JP2004069039A - ダイヤフラムの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダイヤフラム部の外周シール部をバルブボディの取付部に狭着してダイヤフラムをバルブボディ内に取り付ける構造において、前記外周シール部48が外周側に開口する立片部48Bと2つの横片部48A,48Cからなる断面略コ字状の溝部に構成されているとともに、前記2つの横片部うち一の横片部が変形可能な薄肉部によって形成されかつ他の横片部及び前記立片部が肉厚部によって形成され、前記コ字状溝部内にクッション材DGが圧入されてバルブボディ10の取付部に狭着されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明はダイヤフラム部の外周シール部をバルブボディの取付部に狭着してダイヤフラムをバルブボディ内に取り付ける構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、流量の制御や測定などをする装置に、ダイヤフラムを用いたものが提案されている。この種流量の制御装置や測定装置において、例えばダイヤフラムは可動部よりなる薄肉の膜部からなるダイヤフラム面とその外縁側の外周シール部からなるもので、該外周シール部には、クッション材としてゴムクッションを装着してバルブボディに狭着固定されることがある。
【0003】
しかしながら、前記流量の制御装置や測定装置において、特にダイヤフラム部はその両面が流体と接する場合、そのクッション材が流体に接触することにより劣化する懸念がある。さらに、流体がオゾン水やガス体の場合にはダイヤフラム部を構成するフッソ樹脂をも透過してクッション材を劣化させやすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、ダイヤフラム外周シール部のクッション材に流体が接液することがなく、さらに透過を防止することにより、長期使用によっても劣化させにくく、かつ確実にダイヤフラムを取り付けることができるダイヤフラムの取付構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、ダイヤフラム部の外周シール部をバルブボディの取付部に狭着してダイヤフラムをバルブボディ内に取り付ける構造において、前記外周シール部が外周側に開口する立片部と2つの横片部からなる断面略コ字状の溝部に構成されているとともに、前記2つの横片部うち一の横片部が変形可能な薄肉部によって形成されかつ他の横片部及び前記立片部が肉厚部によって形成され、前記コ字状溝部内にクッション材が圧入されてバルブボディの取付部に狭着されていることを特徴とするダイヤフラムの取付構造に係る。
【0006】
また、請求項2の発明は、前記バルブボディの取付部に、前記立片部の薄肉横片部側を覆う突片部が形成されている請求項1に記載のダイヤフラムの取付構造に係る。
【0007】
さらに、請求項3の発明は、前記バルブボディ及びダイヤフラムがフッ素樹脂よりなる請求項1又は2に記載のダイヤフラムの取付構造に係る。
【0008】
請求項4の発明は、前記クッション材が、フッ素ゴム、ニトリルゴム、EPDM又はシリコンのいずれかよりなる請求項1ないし2のいずれか1項に記載のダイヤフラムの取付構造に係る。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明の一実施例に係る定流量弁の中央縦断面図、図2は定流量弁のダイヤフラムの一実施例を拡大して示す断面図、図3は定流量弁にダイヤフラムを装着した状態を拡大して示す部分断面図である。
【0010】
この発明のダイヤフラムの取付構造にかかる定流量弁9は、純水、薬液、腐食性流体、有機溶剤、電解水、ガス等の各種流体に対して用いるもので、図1に示すように、一次側と二次側の流体の圧力差により被制御流体Fの流出量を所定の流量に制御するものである。この実施例の定流量弁9は、バルブボディ10と、前記バルブボディ10に形成された弁作動チャンバ20と、接続流路50と、前記弁作動チャンバ20に装置された弁機構体30と、前記接続流路50に設けられた絞り部60とからなる。
【0011】
前記バルブボディ10は、内部に弁作動チャンバ20が形成されており、該弁作動チャンバ20は、被制御流体Fの一次側流体の流入口11と、弁座15と、接続流路50への流出口12、接続流路50からの流入口13及び二次側流体の流出口14が形成されている。
【0012】
一次側流体の流入口11及び二次側流体の流出口14は、被制御流体Fを流入し流出させるための流路接続口であり、これらの流入口11及び流出口14に対しては適宜の配管が接続される。また、接続流路50への流出口12及び該接続流路50からの流入口13は、一次側流体と二次側流体との差圧を調節する絞り部60を備える接続流路50への接続口である。弁座15は、弁作動チャンバ20の内部に突出して形成され、次述する弁機構体30が装置される。
【0013】
前記弁作動チャンバ20内部には、弁機構体30が装置される。弁機構体30は、弁部31と、該弁部31と一体に変動する第1ダイヤフラム部41ならびに第2ダイヤフラム部42ならびに第3ダイヤフラム部43を備えている。
【0014】
弁機構体30に設けられた第1ダイヤフラム部41、第2ダイヤフラム部42、第3ダイヤフラム部43は、それぞれ、可動部である薄肉の膜部からなるダイヤフラム面44,45,46と、その外縁側の外周シール部47,48,49とからなる。これらの第1,第2,第3ダイヤフラム部41,42,43は、その外周シール部47,48,49を前記バルブボディ10内部に挟着されて固定される。この例のバルブボディ10は、前記ダイヤフラム部41,42,43の外周シール部を簡単に挟着固定するために、第1バルブボディ部10a,第2バルブボディ部10b,第3バルブボディ部10c,第4バルブボディ部10dとに分割されて構成されている。
【0015】
また、特にこの発明のダイヤフラム42は、図2に示すように、前記外周シール部48が外周側に開口する立片部48Bと2つの横片部48A,48Cからなる断面略コ字状の溝部に構成されているとともに、前記2つの横片部48A,48Cのうち一の横片部48A(もしくは48C)が変形可能な薄肉部によって形成されかつ他の横片部48C(もしくは48A),及び前記立片部A8Bが肉厚部によって形成され、前記コ字状溝部内にクッション材DGが圧入される事を特徴とする。
【0016】
図2及び図3の実施例では、第2ダイヤフラム部42の断面略コ字状の外周シール部48において、横片部48A,48Cのうち、上片部48Aを取付のために変形可能な薄肉部とするとともに、残りの2辺(ここでは立片部48Bと下片部48C)を非透過性能と耐変形性能を高めるために肉厚部とし、この内側にクッション材DGを圧入する構造が示される。図4は第2ダイヤフラム部42及びクッション材DGのバルブボディへの装着前の状態を示す。この例では、外周シール部48の上片部48Aの厚みを0.5mm、立片部48B及び下片部48Cの厚みを1mm(あるいはそれ以上)とした。なお、下片部48C変形可能な薄肉部とし上片部48Aを肉厚部とすることができることは言うまでもない。
【0017】
また、請求項2に規定し、図3の拡大図からも解るように、外周シール部48が取り付けられるバルブボディ10cに、立片部48Bの薄肉横片部側(ここでは上片部48A)の内側に保護用突壁部10Pを形成することにより、薄肉横片部(上片部48A)を覆って、非透過性能及び耐変形性能も高めることができる。
【0018】
さらに、この例のバルブボディ10及び弁機構体30は請求項3にも規定したように、フッ素樹脂等の耐食性及び耐薬品性の高い樹脂から形成されている。なお、前記弁作動チャンバ等他の部分に関しても、同様の樹脂からなる物とするのが好ましい。
【0019】
さらにまたクッション材DGとしては、請求項4に規定するように、フッ素ゴムやニトリルゴムやEPDM、シリコンなどが好ましく使用される。耐食性、耐薬品に優れるものとする。
【0020】
このような構造とすれば、図3のように、第2ダイヤフラム部42をバルブボディ10に装着した際に、前記クッション材DGは、ダイヤフラム部42の外周シール部48の肉厚部よりなる立片部48B及び下片部48Cによって、流体の透過から保護されて、その劣化を防ぐことができる。と同時に、肉厚部よりなる立片部48B及び下片部48Cは、圧縮されたクッション材DGのダイヤフラム径方向への反発力を抑止して、ダイヤフラム面45の変形を防止することができる。
【0021】
なお、図において符号25は加圧チャンバで、適宜加圧手段72により所定圧力で前記弁機構体30を押圧する。実施例では、加圧手段72は流入口19bからの加圧空気とし、かつ加圧チャンバ25内には補助加圧手段としてばね体76が装置されている。また、符号77は押圧部材で、進退によって該ばね体76の加圧力が調整されるようになっている。
【0022】
また符号21は空気圧チャンバで、19aは空気流出入口である。また、図示したように、前記空気圧チャンバ21に加圧空気等の加圧手段71を設けて、例えば被制御流体Fの供給を強制的に停止するような場合に、弁機構体30を前進させその弁部31を弁座15に接触させて閉じることができるようにしてもよい。このときには符号19aは加圧空気の流入口となる。
【0023】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明に係る定流量弁にあっては、外周シール部が外周側に開口する立片部と2つの横片部からなる断面略コ字状の溝部に構成されているとともに、前記2つの横片部うち一の横片部が変形可能な薄肉部によって形成されかつ他の横片部及び前記立片部が肉厚部によって形成され、前記コ字状溝部内にクッション材が圧入されてバルブボディの取付部に狭着されているものであるため、ダイヤフラム部の外周シール部の肉厚部よりなる立片部及び一の横片部によって、流体の透過から保護されて、その劣化を防ぐことができる。と同時に、前記肉厚部よりなる立片部及び一の横片部は、圧縮されたクッション材のダイヤフラム径方向への反発力を抑止して、ダイヤフラム面の変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る定流量弁の中央縦断面図である。
【図2】該定流量弁のダイヤフラムの一実施例を拡大して示す断面図である。
【図3】定流量弁にダイヤフラムを装着した状態を拡大して示す部分断面図である。
【符号の説明】
9 定流量弁
10 バルブボディ
20 弁作動チャンバ
21 空気圧チャンバ
25 加圧チャンバ
30 弁機構体
31 弁部
41 第1ダイヤフラム部
42 第2ダイヤフラム部
43 第3ダイヤフラム部
47 第1ダイヤフラム外周シール部
48 第2ダイヤフラム外周シール部
49 第3ダイヤフラム外周シール部
Claims (4)
- ダイヤフラム部の外周シール部をバルブボディの取付部に狭着してダイヤフラムをバルブボディ内に取り付ける構造において、前記外周シール部が外周側に開口する立片部と2つの横片部からなる断面略コ字状の溝部に構成されているとともに、前記2つの横片部うち一の横片部が変形可能な薄肉部によって形成されかつ他の横片部及び前記立片部が肉厚部によって形成され、前記コ字状溝部内にクッション材が圧入されてバルブボディの取付部に狭着されていることを特徴とするダイヤフラムの取付構造。
- 前記バルブボディの取付部に、前記立片部の薄肉横片部側を覆う突片部が形成されている請求項1に記載のダイヤフラムの取付構造。
- 前記バルブボディ及びダイヤフラムがフッ素樹脂よりなる請求項1又は2に記載のダイヤフラムの取付構造。
- 前記クッション材が、フッ素ゴム、ニトリルゴム、EPDM又はシリコンのいずれかよりなる請求項1ないし2のいずれか1項に記載のダイヤフラムの取付構造。
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