JP2004077727A - 転写ロールおよび転写装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境変化に対する転写ロールの軸方向の体積抵抗率のバラツキの発生を防止して、転写不良の発生を防止すること。環境変化に起因する転写不良の発生を防止することが可能な長寿命の転写装置を提供すること。
【解決手段】芯金1表面に形成した円筒状の半導電性樹脂層2を水密性且つ半導電性の表面層3で被覆した転写ロールBTRにおいて、軸方向中央部が外気の影響を受け易い半導電性樹脂層2、軸方向端部が外気の影響を受け難い半導電性樹脂層2、または抵抗環境依存性が一定値以下の半導電性樹脂層2を備えた転写ロール。および、前記表面層3がポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂により形成された前記転写ロールBTRと前記転写ロール表面に当接するブレード先端部を有する金属製のクリーニングブレードCLbとを備えた転写ロールクリーナCLとを備えた転写装置。
【選択図】 図1
【解決手段】芯金1表面に形成した円筒状の半導電性樹脂層2を水密性且つ半導電性の表面層3で被覆した転写ロールBTRにおいて、軸方向中央部が外気の影響を受け易い半導電性樹脂層2、軸方向端部が外気の影響を受け難い半導電性樹脂層2、または抵抗環境依存性が一定値以下の半導電性樹脂層2を備えた転写ロール。および、前記表面層3がポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂により形成された前記転写ロールBTRと前記転写ロール表面に当接するブレード先端部を有する金属製のクリーニングブレードCLbとを備えた転写ロールクリーナCLとを備えた転写装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式の画像形成装置の像担持体との間に記録材をニップ搬送(挟持して搬送)する際に、像担持体上のトナー画像を記録材に転写する転写ロールと前記転写ロールを備えた転写装置とに関し、特に、芯金と、前記芯金の外周面に形成された円筒状の半導電性樹脂層と、前記半導電性樹脂層の外周面を被覆する表面層(樹脂チューブ)とを備えた転写ロールと、前記転写ロールおよびそれをクリーニングするクリーナを有する転写装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記電子写真記録方式等を採用した画像形成装置において、カラー画像を高速かつ高画質に形成可能とした装置としては、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各単色トナー像を形成する4つの画像形成ユニットを、互いに並列的に配置し、これらの各画像形成ユニットで順次形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各単色トナー像を、転写材搬送ベルト上に担持された転写用紙上に直接多重に転写するか、中間転写ベルト上に一旦多重に転写した後、この中間転写ベルトから転写用紙上に一括して転写し、転写用紙上のトナー像を定着することによって、カラー画像を形成するように構成された画像形成装置が、種々提案されており、実際に製品化されてきてもいる。
【0003】
ところで、このような画像形成装置の場合には、可撓性部材からなる転写材搬送ベルトや、同じく可撓性部材からなる中間転写ベルトを使用するものであるが、これらの転写材搬送ベルトや中間転写ベルトは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4つの画像形成ユニットにわたって循環駆動されるように、複数のロール間に張架されるため、駆動系が複雑となるとともに、可撓性部材からなるため、蛇行が生じたり、温度変化等によって伸縮が生じ、画像の位置ずれを防止するための技術が必須となる。更に、転写材搬送ベルトや中間転写ベルトは、4つの画像形成ユニットにわたって張架されるため、装置が大型化するという課題を有していた。
【0004】
そこで、本出願人は、特開平10−78686号公報に開示されているように、上記の課題を解決し、駆動系の構成を簡易化することができるとともに、装置の小型化が可能であり、しかも複雑な画像の位置ずれを防止する技術を用いることなく、高画質のカラー画像を形成することが可能な画像形成装置を、既に提案している。
【0005】
(特開平10−78686号公報記載の従来技術)
図10は、この特開平10−78686号公報に開示された従来技術の説明図である。
図10に示すように従来の画像形成装置では、2つの感光体101, 102と1つの転写中間体 151とからなる単位構成体と、2つの感光体103 , 104 と1つの転写中間体 152とからなる単位構成体が備えられており、2つの転写中間体151, 152は、さらにもう1つの転写中間体 153に接するように構成されている。ここに示された4つの感光体101,102,103 , 104 は共通の接線 100を有しており、したがって、これらの4つの感光体101,102,103,104 の周囲に配置された帯電装置111,121,131,141 、露光装置112,122,132,142 、現像装置113,123,133,143 、クリーニング装置114,124,134,144 は、それぞれの感光体101,102,103,104 に対し同一位置に配置されており、各装置種類毎に装置の共通化が図られている。
【0006】
この図10に示す画像形成装置の場合、感光体101,102 上に形成された各トナー画像は、転写中間体 151に転写された後転写中間体 153に転写され、感光体103,104 上に形成された各トナー画像は転写中間体 152に転写された後転写中間体153に転写され、中間転写体 153に転写されたトナー画像が搬送されてきた用紙P上に一括して転写される。用紙P上に転写されたトナー画像は、図示しない定着装置により用紙P上に定着される。転写中間体151,152,153 は、ドラム型であって剛体からなるため、トナー画像どうしの位置ずれは生じ難い。
【0007】
感光体101,102,103,104 には、一次転写後の転写残りトナーを除去するクリーニング装置114,124,134,144 を取り付けた場合、感光体101,102,103,104 の表面は、クリーニング装置114,124,134,144 の摺擦によって削られ、膜厚が徐々に薄くなり、感光体101,102,103,104 の寿命を縮める原因となっている。
【0008】
そこで、感光体101,102,103,104 の寿命を延ばすためには、クリーニング装置114,124,134,144 を無くし、中間転写体151,152,153 や感光体101,102,103,104 、その他部材上のトナーを電位勾配を利用して最終転写ロール161 上に集め、最終転写ロール 161に取付けられたクリーニング装置 171で回収するタイプの画像形成装置が提案されている。
【0009】
図10に示されるタイプの画像形成装置(図中の矢印はロールの回転方向を示す。)において、回転する感光体101,102,103,104 の表面は、接触帯電部材111,121,131,141 に例えば−1000V程度の電圧を印加することによって、−500V程度に帯電される。次に、上記感光体101,102,103,104 の表面には、露光装置112,122,132,142 によって、画像露光が施され、静電潜像が形成される。このようにして、上記感光体101,102,103,104 の画像が露光された潜像部分の表面電位は、−100V以下程度に除電されることになる。次に、上記感光体101,102,103,104 表面の静電潜像は、現像装置113,123,133,143 により、負(−)帯電したトナーで現像され、感光体101,102,103,104 の表面には、トナー像が形成される。各感光体101,102,103,104 表面上に形成されたトナー像は、表面が+300V程度(この表面電位はトナーの帯電状態や雰囲気温度や湿度によって最適に設定されることになる。)に帯電された中間転写体151,152 上に静電的に転写される。
【0010】
感光体101,102 に接触する中間転写体 151と感光体103,104 に接触する中間転写体152 上には、それぞれ単色もしくは二色のトナー像が重ね合わされている状態となる。中間転写体151,152 上のトナー像は、次に表面が+800V程度(この表面電位はトナーの帯電状態や雰囲気温度や湿度によって最適に設定されることになる。)に帯電された中間転写体153 上に静電的に転写される。これにより、中間転写体153 上にトナー像が重ね合わされることになる。このトナー像が転写部位で最終転写ロール 161により用紙P上に転写される。
【0011】
中間転写体151,152 と感光体101,102,103,104 で形成される転写部位をトナー像が通過するとき、パッシェン放電や電荷注入により−帯電しているトナーの一部は、逆極性に帯電して+帯電トナーとなる。この+帯電トナーは、中間転写体151,152 へ転写されることなく、感光体101,102,103,104 へ静電的に付着することになる。感光体101,102,103,104 表面に付着した+帯電トナーは、感光体101,102,103,104 表面とともに接触帯電部材111,121,131,141 と接触する帯電部位へ移動する。このとき、接触帯電部材111,121,131,141 は、感光体101,102,103,104 表面よりも−(マイナス)に帯電しているので、+トナーは接触帯電部材111,121,131,141 の表面に静電的に付着してしまう。
トナーが付着した部分は、放電が活発となり、感光体101,102,103,104 の表面電位が高くなる傾向(−帯電感光体の場合にはより強く−に帯電する傾向)になる。したがって、トナーの付着が多い部分、少ない部分、無い部分で感光体101,102,103,104 表面電位のムラができることになる。表面電位のムラが生じると、静電潜像を形成させるために感光体101,102,103,104 表面を露光しても潜像電位にムラが生じてしまい、現像量に違いが出てきてしまので、ハーフトーン像を現像しようとすると、濃度ムラが目立つことになる。
【0012】
そこで、上記の如く構成される画像形成装置においては、接触帯電部材111,121,131,141 に付着した+帯電トナーを取り除くために、印字動作前もしくは印字動作後に、以下のような動作が実施される。
【0013】
最終転写ロール161 には、クリーニング装置171 が取付けてあり、中間転写体153 と中間転写体152 及び中間転写体151 を電気的にフロートさせ、最終転写ロール161 に−極性の電圧を印加し、中間転写体153 の表面を−極性に帯電させると同時に、中間転写体153 で中間転写体152 と中間転写体151 の表面を−極性に帯電させることにより電気的に勾配をつけ、感光体101,102,103,104 の接触帯電部材111,121,131,141 の表面に付着した+極性トナー及び感光体101,102,103,104 、中間転写体151,152,153 の表面に付着した+極性残りトナーを、最終転写ロール161 まで静電的に転写させ移動させることにより、最終転写ロール161 に取付けられたクリーニング装置171 でこれら+帯電トナーを回収する。
【0014】
クリーニング装置 171としては、ブレードクリーニング装置やブラシクリーニング装置が好適に使用される。このクリーニング装置 171には、トナーをためることができる回収ボックスなどが取付けられる。また、同様な方法で、マイナス帯電した残りトナーを回収する。
【0015】
以上、説明した最終転写ロールには先行技術:特開2002−182497号公報に開示されているポリイミド製導電チューブに対して導電性を付与した発泡ロール(金属ロール表面に半導電性の円筒状発泡樹脂層を形成したロール、半導電性樹脂ロール)を挿入して構成したタイプの転写ロールが好適に使用される。これは、転写ロールの表面に表面微小硬度(針の先端部のような微小部分を押圧して測定した表面硬度)がポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂に相当する値以上であるガード樹脂(円筒状表面層)を設けると共に、この表面層(ガード樹脂層)の下地層として表面層での電荷蓄積が抑えられる半導電性樹脂層を設けることを特徴とするものである。
更にまた、転写ロール表面には、トナーなどの画像形成粒子やその外添材が付着する懸念があるため、転写ロール表面を清掃するという観点から、転写ロールの表面層(ガード樹脂層)に、清掃用のスクレーパ(クリーニングブレード)を接触配置する態様が通常採用される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
先行技術:特開2002−182497号公報に開示されている転写ロールにおいて、半導電性樹脂層の表面をポリイミド製導電チューブ(円筒状表面層)により被覆したタイプの転写ロールがある。以下、チュービングBTR(BTRは、バイアストランスファロール、すなわち、転写ロール)とも呼ぶ。
前記チュービングBTR(円筒状表面層を有する転写ロール)において、チューブ両端部は開放されているため発泡ロール両端部は発泡ロール中央部に比べて装置が置かれている環境の影響を受け易い。例えば、装置が高湿環境に置かれている場合、端部の発泡ロールは吸湿し抵抗が下がるが、発泡ロール中央部は外気の影響を受け難いため、相対的に端部より抵抗が高くなってしまう。反対に、装置が低湿環境に置かれている場合、端部の発泡ロールは脱湿し抵抗が上がる、しかし発泡ロール中央部は外気の影響を受け難いため、相対的に端部より抵抗が低くなってしまう。
【0017】
以上、説明したようにチュービングBTR(半導電性樹脂層を円筒状の表面層で被覆した転写ロール)の半導電性樹脂層の体積抵抗率は、装置が置かれている環境によって変化する。チュービングBTRの軸方向で半導電性樹脂層の体積抵抗率にバラツキが生じると以下に説明するような不具合が発生する。
従来、トナーの転写率が最も高くなる転写電流の値(転写電流最適値)よりも転写電流が多くなっても、少なくなっても転写率が低下することが知られている。
例えば、高湿環境においてチュービングBTRの半導電性樹脂層の端部の体積抵抗率が下がっているとBTR端部に転写電流が集中することになる。転写電流がBTR端部に集中するとBTR中央部の転写電流が不足することになる。この時、体積抵抗率が相対的に高いBTR中央部に対応する画像部分で転写不良等が発生することになる。この転写不良を防止するため、転写電流を増やすと、BTR端部での転写電流が過電流となり、転写抜け等の転写不良が発生してしまう。
【0018】
また低湿環境においてBTR端部の体積抵抗率が上がっていると相対的に体積抵抗率の低いBTR中央部に転写電流が集中することになる。転写電流がBTR中央部に集中するとBTR端部の転写電流が不足することになる。この時、体積抵抗率が相対的に高いBTR端部に対応する画像部分で転写不良等が発生することになる。この転写不良を防止するため、転写電流を増やすと、BTR中央部で転写電流が過電流となり、転写抜け、白点などの転写不良が発生してしまう。
【0019】
表面微小硬度がポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂に相当する値以上である円筒状表面層(ガード樹脂層)を設けた転写ロールは、転写ロール表面に金属製のクリーニングブレードのブレード先端部を当接させてクリーニングすることが可能となる。金属製ブレードを用いたクリーニングブレードはクリーニング性能が高く、長寿命である。このため、前記円筒状表面層(ガード樹脂層)を設けた転写ロールと金属製のクリーニングブレードとを組み合わせた転写装置は、長寿命となり且つ製造コストを低減することが可能となる。
【0020】
本発明は前述の事情および検討結果に鑑み、下記(O01),(O02)の記載内容を課題とする。
(O01)環境変化に対する転写ロールの軸方向の体積抵抗率のバラツキの発生を防止して、転写不良の発生を防止すること。
(O02)環境変化に起因する転写不良の発生を防止することが可能な長寿命の転写装置を提供すること。
【0021】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決するために案出した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。
なお、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0022】
発明が解決すべき課題で説明した不具合の原因は転写ロール(BTR)の軸方向の体積抵抗率にバラツキが発生することにある。このバラツキは半導電性樹脂層(2)の端部のみが環境(湿度)の影響を受け易く、端部の体積抵抗率が相対的に高くなったり低くなったりすることにより発生する。この転写ロール(BTR)の軸方向の体積抵抗率のバラツキを防止する構成は以下の三つの構成(A)〜(C)となる。
(A)芯金(1)表面に形成した円筒状の半導電性樹脂層(2)を水密性且つ半導電性の表面層(3)で被覆した転写ロール(BTR)の軸方向中央部が外気の影響を受け易い構成とする。
(B)芯金(1)表面に形成した円筒状の半導電性樹脂層(2)を水密性且つ半導電性の表面層(3)で被覆した転写ロール(BTR)の軸方向端部が外気の影響を受け難い構成とする。
(C)芯金(1)表面に形成した円筒状の半導電性樹脂層(2)を水密性且つ半導電性の表面層(3)で被覆した転写ロール(BTR)の抵抗環境依存性が一定値以下の構成とする。
【0023】
また、前記(A)〜(C)の構成を有する転写ロール(BTR)と、前記転写ロール(BTR)の表面に当接するブレード(CLb)先端部により転写ロール(BTR)表面の付着トナーを除去する金属性クリーニングブレード(CLb)を有する転写ロールクリーナ(CL)とを備えた転写装置(T)であって、構成が簡素で且つ長寿命の転写装置(T)を得ることが可能な転写ロール(BTR)の構成は、次の構成(D)である。
(D)前記転写ロール(BTR)の表面層(3)として、表面微小硬度がポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂に相当する値以上である円筒状表面層(ガード樹脂層)を設けた構成。
【0024】
(前記(A)の構成を備えた転写ロール)
前記(A)の構成を備えた転写ロールBTRとしては、次の構成(A1)〜(A5)を備えた転写ロール(A1)〜(A5)がある。
(A1)芯金(1)と、前記芯金(1)の外周面に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた転写ロール(BTR)において、
前記半導電性樹脂層(2)端部の抵抗環境依存性(高温高湿28℃/85%RHでの1000V印加時の体積抵抗率と低温低湿10℃/15%RHでの1000V印加時の体積抵抗率の比)が中央部よりも小さいことを特徴とする転写ロール(BTR)。
(A2)芯金(1)と、前記芯金(1)の外周面に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた転写ロール(BTR)において、
前記芯金(1)表面に転写ロール(BTR)の軸方向にに延びる溝(1a)をつくり、前記溝(1a)を通って湿気が半導電性樹脂層(2)の中央部に容易に侵入できるように構成したことを特徴とする転写ロール(BTR)。
【0025】
(A3)芯金(1)と、前記芯金(1)の外周面に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた転写ロール(BTR)において、
前記転写ロール(BTR)の軸方向中央部の表面層(3)に微小孔(3a)を設け、前記微小孔(3a)を通って湿気が半導電性樹脂層(2)の中央部に容易に侵入できるように構成したことを特徴とする転写ロール(BTR)。
(A4)芯金(1)と、前記芯金(1)の外周面に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた転写ロール(BTR)において、
前記半導電性樹脂層(2)中に前記転写ロール(BTR)の軸方向に延びる細いトンネル状の孔(2d)を設け、前記トンネル状の孔を通って湿気が半導電性樹脂層(2)の中央部に容易に侵入できるように構成したことを特徴とする転写ロール(BTR)。
(A5)芯金(1)と、前記芯金(1)の外周面に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた転写ロール(BTR)において、
芯金(1)をパイプ形状とし且つ芯金(1)の軸方向の中央部には通気孔(1c)を設け、前記通気孔(1c)を通って湿気が半導電性樹脂層(2)の中央部に容易に侵入できるように構成したことを特徴とする転写ロール(BTR)。
【0026】
前記構成(A1)〜(A5)を備えた転写ロール(BTR)は、芯金(1)表面に形成した円筒状の半導電性樹脂層(2)を水密性且つ半導電性の表面層(3)で被覆した転写ロール(BTR)の軸方向中央部が外気の影響を受け易いので、環境変化時における転写ロール(BTR)端部と中央部との芯金(1)および表面層(3)間の抵抗バラツキまたは体積抵抗率のバラツキの発生を防止することができる。
したがって、環境変化に対する転写ロール(BTR)の軸方向の体積抵抗率のバラツキの発生を防止して、転写不良の発生を防止することができる。
【0027】
(前記(B)の構成を備えた転写ロール)
前記(B)の構成を備えた転写ロール(BTR)は、芯金(1)と、前記芯金(1)の外周面に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた転写ロール(BTR)において、
半導電性樹脂層(2)の端部が環境変化に伴う体積抵抗率の変化の少ない材料により構成されたことを特徴とする。
【0028】
前記構成(B)を備えた転写ロール(BTR)は、例えば次の具体的構成(B1)〜(B3)を備えることが可能である。
(B1)転写ロール(BTR)端部に封止剤等を注入し転写ロール(BTR)端部の半導電性樹脂層(2)が外気に触れない構成とする。
(B2)半導電性樹脂層(2)を軸方向に三分割または5分割以上に分割し端部付近の半導電性樹脂層(2b)のみカーボン導電性タイプのような環境によって抵抗バラツキが少なくなるタイプの材料により構成する。
(B3)中央部を発泡タイプの樹脂層(2a)により形成し且つ端部をソリッドタイプの樹脂層(2b)により構成する。
(前記(B)を備えた転写ロールの作用)
前記構成(B1)〜(B3)を備えた転写ロール(BTR)は、転写ロール(BTR)端部が環境の影響を受け難い構成であるので、環境による半導電性樹脂層(2)の端部と中央部との間の半径方向の体積抵抗率のバラツキまたは半径方向の抵抗バラツキの発生を防止することができる。
【0029】
(前記(C)の構成を備えた転写ロール)
前記(C)の構成を備えた転写ロール(BTR)は、芯金(1)と、前記芯金(1)の外周に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備え、且つ前記半導電性樹脂層(2)の体積抵抗率の環境依存性(高温高湿28℃/85%RHでの1000V印加時の体積抵抗率と低温低湿10℃/15%RHでの1000V印加時の体積抵抗率の比)が1桁以内であり、前記表面層(3)はポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂に相当する値以上の表面微小硬度を有することを特徴とする。
【0030】
(前記(C)の構成を備えた転写ロールの作用)
芯金(1)と、前記芯金(1)の外周に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた通常の転写ロール(BTR)は、半導電性樹脂層(2)を発泡樹脂により形成し、その抵抗は常温環境(22℃/55%RH)で8.0logΩ(1000V印加時/定板押付け法)程度に調整される。一般的に転写ロール(BTR)の発泡樹脂製の半導電性樹脂層(2)の環境依存性(高温高湿環境28℃/85%RHでの抵抗と低温低湿環境10℃/15%RHでの抵抗の比)は2.5桁(1000V印加時/定板押付け法)程度以下である。特にイオン導電性の発泡樹脂製の半導電性樹脂層(2)の環境依存性は2桁程度に調整される。このような半導電性樹脂層(2)を使用するとBTRの軸方向抵抗バラツキが顕著となり、先に説明したような不具合が発生することになる。
これを防止する為には、半導電性樹脂層(2)の抵抗を調整して環境依存性が1.0桁程度以下のものを使用する。このタイプの半導電性樹脂層(2)を使用することにより転写ロール(BTR)の軸方向中央部および端部の半径方向の体積抵抗率または抵抗値のバラツキの発生を防止することができる。
【0031】
前記構成(A)〜(C)を備えた転写ロール(BTR)において、前記構成(D)を設けることが可能である。前記構成(D)を備えた転写ロール(BTR)と、前記転写ロール(BTR)の表面に当接するブレード(CLb)先端部により転写ロール(BTR)表面の付着トナーを除去する金属性クリーニングブレード(CLb)を有する転写ロールクリーナ(CL)とを備えた転写装置(T)を構成することが可能である。
前記構成を備えた転写装置(T)は、構成が簡素で且つ長寿命である。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の転写装置の説明図で、図1Aは転写装置で使用する転写ロールの正面図、図1Bは前記転写ロールの正断面図で前記図1AのIB−IB線断面図、図1Cは図1Aの矢印ICから見た転写ロールと前記転写ロール表面のトナーを除去するクリーナとを有する転写装置の説明図である。
図2は前記図1に示す転写ロールの特性と従来の転写ロールとの相違を示す図で、図2Aは環境変化に対する転写ロールの半導電性樹脂層の体積抵抗率の変化を示す図、図2Bは転写ロールの軸方向の中央部および端部における半径方向の抵抗値の環境変化に対する変化を示す図である。
【0033】
図1において、転写ロールBTRは、円筒状外周面を有する芯金1と、芯金1の外周面に形成された円筒状の半導電性樹脂層2と、前記導半電性樹脂層2の表面を被覆する表面層3とを有している。前記半導電性樹脂層2は、抵抗環境依存性(10℃/15%RH環境1000V印加時の抵抗と28℃/85環境1000V印加時の抵抗の比)が1.0桁以下である発泡樹脂層により構成されている。前記表面層3はポリイミド樹脂(またはポリエーテルイミド樹脂)製のチューブにより構成されている。そして、転写ロールBTRは、前記芯金1とその表面に形成された前記発泡樹脂層(半動電性樹脂層)2とを有する発泡ロールを、前記樹脂チューブ(表面層)3に挿入して構成されている。前記発泡ロールを使用することにより、転写ロールBTRの軸方向の抵抗バラツキの発生が少なくなっている。
【0034】
前記発泡ロールを構成する半導電性樹脂層2としては、例えば、特開平10−254215号公報に開示されたタイプの発泡ロールを使用する。前記特開平10−254215に開示されたタイプの発泡ロールは、前記半導電性樹脂層(発泡樹脂層)2が溶解度パラメータ値の異なる3種のゴムの海島構造からなり、かつ、特性の異なる2種類のカーボンブラックが分散されている。なお、前記溶解度パラメータの値δは、ポリマーまたはその溶媒分子の蒸発エネルギをΔE、モル体積をVとした場合に、δ=ΔE/Vで表せる。そして、ポリマーと溶媒分子のδ値が近い程、原則的に溶解性が高くなる。
さらに、溶解度パラメータ値の異なる3種のゴムからなり、各ゴムの溶解度パラメータ値の選定によって各ゴム間の相溶性を高めることができ、かつ、特性の異なるカーボンブラックは、海島構造の界面付近に多く分布しており、カーボンブラックの集中的な偏在が緩和されて導電性粒子としてのカーボンブラックの分散性が向上し、均一な帯電および転写が可能となる。
さらにカーボンブラックは特性が異なる2種からなり、抵抗バラツキの少ない導電性が得られる。また、プロセス油等の可塑剤を使用する必要がないので、可塑剤のブリード(しみ出る現象)等がなく、さらに帯電防止剤やその他電解質等を使用する必要がなく、温度、湿度等の環境変化に対する抵抗値の変動を少なくでき、硬度と抵抗値の調整が容易である。
【0035】
以上の様な発泡ロールのロール抵抗(1000V印加/定板押し当て法)の抵抗測定データを図2に示す。一般的な発泡ロール(仮に現行品と呼ぶ。)の環境依存性は2桁となり、上記説明したタイプの発泡ロール(仮に改善品と呼ぶ。)の環境依存性は1桁程度になる。この改善品ロールをチューブに挿入して転写ロールBTRを製造する(仮に改善BTRと呼ぶ。)。この発泡ロールの外径は20.4mm、芯金外径は12mm、発泡ロール幅は230mmのものを使用している。この発泡ロールを内径20.3mm、膜厚50μm、長さ230mmの半導電性ポリイミドチューブに挿入する。
チューブの抵抗が6.5logΩ(=106.5Ω)(100V印加)のものを使用している。チューブ抵抗の測定方法はチューブに金属シャフトを挿入しこれをロール抵抗が2logΩ(=102Ω)以下の芯金を持つゴムロールに押し付け、芯金両端に各500gfの荷重をかけた状態で、金属シャフトとゴムロールの芯金の間に100Vを印加した時の電流を測定し、抵抗を計算している。前記ロール抵抗2logΩは、導電性金属プレートにゴムロールを押し付けた状態でゴムロール芯金と金属プレートとの間に100Vを印加して測定した値である。
なお、前記ゴムロールのロール抵抗2logΩ(=102Ω)は、ゴムロールをΦ=30mm程度の金属シャフトに押し付け、シャフト両端を500gf程度の押圧力で押圧して、1000Vを印加したときの電流値から計算した抵抗値である。
【0036】
このようにして完成した現行BTRと改善BTRの軸方向各位置における抵抗バラツキの測定結果を図2に示している。改善品BTRでは各環境で現行BTRよりも軸方向バラツキが少なくなっている結果となっている。この時の抵抗測定方法は5mm幅の端子をBTR表面に押し当て、端子と発泡ロール芯金の間に1000Vを印加した時の電流値から抵抗を測定している。
このような環境依存性が一桁程度以内の前記改善BTR(転写ロール)を使用することで、BTR端部と中央部の抵抗差を各環境で0.1桁以内とすることができ、高温高湿環境下におけるBTR中央部に対応する範囲での転写不良/フリンジ汚れ(電界境界部の強調電界(フリンジ電界)により生じる汚れ)を抑制することができ、低温低湿環境下におけるBTR端部に対応する範囲での転写不良/フリンジ汚れを抑制することができる。
【0037】
図1Cに示すように、前記転写ロールBTRは電子写真方式の複写機等の画像形成装置の転写装置Tで使用される。図1Cにおいて、前記転写ロールBTRは画像形成装置の感光体や中間転写ベルト等のトナー像担持体TT表面に接触して配置され、転写ロールBTRとトナー像担持体TTとの間の転写領域Qを通過する用紙(記録シート)に、トナー像担持体TT表面に形成されたトナー像を転写する。
前記転写ロールBTRのポリイミド樹脂製の表面層3は表面微小硬度(針の先端部のような微小部分を押圧して測定した表面硬度)が高いので、ステンレス、リン青銅などの薄い金属製のクリーニングブレードの先端部を当接させて、表面に付着したトナーを除去することができる。
【0038】
したがって、本実施の形態1の転写装置Tは、前記改善転写ロールBTRと、クリーナCLとを有しており、クリーナCLは、転写ロールBTR表面に付着したトナーを擦り取る金属製(SUS製)のクリーニングブレードCLbと、擦り取られたトナーを回収するクリーナ容器CLvとを有している。
本実施の形態1の転写装置Tでは、転写ロールBTR表面に付着したトナーを金属製(SUS製)のクリーニングブレードCLbにより、擦り取るので、クリーナCLの構成が簡素となる。したがって、転写ロールBTRおよびクリーナCLを有する転写装置Tの構成が簡素となり、製作コストを低下させることができる。また、本実施の形態1の転写装置では、前述の改善転写ロールBTRを使用しているので、環境変化に起因する転写不良の発生を防止することが可能な長寿命の転写装置を提供することができる。
【0039】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2の転写装置の説明図で、図3Aは転写装置で使用する転写ロールの表面層を除去した部分の正面図、図3Bは前記転写ロールの正断面図、図3Cは図3Bの矢印IIICから見た転写ロールと前記転写ロール表面のトナーを除去するクリーナとを有する転写装置の説明図である。
なお、この実施の形態例2の説明において、前記実施の形態例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
なお、以下の実施の形態2の説明において、前記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略している。また、この実施の形態2は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0040】
この実施の形態2の転写ロールBTRの表面層(樹脂チューブ)3に挿入された半導電性樹脂層2は、発泡樹脂により構成された中央部部材2aとその両側の発泡樹脂製の端部部材2b,2bとを有している。そして、端部部材2b、2bの抵抗環境依存性は中央部部材2aよりも小さい材料が使用されている。このような構成により、転写ロールBTRの半径方向の抵抗(または体積抵抗率)の軸方向バラツキを抑制することができる。
前記半導電性樹脂層2の端部部材2bの発泡密度を中央部部材2aよりも下げることにより泡間の通気を少なくして環境の影響を少なくするように構成することができる。また、半導電性樹脂層2の中央部部材2aおよび端部部材2b,2bは、一体成形することが可能であり、また、三分割して、芯金1を挿入することも可能である。
【0041】
本実施の形態2の転写ロールBTRを使用した転写装置Tは、転写ロールBTR表面に付着したトナーを金属製(SUS製)のクリーニングブレードCLbにより、擦り取るので、クリーナCLの構成が簡素となる。したがって、転写ロールBTRおよびクリーナCLを有する転写装置Tの構成が簡素となり、製作コストを低下させることができる。また、本実施の形態1の転写装置では、前述の転写ロールBTRを使用しているので、環境変化に起因する転写不良の発生を防止することが可能な長寿命の転写装置を提供することができる。
【0042】
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3の転写ロールの説明図で、図4Aは転写ロールの表面層を除いた部分の側面図、図4Bは転写ロールの側断面図である。
以下の本発明の実施の形態3〜8の説明において、前記実施の形態1の要素に対応する要素には同一の符号を付して重複詳細な説明は省略する。また、以下の実施の形態3〜8の転写ロールBTRはその表面層3にポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂を使用することにより、金属製のクリーニングブレードにより転写ロールBTR表面をクニーングすることが可能となる。その場合、クリーニングブレードを有するクリーナおよび転写ロールを有する転写装置の構成を簡素化することができ、製造コストを低下させることができる。
この実施の形態3の転写ロールBTRの表面層(樹脂チューブ)3に挿入された半導電性樹脂層2は、発泡樹脂により構成された中央部部材2aとその両側のソリッド樹脂製(非発泡樹脂製)の端部部材2b,2bとを有している。
端部部材2b,2bをソリッド部材とすることにより端部部材2bへの湿気の侵入を防止して、半導電性樹脂層2の環境の影響を少なくすることができる。
【0043】
(実施の形態4)
図5は本発明の転写ロールの実施の形態4の説明図で、図5Aは側面図、図5Bは前記図5Aの矢印VB−VBから見た図、図5Cは側断面図で前記図5AのVC−VC線断面図である。
この実施の形態4の転写ロールBTRの表面層(樹脂チューブ)3に挿入された半導電性樹脂層2は、発泡樹脂により構成されており、その両端部には湿気侵入防止、脱湿防止を目的としたリング状の湿気を通さない端部部材4が接着により取り付けられている。この実施の形態4の転写ロールBTRも端部部材4への湿気の侵入を防止して、半導電性樹脂層2の環境の影響を少なくすることができる。
【0044】
(実施の形態5)
図6は本発明の転写ロールの実施の形態5の説明図で、図6Aは転写ロールの芯金の側面図、図6Bは前記図6Aの矢印VIB−VIBから見た図、図6Cは転写ロールの側面図、図6Dは前記図6Cの矢印VID−VIDから見た図、図6Eは転写ロールの側断面図で前記図6CのVIE−VIE線断面図、図6Fは前記図6EのVIF−VIF線断面図である。
図6において、芯金1の外周面には円周方向に90度間隔で4本の溝1aが軸方向に形成されている。前記溝1aを外気が通ることにより、転写ロールBTRの半導電性樹脂層2の中央部部材2aが端部部材2bと同様にが外気の温湿度の影響を受け易くなる。
外気の温湿度の影響が転写ロールBTRの中央部に伝わり易くすることによりBTR抵抗の軸方向バラツキを少なくすることができる。例えば、高温高湿環境では前記溝1aを通ってBTR中央部まで湿気が侵入することにより、中央部も端部と同様にBTR抵抗が下がるので、中央部も環境に応じて抵抗が下がり、軸方向抵抗バラツキがなくなる。また低温低質環境においてはBTR中央部の湿気が溝を通じて外気に出て行き、BTR中央部の抵抗が端部と動揺に環境に応じて上昇し、軸方向の抵抗バラツキが少なくなる。
【0045】
溝1aの深さ及び幅は湿気が通ればよく、深さ2mm程度、幅0.5mm程度あればよい。また軸方向の溝1aの長さは半導電性樹脂層(発泡樹脂層)2よりも長くする必要がある。溝1aの上に半導電性樹脂層2が被さらない範囲をつくり、この範囲から外気が出入りするように構成しなければならない。溝1aの数は周方向にほぼ等幅に三ヵ所以上にしなければならない。例えば、一ヵ所にしてしまうと、周方向に抵抗のバラツキが大きくなってしまい、BTR周ピッチで画質上の不具合(転写不良/フリンジ汚れ)が発生することになる。
【0046】
(実施の形態6)
図7は本発明の転写ロールの実施の形態6の説明図で、本発明の実施の形態6の要部である表面層の斜視図である。
図7において、樹脂チューブにより形成される表面層3に微小孔3aを設け、微小孔チ3aを通して外気が半導電性樹脂層(図示せず)2と触れ易くする。このことにより、BTR中央部が外気の温湿度の影響を受け易くする。外気の温湿度の影響がBTR中央部に伝わり易くすることによりBTR抵抗の軸方向バラツキを少なくすることができる。
微小孔3aの大きさはトナー粒径よりも小さくする必要がある。トナー粒径よりも大きくしてしまうとトナー詰まりが生じてしまい、湿気が十分に出入りしないことになる。トナー粒径よりも小さい孔を表面層(樹脂チューブ)3につくれば、微小孔3aにはトナーが詰まらず且つ、仮に詰まりかけてもクリーニングブレード(スクレーパー)により簡単にかき出されることになる。本発明で使用されるトナー粒径は7μm程度の球形トナーである。よって孔径は6μm程度以下にすることになる。微小孔をポリイミド樹脂製の表面層3に作る方法は、ポリイミド樹脂の原材料に粒径を6μm以下とした塩を混ぜ、チューブに焼成後、水洗いして塩を洗い流す等の方法が採られる。
微小孔3aの密度は環境の影響を受け易いBTR端部から50mm程度の範囲までは微小孔3aが無いか若しくは少なくてもかまわない。しかし、BTR中央部に対応する範囲では0.01個/mm2 以上あることが望ましい。
【0047】
(実施の形態7)
図8は本発明の実施の形態7の転写ロールおよびその変更例の説明図で、図8Aは実施の形態7の側面図、図8Bは前記図8Aの矢印VIIIBから見た図、図8Cは側断面図で前記図8AのVIIIC−VIIIC線断面図、図8Dは前記図8CのVIIID−VIIID線断面図、図8Eは実施の形態7の転写ロールの変更例1の説明図、図8Fは実施の形態7の転写ロールの変更例2の説明図、である。
図8A〜図8Dにおいて実施の形態7の転写ロールBTRの半導電性樹脂層(発泡樹脂層)2には、円周方向に間隔を置いて軸方向に延びる複数のトンネル状の孔2dが設けられている。前記孔2dに外気が通ることにより、半導電性樹脂層2の中央部が端部と同様に外気の温湿度の影響を受け易くなっている。このようにして、外気の温湿度の影響がBTR中央部に伝わり易くすることによりBTR抵抗の軸方向バラツキを少なくすることができる。
トンネル状の孔2dは半導電性樹脂層2の端部から中央部まで通っている必要がある。これによって端部より侵入した外気はBTR中央部まで簡単に通ることになる。これにより、外気の温湿度の影響がBTR中央部に伝わり易くなるので、BTR抵抗の軸方向バラツキを少なくすることができる。例えば、高温高湿環境ではBTR中央部まで湿気が侵入することにより、端部と同様に中央部も環境に応じて抵抗が下がり、軸方向抵抗バラツキが少なくなる。また低温低質環境においてはBTR中央部の湿気が溝を通じて外気に出て行き、BTR中央部の抵抗が環境に応じて端部と同様に上昇し、軸方向抵抗バラツキが少なくなる。
【0048】
前記孔2dの径は湿気が通ればよく、0.5mm程度あればよい。周方向の孔の数はほぼ等幅に三ヵ所以上にしなければならない。例えば、一か所にしてしまうと、周方向に抵抗のバラツキが大きくなってしまい、BTR周ピッチで画質上の不具合(転写不良/フリンジ汚れ)が発生することになる。孔2dの位置は、半導電性樹脂層2の少なくとも一方の軸方向端部に開放されていれば十分である。また、トンネル状の孔2dの位置は、半径方向中央部(真中)に配置されている。
(実施の形態7の変更例1および2)
図8E、図8Fに示す変更例1,2のトンネル状の孔2dの位置は、図8E、図8Fに示すように半径方向の表層近く(図8E参照)、または芯金付近(図8F参照)に配置することも可能である。
【0049】
(実施の形態8)
図9は本発明の転写ロールの実施の形態8の説明図で、図9Aは芯材の側面図、図9Bは前記図9Aの矢印IXBから見た図、図9Cは側面図、図9Dは側断面図で前記図9CのIXD−IXD線断面図である。
芯金1には軸方向に貫通孔1bを有するパイプにより構成されている。前記貫通孔1bとには、軸方向の中央部分に半径方向に延びるの複数の通気孔1cが形成されている。前記通気孔1cは軸方向に間隔を明けて複数配置され、且つ円周方向に90度間隔で配置されている。前記貫通孔1bおよび複数の通気孔1cを通してBTR中央部は外気と接することになる。よって、この通気孔1cに外気が通ることにより、BTR中央部が外気の温湿度の影響を受け易くなっている。このようにして、外気の温湿度の影響がBTR中央部に伝わり易くすることによりBTR抵抗の軸方向バラツキを少なくすることができる。
通気孔は環境の影響を受け易いBTR端部から50mm程度の範囲までは無くても若しくは少なくてもかまわない。しかし、BTR中央部に対応する範囲では通気孔1cをつくる必要がある。また、周方向の通気孔1cの数はほぼ等幅に三ヵ所以上にしなければならない。例えば、一か所にしてしまうと、周方向に抵抗のバラツキが大きくなってしまい、BTR周ピッチで画質上の不具合(転写不良/フリンジ汚れ)が発生することになる。
【0050】
【発明の効果】
前述の本発明の転写ロールは、下記の効果(E01)〜(E03)を奏することができる。
(E01)環境変化に対する転写ロールの軸方向の体積抵抗率のバラツキの発生を抑止して、転写不良の発生を防止することができる。
(E02)環境変化に起因する転写不良の発生を防止することが可能な長寿命の転写装置を提供することができる。
(E03)低温環境におけるBTR端部で発生する転写不良/フリンジ汚れおよび高温高湿環境におけるBTR中央部で発生する転写不良/フリンジ汚れの抑制ができる。これにより、転写電流を低く設定できる。更に、転写電流を低く設定できるので、BTRの通電抵抗上昇を低く抑えることができ、転写ロールおよび転写装置の寿命も延びることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態1の転写装置の説明図で、図1Aは転写装置で使用する転写ロールの正面図、図1Bは前記転写ロールの正断面図で前記図1AのIB−IB線断面図、図1Cは図1Aの矢印ICから見た転写ロールと前記転写ロール表面のトナーを除去するクリーナとを有する転写装置の説明図である。
【図2】図2は前記図1に示す転写ロールの特性と従来の転写ロールとの相違を示す図で、図2Aは環境変化に対する転写ロールの半導電性樹脂層の体積抵抗率の変化を示す図、図2Bは転写ロールの軸方向の中央部および端部における半径方向の抵抗値の環境変化に対する変化を示す図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態2の転写装置の説明図で、図3Aは転写装置で使用する転写ロールの表面層を除去した部分の正面図、図3Bは前記転写ロールの正断面図、図3Cは図3Bの矢印IIICから見た転写ロールと前記転写ロール表面のトナーを除去するクリーナとを有する転写装置の説明図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態3の転写ロールの説明図で、図4Aは転写ロールの表面層を除いた部分の側面図、図4Bは転写ロールの側断面図である。
【図5】図5は本発明の転写ロールの実施の形態4の説明図で、図5Aは側面図、図5Bは前記図5Aの矢印VB−VBから見た図、図5Cは側断面図で前記図5AのVC−VC線断面図である。
【図6】図6は本発明の転写ロールの実施の形態5の説明図で、図6Aは転写ロールの芯金の側面図、図6Bは前記図6Aの矢印VIB−VIBから見た図、図6Cは転写ロールの側面図、図6Dは前記図6Cの矢印VID−VIDから見た図、図6Eは転写ロールの側断面図で前記図6CのVIE−VIE線断面図、図6Fは前記図6EのVIF−VIF線断面図である。
【図7】図7は本発明の転写ロールの実施の形態6の説明図で、発明の要部である表面層の斜視図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態7の転写ロールおよびその変更例の説明図で、図8Aは実施の形態7の側面図、図8Bは前記図8Aの矢印VIIIBから見た図、図8Cは側断面図で前記図8AのVIIIC−VIIIC線断面図、図8Dは前記図8CのVIIID−VIIID線断面図、図8Eは実施の形態7の転写ロールの変更例1の説明図、図8Fは実施の形態7の転写ロールの変更例2の説明図、である。
【図9】図9は本発明の転写ロールの実施の形態8の説明図で、図9Aは芯材の側面図、図9Bは前記図9Aの矢印IXBから見た図、図9Cは側面図、図9Dは側断面図で前記図9CのIXD−IXD線断面図である。
【図10】図10は、この特開平10−78686号公報に開示された従来技術の説明図である。
【符号の説明】
BTR…転写ロール、
CL…転写ロールクリーナ、
CLb…金属性クリーニングブレード、
T…転写装置、
1…芯金、
1a…溝、
1c…通気孔、
2…半導電性樹脂層、
2a…半導電性樹脂層の中央部部材(軸方向中央部付近の半導電性樹脂層)
2b…半導電性樹脂層の端部部材(端部付近の半導電性樹脂層)
2d…トンネル状の孔、
3…表面層。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式の画像形成装置の像担持体との間に記録材をニップ搬送(挟持して搬送)する際に、像担持体上のトナー画像を記録材に転写する転写ロールと前記転写ロールを備えた転写装置とに関し、特に、芯金と、前記芯金の外周面に形成された円筒状の半導電性樹脂層と、前記半導電性樹脂層の外周面を被覆する表面層(樹脂チューブ)とを備えた転写ロールと、前記転写ロールおよびそれをクリーニングするクリーナを有する転写装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記電子写真記録方式等を採用した画像形成装置において、カラー画像を高速かつ高画質に形成可能とした装置としては、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各単色トナー像を形成する4つの画像形成ユニットを、互いに並列的に配置し、これらの各画像形成ユニットで順次形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各単色トナー像を、転写材搬送ベルト上に担持された転写用紙上に直接多重に転写するか、中間転写ベルト上に一旦多重に転写した後、この中間転写ベルトから転写用紙上に一括して転写し、転写用紙上のトナー像を定着することによって、カラー画像を形成するように構成された画像形成装置が、種々提案されており、実際に製品化されてきてもいる。
【0003】
ところで、このような画像形成装置の場合には、可撓性部材からなる転写材搬送ベルトや、同じく可撓性部材からなる中間転写ベルトを使用するものであるが、これらの転写材搬送ベルトや中間転写ベルトは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4つの画像形成ユニットにわたって循環駆動されるように、複数のロール間に張架されるため、駆動系が複雑となるとともに、可撓性部材からなるため、蛇行が生じたり、温度変化等によって伸縮が生じ、画像の位置ずれを防止するための技術が必須となる。更に、転写材搬送ベルトや中間転写ベルトは、4つの画像形成ユニットにわたって張架されるため、装置が大型化するという課題を有していた。
【0004】
そこで、本出願人は、特開平10−78686号公報に開示されているように、上記の課題を解決し、駆動系の構成を簡易化することができるとともに、装置の小型化が可能であり、しかも複雑な画像の位置ずれを防止する技術を用いることなく、高画質のカラー画像を形成することが可能な画像形成装置を、既に提案している。
【0005】
(特開平10−78686号公報記載の従来技術)
図10は、この特開平10−78686号公報に開示された従来技術の説明図である。
図10に示すように従来の画像形成装置では、2つの感光体101, 102と1つの転写中間体 151とからなる単位構成体と、2つの感光体103 , 104 と1つの転写中間体 152とからなる単位構成体が備えられており、2つの転写中間体151, 152は、さらにもう1つの転写中間体 153に接するように構成されている。ここに示された4つの感光体101,102,103 , 104 は共通の接線 100を有しており、したがって、これらの4つの感光体101,102,103,104 の周囲に配置された帯電装置111,121,131,141 、露光装置112,122,132,142 、現像装置113,123,133,143 、クリーニング装置114,124,134,144 は、それぞれの感光体101,102,103,104 に対し同一位置に配置されており、各装置種類毎に装置の共通化が図られている。
【0006】
この図10に示す画像形成装置の場合、感光体101,102 上に形成された各トナー画像は、転写中間体 151に転写された後転写中間体 153に転写され、感光体103,104 上に形成された各トナー画像は転写中間体 152に転写された後転写中間体153に転写され、中間転写体 153に転写されたトナー画像が搬送されてきた用紙P上に一括して転写される。用紙P上に転写されたトナー画像は、図示しない定着装置により用紙P上に定着される。転写中間体151,152,153 は、ドラム型であって剛体からなるため、トナー画像どうしの位置ずれは生じ難い。
【0007】
感光体101,102,103,104 には、一次転写後の転写残りトナーを除去するクリーニング装置114,124,134,144 を取り付けた場合、感光体101,102,103,104 の表面は、クリーニング装置114,124,134,144 の摺擦によって削られ、膜厚が徐々に薄くなり、感光体101,102,103,104 の寿命を縮める原因となっている。
【0008】
そこで、感光体101,102,103,104 の寿命を延ばすためには、クリーニング装置114,124,134,144 を無くし、中間転写体151,152,153 や感光体101,102,103,104 、その他部材上のトナーを電位勾配を利用して最終転写ロール161 上に集め、最終転写ロール 161に取付けられたクリーニング装置 171で回収するタイプの画像形成装置が提案されている。
【0009】
図10に示されるタイプの画像形成装置(図中の矢印はロールの回転方向を示す。)において、回転する感光体101,102,103,104 の表面は、接触帯電部材111,121,131,141 に例えば−1000V程度の電圧を印加することによって、−500V程度に帯電される。次に、上記感光体101,102,103,104 の表面には、露光装置112,122,132,142 によって、画像露光が施され、静電潜像が形成される。このようにして、上記感光体101,102,103,104 の画像が露光された潜像部分の表面電位は、−100V以下程度に除電されることになる。次に、上記感光体101,102,103,104 表面の静電潜像は、現像装置113,123,133,143 により、負(−)帯電したトナーで現像され、感光体101,102,103,104 の表面には、トナー像が形成される。各感光体101,102,103,104 表面上に形成されたトナー像は、表面が+300V程度(この表面電位はトナーの帯電状態や雰囲気温度や湿度によって最適に設定されることになる。)に帯電された中間転写体151,152 上に静電的に転写される。
【0010】
感光体101,102 に接触する中間転写体 151と感光体103,104 に接触する中間転写体152 上には、それぞれ単色もしくは二色のトナー像が重ね合わされている状態となる。中間転写体151,152 上のトナー像は、次に表面が+800V程度(この表面電位はトナーの帯電状態や雰囲気温度や湿度によって最適に設定されることになる。)に帯電された中間転写体153 上に静電的に転写される。これにより、中間転写体153 上にトナー像が重ね合わされることになる。このトナー像が転写部位で最終転写ロール 161により用紙P上に転写される。
【0011】
中間転写体151,152 と感光体101,102,103,104 で形成される転写部位をトナー像が通過するとき、パッシェン放電や電荷注入により−帯電しているトナーの一部は、逆極性に帯電して+帯電トナーとなる。この+帯電トナーは、中間転写体151,152 へ転写されることなく、感光体101,102,103,104 へ静電的に付着することになる。感光体101,102,103,104 表面に付着した+帯電トナーは、感光体101,102,103,104 表面とともに接触帯電部材111,121,131,141 と接触する帯電部位へ移動する。このとき、接触帯電部材111,121,131,141 は、感光体101,102,103,104 表面よりも−(マイナス)に帯電しているので、+トナーは接触帯電部材111,121,131,141 の表面に静電的に付着してしまう。
トナーが付着した部分は、放電が活発となり、感光体101,102,103,104 の表面電位が高くなる傾向(−帯電感光体の場合にはより強く−に帯電する傾向)になる。したがって、トナーの付着が多い部分、少ない部分、無い部分で感光体101,102,103,104 表面電位のムラができることになる。表面電位のムラが生じると、静電潜像を形成させるために感光体101,102,103,104 表面を露光しても潜像電位にムラが生じてしまい、現像量に違いが出てきてしまので、ハーフトーン像を現像しようとすると、濃度ムラが目立つことになる。
【0012】
そこで、上記の如く構成される画像形成装置においては、接触帯電部材111,121,131,141 に付着した+帯電トナーを取り除くために、印字動作前もしくは印字動作後に、以下のような動作が実施される。
【0013】
最終転写ロール161 には、クリーニング装置171 が取付けてあり、中間転写体153 と中間転写体152 及び中間転写体151 を電気的にフロートさせ、最終転写ロール161 に−極性の電圧を印加し、中間転写体153 の表面を−極性に帯電させると同時に、中間転写体153 で中間転写体152 と中間転写体151 の表面を−極性に帯電させることにより電気的に勾配をつけ、感光体101,102,103,104 の接触帯電部材111,121,131,141 の表面に付着した+極性トナー及び感光体101,102,103,104 、中間転写体151,152,153 の表面に付着した+極性残りトナーを、最終転写ロール161 まで静電的に転写させ移動させることにより、最終転写ロール161 に取付けられたクリーニング装置171 でこれら+帯電トナーを回収する。
【0014】
クリーニング装置 171としては、ブレードクリーニング装置やブラシクリーニング装置が好適に使用される。このクリーニング装置 171には、トナーをためることができる回収ボックスなどが取付けられる。また、同様な方法で、マイナス帯電した残りトナーを回収する。
【0015】
以上、説明した最終転写ロールには先行技術:特開2002−182497号公報に開示されているポリイミド製導電チューブに対して導電性を付与した発泡ロール(金属ロール表面に半導電性の円筒状発泡樹脂層を形成したロール、半導電性樹脂ロール)を挿入して構成したタイプの転写ロールが好適に使用される。これは、転写ロールの表面に表面微小硬度(針の先端部のような微小部分を押圧して測定した表面硬度)がポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂に相当する値以上であるガード樹脂(円筒状表面層)を設けると共に、この表面層(ガード樹脂層)の下地層として表面層での電荷蓄積が抑えられる半導電性樹脂層を設けることを特徴とするものである。
更にまた、転写ロール表面には、トナーなどの画像形成粒子やその外添材が付着する懸念があるため、転写ロール表面を清掃するという観点から、転写ロールの表面層(ガード樹脂層)に、清掃用のスクレーパ(クリーニングブレード)を接触配置する態様が通常採用される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
先行技術:特開2002−182497号公報に開示されている転写ロールにおいて、半導電性樹脂層の表面をポリイミド製導電チューブ(円筒状表面層)により被覆したタイプの転写ロールがある。以下、チュービングBTR(BTRは、バイアストランスファロール、すなわち、転写ロール)とも呼ぶ。
前記チュービングBTR(円筒状表面層を有する転写ロール)において、チューブ両端部は開放されているため発泡ロール両端部は発泡ロール中央部に比べて装置が置かれている環境の影響を受け易い。例えば、装置が高湿環境に置かれている場合、端部の発泡ロールは吸湿し抵抗が下がるが、発泡ロール中央部は外気の影響を受け難いため、相対的に端部より抵抗が高くなってしまう。反対に、装置が低湿環境に置かれている場合、端部の発泡ロールは脱湿し抵抗が上がる、しかし発泡ロール中央部は外気の影響を受け難いため、相対的に端部より抵抗が低くなってしまう。
【0017】
以上、説明したようにチュービングBTR(半導電性樹脂層を円筒状の表面層で被覆した転写ロール)の半導電性樹脂層の体積抵抗率は、装置が置かれている環境によって変化する。チュービングBTRの軸方向で半導電性樹脂層の体積抵抗率にバラツキが生じると以下に説明するような不具合が発生する。
従来、トナーの転写率が最も高くなる転写電流の値(転写電流最適値)よりも転写電流が多くなっても、少なくなっても転写率が低下することが知られている。
例えば、高湿環境においてチュービングBTRの半導電性樹脂層の端部の体積抵抗率が下がっているとBTR端部に転写電流が集中することになる。転写電流がBTR端部に集中するとBTR中央部の転写電流が不足することになる。この時、体積抵抗率が相対的に高いBTR中央部に対応する画像部分で転写不良等が発生することになる。この転写不良を防止するため、転写電流を増やすと、BTR端部での転写電流が過電流となり、転写抜け等の転写不良が発生してしまう。
【0018】
また低湿環境においてBTR端部の体積抵抗率が上がっていると相対的に体積抵抗率の低いBTR中央部に転写電流が集中することになる。転写電流がBTR中央部に集中するとBTR端部の転写電流が不足することになる。この時、体積抵抗率が相対的に高いBTR端部に対応する画像部分で転写不良等が発生することになる。この転写不良を防止するため、転写電流を増やすと、BTR中央部で転写電流が過電流となり、転写抜け、白点などの転写不良が発生してしまう。
【0019】
表面微小硬度がポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂に相当する値以上である円筒状表面層(ガード樹脂層)を設けた転写ロールは、転写ロール表面に金属製のクリーニングブレードのブレード先端部を当接させてクリーニングすることが可能となる。金属製ブレードを用いたクリーニングブレードはクリーニング性能が高く、長寿命である。このため、前記円筒状表面層(ガード樹脂層)を設けた転写ロールと金属製のクリーニングブレードとを組み合わせた転写装置は、長寿命となり且つ製造コストを低減することが可能となる。
【0020】
本発明は前述の事情および検討結果に鑑み、下記(O01),(O02)の記載内容を課題とする。
(O01)環境変化に対する転写ロールの軸方向の体積抵抗率のバラツキの発生を防止して、転写不良の発生を防止すること。
(O02)環境変化に起因する転写不良の発生を防止することが可能な長寿命の転写装置を提供すること。
【0021】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決するために案出した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。
なお、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0022】
発明が解決すべき課題で説明した不具合の原因は転写ロール(BTR)の軸方向の体積抵抗率にバラツキが発生することにある。このバラツキは半導電性樹脂層(2)の端部のみが環境(湿度)の影響を受け易く、端部の体積抵抗率が相対的に高くなったり低くなったりすることにより発生する。この転写ロール(BTR)の軸方向の体積抵抗率のバラツキを防止する構成は以下の三つの構成(A)〜(C)となる。
(A)芯金(1)表面に形成した円筒状の半導電性樹脂層(2)を水密性且つ半導電性の表面層(3)で被覆した転写ロール(BTR)の軸方向中央部が外気の影響を受け易い構成とする。
(B)芯金(1)表面に形成した円筒状の半導電性樹脂層(2)を水密性且つ半導電性の表面層(3)で被覆した転写ロール(BTR)の軸方向端部が外気の影響を受け難い構成とする。
(C)芯金(1)表面に形成した円筒状の半導電性樹脂層(2)を水密性且つ半導電性の表面層(3)で被覆した転写ロール(BTR)の抵抗環境依存性が一定値以下の構成とする。
【0023】
また、前記(A)〜(C)の構成を有する転写ロール(BTR)と、前記転写ロール(BTR)の表面に当接するブレード(CLb)先端部により転写ロール(BTR)表面の付着トナーを除去する金属性クリーニングブレード(CLb)を有する転写ロールクリーナ(CL)とを備えた転写装置(T)であって、構成が簡素で且つ長寿命の転写装置(T)を得ることが可能な転写ロール(BTR)の構成は、次の構成(D)である。
(D)前記転写ロール(BTR)の表面層(3)として、表面微小硬度がポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂に相当する値以上である円筒状表面層(ガード樹脂層)を設けた構成。
【0024】
(前記(A)の構成を備えた転写ロール)
前記(A)の構成を備えた転写ロールBTRとしては、次の構成(A1)〜(A5)を備えた転写ロール(A1)〜(A5)がある。
(A1)芯金(1)と、前記芯金(1)の外周面に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた転写ロール(BTR)において、
前記半導電性樹脂層(2)端部の抵抗環境依存性(高温高湿28℃/85%RHでの1000V印加時の体積抵抗率と低温低湿10℃/15%RHでの1000V印加時の体積抵抗率の比)が中央部よりも小さいことを特徴とする転写ロール(BTR)。
(A2)芯金(1)と、前記芯金(1)の外周面に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた転写ロール(BTR)において、
前記芯金(1)表面に転写ロール(BTR)の軸方向にに延びる溝(1a)をつくり、前記溝(1a)を通って湿気が半導電性樹脂層(2)の中央部に容易に侵入できるように構成したことを特徴とする転写ロール(BTR)。
【0025】
(A3)芯金(1)と、前記芯金(1)の外周面に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた転写ロール(BTR)において、
前記転写ロール(BTR)の軸方向中央部の表面層(3)に微小孔(3a)を設け、前記微小孔(3a)を通って湿気が半導電性樹脂層(2)の中央部に容易に侵入できるように構成したことを特徴とする転写ロール(BTR)。
(A4)芯金(1)と、前記芯金(1)の外周面に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた転写ロール(BTR)において、
前記半導電性樹脂層(2)中に前記転写ロール(BTR)の軸方向に延びる細いトンネル状の孔(2d)を設け、前記トンネル状の孔を通って湿気が半導電性樹脂層(2)の中央部に容易に侵入できるように構成したことを特徴とする転写ロール(BTR)。
(A5)芯金(1)と、前記芯金(1)の外周面に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた転写ロール(BTR)において、
芯金(1)をパイプ形状とし且つ芯金(1)の軸方向の中央部には通気孔(1c)を設け、前記通気孔(1c)を通って湿気が半導電性樹脂層(2)の中央部に容易に侵入できるように構成したことを特徴とする転写ロール(BTR)。
【0026】
前記構成(A1)〜(A5)を備えた転写ロール(BTR)は、芯金(1)表面に形成した円筒状の半導電性樹脂層(2)を水密性且つ半導電性の表面層(3)で被覆した転写ロール(BTR)の軸方向中央部が外気の影響を受け易いので、環境変化時における転写ロール(BTR)端部と中央部との芯金(1)および表面層(3)間の抵抗バラツキまたは体積抵抗率のバラツキの発生を防止することができる。
したがって、環境変化に対する転写ロール(BTR)の軸方向の体積抵抗率のバラツキの発生を防止して、転写不良の発生を防止することができる。
【0027】
(前記(B)の構成を備えた転写ロール)
前記(B)の構成を備えた転写ロール(BTR)は、芯金(1)と、前記芯金(1)の外周面に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた転写ロール(BTR)において、
半導電性樹脂層(2)の端部が環境変化に伴う体積抵抗率の変化の少ない材料により構成されたことを特徴とする。
【0028】
前記構成(B)を備えた転写ロール(BTR)は、例えば次の具体的構成(B1)〜(B3)を備えることが可能である。
(B1)転写ロール(BTR)端部に封止剤等を注入し転写ロール(BTR)端部の半導電性樹脂層(2)が外気に触れない構成とする。
(B2)半導電性樹脂層(2)を軸方向に三分割または5分割以上に分割し端部付近の半導電性樹脂層(2b)のみカーボン導電性タイプのような環境によって抵抗バラツキが少なくなるタイプの材料により構成する。
(B3)中央部を発泡タイプの樹脂層(2a)により形成し且つ端部をソリッドタイプの樹脂層(2b)により構成する。
(前記(B)を備えた転写ロールの作用)
前記構成(B1)〜(B3)を備えた転写ロール(BTR)は、転写ロール(BTR)端部が環境の影響を受け難い構成であるので、環境による半導電性樹脂層(2)の端部と中央部との間の半径方向の体積抵抗率のバラツキまたは半径方向の抵抗バラツキの発生を防止することができる。
【0029】
(前記(C)の構成を備えた転写ロール)
前記(C)の構成を備えた転写ロール(BTR)は、芯金(1)と、前記芯金(1)の外周に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備え、且つ前記半導電性樹脂層(2)の体積抵抗率の環境依存性(高温高湿28℃/85%RHでの1000V印加時の体積抵抗率と低温低湿10℃/15%RHでの1000V印加時の体積抵抗率の比)が1桁以内であり、前記表面層(3)はポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂に相当する値以上の表面微小硬度を有することを特徴とする。
【0030】
(前記(C)の構成を備えた転写ロールの作用)
芯金(1)と、前記芯金(1)の外周に形成された半導電性樹脂層(2)と、前記半導電性樹脂層(2)の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層(3)とを備えた通常の転写ロール(BTR)は、半導電性樹脂層(2)を発泡樹脂により形成し、その抵抗は常温環境(22℃/55%RH)で8.0logΩ(1000V印加時/定板押付け法)程度に調整される。一般的に転写ロール(BTR)の発泡樹脂製の半導電性樹脂層(2)の環境依存性(高温高湿環境28℃/85%RHでの抵抗と低温低湿環境10℃/15%RHでの抵抗の比)は2.5桁(1000V印加時/定板押付け法)程度以下である。特にイオン導電性の発泡樹脂製の半導電性樹脂層(2)の環境依存性は2桁程度に調整される。このような半導電性樹脂層(2)を使用するとBTRの軸方向抵抗バラツキが顕著となり、先に説明したような不具合が発生することになる。
これを防止する為には、半導電性樹脂層(2)の抵抗を調整して環境依存性が1.0桁程度以下のものを使用する。このタイプの半導電性樹脂層(2)を使用することにより転写ロール(BTR)の軸方向中央部および端部の半径方向の体積抵抗率または抵抗値のバラツキの発生を防止することができる。
【0031】
前記構成(A)〜(C)を備えた転写ロール(BTR)において、前記構成(D)を設けることが可能である。前記構成(D)を備えた転写ロール(BTR)と、前記転写ロール(BTR)の表面に当接するブレード(CLb)先端部により転写ロール(BTR)表面の付着トナーを除去する金属性クリーニングブレード(CLb)を有する転写ロールクリーナ(CL)とを備えた転写装置(T)を構成することが可能である。
前記構成を備えた転写装置(T)は、構成が簡素で且つ長寿命である。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の転写装置の説明図で、図1Aは転写装置で使用する転写ロールの正面図、図1Bは前記転写ロールの正断面図で前記図1AのIB−IB線断面図、図1Cは図1Aの矢印ICから見た転写ロールと前記転写ロール表面のトナーを除去するクリーナとを有する転写装置の説明図である。
図2は前記図1に示す転写ロールの特性と従来の転写ロールとの相違を示す図で、図2Aは環境変化に対する転写ロールの半導電性樹脂層の体積抵抗率の変化を示す図、図2Bは転写ロールの軸方向の中央部および端部における半径方向の抵抗値の環境変化に対する変化を示す図である。
【0033】
図1において、転写ロールBTRは、円筒状外周面を有する芯金1と、芯金1の外周面に形成された円筒状の半導電性樹脂層2と、前記導半電性樹脂層2の表面を被覆する表面層3とを有している。前記半導電性樹脂層2は、抵抗環境依存性(10℃/15%RH環境1000V印加時の抵抗と28℃/85環境1000V印加時の抵抗の比)が1.0桁以下である発泡樹脂層により構成されている。前記表面層3はポリイミド樹脂(またはポリエーテルイミド樹脂)製のチューブにより構成されている。そして、転写ロールBTRは、前記芯金1とその表面に形成された前記発泡樹脂層(半動電性樹脂層)2とを有する発泡ロールを、前記樹脂チューブ(表面層)3に挿入して構成されている。前記発泡ロールを使用することにより、転写ロールBTRの軸方向の抵抗バラツキの発生が少なくなっている。
【0034】
前記発泡ロールを構成する半導電性樹脂層2としては、例えば、特開平10−254215号公報に開示されたタイプの発泡ロールを使用する。前記特開平10−254215に開示されたタイプの発泡ロールは、前記半導電性樹脂層(発泡樹脂層)2が溶解度パラメータ値の異なる3種のゴムの海島構造からなり、かつ、特性の異なる2種類のカーボンブラックが分散されている。なお、前記溶解度パラメータの値δは、ポリマーまたはその溶媒分子の蒸発エネルギをΔE、モル体積をVとした場合に、δ=ΔE/Vで表せる。そして、ポリマーと溶媒分子のδ値が近い程、原則的に溶解性が高くなる。
さらに、溶解度パラメータ値の異なる3種のゴムからなり、各ゴムの溶解度パラメータ値の選定によって各ゴム間の相溶性を高めることができ、かつ、特性の異なるカーボンブラックは、海島構造の界面付近に多く分布しており、カーボンブラックの集中的な偏在が緩和されて導電性粒子としてのカーボンブラックの分散性が向上し、均一な帯電および転写が可能となる。
さらにカーボンブラックは特性が異なる2種からなり、抵抗バラツキの少ない導電性が得られる。また、プロセス油等の可塑剤を使用する必要がないので、可塑剤のブリード(しみ出る現象)等がなく、さらに帯電防止剤やその他電解質等を使用する必要がなく、温度、湿度等の環境変化に対する抵抗値の変動を少なくでき、硬度と抵抗値の調整が容易である。
【0035】
以上の様な発泡ロールのロール抵抗(1000V印加/定板押し当て法)の抵抗測定データを図2に示す。一般的な発泡ロール(仮に現行品と呼ぶ。)の環境依存性は2桁となり、上記説明したタイプの発泡ロール(仮に改善品と呼ぶ。)の環境依存性は1桁程度になる。この改善品ロールをチューブに挿入して転写ロールBTRを製造する(仮に改善BTRと呼ぶ。)。この発泡ロールの外径は20.4mm、芯金外径は12mm、発泡ロール幅は230mmのものを使用している。この発泡ロールを内径20.3mm、膜厚50μm、長さ230mmの半導電性ポリイミドチューブに挿入する。
チューブの抵抗が6.5logΩ(=106.5Ω)(100V印加)のものを使用している。チューブ抵抗の測定方法はチューブに金属シャフトを挿入しこれをロール抵抗が2logΩ(=102Ω)以下の芯金を持つゴムロールに押し付け、芯金両端に各500gfの荷重をかけた状態で、金属シャフトとゴムロールの芯金の間に100Vを印加した時の電流を測定し、抵抗を計算している。前記ロール抵抗2logΩは、導電性金属プレートにゴムロールを押し付けた状態でゴムロール芯金と金属プレートとの間に100Vを印加して測定した値である。
なお、前記ゴムロールのロール抵抗2logΩ(=102Ω)は、ゴムロールをΦ=30mm程度の金属シャフトに押し付け、シャフト両端を500gf程度の押圧力で押圧して、1000Vを印加したときの電流値から計算した抵抗値である。
【0036】
このようにして完成した現行BTRと改善BTRの軸方向各位置における抵抗バラツキの測定結果を図2に示している。改善品BTRでは各環境で現行BTRよりも軸方向バラツキが少なくなっている結果となっている。この時の抵抗測定方法は5mm幅の端子をBTR表面に押し当て、端子と発泡ロール芯金の間に1000Vを印加した時の電流値から抵抗を測定している。
このような環境依存性が一桁程度以内の前記改善BTR(転写ロール)を使用することで、BTR端部と中央部の抵抗差を各環境で0.1桁以内とすることができ、高温高湿環境下におけるBTR中央部に対応する範囲での転写不良/フリンジ汚れ(電界境界部の強調電界(フリンジ電界)により生じる汚れ)を抑制することができ、低温低湿環境下におけるBTR端部に対応する範囲での転写不良/フリンジ汚れを抑制することができる。
【0037】
図1Cに示すように、前記転写ロールBTRは電子写真方式の複写機等の画像形成装置の転写装置Tで使用される。図1Cにおいて、前記転写ロールBTRは画像形成装置の感光体や中間転写ベルト等のトナー像担持体TT表面に接触して配置され、転写ロールBTRとトナー像担持体TTとの間の転写領域Qを通過する用紙(記録シート)に、トナー像担持体TT表面に形成されたトナー像を転写する。
前記転写ロールBTRのポリイミド樹脂製の表面層3は表面微小硬度(針の先端部のような微小部分を押圧して測定した表面硬度)が高いので、ステンレス、リン青銅などの薄い金属製のクリーニングブレードの先端部を当接させて、表面に付着したトナーを除去することができる。
【0038】
したがって、本実施の形態1の転写装置Tは、前記改善転写ロールBTRと、クリーナCLとを有しており、クリーナCLは、転写ロールBTR表面に付着したトナーを擦り取る金属製(SUS製)のクリーニングブレードCLbと、擦り取られたトナーを回収するクリーナ容器CLvとを有している。
本実施の形態1の転写装置Tでは、転写ロールBTR表面に付着したトナーを金属製(SUS製)のクリーニングブレードCLbにより、擦り取るので、クリーナCLの構成が簡素となる。したがって、転写ロールBTRおよびクリーナCLを有する転写装置Tの構成が簡素となり、製作コストを低下させることができる。また、本実施の形態1の転写装置では、前述の改善転写ロールBTRを使用しているので、環境変化に起因する転写不良の発生を防止することが可能な長寿命の転写装置を提供することができる。
【0039】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2の転写装置の説明図で、図3Aは転写装置で使用する転写ロールの表面層を除去した部分の正面図、図3Bは前記転写ロールの正断面図、図3Cは図3Bの矢印IIICから見た転写ロールと前記転写ロール表面のトナーを除去するクリーナとを有する転写装置の説明図である。
なお、この実施の形態例2の説明において、前記実施の形態例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
なお、以下の実施の形態2の説明において、前記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略している。また、この実施の形態2は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0040】
この実施の形態2の転写ロールBTRの表面層(樹脂チューブ)3に挿入された半導電性樹脂層2は、発泡樹脂により構成された中央部部材2aとその両側の発泡樹脂製の端部部材2b,2bとを有している。そして、端部部材2b、2bの抵抗環境依存性は中央部部材2aよりも小さい材料が使用されている。このような構成により、転写ロールBTRの半径方向の抵抗(または体積抵抗率)の軸方向バラツキを抑制することができる。
前記半導電性樹脂層2の端部部材2bの発泡密度を中央部部材2aよりも下げることにより泡間の通気を少なくして環境の影響を少なくするように構成することができる。また、半導電性樹脂層2の中央部部材2aおよび端部部材2b,2bは、一体成形することが可能であり、また、三分割して、芯金1を挿入することも可能である。
【0041】
本実施の形態2の転写ロールBTRを使用した転写装置Tは、転写ロールBTR表面に付着したトナーを金属製(SUS製)のクリーニングブレードCLbにより、擦り取るので、クリーナCLの構成が簡素となる。したがって、転写ロールBTRおよびクリーナCLを有する転写装置Tの構成が簡素となり、製作コストを低下させることができる。また、本実施の形態1の転写装置では、前述の転写ロールBTRを使用しているので、環境変化に起因する転写不良の発生を防止することが可能な長寿命の転写装置を提供することができる。
【0042】
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3の転写ロールの説明図で、図4Aは転写ロールの表面層を除いた部分の側面図、図4Bは転写ロールの側断面図である。
以下の本発明の実施の形態3〜8の説明において、前記実施の形態1の要素に対応する要素には同一の符号を付して重複詳細な説明は省略する。また、以下の実施の形態3〜8の転写ロールBTRはその表面層3にポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂を使用することにより、金属製のクリーニングブレードにより転写ロールBTR表面をクニーングすることが可能となる。その場合、クリーニングブレードを有するクリーナおよび転写ロールを有する転写装置の構成を簡素化することができ、製造コストを低下させることができる。
この実施の形態3の転写ロールBTRの表面層(樹脂チューブ)3に挿入された半導電性樹脂層2は、発泡樹脂により構成された中央部部材2aとその両側のソリッド樹脂製(非発泡樹脂製)の端部部材2b,2bとを有している。
端部部材2b,2bをソリッド部材とすることにより端部部材2bへの湿気の侵入を防止して、半導電性樹脂層2の環境の影響を少なくすることができる。
【0043】
(実施の形態4)
図5は本発明の転写ロールの実施の形態4の説明図で、図5Aは側面図、図5Bは前記図5Aの矢印VB−VBから見た図、図5Cは側断面図で前記図5AのVC−VC線断面図である。
この実施の形態4の転写ロールBTRの表面層(樹脂チューブ)3に挿入された半導電性樹脂層2は、発泡樹脂により構成されており、その両端部には湿気侵入防止、脱湿防止を目的としたリング状の湿気を通さない端部部材4が接着により取り付けられている。この実施の形態4の転写ロールBTRも端部部材4への湿気の侵入を防止して、半導電性樹脂層2の環境の影響を少なくすることができる。
【0044】
(実施の形態5)
図6は本発明の転写ロールの実施の形態5の説明図で、図6Aは転写ロールの芯金の側面図、図6Bは前記図6Aの矢印VIB−VIBから見た図、図6Cは転写ロールの側面図、図6Dは前記図6Cの矢印VID−VIDから見た図、図6Eは転写ロールの側断面図で前記図6CのVIE−VIE線断面図、図6Fは前記図6EのVIF−VIF線断面図である。
図6において、芯金1の外周面には円周方向に90度間隔で4本の溝1aが軸方向に形成されている。前記溝1aを外気が通ることにより、転写ロールBTRの半導電性樹脂層2の中央部部材2aが端部部材2bと同様にが外気の温湿度の影響を受け易くなる。
外気の温湿度の影響が転写ロールBTRの中央部に伝わり易くすることによりBTR抵抗の軸方向バラツキを少なくすることができる。例えば、高温高湿環境では前記溝1aを通ってBTR中央部まで湿気が侵入することにより、中央部も端部と同様にBTR抵抗が下がるので、中央部も環境に応じて抵抗が下がり、軸方向抵抗バラツキがなくなる。また低温低質環境においてはBTR中央部の湿気が溝を通じて外気に出て行き、BTR中央部の抵抗が端部と動揺に環境に応じて上昇し、軸方向の抵抗バラツキが少なくなる。
【0045】
溝1aの深さ及び幅は湿気が通ればよく、深さ2mm程度、幅0.5mm程度あればよい。また軸方向の溝1aの長さは半導電性樹脂層(発泡樹脂層)2よりも長くする必要がある。溝1aの上に半導電性樹脂層2が被さらない範囲をつくり、この範囲から外気が出入りするように構成しなければならない。溝1aの数は周方向にほぼ等幅に三ヵ所以上にしなければならない。例えば、一ヵ所にしてしまうと、周方向に抵抗のバラツキが大きくなってしまい、BTR周ピッチで画質上の不具合(転写不良/フリンジ汚れ)が発生することになる。
【0046】
(実施の形態6)
図7は本発明の転写ロールの実施の形態6の説明図で、本発明の実施の形態6の要部である表面層の斜視図である。
図7において、樹脂チューブにより形成される表面層3に微小孔3aを設け、微小孔チ3aを通して外気が半導電性樹脂層(図示せず)2と触れ易くする。このことにより、BTR中央部が外気の温湿度の影響を受け易くする。外気の温湿度の影響がBTR中央部に伝わり易くすることによりBTR抵抗の軸方向バラツキを少なくすることができる。
微小孔3aの大きさはトナー粒径よりも小さくする必要がある。トナー粒径よりも大きくしてしまうとトナー詰まりが生じてしまい、湿気が十分に出入りしないことになる。トナー粒径よりも小さい孔を表面層(樹脂チューブ)3につくれば、微小孔3aにはトナーが詰まらず且つ、仮に詰まりかけてもクリーニングブレード(スクレーパー)により簡単にかき出されることになる。本発明で使用されるトナー粒径は7μm程度の球形トナーである。よって孔径は6μm程度以下にすることになる。微小孔をポリイミド樹脂製の表面層3に作る方法は、ポリイミド樹脂の原材料に粒径を6μm以下とした塩を混ぜ、チューブに焼成後、水洗いして塩を洗い流す等の方法が採られる。
微小孔3aの密度は環境の影響を受け易いBTR端部から50mm程度の範囲までは微小孔3aが無いか若しくは少なくてもかまわない。しかし、BTR中央部に対応する範囲では0.01個/mm2 以上あることが望ましい。
【0047】
(実施の形態7)
図8は本発明の実施の形態7の転写ロールおよびその変更例の説明図で、図8Aは実施の形態7の側面図、図8Bは前記図8Aの矢印VIIIBから見た図、図8Cは側断面図で前記図8AのVIIIC−VIIIC線断面図、図8Dは前記図8CのVIIID−VIIID線断面図、図8Eは実施の形態7の転写ロールの変更例1の説明図、図8Fは実施の形態7の転写ロールの変更例2の説明図、である。
図8A〜図8Dにおいて実施の形態7の転写ロールBTRの半導電性樹脂層(発泡樹脂層)2には、円周方向に間隔を置いて軸方向に延びる複数のトンネル状の孔2dが設けられている。前記孔2dに外気が通ることにより、半導電性樹脂層2の中央部が端部と同様に外気の温湿度の影響を受け易くなっている。このようにして、外気の温湿度の影響がBTR中央部に伝わり易くすることによりBTR抵抗の軸方向バラツキを少なくすることができる。
トンネル状の孔2dは半導電性樹脂層2の端部から中央部まで通っている必要がある。これによって端部より侵入した外気はBTR中央部まで簡単に通ることになる。これにより、外気の温湿度の影響がBTR中央部に伝わり易くなるので、BTR抵抗の軸方向バラツキを少なくすることができる。例えば、高温高湿環境ではBTR中央部まで湿気が侵入することにより、端部と同様に中央部も環境に応じて抵抗が下がり、軸方向抵抗バラツキが少なくなる。また低温低質環境においてはBTR中央部の湿気が溝を通じて外気に出て行き、BTR中央部の抵抗が環境に応じて端部と同様に上昇し、軸方向抵抗バラツキが少なくなる。
【0048】
前記孔2dの径は湿気が通ればよく、0.5mm程度あればよい。周方向の孔の数はほぼ等幅に三ヵ所以上にしなければならない。例えば、一か所にしてしまうと、周方向に抵抗のバラツキが大きくなってしまい、BTR周ピッチで画質上の不具合(転写不良/フリンジ汚れ)が発生することになる。孔2dの位置は、半導電性樹脂層2の少なくとも一方の軸方向端部に開放されていれば十分である。また、トンネル状の孔2dの位置は、半径方向中央部(真中)に配置されている。
(実施の形態7の変更例1および2)
図8E、図8Fに示す変更例1,2のトンネル状の孔2dの位置は、図8E、図8Fに示すように半径方向の表層近く(図8E参照)、または芯金付近(図8F参照)に配置することも可能である。
【0049】
(実施の形態8)
図9は本発明の転写ロールの実施の形態8の説明図で、図9Aは芯材の側面図、図9Bは前記図9Aの矢印IXBから見た図、図9Cは側面図、図9Dは側断面図で前記図9CのIXD−IXD線断面図である。
芯金1には軸方向に貫通孔1bを有するパイプにより構成されている。前記貫通孔1bとには、軸方向の中央部分に半径方向に延びるの複数の通気孔1cが形成されている。前記通気孔1cは軸方向に間隔を明けて複数配置され、且つ円周方向に90度間隔で配置されている。前記貫通孔1bおよび複数の通気孔1cを通してBTR中央部は外気と接することになる。よって、この通気孔1cに外気が通ることにより、BTR中央部が外気の温湿度の影響を受け易くなっている。このようにして、外気の温湿度の影響がBTR中央部に伝わり易くすることによりBTR抵抗の軸方向バラツキを少なくすることができる。
通気孔は環境の影響を受け易いBTR端部から50mm程度の範囲までは無くても若しくは少なくてもかまわない。しかし、BTR中央部に対応する範囲では通気孔1cをつくる必要がある。また、周方向の通気孔1cの数はほぼ等幅に三ヵ所以上にしなければならない。例えば、一か所にしてしまうと、周方向に抵抗のバラツキが大きくなってしまい、BTR周ピッチで画質上の不具合(転写不良/フリンジ汚れ)が発生することになる。
【0050】
【発明の効果】
前述の本発明の転写ロールは、下記の効果(E01)〜(E03)を奏することができる。
(E01)環境変化に対する転写ロールの軸方向の体積抵抗率のバラツキの発生を抑止して、転写不良の発生を防止することができる。
(E02)環境変化に起因する転写不良の発生を防止することが可能な長寿命の転写装置を提供することができる。
(E03)低温環境におけるBTR端部で発生する転写不良/フリンジ汚れおよび高温高湿環境におけるBTR中央部で発生する転写不良/フリンジ汚れの抑制ができる。これにより、転写電流を低く設定できる。更に、転写電流を低く設定できるので、BTRの通電抵抗上昇を低く抑えることができ、転写ロールおよび転写装置の寿命も延びることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態1の転写装置の説明図で、図1Aは転写装置で使用する転写ロールの正面図、図1Bは前記転写ロールの正断面図で前記図1AのIB−IB線断面図、図1Cは図1Aの矢印ICから見た転写ロールと前記転写ロール表面のトナーを除去するクリーナとを有する転写装置の説明図である。
【図2】図2は前記図1に示す転写ロールの特性と従来の転写ロールとの相違を示す図で、図2Aは環境変化に対する転写ロールの半導電性樹脂層の体積抵抗率の変化を示す図、図2Bは転写ロールの軸方向の中央部および端部における半径方向の抵抗値の環境変化に対する変化を示す図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態2の転写装置の説明図で、図3Aは転写装置で使用する転写ロールの表面層を除去した部分の正面図、図3Bは前記転写ロールの正断面図、図3Cは図3Bの矢印IIICから見た転写ロールと前記転写ロール表面のトナーを除去するクリーナとを有する転写装置の説明図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態3の転写ロールの説明図で、図4Aは転写ロールの表面層を除いた部分の側面図、図4Bは転写ロールの側断面図である。
【図5】図5は本発明の転写ロールの実施の形態4の説明図で、図5Aは側面図、図5Bは前記図5Aの矢印VB−VBから見た図、図5Cは側断面図で前記図5AのVC−VC線断面図である。
【図6】図6は本発明の転写ロールの実施の形態5の説明図で、図6Aは転写ロールの芯金の側面図、図6Bは前記図6Aの矢印VIB−VIBから見た図、図6Cは転写ロールの側面図、図6Dは前記図6Cの矢印VID−VIDから見た図、図6Eは転写ロールの側断面図で前記図6CのVIE−VIE線断面図、図6Fは前記図6EのVIF−VIF線断面図である。
【図7】図7は本発明の転写ロールの実施の形態6の説明図で、発明の要部である表面層の斜視図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態7の転写ロールおよびその変更例の説明図で、図8Aは実施の形態7の側面図、図8Bは前記図8Aの矢印VIIIBから見た図、図8Cは側断面図で前記図8AのVIIIC−VIIIC線断面図、図8Dは前記図8CのVIIID−VIIID線断面図、図8Eは実施の形態7の転写ロールの変更例1の説明図、図8Fは実施の形態7の転写ロールの変更例2の説明図、である。
【図9】図9は本発明の転写ロールの実施の形態8の説明図で、図9Aは芯材の側面図、図9Bは前記図9Aの矢印IXBから見た図、図9Cは側面図、図9Dは側断面図で前記図9CのIXD−IXD線断面図である。
【図10】図10は、この特開平10−78686号公報に開示された従来技術の説明図である。
【符号の説明】
BTR…転写ロール、
CL…転写ロールクリーナ、
CLb…金属性クリーニングブレード、
T…転写装置、
1…芯金、
1a…溝、
1c…通気孔、
2…半導電性樹脂層、
2a…半導電性樹脂層の中央部部材(軸方向中央部付近の半導電性樹脂層)
2b…半導電性樹脂層の端部部材(端部付近の半導電性樹脂層)
2d…トンネル状の孔、
3…表面層。
Claims (9)
- 芯金と、前記芯金の外周面に形成された半導電性樹脂層と、前記半導電性樹脂層の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層とを備えた転写ロールにおいて、
前記半導電性樹脂層端部の抵抗環境依存性(高温高湿28℃/85%RHでの1000V印加時の体積抵抗率と低温低湿10℃/15%RHでの1000V印加時の体積抵抗率の比)が中央部よりも小さいことを特徴とする転写ロール。 - 芯金と、前記芯金の外周面に形成された半導電性樹脂層と、前記半導電性樹脂層の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層とを備えた転写ロールにおいて、
前記芯金表面に転写ロールの軸方向に延びる溝をつくり、前記溝を通って湿気が半導電性樹脂層の中央部に容易に侵入できるように構成したことを特徴とする転写ロール。 - 芯金と、前記芯金の外周面に形成された半導電性樹脂層と、前記半導電性樹脂層の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層とを備えた転写ロールにおいて、
前記転写ロールの軸方向中央部の表面層に微小孔を設け、前記微小孔を通って湿気が半導電性樹脂層の中央部に容易に侵入できるように構成したことを特徴とする転写ロール。 - 芯金と、前記芯金の外周面に形成された半導電性樹脂層と、前記半導電性樹脂層の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層とを備えた転写ロールにおいて、
前記半導電性樹脂層中に前記転写ロールの軸方向に延びる細いトンネル状の孔を設け、前記トンネル状の孔を通って湿気が半導電性樹脂層の中央部に容易に侵入できるように構成したことを特徴とする転写ロール。 - 芯金と、前記芯金の外周面に形成された半導電性樹脂層と、前記半導電性樹脂層の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層とを備えた転写ロールにおいて、
芯金をパイプ形状とし且つ芯金の軸方向の中央部には通気孔を設け、前記通気孔を通って湿気が半導電性樹脂層の中央部に容易に侵入できるように構成したことを特徴とする転写ロール。 - 芯金と、前記芯金の外周面に形成された半導電性樹脂層と、前記半導電性樹脂層の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層とを備えた転写ロールにおいて、
半導電性樹脂層の端部が環境変化に伴う体積抵抗率の変化の少ない材料により構成されたことを特徴とする転写ロール。 - 前記表面層がポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂に相当する値以上の表面微小硬度を有する前記表面層を有する請求項1〜6記載の転写ロール。
- 前記請求項7記載の転写ロールと、前記転写ロール表面に当接するブレード先端部を有する金属性クリーニングブレードを備えた転写ロールクリーナとを備えた転写装置。
- 芯金と、前記芯金の外周に形成された半導電性樹脂層と、前記半導電性樹脂層の外周面を被覆する水密性且つ半導電性の表面層とを備え、前記半導電性樹脂層の体積抵抗率の環境依存性(高温高湿28℃/85%RHでの1000V印加時の体積抵抗率と低温低湿10℃/15%RHでの1000V印加時の体積抵抗率の比)が1桁以内であり、前記表面層はポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂に相当する値以上の表面微小硬度を有する転写ロールと、前記転写ロールの表面に当接するブレード先端部により転写ロール表面の付着トナーを除去する金属性クリーニングブレードを有する転写ロールクリーナとを備えた転写装置。
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2002
- 2002-08-15 JP JP2002237010A patent/JP2004077727A/ja active Pending
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