JP2004087826A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品の電極を半田接合パッドに強固に接続することが可能な配線基板を提供すること。
【解決手段】配線導体2を有する有機材料系の絶縁基板1と、絶縁基板1の表面に形成された銅から成る半田接合パッド3と、絶縁基板1の表面および半田接合パッド3の表面に、半田接合パッド3の中央部を露出させるようにして被着された耐半田樹脂層4とを具備して成る配線基板であって、半田接合パッド3は、耐半田樹脂層4が被着された表面が黒化処理されているとともに耐半田樹脂層4から露出した表面が物理研磨および化学研磨されており、かつ露出した表面にめっき金属層6が被着されている。
【選択図】 図1
【解決手段】配線導体2を有する有機材料系の絶縁基板1と、絶縁基板1の表面に形成された銅から成る半田接合パッド3と、絶縁基板1の表面および半田接合パッド3の表面に、半田接合パッド3の中央部を露出させるようにして被着された耐半田樹脂層4とを具備して成る配線基板であって、半田接合パッド3は、耐半田樹脂層4が被着された表面が黒化処理されているとともに耐半田樹脂層4から露出した表面が物理研磨および化学研磨されており、かつ露出した表面にめっき金属層6が被着されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁基板の表面に電子部品の電極が半田を介して接続される半田接合パッドを被着して成る配線基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、MPU等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板として、例えばガラス−エポキシ樹脂等の有機材料系の絶縁層と銅箔等の銅から成る配線導体とを交互に複数層積層して成る絶縁基板上に、電子部品の電極が半田を介して電気的に接続される銅箔や銅めっき等の銅から成る半田接合パッドを形成した配線基板が知られている。この配線基板においては、半田接合パッドに電子部品の電極を半田を介して接続する際に絶縁基板を熱から保護するとともに半田接合パッド同士の電気的な短絡を防止するためにエポキシ樹脂等の耐熱樹脂から成る耐半田樹脂層を絶縁基板上に半田接合パッドの外周部を覆うようにして被着させている。なお、半田接合パッドは、耐半田樹脂層との密着を強固なものとするために、耐半田樹脂層から露出した中央部を除く外周部表面に黒化処理により黒化膜が形成されており、さらに、その酸化腐食を防止するとともに半田接合パッドと電子部品の電極との半田を介した電気的接続を良好かつ強固なものとする目的で半田接合パッドの露出する表面にニッケルめっき層および金めっき層等のめっき金属層が電解めっき法や無電解めっき法により順次被着されている。
【0003】
このような配線基板は、先ず有機材料系の絶縁層と銅から成る配線導体とを積層した絶縁基板上に直径が250〜600μmの銅箔や銅めっき等の銅から成る半田接合パッドを形成し、次に絶縁基板上に被着した半田接合パッドの露出表面の全面に黒化処理を施して黒化膜を形成し、次に絶縁基板上および半田接合パッド上に未硬化の耐半田樹脂層を塗布し、次に未硬化の耐半田樹脂層に露光および現像処理を行って半田接合パッドの中央部を露出させ、次に未硬化の耐半田樹脂層を紫外線硬化や熱硬化により硬化させた後、半田接合パッドの露出した中央部表面の黒化膜を酸洗浄やマイクロエッチングによる化学研磨にて除去し、次に黒化膜が除去された半田接合パッドの露出表面にニッケルめっき層および金めっき層等のめっき金属層を被着することにより製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、環境への配慮から、電子部品の電極と配線基板の半田接合パッドとを接続する半田として鉛を含まない鉛フリー半田が使用されるようになってきている。このような鉛フリー半田は、従来の鉛を含んだ半田よりもその融点が一般的に10〜20℃程度高く、そのためこの鉛フリー半田を使用して電子部品の電極と配線基板の半田接合パッドとを接続する場合、従来よりも10〜20℃程度高い温度で半田を溶融させる必要がある。そして、このように高い温度を配線基板に印加すると、半田接合パッドとこれに被着させためっき金属層との間に、大きな膜応力が働いて半田接合パッドとめっき金属層とが剥離しやすくなり、その結果、電子部品の電極と半田接合パッドとを半田を介して強固に接続することができなくなってしまうという問題点を誘発した。
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、絶縁基板に形成した半田接合パッドの表面にめっき金属層を良好に被着して、電子部品の電極を半田接合パッドに半田を介して強固に接続することが可能な配線基板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、配線導体を有する有機材料系の絶縁基板と、この絶縁基板の表面に形成された銅から成る半田接合パッドと、絶縁基板の表面および半田接合パッドの表面に、半田接合パッドの中央部を露出させるようにして被着された耐半田樹脂層とを具備して成る配線基板であって、半田接合パッドは、耐半田樹脂層が被着された表面が黒化処理されているとともに耐半田樹脂層から露出した表面が物理研磨および化学研磨されており、かつその露出した表面にめっき金属層が順次被着されていることを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の配線基板の製造方法は、絶縁基板上に銅から成る半田接合パッドを形成する工程と、半田接合パッドの表面に黒化処理を施して黒化膜を形成する工程と、絶縁基板上および半田接合パッド上に未硬化の耐半田樹脂層を被着する工程と、未硬化の耐半田樹脂層に露光および現像を行なって半田接合パッドの中央部を部分的に露出させた後、未硬化の耐半田樹脂層を硬化させる工程と、半田接合パッドの露出表面を機械研磨した後、化学研磨して半田接合パッドの露出表面に残留した耐半田樹脂層の樹脂および黒化膜を除去する工程と、半田接合パッドの露出表面にめっき金属層を被着させる工程とを順次行なうことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の配線基板によれば、耐半田樹脂層から露出した表面が物理研磨および化学研磨されており、その表面にめっき金属層が順次被着されていることから、物理研磨および化学研磨により銅から成る半田接合パッドの露出表面が極めて清浄なものとなるとともにその表面粗さが適当なものとなり半田接合パッドとめっき金属層とが極めて強固に密着する。
【0009】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、絶縁基板上に形成した半田接合パッドの表面に黒化処理を施して黒化膜を形成した後、その上に半田接合パッドの中央部を部分的に露出させる耐半田樹脂層を形成し、次に耐半田樹脂層から露出した半田接合パッドの露出表面を機械研磨した後、化学研磨して半田接合パッドの露出表面に残留した耐半田樹脂層の樹脂および黒化膜を除去し、次にその半田接合パッドの露出表面にめっき金属層を被着させることから、物理研磨および化学研磨により銅から成る半田接合パッドの露出表面を耐半田樹脂層の樹脂や黒化膜の残留がない極めて清浄な面とするとともにその表面に微小な凹凸を形成してその露出表面にめっき金属層を極めて強固に密着させることができる。
【0010】
【実施の形態】
次に本発明の配線基板およびその製造方法を添付の図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、図中、1は絶縁基板、2は配線導体、3は半田接合パッド、4は耐半田樹脂層であり、主としてこれらで本発明の配線基板が構成されている。
【0012】
絶縁基板1は、例えばガラス繊維を縦横に編んで形成されたガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させて板状にしたもの、あるいはこれを複数積層して積層体としたものであり、その内部や表面には銅箔や銅めっき等の銅から成る複数の配線導体2が配設されている。
【0013】
また、絶縁基板1の表面には、配線導体2に電気的に接続された銅箔や銅めっき等の銅から成る複数の半田接合パッド3が被着形成されており、この半田接合パッド3には図示しない電子部品の電極が半田を介して電気的に接続される。
【0014】
さらに、絶縁基板1および半田接合パッド3上には、半田接合パッド3の中央部を露出させるようにしてエポキシ樹脂等の耐熱樹脂から成る耐半田樹脂層4が被着されている。耐半田樹脂層4は、半田接合パッド3に電子部品の電極を半田を介して接続する際に、その熱から絶縁基板1を保護するとともに半田接合パッド3同士が半田を介して電気的に短絡するのを防止するためのダムとして機能する。
【0015】
また、耐半田樹脂層4で覆われた半田接合パッド3の表面には黒化処理により黒化膜5が形成されており、この黒化膜5により半田接合パッド3と耐半田樹脂層4との密着が強固なものとなっている。
【0016】
なお、ここで黒化処理とは、銅から成る半田接合パッド3の表面をアルカリ性酸化処理液により酸化して亜酸化銅および酸化銅により構成される針状結晶を生成させ、この針状結晶に基づく微細な凹凸を生じさせる表面粗化処理を意味する。
また、処理後に表面が黒くなることからこの表面粗化処理を黒化処理と呼び、表面の黒く変色した層を黒化膜と呼んでいる。
【0017】
さらに、耐半田樹脂層4から露出した半田接合パッド3の表面は、例えば砥粒を流体とともに被研磨物に吹き付けるジェットスクラブ等の機械的研磨により機械研磨されているとともに酸処理等の化学研磨法により化学研磨されている。このように耐半田樹脂層4から露出した半田接合パッド3の表面が機械研磨および化学研磨されていることから、半田接合パッド3の露出表面が極めて清浄なものとなるとともにその表面粗さが適当なものとなる。そして、本発明の配線基板においては、この機械研磨および化学研磨された表面にニッケルめっきおよびその上の金めっきから成るめっき金属層6が被着されている。この場合、めっき金属層6は機械研磨および化学研磨された表面に被着されていることから、半田接合パッド3とめっき金属層6とが極めて強固に密着する。従って、半田接合パッド3に電子部品の電極を鉛フリーの半田を介して接続しても、半田接合パッド3とめっき金属層6との間で剥離が発生することがなく、電子部品の電極を半田接合パッド3に半田を介して極めて強固に接続することができる。
【0018】
なお、機械研磨および化学研磨された半田接合パッド3の露出表面は、その表面における樹脂成分の残留が300ppm以下であることが好ましく、またその算術平均粗さRaが0.01〜0.1μmであることが好ましい。機械研磨および化学研磨された半田接合パッド3の露出表面における樹脂成分の残留が300ppmを超えると、半田接合パッド3の銅とその上のめっき金属層との密着が残留する樹脂成分により阻害されて弱いものとなる危険性が大きくなる。また、機械研磨および化学研磨された半田接合パッド3の表面の算術平均粗さが0.1μmを超えると、半田接合バッド3の表面の凹凸内にめっき金属層が良好に入り込まずに半田接合パッド3の表面にめっき金属層が被着されない部分を生じ、そのため半田接合パッド3と半田との密着が低下してしまう危険性が大きくなり、他方、0.01μm未満であると、半田接合バッド3の表面の凹凸内が小さすぎるため、アンカー効果による半田接合パッド3とめっき金属層6との密着が低下してしまう危険性が大きくなる。従って、機械研磨および化学研磨された半田接合パッド3の露出表面の算術平均粗さが0.01〜0.1μmであることが好ましい。
【0019】
次に、上述した本発明の配線基板の製造方法を図2に基づいて詳細に説明する。図2(a)〜(g)は、本発明の配線基板の製造方法を説明する各工程の要部断面図である。
【0020】
まず、図2(a)に示すように、例えば内部や表面に配線導体を有するガラス−エポキシ樹脂から成る絶縁基板1を準備するとともにその表面に銅から成る半田接合パッド3を形成する。
【0021】
絶縁基板1は、例えば両面あるいは片面に銅箔から成る配線導体2が被着されたガラス−エポキシ板を接着剤層を挟んで複数枚積層することにより製作され、半田接合パッド3は、絶縁基板1上に銅箔を予め被着させておくとともに、この銅箔上に5〜40μmの銅めっき層を施した後、従来周知のフォトリソグラフィー法によって絶縁基板1上の銅箔およびその上の銅めっき層を所定のパターンにエッチングすることによって形成する。
【0022】
このような半田接合パッド3の直径は、250〜600μmであることが好ましく、その厚みは5〜50μmであることが好ましい。半田接合パッド3の直径が250μm未満であると半田接合パッド3と絶縁基板1との密着面が少なく剥れ易くなる傾向にあり、600μmを超えると高密度配線が困難となって配線基板が大きくなってしまう傾向にある。従って、半田接合パッド3の直径は250〜600μmであることが好ましい。また、半田接合パッド3の厚みが5μm未満であると変形や脱離し易くなる傾向にあり、50μmを超えると半田接合パッド3の形成時の応力により絶縁基板1より剥離し易くなる傾向にある。従って、半田接合パッド3の厚みは、5〜50μmであることが好ましい。
【0023】
次に、図2(b)に示すように、半田接合パッド3を形成した絶縁基板1を水酸化ナトリウム・亜塩素酸ナトリウム・安定剤等から成る黒化処理液に数分間浸漬して半田接合パッド3の表面に亜酸化銅および酸化銅の針状結晶から成る黒化膜5を形成する。黒化膜5は、半田接合パッド3と耐半田樹脂層4との密着を保持する機能がある。黒化膜5の厚みは、1〜5μmであることが好ましく、その表面の算術平均粗さは0.1〜0.5μmであることが好ましい。黒化膜5の厚みが1μm未満であると表面粗さも小さくなり半田接合パッド3と耐半田樹脂層4との密着力が低下する傾向にあり、5μmを超えると機械研磨および化学研磨で黒化膜5が充分に除去できずにめっき金属層が被着できない傾向にある。従って、黒化膜5の厚みは、1〜5μmであることが好ましい。また、黒化膜5の表面の算術平均粗さが0.1μm未満であるとアンカー効果による半田接合パッド3と耐半田樹脂層4との密着力が低下する傾向にあり、0.5μmを超えると機械研磨および化学研磨によりその表面粗さを適当なものとすることができない傾向にある。従って、黒化膜5の表面の算術平均粗さは0.1〜0.5μmであることが好ましい。
【0024】
次に、図2(c)に示すように、絶縁基板1および黒化膜5が被着された半田接合パッド3の表面に例えばアクリル変性エポキシ樹脂等の感光性樹脂と光開始剤等とからなる混合物に30〜70重量%のシリカやタルク等の無機粉末フィラーを含有させた未硬化の耐半田樹脂層4を、スクリーン印刷やロールコート法により、その厚みが10〜80μmとなるように被着する。被着された耐半田樹脂層4の厚みが10μm未満であると半田接合パッド3に電子部品の電極を半田を介して接続する時の熱から絶縁基板1を保護する効果が低いものとなる傾向があり、80μmを超えると半田接合パッド3から耐半田樹脂層4の上面までの高さが高くなりすぎて半田接合パッド3に電子部品の電極を半田を介して良好に接続することが困難となる傾向にある。従って、被着された耐半田樹脂層4厚みは10〜80μmであることが好ましい。
【0025】
次に、図2(d)に示すように、未硬化の耐半田樹脂層4を露光した後に、アルカリ現像液を用いて現像を行い半田接合パッド3の中央部を露出させる。そして、その後、現像された耐半田樹脂層4に1000〜2000mJの紫外線を照射して光硬化した後に、130〜200℃の温度で熱硬化する。このとき、耐半田樹脂層4から露出した半田接合パッド3の露出面上の黒化膜5上には耐半田樹脂層4の樹脂が黒化膜5の結晶間に取り残されて微量残留する。
【0026】
次に、図2(e)に示すように、耐半田樹脂層4から露出した半田接合パッド3の表面を機械研磨した後、化学研磨して半田接合パッド3の露出表面に残留した耐半田樹脂層4の樹脂および黒化膜5を除去する。なお、半田接合バッド3の露出した表面を機械研磨するには、例えば平均粒径が5〜100μmのアルミナ砥粒を5〜30体積%含有する純水を0.1〜0.4MPaの圧力にて半田接合パッド3に噴射するジェットスクラブを用いて機械研磨すればよい。このとき、半田接合パッド3の露出した表面に形成された黒化膜5を機械研磨すると、半田接合パッド3の露出した表面上に残留する耐半田樹脂層4の樹脂を完全に除去することができる。従って、耐半田樹脂層4から露出した半田接合パッド3の表面に耐半田樹脂4の樹脂が残留することはない。さらに、機械研磨により半田接合パッド3の露出表面が削れたり押圧されたりしてその表面に例えば算術平均粗さが0.01〜0.1μmの微小な凹凸が形成される。また、半田接合パッド3の露出表面を化学研磨するには、例えば、3〜5重量%の硫酸や5〜50g/Lの過硫酸ナトリウム水溶液により黒化膜5をエッチングする化学研磨を採用すればよい。このとき、半田接合パッド3の露出表面上には耐半田樹脂層4の樹脂が残留していないことから、残留した樹脂により黒化膜5のエッチングが阻害されることはなく、半田接合パッド3の露出表面上の黒化膜5を完全に除去することができる。
【0027】
次に、図2(f)に示すように、半田接合パッド3の露出表面に厚みが3〜20μm程度のニッケルめっきおよびその上に厚みが0.2〜1.5μm程度の金めっきを順次施してめっき金属層6を被着させる。なお、ニッケルめっき用のめっき液としては次亜リン酸系の還元剤を用いたリン系無電解ニッケルめっき液を用いればよく、金めっき用のめっき液としては金濃度1〜3g/リットルで還元剤が亜硫酸からなる無電解金めっき液を用いればよい。このとき、半田接合パッド3の露出表面は、機械研磨および化学研磨により耐半田樹脂層4の樹脂および黒化膜5が完全に除去されているとともに算術平均粗さが0.01〜0.1μm程度の微小な凹凸が形成されていることから、半田接合パッド3の露出表面にめっき金属層6が極めて良好に被着される。従って、本発明の配線基板の製造方法によれば、電子部品の電極を半田を介して半田接合パッド3に強固に接続することが可能な配線基板を提供することができる。
【0028】
なお、本発明は、上述の実施の形態の一例に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更・改良を施すことは何ら差し支えない。
【0029】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、耐半田樹脂層から露出した表面が物理研磨および化学研磨されており、その表面にめっき金属層が順次被着されていることから、物理研磨および化学研磨により銅から成る半田接合パッドの露出表面が極めて清浄なものとなるとともにその表面粗さが適当なものとなり半田接合パッドとめっき金属層とが極めて強固に密着する。従って、電子部品の電極を半田接合パッドに半田を介して強固に接続することができる。
【0030】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、絶縁基板上に形成した半田接合パッドの表面に黒化処理を施して黒化膜を形成した後、その上に半田接合パッドの中央部を部分的に露出させる耐半田樹脂層を形成し、次に耐半田樹脂層から露出した半田接合パッドの露出表面を機械研磨した後、化学研磨して半田接合パッドの露出表面に残留した耐半田樹脂層の樹脂および黒化膜を除去し、次にその半田接合パッドの露出表面にめっき金属層を被着させることから、物理研磨および化学研磨により銅から成る半田接合パッドの露出表面を耐半田樹脂層の樹脂や黒化膜の残留がない極めて清浄な面とするとともにその表面に微小な凹凸を形成してその露出表面にめっき金属層を極めて強固に密着させることができる。従って、電子部品の電極を半田接合パッドに半田を介して強固に接続することが可能な配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す要部断面図である。
【図2】(a)〜(f)は本発明の配線基板の製造方法を説明するための各工程の要部断面図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁基板
2・・・配線導体
3・・・半田接合パッド
4・・・耐半田樹脂層
5・・・黒化膜
6・・・めっき金属層
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁基板の表面に電子部品の電極が半田を介して接続される半田接合パッドを被着して成る配線基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、MPU等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板として、例えばガラス−エポキシ樹脂等の有機材料系の絶縁層と銅箔等の銅から成る配線導体とを交互に複数層積層して成る絶縁基板上に、電子部品の電極が半田を介して電気的に接続される銅箔や銅めっき等の銅から成る半田接合パッドを形成した配線基板が知られている。この配線基板においては、半田接合パッドに電子部品の電極を半田を介して接続する際に絶縁基板を熱から保護するとともに半田接合パッド同士の電気的な短絡を防止するためにエポキシ樹脂等の耐熱樹脂から成る耐半田樹脂層を絶縁基板上に半田接合パッドの外周部を覆うようにして被着させている。なお、半田接合パッドは、耐半田樹脂層との密着を強固なものとするために、耐半田樹脂層から露出した中央部を除く外周部表面に黒化処理により黒化膜が形成されており、さらに、その酸化腐食を防止するとともに半田接合パッドと電子部品の電極との半田を介した電気的接続を良好かつ強固なものとする目的で半田接合パッドの露出する表面にニッケルめっき層および金めっき層等のめっき金属層が電解めっき法や無電解めっき法により順次被着されている。
【0003】
このような配線基板は、先ず有機材料系の絶縁層と銅から成る配線導体とを積層した絶縁基板上に直径が250〜600μmの銅箔や銅めっき等の銅から成る半田接合パッドを形成し、次に絶縁基板上に被着した半田接合パッドの露出表面の全面に黒化処理を施して黒化膜を形成し、次に絶縁基板上および半田接合パッド上に未硬化の耐半田樹脂層を塗布し、次に未硬化の耐半田樹脂層に露光および現像処理を行って半田接合パッドの中央部を露出させ、次に未硬化の耐半田樹脂層を紫外線硬化や熱硬化により硬化させた後、半田接合パッドの露出した中央部表面の黒化膜を酸洗浄やマイクロエッチングによる化学研磨にて除去し、次に黒化膜が除去された半田接合パッドの露出表面にニッケルめっき層および金めっき層等のめっき金属層を被着することにより製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、環境への配慮から、電子部品の電極と配線基板の半田接合パッドとを接続する半田として鉛を含まない鉛フリー半田が使用されるようになってきている。このような鉛フリー半田は、従来の鉛を含んだ半田よりもその融点が一般的に10〜20℃程度高く、そのためこの鉛フリー半田を使用して電子部品の電極と配線基板の半田接合パッドとを接続する場合、従来よりも10〜20℃程度高い温度で半田を溶融させる必要がある。そして、このように高い温度を配線基板に印加すると、半田接合パッドとこれに被着させためっき金属層との間に、大きな膜応力が働いて半田接合パッドとめっき金属層とが剥離しやすくなり、その結果、電子部品の電極と半田接合パッドとを半田を介して強固に接続することができなくなってしまうという問題点を誘発した。
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、絶縁基板に形成した半田接合パッドの表面にめっき金属層を良好に被着して、電子部品の電極を半田接合パッドに半田を介して強固に接続することが可能な配線基板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、配線導体を有する有機材料系の絶縁基板と、この絶縁基板の表面に形成された銅から成る半田接合パッドと、絶縁基板の表面および半田接合パッドの表面に、半田接合パッドの中央部を露出させるようにして被着された耐半田樹脂層とを具備して成る配線基板であって、半田接合パッドは、耐半田樹脂層が被着された表面が黒化処理されているとともに耐半田樹脂層から露出した表面が物理研磨および化学研磨されており、かつその露出した表面にめっき金属層が順次被着されていることを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の配線基板の製造方法は、絶縁基板上に銅から成る半田接合パッドを形成する工程と、半田接合パッドの表面に黒化処理を施して黒化膜を形成する工程と、絶縁基板上および半田接合パッド上に未硬化の耐半田樹脂層を被着する工程と、未硬化の耐半田樹脂層に露光および現像を行なって半田接合パッドの中央部を部分的に露出させた後、未硬化の耐半田樹脂層を硬化させる工程と、半田接合パッドの露出表面を機械研磨した後、化学研磨して半田接合パッドの露出表面に残留した耐半田樹脂層の樹脂および黒化膜を除去する工程と、半田接合パッドの露出表面にめっき金属層を被着させる工程とを順次行なうことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の配線基板によれば、耐半田樹脂層から露出した表面が物理研磨および化学研磨されており、その表面にめっき金属層が順次被着されていることから、物理研磨および化学研磨により銅から成る半田接合パッドの露出表面が極めて清浄なものとなるとともにその表面粗さが適当なものとなり半田接合パッドとめっき金属層とが極めて強固に密着する。
【0009】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、絶縁基板上に形成した半田接合パッドの表面に黒化処理を施して黒化膜を形成した後、その上に半田接合パッドの中央部を部分的に露出させる耐半田樹脂層を形成し、次に耐半田樹脂層から露出した半田接合パッドの露出表面を機械研磨した後、化学研磨して半田接合パッドの露出表面に残留した耐半田樹脂層の樹脂および黒化膜を除去し、次にその半田接合パッドの露出表面にめっき金属層を被着させることから、物理研磨および化学研磨により銅から成る半田接合パッドの露出表面を耐半田樹脂層の樹脂や黒化膜の残留がない極めて清浄な面とするとともにその表面に微小な凹凸を形成してその露出表面にめっき金属層を極めて強固に密着させることができる。
【0010】
【実施の形態】
次に本発明の配線基板およびその製造方法を添付の図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、図中、1は絶縁基板、2は配線導体、3は半田接合パッド、4は耐半田樹脂層であり、主としてこれらで本発明の配線基板が構成されている。
【0012】
絶縁基板1は、例えばガラス繊維を縦横に編んで形成されたガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させて板状にしたもの、あるいはこれを複数積層して積層体としたものであり、その内部や表面には銅箔や銅めっき等の銅から成る複数の配線導体2が配設されている。
【0013】
また、絶縁基板1の表面には、配線導体2に電気的に接続された銅箔や銅めっき等の銅から成る複数の半田接合パッド3が被着形成されており、この半田接合パッド3には図示しない電子部品の電極が半田を介して電気的に接続される。
【0014】
さらに、絶縁基板1および半田接合パッド3上には、半田接合パッド3の中央部を露出させるようにしてエポキシ樹脂等の耐熱樹脂から成る耐半田樹脂層4が被着されている。耐半田樹脂層4は、半田接合パッド3に電子部品の電極を半田を介して接続する際に、その熱から絶縁基板1を保護するとともに半田接合パッド3同士が半田を介して電気的に短絡するのを防止するためのダムとして機能する。
【0015】
また、耐半田樹脂層4で覆われた半田接合パッド3の表面には黒化処理により黒化膜5が形成されており、この黒化膜5により半田接合パッド3と耐半田樹脂層4との密着が強固なものとなっている。
【0016】
なお、ここで黒化処理とは、銅から成る半田接合パッド3の表面をアルカリ性酸化処理液により酸化して亜酸化銅および酸化銅により構成される針状結晶を生成させ、この針状結晶に基づく微細な凹凸を生じさせる表面粗化処理を意味する。
また、処理後に表面が黒くなることからこの表面粗化処理を黒化処理と呼び、表面の黒く変色した層を黒化膜と呼んでいる。
【0017】
さらに、耐半田樹脂層4から露出した半田接合パッド3の表面は、例えば砥粒を流体とともに被研磨物に吹き付けるジェットスクラブ等の機械的研磨により機械研磨されているとともに酸処理等の化学研磨法により化学研磨されている。このように耐半田樹脂層4から露出した半田接合パッド3の表面が機械研磨および化学研磨されていることから、半田接合パッド3の露出表面が極めて清浄なものとなるとともにその表面粗さが適当なものとなる。そして、本発明の配線基板においては、この機械研磨および化学研磨された表面にニッケルめっきおよびその上の金めっきから成るめっき金属層6が被着されている。この場合、めっき金属層6は機械研磨および化学研磨された表面に被着されていることから、半田接合パッド3とめっき金属層6とが極めて強固に密着する。従って、半田接合パッド3に電子部品の電極を鉛フリーの半田を介して接続しても、半田接合パッド3とめっき金属層6との間で剥離が発生することがなく、電子部品の電極を半田接合パッド3に半田を介して極めて強固に接続することができる。
【0018】
なお、機械研磨および化学研磨された半田接合パッド3の露出表面は、その表面における樹脂成分の残留が300ppm以下であることが好ましく、またその算術平均粗さRaが0.01〜0.1μmであることが好ましい。機械研磨および化学研磨された半田接合パッド3の露出表面における樹脂成分の残留が300ppmを超えると、半田接合パッド3の銅とその上のめっき金属層との密着が残留する樹脂成分により阻害されて弱いものとなる危険性が大きくなる。また、機械研磨および化学研磨された半田接合パッド3の表面の算術平均粗さが0.1μmを超えると、半田接合バッド3の表面の凹凸内にめっき金属層が良好に入り込まずに半田接合パッド3の表面にめっき金属層が被着されない部分を生じ、そのため半田接合パッド3と半田との密着が低下してしまう危険性が大きくなり、他方、0.01μm未満であると、半田接合バッド3の表面の凹凸内が小さすぎるため、アンカー効果による半田接合パッド3とめっき金属層6との密着が低下してしまう危険性が大きくなる。従って、機械研磨および化学研磨された半田接合パッド3の露出表面の算術平均粗さが0.01〜0.1μmであることが好ましい。
【0019】
次に、上述した本発明の配線基板の製造方法を図2に基づいて詳細に説明する。図2(a)〜(g)は、本発明の配線基板の製造方法を説明する各工程の要部断面図である。
【0020】
まず、図2(a)に示すように、例えば内部や表面に配線導体を有するガラス−エポキシ樹脂から成る絶縁基板1を準備するとともにその表面に銅から成る半田接合パッド3を形成する。
【0021】
絶縁基板1は、例えば両面あるいは片面に銅箔から成る配線導体2が被着されたガラス−エポキシ板を接着剤層を挟んで複数枚積層することにより製作され、半田接合パッド3は、絶縁基板1上に銅箔を予め被着させておくとともに、この銅箔上に5〜40μmの銅めっき層を施した後、従来周知のフォトリソグラフィー法によって絶縁基板1上の銅箔およびその上の銅めっき層を所定のパターンにエッチングすることによって形成する。
【0022】
このような半田接合パッド3の直径は、250〜600μmであることが好ましく、その厚みは5〜50μmであることが好ましい。半田接合パッド3の直径が250μm未満であると半田接合パッド3と絶縁基板1との密着面が少なく剥れ易くなる傾向にあり、600μmを超えると高密度配線が困難となって配線基板が大きくなってしまう傾向にある。従って、半田接合パッド3の直径は250〜600μmであることが好ましい。また、半田接合パッド3の厚みが5μm未満であると変形や脱離し易くなる傾向にあり、50μmを超えると半田接合パッド3の形成時の応力により絶縁基板1より剥離し易くなる傾向にある。従って、半田接合パッド3の厚みは、5〜50μmであることが好ましい。
【0023】
次に、図2(b)に示すように、半田接合パッド3を形成した絶縁基板1を水酸化ナトリウム・亜塩素酸ナトリウム・安定剤等から成る黒化処理液に数分間浸漬して半田接合パッド3の表面に亜酸化銅および酸化銅の針状結晶から成る黒化膜5を形成する。黒化膜5は、半田接合パッド3と耐半田樹脂層4との密着を保持する機能がある。黒化膜5の厚みは、1〜5μmであることが好ましく、その表面の算術平均粗さは0.1〜0.5μmであることが好ましい。黒化膜5の厚みが1μm未満であると表面粗さも小さくなり半田接合パッド3と耐半田樹脂層4との密着力が低下する傾向にあり、5μmを超えると機械研磨および化学研磨で黒化膜5が充分に除去できずにめっき金属層が被着できない傾向にある。従って、黒化膜5の厚みは、1〜5μmであることが好ましい。また、黒化膜5の表面の算術平均粗さが0.1μm未満であるとアンカー効果による半田接合パッド3と耐半田樹脂層4との密着力が低下する傾向にあり、0.5μmを超えると機械研磨および化学研磨によりその表面粗さを適当なものとすることができない傾向にある。従って、黒化膜5の表面の算術平均粗さは0.1〜0.5μmであることが好ましい。
【0024】
次に、図2(c)に示すように、絶縁基板1および黒化膜5が被着された半田接合パッド3の表面に例えばアクリル変性エポキシ樹脂等の感光性樹脂と光開始剤等とからなる混合物に30〜70重量%のシリカやタルク等の無機粉末フィラーを含有させた未硬化の耐半田樹脂層4を、スクリーン印刷やロールコート法により、その厚みが10〜80μmとなるように被着する。被着された耐半田樹脂層4の厚みが10μm未満であると半田接合パッド3に電子部品の電極を半田を介して接続する時の熱から絶縁基板1を保護する効果が低いものとなる傾向があり、80μmを超えると半田接合パッド3から耐半田樹脂層4の上面までの高さが高くなりすぎて半田接合パッド3に電子部品の電極を半田を介して良好に接続することが困難となる傾向にある。従って、被着された耐半田樹脂層4厚みは10〜80μmであることが好ましい。
【0025】
次に、図2(d)に示すように、未硬化の耐半田樹脂層4を露光した後に、アルカリ現像液を用いて現像を行い半田接合パッド3の中央部を露出させる。そして、その後、現像された耐半田樹脂層4に1000〜2000mJの紫外線を照射して光硬化した後に、130〜200℃の温度で熱硬化する。このとき、耐半田樹脂層4から露出した半田接合パッド3の露出面上の黒化膜5上には耐半田樹脂層4の樹脂が黒化膜5の結晶間に取り残されて微量残留する。
【0026】
次に、図2(e)に示すように、耐半田樹脂層4から露出した半田接合パッド3の表面を機械研磨した後、化学研磨して半田接合パッド3の露出表面に残留した耐半田樹脂層4の樹脂および黒化膜5を除去する。なお、半田接合バッド3の露出した表面を機械研磨するには、例えば平均粒径が5〜100μmのアルミナ砥粒を5〜30体積%含有する純水を0.1〜0.4MPaの圧力にて半田接合パッド3に噴射するジェットスクラブを用いて機械研磨すればよい。このとき、半田接合パッド3の露出した表面に形成された黒化膜5を機械研磨すると、半田接合パッド3の露出した表面上に残留する耐半田樹脂層4の樹脂を完全に除去することができる。従って、耐半田樹脂層4から露出した半田接合パッド3の表面に耐半田樹脂4の樹脂が残留することはない。さらに、機械研磨により半田接合パッド3の露出表面が削れたり押圧されたりしてその表面に例えば算術平均粗さが0.01〜0.1μmの微小な凹凸が形成される。また、半田接合パッド3の露出表面を化学研磨するには、例えば、3〜5重量%の硫酸や5〜50g/Lの過硫酸ナトリウム水溶液により黒化膜5をエッチングする化学研磨を採用すればよい。このとき、半田接合パッド3の露出表面上には耐半田樹脂層4の樹脂が残留していないことから、残留した樹脂により黒化膜5のエッチングが阻害されることはなく、半田接合パッド3の露出表面上の黒化膜5を完全に除去することができる。
【0027】
次に、図2(f)に示すように、半田接合パッド3の露出表面に厚みが3〜20μm程度のニッケルめっきおよびその上に厚みが0.2〜1.5μm程度の金めっきを順次施してめっき金属層6を被着させる。なお、ニッケルめっき用のめっき液としては次亜リン酸系の還元剤を用いたリン系無電解ニッケルめっき液を用いればよく、金めっき用のめっき液としては金濃度1〜3g/リットルで還元剤が亜硫酸からなる無電解金めっき液を用いればよい。このとき、半田接合パッド3の露出表面は、機械研磨および化学研磨により耐半田樹脂層4の樹脂および黒化膜5が完全に除去されているとともに算術平均粗さが0.01〜0.1μm程度の微小な凹凸が形成されていることから、半田接合パッド3の露出表面にめっき金属層6が極めて良好に被着される。従って、本発明の配線基板の製造方法によれば、電子部品の電極を半田を介して半田接合パッド3に強固に接続することが可能な配線基板を提供することができる。
【0028】
なお、本発明は、上述の実施の形態の一例に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更・改良を施すことは何ら差し支えない。
【0029】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、耐半田樹脂層から露出した表面が物理研磨および化学研磨されており、その表面にめっき金属層が順次被着されていることから、物理研磨および化学研磨により銅から成る半田接合パッドの露出表面が極めて清浄なものとなるとともにその表面粗さが適当なものとなり半田接合パッドとめっき金属層とが極めて強固に密着する。従って、電子部品の電極を半田接合パッドに半田を介して強固に接続することができる。
【0030】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、絶縁基板上に形成した半田接合パッドの表面に黒化処理を施して黒化膜を形成した後、その上に半田接合パッドの中央部を部分的に露出させる耐半田樹脂層を形成し、次に耐半田樹脂層から露出した半田接合パッドの露出表面を機械研磨した後、化学研磨して半田接合パッドの露出表面に残留した耐半田樹脂層の樹脂および黒化膜を除去し、次にその半田接合パッドの露出表面にめっき金属層を被着させることから、物理研磨および化学研磨により銅から成る半田接合パッドの露出表面を耐半田樹脂層の樹脂や黒化膜の残留がない極めて清浄な面とするとともにその表面に微小な凹凸を形成してその露出表面にめっき金属層を極めて強固に密着させることができる。従って、電子部品の電極を半田接合パッドに半田を介して強固に接続することが可能な配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す要部断面図である。
【図2】(a)〜(f)は本発明の配線基板の製造方法を説明するための各工程の要部断面図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁基板
2・・・配線導体
3・・・半田接合パッド
4・・・耐半田樹脂層
5・・・黒化膜
6・・・めっき金属層
Claims (2)
- 配線導体を有する有機材料系の絶縁基板と、該絶縁基板の表面に形成された銅から成る半田接合パッドと、前記絶縁基板の表面および前記半田接合パッドの表面に、該半田接合パッドの中央部を露出させるようにして被着された耐半田樹脂層とを具備して成る配線基板であって、前記半田接合パッドは、前記耐半田樹脂層が被着された表面が黒化処理されているとともに前記耐半田樹脂層から露出した表面が物理研磨および化学研磨されており、かつ該露出した表面にめっき金属層が被着されていることを特徴とする配線基板。
- 絶縁基板上に銅から成る半田接合パッドを形成する工程と、該半田接合パッドの表面に黒化処理を施して黒化膜を形成する工程と、前記絶縁基板上および前記半田接合パッド上に未硬化の耐半田樹脂層を被着する工程と、該未硬化の耐半田樹脂層に露光および現像を行なって前記半田接合パッドの中央部を部分的に露出させた後、前記未硬化の耐半田樹脂層を硬化させる工程と、前記半田接合パッドの露出表面を機械研磨した後、化学研磨して前記半田接合パッドの露出表面に残留した前記耐半田樹脂層の樹脂および前記黒化膜を除去する工程と、前記半田接合パッドの露出表面にめっき金属層を被着させる工程とを順次行なうことを特徴とする配線基板の製造方法。
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JP2007073617A (ja) * | 2005-09-05 | 2007-03-22 | Tamura Seisakusho Co Ltd | 電極構造体、実装用基板及び突起電極並びにこれらの製造方法 |
JP2011181629A (ja) * | 2010-02-26 | 2011-09-15 | Kyocer Slc Technologies Corp | 配線基板およびその製造方法 |
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-
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- 2002-08-27 JP JP2002247326A patent/JP2004087826A/ja active Pending
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