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JP2004098733A - 内装トリムにおけるクリップ取付座 - Google Patents

内装トリムにおけるクリップ取付座 Download PDF

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JP2004098733A JP2002259856A JP2002259856A JP2004098733A JP 2004098733 A JP2004098733 A JP 2004098733A JP 2002259856 A JP2002259856 A JP 2002259856A JP 2002259856 A JP2002259856 A JP 2002259856A JP 2004098733 A JP2004098733 A JP 2004098733A
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Abstract

【課題】内装トリムを車体パネルに取り付ける際、金属クリップが車体パネルを傷付けることがなく、しかも、内装トリムのロケート作業を簡単かつ精度良く行なえるクリップ取付座を提供する。
【解決手段】クリップ取付座20のサポート支柱23の終端側に一体成形されるクリップ脱落防止用リブ50の先端部51を金属クリップ30の先端部32よりも高位置に設定して、車体パネル40にクリップ脱落防止用リブ50先端を先当りさせて、金属クリップ30による車体パネル40への傷付きを防止する。また、クリップ脱落防止用リブ50の上部側の形状を左右ほぼ対称となるテーパー状に設定することで、車体パネル40の取付孔41内にクリップ脱落防止用リブ50の先端を挿入した後、単に内装トリム10を押し込むことで、内装トリム10を適正位置にガイドする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内装トリムを車体パネルの室内側に金属クリップを介して取り付けるにあたり、金属クリップを保持するために内装トリム裏面に設けられるクリップ取付座に係り、特に、車体パネルに対する内装トリムのロケート作業時に金属クリップにより車体パネルが傷付くことを防止でき、しかも、迅速かつ確実に内装トリムのロケート作業が行なえる内装トリムにおけるクリップ取付座に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、車両の側壁パネルには、各種内装部品が装着されている。例えば、図13は、車両のセンターピラーパネルの室内側に取り付けられるセンターピラートリムアッパー1とセンターピラートリムロア2とを室内側から示す外観図であり、センターピラートリムアッパー1を車体パネルに取り付けるには、図14に示すように、センターピラートリムアッパー1の裏面に形成されているクリップ取付座3に装着した金属クリップ4を車体パネル5の取付孔5aに係着することにより、センターピラートリムアッパー1が車体パネル5に取り付けられる。
【0003】
そして、実際の取付作業は、車体パネル5の取付孔5aに金属クリップ4が適正位置に対応するようにセンターピラートリムアッパー1をロケートした後、センターピラートリムアッパー1の表面側から手で叩き込むことにより、金属クリップ4が車体パネル5の取付孔5a内に嵌着することで、センターピラートリムアッパー1が車体パネル5に対して確実に取り付けられる。
【0004】
次いで、上記センターピラートリムアッパー1に金属クリップ4を装着するためのクリップ取付座3の構成は、センターピラートリムアッパー1の成形金型内にスライドコア等を付設することにより、センターピラートリムアッパー1の裏面にクリップ取付座3を一体成形する。このクリップ取付座3は、図15に示すように、左右両側壁3a,3b間にサポートプレート3cが形成され、このサポートプレート3cの中央に金属クリップ4を支持するサポート支柱3dが一体成形されている。
【0005】
そして、サポートプレート3cと側壁3a,3bとで金属クリップ4の端末フランジ4a,4bをガイドするレール部が形成され、金属クリップ4の端末フランジ4a,4bをこのレール部にスライド装着するとともに、サポート支柱3dを覆うように金属クリップ4をスライド装着させるが、サポート支柱3dの終端側には、金属クリップ4の脱落を防止するためのクリップ脱落防止用リブ6が形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
従って、金属クリップ4をクリップ取付座3にスライド装着する際、金属クリップ4をクリップ脱落防止用リブ6に突き当ることにより、クリップ取付座3に対する金属クリップ4の適正位置での装着を可能としている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−334108号公報 (第2頁、図6)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、センターピラートリムアッパー1は、裏面に設けられたクリップ取付座3に装着した金属クリップ4を介して車体パネル5に取り付けられるが、従来のクリップ取付座3においては、クリップ取付座3に金属クリップ4を装着した状態においては、クリップ取付座3に設けられているクリップ脱落防止用リブ6の先端6aに対して金属クリップ4の先端4cが高位置にあるため、図16に示すように、車体パネル5に対してセンターピラートリムアッパー1をロケートする際、金属クリップ4の先端4cが車体パネル5の塗装面を擦るため、車体パネル5の錆止め用塗膜が剥がれ、錆発生の大きな要因となっている。
【0009】
また、図17に示すように、車体パネル5の取付孔5aに対して金属クリップ4が適正位置に対応していない場合に、センターピラートリムアッパー1の表面側から手で叩き込んでセンターピラートリムアッパー1を装着すれば、クリップ取付座3が破損するという不具合が生じる。
【0010】
更に、金属クリップ4を車体パネル5の取付孔5aに対して上下方向はもとより、左右方向の適切なロケート作業が必要となり、このロケート作業は、取付孔5aが目視できないため、煩雑で熟練を要することから、ロケート作業性を向上させることが急務とされていた。
【0011】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車体パネルに対して金属クリップを介して内装トリムを取り付ける際、金属クリップにより車体パネル面が傷付くことを回避できるとともに、車体パネルの取付孔に金属クリップを迅速かつ精度良く位置決めできることで、取付作業性を高め、かつロケートズレが原因となるクリップ取付座の破損を未然に防止できるようにした内装トリムにおけるクリップ取付座を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、内装トリムを車体パネルの室内側に取り付けるにあたり、車体パネルの取付孔に装着するための金属クリップを保持するために、内装トリムの裏面に設けられたクリップ取付座であって、前記クリップ取付座は、金属クリップをスライド装着するサポート支柱が設けられ、このサポート支柱の挿入終端側にクリップ脱落防止用リブが形成されているとともに、このクリップ脱落防止用リブの先端部は、スライド装着される金属クリップの先端部よりも高位置に設定され、金属クリップの車体パネルに対する先当りを回避することを特徴とする。
【0013】
ここで、内装トリムとしては、センターピラートリムアッパー、センターピラートリムロア等の各種ピラートリムなどのように、合成樹脂成形体から構成され、裏面に一体に形成されたクリップ取付座に保持された金属クリップを介して車体パネルの室内側に取り付けられる部品全般に適用できる。
【0014】
クリップ取付座は、左右側壁が内装トリム裏面からパネル側に向けて立設され、この側壁間に形成される着座プレートに金属クリップを支持するサポート支柱がパネル側に向けて立設形成され、着座プレートと両側壁上部との間で金属クリップの端末フランジを挿入するレール部が形成されている。
【0015】
そして、金属クリップによりサポート支柱を両側から挟み込むように、また、金属クリップの端末フランジをレール部に沿ってスライドさせて、クリップ取付座に金属クリップを装着する。
【0016】
以上の構成から明らかなように、クリップ取付座に金属クリップをスライド装着した際、サポート支柱の終端側にクリップ脱落防止用リブが形成されているため、金属クリップはクリップ脱落防止用リブに突き当ることで、金属クリップをクリップ取付座の適正位置に保持できることは勿論、車体パネルに対して内装トリムを取り付ける際、車体パネルの取付孔に対して金属クリップをロケートする作業において、金属クリップの先端部分に対してクリップ脱落防止用リブ先端部分が高位置にあるため、車体パネルには樹脂製のクリップ脱落防止用リブが先当りし、金属クリップが車体パネルを擦ることがないことから、車体パネル塗膜面の傷付き等を未然に防止できる。
【0017】
更に、本発明の別の実施形態は、前記クリップ脱落防止用リブの先端部が左右対称のテーパー状に形成されていることにより、クリップ脱落防止用リブを取付孔内に挿入する際、金属クリップの幅方向に沿うガイド性が付与されていることを特徴とする。
【0018】
従って、クリップ脱落防止用リブの形状は、その先端側が左右対称のテーパー状に傾斜しているため、内装トリムを車体パネルにロケートする際、クリップ脱落防止用リブのテーパー形状がガイドとして機能するため、金属クリップの幅方向に沿う位置規制が行なわれ、内装トリムのロケート作業を簡単かつ精度良く行なえ、ロケートズレが原因となるクリップ取付座の破壊を未然に防止できる。
【0019】
また、本発明の別の実施態様は、前記クリップ取付座に設けられるクリップ脱落防止用リブには、左右両側に係止溝が設けられ、車体パネルの取付孔縁部にこの係止溝を係着させることにより、車体パネルに対して内装トリムの仮止めが行なわれることを特徴とする。
【0020】
そして、この実施態様においては、内装トリムを車体パネルの適正位置に仮固定した状態で保持できることから、作業者が仮止め状態で内装トリムを保持する手間が省け、車体パネルへの内装トリムの取り付けを簡単かつ円滑に行なえる。
【0021】
更に、本発明の別の好ましい実施態様としては、前記クリップ脱落防止用リブの上部側には、該リブのプレート内面から直交する方向に沿って延びる直交リブが一体化され、この直交リブの上端縁を傾斜縁部とすることで、クリップ脱落防止用リブを取付孔内に挿入する際、金属クリップの奥行き方向に沿うガイド性が付与されていることを特徴とする。
【0022】
そして、クリップ脱落防止用リブのプレート面からサポート支柱側に向けて直交リブが延在しており、この直交リブは、上端縁が先端に向かうに連れて下り傾斜となる形状に設定されているため、車体パネルの取付孔に金属クリップを仮止めする際、クリップ脱落防止用リブの先端側に設けられたテーパー形状で金属クリップの幅方向に沿う位置規制がなされるとともに、クリップ脱落防止用リブから直交方向に延びるこの直交リブにより金属クリップの幅方向と直交する方向(奥行き方向)の位置規制も行なわれることになり、より適切なロケート作業が可能となる。
【0023】
また、この直交リブの下端縁に金属クリップのクリップ取付座に対する幅方向のバラツキを規制する二股状の位置ズレ規制片を設ければ、クリップ取付座に対する金属クリップの取付位置を奥行き方向と幅方向の双方向で金属クリップの位置規制を行なうことができる。
【0024】
更に、好ましい実施態様としては、クリップ脱落防止用リブに上端縁が下り傾斜となる直交リブを直交する方向に付設する際、クリップ脱落防止用リブの上部側をサポート支柱側に向けて折曲状に設定すれば、幅方向と奥行き方向において直交リブの上端縁とクリップ脱落防止用リブの折曲面の両者で幅方向と奥行き方向に沿う内装トリムの位置規制を確実に行なうことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内装トリムにおけるクリップ取付座の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
図1乃至図6は本発明に係る内装トリムにおけるクリップ取付座の第1実施形態を示し、図1はクリップ取付座の形状を示す全体図、図2は同クリップ取付座に装着した金属クリップを介して内装トリムを車体パネルに取り付けた状態を示す断面図、図3,図4は内装トリムを車体パネルに取り付ける際のロケート作業を示す各説明図、図5は本発明に係るクリップ取付座の第1実施形態の変形例を示すクリップ取付座の斜視図、図6は同クリップ取付座を使用した内装トリムの取付作業手順を示す各説明図である。
【0027】
また、図7乃至図12は本発明に係る内装トリムにおけるクリップ取付座の第2実施形態を示すもので、図7はクリップ取付座に金属クリップを装着した状態を示す斜視図、図8は同クリップ取付座を使用した際の内装トリムの取付構造を示す説明図、図9は金属クリップを装着した状態のクリップ取付座の斜視図、図10は同クリップ取付座の変形例を示す側面図、図11は、更にその変形例を示す斜視図、図12は同クリップ取付座の正面図である。
【0028】
まず、図1乃至図6に基づいて本発明に係るクリップ取付座の第1実施形態について説明する。図1,図2において、内装トリム10は、従来例の図13に示すセンターピラートリムアッパー1やセンターピラートリムロア2など、合成樹脂の射出成形体、あるいはモールドプレス成形体から構成されるもの全般に適用できる。
【0029】
そして、この内装トリム10の裏面には、クリップ取付座20が一体成形されており、このクリップ取付座20に装着される金属クリップ30を車体パネル40の矩形状の取付孔41内に係着させることで、内装トリム10を車体パネル40に固定する。尚、取付孔41において、長辺側縁部41a、短辺側縁部41bとする。
【0030】
更に詳しくは、内装トリム10は、ポリプロピレン(PP)樹脂、ABS樹脂等、汎用の合成樹脂を素材として、図示しない成形金型により所望の曲面形状に成形されるが、内装トリム10の裏面に一体成形されるクリップ取付座20は、成形型にスライドコアを付設することにより、アンダーカット状に成形される。
【0031】
このクリップ取付座20は、内装トリム10の裏面から面直方向に立設する左右一対の側壁21a,21b間に着座プレート22が両側壁21a,21bを連結するように内装トリム10の裏面とほぼ平行状に形成され、着座プレート22の中央には、内装トリム10を車体パネル40に取り付ける際、車体パネル40側に向くように、サポート支柱23が金属クリップ30の取付方向に沿って条設されている。実際に、金属クリップ30をこのクリップ取付座20に取り付けるには、金属クリップ30の両端末をそれぞれ外方に向けて折曲した端末フランジ31a,31bをクリップ取付座20における着座プレート22と両側壁21a,21bとの間で形成されるレール部24a,24bに収容し、サポート支柱23の両側から金属クリップ30を挟み付けるようにスライド操作して、金属クリップ30をクリップ取付座20に装着する。
【0032】
ところで、本発明に係るクリップ取付座20の構造上の特徴は、クリップ取付座20におけるサポート支柱23の終端側に設けられるクリップ脱落防止用リブ50の形状に工夫を加えることにより、車体パネル40の錆付きを防止するとともに、内装トリム10を車体パネル40に円滑に取り付けることにある。
【0033】
すなわち、クリップ脱落防止用リブ50は、上述したようにクリップ取付座20におけるサポート支柱23の終端側に一体化されるが、このクリップ脱落防止用リブ50は、構成の特徴として、サポート支柱23を左右から挟み込むように取り付けられる金属クリップ30の脱落を防止する機能を持つことは勿論であるが、金属クリップ30の先端部32よりもクリップ脱落防止用リブ50の先端部51を高位置に設定する(図1中符号dで示す寸法差がある)ことが構造上の第1の特徴である。
【0034】
そして、クリップ脱落防止用リブ50は、先端側が左右ほぼ対称となるテーパー状に設定されている。すなわち、先端部51からそれぞれ左右側は傾斜縁部52a,52bとなる左右テーパー状に設定されていることが構造上の第2の特徴である。
【0035】
次いで、図3,図4に基づいて、本発明に係るクリップ取付座20を使用した際の作用について説明する。まず、金属クリップ30をクリップ取付座20に装着した状態で、内装トリム10を車体パネル40に対して位置決めする際、作業者は、内装トリム10の裏面側に設けられているクリップ取付座20や金属クリップ30を目視できないため、車体パネル40に内装トリム10をロケートする際、図3に示すように、金属クリップ30の先端部32に対してクリップ脱落防止用リブ50の先端部51が車体パネル40に先当りすることになる。従って、金属クリップ30と車体パネル40とが直接触れることがなく、クリップ脱落防止用リブ50の材質が樹脂であり、先端部51がやや丸みを帯びた形に形成されているため、車体パネル40の塗膜面が傷付くことがなく、従来のように金属クリップが触れることで塗膜が剥がれる等の不具合を有効に解決でき、車体パネル40の錆付きを未然に防止することができる。
【0036】
そして、実際の内装トリム10のロケート作業においては、図4に示すように、車体パネル40の取付孔41にクリップ取付座20におけるクリップ脱落防止用リブ50の先端部51がまず進入し、この状態で内装トリム10を車体パネル40側に更に近づければ、車体パネル40の取付孔41の縁部41aがクリップ脱落防止用リブ50の傾斜縁部52a,52bに摺接することで、内装トリム10を図4中矢印方向にスライドさせ、適正なロケート位置に位置決めできる。
【0037】
このように、本発明に係るクリップ取付座20の第1実施形態においては、金属クリップ30を装着支持するクリップ取付座20におけるサポート支柱23の終端側に金属クリップ30の先端部32よりも高位置にクリップ脱落防止用リブ50が一体化されており、このクリップ脱落防止用リブ50の先端側の形状は、左右ほぼ対称なテーパー状となり、先端部51からそれぞれ傾斜縁部52a,52bが左右側に形成され、車体パネル40の取付孔41の縁部41aにこれら傾斜縁部52a,52bがガイドとして作用する。
【0038】
従って、内装トリム10を金属クリップ30を介して車体パネル40に取り付ける際のロケート作業において、クリップ脱落防止用リブ50の先端部51が金属クリップ30の先端部32よりも高位置であるため、車体パネル40に対してクリップ脱落防止用リブ50が先当りすることから、金属クリップ30が車体パネル40を傷付けることがなく、しかも、クリップ脱落防止用リブ50における左右側の傾斜縁部52a,52bのガイド作用で、金属クリップ30の幅方向に沿う位置規制を行なうことができるため、ロケート作業を迅速かつ確実に行なうことができる。
【0039】
次いで、図5,図6は、本発明に係るクリップ取付座20の第1実施形態の変形例を示すもので、上述した第1実施形態の基本構成と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0040】
この変形例においては、クリップ取付座20に一体化されるクリップ脱落防止用リブ50の形状を変更している。すなわち、この変形例においては、クリップ脱落防止用リブ50の持つクリップ脱落防止機能、ロケート時のガイド機能に加えて、車体パネル40に内装トリム10を仮固定できる仮固定機能を併せ持つようにしたことが特徴である。
【0041】
そのために、クリップ脱落防止用リブ50の上部側の両側に係止溝53a,53bを設けるとともに、その上部側が撓み変形可能なようにクリップ脱落防止用リブ50の先端部51に下方向に延びる切欠き54が形成されている。
【0042】
従って、図6(a),(b),(c)を基に順を追って内装トリム10の取付作業手順に沿って説明する。まず、図6(a)に示すように、車体パネル40に対して内装トリム10を取り付ける際、クリップ脱落防止用リブ50の傾斜縁部52a,52bのガイド性を利用して、車体パネル40の取付孔41の適正位置に金属クリップ30がくるようにロケート操作を行ない、一定寸法車体パネル40における取付孔41内にクリップ脱落防止用リブ50を挿入すれば、図6(b)に示すように、クリップ脱落防止用リブ50の両側に設けた係止溝53a,53bが車体パネル40の取付孔41の縁部41aに係着することで、内装トリム10を適切なロケート位置で車体パネル40に対して仮固定できる。尚、この一定寸法を挿入するとき、切欠き54により、係止溝53a,53bより上側部分はそれぞれ幅が収縮する方向に撓むため、仮止めまでに過度の力を要することがない。
【0043】
そして、この状態で内装トリム10の表面側から押圧してクリップ取付座20に支持されている金属クリップ30を車体パネル40の取付孔41内に嵌着させれば、内装トリム10の取り付けが完了する(図6(c)参照)。
【0044】
次に、図7乃至図12に基づいて、本発明に係るクリップ取付座20の第2実施形態について説明する。図7に示すように、本発明の第2実施形態におけるクリップ取付座20は、金属クリップ30の挿入ガイド機能及び支持機能を持つように、左右両側壁21a,21bと着座プレート22と着座プレート22からパネル側に向けて立設されるサポート支柱23を備え、金属クリップ30の端末フランジ31a,31bをガイドするレール部24a,24bが設けられている点は、第1実施形態と同一である。
【0045】
そして、この第2実施形態においては、金属クリップ30の外方への脱落を防止するストッパー機能を持つクリップ脱落防止用リブ50について、第1実施形態よりも機能性を高めたことが構造上の特徴である。
【0046】
すなわち、クリップ脱落防止用リブ50は、金属クリップ30の先端部32より高位置にくるように長寸に設定されており、かつ、クリップ脱落防止用リブ50の上部側は、左右ほぼ対称となるテーパー状となるようにそれぞれ左右側に傾斜縁部52a,52bが形成されているとともに、クリップ脱落防止用リブ50のプレート内面(サポート支柱23と当接している面)50aに金属クリップ30の上方位置にくるように、直交リブ60がこのプレート内面50aから延びており、この直交リブ60の上端縁は、先端に向かうに連れ下り傾斜となる傾斜縁部61として形成されている。
【0047】
従って、第2実施形態におけるクリップ取付座20に金属クリップ30を装着して、内装トリム10を車体パネル40に対して取り付ける際、クリップ脱落防止用リブ50の先当り作用により、車体パネル40の塗膜面の剥離等を未然に防止できる作用を持つことは勿論のこと、金属クリップ30の幅方向、図7中矢印X方向のガイド機能と、金属クリップ30の奥行き方向、図7中矢印Y方向のガイド機能の2方向のガイド機能を備えている。すなわち、クリップ脱落防止用リブ50の上部側に設けた傾斜縁部52a,52bにより矢印X方向の位置規制を行ないつつ、直交リブ60の上端縁に設けた傾斜縁部61により矢印Y方向の位置規制を可能とした。
【0048】
まず、車体パネル40に対して内装トリム10を取り付ける際、図8(a)に示すように、車体パネル40の取付孔41に対してクリップ取付座20におけるクリップ脱落防止用リブ50の先端部51を挿入して、クリップ脱落防止用リブ50の上部側の傾斜縁部52a,52bが取付孔41の長辺側縁部41aに摺接することで、図8(a)中、矢印方向に内装トリム10自体をスライドさせる。従って、金属クリップ30の幅方向に沿う内装トリム10の位置規制を適正に行なうことができる。
【0049】
更に、図8(b)に示すように、内装トリム10を車体パネル40に対してロケートする際、車体パネル40の取付孔41内にクリップ脱落防止用リブ50の先端部51を挿入して、内装トリム10を車体パネル40側に所定ストローク押し込めば、車体パネル40における取付孔41の短辺側縁部41bが直交リブ60の傾斜縁部61と摺接する。更に、内装トリム10を押し込めば、図8(b)中矢印方向に沿ってスライドすることで、内装トリム10を適正位置にロケートすることができる。
【0050】
従って、図8(a),(b)に示すように、金属クリップ30の幅方向及び奥行き方向のそれぞれについて、内装トリム10を適正位置に位置決めした後、内装トリム10の取付部を手で叩き込むことにより、内装トリム10を車体パネル40の適正位置に確実に固定することができる。
【0051】
次いで、図9,図10は、本発明に係るクリップ取付座20の第2実施形態の更に変形例を示すもので、図7,図8に示すタイプのものでは、金属クリップ30の幅方向に沿っては左右両方向に内装トリム10を位置規制することはできるものの、金属クリップ30の奥行き方向に沿う位置規制については、直交リブ60の上端縁に設けた傾斜縁部61のみを使用するため、金属クリップ30の奥行き方向に沿っては1方向のみの位置規制しか行なわれなかったが、図9,図10に示す変形例は金属クリップ30の奥行き方向に沿っても、2方向の位置規制を可能にしたことが特徴である。尚、上述した各実施形態と同一部分には、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0052】
すなわち、クリップ取付座20に一体化されているクリップ脱落防止用リブ50の構成は、クリップ脱落防止用リブ50のプレート内面50aに直交リブ60が設けられ、この直交リブ60の上端縁が傾斜縁部61として形成されているとともに、直交リブ60を一体化した部位において、直交リブ60の傾斜縁部61の傾斜角度とほぼ等しい角度、クリップ脱落防止用リブ50のプレート内面50a自体を折曲面55とし、この折曲面55に直交リブ60を一体化した。そして、この折曲面55の傾斜角度は、直交リブ60の傾斜縁部61の傾斜角度とほぼ等しく設定するのが良い。
【0053】
従って、図10に示すように、内装トリム10のクリップ取付座20に金属クリップ30を装着して、車体パネル40にロケートする際、車体パネル40の取付孔41における短辺側縁部41bに直交リブ60の傾斜縁部61が摺接することで、図10中Y1方向の位置規制がなされるとともに、取付孔41の短辺側縁部41bにクリップ脱落防止用リブ50の折曲面55が摺接することで、図中Y2方向の位置規制がなされることになり、金属クリップ30の奥行き方向に沿う内装トリム10のロケート時の位置規制についても、前後両方向における位置規制を可能にしたことが特徴である。
【0054】
更に、図11及び図12は、クリップ脱落防止用リブ50に直交リブ60を付設した構成において、更にこの直交リブ60の下端縁に沿って位置ズレ規制片62を設けたことが特徴である。
【0055】
この位置ズレ規制片62は、所定角度開いた二股状のプレート体同士からなり、金属クリップ30において幅方向に位置ズレが生じることがないようにしたもので、クリップ取付座20に金属クリップ30をスライド装着した際、クリップ脱落防止用リブ50に突き当ることで金属クリップ30の奥行き方向のズレが防止できるとともに、この位置ズレ規制片62より金属クリップ30の幅方向のズレも防止できる。
【0056】
また、図示はしないが、位置ズレ規制片62は、図7,図8に示すタイプの直交リブ60の下端縁に設けるようにしても良い。
【0057】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る内装トリムにおけるクリップ取付座は、クリップの脱落を防止するために、クリップ取付座におけるサポート支柱の終端側に設けられるクリップ脱落防止用リブの構成として、金属クリップ装着時、金属クリップの先端部よりも車体パネル側に突出するように長寸に設定されている。従って、金属クリップの先端部よりクリップ脱落防止用リブを高位置に設定したため、内装トリムの取付時においてクリップ脱落防止用リブが車体パネルに先当りし、金属クリップが車体パネルに擦られることがなく、車体パネルの塗膜の剥離による錆発生という従来不具合を有効に解決できるという効果を有する。
【0058】
更に、本発明に係る内装トリムにおけるクリップ取付座において、クリップ脱落防止用リブの先端部分は、左右ほぼ対称となるテーパー状に設定されているため、内装トリムを車体パネルに位置決めする際のガイド機能を果たし、車体パネルの取付孔にクリップ脱落防止用リブの先端を挿入した後、単に押し込み操作するだけで、内装トリムを適正位置にロケートすることができ、内装トリムの位置決め作業を簡単かつ円滑にしかも精度良く行なうことができ、取付作業性を著しく向上させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクリップ取付座の第1実施形態を示すもので、同クリップ取付座を使用した内装トリムの取付構造を示す説明図である。
【図2】図1に示すクリップ取付座を使用した内装トリムの取付構造を示す断面図である。
【図3】図1に示すクリップ取付座を使用した内装トリムの車体パネルに対するロケート作業を示す説明図である。
【図4】図1に示すクリップ取付座を使用した内装トリムの車体パネルに対するロケート作業を示す説明図である。
【図5】図1に示すクリップ取付座の変形例を示すクリップ取付座の正面図である。
【図6】図5に示すクリップ取付座を使用した内装トリムの車体パネルへの取付作業手順を示す各説明図である。
【図7】本発明に係るクリップ取付座の第2実施形態を示す斜視図である。
【図8】図7に示すクリップ取付座を使用した内装トリムを車体パネルに取り付ける形態を示す説明図である。
【図9】本発明に係るクリップ取付座の第2実施形態の変形例を示すクリップ取付座の斜視図である。
【図10】図9に示すクリップ取付座の作用を示す側面図である。
【図11】図9に示すクリップ取付座の更に変形例を示すクリップ取付座の斜視図である。
【図12】図11に示すクリップ取付座の正面図である。
【図13】車両室内側に取り付けられるセンターピラートリムを示す外観図である。
【図14】従来のピラートリムを車体パネルに取り付ける構造を示す説明図である。
【図15】従来のクリップ取付座を示す斜視図である。
【図16】従来のクリップ取付座を使用して内装トリムを車体パネルに取り付ける状態を示す説明図である。
【図17】従来のクリップ取付座を使用した内装トリムの取付時の不具合点を示す説明図である。
【符号の説明】
10 内装トリム
20 クリップ取付座
21a,21b 側壁
22 着座プレート
23 サポート支柱
24a,24b レール部
30 金属クリップ
31 端末フランジ
32 先端部
40 車体パネル
41 取付孔
41a 長辺側縁部
41b 短辺側縁部
50 クリップ脱落防止用リブ
51 先端部
52a,52b 傾斜縁部
53a,53b 係止溝
54 切欠き
55 折曲面
60 直交リブ
61 傾斜縁部
62 位置ズレ規制片

Claims (4)

  1. 内装トリム(10)を車体パネル(40)の室内側に取り付けるにあたり、車体パネル(40)の取付孔(41)に装着するための金属クリップ(30)を保持するために、内装トリム(10)の裏面に設けられたクリップ取付座(20)であって、
    前記クリップ取付座(20)は、金属クリップ(30)をスライド装着するサポート支柱(23)が設けられ、このサポート支柱(23)の挿入終端側にクリップ脱落防止用リブ(50)が形成されているとともに、このクリップ脱落防止用リブ(50)の先端部(51)は、スライド装着される金属クリップ(30)の先端部(32)よりも高位置に設定され、金属クリップ(30)の車体パネル(40)に対する先当りを回避することを特徴とする内装トリムにおけるクリップ取付座。
  2. 前記クリップ脱落防止用リブ(50)の先端部が左右対称のテーパー状に形成されていることにより、クリップ脱落防止用リブ(50)を取付孔(41)内に挿入する際、金属クリップ(30)の幅方向に沿うガイド性が付与されていることを特徴とする請求項1に記載の内装トリムにおけるクリップ取付座。
  3. 前記クリップ取付座(20)に設けられるクリップ脱落防止用リブ(50)には、左右両側に係止溝(53a,53b)が設けられ、車体パネル(40)の取付孔(41)縁部にこの係止溝(53a,53b)を係着させることにより、車体パネル(40)に対して内装トリム(10)の仮止めが行なわれることを特徴とする請求項1又は2に記載の内装トリムにおけるクリップ取付座。
  4. 前記クリップ脱落防止用リブ(50)の上部側には、該リブ(50)のプレート内面(50a)から直交する方向に沿って延びる直交リブ(60)が一体化され、この直交リブ(60)の上端縁を傾斜縁部(61)とすることで、クリップ脱落防止用リブ(50)を取付孔(41)内に挿入する際、金属クリップ(30)の奥行き方向に沿うガイド性が付与されていることを特徴とする請求項2に記載の内装トリムにおけるクリップ取付座。
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