JP2004072974A - ブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センターピースの円筒部10の外周面に外径方向に突出したリブ15を形成し、電機子コア7の内周面に内径方向に突出した係止部17と爪部18を形成する。前記リブ15を前記係止部17と係止させ、前記爪部18を前記リブ15側に折り曲げることにより前記リブ15をかしめ固定させ、固定子とセンターピースとを固定する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレスモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、従来におけるブラシレスモータの一部を示す。円筒部81とフランジ部82で構成されるセンターピース83は、その円筒部81の外周面に略円筒形状の固定子84が外嵌されている。該固定子84は、電機子コア85と、インシュレータ86と、巻線87とから構成されている。該電機子コア85は、円筒部81に固定される環状の基部と、その基部の外周部から等角度間隔で径方向外側に延出形成されたティース部とから構成されている。また、インシュレータ86は、該電機子コア85の表面を略被覆するように形成され、電機子コア85に固定されている。また、巻線87は、ティース部を覆っているインシュレータ86の上から巻着されている。
【0003】
固定子84には、所定箇所に軸線方向に沿って貫通している複数の貫通孔88が設けられている。また、フランジ部82にも、該貫通孔88に対応して位置決め用ネジ穴89が形成されている。そして、ネジ90を貫通孔88に挿通させ、位置決め用ネジ穴89に螺合させることにより、固定子84をセンターピース83に固定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ネジ90により固定子84をセンターピース83に固定することで、部品点数が増加するという問題があった。
【0005】
また、ネジ90を使用する代わりに、フランジ部82に貫通孔を設け、インシュレータ86からフランジ部82に向かって延出形成された固定部を該貫通孔に挿通させる。そして、フランジ部82の下面から突出した固定部を熱かしめ又は超音波溶着させることによって変形させて、固定子84をセンターピース83に固定させる方法もある。しかし、この方法では、熱かしめ又は超音波溶着で変形させた固定部分は、使用環境における温度変化等を繰り返すことにより劣化し、固定強度が弱くなるといった問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、固定強度を確保しつつ、部品点数の低減をすることができるブラシレスモータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、マグネットが内周面に固定されたロータの回転軸を回転可能に支持する円筒部を有するセンターピースと、該円筒部の外周に固定される固定子と、該固定子の内部に収容され、前記マグネットに対向する電機子コアと、を備えたブラシレスモータにおいて、前記センターピースの外周面及び前記固定子の内周面には、該センターピースと該固定子との軸方向及び周方向の相対的な移動を規制する規制部材を形成した。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記規制部材は、周方向の相対移動を規制する第1規制部材と、軸方向の相対移動を規制する第2規制部材と、から構成された。
請求項3に記載の発明は、前記第1規制部材は、前記円筒部の外周面に径方向外側に突出した突出部と、前記固定子の内周面に径方向内側に突出した係止部及び爪部と、を備え、前記突出部の径方向の面が前記係止部の径方向の面と当接し、前記爪部が前記突出部側に折り曲げられ、前記突出部がかしめ固定された。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記第2規制部材は、前記円筒部の外周面に形成された突起部と、該突起部と対向する前記固定子の内周面に該突起部が嵌合する嵌合部と、を備え、該センターピースと該固定子との軸方向の相対移動を規制するように前記突起部が前記嵌合部に嵌合された。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記第2規制部材は、前記円筒部の外周面に突起部と、前記固定子の内周面に該突起部と密着する密着部と、を備え、前記センターピースと前記固定子との軸方向の相対移動を規制するように前記突起部が前記密着部に密着された。
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記第2規制部材は、前記円筒部の外周面に、前記固定子の軸方向上側の動きを規制する突起部と前記固定子の軸方向下側の動きを規制する位置決め凸部と、を備え、前記センターピースと前記固定子との軸方向の相対移動を規制するように前記固定子が前記突起部と前記位置決め凸部とにより挟持された。
【0012】
請求項7に記載の発明は、前記センターピースが樹脂にて形成された。
(作用)
請求項1または2に記載の発明によれば、センターピースの外周面及び固定子の内周面には、規制部材が設けられ、規制部材によりセンターピースと固定子との軸方向及び周方向の相対的な移動が規制され、固定子がセンターピースに固定される。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、爪部が折り曲げられて、突出部が係止部と爪部とでかしめ固定されて、センターピースと固定子との周方向の相対的な移動が規制され、固定子がセンターピースに固定される。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、円筒部に突起部を形成し、該突起部を固定子に形成した嵌合部に嵌合させることにより、センターピースと固定子との軸方向の相対的な移動が規制され、固定子がセンターピースに固定される。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、円筒部に突起部を形成し、該突起部を密着部に密着させることによりセンターピースと固定子との軸方向の相対的な移動が規制され、固定子がセンターピースに固定される。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、円筒部に突起部と位置決め凸部を形成し、これらにより、固定子を挟持することでセンターピースと固定子との軸方向の相対的な移動が規制され、固定子がセンターピースに固定される。
【0017】
請求項7に記載の発明によれば、センターピースを樹脂で形成することにより、センターピースを製造しやすくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)
以下、本発明を具体化した第一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
【0019】
図1は、ブラシレスモータ1の断面図である。図2は、電機子コア7及びセンターピース5の斜視図である。図3、図4及び図6は、電機子コア7をセンターピース5に組み付ける様子を示す上面図である。図5は、図4のA−A線断面図である。図7は、電機子コア7をセンターピース5に固定した状態を示す斜視図である。
【0020】
図1に示すように、モータホルダ2の上面にはステータ3がネジ4で固定されている。ステータ3は、センターピース5と、該センターピース5に固定される固定子6から構成されている。固定子6は、電機子コア7と、該電機子コア7を略被覆しているインシュレータ8と、インシュレータ8を介して電機子コア7に巻着される巻線9とから構成されている。
【0021】
センターピース5は、合成樹脂から成り、図2に示すように円筒部10と、その円筒部10の下端から径方向外側に向かって延びる略円盤状のフランジ部11とで構成される。円筒部10の内側面の軸方向中央付近には、図1に示すように、円筒状のホルダ12が圧入固定されている。また、円筒部10の軸線方向上下両側面にはそれぞれ上側軸受け13a及び下側軸受け13bが固定されている。
【0022】
センターピース5の円筒部10の下部(即ち、円筒部10のフランジ部11側)の外周面には、図2に示すように、電機子コア7の軸線方向の位置を決めるための位置決め凸部14が設けられている。該位置決め凸部14は、円筒部10の下部の外周面を覆うように環状に形成されている。
【0023】
位置決め凸部14よりも軸線方向に沿って上部(即ち、円筒部10の開口端10a側)の円筒部10の外周面には、所定間隔(本実施形態では、図2に示すように、120°間隔で3箇所)をもって第1規制部材を構成する突出部としてのリブ15が設けられている。該リブ15は、円筒部10の外周面に、軸線方向に沿って円筒部10の開口端10aから位置決め凸部14まで、径方向外側に突出形成されている。
【0024】
さらに、円筒部10の外周面には、第2規制部材を構成する複数の突起部16が延出形成されている。尚、本実施形態では、図2に示すように、各リブ15の間の外周面に1箇所ずつ、合計3つの突起部16が形成されている。
【0025】
また、センターピース5のフランジ部11は、ネジ4により前記モータホルダ2にセンターピース5を固定するためのネジ孔11aを有している。
次に、固定子6を構成している電機子コア7について述べる。
【0026】
電機子コア7は、複数枚のコアシートが積層されて構成されている。コアシート、即ち、電機子コア7は、その中央部にセンターピース5の円筒部10に対応した環状の基部と、その基部の外周部から等角度間隔で径方向外側に延出形成されたティース部とから構成されている。
【0027】
また、電機子コア7には、図1に示すように、該電機子コア7の表面を略被覆するように形成されたインシュレータ8が固定されている。さらに、そのティース部には、ティース部を覆っているインシュレータ8の上から、巻線9が巻回されている。尚、図2〜図7においては、ティース部の詳細な図示を省略して、電機子コア7を単なる円環形状で図示し、また、インシュレータ8及び巻線9の図示も省略している。
【0028】
基部の内径半径、即ち、電機子コア7の内径半径は、円筒部10の外径半径とリブ15の突出した長さとの合計値よりも大きく形成されている。尚、本実施形態では、図3に示すように、電機子コア7の内径半径は、円筒部10の外径半径とリブ15の突出した長さとの合計値と略同一である。
【0029】
該電機子コア7の内周面には、電機子コア7の周方向の位置決めをするための第1規制部材を構成する係止部17が径方向内側に向かって突出するように設けられている。該係止部17は、円筒部10に形成されたリブ15に対応して所定間隔(本実施形態では、図2に示すように120°間隔で3箇所)をもって形成されている。また、該係止部17は、電機子コア7の内周面に、軸線方向に沿って電機子コア7の上面から下面まで形成されている。つまり、電機子コア7を構成するそれぞれのコアシートに径方向内側に突出する係止部17を形成し、一番上のコアシートから一番下のコアシートまでこの係止部17が連なるようにコアシートを積層することで、電機子コア7の上面から下面まで係止部17が設けられる。尚、本実施形態では、図3に示すように、係止部17の突出した長さは、電機子コア7の内径半径から係止部17の突出した長さを差し引いた値が円筒部10の外径半径と略一致するように係止部17が形成されている。
【0030】
また、電機子コア7の内周面には、係止部17から反時計回りに一定間隔をもって第1規制部材を構成する爪部18が形成されている。尚、係止部17と爪部18の周方向の間隔は、少なくともリブ15の周方向の幅よりも広く、かつ、リブ15の周方向の幅と爪部18の径方向の長さ(つまり、突出した長さ)との合計値よりも狭い。該爪部18は、係止部17と同様にして、即ち、それぞれのコアシートに爪部18を形成することにより、軸線方向に沿って電機子コア7の上面から下面まで電機子コア7の内径方向に向かって突出するように形成されている。尚、本実施形態では、図3に示すように、爪部18の突出した長さは、電機子コア7の内径半径から係止部17の突出幅を差し引いた値が円筒部10の外径半径と略一致するように爪部18を形成している。
【0031】
さらに、電機子コア7の内周面には、第2規制部材を構成する嵌合部19が軸線方向に沿って電機子コア7の上面から下面まで形成されている。該嵌合部19も、前述した係止部17と同様にして、電機子コア7を構成するコアシートにそれぞれ径方向内側に突出する嵌合部19を形成し、周方向の位置を合わせてコアシートを積層することで、電機子コア7の上面から下面まで嵌合部19が設けられる。該嵌合部19は、リブ15の径方向の面が係止部17の径方向の面と当接する位置にあるとき、突起部16の周方向の位置と一致する位置に形成されている。つまり、本実施形態では、突起部16は3箇所形成されているので、嵌合部19も電機子コア7を円筒部10に組み付けたときにそれぞれの突起部16の周方向の位置に対応するように、電機子コア7の内周面の3箇所に形成されている。
【0032】
また、各嵌合部19は、それぞれが対応する突起部16を嵌合するために、径方向に沿って形成された抜け止め凹部20が形成されている。各抜け止め凹部20は、各抜け止め凹部20の軸線方向の位置が電機子コア7を円筒部10に組み付けたときに各抜け止め凹部20が対応する突起部16の軸線方向の位置と略一致するように形成されている。また、抜け止め凹部20の軸線方向の幅は、前述した突起部16の軸線方向の幅よりも少しだけ狭く形成されている。尚、嵌合部19に抜け止め凹部20を形成するために、電機子コア7を円筒部10に組み付けたときに突起部16の軸線方向の位置に略一致するコアシートの内周面には何も形成されない、つまり、一部のコアシートには径方向内側に突出する嵌合部19が形成されない。このため、コアシートを複数枚組み合わせて電機子コア7を組み立てたときに嵌合部19に抜け止め凹部20が形成される。
【0033】
以上のように説明した前記ステータ3には、図1に示すように、ロータ21が回転可能に支持される。前記ロータ21は、ヨーク22と、そのヨーク22の内周面に電機子コア7に対向して固着される複数のマグネット23と、前記ヨーク22の中心部に圧入される回転軸24とから構成される。そして、前記回転軸24は軸受け13a、13bを介して前記センターピース5の円筒部10に回転可能に支持されており、その回転軸24の先端にはファン25が固定される。
【0034】
次に電機子コア7の固定方法について説明する。尚、図3、図4及び図6では、図面の都合上、電機子コア7及び円筒部10の一部のみを示している。
円筒部10の軸心と電機子コア7の軸心を合わせ、電機子コア7を円筒部10に位置決め凸部14と係止するまで外嵌する。その際、図3に示すように、円筒部10のリブ15が係止部17と爪部18の間に位置するようにし、且つ、嵌合部19がそれぞれ対応する突起部16と爪部18の間に位置するように電機子コア7を外嵌する。即ち、電機子コア7を円筒部10に外嵌する際には、反時計回りに、係止部17、リブ15、爪部18、嵌合部19、突起部16、係止部17(以下、繰り返し)の順になるように外嵌する。
【0035】
次に、図4に示すように、リブ15が係止部17によって係止されるまで電機子コア7を反時計回り(図3における矢印方向)に回転させ、電機子コア7の周方向の位置決めを行う。リブ15が係止部17によって係止されるまで電機子コア7を回転させると、図5に示すように、嵌合部19に形成された抜け止め凹部20に突起部16がそれぞれ嵌合する。尚、突起部16の軸線方向の幅は、抜け止め凹部20の軸線方向の幅よりも少しだけ広く形成されているが、該突起部16は合成樹脂でできているため、電機子コア7により容易に削られる。即ち、突起部16が抜け止め凹部20の形状に合わせて削られるため、該突起部16は抜け止め凹部20と確実に嵌合する。突起部16が抜け止め凹部20に嵌合することによりセンターピース5と電機子コア7との軸線方向の相対的な移動を規制する。
【0036】
次に、この状態で、爪部18をリブ15の方向へ折り曲げ、リブ15が係止部17と爪部18により挟持されることにより、図6及び図7に示すように、リブ15をかしめ固定する。これにより、電機子コア7、即ち、固定子6をセンターピース5に固定する。
【0037】
以上詳述したように本実施の形態は、以下の特徴を有する。
(1)センターピース5にリブ15を形成し、電機子コア7に形成した係止部17及び爪部18により、リブ15をかしめ固定し、センターピース5と固定子6との周方向の相対的な移動を規制し、固定子6をセンターピース5に固定した。このため、熱かしめ等のように固定部分の強度が低下するようなこともなく、かつ、部品点数を低減することができる。
【0038】
(2)所定間隔をもって円筒部10にリブ15を形成し、さらに、電機子コア7の内周面にリブ15に対応するように係止部17を設け、電機子コア7を周方向に回転させて該係止部17とリブ15を係止させることにより、周方向の位置決めを行った。このため、電機子コア7の周方向の位置決めが容易になる。また、円筒部10の下部の外周面に位置決め凸部14を設け、電機子コア7を円筒部10に外嵌することにより、電機子コア7の下面と位置決め凸部14とが係止する。このため、電機子コア7の軸線方向の位置決めも容易になる。
【0039】
(3)円筒部10に突起部16を形成し、該突起部16を、電機子コア7を回転させることにより、嵌合部19に形成された抜け止め凹部20に嵌合させた。このため、電機子コア7、即ち固定子6と該センターピース5との軸方向の相対的な移動が規制され、固定子6の抜け止めを容易にすることができる。
【0040】
(4)センターピース5は、合成樹脂で形成されているため、このような複雑な形状をしていても、容易に製造することができる。また、突起部16も合成樹脂で形成されているため、電機子コア7を回転させることで、抜け止め凹部20により突起部16の軸線方向の幅が削られ、抜け止め凹部20にしっかりと嵌合させることができる。さらに、抜け止め凹部20の軸線方向の位置にくるように厳格に位置調整をして突起部16を形成しなくても、抜け止め凹部20に嵌合させることができる。
【0041】
(第二実施形態)
以下、本発明を具体化した第二実施形態を図面に従って説明する。尚、第一実施形態と同様の構成は同じ符号を付与し、その詳細な説明を省略する。
【0042】
図8は、第二実施形態の電機子コア及びセンターピースの斜視図である。
電機子コア7の内周面には、第一実施形態における嵌合部19に代えて、第2規制部材を構成する密着部31が軸線方向に沿って電機子コア7の上面から下面まで形成されている。電機子コア7は複数のコアシートにより構成されているので、コアシートにそれぞれ径方向内側に突出する密着部31が形成され、周方向の位置を合わせて該コアシートが積層されることで、電機子コア7の上面から下面まで密着部31が設けられる。また、該密着部31は、リブ15の径方向の面が係止部17の径方向の面と当接する位置にあるとき、突起部16の周方向の位置と略一致する位置に形成される。
【0043】
突起部16は、その径方向の長さと円筒部10の内径半径との合計値が電機子コア7の内径半径から密着部の径方向の長さを差し引いた値より大きくなるように、円筒部10の外周面に径方向外側に突出形成されている。即ち、突起部16と密着部31は、電機子コア7を回動操作したときに先端がお互いに干渉する長さに形成されている。
【0044】
次に、第二実施形態における電機子コア7の固定方法について説明する。図9は、突起部16が密着部31と密着する様子を説明するための断面図である。
電機子コア7を、第一実施形態と同様にして円筒部10に外嵌し、リブ15が係止部17によって係止されるまで電機子コア7を反時計回りに回転させると、突起部16は合成樹脂で形成されているので、電機子コア7の密着部31により容易に突起部16の先端部分が削られる。つまり、図9に示すように、突起部16の径方向部分が削られることにより、突起部16の径方向の長さと円筒部10の内径半径との合計値が、電機子コア7の内径半径から密着部の径方向の長さを差し引いた値と同一になり、突起部16は密着部31と確実に密着する。従って、該突起部16と密着部31との密着面における摩擦力により電機子コア7の抜け止めを行い、電機子コア7がセンターピース5に固定される。
【0045】
以上詳述したように第二実施形態は、以下の特徴を有する。
(1)密着部31により突起部16の径方向部分が削られることで突起部16は密着部31に確実に密着するので、該突起部16と密着部31との密着面における摩擦力が大きくなり、電機子コア7がセンターピース5に確実に固定される。このため、第一実施形態のように、嵌合部19に抜け止め凹部20を形成する必要がないので、同じ形のコアシートを形成し、該コアシートを積層することにより電機子コア7が組み立てることができる。また、一律に形成された密着部31により突起部16の径方向部分が削られ、突起部16が密着部31と密着するので、センターピース5と電機子コア7との軸線方向における位置関係を考慮して電機子コア7及びセンターピース5を製造する必要がない。従って、センターピース5及び電機子コア7を容易に製造することができる。
【0046】
なお、上記以外に次の形態にて具体化できる。
○上記第一実施形態では、円筒部10の外周面にリブ15を形成し、電機子コア7の内周面に係止部17及び爪部18を形成した。この別例として、電機子コア7の内周面を樹脂製のインシュレータで被覆して、電機子コア7の内周面にリブ15を形成する。加えて、円筒部10を金属製にして、円筒部10の外周面に係止部17及び爪部18を形成する。そして、電機子コア7の内周面に形成したリブ15を円筒部10に形成した係止部17及び爪部18でかしめ固定してもよい。また、同様に、円筒部10に突起部16を、電機子コア7に嵌合部19を形成されていたが、樹脂製のインシュレータに被覆された電機子コア7の内周面に突起部16を、金属製にした円筒部10に嵌合部19を形成しても良い。
【0047】
○上記第一実施形態では、円筒部10の内周面に嵌合部19を延出形成していたが、突起部16をリブ15に隣接するように形成し、係止部17に抜け止め凹部20を設けて、該抜け止め凹部20に突起部16を嵌合させるようにすれば、嵌合部19を設ける必要がなくなる。
【0048】
○上記第一実施形態では、突起部16の軸線方向の位置に略一致するコアシートの内周面に何も形成しないことで、嵌合部19に抜け止め凹部20を形成していた。この別例として、突起部16の軸線方向の位置に略一致するコアシートにも他のコアシートと同様にして嵌合部19を形成し、該嵌合部19を周方向に予め折り曲げておくことで抜け止め凹部20を形成しても良い。
【0049】
○上記第一実施形態では、予め嵌合部19に設けられた抜け止め凹部20に突起部16を嵌合させて電機子コア7の抜け止めをしていたが、予め電機子コア7に抜け止め凹部20を設けなくてもよい。詳しくは、電機子コア7の内周面に、抜け止め凹部20を設けずに周方向の幅を薄くした嵌合部19を上面から下面まで一律に形成する。そして、円筒部10に外嵌した電機子コア7を回転させることにより、該嵌合部19に突起部16を押し当てる。電機子コア7は複数枚のコアシートから構成させているので、突起部16を押し当てられたコアシートに形成された嵌合部19は周方向に容易に折れ曲がり、上記実施形態のような抜け止め凹部が形成され、その抜け止め凹部に突起部16が嵌合する。このようにすれば、突起部16と抜け止め凹部の軸線方向における位置決めを予め行う必要がなくなる。
【0050】
○上記第一実施形態では、突起部16を嵌合部19に形成された抜け止め凹部20に嵌合させて固定子6の軸方向の移動を規制したが、嵌合させなくても良い。例えば、固定子6を円筒部10に外嵌したとき、突起部16の軸方向の位置が固定子6の上面よりも上に位置するように形成する。そして、固定子6を位置決め凸部14により係止するまで円筒部10に外嵌して、周方向に固定子6を回転させると、嵌合部19が位置決め凸部14と突起部16により挟持され、該センターピース5と該固定子6との軸方向の相対的な移動が規制される。
【0051】
○上記第二実施形態において、密着部31により突起部16の径方向に突出した部分が削られていたが、密着部31または突起部16の形及び大きさを調整して突起部16が削られなくて済むように形成し、突起部16が密着部31に密着するようにしても良い。つまり、突起部16は合成樹脂で形成されているため、容易に弾性変形させることが可能であり、密着部31または突起部16の形及び大きさを調整することにより、突起部16を弾性変形させて密着部31に密着させることができる。このようにすれば、突起部16の削りかすが出なくなる。また、突起部16を弾性変形させて突起部16と密着部31とを密着させることにより、突起部16は密着部31に対して反発力を生じ、突起部16と密着部31との摩擦力が大きくなる。従って、電機子コア7をセンターピース5により確実に固定することができる。
【0052】
○上記第二実施形態において、突起部16を軸線方向に長く形成するようにしても良い。このようにすれば、密着部31との密着面が広くなり、より確実に抜け止めを行うことができる。
【0053】
○上記実施形態において、突起部16と、嵌合部19又は密着部31とをセンターピース5と電機子コア7にそれぞれ形成したが、形成しなくても良い。リブ15をかしめ固定するだけでも、電機子コア7とセンターピース5との軸方向の相対的な移動をある程度規制することができる。このため、突起部16と、嵌合部19又は密着部31とを形成しなくても、電機子コア7をセンターピース5に固定することができる。従って、電機子コア7とセンターピース5とを容易に製造することができる。
【0054】
○上記実施形態では、爪部18を軸線方向に沿って電機子コア7の上面から下面まで形成したが、一部分にのみ形成しても良い。つまり、全部のコアシートに爪部18を形成する必要はない。
【0055】
以上に記載した実施形態及び別例から得ることができる技術的思想について開示する。
(イ)請求項3に記載のブラシレスモータにおいて、前記嵌合部に、前記突起部に対応する抜け止め凹部を設け、該抜け止め凹部に該突起部が嵌合されたことを特徴とするブラシレスモータ。
【0056】
(ロ)請求項3に記載のブラシレスモータにおいて、前記固定子を回転させることにより、前記嵌合部に前記突起部を押し当て、該嵌合部に前記突起部が嵌合されたことを特徴とするブラシレスモータ。従って、このようにすれば、突起部を嵌合させる凹部を設けなくても、容易に嵌合部に突起部を嵌合させることができる。
【0057】
(ハ)請求項3に記載のブラシレスモータにおいて、前記センターピースが樹脂にて形成され、前記嵌合部に前記突起部に対応する抜け止め凹部が設けられ、前記突起部の軸線方向の幅が該抜け止め凹部の軸線方向の幅よりも予め広く形成されたことを特徴とするブラシレスモータ。このようにすれば、固定子を回転させることにより樹脂で形成されている突起部は、抜け止め凹部により削られて抜け止め凹部と確実に嵌合する。このため、突起部と抜け止め凹部との軸線方向の位置関係を厳格に定める必要がなくなる。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、固定子とセンターピースとの間の固定強度を確保しつつ、部品点数の低減をすることができるブラシレスモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブラシレスモータの断面図。
【図2】電機子コア及びセンターピースの斜視図。
【図3】電機子コアをセンターピースに組み付ける際の上面図。
【図4】電機子コアをセンターピースに組み付ける際の上面図。
【図5】A−A線断面図。
【図6】電機子コアをセンターピースに組み付ける際の上面図。
【図7】電機子コアをセンターピースに組み付けた状態の斜視図。
【図8】第二実施形態の電機子コア及びセンターピースの斜視図。
【図9】突起部が密着部と密着する様子を示す断面図。
【図10】従来のブラシレスモータの断面図。
【符号の説明】
1…ブラシレスモータ、3…ステータ、5…センターピース、6…固定子、7…電機子コア、10…円筒部、11…フランジ部、14…位置決め凸部、15…リブ、16…突起部、17…係止部、18…爪部、19…嵌合部、20…抜け止め凹部、21…ロータ、22…ヨーク、23…マグネット、24…回転軸、31…密着部。
Claims (7)
- マグネットが内周面に固定されたロータの回転軸を回転可能に支持する円筒部を有するセンターピースと、該円筒部の外周に固定される固定子と、該固定子の内部に収容され、前記マグネットに対向する電機子コアと、を備えたブラシレスモータにおいて、
前記センターピースの外周面及び前記固定子の内周面には、該センターピースと該固定子との軸方向及び周方向の相対的な移動を規制する規制部材を形成したことを特徴とするブラシレスモータ。 - 前記規制部材は、周方向の相対移動を規制する第1規制部材と、軸方向の相対移動を規制する第2規制部材と、から構成されたことを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
- 前記第1規制部材は、前記円筒部の外周面に径方向外側に突出した突出部と、前記固定子の内周面に径方向内側に突出した係止部及び爪部と、を備え、
前記突出部の径方向の面が前記係止部の径方向の面と当接し、前記爪部が前記突出部側に折り曲げられ、前記突出部が前記センターピースと前記固定子との周方向の相対的な移動を規制するようにかしめ固定されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブラシレスモータ。 - 前記第2規制部材は、前記円筒部の外周面に形成された突起部と、該突起部と対向する前記固定子の内周面に該突起部が嵌合する嵌合部と、を備え、
前記センターピースと前記固定子との軸方向の相対移動を規制するように前記突起部が前記嵌合部に嵌合されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラシレスモータ。 - 前記第2規制部材は、前記円筒部の外周面に形成された突起部と、該突起部と対向する前記固定子の内周面に前記突起部と前記内周面との距離よりも長く突出形成された密着部と、を備え、
前記センターピースと前記固定子との軸方向の相対移動を規制するように前記突起部が前記密着部に密着されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラシレスモータ。 - 前記第2規制部材は、
前記円筒部の外周面に、前記固定子の軸方向上側の動きを規制する突起部と前記固定子の軸方向下側の動きを規制する位置決め凸部と、を備え、
前記センターピースと前記固定子との軸方向の相対移動を規制するように前記固定子が前記突起部と前記位置決め凸部とにより挟持されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラシレスモータ。 - 前記センターピースが樹脂にて形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のブラシレスモータ。
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