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JP2004088695A - 移動無線端末装置 - Google Patents

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JP2004088695A
JP2004088695A JP2002250276A JP2002250276A JP2004088695A JP 2004088695 A JP2004088695 A JP 2004088695A JP 2002250276 A JP2002250276 A JP 2002250276A JP 2002250276 A JP2002250276 A JP 2002250276A JP 2004088695 A JP2004088695 A JP 2004088695A
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JP2002250276A
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Yasushi Nishimura
西村 裕史
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

【課題】ハンドオーバ制御の頻発を防止し、安定した通話を行うことが可能な移動無線端末装置を提供する。
【解決手段】メモリ部60は、ハンドオーバ先の候補となるPHS基地局CSの識別情報を記憶するエリアと、ハンドオーバにより実際に接続したPHS基地局CSの識別情報を記憶するエリアと、過去の所定時間内に実施したハンドオーバの回数を記憶するエリアとを備える。制御部100は、マイクロコンピュータを主制御部として備えたもので、各部を制御して移動通信を実現するものであって、メモリ部60に記憶される情報に基づいて、ハンドオーバの必要が高い頻度で生じる場合には、優先的に大セル型PHS基地局にハンドオーバするようにし、一方、ハンドオーバの必要が高い頻度で生じない場合には、優先的に小セル型PHS基地局にハンドオーバするようにしたものである。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば携帯電話システムやPHS(Personal Handyphone System)などの移動通信システムに用いられる移動無線端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、携帯電話システムやPHSなどの移動通信システムは、それぞれ無線ゾーンを形成する基地局が複数配設されてサービスエリアを形成し、無線ゾーン内に位置する移動無線端末装置は上記基地局を通じて無線通信を行っている。
【0003】
また、各基地局の無線ゾーンは、隣接する基地局の無線ゾーンとオーバラップするように形成され、移動無線端末装置は、ある基地局の無線ゾーンから他の基地局の無線ゾーンに移動しても通信が継続できるように、ハンドオーバ制御を行なっている。
【0004】
しかしながら、従来の移動無線端末装置では、自動車などに乗車して運用する場合のように、高速移動する場合には、頻繁にハンドオーバ制御を実施することになり、安定した通信が行えないという問題があった。
【0005】
また、従来の移動無線端末装置では、ユーザが歩行で移動するような低速で移動する場合であっても、複数の基地局の無線ゾーンがオーバラップするような場所を移動する場合には、頻繁にハンドオーバ制御を実施することになり、安定した通信が行えないという問題があった。
【0006】
これらは、従来の移動無線端末装置が基地局から受信した無線信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)レベルのみにしたがって、ハンドオーバ制御を実施するためであり、上述したようなRSSIレベルの変化が激しい状況では、安定した通信が行えなくなる虞がある。
【0007】
また、移動無線端末装置を取り巻く電波環境は時々刻々と変化し、この変化は移動に伴って一層顕著なものとなり、一時的にRSSIレベルが上昇したり、あるいは下降したりすることがあり、必ずしも通信に適した基地局にハンドオーバできないことがあった。
【0008】
これに対して従来は、特開平10−108240号公報で開示されるように、移動無線端末装置において、近隣の基地局について、RSSIレベルの状況を常に監視して基地局を分類し、この分類結果に応じてハンドオーバ先の基地局を選択することで、安定した通信品質を得ようと試みる向きもあった。
【0009】
しかしながら、上記公報に開示される方法では、RSSIレベルをかなりの頻度で監視する必要があり、消費電力の節約が求められる移動無線端末装置にあっては、あまり好ましい手法ではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の移動無線端末装置では、移動速度や移動場所によっては、ハンドオーバ制御を頻繁に実施するため、安定した通信品質を得られない状況に陥ることがあるという問題があった。
【0011】
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、ハンドオーバ制御の頻発を防止し、安定した通話を行うことが可能な移動無線端末装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、無線通信範囲の大きさが互いに異なる複数の基地局を互いの無線通信範囲が重なるように配設してサービスエリアを構築する移動通信システムに用いられる移動無線端末装置であって、無線通信が可能な基地局を検出する基地局検出手段と、この基地局検出手段にて検出された基地局について、無線通信範囲の大きさを判定する通信範囲判定手段と、無線接続している基地局を他の基地局に切り換えるハンドオーバを行う必要が予め設定した頻度以上で発生する場合に、前記通信範囲判定手段の判定結果に基づいて、基地局検出手段にて検出した基地局のうち、大きな無線通信範囲を形成する基地局にハンドオーバするハンドオーバ制御手段とを具備して構成するようにした。
【0013】
上記構成の移動無線端末装置では、ハンドオーバを行う必要が予め設定した頻度以上で発生する場合に、基地局検出手段にて検出した基地局のうち、大きな無線通信範囲を形成する基地局にハンドオーバするようにしている。
【0014】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、ハンドオーバを行う必要が予め設定した頻度以上で発生する場合には、大きな無線通信範囲を形成する基地局にハンドオーバするので、ハンドオーバ制御の頻発を防止し、安定した通話を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明する。
図1は、この発明に係わる移動無線端末装置の構成を示す回路ブロック図である。ここでは、PHSの端末装置を例に挙げて説明する。
【0016】
この図に示すPHS端末装置は、アンテナ11を備えた無線部10と、モデム部20と、TDMA部30と、スピーカ43およびマイクロホン(M)44を備えた通話部40と、着信報知部50と、メモリ部60と、ユーザインターフェイス部70と、バッテリ80と、バッテリ監視部90と、制御部100とから構成される。
【0017】
移動通信網に収容されるPHS基地局CSから無線通話チャネルを介して送られた無線周波信号は、アンテナ11で受信されたのち無線部10の高周波スイッチ(SW)12を介して受信部13に入力される。
【0018】
この受信部13では、上記受信された無線周波信号が周波数シンセサイザ14から発生された受信局部発振信号とミキシングされて受信中間周波信号に周波数変換される。
【0019】
なお、上記周波数シンセサイザ14から発生される局部発振周波数は、無線チャネル周波数に応じて制御部100より指示される。また、無線部10には受信電界強度検出部(RSSI)16が設けられている。
【0020】
この受信電界強度検出部16ではPHS基地局から到来した無線周波信号の受信電界強度(以下、RSSI値と称する)が検出され、その検出値は制御部100に通知される。
【0021】
上記受信部13から出力された受信中間周波信号は、モデム部20の復調部21に入力される。復調部21では上記受信中間周波信号のディジタル復調が行なわれ、これによりディジタル通話信号が再生される。
【0022】
TDMA部30のTDMAデコード部31では、制御部100の指示に従ってタイムスロットごとに上記ディジタル通話信号が分解される。そして、この分解された複数のディジタル通話信号のうち、自機宛てのスロットのディジタル通話信号が通話部40に入力される。
【0023】
通話部40は、適応差分PCMトランスコーダ(ADPCM TRANS CODER)41とPCMコーデック(PCM CODEC)42とからなり、上記ディジタル通話信号はこの適応差分PCMトランスコーダ41およびPCMコーデック42で順次復号されてアナログ通話信号に再生される。そして、このアナログ通話信号は図示しない受話増幅器で増幅されたのちスピーカ43から拡声出力される。
【0024】
一方、マイクロホン44に入力された送話音声は、PCMコーデック42および適応差分PCMトランスコーダ41で順次符号化されてディジタル通話信号となり、TDMAエンコード部32に入力される。
【0025】
TDMAエンコード部32では、上記適応差分トランスコーダ41から出力されたディジタル通話信号が制御部100から指示されたタイムスロットに挿入されて、変調部22に入力される。変調部22では、上記ディジタル通話信号により搬送波信号がディジタル変調される。このようにして変調された搬送波信号は、送信部15に入力される。
【0026】
送信部15では、上記変調された搬送波信号が周波数シンセサイザ14から発生された送信局部発振信号とミキシングされることにより、制御部100より指示された無線チャネル周波数に周波数変換されたのち、所定の送信電力レベルに増幅される。そして、送信部15にて周波数変換および信号増幅された無線周波信号は高周波スイッチ12を介してアンテナ11からPHS基地局に向け送信される。
【0027】
着信報知部50は、当該端末装置宛てに着信があった場合に、制御部100の制御によりユーザに対して着信を報知するもので、可聴音を発して報知を行なう発音体51と、発光により報知を行なう発光体52と、例えば偏心モータなどにより振動を発生して報知を行なう振動体53とからなる。
【0028】
メモリ部60は、例えばROMやRAMなどの半導体メモリを記憶媒体としたもので、この記憶媒体には制御部100の制御プログラムや認証に必要な自機のIDデータの他、種々の制御データ、各種設定データ、短縮ダイヤルや電話帳などのダイヤルデータを記憶する。
【0029】
また、この他に、メモリ部60は、ハンドオーバ制御に用いる情報を記憶する領域として、候補基地局データ記憶エリアと、接続基地局データ記憶エリアとハンドオーバ回数情報記憶エリアとを備える。
【0030】
なお、候補基地局データ記憶エリアには、ハンドオーバ先の候補となるPHS基地局CSの識別情報が記録され、接続基地局データ記憶エリアには、ハンドオーバにより実際に接続したPHS基地局CSの識別情報が記録され、そしてハンドオーバ回数情報記憶エリアには、過去の所定時間内に実施したハンドオーバの回数が記録される。
【0031】
ユーザインターフェイス部70は、表示部71とキー入力部72とからなる。表示部71は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などからなりユーザに対して自機の状態(発信/着信、バッテリ残量、受信強度)やメモリ部60から読み出したダイヤルデータを視覚的に示すためのものである。
【0032】
キー入力部72は、ダイヤル番号入力を行なうためのテンキーなど発着信に関わる通常の機能を実施するためのキーの他、着信報知方法(可聴音/発光/バイブレータ/報知なし)の切り換えなどの各種設定を行なうための機能設定キーを備えたものである。
【0033】
バッテリ80は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池からなるもので、当該端末装置の駆動電源である。
バッテリ監視部90は、バッテリ80を監視するもので、このバッテリの残量を検出して制御部100に通知する機能を備えている。
【0034】
制御部100は、マイクロコンピュータを主制御部として備えたもので、上述したような通信に関わる各部を制御して移動通信を実現したり、キー入力部72を通じたユーザの要求に応じてメモリ部60に記憶されるダイヤルデータの編集制御などの種々の制御を行う。
【0035】
また、制御部100は、ハンドオーバに備えて、受信電界強度検出部16にて検出したRSSI値と、PHS基地局CSから通知される識別情報に基づいて接続可能なPHS基地局CSを複数検出し、この検出したPHS基地局CSの識別情報をメモリ部60の候補基地局データ記憶エリアに記録しておく。
【0036】
なお、PHS基地局CSは、図2に示すように、小さな無線ゾーン(破線の円)を形成する小セル型PHS基地局CS−Sと大きな無線ゾーン(実線の円)を形成する大セル型PHS基地局CS−Lとが存在し、図3に示すように、互いの無線ゾーンが重なるように配設されている。
【0037】
また、上記識別情報はPHS基地局CSから通知されるものであって、自局の無線ゾーンの大きさを示す情報が含まれる。無線ゾーンとは、PHS基地局CSが形成する、移動無線端末装置と通信可能な空間的領域である。
【0038】
そして、制御部100は、受信データに誤りが連続するなどしてハンドオーバの必要が生じると、メモリ部60の候補基地局データ記憶エリア、接続基地局データ記憶エリアおよびハンドオーバ回数情報記憶エリアに記録される情報に基づいて、ハンドオーバ制御を実施する。
この他、制御部100は、時間を計時するタイマ機能を備えている。
【0039】
次に、上記構成のPHS端末装置の動作を以下に説明する。なお、通常の発着信についての動作は従来と同様であることより説明を省略し、ここでは特にハンドオーバ制御について説明する。
【0040】
この制御は、上述したように制御部100によってなされるもので、その制御フローを図3に示す。この図に示すハンドオーバ制御は、当該移動無線端末装置に割り当てられたタイムスロットを通じて得られるはずの受信データが所定時間の間、受信できなくなったり、あるいは受信した受信データに誤りが生じている状態が連続するなどして、ハンドオーバの必要が生じた場合に開始される。
【0041】
まず、ステップ3aにおいて制御部100は、ハンドオーバ先の候補となるPHS基地局を複数検出する。
このために、制御部100は、無線部10、モデム部20およびTDMA部30をそれぞれ制御して、制御チャネルを通じて周辺のPHS基地局CSからそれぞれ送信される識別情報を受信するとともに、この受信した識別情報に対応するPHS基地局CSのRSSI値を受信電界強度検出部16により検出する。
【0042】
そして、制御部100は、検出したRSSI値に基づいて、ハンドオーバ先として適するPHS基地局を複数検出し、この検出結果を、小さな無線ゾーンを形成する小セル型PHS基地局CS−Sと、大きな無線ゾーンを形成する大セル型PHS基地局CS−Lとに分けてそれぞれ集計し、この集計結果を現在の時刻を示す時間情報に対応づけてメモリ部60の候補基地局データ記憶エリアに記録する。なお、上記集計結果は、複数の時刻(例えば5つ)についてが保持される。
【0043】
また、制御部100は、過去の所定時間内に生じたハンドオーバの回数を示すハンドオーバ回数情報をメモリ部60のハンドオーバ回数情報記憶エリアから読み出し、これを更新して上記ハンドオーバ回数情報記憶エリアに記録し、ステップ3bに移行する。
【0044】
ステップ3bにおいて制御部100は、メモリ部60のハンドオーバ回数情報記憶エリアに記録されるハンドオーバ回数の情報を参照し、ハンドオーバの発生頻度が予め設定した頻度以上か否かを判定する。
【0045】
ここで、ハンドオーバの発生頻度が予め設定した頻度以上の場合には、ステップ3cに移行し、一方、ハンドオーバの発生頻度が予め設定した頻度未満の場合には、ステップ3fに移行する。
【0046】
ステップ3cにおいて制御部100は、メモリ部60の候補基地局データ記憶エリアに記録される情報のうち、小セル型PHS基地局CS−Sに関する集計結果を参照し、同じ基地局CS−Sが高い頻度で候補として上記候補基地局データ記憶エリアに記録されているか否かを判定する。
【0047】
ここで、同じ基地局CS−Sが予め設定した頻度以上で候補として記録されている場合には、ステップ3eに移行し、一方、同じ基地局CS−Sが予め設定した頻度未満で候補として記録されている場合には、ステップ3dに移行する。
【0048】
ステップ3dにおいて制御部100は、メモリ部60の接続基地局データ記憶エリアに記録される情報を参照し、所定時間内にハンドオーバしたPHS基地局の数が、予め設定された数以上か否かを判定する。なお、ここでいうPHS基地局の数とは、異なるPHS基地局の数であって、延べ数(ハンドオーバを行った回数)ではない。
【0049】
ここで、上記PHS基地局の数が予め設定された数以上の場合には、ステップ3eに移行し、一方、上記PHS基地局の数が予め設定された数未満の場合には、ステップ3fに移行する。
【0050】
ステップ3eにおいて制御部100は、ステップ3aでメモリ部60の候補基地局データ記憶エリアに記録された最新の情報を参照し、その中の候補として大セル型PHS基地局CS−Lが存在するか否かを判定する。
【0051】
ここで、候補として大セル型PHS基地局CS−Lが存在する場合には、ステップ3gに移行し、一方、候補として大セル型PHS基地局CS−Lが存在しない場合には、ステップ3hに移行する。
【0052】
ステップ3fにおいて制御部100は、ステップ3aでメモリ部60の候補基地局データ記憶エリアに記録された最新の情報を参照し、その中の候補として小セル型PHS基地局CS−Sが存在するか否かを判定する。
【0053】
ここで、候補として小セル型PHS基地局CS−Sが存在する場合には、ステップ3hに移行し、一方、候補として小セル型PHS基地局CS−Sが存在しない場合には、ステップ3gに移行する。
【0054】
ステップ3gにおいて制御部100は、メモリ部60の候補基地局データ記憶エリアの最新の情報に記憶される大セル型PHS基地局CS−Lのうち、最もRSSI値が大きいPHS基地局を検出する。
【0055】
そして、制御部100は、無線部10、モデム部20およびTDMA部30をそれぞれ制御して、制御チャネルを通じて上記大セル型PHS基地局CS−Lとの間に通信リンクを確立しハンドオーバを実現する。
【0056】
さらに、制御部100は、上記大セル型PHS基地局CS−Lの識別情報をハンドオーバ先の基地局として、メモリ部60の接続基地局データ記憶エリアに記録し、当該処理を終了する。
【0057】
ステップ3hにおいて制御部100は、メモリ部60の候補基地局データ記憶エリアの最新の情報に記憶される小セル型PHS基地局CS−Sのうち、最もRSSI値が大きいPHS基地局を検出する。
【0058】
そして、制御部100は、無線部10、モデム部20およびTDMA部30をそれぞれ制御して、制御チャネルを通じて上記小セル型PHS基地局CS−Sとの間に通信リンクを確立しハンドオーバを実現する。
【0059】
さらに、制御部100は、上記小セル型PHS基地局CS−Sの識別情報をハンドオーバ先の基地局として、メモリ部60の接続基地局データ記憶エリアに記録し、当該処理を終了する。
【0060】
以上のように、上記構成の移動無線端末装置では、ハンドオーバの必要が高い頻度で生じる場合には、優先的に大セル型PHS基地局CS−Lにハンドオーバするようにし、一方、ハンドオーバの必要が高い頻度で生じない場合には、優先的に小セル型PHS基地局CS−Sにハンドオーバするようにしている。
【0061】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、ハンドオーバの必要が高い頻度で生じる場合には、大きな無線ゾーンを形成する大セル型PHS基地局CS−Lを通じて通信するので、ハンドオーバ制御の頻発を防止し、安定した通話を行うことができ、またハンドオーバの必要が高い頻度で生じない場合には、小さい無線ゾーンを形成する小セル型PHS基地局CS−Sを通じて通信するので、大セル型PHS基地局CS−Lへのトラヒック集中を分散することができる。
【0062】
また、上記構成の移動無線端末装置では、メモリ部60の候補基地局データ記憶エリアに、ハンドオーバ先の候補となるPHS基地局CSの識別情報を過去の分も含めて記憶しておき、この候補基地局データ記憶エリアに、高い頻度で同じ小セル型PHS基地局CS−Sが候補として記憶されている場合には、優先的に大セル型PHS基地局CS−Lにハンドオーバするようにしている。
【0063】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、図4に示すように移動無線端末装置が狭い範囲の移動して小さい無線ゾーン(破線の円内)間を繰り返して移動する場合に、大きな無線ゾーン(実線の円内)を形成する大セル型PHS基地局CS−Lを通じて通信するので、ハンドオーバ制御の頻発を防止し、安定した通話を行うことができる。
【0064】
さらに、上記構成の移動無線端末装置では、メモリ部60の接続基地局データ記憶エリアに、ハンドオーバにより実際に接続したPHS基地局CSの識別情報を記憶しておき、この接続基地局データ記憶エリアに基づき、所定時間内にハンドオーバしたPHS基地局の数が予め設定された数以上の場合には、優先的に大セル型PHS基地局CS−Lにハンドオーバするようにし、一方、所定時間内にハンドオーバしたPHS基地局の数が予め設定された数未満の場合には、優先的に小セル型PHS基地局CS−Sにハンドオーバするようにしている。
【0065】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、図5に示すように移動無線端末装置が直線的に移動するなどして、異なるPHS基地局CS−Sに次々とハンドオーバする場合に、大きな無線ゾーン(実線の円内)を形成する大セル型PHS基地局CS−Lを通じて通信するので、ハンドオーバ制御の頻発を防止し、安定した通話を行うことができ、また異なるPHS基地局CS−Sに次々とハンドオーバしない場合には、小さい無線ゾーン(破線の円内)を形成する小セル型PHS基地局CS−Sを通じて通信するので、大セル型PHS基地局CS−Lへのトラヒック集中を分散することができる。
【0066】
そしてまた、上記構成の移動無線端末装置では、上述したように必要に応じて大きな無線ゾーンを形成する大セル型PHS基地局CS−Lにハンドオーバするため、特開平10−108240号公報で開示される技術のように、頻繁にハンドオーバ先の候補となるPHS基地局CSを検出する必要がなく、候補の検出に要する電力を増大することなく、安定した通話を行うことができる。
【0067】
尚、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、ステップ3cにおける判定内容と、ステップ3dにおける判定内容を入れ換えてもよい。
【0068】
この構成の移動無線端末装置では、候補基地局データ記憶エリアに、高い頻度で同じ小セル型PHS基地局CS−Sが候補として記憶されていない場合には、優先的に小セル型PHS基地局CS−Sにハンドオーバすることになる。
【0069】
したがって、この構成の移動無線端末装置によれば、大きい無線ゾーンの間を跨ぐような移動、すなわち大セル型PHS基地局CS−Lを通じた通信でもハンドオーバが生じるような広い範囲の移動の場合に、小さい無線ゾーンを形成する小セル型PHS基地局CS−Sを通じて通信して、大セル型PHS基地局CS−Lへのトラヒック集中を分散することができる。
【0070】
また、上記実施の形態では、PHSの移動無線端末装置を例に挙げて説明したが、CDMA(Code Division Multiple Access)方式などの携帯電話システムの移動無線端末装置に適用することも可能である。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【0071】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明では、ハンドオーバを行う必要が予め設定した頻度以上で発生する場合に、基地局検出手段にて検出した基地局のうち、大きな無線通信範囲を形成する基地局にハンドオーバするようにしている。
【0072】
したがって、この発明によれば、大きな無線通信範囲を形成する基地局にハンドオーバするので、ハンドオーバ制御の頻発を防止し、安定した通話を行うことが可能な移動無線端末装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる移動無線端末装置の一実施の形態の構成を示す回路ブロック図。
【図2】小さい無線ゾーンを形成するPHS基地局と、大きい無線ゾーンを形成するPHS基地局とにより形成されるサービスエリアを示す図。
【図3】図1に示した移動無線端末装置のハンドオーバ制御を説明するためのフローチャート。
【図4】図1に示した移動無線端末装置の移動例を示す図。
【図5】図1に示した移動無線端末装置の移動例を示す図。
【符号の説明】
10…無線部
11…アンテナ
13…受信部
14…周波数シンセサイザ
15…送信部
16…受信電界強度検出部(RSSI)
20…モデム部
21…復調部
22…変調部
30…TDMA部
31…TDMAデコード部
32…TDMAエンコード部
40…通話部
41…適応差分PCMトランスコーダ(ADPCM TRANS CODER)
42…PCMコーデック(PCM CODEC)
43…スピーカ
44…マイクロホン(M)
50…着信報知部
51…発音体
52…発光体
53…振動体
60…メモリ部
70…ユーザインターフェイス部
71…表示部
72…キー入力部
80…バッテリ
90…バッテリ監視部
100…制御部

Claims (8)

  1. 無線通信範囲の大きさが互いに異なる複数の基地局を互いの無線通信範囲が重なるように配設してサービスエリアを構築する移動通信システムに用いられる移動無線端末装置であって、
    無線通信が可能な基地局を検出する基地局検出手段と、
    この基地局検出手段にて検出された基地局について、無線通信範囲の大きさを判定する通信範囲判定手段と、
    無線接続している基地局を他の基地局に切り換えるハンドオーバを行う必要が予め設定した頻度以上で発生する場合に、前記通信範囲判定手段の判定結果に基づいて、前記基地局検出手段にて検出した基地局のうち、大きな無線通信範囲を形成する基地局にハンドオーバするハンドオーバ制御手段とを具備することを特徴とする移動無線端末装置。
  2. さらに、無線接続した基地局を記録する既接続記録手段と、
    この既接続記録手段の記録結果に基づいて、所定時間内に所定回数以上異なる基地局にハンドオーバしているか否かを判定するハンドオーバ判定手段とを備え、
    前記ハンドオーバ制御手段は、前記ハンドオーバを行う必要が予め設定した頻度以上で発生し、かつ前記ハンドオーバ判定手段が所定時間内に所定回数以上異なる基地局にハンドオーバしていると判定する場合に、前記通信範囲判定手段の判定結果に基づいて、前記基地局検出手段にて検出した基地局のうち、大きな無線通信範囲を形成する基地局にハンドオーバすることを特徴とする請求項1に記載の移動無線端末装置。
  3. さらに、無線接続した基地局を記録する既接続記録手段と、
    この既接続記録手段の記録結果に基づいて、所定時間内に所定回数以上異なる基地局にハンドオーバしているか否かを判定するハンドオーバ判定手段とを備え、
    前記ハンドオーバ制御手段は、前記ハンドオーバを行う必要が予め設定した頻度以上で発生し、かつ前記ハンドオーバ判定手段が所定時間内に所定回数以上異なる基地局にハンドオーバしていないと判定する場合に、前記通信範囲判定手段の判定結果に基づいて、前記基地局検出手段にて検出した基地局のうち、小さい無線通信範囲を形成する基地局にハンドオーバすることを特徴とする請求項1に記載の移動無線端末装置。
  4. さらに、前記基地局検出手段が検出した基地局を記録する接続候補記録手段と、
    この接続候補記録手段の記録結果に基づいて、所定時間内に所定回数以上同じ基地局が検出されているか否かを判定する候補判定手段とを備え、
    前記ハンドオーバ制御手段は、前記ハンドオーバを行う必要が予め設定した頻度以上で発生し、かつ前記候補判定手段が所定時間内に所定回数以上同じ基地局が検出されていると判定する場合に、前記通信範囲判定手段の判定結果に基づいて、前記基地局検出手段にて検出した基地局のうち、大きな無線通信範囲を形成する基地局にハンドオーバすることを特徴とする請求項1に記載の移動無線端末装置。
  5. さらに、前記基地局検出手段が検出した基地局を記録する接続候補記録手段と、
    この接続候補記録手段の記録結果に基づいて、所定時間内に所定回数以上同じ基地局が検出されているか否かを判定する候補判定手段とを備え、
    前記ハンドオーバ制御手段は、前記ハンドオーバを行う必要が予め設定した頻度以上で発生し、かつ前記候補判定手段が所定時間内に所定回数以上同じ基地局が検出されていないと判定する場合に、前記通信範囲判定手段の判定結果に基づいて、前記基地局検出手段にて検出した基地局のうち、小さい無線通信範囲を形成する基地局にハンドオーバすることを特徴とする請求項1に記載の移動無線端末装置。
  6. 無線通信範囲の大きさが互いに異なる複数の基地局を互いの無線通信範囲が重なるように配設してサービスエリアを構築する移動通信システムに用いられる移動無線端末装置であって、
    無線通信が可能な基地局を検出する基地局検出手段と、
    この基地局検出手段にて検出された基地局について、無線通信範囲の大きさを判定する通信範囲判定手段と、
    無線接続している基地局を他の基地局に切り換えるハンドオーバを行う必要が予め設定した頻度未満で発生する場合に、前記通信範囲判定手段の判定結果に基づいて、前記基地局検出手段にて検出した基地局のうち、小さい無線通信範囲を形成する基地局にハンドオーバするハンドオーバ制御手段とを具備することを特徴とする移動無線端末装置。
  7. 前記基地局検出手段は、ハンドオーバを行う必要が生じた場合に、無線通信が可能な基地局を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の移動無線端末装置。
  8. 前記通信範囲判定手段は、前記基地局から通知される情報に基づいて、無線通信範囲の大きさを判定することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の移動無線端末装置。
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