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JP2004067669A - 気相におけるイソシアネートの製造方法 - Google Patents

気相におけるイソシアネートの製造方法 Download PDF

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JP2004067669A JP2003138482A JP2003138482A JP2004067669A JP 2004067669 A JP2004067669 A JP 2004067669A JP 2003138482 A JP2003138482 A JP 2003138482A JP 2003138482 A JP2003138482 A JP 2003138482A JP 2004067669 A JP2004067669 A JP 2004067669A
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Abstract

【課題】時間経過に対する温度変動および温度分布の不均一を減して、気相でイソシアネートを製造する。
【解決手段】ジアミンおよび/またはトリアミンを、(a)管状反応器の中心に位置する中央ノズル、(b)環状空間に配置されている少なくとも2つのフローホモジナイザー、(c)中央ノズルと管状反応器の壁の間の環状空間、(d)管状反応器の壁、(e)中央ノズルを下記(f)および(g)と接続する可撓性接続チューブ、(f)第1原料流の第1注入口、(g)環状空間に配置されている第2原料流の第2注入口を含んでなる管状反応器内の気相で、(1)第1原料流を、中央ノズルを経て、管状反応器に供給し、(2)第2原料流を、環状空間を経て、管状反応器に供給し、(3)環状空間の流速を、環状空間の横断面全体に渡って、フローホモジナイザーで均一化して、ホスゲン化することによりジイソシアネートおよび/またはトリイソシアネートを製造する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時間での温度変動および温度分布の不均一を防ぐ気相におけるイソシアネートの製造方法に関する。このことは、流れに関する方法、例えば原料流の均一化および中央化によって、管状反応器での向上した反応性によって達成される。反応器内での焼きついた付着および反応器の有効寿命の低下に至る重合副産物の形成は、それゆえに防止できる。
【0002】
【従来の技術】
EP−A 0 289 840(特許文献1)は、200℃〜600℃での対応する蒸気状(環式)脂肪族ジアミンのホスゲン化による(環式)脂肪族ジイソシアネートの製造方法を記載している。ホスゲンは、化学量論過剰で供給される。一方の蒸気状(環式)脂肪族ジアミンまたは(環式)脂肪族ジアミン/不活性ガス混合物の過熱流と、他方のホスゲン過熱流を、円筒状反応室に連続的に通過させ、そこで、一体に混合し、反応させる。発熱ホスゲン化反応が、乱流を維持しながら、起こる。
【0003】
ガス状原料を、多くの場合管状反応器中で反応させる。ジェットミキサーの原理を適用する場合(Chemie−Ing.− Techn. 44(1972), p.1055、図10)、2種の原料流AおよびBを管状反応器に供給する。原料流Aを、中心ノズルを経て供給し、原料流Bを、中心ノズルと管状反応器壁の間の環状空間を経て供給する。原料流Aの流速は、原料流Bの流速に比較して高い。このことは、反応物を激しく混合させ、管状反応器内での反応物の反応を引き起こす。反応を行うこの方法は、気相での芳香族ジアミンのホスゲン化による芳香族ジイソシアネートの製造において工業的に重要になってきている(EP−A 0 570 799参照)(特許文献2)。
【0004】
しかしながら、既知の方法は、反応の間に、50℃までの大きな温度変動を示す。さらに、100℃までの温度分布の不均一が、円筒状反応室または管状反応器の円周方向において、例えば熱電対を使用して、測定され得る。
【0005】
温度変動および温度分布の不均一の結果、重合副産物を形成し、この副産物が焼きついた付着および反応器の閉塞を引き起こし、反応器の有効寿命を低下する。
【0006】
【特許文献1】
欧州特許出願公開第0 289 840号
【特許文献2】
欧州特許出願公開第0 570 799号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
それゆえに、本発明の目的は、反応ゾーンで温度変動および温度分布の不均一をできる限り防いで、対応する(環式)脂肪族および芳香族ジアミンを高温の気相でホスゲン化することにより(環式)脂肪族および芳香族ジイソシアネートを製造する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
管状反応器の環状空間を経て供給される原料流Bの均一化、および管状反応器への2つの原料流AおよびBの最大限の中央供給が、反応ゾーンの安定性および気相反応全体に著しく好ましい影響を与えることが見い出された。より安定した方法で反応を行う結果として、観察された温度変動は著しく減少し、温度分布の不均一が実質的に完全に消失する。したがって、従来技術の方法の欠点は、以下に詳細に記載する本発明の方法により原料流を反応させることによって、著しく減少する。
【0009】
本発明は、一般式(I):
R(NCO)(I)
[式中、Rは、少なくとも2つの炭素原子が2つのNCO基の間に配置されている条件で、15個まで、好ましくは4〜13個の炭素原子を有する(環式)脂肪族または芳香族炭化水素基を示し、
nは、2または3を示す。]
で示されるジイソシアネートおよびトリイソシアネートの製造方法であって、
一般式(II):
R(NH(II)
[式中、Rは、少なくとも2つの炭素原子が2つのアミノ基の間に配置されている条件で、15個まで、好ましくは4〜13個の炭素原子を有する(環式)脂肪族または芳香族炭化水素基を示し、
nは、2または3を示す。]
で示される対応するジアミンおよび/またはトリアミンを、ホスゲン化することを含んでなる方法を提供する。
【0010】
ホスゲン化は、中央ノズル、および中央ノズルと管状反応器の壁との間の環状空間を有する管状反応器で行なわれる。中央ノズルが、環状空間に配置されている少なくとも2つのフローホモジナイザーによって管状反応器内の中央に位置される。中央ノズルは、可撓性接続チューブを経て、1つの原料流の注入口と接続され、第2原料流の注入口は、環状空間に配置されている。ジアミンおよび/またはトリアミンを含有する原料流を、中央ノズルを経て、管状反応器に供給する。ホスゲンを含有する原料流を、環状空間を経て管状反応器に供給し、環状空間の流速を、環状空間の横断面全体に渡って、フローホモジナイザーによって均一化する。
【0011】
本発明の別の態様において、ジアミンおよび/またはトリアミンを含有する原料流を、環状空間を経て管状反応器に供給し、ホスゲンを含有する原料流を、中央ノズルを経て管状反応器に供給するように、ジアミンおよび/またはトリアミンを含有する原料流とホスゲンを含有する原料流を切り換える。
【0012】
本発明において、第2フローホモジナイザー、または2つより多いフローホモジナイザーの場合に、原料流Bが管状反応器に入る前の最後のフローホモジナイザーを、併用ユニットとして備えることが好ましい。この併用ユニットは、フローホモジナイザーおよびフローイクオライザーからなる。
【0013】
フローホモジナイザーの役割は、環状空間の横断面全体に渡って、環状空間に配分された原料流の流速を均一化することである。既知のフローホモジナイザーは、とりわけ、多孔板、スクリーン、焼結金属、ガラス要素または床である。多孔板を使用することが好ましい。
【0014】
フローイクオライザーの役割は、流れを軸方向に向ける、すなわち流れを斜めにすることであり、渦巻きを防止する。既知のフローイクオライザーは、特にハニカム構造および管状構造である。
【0015】
ホースおよび好ましくは補正器(例えば、ステンレス鋼からできた波型ホース)は、可撓性接続チューブとして適している。
【0016】
本発明の方法は、局部流速が、環状空間を経て配分された原料流の横断面全体に渡って平均化された流速に対して、±10%まで、好ましくは±2%まで変動することを許容する。
【0017】
本発明の方法において、ジイソシアネートおよび/またはトリイソシアネートは、対応するジアミンおよび/またはトリアミンから製造される。
ジイソシアネートは、本発明の方法によって、対応するジアミンのホスゲン化によって製造されることが好ましい。
本発明において、1,8−ジイソシアナト−4−(イソシアナトメチル)オクタン、トリイソシアナトノナン(TIN)を、式(I)によって示されるトリイソシアネートとして製造することが好ましい。
【0018】
適した脂肪族ジアミンの典型的な例は、例えばEP−A 0 289 840に挙げられ、適した脂肪族トリアミンの典型的な例は、例えばEP−A 749958に挙げられる。これらのジアミンは、対応するジイソシアネートまたはトリイソシアネートを、本発明の方法によって、製造するのに適している。
イソホロンジアミン(IPDA)、ヘキサメチレンジアミン(HDA)およびビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンが特に好ましい。
【0019】
適した芳香族ジアミンの典型的な例は、ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ジアミノジメチルベンゼン、ジアミノナフタレンおよびジアミノジフェニルメタンの純粋な異性体または異性体混合物である。80/20および65/35異性体比の2,4/2,6−トルエンジアミン混合物または純粋な2,4−トルエンジアミン異性体が好ましい。
好ましく使用されるトリアミンが、1,8−ジアミノ−4−(アミノメチル)オクタン、トリアミノノナンである。
【0020】
式(II)の出発アミンは、反応器へ気体の形態で供給され、本発明のプロセスが行なわれる前に、要すれば気化され、好ましくは200℃〜600℃、さらに好ましくは250℃〜450℃に加熱され、要すれば不活性ガス、例えばN、Ne、He、Arまたは不活性溶媒の蒸気によって希釈され、反応器に供給される。ホスゲンは、化学量論過剰で、200℃〜600℃で供給される。1種またはそれ以上の脂肪族ジアミンが使用される場合、ホスゲンのモル過剰量は、アミノ基に対して25%〜250%の量であることが好ましく、1種またはそれ以上の脂肪族トリアミンが使用される場合、50%〜350%の量であることが好ましい。芳香族ジアミンが使用される場合、ホスゲンのモル過剰量はアミノ基に対して150%〜300%であることが好ましい。
【0021】
本発明を、添付の図を参照して、一例を挙げて以下に説明する。原料流A(ジアミンおよび/またはトリアミン)は、注入口1、可撓性接続チューブ2および中央ノズル3を通って、管状反応器4に流れ込む。原料流Aの注入口1を、管状反応器4の蓋5に固定して接続する。中央ノズル3を、可撓性接続チューブ2を介して、原料流Aの注入口1と可動的に接続する。
【0022】
中央ノズル3を、複数のフローホモジナイザー7、8および9によって正しい位置に保持し、管状反応器4の回転軸6に対して中央に配置する。この目的のために、少なくとも2つのフローホモジナイザー7および9を必要とし、すべての更なるフローホモジナイザー8が任意である。フローホモジナイザー7、8および9は、管状反応器の環状空間10に固定して組み込まれ、環状空間の流動横断面全体に伸びる。
【0023】
原料流B(ホスゲン)は、注入口11を通って管状反応器4の環状空間10に流れ込む。原料流Bの速度は、フローホモジナイザー7、8および9を通過する間に、均一化され、環状空間10の流動横断面全体に渡って均一化した流れになる。フローイクオライザー12を、流れ方向に対して最後のフローホモジナイザー9の下流の直後に配置する。
これは、さらに、回転軸6の方向に原料流Bの流速を軸方向に向けるように作用する。
【0024】
本発明を、以下の例示によりさらに例示するが、これらに限定するものでない。以下の例のあらゆる部および%は、特記しない限り重量に基づく。
【0025】
【実施例】
原料流Aとしてヘキサメチレンジアミン(HDA)/不活性ガス混合物を、原料流Bとしてホスゲンを、図に示したタイプの管状反応器に連続的に供給する。両方の原料流は、300℃の温度であった。
【0026】
試験は、2つのフローホモジナイザー7および9を有する図に示したような管状反応器で行った。フローホモジナイザー8およびフローイクオライザー12は、本発明の試験で使用した管状反応器4には存在しなかった。
【0027】
他方で、試験は、フローホモジナイザー7および9のかわりにパッキングを有する管状反応器を用いて、比較例として行い、ここではパッキングが、原料流の均一化および中央化を確実にするために用いられた。可撓性接続チューブ2を、中央ノズル3と管状反応器4の注入口1の剛直な接続によって置き換えた。
【0028】
中央ノズル3の下流に位置する3つの測定面で、温度を、熱電対を用いて、管状反応器4の円筒状外壁で測定した。3つの熱電対を、それぞれの測定面の外壁に取り付け、そのまわりに円形に120°の間隔で置いた。
【0029】
比較例として行った方法において、測定点で、時間経過に対し50℃を超える温度変動が起こった。さらに、100℃を超える温度分布の不均一が、円周方向に生じた。本発明に従って行った方法で、時間経過に対する温度変動は、約10℃にまで著しく減少し、一方、不均一が、完全に見られなくなった。管状反応器の壁に付着する重合副産物の形成が減少し、反応器の有効寿命が著しく伸びた。
【0030】
以上、例示を目的として本発明を詳細に説明してきたが、かかる詳説は単に例示の目的であって、さらに、請求項により限定される場合を除き、当業者ならば本発明の精神および範囲を逸脱することなくそれを変更することができることは明らかである。
【0031】
本発明の好ましい態様は、以下のとおりである:
A.第1原料流はジアミンおよび/またはトリアミンを含み、第2原料流はホスゲンを含む請求項1に記載の方法。
B.第1原料流はホスゲンを含み、第2原料流はジアミンおよび/またはトリアミンを含む請求項1に記載の方法。
C.ジアミンをホスゲン化して、ジイソシアネートを製造する請求項1に記載の方法。
D.蒸気状のジアミンを、中央ノズルを経て、200℃〜600℃で管状反応器に供給し、ホスゲンを、環状空間を経て、200℃〜600℃で化学量論過剰で管状反応器に供給する請求項1に記載の方法。
【0032】
E.イソホロンジアミン(IPDA)、ヘキサメチレンジアミン(HDA)またはビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンをホスゲン化する請求項1に記載の方法。
F.2,4/2,6−トルエンジアミンの異性体混合物または純粋な2,4−トルエンジアミンをホスゲン化する請求項1に記載の方法。
G.トリイソシアナトノナンが、製造される生成物である請求項1に記載の方法。
H.Rが、4〜13個の炭素原子を有する脂肪族、環式脂肪族または芳香族炭化水素基である請求項1に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で実際の使用に適した管状反応器である。
【符号の説明】
A 原料流(ジアミンおよび/またはトリアミン)
B 原料流(ホスゲン)
1 注入口
2 可撓性接続チューブ
3 中央ノズル
4 管状反応器
5 蓋
6 回転軸
7、8、9 フローホモジナイザー
10 環状空間
11 注入口
12 フローイクオライザー

Claims (1)

  1. 一般式(I):
    R(NCO)(I)
    [式中、Rは、少なくとも2つの炭素原子が2つのNCO基の間に配置されている条件で、2〜15個の炭素原子を有する(環式)脂肪族または芳香族炭化水素基を示し、
    nは、2または3を示す。]
    で示されるジイソシアネートおよび/またはトリイソシアネートの製造方法であって、
    一般式(II):
    R(NH(II)
    で示される対応するジアミンおよび/またはトリアミンを、
    (a)管状反応器の中心に位置する中央ノズル、
    (b)環状空間に配置されている少なくとも2つのフローホモジナイザー、
    (c)中央ノズルと管状反応器の壁の間の環状空間、
    (d)管状反応器の壁、
    (e)中央ノズルを下記(f)および(g)と接続する可撓性接続チューブ、
    (f)第1原料流の第1注入口、
    (g)環状空間に配置されている第2原料流の第2注入口
    を含んでなる管状反応器内の気相で、
    (1)第1原料流を、中央ノズルを経て、管状反応器に供給し、
    (2)第2原料流を、環状空間を経て、管状反応器に供給し、
    (3)環状空間の流速を、環状空間の横断面全体に渡って、フローホモジナイザーで均一化して、
    ホスゲン化することを含んでなる方法。
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