JP2004076683A - 内燃機関の二次空気供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】負圧ポンプ16の吸込口17を、吸込側切替弁18を介して大気と負圧タンク21とのうちいずれか一方に選択的に接続し、負圧ポンプ16の吐出口25を、吐出側切替弁26を介してオイルパン27と空気タンク30とのうちいずれか一方に選択的に接続する。二次空気供給ノズル33を触媒12上流の排気管10a内に取り付けると共に、二次空気制御弁31を介して空気タンク30に接続し、空気タンク30内に蓄えられている空気を触媒12に供給する。通常は吸込口17を負圧タンク21に接続し、吐出口25をオイルパン27に接続する。空気タンク30内の空気の量が許容最少量よりも少なくなると、吸込口17を大気に接続し、吐出口25を空気タンク30に接続して吐出口25から吐出される空気を空気タンク30内に蓄える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の二次空気供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
触媒内に流入する排気ガス中の酸素濃度を目標範囲内に維持するために、触媒上流の排気通路内に二次空気を供給するようにした内燃機関が公知である(特許第2845055号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した内燃機関に限らず一般的に、排気通路内に二次空気を供給するためには空気ポンプを新たに設ける必要がある。従って、構成が複雑になるばかりかコストが高くなるという問題点がある。
【0004】
そこで本発明の目的は、簡単にかつ安価に構成することができる内燃機関の二次空気供給装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために1番目の発明によれば、負圧タンク内に負圧を形成するための負圧ポンプを備えた内燃機関において、負圧ポンプを作動させたときに負圧ポンプの吐出口から吐出される空気を触媒上流の排気通路内に二次的に供給するようにしている。
【0006】
また、2番目の発明によれば1番目の発明において、前記負圧ポンプが真空式ブレーキ倍力装置の圧力室内に負圧を供給するための負圧ポンプから構成されている。
【0007】
また、3番目の発明によれば1番目の発明において、前記負圧ポンプの吸込口に吸込側切替弁を接続して該吸込側切替弁により負圧ポンプの吸込口を前記負圧タンクと大気又は正圧源とのうちいずれか一方に選択的に接続するようにしている。
【0008】
また、4番目の発明によれば3番目の発明において、前記吸込側切替弁を、通電されると前記負圧ポンプの吸込口を大気又は正圧源に接続し、通電が停止されると負圧ポンプの吸込口を前記負圧タンクに接続する電気制御式切替弁から構成している。
【0009】
また、5番目の発明によれば1番目の発明において、前記負圧ポンプの吸込口に吸込空気制御弁を接続して負圧ポンプの吸込口から吸い込まれる空気の量を該吸込空気制御弁により制御することにより、負圧ポンプの吐出口から吐出される空気の量を制御するようにしている。
【0010】
また、6番目の発明によれば1番目の発明において、前記負圧ポンプの吐出口と前記触媒上流の排気通路とを互いに接続する吐出空気通路内に、触媒上流の排気通路に向けてのみ流通可能な逆止弁を配置している。
【0011】
また、7番目の発明によれば1番目の発明において、前記負圧ポンプの吐出口と前記触媒上流の排気通路とを互いに接続する吐出空気通路内に、触媒上流の排気通路内に供給される二次空気の量を制御するための二次空気制御弁を配置している。
【0012】
また、8番目の発明によれば7番目の発明において、前記負圧ポンプの吐出口と前記二次空気制御弁との間の前記吐出空気通路内に、負圧ポンプの吐出口から吐出された空気を蓄えるための空気タンクを配置している。
【0013】
また、9番目の発明によれば8番目の発明において、前記空気タンクに、該空気タンク内の空気圧を検出する空気圧センサを取り付けている。
【0014】
また、10番目の発明によれば1番目の発明において、前記負圧ポンプの吐出口から吐出される空気中に負圧ポンプの潤滑油が含まれるようになっており、負圧ポンプの吐出口と前記触媒上流の排気通路とを互いに接続する吐出空気通路内に、負圧ポンプの吐出口から吐出された空気から潤滑油を分離するオイルセパレータを配置している。
【0015】
また、11番目の発明によれば1番目の発明において、排気通路内に複数の触媒が配置されており、前記負圧ポンプの吐出口から吐出された空気をこれら触媒上流の排気通路内にそれぞれ供給するようにしている。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、圧縮着火式又は火花点火式の機関本体1は例えば四つの気筒1aを具備する。各気筒1aは一方では対応する吸気枝管2を介して共通のサージタンク3に連結され、サージタンク3は吸気ダクト4を介して排気ターボチャージャ5のコンプレッサ6に連結される。吸気ダクト4内にはステップモータ7により駆動されるスロットル弁8が配置される。また、各気筒1aは他方では、共通の排気マニホルド9及び及び排気管10を介して排気ターボチャージャ5の排気タービン11に連結され、排気タービン11の出口は排気管10aを介し、触媒12を収容したケーシング13に連結され、ケーシング13は排気管10bに連結される。更に、排気マニホルド9とサージタンク3とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路14を介して互いに連結され、EGR通路14内には電気制御式EGR制御弁15が配置される。
【0017】
図2は図1の内燃機関のスロットル開度を示している。図2からわかるように、要求負荷Lが極めて低いときを除いて、スロットル開度はほぼ全開に保持される。言い換えると、ほとんど又はほぼ全ての機関運転状態に亘ってスロットル開度がほぼ全開に保持されるということになる。
【0018】
このようにほとんどの機関運転状態に亘ってスロットル開度がほぼ全開に保持されると、スロットル弁8下流の吸気通路内に負圧がほとんど発生しない。そこで図1に示される内燃機関には、例えば機関駆動式のベーン型負圧ポンプ16が設けられる。
【0019】
本発明による実施例では、負圧ポンプ16はカム駆動軸や、例えばベルトを介して機関本体1のクランクシャフトに連結され、従って機関運転中には常時駆動せしめられている。この負圧ポンプ16の吸込口17には電気制御式吸込側切替弁18が接続され、吸込側切替弁18は一方ではエアフィルタ19を介して大気に接続され、他方では逆止弁20を介し、負圧ポンプ16により形成される負圧を蓄えるための負圧タンク21に接続される。逆止弁20は負圧タンク21から吸込側切替弁18に向けてのみ流通可能になっている。
【0020】
更に、負圧タンク21には、逆止弁22を介して例えば真空式ブレーキ倍力装置23の圧力室が接続される。逆止弁22はブレーキ倍力装置23から負圧タンク21に向けてのみ流通可能になっている。このブレーキ倍力装置23の圧力室はブレーキペダル24が踏み込まれると大気に開放され、ブレーキペダル24が元の位置に戻されると大気から遮断されて負圧タンク21から負圧が供給される。即ち、ブレーキペダル24が操作される毎に、ブレーキ倍力装置23に負圧タンク21内の負圧が供給される。なお、後述するように、EGR制御弁15及び二次空気制御弁31にも負圧タンク21内の負圧が供給されるようになっている。
【0021】
一方、負圧ポンプ16の吐出口25には電気制御式吐出側切替弁26が接続され、吐出側切替弁26は一方ではオイルパン27に直接接続され、他方ではサイクロン型オイルセパレータ28に接続される。オイルセパレータ28の底部に設けられたオイル排出口はオイルパン27に接続され、オイルセパレータ28の頂部に設けられた空気排出口は逆止弁29を介し、負圧ポンプ16から吐出された空気を蓄えるための空気タンク30に接続される。逆止弁29はオイルセパレータ28から空気タンク30に向けてのみ流通可能になっている。
【0022】
負圧ポンプ16には機関本体1の潤滑油が供給されるようになっており、負圧ポンプ16の吐出口25からは空気と共にこの潤滑油が吐出される。オイルセパレータ28はこのように負圧ポンプ16から吐出された空気に含まれる潤滑油を除去するためのものである。オイルセパレータ28により潤滑油が除去された空気はオイルセパレータ28の頂部に形成された空気排出口を介し、潤滑油はオイルセパレータ28の底部に形成されたオイル排出口を介し、それぞれオイルセパレータ28外に排出される。
【0023】
空気タンク30には、電気制御式二次空気制御弁31及び逆止弁32を介して二次空気供給ノズル33が接続され、この二次空気供給ノズル33は触媒12上流の排気管10aに取り付けられている。逆止弁32は二次空気制御弁31から二次空気供給ノズル33に向けてのみ流通可能になっている。二次空気制御弁31が開弁されると、空気タンク30内に蓄えられている加圧空気が二次空気供給ノズル33から排気管10a内に噴射される。
【0024】
触媒12の排気浄化作用を阻害しない限り、どのような時期に二次空気を供給してもよいが、本発明による実施例では暖機運転中に二次空気を供給するようにしている。即ち、暖機運転中は暖機完了後よりも空気過剰率が低くなるように燃料噴射量が設定されており、このため排気ガス中には比較的多量の未燃HC及びCOが含まれている。従って、このとき二次空気を供給すれば、この多量の未燃HC及びCOを触媒12で酸化することが可能になり、しかもこの酸化反応に伴う発熱作用でもって触媒12の温度を速やかに上昇させることが可能になる。
【0025】
電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、入力ポート45及び出力ポート46を具備する。機関本体1には機関冷却水温を検出するための水温センサ48が取り付けられる。また、負圧タンク21には負圧タンク21内の負圧を検出するための負圧センサ49aが取り付けられ、空気タンク30には空気タンク30内の空気圧PAを検出するための空気圧センサ49bが取り付けられる。更に、アクセルペダル50にはアクセルペダル50の踏み込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ51が接続される。これらセンサ48,49a,49b,51の出力信号はそれぞれ対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。ここで、空気タンク30内の空気圧PAは空気タンク30内に蓄えられている空気の量を表しており、アクセルペダル50の踏み込み量Lは要求負荷を表している。更に入力ポート45にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ52が接続される。一方、出力ポート46は対応する駆動回路53を介してステップモータ7、EGR制御弁15、吸込側切替弁18、吐出側切替弁26、及び二次空気制御弁31にそれぞれ接続される。
【0026】
本発明による実施例では、吸込側切替弁18及び吐出側切替弁26が例えば図3に示されるような電気制御式切替弁60からそれぞれ構成される。即ち、この切替弁60は図3に示されるように、ケーシング61と、ケーシング61内に収容されたソレノイドコイル62と、ケーシング61内に軸線方向に移動可能に支持された、磁性材料からなる弁体63とを具備する。ケーシング61内において、弁体60の一側には第1室64aが形成され、他側には第2室64bが形成され、これら第1室64a及び第2室64bは弁体63の周面に形成された連通路65によって互いに連通されている。また、第1室64aには入口ポート66及び第1出口ポート67aが接続されており、第2室64bには第2出口ポート67bが接続される。これら第1及び第2出口ポート67a,67bは弁体63の直線軌道上に位置している。なお、図3において68は弁体63を第1出口ポート67aに向けて付勢する圧縮バネを示している。
【0027】
ソレノイドコイル62に通電されると、ソレノイドコイル62の磁気吸引力でもって弁体63が圧縮バネ68のバネ力に抗し図3において右向きに変位し、第1出口ポート67aを開放すると共に第2出口ポート67bを閉塞する。その結果、入口ポート66が第1出口ポート67aに接続される。これに対し、ソレノイドコイル62への通電が停止されると、弁体63が圧縮バネ68のバネ力によって図3において左向きに変位し、第1出口ポート67aを閉塞すると共に第2出口ポート67bを開放する。その結果、入口ポート66が第2出口ポート67bに接続される。このようにして入口ポート66が第1出口ポート67aか又は第2出口ポート67bに接続される。
【0028】
従って、吸込側切替弁18の場合には、入口ポート66に負圧ポンプ16の吸込口17が接続され、第1出口ポート67aにエアフィルタ19を介して大気が接続され、第2出口ポート67bに逆止弁20を介して負圧タンク21が接続されることになる。また、吐出側切替弁26の場合には、入口ポート66に負圧ポンプ16の吐出口25が接続され、第1出口ポート67aにオイルパン27が直接接続され、第2出口ポート67bにオイルセパレータ28が接続されることになる。
【0029】
一方、EGR制御弁15及び二次空気制御弁31は例えば図4に示されるような電気制御式の負圧作動弁70からそれぞれ構成される。即ち、この負圧作動弁70は図4に示されるように、ケーシング71と、ケーシング71内部空間を圧力室72aと流体室72bとに分割するダイヤフラム73と、ダイヤフラム73に固定された弁体74とを具備する。圧力室72aに接続されている圧力ポート75には、例えば図3を参照して上述した切替弁60から構成される電気制御式切替弁76が接続され、この切替弁76は一方ではエアクリーナ77を介して大気に接続され、他方では逆止弁78を介して負圧タンク21に接続される。一方、流体室72bには入口ポート79及び出口ポート80が接続される。なお、図4において81は弁体74を入口ポート79を閉塞する方向に付勢する圧縮バネを示している。
【0030】
切替弁76に通電されると圧力室72aが負圧タンク21に接続され、圧力室72a内に負圧が導かれる。その結果、弁体74が圧縮バネ81のバネ力に抗し図4において上向きに変位し、入口ポート79の内端を開放する。従って、入口ポート79が流体室72bを介し出口ポート80に接続される。これに対し、切替弁76への通電が停止されると、圧力室72aが大気に接続され、圧力室72a内に大気圧が導かれる。その結果、弁体74が圧縮バネ81のバネ力によって図4において下向きに変位し、入口ポート79の内端を閉塞する。従って、入口ポート79と出口ポート80間の連通が遮断される。
【0031】
従って、EGR制御弁15の場合には、入口ポート79に排気マニホルド9が接続され、出口ポート80にサージタンク3が接続されることになる。また、二次空気制御弁31の場合には、入口ポート79に空気タンク30が接続され、出口ポート80に逆止弁32を介して二次空気供給ノズル33が接続されることになる。
【0032】
これまでの説明から明らかなように、負圧ポンプ16の吸込口17は結局のところ、吸込側切替弁18を介して負圧タンク21と大気とのうちいずれか一方に選択的に接続される。吸込口17が負圧タンク21に接続されると、負圧タンク21から比較的少量の空気が吸い込まれ、その結果負圧タンク21内の負圧が増大せしめられる。これに対し、吸込口17が大気に接続されると、比較的多量の空気が負圧ポンプ16内に吸い込まれ、負圧ポンプ16から吐出される。
【0033】
一方、負圧ポンプ16の吐出口25は結局のところ、吐出側切替弁26を介してオイルパン27と空気タンク30とのうちいずれか一方に選択的に接続される。吐出口25がオイルパン27に接続されると、負圧ポンプ16から吐出された空気はオイルパン27内に排出される。これに対し、吐出口25が空気タンク30に接続されると、負圧ポンプ16から吐出された空気が空気タンク30内に蓄えられる。
【0034】
さて、本発明による実施例では、通常は吸込側切替弁18にも吐出側切替弁26にも通電されず、従って負圧ポンプ16の吸込口17は負圧タンク21に接続され、吐出口25はオイルセパレータ28を迂回してオイルパン27に接続される。このようにすると、負圧ポンプ16の負荷を小さく維持しながら、負圧タンク21内に大きな負圧を維持することができる。
【0035】
ところが、二次空気供給ノズル33から二次空気が供給されると、空気タンク30内の空気圧PAが次第に低くなり、次いで空気圧PAが排気管10a内の圧力よりも低くなると、もはや二次空気を供給することができない。
【0036】
そこで本発明による実施例では、空気タンク30内の空気圧PAが許容下限値PALよりも低くなったときには、吐出側切替弁26に一時的に通電して負圧ポンプ16の吐出口25をオイルセパレータ28を介し空気タンク30に接続するようにしている。その結果、負圧ポンプ16から吐出された空気から潤滑油が除去された後に、空気タンク30内に供給される。
【0037】
負圧ポンプ16の吸込口17を負圧タンク21に接続したままでも、吐出口25から空気が吐出される。しかしながら、この場合に吐出口25から吐出される空気の量は比較的少なく、空気タンク30内に空気を目標量だけ補給するのに長時間を要することになる。
【0038】
そこで本発明による実施例では、空気タンク30内に空気を供給すべきときには、吸込側切替弁18に一時的に通電して負圧ポンプ16の吸込口17を大気に接続するようにしている。その結果、吸込口17を介し負圧ポンプ16内に吸い込まれる空気の量を格段に増大させることができ、従って吐出口25から吐出される空気の量を格段に増大させることができる。なお、この場合、負圧ポンプ16の吸込口17を正圧源に接続することもできる。
【0039】
言い換えると、通常は負圧ポンプ16の吸込口17を負圧タンク21に接続しかつ負圧ポンプ16の吐出口25をオイルセパレータ28を迂回してオイルパン27に接続し、空気タンク30内に蓄えられている空気の量が許容最少量よりも少なくなると、吐出口25を空気タンク30に一時的に接続しかつ吸込口17を大気又は正圧源に一時的に接続するようにしているということになる。
【0040】
もっとも、通常は吐出口25を空気タンク30に接続しかつ吸込口17を大気又は正圧源に接続し、吸込口17を負圧タンク21に一時的に接続しかつ吐出口25をオイルセパレータ28を迂回してオイルパン27に一時的に接続するようにすることもできる。
【0041】
負圧ポンプ16は本来、圧力室又は負圧タンク21内に負圧を形成するためのものである。ところが、このように負圧ポンプ16の吸込口17が大気に接続されている場合には、負圧ポンプ16は負圧を形成するためのものではなく、むしろ空気を圧送するためのものである。この負圧ポンプ16は図2を参照して説明したような、吸気通路内に負圧がほとんど形成されない内燃機関には一般的に設けられるものであり、そうすると、本発明による実施例では、排気通路に二次空気を供給するために新たなポンプを設ける必要がないということになる。
【0042】
上述したように、負圧ポンプ16の吸込口17を負圧タンク21に接続したまま、即ち負圧を形成しながら、このとき負圧ポンプ16から吐出される空気を空気タンク30内に蓄えることもできる。このように負圧を形成しているときに負圧ポンプ16から吐出される空気は従来では、オイルパン27に潤滑油と共にいわば捨てられていたものであり、これを利用しようとする考え方はこれまでに存在していない。
【0043】
図5は上述した二次空気供給制御を実行するためのルーチンを示している。このルーチンは予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行される。図5を参照すると、まずステップ100では、現在暖機運転中か否かが例えば機関冷却水温に基づいて判別される。現在暖機運転中のときには次いでステップ101に進み、二次空気制御弁31が開弁され、従って触媒12上流の排気管20a内に二次空気が供給される。次いで、暖機運転が完了するとステップ100からステップ102に進み、二次空気制御弁31が閉弁され、二次空気供給が停止される。
【0044】
図6は上述した切替弁制御を実行するためのルーチンを示している。このルーチンは予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行される。図6を参照すると、まずステップ120では、空気タンク30内の空気圧PAが許容下限値PALよりも低いか否かが判別される。PA≧PALのときには次いでステップ121に進み、吸込側切替弁18を制御して負圧ポンプ16の吸込口17を負圧タンク21に接続すると共に、吐出側切替弁26を制御して負圧ポンプ16の吐出口25をオイルパン27に直接接続する。その結果、負圧タンク21内に負圧が供給される。これに対し、PA<PALのときには次いでステップ122に進み、吸込側切替弁18を制御して負圧ポンプ16の吸込口17を一定時間だけ大気に接続すると共に、吐出側切替弁26を制御して負圧ポンプ16の吐出口25を一定時間だけオイルセパレータ28に接続する。その結果、空気タンク30内に空気が供給される。
【0045】
ところで、上述したように、吸込側切替弁18によって負圧ポンプ16の吸込口17が大気に接続されると、吸込口17から吸い込まれる空気の量が格段に増大し、それによって負圧ポンプ16の吐出口25から吐出される空気の量が格段に増大する。即ち、吸込側切替弁18は吸込口17から吸い込まれる空気の量、従って吐出口25から吐出される空気の量を制御する作用を有する。
【0046】
吸込口17から吸い込まれる空気の量即ち吐出口25から吐出される空気の量をより精密に制御するために、例えば吸込側切替弁18のデューティ制御を行うこともできる。即ち、周期時間に対する通電時間の割合であるデューティ比が制御される。この場合、デューティ比を大きくすると吸込口17から吸い込まれる空気の量が増大され、デューティ比を小さくすると吸込口17から吸い込まれる空気の量が減少される。
【0047】
同様にして、負圧ポンプ16から空気タンク30に供給される空気の量を制御するために、吐出側切替弁26のデューティ制御を行うこともできる。或いは、触媒12に供給される二次空気の量を制御するために、二次空気制御弁31のデューティ制御を行うこともできる。
【0048】
図7は本発明による別の実施例を示している。この別の実施例では、排気通路内に複数の触媒が直列配置される。具体的には、触媒12下流の排気管10bに、追加の触媒12’を収容したケーシング13’が接続され、ケーシング13’に排気管10cが接続される。排気管10bには追加の触媒12’に二次空気を供給するための追加の二次空気供給ノズル33’が取り付けられ、この追加の二次空気供給ノズル33’は追加の逆止弁32’及び追加の二次空気制御弁31’を介して空気タンク30に接続される。触媒12,12’に二次空気を供給すべきときにはそれぞれ対応する二次空気制御弁31,31’が一時的に開弁される。
【0049】
なお、図7に示される例では、触媒12,12’が互いに直列に配置されているけれども、複数の触媒を互いに並列に配置した場合にも本発明を適用することができる。
【0050】
これまで述べてきた本発明による各実施例では、負圧ポンプ16の吐出口25から吐出された空気を空気タンク30内に蓄え、空気タンク30内に蓄えられた空気を触媒12に二次空気の形で供給するようにしている。
【0051】
しかしながら、空気タンク30内に蓄えられた空気を別の目的で用いることも可能である。例えば、空気タンク30内の加圧空気を、図8に示されるような電気制御式の正圧作動弁170の正圧源として用いることができる。
【0052】
正圧作動弁170は図8に示されるように、ケーシング171と、ケーシング171内部空間を圧力室172aと流体室172bとに分割するダイヤフラム173と、ダイヤフラム173に固定された弁体174とを具備する。圧力室172aに接続されている圧力ポート175には、例えば図3を参照して上述した切替弁60から構成される電気制御式切替弁176が接続され、この切替弁176は一方ではエアクリーナ177を介して大気に接続され、他方では逆止弁178を介して空気タンク30に接続される。一方、流体室172bには入口ポート179及び出口ポート180が接続される。なお、図8において181は弁体174を出口ポート180と流体室172b間の連通を遮断する方向に付勢する圧縮バネを示している。
【0053】
切替弁176に通電されると圧力室172aが空気タンク30に接続され、圧力室172a内に正圧が導かれる。その結果、弁体174が圧縮バネ181のバネ力に抗し図8において下向きに変位し、出口ポート180を流体室172bに連通する。従って、入口ポート179が流体室172bを介し出口ポート180に接続される。これに対し、切替弁176への通電が停止されると、圧力室172aが大気に接続され、圧力室172a内に大気圧が導かれる。その結果、弁体174が圧縮バネ181のバネ力によって図8において上向きに変位し、出口ポート180と流体室172b間の連通が遮断される。従って、入口ポート179と出口ポート180間の連通が遮断される。
【0054】
EGR制御弁15又は二次空気制御弁31をこのような正圧作動弁から構成することもできる。
【0055】
或いは、空気タンク30内の空気を排気ターボチャージャ5のコンプレッサ6上流の吸気通路内に供給するようにしてもよい。このようにするとコンプレッサ6の圧縮仕事を低減することができる。
【0056】
更に、これまで述べてきた本発明による各実施例では、負圧ポンプ16が例えばベルトを介して内燃機関に連結され、従って常時駆動されるようになっている。しかしながら、負圧ポンプ16を例えば電磁クラッチを介し内燃機関に連結し、負圧ポンプ16を必要なときだけ駆動するようにすることもできる。或いは、負圧ポンプ16を例えば電動ポンプから構成することもできる。
【0057】
【発明の効果】
内燃機関の二次空気供給装置を簡単にかつ安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】スロットル開度を示す線図である。
【図3】電気制御式切替弁の構成を示す図である。
【図4】電気制御式負圧作動弁の構成を示す図である。
【図5】二次空気供給制御を実行するためのフローチャートである。
【図6】切替弁制御を実行するためのフローチャートである。
【図7】本発明による別の実施例を示す図である。
【図8】電気制御式正圧作動弁の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…機関本体
10a…排気管
12…触媒
16…負圧ポンプ
17…負圧ポンプの吸込口
18…吸込側切替弁
20,22,29,32…逆止弁
21…負圧タンク
23…ブレーキ倍力装置
25…負圧ポンプの吐出口
26…吐出側切替弁
27…オイルパン
28…オイルセパレータ
30…空気タンク
31…二次空気制御弁
33…二次空気供給ノズル
49b…空気圧センサ
Claims (11)
- 負圧タンク内に負圧を形成するための負圧ポンプを備えた内燃機関において、負圧ポンプを作動させたときに負圧ポンプの吐出口から吐出される空気を触媒上流の排気通路内に二次的に供給するようにした二次空気供給装置。
- 前記負圧ポンプが真空式ブレーキ倍力装置の圧力室内に負圧を供給するための負圧ポンプから構成されている請求項1に記載の内燃機関の二次空気供給装置。
- 前記負圧ポンプの吸込口に吸込側切替弁を接続して該吸込側切替弁により負圧ポンプの吸込口を前記負圧タンクと大気又は正圧源とのうちいずれか一方に選択的に接続するようにした請求項1に記載の内燃機関の二次空気供給装置。
- 前記吸込側切替弁を、通電されると前記負圧ポンプの吸込口を大気又は正圧源に接続し、通電が停止されると負圧ポンプの吸込口を前記負圧タンクに接続する電気制御式切替弁から構成した請求項3に記載の内燃機関の二次空気供給装置。
- 前記負圧ポンプの吸込口に吸込空気制御弁を接続して負圧ポンプの吸込口から吸い込まれる空気の量を該吸込空気制御弁により制御することにより、負圧ポンプの吐出口から吐出される空気の量を制御するようにした請求項1に記載の内燃機関の二次空気供給装置。
- 前記負圧ポンプの吐出口と前記触媒上流の排気通路とを互いに接続する吐出空気通路内に、触媒上流の排気通路に向けてのみ流通可能な逆止弁を配置した請求項1に記載の内燃機関の二次空気供給装置。
- 前記負圧ポンプの吐出口と前記触媒上流の排気通路とを互いに接続する吐出空気通路内に、触媒上流の排気通路内に供給される二次空気の量を制御するための二次空気制御弁を配置した請求項1に記載の内燃機関の二次空気供給装置。
- 前記負圧ポンプの吐出口と前記二次空気制御弁との間の前記吐出空気通路内に、負圧ポンプの吐出口から吐出された空気を蓄えるための空気タンクを配置した請求項7に記載の内燃機関の二次空気供給装置。
- 前記空気タンクに、該空気タンク内の空気圧を検出する空気圧センサを取り付けた請求項8に記載の内燃機関の二次空気供給装置。
- 前記負圧ポンプの吐出口から吐出される空気中に負圧ポンプの潤滑油が含まれるようになっており、負圧ポンプの吐出口と前記触媒上流の排気通路とを互いに接続する吐出空気通路内に、負圧ポンプの吐出口から吐出された空気から潤滑油を分離するオイルセパレータを配置した請求項1に記載の内燃機関の二次空気供給装置。
- 排気通路内に複数の触媒が配置されており、前記負圧ポンプの吐出口から吐出された空気をこれら触媒上流の排気通路内にそれぞれ供給するようにした請求項1に記載の内燃機関の二次空気供給装置。
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