JP2004083128A - Bottle can body and bottle - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ボトル缶体と、そのボトル缶体の口金部にキャップが被着されてなるボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】
金属製の缶体を絞り加工して得られる、いわゆるボトル缶体1は、有底筒状に形成されたボトル缶体1の開口部に、図6(a)に示すように口金部2とその外周に形成されたねじ部3とを有する。このねじ部3には、ボトル缶体1内への飲料水等からなる製品が充填された後、キャップ5の外周がねじ部3に倣って押圧成形されることにより、キャップ5が図6(b)のように被着される。キャップ5は、ボトル缶体1のねじ部3に倣ってキャップねじ部7が形成されるキャップ本体上部6と、このキャップ本体上部6の下端に、膨出部4の下面側に巻き込むように形成されるキャップ本体下部9とからなっている。
【0003】
また、被着される前のキャップ5は、図6(c)に示すようなキャップ材5’のような形状とされており、上部が天板によって塞がれると共に、その下部が下方に向かい真直に開口された筒状をなしている。ブリッジ部8は、円周方向に形成された複数の切り込みであるスコア8aと、ブリッジ8bとが交互に配設されており、ブリッジ部8を介してキャップ本体下部9が連設されている。
【0004】
キャップ5をボトル缶体1から取り外すときには、キャップ5とボトル缶体1とに相対回転方向の回転力を加える。この回転力は、ねじ部3によりキャップ5が上向きに移動するように働く。しかし、キャップ本体下部9はボトル缶体1の膨出部4に係止されているので、ブリッジ8bが破断しキャップ本体上部6とキャップ本体下部9が分離する。そして、キャップ本体下部9は口金部2に残され、キャップ本体上部6はボトル缶体1から離脱される。つまり、利用者がブリッジ部8を破断するようキャップ5を回すことでボトル缶体1から開栓できるようになっている。
【0005】
従来、このようなねじ部3を有するボトル缶体1は、図7(a)に示す有底円筒状のボトル缶体1の開口部を、同図(b)に示すように、一旦縮径して口金部2を形成した後、同図(c)に示すように、その口金部2の開口端から所定距離分だけ再び拡径して拡径部2′を形成し、さらに同図(d)に示すように、開口端から一定の距離にねじ部3を形成することでねじ部3の形成されていない拡径部分を膨出部4として残すことにより、膨出部4を形成している。
【0006】
図6に示されている、ボトル缶体1に被着されているキャップ5の外径Aは、一般に、28mm,33mm,38mmの三つの規格が存在している。ボトル缶体1の口金部2の外径Bは、キャップ5の外径Aよりも小さく形成される。ねじ部3は、38mmの外径からなるキャップ5が被着される場合、ねじとして有効に機能する部分の巻数である有効ねじ巻数が1.5〜1.7巻程度に形成されている。
【0007】
ここで、有効ねじ巻数とは、図8に示された有効ねじ部Xの巻数のことである。図8は、ねじ部3の上面図を簡略的に示した説明図で、Y,Zが不完全ねじ部、Wが完全ねじ部で、Cが中心点である。ねじ部3は、山部3aと谷部3bとから形成されており、口金部2の上端側に始まり側の不完全ねじ部Yが形成され、口金部2の基端側に終わり側の不完全ねじ部Zが形成されている。不完全ねじ部Yと不完全ねじ部Zとの間の完全ねじ部Wは、山部3aと谷部3bがそれぞれ規定の外径で形成されている。不完全ねじ部Yは、その端点Y1から完全ねじ部Wの始点W1まで徐々にねじ山が拡径されており、不完全ねじ部Zは、完全ねじ部Wの終点W2からその端点Z2まで徐々にねじ谷が拡径される。
【0008】
有効ねじ部Xは、不完全ねじ部Yの中間の有効ねじ始点X1から、完全ねじ部Wすべてを含み、不完全ねじ部Zの中間の有効ねじ終点X2までのねじ部である。有効ねじ始点X1は、図8に示すねじ部3の上面視における、端点Y1と中心点Cと始点W1で作られる不完全ねじ部Yの狭角∠αの2等分線L1と不完全ねじ部Yとの交点であり、有効ねじ終点X2は、終点W2と中心点Cと端点Z2で作られる不完全ねじ部Zの狭角∠βの2等分線L2と不完全ねじ部Zの交点である。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−191006号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のボトル缶体1において、ボトル缶体1の口金部2に設けられているねじ部3の有効ねじ巻数が1.5〜1.7巻程度であると、口金部2の基端部から先端部に向かってねじが2本ある部分と、ねじが1本しかない部分とが生じ、その本数の差に伴う問題があった。即ち、上記巻数であると、ボトル缶体1にキャップ5を被着し、ボトル内を陽圧とした場合、キャップ5を押し上げる圧力が加わり、ねじが1本しかない部分ではキャップ5を締結する力が弱く、キャップ5が上方にずれてしまう。つまり、キャップ5がボトル缶体1に対して偏ってしまうので、ねじが1本の部分でブリッジ8bが引っ張られて破断されてしまう。いわゆる、ブリッジ切れが起こるという不具合があった。また、ネジの巻数が多い箇所では少ない箇所より、キャップ装着時にねじ部3の圧縮される量が大きくなり、このため周方向におけるシール性に不均一が生じて気密性が低下するおそれがあった。
【0011】
この対策として、有効ねじ巻数を増やす事が考えられる。ところが、ボトル缶体1にキャップ5を被着する工程において、キャップ径が28mm程度の小さい径では、900N程度の荷重でキャップをボトルに押し付けながら巻き締めされるにすぎないが、キャップ径が33mm以上の大きな径になると、缶内の圧力がキャップ天面を押し上げる力が強く、成形領域も大きくなるので、プレッシャーブロックで1050〜1200Nの力でキャップをボトル缶天面に押し付けながら巻き締めが行われる。
【0012】
例えば、有効ねじ巻き数を2.5〜3巻とした場合には、ねじ本数が2本の部分と3本の部分が形成されので、上述したようなキャップねじ部7の成形工程において、ねじ本数が3本の部分が2本の部分よりもより軸線方向に変形しやすくなる。すると、巻き締め中においては、ねじ形成ローラのキャップ押圧位置と完全ねじ部Wの始点W1との相対位置が軸線方向にずれるので、ねじ形成の不十分な箇所が生じる。また、ねじ形成時には、キャップ5の側面下端側に軸線方向上方に引き上げられる力が発生するので、ねじ本数が多いほどブリッジは切れやすくなる。したがって、ねじ3本部分が多すぎるほどブリッジ切れが発生しやすくなる。そして、巻き締め終了後においては、プレッシャーブロックが解放されると、ねじ3本部分がばねとなり、キャップを押し上げようとするので、ねじ3本側のブリッジが、2本側のブリッジより切れやすくなる。また、巻数を3巻以上とした場合、キャップの開栓トルクが上がり、かつ、開栓回転数が増えてしまい、その分だけ利用者の開栓作業に手間がかかってしまうので好ましくない。
【0013】
また、ボトルの内圧によってキャップ5にブリッジ切れが発生しなかった場合であっても、キャップ5のキャップねじ部7と天面との間隔が長いと、この間が伸長してしまい、キャップ5の密着性が低下するという問題があった。また、キャップ5のキャップねじ部7と天面との間隔が狭いと、キャップ5の被着工程においてキャップ5を押し付ける荷重に耐えられず、この間に対応する口金部2において座屈が生じてしまうという問題があった。
【0014】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、ボトル缶体の口金部に被着されたキャップにブリッジ切れが発生することがなく、キャップを良好に被着させることができるボトル缶体及びボトル缶体にキャップが被着されたボトルを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、金属からなる有底筒状のボトル缶体の口金部に、ねじ部を形成するボトル缶体において、前記口金部に形成された前記ねじ部の最大外径が28〜38mmで、かつその厚さが0.25〜0.4mmで、前記ねじ部の有効ねじの巻数が2.0〜2.5巻で形成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明に係るボトル缶体によれば、口金部のねじ部の有効ねじ巻数が2.0〜2.5巻であるので、ボトル缶体にキャップが被着された場合、ブリッジ切れや、ねじ形成の不十分な箇所などが生じることがなくなり、しかも開栓トルクや開栓回転数の不必要な上昇を招くことなく、良好に被着される。好ましくは、2.0〜2.3巻で形成されれば、より良好に被着される。その理由は、有効ねじ巻数が2.0巻き未満とした場合は、不完全ねじ部Y,Zが軸方向に重なるため、ねじ形成が安定しなくなるからである。また、有効ねじ巻数を2.0〜2.5巻にしたことにより、キャップ装着時の口金部の軸線方向の圧縮量が周方向に渡ってほぼ均一になり、シール性を高めることができる。なお、ねじ部の最大外径は31〜38mmであれば、より好ましい。
【0017】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のボトル缶体において、前記ボトル缶体の口金部に設けられるねじ部は、1インチ当たり8山のネジピッチで形成されていることを特徴とする。
この発明に係るボトル缶体によれば、口金部のねじ部が1インチ当たり8山のネジピッチからなるので、この種のボトル缶体として良好なねじ部が形成される。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のボトル缶体において、ねじ始点を通過するねじ山外径の外径をD1、およびカール部の最大外径部を通過するカール部外径をD2とするとき、前記ねじ部のねじ始点から前記口金部の上端面までの高さhが、0.7≦(D1−D2)/h≦1.3の範囲に設定されていることを特徴とする。
この発明に係るボトル缶体によれば、ねじ始点を通過するねじ山外径の外径をD1、およびカール部の最大外径部を通過するカール部外径をD2とするとき、前記ねじ部のねじ始点から前記口金部の上端面までの高さhが、0.7≦(D1−D2)/h≦1.3の範囲になるように口金部が形成され、これに対応してキャップの雌ねじ部と天面との間の長さや、キャップの外径が特定されるので、キャップの被着されたボトル缶の内圧によって、キャップの雌ねじ部と天面との間が伸長し難くなる。さらに、この伸長を抑制するために、3.24mm≦h≦5.6mmの範囲の高さhとなるように口金部を形成することが好ましい。これにより、ボトル缶体とキャップとの密着性を良好に維持することができる。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項1から3記載のボトル缶体において、
前記傾斜部の傾斜角θが、33°≦θ≦55°の範囲に設定されていることを特徴とする。
この発明に係るボトル缶体によれば、ねじ部のねじ始点から口金部の上方に向かう傾斜部の傾斜角θが、33°≦θ≦55°の範囲になるように口金部が形成されているので、キャップの被着工程においてキャップの押し付け荷重に耐えられるように口金部が形成される。これにより、高い座屈強度を有したボトル缶体を形成することができる。
【0020】
請求項5に係る発明は、請求項1から4記載のボトル缶体において、ボトル缶体の口金部に、キャップが被着されてなることを特徴とする。
この発明に係るボトルによれば、キャップねじ部の有効ねじ巻数が2.0〜2.5巻で形成されるので、ブリッジ切れ等が生じることがなくなり、良好に被着される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1から図5はこの発明の一実施の形態に係るボトル缶体および、ボトル缶体にキャップが被着されたボトルを示す図であって、図1はボトル缶体を示す全体図、図2はボトル缶体とキャップとの関係を示す説明図、図3はボトル缶体にキャップが被着される工程の説明用断面図、図4はボトル缶体にキャップが被着されたボトルを示す要部拡大図、図5はボトル缶体の口金部の拡大部分断面図である。
【0022】
この実施形態のボトル缶体11は、炭酸飲料,果汁飲料などを入れるためのものであって、アルミニウム若しくはアルミニウム合金からなっており、図1のようにボトル缶体11の上部に口金部12が形成されている。
【0023】
口金部12の上部外周には、ねじ部13が設けられ、そのねじ部13より下方には膨出部14が形成されると共に、その下に頸部15が形成されている。ねじ部13は、ボトル缶体11に設けられた口金部12が拡径されて拡径部が形成された後、ねじを形成する部分を縮径し、その縮径された部分にねじ形成機(図示せず)がねじ切り加工することによって形成され、膨出部14は、縮径されず、さらにねじ部13がねじ切り加工されたとき、ねじ切りされていない残りの拡径部分によって形成されている(図6(d)参照)。
【0024】
そして、この口金部12に、図2のように有底円筒状に形成されたキャップ材21が被せられたとき、そのキャップ材21が図3に示すキャッピング装置30によって巻締められることにより口金部12に図4のようにキャップ20が被着され、これによってキャップ20が口金部12の開口端を封止する。
【0025】
キャップ材21は、被着される前の段階では、図2に示すようにその上部が天板22によって塞がれると共に、その下部が下方に向かい真直に開口された筒状をなしており、天板22の内側にはライナー23(図3,図4参照)が装着されている。キャップ材21の下端にはブリッジ部24を介しキャップ本体下部25が設けられている。ブリッジ部24は、複数のスコア24aと、ブリッジ24bとがキャップ材21の周方向に交互に配設されている。
【0026】
この実施形態では、ボトル缶体11の口金部12に設けられるねじ部13の有効ねじ巻数が2.2巻で形成されている。即ち、ねじ部13は、口金部12に拡径部が形成されると、ねじ形成機のねじ切りローラが、拡径されて次いで縮径された部分の周囲に沿って転動し、この拡径されて次いで縮径された部分を押圧してねじ山とねじ谷とを画成することによって形成されるが、その際、口金部12において、図2及び図4のように、ねじ部13として有効に機能する開始位置13aと終了位置13bとの間の有効ねじ巻数が2.2巻となるように形成されている。
【0027】
このねじ部13の有効ねじ部は、従来例の図6で示された有効ねじ部と同様に定義され、開始位置13a(図8では、有効ねじ始点X1)から終了位置13b(図8では、有効ねじ終点X2)までのねじ部とされている。また、口金部12の外径は、従来例の図6で示された外径Bと同様に定義される。このようなねじ部13を有するボトル缶体11は、口金部12に形成されたねじ部13の最大外径が28〜38mmで、かつ口金部12の厚さが0.25〜0.4mmの大きさであり、これに1インチ当たり8山のネジピッチで有効ねじ巻数が2.2巻のねじ部13が形成される。
【0028】
従って、この口金部12にキャップ材21が図2のように被せられ、かつ図3のようなキャッピング装置30によってキャップ材21の外周にキャップねじ部26が形成されてキャップ20が被着されると、キャップ20にも有効ねじ巻数が2.2巻からなるねじ部が形成されるようになっている。
【0029】
また、図5に示すように、口金部12の先端部には先端が外側に折り曲げられて形成されているカール部27と、カール部27から下方に向かって拡径するように形成されている傾斜部28とが設けられている。ねじ始点W1(図8参照)は、ねじ部13の略最大外径となる点とされ、ねじ始点W1を通過する外径をねじ山外径D1とし、カール部27の最大外径部を通過する外径をカール部外径D2とする。また、ボトル缶体11の上端面29からねじ始点W1までの高さをねじ始点高さh、上端面29からカール部27の外側の最下端点T1までの高さをカール部高さTとする。
【0030】
傾斜部28の傾斜角θは、ねじ始点W1から口金部の上方に向かう傾斜と中心軸Oとが形成する角度で、カール部27の外側の最下端点T1からねじ始点W1までの傾斜部28の平均角度が用いられる。
傾斜角θの測定は、株式会社ミツトヨ製のコントレーサーCDH−400を用いて、前記ねじ始点W1から最下端点T1の指定区間線測定により行われた。すなわち、コントレーサーにより中心軸O方向において傾斜部28の輪郭形状を測定し、この輪郭形状より最小2乗法を用いて直線を求め、この直線と中心軸Oとの角度を傾斜角θとする測定を行ったのである。
また、上述した傾斜角θとねじ始点高さhとの間には式1に示す関係がある。
【0031】
【式1】
【0032】
式1より、ねじ山外径D1、カール部外径D2、およびカール部高さTを固定した時、傾斜角θを決めるとねじ始点高さhが決められ、傾斜角θを大きくするとねじ始点高さhが小さくなるということがわかる。これより、傾斜角θの下限値がねじ始点高さhの上限値となり、ねじ始点高さhの下限値が傾斜角θの上限値となることが分かる。
【0033】
キャッピング装置30は、主に図3に示すように、ボトル缶体11に被せたキャップ材21の天板22を下方に押圧するプレッシャーブロック35と、キャップ材21を外周から口金部12に押し付けると共に、口金部12のねじ部13に沿いキャップ材21の外周を巻き締めることにより、キャップねじ部26を形成するROローラ32と、キャップ材21のキャップ本体下部25を外周から膨出部14の下部に巻き付けてピルファープルーフ部を形成するPPローラ33とを備えている。
【0034】
なお、プレッシャーブロック35は、キャップ材21の天板22を押圧する押圧体31を備え、付勢ばね34を介してプレッシャーシャフト37に連結され、キャップ20を被着する際、口金部12に被せたキャップ材21の天板22を押圧させる押し付け荷重が、口金部12の口径の大きさに応じて変えられるようにしている。ROローラ32及びPPローラ33は、支持アーム36によりボトル缶体11及びキャップ材21の周囲に回転可能に構成されている。
【0035】
この実施形態のボトル缶体11は、上記のように口金部12に設けられたねじ部13の有効ねじ巻数が2.2巻で形成されており、これに、キャップ20を被着するため、図2のように有底円筒状のキャップ材21を被せた後、キャッピング装置30を駆動し、キャッピング装置30のプレッシャーブロック35が図3のようにキャップ材21をボトル缶体11の底部方向に押し付けながら、かつROローラ32がボトル缶体11のねじ部13に倣うよう口金部12の周囲に沿って回転すると、図4に示すように、キャップ材21の外周に口金部12のねじ部13に対応するキャップねじ部26が形成され、またPPローラ33によってキャップ材21のキャップ本体下部25が膨出部14に巻き締められ、これによってボトル缶体11にキャップ20が被着されることとなる。
【0036】
上述したようなボトル缶体11およびキャップ20を用いて、耐荷重試験および漏れ試験を行った。実験は、ねじ山外径D1がφ38,φ33,φ28の3通りのボトル缶体11およびキャップ20において、傾斜角θおよびねじ始点高さhを変えて行われた。実験には、0.24〜0.4mmの板厚で、ねじ部13に1インチ当り8山のピッチのねじを有効ねじ巻が数2.2巻で形成されたボトル缶体11が用いられ、180〜230N/mm2の引張強度を有し、板厚0.25mmで、ポリエチレンまたはポリプロピレンのライナー23が貼着されたキャップ20が用いられた。
【0037】
耐荷重試験はボトル缶体11の軸方向に荷重を増加させていき、1600N未満で座屈したボトル缶体11を不合格(×)、1600N以上で座屈したボトル缶体11を合格(○)と評価した。漏れ試験は、常温状態において内圧が0.1MPaで充填されたボトル10の重量を測定し、ボトル10を37℃の状態で1日経過させた後、常温状態で再度重量を測定して、その重量差が0.2mg以下のボトル10を合格(○)、重量差が0.2mg以上のボトル10を不合格(×)と評価した。実験結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1において、ねじ始点高さhが短くなる、つまり傾斜角θが大きくなると座屈が生じ、また、ねじ始点高さhが長くなる、つまり傾斜角θが小さくなると漏れが生じていることが分かる。これより、総合評価として座屈も漏れも生じないねじ始点高さhおよび傾斜角θの範囲を○と評価し、それ以外を×と評価した。総合評価が○と評価される範囲は、ねじ山外径D1がφ38のボトル10において、3.6mm≦h≦5.6mm、33.0°≦θ≦55.0°、ねじ山外径D1がφ33のボトル10において、3.24mm≦h≦4.74mm、32.5°≦θ≦54.6°、ねじ山外径D1がφ28のボトル10において、3.4mm≦h≦5.1mm、33.0°≦θ≦55.0°である。
【0040】
上述したように本実施の形態のボトル11は、口金部12に設けられたねじ部13の有効ねじ巻数が2.2巻で形成されているので、キャップ20の被着工程においてプレッシャーブロック35の圧力によって、ねじ部13の撓みは偏ることがない。これにより、キャップ20に対する各ROローラ32の押し付け高さ位置にばらつきが生じなくなり、ねじ巻き不良を起こすことがない。また、ねじ本数が3本の部分が少ないので、キャップ20の被着時にブリッジ切れが発生しにくい。
【0041】
一方、ボトル缶体11にキャップ20が被着されると、ボトル10内を陽圧とした場合、キャップ20にボトル缶体11の口金部12の内方から押し上げる力が作用するが、前述したように、口金部12のねじ部13とキャップねじ部26との有効ねじ巻数が2.2巻であって、ねじ部13とキャップねじ部26とが一様な力で締結されており、キャップ20がボトル缶体11に対し偏ることがなく、キャップ20のブリッジ部24が切れるおそれがない。また、開栓トルクが必要以上に上昇することもない。
【0042】
その結果、この実施形態によれば、ボトル缶体11にキャップ20を良好に被着することができ、被着後でもキャップ20の良好な状態を確実に維持することができ、従って、ボトル缶体11のねじ部13の巻数によって発生する従来の問題点を解消することができるので、ボトル10としての信頼性を高めることができる。
【0043】
また、ボトル缶体11は、ねじ始点高さhが3.24mm≦h≦5.6mmの範囲で形成されているので、規定の内圧以下においてカール部27とライナー23との間で良好な密着性が得られる。つまり、内圧によってキャップ20のキャップねじ部26と天板22との間が伸長するが、この伸長量はねじ始点高さhによって決められ、ねじ始点高さhを上記範囲にすることで漏れが発生することのない伸長量とすることができるのである。これにより、規定内圧において良好な密封性を有するボトル缶体11を形成することができる。
【0044】
また、傾斜角θが33°≦θ≦55°の範囲で形成されているので、キャップ20の被着工程において、キャップ20を押し付ける荷重に耐えられる耐荷重性を得ることができる。また、有効ねじ巻数が2.0から2.5巻になるように口金部12が形成されているので、ボトル10の内圧によってずれが生じることなく、キャップ20が確実に被着されるボトル缶体11を形成することができると共に開栓トルクの上昇を抑えることができる。
【0045】
なお、図示実施形態では、ボトル缶体11の口金部12に形成されるねじ部13及びキャップ20に形成されるキャップねじ部26の有効ねじ巻数が2.2巻で形成された例を示したが、少なくとも2.0巻以上で、かつ2.5巻以下の有効ねじ巻数であればよい。さらに、2.0〜2.3巻で形成されていれば、不完全ねじ部が軸方向に重ならず、ねじ成形が安定して行え、ねじ3本部分が少なくなるので、より好ましい。
【0046】
従って、この発明においては、ボトル缶体11の口金部12に形成されたねじ部13の最大外径が28〜38mmで、かつその厚さが0.25〜0.4mmで、かつ有効ねじの巻数が2.0〜2.5巻で、好ましくは2.2〜2.3巻で形成されていれば、上述した作用効果を発揮することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、口金部のねじ部の有効ねじ巻数が2.0〜2.5巻に形成されているので、ボトル缶体にキャップが被着された場合、ブリッジ切れ等が生じることがなくなり、良好に被着される。また、有効ねじ巻数を2.0〜2.5巻にしたことにより、キャップ装着時の口金部の軸線方向の圧縮量が周方向に渡ってほぼ均一になり、シール性を高めることができる。
【0048】
請求項2に係る発明によれば、口金部のねじ部が1インチ当たり8山のネジピッチからなるので、この種のボトル缶体として良好なねじ部が形成される効果が得られる。
【0049】
請求項3に係る発明によれば、ねじ部のねじ始点から口金部の上端面までの高さhが、3.24mm≦h≦5.6mmの範囲になるように口金部が形成されているので、ボトル缶体とキャップとの密着性を良好に維持することができる。
【0050】
請求項4に係る発明によれば、ねじ部のねじ始点から口金部の上方に向かう傾斜部の傾斜角θが、33°≦θ≦55°の範囲になるように口金部が形成されているので、高い座屈強度を有したボトル缶体を形成することができる。
【0051】
請求項5に係る発明によれば、キャップねじ部の有効ねじ巻数が2.0〜2.5巻で形成されるので、ブリッジ切れ等が生じることがなくなり、良好に被着される効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係るボトル缶体を示す全体図である。
【図2】ボトル缶体とこれに被着されるキャップとの関係を示す説明図である。
【図3】ボトル缶体にキャップを被着する説明用断面図である。
【図4】ボトル缶体にキャップが被着されボトルを示す要部拡大図である。
【図5】ボトル缶体の口金部の拡大部分断面図である。
【図6】従来のボトル缶体とキャップとを示す説明図である。
【図7】ボトル缶体の口金部にねじ部を形成する説明図である。
【図8】有効ねじ部の説明図である。
【符号の説明】
10 ボトル
11 ボトル缶体
12 口金部
13 ねじ部
13a ねじ部の有効な開始位置
13b ねじ部の有効な終了位置
14 膨出部
20 キャップ
21 キャップ材
22 天板
23 ライナー
24 ブリッジ部
25 キャップ本体下部
26 キャップねじ部
30 キャッピング装置
35 プレッシャーブロック
32 ROローラ
33 PPローラ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a bottle can body and a bottle having a cap attached to a base of the bottle can body.
[0002]
[Prior art]
A so-called bottle can
[0003]
The
[0004]
When removing the
[0005]
Conventionally, as shown in FIG. 7B, the bottle can 1 having such a
[0006]
The outer diameter A of the
[0007]
Here, the number of effective screw turns is the number of turns of the effective screw portion X shown in FIG. FIG. 8 is an explanatory view schematically showing a top view of the
[0008]
The effective thread portion X is a thread portion from the effective thread start point X1 in the middle of the imperfect thread portion Y to the effective thread end point X2 in the middle of the incomplete thread portion Z, including all the complete thread portions W. The effective screw start point X1 is a bisector L1 of the narrow angle ∠α of the imperfect thread part Y formed by the end point Y1, the center point C, and the start point W1 in the top view of the
[0009]
[Patent Document 1]
JP 2000-191006 A
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional bottle can 1, if the effective number of thread turns of the
[0011]
As a countermeasure, it is conceivable to increase the number of effective screw turns. However, in the step of attaching the
[0012]
For example, when the number of effective screw turns is 2.5 to 3, two and three screw portions are formed. The three portions are more easily deformed in the axial direction than the two portions. Then, during the tightening, since the relative position between the cap pressing position of the screw forming roller and the starting point W1 of the complete screw portion W is shifted in the axial direction, a portion where screw formation is insufficient occurs. Further, at the time of screw formation, a force is generated at the lower end of the side surface of the
[0013]
Further, even if the bridge does not break in the
[0014]
The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to prevent a bridge from being cut in a cap attached to a base portion of a bottle can body and to attach the cap well. It is an object of the present invention to provide a bottle can body and a bottle having a cap attached to the bottle can body.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention proposes the following means.
The invention according to
[0016]
According to the bottle can of the present invention, the effective number of screw turns of the screw portion of the base is from 2.0 to 2.5. Therefore, when a cap is attached to the bottle can, a bridge break or a screw Insufficiently formed portions and the like are prevented from occurring, and moreover, it can be satisfactorily applied without causing an unnecessary increase in opening torque and opening rotation speed. Preferably, if it is formed with 2.0 to 2.3 windings, it will be better adhered. The reason is that, when the effective number of turns is less than 2.0 turns, the incomplete thread portions Y and Z overlap in the axial direction, so that the thread formation becomes unstable. Further, by setting the effective number of turns of the screw to 2.0 to 2.5, the amount of axial compression of the base portion when the cap is attached becomes substantially uniform in the circumferential direction, so that the sealing performance can be improved. In addition, it is more preferable that the maximum outer diameter of the screw portion is 31 to 38 mm.
[0017]
The invention according to
According to the bottle can according to the present invention, since the screw portion of the base has a thread pitch of eight threads per inch, a good screw portion is formed as a bottle can of this type.
[0018]
The invention according to
According to the bottle can body of the present invention, when the outside diameter of the thread outside diameter passing through the screw start point is D1 and the outside diameter of the curl part passing through the maximum outside diameter part of the curl part is D2, Is formed so that the height h from the screw start point to the upper end surface of the base is in the range of 0.7 ≦ (D1-D2) /h≦1.3, and the cap is correspondingly formed. Because the length between the female screw and the top surface of the cap and the outer diameter of the cap are specified, the internal pressure of the bottle can with the cap attached makes it difficult for the space between the female screw and the top of the cap to expand. . Further, in order to suppress this elongation, it is preferable to form the base portion so as to have a height h in the range of 3.24 mm ≦ h ≦ 5.6 mm. This makes it possible to maintain good adhesion between the bottle can and the cap.
[0019]
The invention according to claim 4 is the bottle can according to
The inclination angle θ of the inclined portion is set in a range of 33 ° ≦ θ ≦ 55 °.
According to the bottle can body of the present invention, the base portion is formed such that the inclination angle θ of the inclined portion from the screw start point of the screw portion to the upper side of the base portion is in the range of 33 ° ≦ θ ≦ 55 °. Therefore, the cap portion is formed so as to withstand the pressing load of the cap in the cap attaching process. Thereby, a bottle can having high buckling strength can be formed.
[0020]
The invention according to
According to the bottle according to the present invention, since the effective screw turns of the cap screw portion is formed in the range of 2.0 to 2.5 turns, a bridge break or the like does not occur, and the cap screw portion can be attached well.
[0021]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. 1 to 5 are views showing a bottle can body according to an embodiment of the present invention and a bottle having a cap attached to the bottle can body, and FIG. 1 is an overall view showing the bottle can body. 2 is an explanatory view showing the relationship between the bottle can body and the cap, FIG. 3 is a cross-sectional view for explaining the step of attaching the cap to the bottle can body, and FIG. FIG. 5 is an enlarged partial cross-sectional view of a base portion of the bottle can body.
[0022]
The bottle can 11 of this embodiment is for holding carbonated drinks, fruit juice drinks and the like, and is made of aluminum or an aluminum alloy. As shown in FIG. Is formed.
[0023]
A
[0024]
When the
[0025]
At the stage before being attached, the
[0026]
In this embodiment, the effective number of turns of the
[0027]
The effective screw portion of the
[0028]
Accordingly, the
[0029]
Further, as shown in FIG. 5, the tip of the
[0030]
The inclination angle θ of the
The measurement of the inclination angle θ was performed by measuring a designated section line from the screw start point W1 to the lowermost point T1 using a Contraser CDH-400 manufactured by Mitutoyo Corporation. That is, the contour shape of the
Further, there is a relationship shown in
[0031]
(Equation 1)
[0032]
From
[0033]
As shown in FIG. 3, the capping device 30 mainly presses the
[0034]
The
[0035]
In the bottle can 11 of this embodiment, the effective number of turns of the
[0036]
Using the bottle can 11 and the
[0037]
In the load-bearing test, the load was increased in the axial direction of the bottle can
[0038]
[Table 1]
[0039]
In Table 1, buckling occurs when the screw starting point height h is short, that is, when the inclination angle θ is large, and leakage occurs when the screw starting point height h is long, that is, when the inclination angle θ is small. I understand. From this, as a comprehensive evaluation, the range of the screw starting point height h and the inclination angle θ where neither buckling nor leakage occurred was evaluated as ○, and the others were evaluated as ×. The range in which the overall evaluation is evaluated as “○” is as follows: in the
[0040]
As described above, in the
[0041]
On the other hand, when the
[0042]
As a result, according to this embodiment, the
[0043]
Further, the bottle can
[0044]
Further, since the inclination angle θ is formed in the range of 33 ° ≦ θ ≦ 55 °, in the step of attaching the
[0045]
In the illustrated embodiment, an example is shown in which the effective screw turns of the
[0046]
Therefore, in the present invention, the maximum outer diameter of the
[0047]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, since the effective number of turns of the screw portion of the base portion is formed to be 2.0 to 2.5, the cap is attached to the bottle can body. In such a case, a bridge break or the like does not occur, and the coating is performed well. Further, by setting the effective number of turns of the screw to 2.0 to 2.5, the amount of axial compression of the base portion when the cap is attached becomes substantially uniform in the circumferential direction, so that the sealing performance can be improved.
[0048]
According to the second aspect of the present invention, since the screw portion of the mouth portion has a screw pitch of eight threads per inch, an effect of forming a good screw portion as a bottle can of this type is obtained.
[0049]
According to the invention according to
[0050]
According to the invention according to claim 4, the base portion is formed such that the inclination angle θ of the inclined portion from the screw start point of the screw portion to the upper side of the base portion is in a range of 33 ° ≦ θ ≦ 55 °. Therefore, a bottle can having a high buckling strength can be formed.
[0051]
According to the fifth aspect of the present invention, since the effective number of turns of the cap screw portion is 2.0 to 2.5 turns, there is no occurrence of bridge breakage or the like, and an effect of being successfully applied is obtained. Can be
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall view showing a bottle can according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an explanatory view showing a relationship between a bottle can body and a cap attached to the bottle can body.
FIG. 3 is an explanatory cross-sectional view of attaching a cap to a bottle can body.
FIG. 4 is an enlarged view of a main part showing a bottle with a cap attached to a bottle can body.
FIG. 5 is an enlarged partial cross-sectional view of a base of the bottle can body.
FIG. 6 is an explanatory view showing a conventional bottle can and a cap.
FIG. 7 is an explanatory view of forming a screw portion in a mouth portion of a bottle can body.
FIG. 8 is an explanatory diagram of an effective screw portion.
[Explanation of symbols]
10 bottles
11 Bottle body
12 base
13 Screw part
13a Effective starting position of thread
13b Effective end position of thread
14 bulge
20 caps
21 Cap material
22 Top plate
23 liner
24 Bridge section
25 Lower cap body
26 Cap screw part
30 Capping device
35 Pressure Block
32 RO roller
33 PP roller
Claims (5)
前記口金部に形成された前記ねじ部の最大外径が28〜38mmで、かつその厚さが0.25〜0.4mmで、前記ねじ部の有効ねじの巻数が2.0〜2.5巻で形成されていることを特徴とするボトル缶体。In a bottle can body that forms a screw portion on a base portion of a bottomed cylindrical bottle can body made of metal,
The maximum outer diameter of the screw part formed in the base part is 28 to 38 mm, the thickness is 0.25 to 0.4 mm, and the effective number of turns of the screw part is 2.0 to 2.5. A bottle can body formed by winding.
前記口金部に設けられるねじ部は、1インチ当たり8山のネジピッチで形成されていることを特徴とするボトル缶体。The bottle can according to claim 1,
The screw portion provided in the base portion is formed with a screw pitch of eight threads per inch.
ねじ始点を通過するねじ山外径の外径をD1、およびカール部の最大外径部を通過するカール部外径をD2とするとき、前記ねじ部のねじ始点から前記口金部の上端面までの高さhが、0.7≦(D1−D2)/h≦1.3の範囲に設定されていることを特徴とするボトル缶体。The bottle can according to claim 1 or 2,
When the outside diameter of the thread outside diameter passing through the screw start point is D1, and the outside diameter of the curl part passing through the maximum outside diameter part of the curl part is D2, from the screw start point of the screw part to the upper end surface of the base part The height h of the bottle can is set in the range of 0.7 ≦ (D1−D2) /h≦1.3.
前記傾斜部の傾斜角θが、33°≦θ≦55°の範囲に設定されていることを特徴とするボトル缶体。The bottle can according to any one of claims 1 to 3,
The inclination angle θ of the inclined portion is set in a range of 33 ° ≦ θ ≦ 55 °.
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