JP2004068429A - 扉ロック装置およびこれを用いた自動販売機 - Google Patents
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Abstract
【課題】強固なロックを維持しながら、従来のハンドルレバーを省略できるとともに、ロックおよびその解除の際の操作性を向上させることができる扉ロック装置およびこれを用いた自動販売機を提供する。
【解決手段】販売機本体2に設けられたロック用フック12と、メインドア3に、ロック位置とロック解除位置との間で上下方向に移動自在に設けられ、メインドア3が閉鎖される際に、ロック位置に押し上げられながらロック用フック12に係止され、下方への移動が許容されたときに、自重によってロック解除位置に下降しながら係止が解除されるロック機構13と、これを係止する閂ロック位置と、その係止を解除するとともにロック機構13の下降を許容する閂ロック解除位置との間で移動自在に設けられた閂プレート41と、これを閂ロック位置側に付勢するばね42と、閂プレート41を閂ロック解除位置に移動させるためのロック解除手段と、を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】販売機本体2に設けられたロック用フック12と、メインドア3に、ロック位置とロック解除位置との間で上下方向に移動自在に設けられ、メインドア3が閉鎖される際に、ロック位置に押し上げられながらロック用フック12に係止され、下方への移動が許容されたときに、自重によってロック解除位置に下降しながら係止が解除されるロック機構13と、これを係止する閂ロック位置と、その係止を解除するとともにロック機構13の下降を許容する閂ロック解除位置との間で移動自在に設けられた閂プレート41と、これを閂ロック位置側に付勢するばね42と、閂プレート41を閂ロック解除位置に移動させるためのロック解除手段と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動販売機や両替機などの正面のメインドアに適用される扉ロック装置およびこれを用いた自動販売機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、缶飲料やたばこなどを販売する自動販売機は、前面が開口し且つ商品を収納するボックス状の販売機本体と、その前面を開閉するメインドアなどで構成されている。メインドアは、商品見本、商品選択ボタン、金銭投入口および商品取出口などを有し、背面側には、販売時に投入された金銭を保管する金庫が設けられている。このようなメインドアは、販売機本体の左側部の前端部に、上下方向に延びる軸線を中心に回動自在に取り付けられている。そして、このメインドアは、常時は、扉ロック装置により、閉鎖された状態でロックされ、商品補充時やメンテナンス時などに、ロックが解除され、開放される。
【0003】
このような自動販売機の扉ロック装置として、例えば特開2000−194916号公報に記載されたものが知られている。この扉ロック装置は、メインドアの自由端部である右端部に、上下方向に延び且つスライド自在に設けられた金属製のロックロッドと、これに対応する販売機本体の右側部の前端部に設けられ、メインドアが閉鎖する際に、ロックロッドが係合する上下2つの金属製のロックプレートと、メインドアの右端部に設けられ、ロック解除の際に、ロックロッドを上方へスライドさせるためのハンドルレバーとを有している。
【0004】
ロックロッドの上下2カ所にはそれぞれ、上下のロックプレートにそれぞれ係合可能な開口が形成されている。また、各ロックプレートは、販売機本体の前面よりも前方に若干突出するように、販売機本体に取り付けられており、各ロックプレートの前部には、斜め後ろ上がりに延びる傾斜面が形成されるとともに、この傾斜面の後端に連なり、下方に所定長さ延びる係止溝が形成されている。また、ハンドルレバーは、メインドアの前面に対して出没自在に構成されるとともに、前方に突出した状態で、前後方向に延びる軸線を中心に回動自在に構成されており、その回動中心部には、前面に鍵穴を有するシリンダ錠が内蔵されている。
【0005】
このような扉ロック装置を有する自動販売機では、メインドアのロックおよびその解除が次のようにして行われる。まず、メインドアをロックする場合には、開放したメインドアを販売機本体側に回動させながら閉鎖する。この場合、メインドア側のロックロッドでは、まず、上下の各開口にロックプレートの前端部が若干入り込み、ロックロッドの開口の上縁部がロックプレートの傾斜面に当接する。メインドアを閉鎖するよう更に回動させると、ロックロッドの開口の上縁部がロックプレートの傾斜面に沿って、斜め上後方に案内され、これにより、ロックロッドが上方にスライドする。そして、ロックロッドの開口がロックプレートの傾斜面の後端を越えたとき、すなわちロックロッドの開口がロックプレートの係止溝に到達したときに、ロックロッドは、自重により若干落下し、開口を介して、2つのロックプレートの係止溝にそれぞれ係止される。これにより、メインドアは、いずれも金属製のロックロッドおよび2つのロックプレートにより、閉鎖状態でしっかりとロックされる。
【0006】
一方、閉鎖状態のメインドアのロックを解除する場合には、まず、シリンダ錠の鍵穴に所定のキーを差し込んで回し、ハンドルレバーを前方に突出させる。次いで、このハンドルレバーを握り、所定角度まで回動させると、これに連動して、ロックロッドが所定高さまで持ち上げられる。これにより、ロックプレートによるロックロッドの係止が解除されることによって、メインドアのロックが解除される。そして、この状態を保ったまま、ハンドルレバーを手前に引くことによって、メインドアが開放される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような扉ロック装置では、ロック解除の際に、ある程度の重量を有する比較的重いロックロッドを持ち上げる必要があるため、一般的なキーの回転操作に比べて、大きなトルクを発生しやすいハンドルレバーを採用している。しかし、このハンドルレバーは、メインドアの前面に露出した状態で設けられているため、ハンドルレバーへのいたずらを誘発するおそれがあり、さらには、ハンドルレバーが壊されることにより、メインドアがこじ開けられ、金庫内の金銭が盗難にあうおそれもある。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、強固なロックを維持しながら、従来のハンドルレバーを省略できるとともに、ロックおよびその解除の際の操作性を向上させることができる扉ロック装置およびこれを用いた自動販売機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る扉ロック装置は、前面に開口を有する機器本体の左右の側部の一方の前端部に、上下方向に延びる軸線を中心に回動自在に取り付けられた扉体を、開口を閉鎖した状態でロックするための扉ロック装置であって、機器本体の左右の側部の他方の前端部に設けられた係止部材と、扉体の自由端部に、第1ロック位置とこの第1ロック位置よりも下方の第1ロック解除位置との間で上下方向に移動自在に設けられ、扉体が閉鎖される際に、係止部材に当接したときの係止部材からの反力によって第1ロック位置に押し上げられることにより、係止部材に係止され、下方への移動が許容されたときに、自重によって第1ロック解除位置に下降することにより、係止部材による係止が解除されるロック機構と、このロック機構の付近に、ロック機構を係止する第2ロック位置と、係止を解除するとともにロック機構の第1ロック解除位置への下降を許容する第2ロック解除位置との間で移動自在に設けられ、ロック機構が第1ロック位置に位置するときに、第2ロック位置への移動が許容されるロック機構係止部材と、このロック機構係止部材を第2ロック位置側に付勢する付勢手段と、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置に移動させるためのロック解除手段と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、扉体の閉鎖の際、すなわち、開放状態の扉体を、機器本体側に回動させながら閉鎖すると、扉体側のロック機構が、機器本体側の係止部材に当接し、その反力によって第1ロック位置に押し上げられることにより係止部材に係止される。またこれとともに、ロック機構係止部材は、第2ロック位置への移動が許容され、付勢手段により、第2ロック位置に付勢されることにより、第1ロック位置のロック機構を係止する。つまり、ロック機構係止部材によって、ロック機構を第1ロック位置に不動に保持することにより、機器本体側の係止部材による扉体側のロック機構の係止が保たれ、その結果、扉体が閉鎖した状態でロックされる。このように、扉体を閉鎖した状態でロックする場合には、扉体を機器本体側に回動させながら閉鎖するだけで、その扉体を簡単かつ強固にロックすることができる。
【0011】
一方、閉鎖状態の扉体のロックを解除する場合には、ロック解除手段により、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置まで移動させる。これにより、第1ロック位置に位置するロック機構は、下方への移動が許容される。そして、このロック機構は、自重によって落下しながら第1ロック解除位置まで下降し、これにより、係止部材による係止が解除される。このように、閉鎖した状態でロックされた扉体のロックを解除する場合には、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置に移動させるだけで、その扉体のロックを簡単に解除することができる。
【0012】
前述したように、上記構成の扉ロック装置によれば、閉鎖状態の扉体のロックを解除する場合には、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置まで移動させるだけで、ロック機構が自動的に下降し、ロックが解除されるので、従来のようなハンドルレバーを省略することができるとともに、扉体のロックおよびその解除の際の操作性を向上させることができる。
【0013】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1の扉ロック装置において、係止部材は、その前端部から上方に突出する突出部を有し、突出部の上面には、後ろ上がりに延びる傾斜面が形成されており、ロック機構は、第1ロック位置と第1ロック解除位置との間で上下方向にスライド自在に構成され、第1ロック位置において、第2ロック位置に移動したロック機構係止部材によって係止されるとともに、ロック機構係止部材が第2ロック解除位置に移動したときに自重によって第1ロック解除位置に下降するスライドロック部材と、このスライドロック部材よりも後方に突出した状態で、スライドロック部材に左右方向に延びる軸線を中心に回動自在に取り付けられるとともに、扉体に軸線よりも上方の位置で支持され、扉体が閉鎖される際に、傾斜面に沿ってスライドロック部材とともに押し上げられるとともに、スライドロック部材が突出部に当接した後に、扉体が閉鎖側に回動することによって、軸線を中心として突出部の後ろ側に上方から回り込むように回動することにより、突出部に係止される回動ロック部材と、を有していることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、扉体の閉鎖の際に、回動ロック部材が、係止部材の突出部の傾斜面に当接し、その反力によって、スライドロック部材とともに押し上げられる。そして、スライドロック部材が係止部材の突出部に当接した後に、扉体をさらに閉鎖側に回動させると、回動ロック部材が、軸線を中心として突出部の後ろ側に上方から回り込むように回動する。これにより、回動ロック部材が突出部に係止される。この場合、スライドロック部材は、第1ロック位置に到達し、ロック機構係止部材が第2ロック位置に移動することにより、第1ロック位置で不動に保持される。この状態から、ロック機構係止部材が第2ロック解除位置に移動すると、スライドロック部材は、自重によって落下しながら第1ロック解除位置に下降する。これに伴い、係止部材の突出部に係止されていた回動ロック部材は、上記と反対方向に回動し、これにより、突出部による係止が解除される。したがって、上記構成により、ロック機構が上昇したときに係止部材に係止され、かつ、下降したときにその係止が解除される扉ロック装置を、簡単な構造で容易に実現することができる。
【0015】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項2の扉ロック装置において、係止部材は、上下方向に互いに間隔を隔てて設けられた複数の係止部材で構成され、回動ロック部材は、複数の係止部材に対応し、スライドロック部材に上下方向に互いに間隔を隔てて設けられた複数の回動ロック部材で構成されていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、係止部材が上下方向に互いに間隔を隔てて設けられた複数の係止部材で構成される一方、これに対応して、スライドロック部材に設けられた回動ロック部材が、複数の回動ロック部材で構成されているので、扉体を複数個所で機器本体に係止することができ、その結果、扉体を閉鎖状態でより一層強固にロックすることができる。
【0017】
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかの扉ロック装置において、ロック解除手段は、鍵穴を有し、扉体に設けられたシリンダ錠と、このシリンダ錠とロック機構係止部材との間に設けられ、鍵穴がキーで回されるのに連動して、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置に移動させるロック解除部材と、を有していることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、シリンダ錠の鍵穴がキーで回されるのに連動して、ロック解除部材により、ロック係止部材が第2ロック解除位置に移動される。そうすると、ロック機構は、自重によって落下しながら第1ロック解除位置に下降し、これにより、係止部材による係止が解除されることによって、扉体のロックが解除される。このように、鍵穴に挿入したキーを回すだけで、扉体のロックを簡単に解除することができる。
【0019】
本発明の請求項5に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかの扉ロック装置において、ロック解除手段は、扉体のロックを解除するためのロック解除信号を送信する送信機と、扉体および機器本体の一方に設けられ、ロック解除信号を受信する受信機と、扉体の内側に設けられ、受信機がロック解除信号を受信したときに、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置に駆動するアクチュエータと、を有していることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、送信機によってロック解除信号を送信し、これを受信機が受信したときに、扉体の内側に設けられたアクチュエータが、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置に駆動する。そうすると、ロック機構は、自重によって落下しながら第1ロック解除位置に下降し、これにより、係止部材による係止が解除されることによって、扉体のロックが解除される。このように、アクチュエータを遠隔操作することによって、扉体のロックを解除できるので、いたずらを誘発しやすい鍵穴などを省略でき、その結果、防盗性を高めることができる。
【0021】
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれかの扉ロック装置を用いた自動販売機において、機器本体は、自動販売機の販売機本体であり、扉体は、自動販売機のメインドアであることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、従来のようなハンドルレバーを省略することができるとともに、扉体のロックおよびその解除の際の操作性が良好な自動販売機を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による扉ロック装置を適用した自動販売機を示している。同図に示すように、この自動販売機1は、缶飲料などを販売可能なものであり、販売機本体2(機器本体)と、その前面を開閉するメインドア3(扉体)とを備えている。
【0024】
販売機本体2は、前面が開口した縦長ボックス状に形成されており、内部には、多数の商品が収納されるとともに、それらの商品を冷却および/または加温するための冷却・加温装置(図示せず)が設けられている。また、販売機本体2の右側部の前端部には、上下方向に互いに所定間隔を隔てて配置された上下一対の金属製のロック用フック12、12(係止部材)が取り付けられている。
【0025】
一方、メインドア3は、正面形状が縦長矩形状に形成されており、前面には、多種の商品見本4、各商品ごとの商品選択ボタン5、硬貨投入口6aや紙幣投入口6b、硬貨返却レバー6cなどを有する接客部6、および商品取出口7を有している。また、メインドア3は、販売機本体2の左側部の前端部に、上下一対のヒンジ8、8を介して、上下方向に延びる軸線を中心に回動自在に取り付けられており、商品補充時やメンテナンス時などに開閉される。そして、このメインドア3は、常時は、扉ロック装置11により、閉鎖した状態でロックされる。
【0026】
図1および図2に示すように、扉ロック装置11は、販売機本体2の右側前端部に取り付けられた上記一対のロック用フック12、12と、メインドア3の自由端部である右端部に、ロック位置(第1ロック位置、図7(f)に示す位置)と、これよりも下方のロック解除位置(第1ロック解除位置、図7(a)、(d)に示す位置)との間で上下方向に移動自在に組み付けられ、ロック用フック12、12に係止されるロック機構13と、このロック機構13を係止するための閂機構14と、を有している。
【0027】
各ロック用フック12は、所定形状の金属板を折り曲げ加工などすることにより形成したものである。このロック用フック12は、図1、2、3および5に示すように、ロック用フック12自身を販売機本体2にねじ止めして取り付けるための取付部21と、この取付部21の前端下半部から斜め前方に若干延び、かつ、その前端で屈曲して前方に所定長さ延び、その前端部が上方に突出するように形成されたフック部22とで構成されている。フック部22の前端部の上方に凸の突出部23は、その上面が、図5(a)に示すように、後ろ上がり(同図では右上がり)に所定長さ延びる前傾斜面23aと、この前傾斜面23aの後端から連なり、後ろ下がりに所定長さ延びる後傾斜面23bとにより、前後方向のほぼ中央部が最も高い山型に形成されている。
【0028】
ロック機構13は、上下方向に所定長さ延びるとともに、上記ロック位置とロック解除位置との間で上下方向にスライド自在のスライドロッド31(スライドロック部材)と、上記上下一対のロック用フック12、12に対応し、スライドロッド31の上端部および下端部にそれぞれ、左右方向に延びる軸線を中心に回動自在に設けられた上下一対のロック金具32、32(回動ロック部材)とを有している。そして、このロック機構13は、メインドア3の上下のロック金具32、32の付近にそれぞれ固定された所定形状の支持プレート33、33により、可動に支持されている。
【0029】
スライドロッド31は、所定形状の金属板を折り曲げ加工などすることにより形成したものであり、図5(b)、(c)に示すように、横断面がほぼ「コ」字状に形成されている。また、スライドロッド31の上下のロック金具32、32が設けられた部分にはそれぞれ、前後方向(図5では左右方向)に貫通した開口31aを有し、左右の側壁(図5(a)では表裏壁)が互いに対称に所定形状に形成されている。具体的には、図5(a)に示すように、開口31aの上部付近に位置し、前方に凹みかつ縦長に形成された縦長凹部31bと、この縦長凹部31bの下端に連なり、後ろ下がりに若干延びかつその後端から前下がりに若干延びるように、側面形状が三角形で後方に凸に形成された三角凸部31cと、を有している。また、スライドロッド31の上下方向の中央部付近には、図6に示すように、閂機構14の後述する閂プレート41が挿脱可能な閂開口31eが形成されている。そして、このように構成されたスライドロッド31の上下の開口31a、31a付近にそれぞれ、ロック金具32が回動自在に取り付けられている。
【0030】
各ロック金具32は、図5に示すように、その前後方向の後半部、すなわちロック用フック12側の半部がスライドロッド31の開口31aから後方に突出した状態で、回動自在に取り付けられている。このロック金具32は、所定形状の金属板を折り曲げ加工などすることにより形成したものであり、図5(a)に示すように、側面形状が横「L」字状に形成されるとともに、同図(b)に示すように、横断面がほぼ「コ」字状に形成されている。また、ロック金具32の左右の側壁にはそれぞれ、互いに対向し上下方向に延びる長孔32a、32aが形成されている。これらの長孔32a、32aには、両端部が上記支持プレート33に固定され、かつ、スライドロッド31の上記縦長凹部31b、31bに係脱可能な固定シャフト34が遊挿されている。さらに、ロック金具32は、その固定シャフト34の下方でかつ若干前方寄り(図5では左方寄り)の位置で、両端部が支持プレート33の後述する左右のガイド孔33aに遊挿された可動シャフト35に回動自在に支持されている。そして、この可動シャフト35は、上記スライドロッド31の左右の貫通孔31d、31dに挿入されている。したがって、ロック金具32は、スライドロッド31に対し、可動シャフト35を中心として、図5に示す水平姿勢と、この水平姿勢から時計方向に所定角度回動した傾斜姿勢(図7(f)に示す姿勢)との間で回動できるようになっている。なお、ロック金具32のロック用フック12側の先端下部は、上方に折り返された折返し部32bを有している。
【0031】
上述したように、ロック機構13は、上下2つの支持プレート33、33によって支持されており、各支持プレート33は、図5(b)、(c)に示すように、平面形状がほぼ「コ」字状に形成されている。また、各支持プレート33の左右の側壁にはそれぞれ、上記可動シャフト35の両端部を支持するとともに、可動シャフト35を案内するガイド孔33a、33aが形成されている。これらのガイド孔33a、33aは、互いに対向して対称に形成されており、上下方向に所定長さ延びる縦孔部33bと、この縦孔部33bの下端部から連なり、前上がりに若干湾曲しながら所定長さ延びる斜め孔部33cとにより、ほぼ「レ」字状に形成されている。
【0032】
図1および図2に示すように、閂機構14は、メインドア3の上下方向のほぼ中央部に設けられている。この閂機構14は、図4および図6に示すように、スライドロッド31の閂開口31eに挿入することにより、ロック機構13を係止する閂ロック位置(第2ロック位置、図6(a)、(b)に示す位置)と、その係止を解除する閂ロック解除位置(第2ロック解除位置、同図(c)、(d)に示す位置)との間で左右方向にスライド自在の閂プレート41(ロック機構係止部材)と、この閂プレート41を閂ロック位置側に付勢するばね42(付勢手段)と、取付金具43を介して取り付けられ、メインドア3の前面と面一の鍵穴44aを有するシリンダ錠44と、このシリンダ錠44の解錠に連動し、所定角度回転する回転軸45と、この回転軸45に固定され、閂プレート41を閂ロック解除位置にスライドさせるためのロック解除プレート46(ロック解除部材)とを有している。
【0033】
閂プレート41は、所定形状の金属板を折り曲げ加工などすることにより形成したものである。図4および図6に示すように、閂プレート41は、左右方向に延び、その左右方向のスライドロッド31側の約1/3部分を構成し、かつ、スライドロッド31の閂開口31eに挿脱可能な挿脱部41aを有している。また、閂プレート41の挿脱部41aよりも右方の部分は、上端部および下端部が後方に直角に屈曲されるとともに、中央部分も後方に切り起こされている。そして、この切起し部41bに、ばね42の一端部が取り付けられている。なお、このばね42の他端部は、閂プレート41の挿脱部41aが常時挿入され、これを案内するためのガイドプレート47に取り付けられている。
【0034】
シリンダ錠44は、鍵穴44aに所定のキーが挿入され、回されることにより解錠するようになっており、その解錠に連動し、回転軸45を介して、ロック解除プレート46が所定角度回動する。このロック解除プレート46は、上端部が回転軸45に固定されるとともに、下端部には、閂プレート41の切起し部41bに係合する係合ピン46aが突設されている。
【0035】
次に、図5〜図7を参照しながら、扉ロック装置11によるメインドア3のロックおよびその解除について説明する。なお、メインドア3が開放され、扉ロック装置11がロック解除の状態であるときには、図5に示すように、スライドロッド31はロック解除位置に位置する一方、各ロック金具32は水平姿勢となっている。またこの場合、閂機構14の閂プレート41は、図6(c)、(d)に示すように、閂ロック解除位置に位置する一方、ロック解除プレート46は、同図(c)の2点鎖線で示す位置に位置している。
【0036】
まず、メインドア3をロックする場合には、開放したメインドア3を販売機本体2側に回動させながら閉鎖する。この場合まず、図7(a)に示すように、各ロック金具32の折返し部32bの下端が、ロック用フック12の突出部23の前傾斜面23aに当接する。そして、メインドア3をさらに回動させると、ロック金具32は、前傾斜面23aからの反力により、これに沿って上方に移動し、これと一緒に、スライドロッド31も上方にスライドする。この場合、可動シャフト35は、ガイド孔33aの縦孔部33bに沿って上方に移動する。ロック金具32の折返し部32bが、図7(b)に示すように、前傾斜面23aの後端に到達し、さらに同図(c)に示すように、後傾斜面23bに到達すると、すなわち、折返し部32bが突出部23の頂部を乗り越えると、上昇していたロック金具32およびスライドロッド31が下降し、元の高さに戻る。
【0037】
そして、スライドロッド31がロック用フック12の前端に当接した後(図7(d))も、さらにメインドア3を販売機本体2側に回動させると、支持プレート33に固定された固定シャフト34は、スライドロッド31の縦長凹部31bから離脱し、ロック用フック12側に移動する。そうすると、同図(e)に示すように、ロック金具32が可動シャフト35を中心に時計方向に回動し始め、その可動シャフト35がガイド孔33aの斜め孔部33cに沿って上方に移動する。そして、図7(f)に示すように、ロック金具32の折返し部32bが、ロック用フック12の突出部23の後ろ側に上方から回り込むように回動し、これにより、ロック金具32がロック用フック12の突出部23に係止される。またこの場合、可動シャフト35がガイド孔33aの斜め孔部33cの先端付近に到達することにより、スライドロッド31はロック位置に到達する。
【0038】
このようにして、スライドロッド31がロック位置に到達すると、図6(a)、(b)に示すように、スライドロッド31の閂開口31eが閂プレート41の挿脱部41aに合致する。そうすると、閂プレート41は、ばね42の付勢力により、閂ロック位置にスライドし、挿脱部41aが閂開口31eに挿入する。これにより、スライドロッド31は、ロック位置で不動に保持されるとともに、各ロック金具32は、ロック用フック12に係止された状態に保持される。
【0039】
以上により、メインドア3は、扉ロック装置11により、上下2個所で閉鎖した状態でロックされる。このように、扉ロック装置11によれば、開放された状態のメインドア3を、販売機本体2側に回動させながら閉鎖するだけで、メインドア3を簡単かつ強固にロックすることができる。
【0040】
次に、上記のように扉ロック装置11によりロックされたメインドア3のロック解除について説明する。まず、メインドア3の前面の鍵穴44aに所定のキーを挿入し、所定方向に回す。そうすると、図6に示すように、ロック解除プレート46が回転軸45を中心に反時計方向に所定角度回動し、このロック解除プレート46の係合ピン46により、閂ロック位置の閂プレート41がばね42に抗して、右方に押圧される。これにより、同図(c)、(d)に示すように、閂プレート41は、閂ロック解除位置にスライドし、その挿脱部41aがスライドロッド31の閂開口31eから引き抜かれる。そして、これと同時に、ロック位置のスライドロッド31は、自重により落下し、ロック解除位置まで下降する。
【0041】
この場合、図7(f)に示す傾斜姿勢のロック金具32は、スライドロッド31の下降とともに、同図(d)に示す水平姿勢となる。そして、この状態から、メインドア3を開放するよう若干回動させると、同図(c)に示すように、ロック金具32の折返し部32bの下端がロック用フック12の突出部23の後傾斜面23bに当接する。これらの同図(d)および(c)のような状態は、完全なロックと完全なロック解除の間のいわゆる半ロック状態であり、この半ロック状態において、メインドア3に若干力を加えてさらに回動させると、図7(b)、(a)および図5(a)に示す順に、ロック金具32の折返し部32bが突出部23の頂部を乗り越え、扉ロック装置11によるメインドア3のロックが完全に解除される。
【0042】
以上詳述したように、本実施形態によれば、開放状態のメインドア3を販売機本体2側に回動させながら閉鎖するだけで、そのメインドア3を簡単にロックすることができ、しかも、上下2個所でしっかりとロックするので、従来と同様の強固なロックを維持することができる。また、閉鎖状態でロックされたメインドア3のロックを解除する場合には、鍵穴44aに挿入したキーを回すだけで、そのロックを簡単に解除することができる。したがって、従来のようなハンドルレバーを省略することができるとともに、メインドア3のロックおよびその解除の際の操作性を向上させることができる。
【0043】
次に、本発明の第2実施形態として、遠隔操作により、メインドア3のロック解除が可能な扉ロック装置について説明する。なお、この第2実施形態では、図面を省略しかつ上記第1実施形態と異なる構成部分のみを説明し、それ以外の構成部分は、第1実施形態と同様である。
【0044】
本実施形態では、上記第1実施形態の閂機構14において、シリンダ錠44、回転軸45およびロック解除プレート46に代えて、例えばソレノイドなどで構成されたアクチュエータを用い、そのアクチュエータで閂プレート41を駆動する。より具体的には、例えば、メインドア3または販売機本体2に、アンテナや受信部を有する受信機を設置し、この受信機が自動販売機1の外部から、メインドア3のロックを解除するための所定の信号(ロック解除信号)を受信したときに、閂プレート41をばね42に抗して閂ロック解除位置にスライドさせるように、アクチュエータを構成する。
【0045】
このようなアクチュエータを有する扉ロック装置によってメインドア3がロックされた自動販売機1において、オペレータが所定の送信機で、ロック解除信号を送信し、これを受信機が受信すると、アクチュエータが作動し、閂プレート41を閂ロック解除位置にスライドさせる。そうすると、図7(f)に示すロック位置のスライドロッド31は、同図(d)に示すロック解除位置に下降するとともに、傾斜姿勢のロック金具32が水平姿勢となる。この場合、ロック金具32の折返し部32bが、ロック用フック12の突出部23の後傾斜面23b側に位置しているため、メインドア3は半ロック状態となる。つまり、遠隔操作によりメインドア3のロックを解除しても、そのロックが直ぐには完全に解除されないため、メインドア3が販売機本体2の前方に直ちに大きく回動してしまうことはない。
【0046】
この第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができることに加えて、第1実施形態と異なり、いたずらを誘発しやすい鍵穴を省略することができるので、自動販売機1の外部からは、扉ロック装置を全く見えないようにすることができるとともに、防盗性を高めることができる。
【0047】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、本発明の扉ロック装置11を自動販売機に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば両替機など、扉を有する種々の機器などに適用することができる。また、実施形態では、ロック用フック12およびロック金具32をそれぞれ2つずつ使用し、メインドア3を上下2個所でロックするようにしたが、ロック用フック12およびロック金具32をそれぞれ3つ以上使用することも可能である。その場合には、メインドア3を閉鎖状態でより一層強固にロックすることができる。また、実施形態で示した扉ロック装置11の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の扉ロック装置およびこれを用いた自動販売機は、強固なロックを維持しながら、従来のハンドルレバーを省略できるとともに、ロックおよびその解除の際の操作性を向上させることができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による扉ロック装置を適用した自動販売機を示し、(a)はその正面図、(b)はロック用フックの周囲を破断して示す自動販売機の右側面図である。
【図2】扉ロック装置をメインドアの背面側から示す斜視図である。
【図3】図2の一点鎖線円で囲んだ扉ロック装置のロック用フックおよびこれに係止された状態のロック金具を拡大して示す斜視図である。
【図4】図2の一点鎖線円で囲んだ扉ロック装置の閂機構を拡大して示す斜視図である。
【図5】(a)は扉ロック装置のロック用フックおよびロック金具を示す側面図であり、(b)は(a)のB−B線で切断した断面図、(c)は(a)のC−C線で切断した断面図である。
【図6】(a)は、スライドロッドを係止した状態の閂機構の周囲をメインドアの背面側から示す図であり、(b)は、(a)のB−B線で切断した断面図、(c)は、(a)と同様の部分を示し、スライドロッドの係止を解除した状態を示す図、(d)は、(c)のD−D線で切断した断面図である。
【図7】扉ロック装置のロック動作を順に示す説明図である。
【符号の説明】
1 自動販売機
2 販売機本体(機器本体)
3 メインドア(扉体)
11 扉ロック装置
12 ロック用フック(係止部材)
13 ロック機構
14 閂機構
23 突出部
23a 前傾斜面
31 スライドロッド(スライドロック部材)
32 ロック金具(回動ロック部材)
33 支持プレート
34 固定シャフト
35 可動シャフト
41 閂プレート(ロック機構係止部材)
42 ばね(付勢手段)
44 シリンダ錠
44a 鍵穴
46 ロック解除プレート(ロック解除部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動販売機や両替機などの正面のメインドアに適用される扉ロック装置およびこれを用いた自動販売機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、缶飲料やたばこなどを販売する自動販売機は、前面が開口し且つ商品を収納するボックス状の販売機本体と、その前面を開閉するメインドアなどで構成されている。メインドアは、商品見本、商品選択ボタン、金銭投入口および商品取出口などを有し、背面側には、販売時に投入された金銭を保管する金庫が設けられている。このようなメインドアは、販売機本体の左側部の前端部に、上下方向に延びる軸線を中心に回動自在に取り付けられている。そして、このメインドアは、常時は、扉ロック装置により、閉鎖された状態でロックされ、商品補充時やメンテナンス時などに、ロックが解除され、開放される。
【0003】
このような自動販売機の扉ロック装置として、例えば特開2000−194916号公報に記載されたものが知られている。この扉ロック装置は、メインドアの自由端部である右端部に、上下方向に延び且つスライド自在に設けられた金属製のロックロッドと、これに対応する販売機本体の右側部の前端部に設けられ、メインドアが閉鎖する際に、ロックロッドが係合する上下2つの金属製のロックプレートと、メインドアの右端部に設けられ、ロック解除の際に、ロックロッドを上方へスライドさせるためのハンドルレバーとを有している。
【0004】
ロックロッドの上下2カ所にはそれぞれ、上下のロックプレートにそれぞれ係合可能な開口が形成されている。また、各ロックプレートは、販売機本体の前面よりも前方に若干突出するように、販売機本体に取り付けられており、各ロックプレートの前部には、斜め後ろ上がりに延びる傾斜面が形成されるとともに、この傾斜面の後端に連なり、下方に所定長さ延びる係止溝が形成されている。また、ハンドルレバーは、メインドアの前面に対して出没自在に構成されるとともに、前方に突出した状態で、前後方向に延びる軸線を中心に回動自在に構成されており、その回動中心部には、前面に鍵穴を有するシリンダ錠が内蔵されている。
【0005】
このような扉ロック装置を有する自動販売機では、メインドアのロックおよびその解除が次のようにして行われる。まず、メインドアをロックする場合には、開放したメインドアを販売機本体側に回動させながら閉鎖する。この場合、メインドア側のロックロッドでは、まず、上下の各開口にロックプレートの前端部が若干入り込み、ロックロッドの開口の上縁部がロックプレートの傾斜面に当接する。メインドアを閉鎖するよう更に回動させると、ロックロッドの開口の上縁部がロックプレートの傾斜面に沿って、斜め上後方に案内され、これにより、ロックロッドが上方にスライドする。そして、ロックロッドの開口がロックプレートの傾斜面の後端を越えたとき、すなわちロックロッドの開口がロックプレートの係止溝に到達したときに、ロックロッドは、自重により若干落下し、開口を介して、2つのロックプレートの係止溝にそれぞれ係止される。これにより、メインドアは、いずれも金属製のロックロッドおよび2つのロックプレートにより、閉鎖状態でしっかりとロックされる。
【0006】
一方、閉鎖状態のメインドアのロックを解除する場合には、まず、シリンダ錠の鍵穴に所定のキーを差し込んで回し、ハンドルレバーを前方に突出させる。次いで、このハンドルレバーを握り、所定角度まで回動させると、これに連動して、ロックロッドが所定高さまで持ち上げられる。これにより、ロックプレートによるロックロッドの係止が解除されることによって、メインドアのロックが解除される。そして、この状態を保ったまま、ハンドルレバーを手前に引くことによって、メインドアが開放される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような扉ロック装置では、ロック解除の際に、ある程度の重量を有する比較的重いロックロッドを持ち上げる必要があるため、一般的なキーの回転操作に比べて、大きなトルクを発生しやすいハンドルレバーを採用している。しかし、このハンドルレバーは、メインドアの前面に露出した状態で設けられているため、ハンドルレバーへのいたずらを誘発するおそれがあり、さらには、ハンドルレバーが壊されることにより、メインドアがこじ開けられ、金庫内の金銭が盗難にあうおそれもある。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、強固なロックを維持しながら、従来のハンドルレバーを省略できるとともに、ロックおよびその解除の際の操作性を向上させることができる扉ロック装置およびこれを用いた自動販売機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る扉ロック装置は、前面に開口を有する機器本体の左右の側部の一方の前端部に、上下方向に延びる軸線を中心に回動自在に取り付けられた扉体を、開口を閉鎖した状態でロックするための扉ロック装置であって、機器本体の左右の側部の他方の前端部に設けられた係止部材と、扉体の自由端部に、第1ロック位置とこの第1ロック位置よりも下方の第1ロック解除位置との間で上下方向に移動自在に設けられ、扉体が閉鎖される際に、係止部材に当接したときの係止部材からの反力によって第1ロック位置に押し上げられることにより、係止部材に係止され、下方への移動が許容されたときに、自重によって第1ロック解除位置に下降することにより、係止部材による係止が解除されるロック機構と、このロック機構の付近に、ロック機構を係止する第2ロック位置と、係止を解除するとともにロック機構の第1ロック解除位置への下降を許容する第2ロック解除位置との間で移動自在に設けられ、ロック機構が第1ロック位置に位置するときに、第2ロック位置への移動が許容されるロック機構係止部材と、このロック機構係止部材を第2ロック位置側に付勢する付勢手段と、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置に移動させるためのロック解除手段と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、扉体の閉鎖の際、すなわち、開放状態の扉体を、機器本体側に回動させながら閉鎖すると、扉体側のロック機構が、機器本体側の係止部材に当接し、その反力によって第1ロック位置に押し上げられることにより係止部材に係止される。またこれとともに、ロック機構係止部材は、第2ロック位置への移動が許容され、付勢手段により、第2ロック位置に付勢されることにより、第1ロック位置のロック機構を係止する。つまり、ロック機構係止部材によって、ロック機構を第1ロック位置に不動に保持することにより、機器本体側の係止部材による扉体側のロック機構の係止が保たれ、その結果、扉体が閉鎖した状態でロックされる。このように、扉体を閉鎖した状態でロックする場合には、扉体を機器本体側に回動させながら閉鎖するだけで、その扉体を簡単かつ強固にロックすることができる。
【0011】
一方、閉鎖状態の扉体のロックを解除する場合には、ロック解除手段により、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置まで移動させる。これにより、第1ロック位置に位置するロック機構は、下方への移動が許容される。そして、このロック機構は、自重によって落下しながら第1ロック解除位置まで下降し、これにより、係止部材による係止が解除される。このように、閉鎖した状態でロックされた扉体のロックを解除する場合には、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置に移動させるだけで、その扉体のロックを簡単に解除することができる。
【0012】
前述したように、上記構成の扉ロック装置によれば、閉鎖状態の扉体のロックを解除する場合には、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置まで移動させるだけで、ロック機構が自動的に下降し、ロックが解除されるので、従来のようなハンドルレバーを省略することができるとともに、扉体のロックおよびその解除の際の操作性を向上させることができる。
【0013】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1の扉ロック装置において、係止部材は、その前端部から上方に突出する突出部を有し、突出部の上面には、後ろ上がりに延びる傾斜面が形成されており、ロック機構は、第1ロック位置と第1ロック解除位置との間で上下方向にスライド自在に構成され、第1ロック位置において、第2ロック位置に移動したロック機構係止部材によって係止されるとともに、ロック機構係止部材が第2ロック解除位置に移動したときに自重によって第1ロック解除位置に下降するスライドロック部材と、このスライドロック部材よりも後方に突出した状態で、スライドロック部材に左右方向に延びる軸線を中心に回動自在に取り付けられるとともに、扉体に軸線よりも上方の位置で支持され、扉体が閉鎖される際に、傾斜面に沿ってスライドロック部材とともに押し上げられるとともに、スライドロック部材が突出部に当接した後に、扉体が閉鎖側に回動することによって、軸線を中心として突出部の後ろ側に上方から回り込むように回動することにより、突出部に係止される回動ロック部材と、を有していることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、扉体の閉鎖の際に、回動ロック部材が、係止部材の突出部の傾斜面に当接し、その反力によって、スライドロック部材とともに押し上げられる。そして、スライドロック部材が係止部材の突出部に当接した後に、扉体をさらに閉鎖側に回動させると、回動ロック部材が、軸線を中心として突出部の後ろ側に上方から回り込むように回動する。これにより、回動ロック部材が突出部に係止される。この場合、スライドロック部材は、第1ロック位置に到達し、ロック機構係止部材が第2ロック位置に移動することにより、第1ロック位置で不動に保持される。この状態から、ロック機構係止部材が第2ロック解除位置に移動すると、スライドロック部材は、自重によって落下しながら第1ロック解除位置に下降する。これに伴い、係止部材の突出部に係止されていた回動ロック部材は、上記と反対方向に回動し、これにより、突出部による係止が解除される。したがって、上記構成により、ロック機構が上昇したときに係止部材に係止され、かつ、下降したときにその係止が解除される扉ロック装置を、簡単な構造で容易に実現することができる。
【0015】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項2の扉ロック装置において、係止部材は、上下方向に互いに間隔を隔てて設けられた複数の係止部材で構成され、回動ロック部材は、複数の係止部材に対応し、スライドロック部材に上下方向に互いに間隔を隔てて設けられた複数の回動ロック部材で構成されていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、係止部材が上下方向に互いに間隔を隔てて設けられた複数の係止部材で構成される一方、これに対応して、スライドロック部材に設けられた回動ロック部材が、複数の回動ロック部材で構成されているので、扉体を複数個所で機器本体に係止することができ、その結果、扉体を閉鎖状態でより一層強固にロックすることができる。
【0017】
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかの扉ロック装置において、ロック解除手段は、鍵穴を有し、扉体に設けられたシリンダ錠と、このシリンダ錠とロック機構係止部材との間に設けられ、鍵穴がキーで回されるのに連動して、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置に移動させるロック解除部材と、を有していることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、シリンダ錠の鍵穴がキーで回されるのに連動して、ロック解除部材により、ロック係止部材が第2ロック解除位置に移動される。そうすると、ロック機構は、自重によって落下しながら第1ロック解除位置に下降し、これにより、係止部材による係止が解除されることによって、扉体のロックが解除される。このように、鍵穴に挿入したキーを回すだけで、扉体のロックを簡単に解除することができる。
【0019】
本発明の請求項5に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかの扉ロック装置において、ロック解除手段は、扉体のロックを解除するためのロック解除信号を送信する送信機と、扉体および機器本体の一方に設けられ、ロック解除信号を受信する受信機と、扉体の内側に設けられ、受信機がロック解除信号を受信したときに、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置に駆動するアクチュエータと、を有していることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、送信機によってロック解除信号を送信し、これを受信機が受信したときに、扉体の内側に設けられたアクチュエータが、ロック機構係止部材を第2ロック解除位置に駆動する。そうすると、ロック機構は、自重によって落下しながら第1ロック解除位置に下降し、これにより、係止部材による係止が解除されることによって、扉体のロックが解除される。このように、アクチュエータを遠隔操作することによって、扉体のロックを解除できるので、いたずらを誘発しやすい鍵穴などを省略でき、その結果、防盗性を高めることができる。
【0021】
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれかの扉ロック装置を用いた自動販売機において、機器本体は、自動販売機の販売機本体であり、扉体は、自動販売機のメインドアであることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、従来のようなハンドルレバーを省略することができるとともに、扉体のロックおよびその解除の際の操作性が良好な自動販売機を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による扉ロック装置を適用した自動販売機を示している。同図に示すように、この自動販売機1は、缶飲料などを販売可能なものであり、販売機本体2(機器本体)と、その前面を開閉するメインドア3(扉体)とを備えている。
【0024】
販売機本体2は、前面が開口した縦長ボックス状に形成されており、内部には、多数の商品が収納されるとともに、それらの商品を冷却および/または加温するための冷却・加温装置(図示せず)が設けられている。また、販売機本体2の右側部の前端部には、上下方向に互いに所定間隔を隔てて配置された上下一対の金属製のロック用フック12、12(係止部材)が取り付けられている。
【0025】
一方、メインドア3は、正面形状が縦長矩形状に形成されており、前面には、多種の商品見本4、各商品ごとの商品選択ボタン5、硬貨投入口6aや紙幣投入口6b、硬貨返却レバー6cなどを有する接客部6、および商品取出口7を有している。また、メインドア3は、販売機本体2の左側部の前端部に、上下一対のヒンジ8、8を介して、上下方向に延びる軸線を中心に回動自在に取り付けられており、商品補充時やメンテナンス時などに開閉される。そして、このメインドア3は、常時は、扉ロック装置11により、閉鎖した状態でロックされる。
【0026】
図1および図2に示すように、扉ロック装置11は、販売機本体2の右側前端部に取り付けられた上記一対のロック用フック12、12と、メインドア3の自由端部である右端部に、ロック位置(第1ロック位置、図7(f)に示す位置)と、これよりも下方のロック解除位置(第1ロック解除位置、図7(a)、(d)に示す位置)との間で上下方向に移動自在に組み付けられ、ロック用フック12、12に係止されるロック機構13と、このロック機構13を係止するための閂機構14と、を有している。
【0027】
各ロック用フック12は、所定形状の金属板を折り曲げ加工などすることにより形成したものである。このロック用フック12は、図1、2、3および5に示すように、ロック用フック12自身を販売機本体2にねじ止めして取り付けるための取付部21と、この取付部21の前端下半部から斜め前方に若干延び、かつ、その前端で屈曲して前方に所定長さ延び、その前端部が上方に突出するように形成されたフック部22とで構成されている。フック部22の前端部の上方に凸の突出部23は、その上面が、図5(a)に示すように、後ろ上がり(同図では右上がり)に所定長さ延びる前傾斜面23aと、この前傾斜面23aの後端から連なり、後ろ下がりに所定長さ延びる後傾斜面23bとにより、前後方向のほぼ中央部が最も高い山型に形成されている。
【0028】
ロック機構13は、上下方向に所定長さ延びるとともに、上記ロック位置とロック解除位置との間で上下方向にスライド自在のスライドロッド31(スライドロック部材)と、上記上下一対のロック用フック12、12に対応し、スライドロッド31の上端部および下端部にそれぞれ、左右方向に延びる軸線を中心に回動自在に設けられた上下一対のロック金具32、32(回動ロック部材)とを有している。そして、このロック機構13は、メインドア3の上下のロック金具32、32の付近にそれぞれ固定された所定形状の支持プレート33、33により、可動に支持されている。
【0029】
スライドロッド31は、所定形状の金属板を折り曲げ加工などすることにより形成したものであり、図5(b)、(c)に示すように、横断面がほぼ「コ」字状に形成されている。また、スライドロッド31の上下のロック金具32、32が設けられた部分にはそれぞれ、前後方向(図5では左右方向)に貫通した開口31aを有し、左右の側壁(図5(a)では表裏壁)が互いに対称に所定形状に形成されている。具体的には、図5(a)に示すように、開口31aの上部付近に位置し、前方に凹みかつ縦長に形成された縦長凹部31bと、この縦長凹部31bの下端に連なり、後ろ下がりに若干延びかつその後端から前下がりに若干延びるように、側面形状が三角形で後方に凸に形成された三角凸部31cと、を有している。また、スライドロッド31の上下方向の中央部付近には、図6に示すように、閂機構14の後述する閂プレート41が挿脱可能な閂開口31eが形成されている。そして、このように構成されたスライドロッド31の上下の開口31a、31a付近にそれぞれ、ロック金具32が回動自在に取り付けられている。
【0030】
各ロック金具32は、図5に示すように、その前後方向の後半部、すなわちロック用フック12側の半部がスライドロッド31の開口31aから後方に突出した状態で、回動自在に取り付けられている。このロック金具32は、所定形状の金属板を折り曲げ加工などすることにより形成したものであり、図5(a)に示すように、側面形状が横「L」字状に形成されるとともに、同図(b)に示すように、横断面がほぼ「コ」字状に形成されている。また、ロック金具32の左右の側壁にはそれぞれ、互いに対向し上下方向に延びる長孔32a、32aが形成されている。これらの長孔32a、32aには、両端部が上記支持プレート33に固定され、かつ、スライドロッド31の上記縦長凹部31b、31bに係脱可能な固定シャフト34が遊挿されている。さらに、ロック金具32は、その固定シャフト34の下方でかつ若干前方寄り(図5では左方寄り)の位置で、両端部が支持プレート33の後述する左右のガイド孔33aに遊挿された可動シャフト35に回動自在に支持されている。そして、この可動シャフト35は、上記スライドロッド31の左右の貫通孔31d、31dに挿入されている。したがって、ロック金具32は、スライドロッド31に対し、可動シャフト35を中心として、図5に示す水平姿勢と、この水平姿勢から時計方向に所定角度回動した傾斜姿勢(図7(f)に示す姿勢)との間で回動できるようになっている。なお、ロック金具32のロック用フック12側の先端下部は、上方に折り返された折返し部32bを有している。
【0031】
上述したように、ロック機構13は、上下2つの支持プレート33、33によって支持されており、各支持プレート33は、図5(b)、(c)に示すように、平面形状がほぼ「コ」字状に形成されている。また、各支持プレート33の左右の側壁にはそれぞれ、上記可動シャフト35の両端部を支持するとともに、可動シャフト35を案内するガイド孔33a、33aが形成されている。これらのガイド孔33a、33aは、互いに対向して対称に形成されており、上下方向に所定長さ延びる縦孔部33bと、この縦孔部33bの下端部から連なり、前上がりに若干湾曲しながら所定長さ延びる斜め孔部33cとにより、ほぼ「レ」字状に形成されている。
【0032】
図1および図2に示すように、閂機構14は、メインドア3の上下方向のほぼ中央部に設けられている。この閂機構14は、図4および図6に示すように、スライドロッド31の閂開口31eに挿入することにより、ロック機構13を係止する閂ロック位置(第2ロック位置、図6(a)、(b)に示す位置)と、その係止を解除する閂ロック解除位置(第2ロック解除位置、同図(c)、(d)に示す位置)との間で左右方向にスライド自在の閂プレート41(ロック機構係止部材)と、この閂プレート41を閂ロック位置側に付勢するばね42(付勢手段)と、取付金具43を介して取り付けられ、メインドア3の前面と面一の鍵穴44aを有するシリンダ錠44と、このシリンダ錠44の解錠に連動し、所定角度回転する回転軸45と、この回転軸45に固定され、閂プレート41を閂ロック解除位置にスライドさせるためのロック解除プレート46(ロック解除部材)とを有している。
【0033】
閂プレート41は、所定形状の金属板を折り曲げ加工などすることにより形成したものである。図4および図6に示すように、閂プレート41は、左右方向に延び、その左右方向のスライドロッド31側の約1/3部分を構成し、かつ、スライドロッド31の閂開口31eに挿脱可能な挿脱部41aを有している。また、閂プレート41の挿脱部41aよりも右方の部分は、上端部および下端部が後方に直角に屈曲されるとともに、中央部分も後方に切り起こされている。そして、この切起し部41bに、ばね42の一端部が取り付けられている。なお、このばね42の他端部は、閂プレート41の挿脱部41aが常時挿入され、これを案内するためのガイドプレート47に取り付けられている。
【0034】
シリンダ錠44は、鍵穴44aに所定のキーが挿入され、回されることにより解錠するようになっており、その解錠に連動し、回転軸45を介して、ロック解除プレート46が所定角度回動する。このロック解除プレート46は、上端部が回転軸45に固定されるとともに、下端部には、閂プレート41の切起し部41bに係合する係合ピン46aが突設されている。
【0035】
次に、図5〜図7を参照しながら、扉ロック装置11によるメインドア3のロックおよびその解除について説明する。なお、メインドア3が開放され、扉ロック装置11がロック解除の状態であるときには、図5に示すように、スライドロッド31はロック解除位置に位置する一方、各ロック金具32は水平姿勢となっている。またこの場合、閂機構14の閂プレート41は、図6(c)、(d)に示すように、閂ロック解除位置に位置する一方、ロック解除プレート46は、同図(c)の2点鎖線で示す位置に位置している。
【0036】
まず、メインドア3をロックする場合には、開放したメインドア3を販売機本体2側に回動させながら閉鎖する。この場合まず、図7(a)に示すように、各ロック金具32の折返し部32bの下端が、ロック用フック12の突出部23の前傾斜面23aに当接する。そして、メインドア3をさらに回動させると、ロック金具32は、前傾斜面23aからの反力により、これに沿って上方に移動し、これと一緒に、スライドロッド31も上方にスライドする。この場合、可動シャフト35は、ガイド孔33aの縦孔部33bに沿って上方に移動する。ロック金具32の折返し部32bが、図7(b)に示すように、前傾斜面23aの後端に到達し、さらに同図(c)に示すように、後傾斜面23bに到達すると、すなわち、折返し部32bが突出部23の頂部を乗り越えると、上昇していたロック金具32およびスライドロッド31が下降し、元の高さに戻る。
【0037】
そして、スライドロッド31がロック用フック12の前端に当接した後(図7(d))も、さらにメインドア3を販売機本体2側に回動させると、支持プレート33に固定された固定シャフト34は、スライドロッド31の縦長凹部31bから離脱し、ロック用フック12側に移動する。そうすると、同図(e)に示すように、ロック金具32が可動シャフト35を中心に時計方向に回動し始め、その可動シャフト35がガイド孔33aの斜め孔部33cに沿って上方に移動する。そして、図7(f)に示すように、ロック金具32の折返し部32bが、ロック用フック12の突出部23の後ろ側に上方から回り込むように回動し、これにより、ロック金具32がロック用フック12の突出部23に係止される。またこの場合、可動シャフト35がガイド孔33aの斜め孔部33cの先端付近に到達することにより、スライドロッド31はロック位置に到達する。
【0038】
このようにして、スライドロッド31がロック位置に到達すると、図6(a)、(b)に示すように、スライドロッド31の閂開口31eが閂プレート41の挿脱部41aに合致する。そうすると、閂プレート41は、ばね42の付勢力により、閂ロック位置にスライドし、挿脱部41aが閂開口31eに挿入する。これにより、スライドロッド31は、ロック位置で不動に保持されるとともに、各ロック金具32は、ロック用フック12に係止された状態に保持される。
【0039】
以上により、メインドア3は、扉ロック装置11により、上下2個所で閉鎖した状態でロックされる。このように、扉ロック装置11によれば、開放された状態のメインドア3を、販売機本体2側に回動させながら閉鎖するだけで、メインドア3を簡単かつ強固にロックすることができる。
【0040】
次に、上記のように扉ロック装置11によりロックされたメインドア3のロック解除について説明する。まず、メインドア3の前面の鍵穴44aに所定のキーを挿入し、所定方向に回す。そうすると、図6に示すように、ロック解除プレート46が回転軸45を中心に反時計方向に所定角度回動し、このロック解除プレート46の係合ピン46により、閂ロック位置の閂プレート41がばね42に抗して、右方に押圧される。これにより、同図(c)、(d)に示すように、閂プレート41は、閂ロック解除位置にスライドし、その挿脱部41aがスライドロッド31の閂開口31eから引き抜かれる。そして、これと同時に、ロック位置のスライドロッド31は、自重により落下し、ロック解除位置まで下降する。
【0041】
この場合、図7(f)に示す傾斜姿勢のロック金具32は、スライドロッド31の下降とともに、同図(d)に示す水平姿勢となる。そして、この状態から、メインドア3を開放するよう若干回動させると、同図(c)に示すように、ロック金具32の折返し部32bの下端がロック用フック12の突出部23の後傾斜面23bに当接する。これらの同図(d)および(c)のような状態は、完全なロックと完全なロック解除の間のいわゆる半ロック状態であり、この半ロック状態において、メインドア3に若干力を加えてさらに回動させると、図7(b)、(a)および図5(a)に示す順に、ロック金具32の折返し部32bが突出部23の頂部を乗り越え、扉ロック装置11によるメインドア3のロックが完全に解除される。
【0042】
以上詳述したように、本実施形態によれば、開放状態のメインドア3を販売機本体2側に回動させながら閉鎖するだけで、そのメインドア3を簡単にロックすることができ、しかも、上下2個所でしっかりとロックするので、従来と同様の強固なロックを維持することができる。また、閉鎖状態でロックされたメインドア3のロックを解除する場合には、鍵穴44aに挿入したキーを回すだけで、そのロックを簡単に解除することができる。したがって、従来のようなハンドルレバーを省略することができるとともに、メインドア3のロックおよびその解除の際の操作性を向上させることができる。
【0043】
次に、本発明の第2実施形態として、遠隔操作により、メインドア3のロック解除が可能な扉ロック装置について説明する。なお、この第2実施形態では、図面を省略しかつ上記第1実施形態と異なる構成部分のみを説明し、それ以外の構成部分は、第1実施形態と同様である。
【0044】
本実施形態では、上記第1実施形態の閂機構14において、シリンダ錠44、回転軸45およびロック解除プレート46に代えて、例えばソレノイドなどで構成されたアクチュエータを用い、そのアクチュエータで閂プレート41を駆動する。より具体的には、例えば、メインドア3または販売機本体2に、アンテナや受信部を有する受信機を設置し、この受信機が自動販売機1の外部から、メインドア3のロックを解除するための所定の信号(ロック解除信号)を受信したときに、閂プレート41をばね42に抗して閂ロック解除位置にスライドさせるように、アクチュエータを構成する。
【0045】
このようなアクチュエータを有する扉ロック装置によってメインドア3がロックされた自動販売機1において、オペレータが所定の送信機で、ロック解除信号を送信し、これを受信機が受信すると、アクチュエータが作動し、閂プレート41を閂ロック解除位置にスライドさせる。そうすると、図7(f)に示すロック位置のスライドロッド31は、同図(d)に示すロック解除位置に下降するとともに、傾斜姿勢のロック金具32が水平姿勢となる。この場合、ロック金具32の折返し部32bが、ロック用フック12の突出部23の後傾斜面23b側に位置しているため、メインドア3は半ロック状態となる。つまり、遠隔操作によりメインドア3のロックを解除しても、そのロックが直ぐには完全に解除されないため、メインドア3が販売機本体2の前方に直ちに大きく回動してしまうことはない。
【0046】
この第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができることに加えて、第1実施形態と異なり、いたずらを誘発しやすい鍵穴を省略することができるので、自動販売機1の外部からは、扉ロック装置を全く見えないようにすることができるとともに、防盗性を高めることができる。
【0047】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、本発明の扉ロック装置11を自動販売機に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば両替機など、扉を有する種々の機器などに適用することができる。また、実施形態では、ロック用フック12およびロック金具32をそれぞれ2つずつ使用し、メインドア3を上下2個所でロックするようにしたが、ロック用フック12およびロック金具32をそれぞれ3つ以上使用することも可能である。その場合には、メインドア3を閉鎖状態でより一層強固にロックすることができる。また、実施形態で示した扉ロック装置11の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の扉ロック装置およびこれを用いた自動販売機は、強固なロックを維持しながら、従来のハンドルレバーを省略できるとともに、ロックおよびその解除の際の操作性を向上させることができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による扉ロック装置を適用した自動販売機を示し、(a)はその正面図、(b)はロック用フックの周囲を破断して示す自動販売機の右側面図である。
【図2】扉ロック装置をメインドアの背面側から示す斜視図である。
【図3】図2の一点鎖線円で囲んだ扉ロック装置のロック用フックおよびこれに係止された状態のロック金具を拡大して示す斜視図である。
【図4】図2の一点鎖線円で囲んだ扉ロック装置の閂機構を拡大して示す斜視図である。
【図5】(a)は扉ロック装置のロック用フックおよびロック金具を示す側面図であり、(b)は(a)のB−B線で切断した断面図、(c)は(a)のC−C線で切断した断面図である。
【図6】(a)は、スライドロッドを係止した状態の閂機構の周囲をメインドアの背面側から示す図であり、(b)は、(a)のB−B線で切断した断面図、(c)は、(a)と同様の部分を示し、スライドロッドの係止を解除した状態を示す図、(d)は、(c)のD−D線で切断した断面図である。
【図7】扉ロック装置のロック動作を順に示す説明図である。
【符号の説明】
1 自動販売機
2 販売機本体(機器本体)
3 メインドア(扉体)
11 扉ロック装置
12 ロック用フック(係止部材)
13 ロック機構
14 閂機構
23 突出部
23a 前傾斜面
31 スライドロッド(スライドロック部材)
32 ロック金具(回動ロック部材)
33 支持プレート
34 固定シャフト
35 可動シャフト
41 閂プレート(ロック機構係止部材)
42 ばね(付勢手段)
44 シリンダ錠
44a 鍵穴
46 ロック解除プレート(ロック解除部材)
Claims (6)
- 前面に開口を有する機器本体の左右の側部の一方の前端部に、上下方向に延びる軸線を中心に回動自在に取り付けられた扉体を、前記開口を閉鎖した状態でロックするための扉ロック装置であって、
前記機器本体の左右の側部の他方の前端部に設けられた係止部材と、
前記扉体の自由端部に、第1ロック位置とこの第1ロック位置よりも下方の第1ロック解除位置との間で上下方向に移動自在に設けられ、前記扉体が閉鎖される際に、前記係止部材に当接したときの当該係止部材からの反力によって前記第1ロック位置に押し上げられることにより、当該係止部材に係止され、下方への移動が許容されたときに、自重によって当該第1ロック解除位置に下降することにより、前記係止部材による係止が解除されるロック機構と、
このロック機構の付近に、当該ロック機構を係止する第2ロック位置と、当該係止を解除するとともに当該ロック機構の前記第1ロック解除位置への下降を許容する第2ロック解除位置との間で移動自在に設けられ、当該ロック機構が前記第1ロック位置に位置するときに、前記第2ロック位置への移動が許容されるロック機構係止部材と、
このロック機構係止部材を前記第2ロック位置側に付勢する付勢手段と、
前記ロック機構係止部材を前記第2ロック解除位置に移動させるためのロック解除手段と、
を備えていることを特徴とする扉ロック装置。 - 前記係止部材は、その前端部から上方に突出する突出部を有し、
当該突出部の上面には、後ろ上がりに延びる傾斜面が形成されており、
前記ロック機構は、
前記第1ロック位置と前記第1ロック解除位置との間で上下方向にスライド自在に構成され、前記第1ロック位置において、前記第2ロック位置に移動した前記ロック機構係止部材によって係止されるとともに、当該ロック機構係止部材が前記第2ロック解除位置に移動したときに自重によって前記第1ロック解除位置に下降するスライドロック部材と、
このスライドロック部材よりも後方に突出した状態で、当該スライドロック部材に左右方向に延びる軸線を中心に回動自在に取り付けられるとともに、前記扉体に前記軸線よりも上方の位置で支持され、前記扉体が閉鎖される際に、前記傾斜面に沿って前記スライドロック部材とともに押し上げられるとともに、当該スライドロック部材が前記突出部に当接した後に、前記扉体が閉鎖側に回動することによって、前記軸線を中心として前記突出部の後ろ側に上方から回り込むように回動することにより、当該突出部に係止される回動ロック部材と、
を有していることを特徴とする請求項1に記載の扉ロック装置。 - 前記係止部材は、上下方向に互いに間隔を隔てて設けられた複数の係止部材で構成され、
前記回動ロック部材は、前記複数の係止部材に対応し、前記スライドロック部材に上下方向に互いに間隔を隔てて設けられた複数の回動ロック部材で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の扉ロック装置。 - 前記ロック解除手段は、
鍵穴を有し、前記扉体に設けられたシリンダ錠と、
このシリンダ錠と前記ロック機構係止部材との間に設けられ、前記鍵穴がキーで回されるのに連動して、当該ロック機構係止部材を前記第2ロック解除位置に移動させるロック解除部材と、
を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の扉ロック装置。 - 前記ロック解除手段は、
前記扉体のロックを解除するためのロック解除信号を送信する送信機と、
前記扉体および前記機器本体の一方に設けられ、前記ロック解除信号を受信する受信機と、
前記扉体の内側に設けられ、前記受信機が前記ロック解除信号を受信したときに、前記ロック機構係止部材を前記第2ロック解除位置に駆動するアクチュエータと、
を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の扉ロック装置。 - 前記機器本体は、自動販売機の販売機本体であり、
前記扉体は、当該自動販売機のメインドアであることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかの扉ロック装置を用いた自動販売機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002229641A JP2004068429A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 扉ロック装置およびこれを用いた自動販売機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002229641A JP2004068429A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 扉ロック装置およびこれを用いた自動販売機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004068429A true JP2004068429A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32015954
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002229641A Withdrawn JP2004068429A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 扉ロック装置およびこれを用いた自動販売機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004068429A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009276867A (ja) * | 2008-05-13 | 2009-11-26 | Fuji Electric Retail Systems Co Ltd | 自動販売機のディスプレイ扉ロック装置 |
CN103276960A (zh) * | 2013-06-21 | 2013-09-04 | 易程(苏州)电子科技股份有限公司 | 一种锁机构 |
KR101745596B1 (ko) * | 2015-11-19 | 2017-06-09 | 롯데알미늄 주식회사 | 자동판매기 도어용 이중라커 기구 |
-
2002
- 2002-08-07 JP JP2002229641A patent/JP2004068429A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
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CN103276960A (zh) * | 2013-06-21 | 2013-09-04 | 易程(苏州)电子科技股份有限公司 | 一种锁机构 |
CN103276960B (zh) * | 2013-06-21 | 2015-05-20 | 易程(苏州)电子科技股份有限公司 | 一种锁机构 |
KR101745596B1 (ko) * | 2015-11-19 | 2017-06-09 | 롯데알미늄 주식회사 | 자동판매기 도어용 이중라커 기구 |
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