹脂が好ましい。
【0023】
上記生分解性樹脂としては、例えばポリビニルアルコール系樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチレート、エチレン・ビニルアルコールコポリマー等)、脂肪族ポリエステル系樹脂(例えば、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリヒドロキシバリレート等のホモポリマーあるいはコポリマー、これらのホモポリマーあるいはコポリマーの変性した物等)、および脂肪族・芳香族ポリエステル樹脂(例えば、脂肪族カルボン酸もしくはヒドロキシ酸、芳香族ジカルボン酸と1,3−プロパンジオール等のブロックポリマーあるいはランダムポリマー等)等を挙げることができる。また、天然由来の生分解性樹脂として天然ゴム等を挙げることができる。生分解性樹脂としては、所望の特性並びに用途に応じて生分解速度を調節することができ、単独あるいは2種類以上併用および/またはオレフィン樹脂と併用して用いることができる。その添加率は所望の特性並びに用途に応じて任意に添加される。
【0024】
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンとα−オレフィン変性樹脂、エチレン−アクリル酸あるいはメタクリル酸等のコポリマーあるいはホモポリマー樹脂、ポリブテン樹脂等を挙げることができる。所望の特性並びに用途に応じて、単独あるいは2種類以上併用または生分解性樹脂と併用して用いることができる。その添加率は所望の特性並びに用途に応じて任意に添加される。
【0025】
一方、澱粉質系材料としては、水溶性高分子物質である生澱粉(トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉および蛋白質成分を含む未精製澱粉、馬鈴薯の加工製品製造時に発生する馬鈴薯の皮、未精製馬鈴薯澱粉等)、変性澱粉(α化澱粉、酸化処理澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等)、セルロース粉末、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム,メチルセルロース、酢酸セルロース等)、キトサン、製麺生地(製麺過程で発生する不良品も含む)およびパン屑等を挙げることができる。これらのうち、所望の特性並びに用途に応じて、単独あるいは2種類以上併用して用いることが出来る。
【0026】
澱粉質系材料としてのパン屑は、商品にならない規格外品、パン販売店から賞味期限切れによる回収品、サンドイッチ製造工程で発生するパンの耳(切れ端:クラフト)、パン生地等を挙げることができる。こうしたパン屑は、食品廃棄物であるため手軽に入手ができる原料で、廃棄物の量もパン製造のスケールによって異なるが、数kgから数トン/日になる。澱粉樹脂組成物および成形物の要求される物性に応じて、粉砕・乾燥等をして使用することが出来る。
【0027】
こうしたパン屑には、パン製造する過程で、生地を混捏時の機械耐性の向上、焼き上げ後のふくらみ増加、柔軟性、老化防止等にショートニングオイルやバター等の油脂成分が配合されている。こうした油脂成分を含むパン屑は、他の澱粉質系材料に比べ、その流動性・分散性等の効果が高くなるので好ましい澱粉系材料である。この結果、分散効果を目的とする界面活性剤(後述する)の使用量を少なくすることができ、生産コストの軽減ができる。パン屑の含水分量は20〜40%で、澱粉質樹脂組成物の要求される物性に応じて、乾燥や粉砕することで幅広い成形物の材料として使用することが出来る。またこうしたパン屑は、バラ状緩衝材(後述するウエット系成形物)の製造、あるいは犬、猫等のペット用糞尿処理材等に使用する場合、他の配合剤と混合するだけで、2次的に水を補給する必要がないため、生産コスト、生産性が向上する。
【0028】
尚、本発明の澱粉系複合樹脂組成物においては、熱可塑性樹脂と澱粉系材料の配合割合は、熱可塑性樹脂100質量部に対して澱粉質系材料50〜1000質量部程度であることが好ましく、より好ましくは100〜800質量部程度である。澱粉系材料の配合量が50質量部未満になると、機械的強度や流動性等が低下し、また1000質量部を超えて配合されると、耐水性や成形加工性が低下して好ましくない。
【0029】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物には、必要によって(a)改質剤、(b)カップリング剤、(c)界面活性剤等を含ませることも有効であり、含有される種類に応じて樹脂組成物の特性が更に改善される。
【0030】
上記改質剤としては、エポキシ化油脂(エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル、エポキシ化大豆油)、尿素、尿素誘導体、脂肪族アミン(大豆アルキルアミン、牛脂アルキルアミン、オクタデシルアミン、アルキル牛脂プロピレンジアミン等)よりなる群から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。所望の特性や用途等に応じて、複合樹脂組成物の特性を阻害しない範囲で改質剤を任意に配合することができる。
【0031】
上記改質剤は、複合樹脂組成物と反応し複合樹脂組成物の相溶化作用を改選する改質材および成形・加工等によって得られた製品の脆さや機械的強度を改善する可塑化剤を併用することもできる。こうした改質剤は、複合樹脂組成物の相溶化作用を改善するもので、複合樹脂組成物と反応するアミノ基、エポキシ基等の官能基を有する化合物である。押出機等による高温・高圧下で澱粉質系材料、酸変性ポリオレフィン樹脂等が糊化・可塑化されるとともに該複合樹脂組成物と反応し2次変性する作用を発揮する。
【0032】
可塑化剤としては、澱粉質系複合樹脂組成物の分子構造中に取り込まれ、相溶化され柔軟性や流動性等を付与し、複合樹脂組成物を可塑化する化合物であればよい。水は澱粉質系材料の効果的な可塑化剤であるが、水は揮発性のため澱粉質系材料の老化が早く、得られた樹脂は脆くなるため使用が困難である。このため相溶性のある複合樹脂組成物の脆さを改善する可塑化剤としては、グリセリン、1,3―プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、油脂(ヤシ油、パーム油、大豆油、ヒマシ油等)、油脂硬化油(ヤシ油硬化油、パーム極度硬化油等)等を挙げることができる。尚、こうした改質剤の配合量は、樹脂組成物全体に対して0.1〜5質量%程度であることが好ましい。
【0033】
カップリング剤は、有機物とメタルから構成されている化合物で、分子中に無機材料と化学結合する反応基と有機材料と化学結合する反応基を2種類以上の異なった反応基を持った化合物である。この特性を利用して、澱粉質系複合樹脂組成物の界面に存在する水酸基とカップリング剤とが反応して化学結合し、熱可塑性樹脂と密着した相溶化剤と反応することで密着性が更に向上し、強固に接着することで成形物の機械的強度、耐熱性が高められるのに有効である。
【0034】
こうしたカップリング剤としては、分子中に無機質材料と化学的に結合する反応基と、澱粉質等の有機材料と化学反応する反応基を有するタイプがある。カップリング剤のメタル部分によって、チタネート系、シラン系、アルミネート系等を挙げることができ、反応基としてはビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、アルコキシル基(メトキシ基、エトキシ基等)等を挙げることができるが、本発明ではいずれのカップリング剤を用いることができる。
【0035】
例えば、シラン系のカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、テトラメトキシシランおよびメチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。また、チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリ(N−アミノエチルーアミノエチル)チタネートを挙げることができる。アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートを挙げることができる。
【0036】
こうしたカップリング剤は、所望の特性並びに用途に応じて、単独あるいは1種以上を併用して用いることが出来る。尚、カップリング剤の配合量は、樹脂組成物全体に対して0.1〜5質量%程度であることが好ましく、より好ましくは0.2〜3質量%程度である。0.1質量%未満では、分散効果、密着性効果が得られにくく、5質量%を超えると充分な機械的強度が得られず,脆い樹脂になるので好ましくない。
【0037】
界面活性剤は、熱可塑性樹脂、澱粉質等の分散性、流動性向上、可塑化、滑性等を付与するために必要によって配合される。こうした界面活性剤としては、脂肪酸エステル(ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等)、脂肪酸グリセライド(グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジアセテートモノラウレート、ジグリセリンステアレート等)および高級アルコール脂肪酸エステル(ステアリルステアレート等)等が挙げられ、これらのうちから1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、界面活性剤の配合量は、樹脂組成物全体に対して0.1〜10質量%程度であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%程度である。0.1質量%未満では、組成物の流動性,分散性、潤滑性、凝集防止作用等が充分でなく、10質量%を超えると機械的強度が十分に得られなく好ましくない。
【0038】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物には、所望の特性や用途等に応じて、その特性を阻害しない範囲で各種樹脂用添加剤を任意に配合することができる。例えば充填材としてタルク、炭酸カルシウム等を添加することができる。強度の付与や充填材作用を有する古紙粉砕物、セルロースファイバー等を添加することができる。また、香料,着色料,界面活性剤、酸化防止剤、難燃剤、抗菌剤等の有用な添加剤を配合することができる。
【0039】
ところで、澱粉系材料としてのパン屑には、ショートニングオイルやバター等の油脂成分が配合されていることは上述した通りであり、このした性質は好ましい結果を招くものであるが、油脂成分が過剰になると成形加工を行うと機械的強度が低下し、成形物の表面が荒れる場合がある。こうした場合には、パン屑中の過剰な油脂成分の適度に吸着・吸収する成分(以下、これを「油脂吸着剤」と呼ぶ)を併用することも有効である。こうした油脂吸着剤としては、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、タルク、カオリナイト、ベントナイト、発泡パーライトおよび合成ケイ酸塩等の無機系油脂吸着剤や、澱粉、澱粉変性物、サイクロデキストリン、セルロース、高分子多糖類等の有機高分子系吸着剤等が挙げられる。また、上記無機系吸着剤は成形物の強度を高める機能を併せ持つものであり、また有機高分子吸着剤は澱粉質系材料として使用できるものも含まれる。
【0040】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物は、上記各成分を含む原料を加熱溶融(加熱温度:50〜200℃程度)し、混合することによって製造することができる。このとき用いる装置は、一般的なプラスチック製造に用いられている公知の装置であればよく、例えば一軸式押出機、ニ軸式押出機、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサーおよびこれらを2種類以上組み合せたものが挙げられる。
【0041】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物は、樹脂製品の加工に用いられる常法により成形加工ができ、成形物の形状や用途等に特に制限されることはない。本発明の澱粉質系複合樹脂組成物は、樹脂組成物の相溶化作用にすぐれているため、射出成形,インフレ成形、プレス成形,真空成形等で得られる成形物は、単に澱粉質、熱可塑性樹脂等を配合した場合に比べ機械的特性の低下が少ない。特に,引張破断強度、引張破断率が従来の複合樹脂組成物に比べ高くなる。
【0042】
本発明の澱粉質系複合樹脂組成物から得られる成形物は、その組成物の水分含有量によってドライ系とウエット系の2種類に分けられる。通常の澱粉質系材料は、12〜14質量%程度の水分を含むものであり、こうした澱粉質系材料に水分を更に配合した樹脂組成物(ウエット系組成物)から得られる成形物は、基本的には発泡構造の成形物(発泡体)となる。こうした成形物としては、バラ状緩衝材、発泡シート、型発泡体または射出成形発泡体等が挙げられる。
【0043】
一方、澱粉質系材料は乾燥しても水分含有量をそれほどそれほど低くできず、5〜6%程度(澱粉質系複合樹脂組成物全体として0.5%程度)が限度であるが、上記加熱温度範囲で、真空圧力下で溶融組成物をダイから吐出させることによって発泡を極力抑えた成形体も得ることができる。通常、水分を多く含んだ樹脂組成物を用いて成形加工した場合には、ピンホールやガスホール等が発生し易いのであるが、本発明の樹脂組成物では水分を上記程度に抑えることによって、上記した不都合を招くことなく通常の成形体(発泡体でない成形物)をその機械的特性を良好にしつつ得ることができる。
【0044】
即ち、本発明の樹脂組成物は、ドライ系およびウエット系のいずれにも適用できるものであるが、いずれの系に適用した場合にも機械的特性に優れた成形物を得ることができるのである。
【0045】
以下、実施例によって本発明の具体的な構成を示すが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0046】
【実施例】
実施例1
コーンスターチ:45kg、ポリプロピレン樹脂:40kg、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(酸価28、軟化点107℃):5kg、尿素:3kgおよびパーム油:7kgを秤量し、混練機に投入し、充分に攪拌・混合された原料をニ軸押出機のホッパーに投入し、該混合物を100kg/時間の押出速度、温度:165〜185℃、吐出圧:15〜60kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質系複合樹脂組成ペレットを得た。
【0047】
実施例2
コーンスターチ:45kg、ポリプロピレン樹脂:40kg、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(酸価28、軟化点107℃)5kg、エポキシ化大豆油:4kgおよびパーム油:6kgを秤量し、混練機に投入し、充分に攪拌・混合された該混合物をニ軸押出機のホッパーに投入し、該混合物を100kg/時間の押出速度、温度:155〜175℃、吐出圧:15〜60kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質系複合樹脂組成ペレットを得た。
【0048】
実施例3
コーンスターチ:40kg、生分解性樹脂(ポリカプロラクトン樹脂):40kg、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(酸価28、軟化点107℃):5kg、尿素:3kg、菜種極度硬化油:5kgおよびグリセリン:7kgをミキサーミに投入し、攪拌・混合し、該混合物をニ軸押出機のホッパーに投入し、該混合物を100kg/時間の押出速度、温度:140〜160℃、吐出圧:20〜60kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させ澱粉質系複合樹脂組成ペレットを得た。
【0049】
比較例1
コーンスターチ:50kg、ポリプロピレン樹脂:40kgおよびエポキシ化大豆油:10kgを秤量し、混練機に投入し、充分に攪拌・混合された原料をニ軸押出機のホッパーに投入し、該混合物を100kg/時間の押出速度、165〜185℃、吐出圧:15〜60kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質系複合樹脂組成ペレットを得た。
【0050】
比較例2
コーンスターチ:50kg、ポリプロピレン樹脂:40kg、グリセリン:10kgを秤量し、混練機に投入し、充分に攪拌・混合された原料をニ軸押出機のホッパーに投入し、該混合物を100kg/時間の押出速度、温度:165〜185℃、吐出圧:15〜60kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉材料系複合樹脂組成ペレットを得た。
【0051】
上記実施例1〜3および比較例1、2で得られた澱粉材料系複合樹脂組成ペレットを用いて射出成形機で所定の試験片を作成し、該複合樹脂組成物の物性を評価した。評価法は、下記のとおりである。
引張破断強度および引張破断伸長率:JISK7113に準拠して求めた。
曲げ強度および曲げ弾性率:JISK7203に準拠して求めた。
吸湿性:射出成形品を相対湿度90%、温度25℃の環境下に1日放置後のべとつき性で評価した(○:べとつきなし、×:べとつく)。
【0052】
この結果を下記表1に示すが、本発明で規定する要件を満足する実施例のものでは、従来の澱粉複合樹脂組成物と比較すると機械的強度が高かった。また比較例1、2では、酸変性オレフィン樹脂が添加されないので、成形して得られた樹脂成形物は脆く、吸湿性であった。
【0053】
【表1】
【0054】
実施例4
コーンスターチ:50kgにソルビタンステアレート:1.5kgをヘンシェルミキサーにて10分間混合して混合物Aを製造した。一方、タルク:10kgに3−アミノプロピルトリメトキシシラン:50gをヘンシェルミキサーにて、80℃で10分間混合して混合物Bを製造した。
【0055】
次いで、ポリプロピレン樹脂:37kg、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂:1.5kgを秤量し、これに混合物AとBを投入し、均一に混合して樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物をニ軸押出機に投入し、100kg/時間の押出速度、温度:160〜180℃、吐出圧:5〜20kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0056】
実施例5
コーンスターチ:50kg、グリセリンモノステアレート:1kgおよびグリセリンジアセトモノラウレート:1.5kgをヘンシェルミキサーにて10分間混合して混合物Aを製造した。一方、タルク:10kgに3−アミノプロピルトリメトキシシラン70gをヘンシェルミキサーにて80℃で10分間混合し、混合物Bを製造した。
【0057】
次いで、ポリプロピレン樹脂:36.5kg、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂:1kgを秤量し、これに混合物AとBに投入し、均一に混合して樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物をニ軸押出機に投入し、100kg/時間の押出速度、温度:160〜180℃、吐出圧:5〜20kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0058】
実施例6
実施例4で用いたポリプロピレン樹脂:37kgの代わりにポリカプロラクトン樹脂:37kgを用いると共に、押出時の温度を140〜160℃に代える以外は実施例4と同様にして澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0059】
比較例3
実施例4の配合組成中の無水マレイン酸マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂だけを除いて、他は実施例4と全く同じ条件で澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0060】
比較例4
実施例5の配合組成中のグリセリンモノステアレートとグリセリンジアセトモノラウレートを用いない以外は、実施例5と全く同じ条件で澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0061】
実施例4〜6および比較例3、4で得られた澱粉質複合樹脂組成ペレットを用いて射出成形機で所定の試験片を作成し、該複合樹脂組成物の物性を評価した。評価法は、張破断強度、引張破断伸長率、曲げ強度および曲げ弾性率については、上記と同様である。その他、耐熱性、射出成形性、組成物の均一性、および成形物の耐水性について下記の方法によって評価した。
【0062】
(耐熱性)
電子レンジで600W、10分加熱処理後の外観変化で評価した。
○:変化なし、△:僅かな変化が見られた、×:変形した
(射出成形性)
物性評価に用いたダンベル型試験片の成形性で評価した。
○:正常、×:僅かに成形不良がでた
(組成物の均一性)
射出成形体の表面むらの有無で評価した。
○:均一な表面、△:僅かに凝集物が見られた、×:凝集物有り
(成形物の耐水性)
沸騰水、15分間処理後の重量変化率で評価した。
重量変化率=(煮沸処理後の重量/煮沸前の重量)×100
【0063】
この結果を下記表2に示すが、本発明で規定する要件を満足する実施例のものでは、従来の澱粉複合樹脂組成物と比較すると機械的強度が高かった。また比較例3では、酸変性オレフィン樹脂が添加されないので、成形して得られた樹脂成形物は脆いものであった。また界面活性剤を配合しなかった比較例4では、強度が更に低く、成形物の表面が不均一であった。
【0064】
【表2】
【0065】
実施例7
食パン製造工程からでた食パンの耳を乾燥し、粉砕したパン屑:40kg、コーンスターチ:10kgに、ソルビタンステアレート:1kgをヘンシェルミキサーにて10分間混合して混合物Aを製造した。次いで、タルク:10kg、ポリプロピレン樹脂:37kg、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂:1.5kgを秤量し、これを混合物Aに投入して均一に混合し、樹脂組成物とした。
【0066】
得られた樹脂組成物をニ軸押出機に投入し、100kg/時間の押出速度、130〜160℃、吐出圧5〜10kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0067】
実施例8
食パン製造工程からでた食パンの耳を乾燥し、粉砕したパン屑:40kg、コーンスターチ15kg、ソルビタンステアレート1kgとグリセリンジアセトモノラウレート:1kgをヘンシェルミキサーにて10分間混合し、混合物Aを製造した。次いで、タルク:10kg、ポリプロピレン樹脂:33kg、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂:1kgを秤量し、これを混合物Aに投入して均一に混合し、組成物とした。
【0068】
得られた樹脂組成物をニ軸押出機に投入し、100kg/時間の押出速度、130〜160℃、吐出圧:5〜10kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0069】
比較例5
実施例7の配合組成中の無水マレイン酸マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂だけを用いない以外は、実施例7と全く同じ条件で澱粉質複合樹脂組成ペレットを得た。
【0070】
参考例1
実施例8の配合組成中のグリセリンジアセトモノラウレートを用いない以外は、実施例8と全く同じ条件で澱粉質樹脂組成ペレットを得た。
【0071】
実施例7、8および比較例5並びに参考例1で得られた澱粉質複合樹脂組成ペレットを用いて射出成形機で所定の試験片を作成し、該複合樹脂組成物の物性を評価した。評価法は、張破断強度、引張破断伸長率、曲げ強度および曲げ弾性率については、上記と同様である。その他、上記した射出成形性を評価すると共に、下記の基準によって射出成形品の色合いと澱粉質樹脂組成物の臭いについても評価した。
(射出成形品の色合い試験)
○:変化なし、×:僅かな変化が見られた
(澱粉質樹脂組成物の臭い試験)
○:臭いなし、×:僅かに臭う
【0072】
この結果を下記表3に示すが、本発明で規定する要件を満足する実施例7、8のものでは、従来の澱粉複合樹脂組成物と比較すると機械的強度が高く、成形性、流動性に優れていた。特に、実施例のものでは、これらの特性に加えて、臭いも殆どなく、耐水性にも優れたものであった。
【0073】
これに対して、比較例5では、酸変性オレフィン樹脂が添加されないので、強度が低く、成形物の表面は不均一であり、しかもパンの臭いがした。また、界面活性剤を配合しなかった参考例1では、強度が若干低くなっており、また成形物の表面が不均一であった。
【0074】
【表3】
【0075】
実施例9
食パン製造工程からでた食パンの耳を粉砕したパン屑:40kg、コーンスターチ:16kg、タルク:5kg、ポリプロピレン樹脂:35kg、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(酸価28、軟化点107℃):2kg、尿素:0.5kg、ソルビタンステアレート:0.5kgおよびグリセリンモノステアレート:1kgを秤量し、混練機に投入し、十分に攪拌・混合して樹脂組成物とした。
【0076】
得られた組成物をニ軸押出機に投入し、100kg/時間の押出速度、130〜160℃、吐出圧:5〜10kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質樹脂組成ペレットを得た。
【0077】
実施例10
食パン製造工程からでた食パンの耳を粉砕したパン屑:40kg、コーンスターチ:5kg、ポリプロピレン樹脂:37.3kg、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(酸価28、軟化点107℃):2kgおよびソルビタンステアレート:0.5kgを秤量し、混練機に投入し、十分に攪拌・混合して混合物Aを得た。一方、タルク:10kgに3−アミノプロピルトリメトキシシラン200gをヘンシェルミキサーにて80℃で10分間混合し、混合物Bを製造した。
【0078】
これら混合物Aと混合物Bを混合して、ニ軸押出機に投入し、130〜160℃、吐出圧:15〜60kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質樹脂組成ペレットを得た。
【0079】
実施例11
コーンスターチ:65kg、タルク:2kg、ポリプロピレン樹脂:30kg、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(酸価28、軟化点107℃):1k、エポキシ化大豆油:1kg、グリセリンジアセトモノラウレート:0.5kgおよび水:3.5kgを秤量し、混練機に投入し、十分に攪拌・混合して、樹脂組成物とした。
【0080】
得られた組成物をニ軸押出機に投入し、130〜170℃、吐出圧:5〜30kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質樹脂組成物発泡体を得た。この発泡体は、発泡倍率:66倍で細かな弾力性を有するものであった。
【0081】
実施例12
上記実施例11で用いたポリプロピレン樹脂をポリエチレン樹脂に代える以外は、実施例11と同様にして澱粉質樹脂組成物発泡体を得た。この発泡体は、発泡倍率:72倍で細かな弾力性を有するものであった。
【0082】
実施例13
食パン製造工程からでた食パンの耳を粉砕したパン屑:40kg、コーンスターチ:26kg、ポリプロピレン樹脂:30.6kg、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(酸価28、軟化点107℃):1kg、エポキシ化大豆油:0.2kg、グリセリンジアセトモノラウレート:0.2kg、タルク:2kgおよび水:1.5kgを秤量し、混練機に投入し、十分に攪拌・混合して、樹脂組成物とした。
【0083】
得られた樹脂組成物をニ軸押出機に投入し、130〜170℃、吐出圧:15〜30kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質樹脂組成物の発泡体を得た。この発泡体は、発泡倍率:35倍で弾力性が有り、僅かにパンの香りがするものであった。
【0084】
比較例6
コーンスターチ:66kg、タルク:2kg、ポリプロピレン樹脂:31kg、エポキシ化大豆油:1kgおよび水:3.5kgを秤量し、混練機に投入し、十分に攪拌・混合して、樹脂組成物とした。
【0085】
得られた樹脂組成物をニ軸押出機に投入し、130〜170℃、吐出圧:5〜30kgf/cm2(ゲージ圧)の条件で、ダイ内径:2.5mmの吐出開口部より連続的に常圧下に吐出させて澱粉質樹脂組成物の発泡体を得た。この発泡体は、径:20mm、発泡倍率:20倍で硬く弾力性がないものであった。
【0086】
実施例9、10で得られた澱粉質複合樹脂組成ペレットを用いて射出成形機で所定の試験片を作成し、該複合樹脂組成物の物性(張破断強度、引張破断伸長率、曲げ強度、曲げ弾性率、射出成形性、澱粉質複合樹脂の均一性、射出成形品の臭い、および射出成形品の色合い)について、上記した各方法に従って評価した。また、実施例11〜13および比較例6の発泡体について、嵩密度と吸湿性について評価した。
【0087】
これらの結果を一括して下記表4に示すが、本発明で規定する要件を満足する実施例9、10のものでは、従来の澱粉複合樹脂組成物と比較すると様々な物性が優れていることが分かる。また、実施例11〜13の発泡体では、バラ状態衝材としての特性を発揮するものであった。これに対して、比較例6のものでは、耐水性が劣化しておりバラ状緩衝材としては使用しにくいものであった。
【0088】
【表4】
【0089】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、樹脂を均一にして優れた機械的特性を発揮することができると共に、流動性や成形加工性に優れた澱粉質系複合樹脂組成物、およびこうした樹脂組成物を成形して上記の特性を発揮することのできる成形物が実現でき、こうした成形物は食品包装容器、建築用資材、農業用資材、日用品等の幅広い成形材料として有用に用いることができる。
Claims (14)
- 熱可塑性樹脂、澱粉質系材料および相溶化剤を含むものであることを特徴とする澱粉質系複合樹脂組成物。
- 相溶化剤が、不飽和ジカルボン酸および/またはその酸無水物で変性された酸変性ポリオレフィン樹脂である請求項1に記載の澱粉質系複合樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂および/または生分解性樹脂である請求項1または2に記載の澱粉質系複合樹脂組成物。
- 生分解性樹脂が、ポリビニルアルコール系樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂および脂肪族・芳香族コポリエステル樹脂よりなる群から選択される1種または2種以上のものである請求項3に記載の澱粉質系複合樹脂組成物。
- 澱粉質系材料が、生澱粉、セルロース粉末、変性澱粉、セルロース粉末、セルロース誘導体、キトサン、製麺生地およびパン屑よりなる群から選択される1種または2種以上のものである請求項1〜4のいずれかに記載の澱粉質系複合樹脂組成物。
- 更に、改質剤を含むものである請求項1〜5のいずれかに記載の澱粉質系複合樹脂組成物。
- 改質剤が、エポキシ化油脂、尿素および脂肪族アミンよりなる群から選択される1種または2種以上のものである請求項6に記載の澱粉質系複合樹脂組成物。
- 更に、カップリング剤を含むものである請求項1〜7のいずれかに記載の澱粉質系複合樹脂組成物。
- カップリング剤が、チタネート系カップリング剤、シラン系カップリング剤およびアルミネート系カップリング剤よりなる群から選択される1種または2種以上のものである請求項8に記載の澱粉質系複合樹脂組成物。
- 更に、界面活性剤を含む請求項1〜9のいずれかに記載の澱粉質系複合樹脂組成物。
- 界面活性剤が、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリドおよび高級アルコール脂肪酸エステルよりなる群から選択される1種または2種以上のものである請求項10に記載の澱粉質系複合樹脂組成物。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の澱粉質系複合樹脂組成物を成形したものである成形物。
- 発泡体である請求項12に記載の成形物。
- バラ状緩衝材、発泡シート、型発泡体または射出成形発泡体である請求項13に記載の成形物。
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