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JP2004099704A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物 Download PDF

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JP2004099704A
JP2004099704A JP2002261874A JP2002261874A JP2004099704A JP 2004099704 A JP2004099704 A JP 2004099704A JP 2002261874 A JP2002261874 A JP 2002261874A JP 2002261874 A JP2002261874 A JP 2002261874A JP 2004099704 A JP2004099704 A JP 2004099704A
Authority
JP
Japan
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resin composition
polyester resin
acid
temperature
glycol
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002261874A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Suzuki
鈴木 稔
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Frontier Co Ltd
Original Assignee
Teijin Fibers Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Fibers Ltd filed Critical Teijin Fibers Ltd
Priority to JP2002261874A priority Critical patent/JP2004099704A/ja
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Abstract

【課題】結晶化しやすく、リサイクル時のハンドリング性が良好で、特に耐熱性を要求される包装材料(容器、ボトル、熱成形物、食器、シート、射出成形物)等の成形に有用なポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリエチレンナフタレート(A)99〜85重量%と、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位を酸成分とし、ヘキサメチレングリコール単位をグリコール成分とする熱可塑性ポリエステル(B)1〜15重量%とを溶融ブレンドする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル樹脂組成物に関し、更に詳しくは、結晶化しやすく、リサイクル時のハンドリング性が良好で、特に耐熱性を要求される包装材料(容器、ボトル、熱成形物、食器、シート、射出成形物)等として有用なポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、炭酸飲料、果汁飲料、アルコール飲料、茶やミネラルウォーター等の飲料、液体調味料、食用油、液体洗剤、化粧品等のボトル容器として、ポリエチレンテレフタレート樹脂が、優れた機械的性質および化学的特性に加え、その優れた透明性、気体遮断性、安全衛生性等の面から注目され、著しい伸びを示しているが、近年、小容量の容器として、ポリエチレンテレフタレート樹脂に替えて、耐熱性、気体遮断性等の優れるポリエチレンナフタレートが注目され、一部実用化が開始されている。
【0003】
原料にポリエステルを使用した場合に、結晶性を向上する例が知られている(例えば文献1参照。)。
【0004】
ポリアルキレンナフタレートを使用した場合に、結晶性を向上する例としては、ガラス転移温度が該ポリアルキレンナフタレートのガラス転移温度以下であるポリイミドとを混合するもの(例えば文献2参照。)や、ポリアルキレンナフタレートに、数平均分子量が6000を越えるポリテトラメチレングリコールを共重合したもの(例えば文献2参照。)が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−105807号公報(段落番号0009,0044)
【0006】
【特許文献2】
特開平10−330604号公報(段落番号0007〜0009)
【0007】
【特許文献3】
特開平11−130868号公報(段落番号0007〜0009)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリエチレンナフタレートは、従来より使用されているポリエチレンテレフタレートに比べて、結晶化速度が小さく、ボトル等の成形時の熱処理に時間を要するという問題があった。
【0009】
すなわち、ポリエチレンナフタレート製のボトルは、その胴部については、成形時に延伸による配向が起こる結果、耐熱性が向上するものの、その口部については延伸による配向が起こらず、熱い液体を収容したり、充填後の高温加熱処理による殺菌を行うためには、この口部の熱処理による結晶化が必要となるため、結晶化速度が小さいということは大きな弱点となっていた。
【0010】
さらに、この小さい結晶化速度は、ポリエチレンナフタレート製のボトルをリサイクルする場合にも弱点となっていた。即ち、リサイクル時には、前もって結晶化・乾燥処理を行うことが必要であるが、ポリエチレンナフタレートの結晶化速度が小さいことはこの処理の効率を低下させる原因となっていた。
【0011】
本発明は、このような問題点を解決し、結晶化しやすく、リサイクル時のハンドリング性が良好なポリエステル樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、ポリエチレンナフタレート(A)99〜85重量%と、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位を酸成分とし、ヘキサメチレングリコール単位をグリコール成分とする熱可塑性ポリエステル(B)1〜15重量%とを溶融ブレンドしてなるポリエステル樹脂組成物が提供される。
【0013】
固体状態からの昇温における結晶化温度が155℃〜195℃であること、ガラス転移温度が105℃〜115℃であること、融解温度が260〜265℃であり、そのピークが1つであることが好ましい。透明性(ヘーズ)と結晶化挙動とのバランスが好ましい範囲になるからである。
【0014】
本発明の一態様によれば、このポリエステル樹脂組成物がボトル成形品である。結晶化しやすく、リサイクル時のハンドリング性が良好であり、用途として有用であるからである。
【0015】
なお、以下に説明する発明の実施の形態の中で、本発明の更なる特徴が明らかにされる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を表、実施例等を使用して説明する。なお、これらの表、実施例等及び説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
【0017】
[ポリエチレンナフタレート(A)]
本発明において、ポリエチレンナフタレートとしては、2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのアルキル(炭素数1〜4程度)エステルを主たるジカルボン酸系化合物とし、エチレングリコールを主たるグリコール系化合物としてなる重縮合体であつて、重縮合体中のエチレンナフタレート単位が全構成単位の90モル%以上を占めることが好ましく、特に95モル%以上を占めることが好ましい。
【0018】
更に、2,6−ナフタレンジカルボン酸およびそのアルキルエステル以外のジカルボン酸系化合物として、たとえば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、また、エチレングリコール以外のグリコール系化合物として、たとえば、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等の脂肪族グリコール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式グリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族グリコール、更に、たとえば、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、等の一種または二種以上を、共重合成分として使用することができる。
【0019】
また、これらの2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのアルキルエステルを主たるジカルボン酸系化合物とし、エチレングリコールを主たるグリコール系化合物として含む原料は、常法により、エステル化触媒またはコバルト、マンガン、チタン、カルシウム、マグネシウム等の金属化合物等のエステル交換触媒の存在下、200〜280℃程度の温度、9.8×10〜3.0×10Pa程度の圧力でエステル化反応またはエステル交換反応を行ってビス(β−ヒドロキシエチル)ナフタレンジカルボキシレートおよび/またはそのオリゴマーとした後、ゲルマニウム、チタン、アンチモン等の金属化合物等の重縮合触媒および燐酸等の燐化合物等の安定剤の存在下、250〜300℃程度の温度、6.7×10〜10Pa程度の圧力で溶融重縮合を行ってポリマーとすることができる。
【0020】
更に、溶融重縮合により得られたポリマーを、通常、120〜210℃程度の温度で1分間以上加熱して予備結晶化した後、窒素等の不活性ガス流通下、190〜235℃程度の温度、9.8×10〜10Pa程度の圧力で1〜30時間、固相重合を行ってポリエチレンナフタレートとすることができる。
【0021】
ポリエチレンナフタレート(A)の固有粘度は、好ましくは0.5〜1.0、更に好ましくは、0.6〜0.8、更に好ましくは0.6〜0.7である。固有粘度が0.5より低いと、衝撃強度が低下したり、延伸成形性が低下するなどの物性低下があり、好ましくない。また、固有粘度が、1.0より高いと、生産性が悪く、延伸成形性が低下するなど好ましくない。
【0022】
[熱可塑性ポリエステル(B)]
熱可塑性ポリエステル(B)は、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位を主たる酸成分とし、ヘキサメチレングリコール単位を主たるグリコール成分とする熱可塑性ポリエステルである。
【0023】
2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのアルキル(炭素数1〜4程度)エステルを主たるジカルボン酸系化合物とし、ヘキサメチレングリコールを主たるグリコール系化合物としてなる重縮合体であつて、重縮合体中のヘキサメチレンナフタレート単位が全構成単位の90モル%以上を占めることが好ましく、特に95モル%以上を占めることが好ましい。
【0024】
更に、2,6−ナフタレンジカルボン酸およびそのアルキルエステル以外のジカルボン酸系化合物として、たとえば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、また、ヘキサメチレングリコール以外のグリコールとして、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等の脂肪族グリコール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式グリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族グリコール、更に、たとえば、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、等の一種または二種以上を、共重合成分として使用することができる。
【0025】
また、これらの2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのアルキルエステルを主たるジカルボン酸系化合物とし、ヘキサメチレングリコールを主たるグリコール系化合物として含む原料は、常法により、エステル化触媒またはコバルト、マンガン、チタン、カルシウム、マグネシウム等の金属化合物等のエステル交換触媒の存在下、190〜230℃程度の温度、9.8×10〜3.0×10Pa程度の圧力でエステル化反応またはエステル交換反応を行ってビス(β−ヒドロキシヘキシル)ナフタレンジカルボキシレートおよび/またはそのオリゴマーとした後、ゲルマニウム、チタン、アンチモン等の金属化合物等の重縮合触媒および燐酸等の燐化合物等の安定剤の存在下、240〜270℃程度の温度、6.7×10〜10Pa程度の圧力で溶融重縮合を行ってポリマーとすることができる。
【0026】
更に、溶融重縮合により得られたポリマーは、固相重合を行ってもよい。
【0027】
熱可塑性ポリエステル(B)の固有粘度は、好ましくは0.5〜1.0、更に好ましくは、0.6〜0.9、更に好ましくは0.7〜0.8である。固有粘度が0.5より低いと、衝撃強度が低下し好ましくない。また、固有粘度が、1.0より高いと、生産性が悪く好ましくない。
【0028】
[組成比率]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエチレンナフタレート(A)99〜85重量%と、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位を酸成分とし、ヘキサメチレングリコール単位をグリコール成分とする熱可塑性ポリエステル(B)1〜15重量%とを溶融ブレンドしてなるポリエステル樹脂組成物である。好ましくは、ポリエチレンナフタレート(A)97〜93重量%と、熱可塑性ポリエステル(B)3〜7重量%とを溶融ブレンドしてなるポリエステル樹脂組成物である。
【0029】
熱可塑性ポリエステル(B)の量が、1重量%より少ないと結晶化速度が遅く好ましくなく、15重量%より多いと組成物のガラス転移温度が低下し、耐熱性が低下したり、ポリエチレンナフタレート(A)との相溶化速度が遅く、透明性が低下するため、好ましくない。
【0030】
また、ポリエチレンナフタレート(A)の量が99重量%より多いと、結晶化速度が遅く好ましくなく、85重量%より少ないと、熱可塑性ポリエステル(B)との相溶化速度が遅く、透明性が低下するため、好ましくない。
【0031】
なお、上記のポリエチレンナフタレート(A)と熱可塑性ポリエステル(B)との割合は、両者を合わせて100重量%とした場合の値である。従って、その他の成分をブレンドする場合には、それらを除外した割合である。
【0032】
[ポリエステル樹脂組成物の製造方法]
ポリエチレンナフタレート(A)と熱可塑性ポリエステル(B)とは、たとえば単軸押出機、二軸押出機、射出成形機、製膜機を用いて溶融ブレンドすることにより本発明のポリエステル樹脂組成物とすることができる。溶融ブレンドにおいては、各成分が均一にミクロ分散することが好ましいが、部分的に反応してブロック共重合化しても良い。そのため、溶融混練する際の温度は、混練設備およびポリエチレンナフタレート(A)と熱可塑性ポリエステル(B)との混合比などにより異なるが、290℃〜330℃が好ましくし、滞留時間は70秒〜180秒の範囲が好ましい。
【0033】
また、得られる組成物の透明性(ヘーズ値)はブレンド物の厚さ300μmのボトル胴部で10%以下が好ましく、さらに好ましくは5%以下であり、より好ましくは3%以下である。
【0034】
なお、本発明に係るポリエステル樹脂組成物には、成形物の状態にあるものの他に、成形前のペレットとしての状態にあるものも含まれる。
【0035】
[結晶化温度・ガラス転移温度・融解温度]
本発明のポリエステル樹脂組成物の固体状態からの昇温における結晶化温度は155℃〜195℃が好ましい。
【0036】
この結晶化温度は、更に好ましくは160℃〜185℃、より好ましくは160℃〜180℃の範囲である。155℃より低いと結晶化が速過ぎ、加熱工程で結晶化し、透明性が低下するため、好ましくなく、195℃より高いと結晶化促進効果が小さく好ましくない。
【0037】
固体状態からの昇温におけるガラス転移温度は105℃〜115℃であることが好ましい。ガラス転移温度が105℃より低いと、包装容器などでの殺菌を目的とした内容物充填後の熱処理の際、または、加熱殺菌処理を施された高温の内容物を充填する際に変形が大きく好ましくない。さらに、樹脂成形物として使用する場合にも、高温下での使用が想定されることから、上記の変形が問題になり得るため、好ましくない場合が多い。
【0038】
更に、固体状態からの昇温における融解温度は、260〜265℃の範囲であり、そのピークが1つであることが好ましい。本温度範囲に2つの融解温度ピークがあると、相溶性が悪く、透明性低下の原因となるため、好ましくない。
【0039】
なお、本発明において、結晶化温度・ガラス転移温度・融解温度を測定する場合における「固体状態」とは成形品等の、溶融ブレンドした後固化した状態を意味する。
【0040】
[添加剤]
ポリエステル樹脂組成物には、充填剤、滑剤、着色剤、光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、その他各種添加剤を併用することが可能である。
【0041】
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物およびベンゾオキサジン系化合物よりなる群から選ばれる化合物が挙げられる。
【0042】
ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)4,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル−4−メチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノールが挙げられるが、中でも2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノールが好ましく用いられる。
【0043】
トリアジン系化合物としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、1,5,8,12−テトラキス[4,6−ビス(N−ブチル−N−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,5,8,12−テトラアゾドデカンが挙げられるが、中でも2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノールが好ましく用いられる。
【0044】
ベンゾフェノン系化合物としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンが挙げられる。
【0045】
シアノアクリレート系化合物としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートが挙げられる。
【0046】
ベンゾオキサジン系化合物としては、2−p−メトキシフェニル(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−α−ナフチル(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−β−ナフチル(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−p−フタルイミドフェニル(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−または1,5−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゼンが挙げられるが、中でも、2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好ましく用いられる。
【0047】
着色剤としては、酸化物顔料、フェロシアン化物顔料、珪酸塩顔料、リン酸塩顔料、カーボンブラック、縮合多環顔料およびフタロシアニン顔料からなる群より選ばれる顔料が挙げられる。
【0048】
酸化物顔料としては、二酸化チタン、酸化第2鉄(べんがら)、酸化クロム、コバルトブルー(酸化コバルト・酸化アルミニウム複合酸化物系顔料)、酸化亜鉛(亜鉛華)、四三酸化鉛(鉛丹)、酸化第一銅(亜酸化銅)、チタンニッケルイエローを例示することができる。
【0049】
フェロシアン化物顔料としては、紺青を例示することができる。
【0050】
リン酸塩顔料としては、マンガンバイオレットを例示することができる。
【0051】
縮合多環顔料としては、アントラキノン顔料を例示することができる。
【0052】
フタロシアニン顔料としては、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニン、フタロシアニングリーン、ファストスカイブルーを例示することができる。
【0053】
珪酸塩顔料としては、群青、タルク、ホワイトカーボンを例示することができ、ホワイトカーボンとして好ましくは、無水珪酸、含水珪酸、含水珪酸マグネシウム、含水珪酸カルシウム、含水珪酸アルミニウムである。
【0054】
熱安定剤(酸化防止剤)としては、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系、リン系が挙げられる。
【0055】
モノフェノール系としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが挙げられる。この中でも、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
【0056】
ビスフェノール系としては、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)が挙げられる。
【0057】
高分子型フェノール系としては、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、α−トリコロールが挙げられる。
【0058】
この中でも、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが好ましい。
【0059】
リン系としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイトが挙げられる。
【0060】
この中での、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
【0061】
光安定剤としては、ヒンダードアミン系が挙げられ、チバ・スペシャリティ・ケミカル社のTinuvin−622,旭電化社のADK STAB LA−57,LA77,LA67等が挙げられる。
【0062】
[成形物]
本発明のポリエステル樹脂組成物よりなる成形物は、中空成形物、フィルムおよびシート、樹脂成形物が挙げられ、これら成形物は、単層でも、本発明の組成物を表層または中間層とした多層でも良い。
【0063】
[成形物の製造方法]
中空成形物を製造する方法は、射出ユニットとブローユニットとが一体となったホットパリソン法、射出ユニットとブローユニットとが別の設備であるコールドパリソン法、ダイレクトブロー法、インジェクションブロー法、押出しブロー法、または、一旦シートおよびフィルム状に加工した後、熱成形する方法が挙げられる。
【0064】
フィルムおよびシートを製造する方法は、単軸または2軸押出し機より、無延伸フィルムおよびシートを製膜する方法、さらに1軸、2軸延伸する方法およびインフレーション成形法が挙げられる。
【0065】
樹脂成形物を成形する方法は、射出成形、ガスインジェクション成形、押出し成形、圧縮成形などが挙げられる。
【0066】
【実施例】
以下、実施例を挙げてさらに詳細に説明する。なお、例中の特性は下記の方法で測定した。
【0067】
(1)ヘーズ値(透明性)
ボトルの胴部の任意の箇所から厚み300μmのサンプルを切り出し、日本電色工業製Color and color diference meter(MODEL1001DP)にて測定した。
【0068】
(2)ガラス転移温度(Tg)、結晶性(Tci)、融点(Tm)、固有粘度(IV)
ボトルの場合は口部からサンプルを切り出し、DuPont製DSC(MODEL2200)にて、昇温速度5℃/min.で測定した。
【0069】
IVは、テトラクロロエタン:フェノール=4:6(重量比)にて25℃にて測定した。
【0070】
(3)口部結晶化状態(結晶性)評価
ボトル口部を遠赤外線(坂口電熱(株)社製、ファーストクオーツヒーター、出力1kW)を用いて、3cmの距離一定で、80秒加熱し、結晶化を目視で確認した。評価は次のようにした。
【0071】
透明 ;結晶化が進んでいない。×(不良)
半透明;結晶化が進み始めている。○(可)
不透明;結晶化し、白色に変化している。◎(良好)
(4)リサイクルのハンドリング性評価
実施例および比較例の成形プリフォームを粉砕機で1〜3mm程度の大きさに粉砕後、160℃の乾燥機中で、3時間結晶化処理した後の結晶化状態を目視で確認した。評価は(3)と同様にした。
【0072】
[参考例1](ポリエチレンナフタレート(A))
帝人化成(株)社製ポリエチレンナフタレート(商標;TEONEX、グレード名;TN8065S)を準備した。固有粘度は0.68であった。
【0073】
[参考例2](熱可塑性ポリエステル(B)の製造)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部とヘキサメチレングリコール50重量とを、テトラ−t−ブトキシチタンを触媒として用い、副生するメタノールを系外に留去させかつ220℃まで加熱昇温しながらエステル交換反応させ、次いで、反応生成物を、245℃、高真空下で重縮合反応させて、固有粘度0.80のポリマーを得た。
【0074】
[実施例1]
参考例1で得たポリエチレンナフタレート(A)99重量部と参考例2で得た熱可塑性ポリエステル(B)1重量部とを、インライン式名機製作所製射出成形機M−100DMにて、シリンダー設定305℃、スクリュー回転数160回転/分(rpm)、成形サイクル50sec、滞留時間150secの条件で溶融混練し、射出して、重量55gのプリフォームを得た。引き続き、このプリフォームをKRUPP CORPOPLAST社製LB01にてブロー成形し、ボトル成形物を得た。ボトルは内容積約1.5L(リットル)で平均胴部厚みは約300μmであった。評価結果を表1,2に示す。
【0075】
[実施例2〜5、比較例1,2]
実施例1と同様に、表1に記載の原料で成形し、評価した。結果を表1,2に示す。
【0076】
[実施例6]
参考例1で得たポリエチレンナフタレート(A)94重量部と参考例2で得た熱可塑性ポリエステル(B)1重量部とに、更に実施例3の操作で得た成形物を粉砕し結晶化したリサイクルポリエステル樹脂組成物を5重量部添加した後、名機製作所射出成形機M−100DMにて、シリンダー設定温度305℃、スクリュー回転数160回転/分、成形サイクル50秒、滞留時間90秒の条件で溶融混練し、射出して、重量55gのプリフォームを得た。引き続き、このプリフォームをKRUPP CORPOPLAST社製LB01にてブロー成形した。ボトルは内容積約1.5リットルで平均胴厚みは約300μmであった。結果を表1,2に示す。
【0077】
[比較例3]
参考例1で得たポリエチレンナフタレート(A)95重量部に、更に比較例1の操作で得た成形物を粉砕し結晶化したリサイクルポリエステル樹脂組成物を5重量部添加した後、名機製作所射出成形機M−100DMにて、シリンダー設定温度305℃、スクリュー回転数160回転/分、成形サイクル50秒、滞留時間90秒の条件で溶融混練し、射出して、重量55gのプリフォームを得た。引き続き、このプリフォームをKRUPP CORPOPLAST社製LB01にてブロー成形した。ボトルは内容積約1.5リットルで平均胴厚みは約300μmであった。結果を表1,2に示す。
【0078】
【表1】
Figure 2004099704
【0079】
【表2】
Figure 2004099704
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、結晶化しやすく、リサイクル時のハンドリング性が良好で、特に耐熱性を要求される包装材料(容器、ボトル、熱成形物、食器、シート、射出成形物)等の成形に有用なポリエステル樹脂組成物を提供できる。

Claims (5)

  1. ポリエチレンナフタレート(A)99〜85重量%と、
    2,6−ナフタレンジカルボン酸単位を酸成分とし、ヘキサメチレングリコール単位をグリコール成分とする熱可塑性ポリエステル(B)1〜15重量%とを溶融ブレンドしてなるポリエステル樹脂組成物。
  2. 固体状態からの昇温における結晶化温度が155℃〜195℃である、請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 固体状態からの昇温におけるガラス転移温度が105℃〜115℃である、請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 固体状態からの昇温における融解温度が260〜265℃であり、そのピークが1つである請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. ボトル成形品である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
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