【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強度、難燃性などに優れた硬質ポリウレタンフォーム用のポリオール組成物並びに硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フェノール樹脂にアルキレンオキサイドを開環付加させたフェノール樹脂ポリオールないしメチロール基を有するフェノール樹脂を使用したものであって強度や難燃性に優れた硬質ポリウレタンフォームは、(1)特開2001−139651号公報、(2)特開2000−239209号公報、(3)特開平9−208657号公報に開示されており、公知である。
【0003】
上記(1)特開2001−139651号公報開示の技術は、重質油類またはピッチ類、フェノール類およびホルムアルデヒド化合物を酸触媒の存在下で重縮合反応させて得られた変性フェノール樹脂とアルキレンオキサイドとを反応させたフェノール樹脂ポリオールを使用した硬質ポリウレタンフォームである。
【0004】
上記(2)特開2000−239209号公報開示の技術は、ビスフェノール化合物を製造する際に得られるビスフェノール化合物を含む副生成物を触媒の存在下に処理して低沸点成分を系外に除去した後に残るポリフェノール化合物にアルキレンオキシドを付加して得られるポリオキシアルキレンポリフェノールを使用した硬質ポリウレタンフォームである。
【0005】
上記(3)特開平9−208657号公報開示の技術は、ヒドロキシメチル基を有するベンジリックエーテル型フェノール樹脂を含有するポリオール成分を使用した硬質ポリウレタンフォームである。
【0006】
上記の硬質ポリウレタンフォームは、少なくとも強度、難燃性のいずれかにおいて優れたものであることが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、フェノール樹脂ポリオールは以下のような問題点を有する。
(a)液粘度が室温付近で高く、フェノール樹脂ポリオールを単独のポリオール成分として使用すると従来使用されている硬質ポリウレタンフォーム製造用の混合装置は使用できない。
(b)液粘度を低下させるために従来の硬質ポリウレタンフォーム用のポリオール化合物を併用すると、フェノール樹脂ポリオールの特性が減殺され、物理的強度や難燃性が低下してしまう。
(c)発泡剤として使用する水との相溶性が悪く、均一なセル(気泡)が形成されず、いわゆるセル荒れが発生する。その結果、熱伝導率が高くなり、断熱性能の低いフォームしか得られない。
【0008】
本発明の目的は、ポリオール成分中のポリオール化合物としてフェノール樹脂ポリオールを主成分として含有しつつ液粘度が従来よりも低く、しかも発泡剤である水との相溶性に優れた硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物並びに強度と難燃性に優れた硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくともポリオール化合物、発泡剤、整泡剤、触媒とを含有し、ポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート成分と混合し、発泡硬化させて硬質ポリウレタンフォームを形成する硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物であって、
前記ポリオール化合物はフェノール樹脂系ポリオール化合物を含み、さらに芳香環含有ノニオン界面活性剤を含有することを特徴とする。
【0010】
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物の最も大きな特徴は、ポリオール化合物としてフェノール樹脂系ポリオール化合物を主成分として使用し、かつ芳香環含有ノニオン界面活性剤を含有する点にある。係る構成とすることにより、ポリオール組成物の粘度が低下し、しかも得られる硬質ポリウレタンフォームの難燃性、強度等の低下が起こらない。
【0011】
本発明のポリオール組成物中のポリオール化合物100重量部は、フェノール樹脂系ポリオール化合物を50重量部以上、より好ましくは70重量部以上含有するものであることが好ましい。フェノール樹脂系ポリオール化合物の含有量が多いほど、得られる硬質ポリウレタンフォームの強度と難燃性が向上する。
【0012】
前記フェノール樹脂系ポリオール化合物と前記芳香環含有ノニオン界面活性剤の割合は、フェノール樹脂系ポリオール化合物/芳香環含有ノニオン界面活性剤重量比にて95/5〜70/30であることが好ましい。
【0013】
芳香環含有ノニオン界面活性剤の比率が5未満では、フェノール樹脂系ポリオール化合物の粘度低下効果が十分ではなく、ポリオール組成物の粘度が高いものとなる。芳香環含有ノニオン界面活性剤の比率が30を超えると、得られる硬質ポリウレタンフォームの強度が低下する。
【0014】
本発明ポリオール組成物においては、前記発泡剤が水であることが好ましい。
発泡剤としてHCFC類、HFC類のハロゲン化炭化水素系発泡剤も使用可能であるが、環境に対する影響が最も小さい点で水を使用することが好ましい。本発明のポリオール組成物は芳香環含有ノニオン界面活性剤を使用しているので、水の相溶性がよく、従来技術に開示されたポリオール組成物とは異なり、セル荒れが発生せず、その結果、熱伝導率が低くなり、断熱性能に優れた硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。
【0015】
別の本発明は、イソシアネート成分と硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物とを混合し、発泡硬化させて硬質ポリウレタンフォームとする硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
前記硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物は 少なくともポリオール化合物、発泡剤、整泡剤、触媒とを含有し、
前記ポリオール化合物はフェノール樹脂系ポリオール化合物を含み、さらに芳香環含有ノニオン界面活性剤を含有することを特徴とする。
【0016】
係る製造方法により、フェノール樹脂ポリオールを従来技術よりも多く使用できるため、強度と難燃性に優れた硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。また発泡剤として水を使用した場合においてもセル荒れが防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するフェノール樹脂ポリオールは、フェノールとホルムアルデヒドとを触媒を使用して縮合して得られるフェノール樹脂オリゴマーのフェノール基、又はフェノール基とメチロール基にアルキレンオキサイドを開環付加させることによって得られる。フェノール樹脂オリゴマーは、アルカリ触媒を使用して得られるレゾール、酸触媒を使用して得られるノボラックのいずれであってもよい。
【0018】
フェノール樹脂ポリオールの水酸基価は、100〜500mgKOH/g、より好ましくは100〜400mgKOH/gである。
【0019】
芳香環含有ノニオン界面活性剤としては、アルキルフェノールにエチレンオキサイドを開環付加重合させて得られるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを使用する。アルキル基としては、特に限定されるものではないが、ノニル基、オクチル基であることが、入手が容易であり、好ましい。ポリオキシエチレン基のエチレンオキサイドの重合度は、2〜30程度である。
【0020】
フェノール樹脂系ポリオールと共に、公知の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール化合物を使用してもよい。係るポリオール化合物としては、第3級アミノ基含有ポリオール化合物、脂肪族ポリオール、芳香族ポリオール等が例示される。
【0021】
第3級アミノ基含有ポリオール化合物は、第1級ないしは第2級アミンを開始剤としてアルキレンオキサイド、具体的にはプロピレンオキサイド(PO)、エチレンオキサイド(EO)、スチレンオキサイド(SO)、テトラヒドロフラン等の1種以上を開環付加重合させて得られる多官能性のポリオール化合物である。
【0022】
第3級アミノ基含有ポリオール化合物の開始剤である第1級ないしは第2級アミン開始剤としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン等の脂肪族第1級ないし第2級モノアミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン等の脂肪族第1級ないし第2級ポリアミン類、アニリン、ジフェニルアミン、トルエンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、N−メチルアニリン等の芳香族第1級ないし第2級モノないしポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類が例示される。
【0023】
脂肪族ポリオールは、ポリオール開始剤として脂肪族ないし脂環族多官能性活性水素化合物にアルキレンオキサイド、具体的にはプロピレンオキサイド(PO)、エチレンオキサイド(EO)、スチレンオキサイド(SO)、テトラヒドロフラン等の環状エーテルの1種以上を開環付加重合させて得られる多官能性のオリゴマーである。
【0024】
脂肪族ポリオールのポリオール開始剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール類、ペンタエリスリトール等の4官能アルコール類、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコール類、水等が例示される。
【0025】
芳香族ポリオールは分子内に芳香環を有する多官能性の活性水素化合物に上述のアルキレンオキサイドを付加する方法により得られるポリオール化合物等が例示される。
【0026】
多官能性の活性水素化合物に上述のアルキレンオキサイドを付加して得られるポリオール化合物としては、ヒドロキノン、ビスフェノールA等にPO,EO,SOの少なくとも1種を開環付加した化合物が具体的に例示される。
【0027】
上記のアミン系、並びに非アミン系ポリオール化合物は、水酸基価が200〜600mgKOH/gであることが好ましい。これらのポリオール化合物の中でも、第3級アミノ基含有ポリオール化合物、脂肪族ポリオールを使用すると、ポリオール組成物の粘度を低下させる効果が得られる。
【0028】
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物には、当業者に周知の触媒、難燃剤、着色剤、酸化防止剤等が使用可能である。
【0029】
触媒としては、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、DBU等の第3級アミン類、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫等の金属系触媒がウレタン化反応触媒として例示される。なお、本発明のポリオール組成物は、発泡剤の1成分として水を使用するので、有機錫系触媒は加水分解されて劣化するため、第3級アミン触媒の使用がより好ましい。
【0030】
ポリウレタン分子の構造において難燃性向上に寄与するイソシアヌレート結合を形成する触媒の使用も好ましく、例えば酢酸カリウム、オクチル酸カリウムが例示できる。上述の第3級アミン触媒の中にもイソシアヌレート環形成反応をも促進するものがある。イソシアヌレート結合生成を促進する触媒とウレタン結合生成を促進する触媒を併用してもかまわない。
【0031】
本発明においては、さらに難燃剤を添加することも好ましい態様であり、好適な難燃剤としては、ハロゲン含有化合物、有機リン酸エステル類、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等の金属化合物が例示される。
【0032】
ただし、これらの難燃剤は、例えば有機リン酸エステルは過剰に添加すると得られる硬質ポリウレタンフォームの物理的特性が低下することが有り、また三酸化アンチモン等の金属化合物粉末を過剰に添加するとフォームの発泡挙動に影響が表れるなどの問題を生じる場合が有り、その添加量はかかる問題を生じない範囲に制限される。
【0033】
本発明の硬質ポリウレタンフォームには、必要に応じて可塑剤を使用することが好適である。かかる可塑剤も難燃性に寄与するものであることが好ましく、リン酸のハロゲン化アルキルエステル、アルキルリン酸エステルやアリールリン酸エステル、ホスホン酸エステル等が使用可能であり、具体的にはトリス(2−クロロエチル)ホスフェート(CLP、大八化学製)、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(TMCPP、大八化学製)、トリブトキシエチルホスフェート(TBXP,大八化学製)、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート等が例示でき、これらの1種以上が使用可能である。可塑剤の添加量はポリオール成分100重量部に対して5〜30重量部であることが好ましい。この範囲を越えると可塑化効果が十分に得られなかったり、フォームの物理特性が低下するなどの問題が生じる場合が発生する。
【0034】
ポリオール組成物と混合、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリイソシアネート化合物としては、取扱の容易性、反応の速さ、得られる硬質ポリウレタンフォームの物理特性が優れていること、低コストであることなどから、液状MDIを使用する。液状MDIとしては、クルード(粗製)MDI(c−MDI)(44V−10,44V−20等(住友バイエルウレタン社製))、ウレトンイミン含有MDI(ミリオネートMTL;日本ポリウレタン工業製)等が使用される。これらのポリイソシアネート化合物のなかでも、形成される硬質ポリウレタンフォームの機械的強度などの物理的特性が優れており、しかも低価格であるといる点で、クルード(粗製)MDIの使用が特に好ましい。
【0035】
液状MDIに加えて、他のポリイソシアネート化合物を併用してもよい。かかるポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの技術分野において周知のジないしポリイソシアネート化合物は限定なく使用可能である。
【0036】
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物は、スラブストックフォーム、サンドイッチパネル等の連続生産されるフォーム、射出成形されるサンドイッチパネルなどの製造に使用可能である。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。
(実施例1〜4、比較例1〜3)
表1の上段に示した組成にてポリオール組成物を調整し、所定比にてイソシアネート成分を混合して発泡、硬化させて硬質ポリウレタンフォームを作製した。実施例4は、いわゆるポリイソシアヌレートフォームである。使用した材料は、以下のとおりである。
【0038】
フェノール樹脂ポリオール:ノボラック型フェノール樹脂にプロピレンオキサイドを付加させたポリオール;水酸基価177mgKOH/g、粘度11800mPa・s(25℃)
芳香環含有ノニオン界面活性剤:Newcol 707(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、水酸基価67mgKOH/g、日本乳化剤(株))
テロール 236:ポリエステルポリオール、水酸基価260mgKOH/g(オキシド社)
GR−84:ポリエーテルポリオール、水酸基価450mgKOH/g(三井武田ケミカル(株))
難燃剤TBXP:トリブトキシエチルホスフェート(大八化学工業(株))
整泡剤:SH−193(東レダウコーニングシリコン(株))
Pelcat 9540:有機金属系触媒(ペルロン(株))
Kaolizer No.1:第3級アミン系触媒(花王(株))
硬質ポリウレタンフォームの作製は、常法のラボ評価の方法により行った。評価結果は、表1の下段に示した。
【0039】
(評価)
<ポリオール組成物液粘度の測定>
ポリオール組成物液粘度は、B型粘度計(東京計器社製)を使用し、温度20℃にて測定した。
ポリオール組成物液粘度は、3000cP以下であれば、従来の混合装置(低圧発泡機等)にてイソシアネート成分と混合撹拌可能であるが、2000cp以下であるとさらに広範囲の混合装置の使用が可能であり、好ましい。
【0040】
<フォーム密度>
作製した硬質ポリウレタンフォームから10cm×10cm×10cmのサンプルを切り出し、重量を測定して求めた。
【0041】
<圧縮強度>
JIS A 9514に準拠して測定した。
【0042】
<加熱減量>
フォームの加熱減量は、フォームサンプルを切り出して重量を測定し、該サンプルについてASTM E662−93に規定のNBS発煙試験条件により燃焼試験を行い、燃焼試験後の重量を測定して以下の式により求めた。
加熱減量(%)=100×〔(燃焼前重量−燃焼後重量)/燃焼前重量〕
加熱減量が小さいものほど耐熱性が高く、難燃性に優れたフォームである。
【0043】
<熱伝導率>
フォームの熱伝導率は、JIS A 1412に準拠して測定した。
【0044】
【表1】
この表の結果から、本発明の実施例1〜4は、加熱減量と熱伝導率の双方において優れたものであるが、比較例1のフォームは熱伝導率が高く、比較例2、3のフォームは加熱減量が大きいものであった。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyol composition for a rigid polyurethane foam having excellent strength and flame retardancy, and a method for producing a rigid polyurethane foam.
[0002]
[Prior art]
Rigid polyurethane foams which use a phenolic resin obtained by ring-opening addition of an alkylene oxide to a phenolic resin or a phenolic resin having a methylol group and are excellent in strength and flame retardancy are disclosed in (1) JP-A-2001-139661. Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-239209, and Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-208657 discloses a known method.
[0003]
(1) The technique disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-139651 discloses a modified phenol resin obtained by subjecting heavy oils or pitches, phenols and formaldehyde compounds to a polycondensation reaction in the presence of an acid catalyst and an alkylene oxide. A rigid polyurethane foam using a phenolic resin polyol reacted with
[0004]
In the technique disclosed in (2) JP-A-2000-239209, a by-product containing a bisphenol compound obtained when a bisphenol compound is produced is treated in the presence of a catalyst to remove low-boiling components out of the system. It is a rigid polyurethane foam using a polyoxyalkylene polyphenol obtained by adding an alkylene oxide to the remaining polyphenol compound.
[0005]
The technique disclosed in (3) JP-A-9-208657 is a rigid polyurethane foam using a polyol component containing a benzylic ether type phenol resin having a hydroxymethyl group.
[0006]
It is described that the above rigid polyurethane foam is excellent in at least one of strength and flame retardancy.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, phenolic resin polyols have the following problems.
(A) The liquid viscosity is high at around room temperature, and if a phenolic resin polyol is used as a sole polyol component, a conventional mixing apparatus for producing a rigid polyurethane foam cannot be used.
(B) When a conventional polyol compound for a rigid polyurethane foam is used in combination to reduce the liquid viscosity, the properties of the phenol resin polyol are reduced, and the physical strength and the flame retardancy are reduced.
(C) Poor compatibility with water used as a foaming agent, uniform cells (bubbles) are not formed, and so-called cell roughness occurs. As a result, the thermal conductivity increases, and only a foam having low heat insulating performance can be obtained.
[0008]
It is an object of the present invention to provide a polyol composition for a rigid polyurethane foam which contains a phenolic resin polyol as a main component as a polyol compound in a polyol component, has a lower liquid viscosity than before, and has excellent compatibility with water as a blowing agent. An object of the present invention is to provide a method for producing a rigid polyurethane foam excellent in strength and flame retardancy.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to a polyol composition for a rigid polyurethane foam which contains at least a polyol compound, a foaming agent, a foam stabilizer, a catalyst, is mixed with an isocyanate component containing a polyisocyanate compound, and is foam-cured to form a rigid polyurethane foam. So,
The polyol compound contains a phenolic resin-based polyol compound and further contains an aromatic ring-containing nonionic surfactant.
[0010]
The most significant feature of the polyol composition for a rigid polyurethane foam of the present invention resides in that a phenolic resin-based polyol compound is used as a polyol compound as a main component and an aromatic ring-containing nonionic surfactant is contained. By adopting such a configuration, the viscosity of the polyol composition is reduced, and the rigid polyurethane foam to be obtained is not reduced in flame retardancy, strength and the like.
[0011]
It is preferable that 100 parts by weight of the polyol compound in the polyol composition of the present invention contains 50 parts by weight or more, more preferably 70 parts by weight or more of the phenolic resin-based polyol compound. As the content of the phenolic resin-based polyol compound increases, the strength and flame retardancy of the obtained rigid polyurethane foam improve.
[0012]
The ratio of the phenolic resin-based polyol compound to the aromatic ring-containing nonionic surfactant is preferably 95/5 to 70/30 in terms of the phenolic resin-based polyol compound / aromatic ring-containing nonionic surfactant weight ratio.
[0013]
If the ratio of the aromatic ring-containing nonionic surfactant is less than 5, the effect of lowering the viscosity of the phenolic resin-based polyol compound is not sufficient, and the viscosity of the polyol composition becomes high. When the ratio of the aromatic ring-containing nonionic surfactant exceeds 30, the strength of the obtained rigid polyurethane foam decreases.
[0014]
In the polyol composition of the present invention, the blowing agent is preferably water.
Halogenated hydrocarbon foaming agents such as HCFCs and HFCs can be used as the foaming agent, but it is preferable to use water because it has the least influence on the environment. Since the polyol composition of the present invention uses an aromatic ring-containing nonionic surfactant, the compatibility with water is good, and unlike the polyol composition disclosed in the prior art, cell roughness does not occur, and as a result, In addition, a rigid polyurethane foam having low heat conductivity and excellent heat insulation performance can be manufactured.
[0015]
Another invention is a method for producing a rigid polyurethane foam, which comprises mixing an isocyanate component and a polyol composition for a rigid polyurethane foam, and foaming and curing to form a rigid polyurethane foam,
The rigid polyurethane foam polyol composition contains at least a polyol compound, a foaming agent, a foam stabilizer, and a catalyst,
The polyol compound contains a phenolic resin-based polyol compound and further contains an aromatic ring-containing nonionic surfactant.
[0016]
According to such a production method, more phenol resin polyols can be used than in the prior art, so that a rigid polyurethane foam excellent in strength and flame retardancy can be produced. Even when water is used as a foaming agent, cell roughness can be prevented.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The phenolic resin polyol used in the present invention is obtained by ring-opening addition of an alkylene oxide to a phenolic group or a phenolic and methylol group of a phenolic resin oligomer obtained by condensing phenol and formaldehyde using a catalyst. . The phenol resin oligomer may be either a resol obtained using an alkali catalyst or a novolak obtained using an acid catalyst.
[0018]
The phenolic resin polyol has a hydroxyl value of 100 to 500 mgKOH / g, more preferably 100 to 400 mgKOH / g.
[0019]
As the aromatic ring-containing nonionic surfactant, polyoxyethylene alkylphenyl ether obtained by subjecting alkylphenol to ring-opening addition polymerization of ethylene oxide is used. The alkyl group is not particularly limited, but is preferably a nonyl group or an octyl group because it is easily available. The polymerization degree of the ethylene oxide of the polyoxyethylene group is about 2 to 30.
[0020]
A well-known polyol compound for rigid polyurethane foams may be used together with the phenolic resin-based polyol. Examples of such polyol compounds include tertiary amino group-containing polyol compounds, aliphatic polyols, aromatic polyols, and the like.
[0021]
Tertiary amino group-containing polyol compounds include alkylene oxides, specifically propylene oxide (PO), ethylene oxide (EO), styrene oxide (SO), tetrahydrofuran and the like, using a primary or secondary amine as an initiator. A polyfunctional polyol compound obtained by ring-opening addition polymerization of at least one kind.
[0022]
Examples of the primary or secondary amine initiator which is an initiator of the tertiary amino group-containing polyol compound include aliphatic primary or secondary monoamines such as ammonia, methylamine and ethylamine, ethylenediamine, hexamethylene. Aliphatic primary or secondary polyamines such as diamine, N, N'-dimethylethylenediamine, and aromatic primary or secondary monoamines such as aniline, diphenylamine, toluenediamine, diphenylmethanediamine, N-methylaniline; Examples thereof include alkanolamines such as polyamines, monoethanolamine, and diethanolamine.
[0023]
Aliphatic polyols are obtained by adding an alkylene oxide to an aliphatic or alicyclic polyfunctional active hydrogen compound as a polyol initiator, specifically, propylene oxide (PO), ethylene oxide (EO), styrene oxide (SO), tetrahydrofuran or the like. A polyfunctional oligomer obtained by ring-opening addition polymerization of one or more cyclic ethers.
[0024]
Examples of the polyol initiator of the aliphatic polyol include ethylene glycol, propylene glycol, 1,4-butanediol, 1,3-butanediol, 1,6-hexanediol, glycols such as neopentyl glycol, trimethylolpropane, and glycerin. And the like, tetrafunctional alcohols such as pentaerythritol, polyhydric alcohols such as sorbitol and sucrose, water and the like.
[0025]
Examples of the aromatic polyol include a polyol compound obtained by the above-described method of adding an alkylene oxide to a polyfunctional active hydrogen compound having an aromatic ring in the molecule.
[0026]
Specific examples of the polyol compound obtained by adding the above-described alkylene oxide to a polyfunctional active hydrogen compound include compounds obtained by ring-opening addition of at least one of PO, EO, and SO to hydroquinone, bisphenol A, and the like. You.
[0027]
The above-mentioned amine-based and non-amine-based polyol compounds preferably have a hydroxyl value of 200 to 600 mgKOH / g. When a tertiary amino group-containing polyol compound and an aliphatic polyol are used among these polyol compounds, an effect of lowering the viscosity of the polyol composition can be obtained.
[0028]
In the polyol composition for a rigid polyurethane foam of the present invention, a catalyst, a flame retardant, a colorant, an antioxidant and the like well known to those skilled in the art can be used.
[0029]
Examples of the catalyst include tertiary amines such as triethylenediamine, N-methylmorpholine, N, N, N ', N'-tetramethylethylenediamine, N, N, N', N'-tetramethylhexamethylenediamine, DBU and the like. And metal catalysts such as dibutyltin dilaurate, dibutyltin diacetate and tin octylate are exemplified as urethanization reaction catalysts. In addition, since the polyol composition of the present invention uses water as one component of the blowing agent, the organotin-based catalyst is hydrolyzed and deteriorated. Therefore, the use of a tertiary amine catalyst is more preferable.
[0030]
It is also preferable to use a catalyst that forms an isocyanurate bond that contributes to improving the flame retardancy in the structure of the polyurethane molecule, and examples thereof include potassium acetate and potassium octylate. Some of the above tertiary amine catalysts also promote the isocyanurate ring formation reaction. A catalyst that promotes isocyanurate bond formation and a catalyst that promotes urethane bond formation may be used in combination.
[0031]
In the present invention, it is also a preferred embodiment to further add a flame retardant, and examples of suitable flame retardants include halogen-containing compounds, organophosphates, antimony trioxide, and metal compounds such as aluminum hydroxide. .
[0032]
However, these flame retardants, for example, when the organic phosphate ester is added in excess, the physical properties of the obtained rigid polyurethane foam may be deteriorated, and when a metal compound powder such as antimony trioxide is added in excess, the foam may be deteriorated. In some cases, problems such as an influence on the foaming behavior appear, and the amount of addition is limited to a range that does not cause such problems.
[0033]
It is preferable to use a plasticizer in the rigid polyurethane foam of the present invention, if necessary. It is preferable that such a plasticizer also contributes to flame retardancy, and a halogenated alkyl ester of phosphoric acid, an alkyl phosphate, an aryl phosphate, a phosphonate, or the like can be used. Specifically, tris ( 2-chloroethyl) phosphate (CLP, manufactured by Daihachi Chemical), tris (β-chloropropyl) phosphate (TMCPP, manufactured by Daihachi Chemical), tributoxyethyl phosphate (TBXP, manufactured by Daihachi Chemical), tributyl phosphate, triethyl phosphate, Cresyl phenyl phosphate, dimethyl methyl phosphonate and the like can be exemplified, and one or more of these can be used. The added amount of the plasticizer is preferably 5 to 30 parts by weight based on 100 parts by weight of the polyol component. If the ratio exceeds this range, problems may occur such that a sufficient plasticizing effect cannot be obtained or the physical properties of the foam deteriorate.
[0034]
As a polyisocyanate compound which is mixed with a polyol composition and reacted to form a rigid polyurethane foam, it should be easy to handle, quick in reaction, excellent in physical properties of the rigid polyurethane foam obtained, and low in cost. For example, liquid MDI is used. As the liquid MDI, crude (crude) MDI (c-MDI) (44V-10, 44V-20, etc. (manufactured by Sumitomo Bayer Urethane Co., Ltd.)), uretonimine-containing MDI (millionate MTL, manufactured by Nippon Polyurethane Industry) and the like are used. . Among these polyisocyanate compounds, the use of crude (crude) MDI is particularly preferable because the rigid polyurethane foam formed has excellent physical properties such as mechanical strength and is inexpensive.
[0035]
In addition to the liquid MDI, another polyisocyanate compound may be used in combination. As such a polyisocyanate compound, a di- or polyisocyanate compound known in the technical field of polyurethane can be used without limitation.
[0036]
The polyol composition for a rigid polyurethane foam of the present invention can be used for production of continuously produced foams such as slab stock foams and sandwich panels, and sandwich panels which are injection molded.
[0037]
【Example】
Hereinafter, examples that specifically show the configuration and effects of the present invention will be described.
(Examples 1-4, Comparative Examples 1-3)
The polyol composition was adjusted according to the composition shown in the upper row of Table 1, and an isocyanate component was mixed at a predetermined ratio, foamed and cured to produce a rigid polyurethane foam. Example 4 is a so-called polyisocyanurate foam. The materials used are as follows.
[0038]
Phenol resin polyol: Polyol obtained by adding propylene oxide to novolak type phenol resin; hydroxyl value: 177 mgKOH / g, viscosity: 11,800 mPa · s (25 ° C.)
Aromatic ring-containing nonionic surfactant: Newcol 707 (polyoxyethylene nonylphenyl ether, hydroxyl value 67 mgKOH / g, Nippon Emulsifier Co., Ltd.)
Terol 236: Polyester polyol, hydroxyl value 260 mg KOH / g (Oxide)
GR-84: polyether polyol, hydroxyl value 450 mgKOH / g (Mitsui Takeda Chemical Co., Ltd.)
Flame retardant TBXP: Tributoxyethyl phosphate (Daichi Chemical Co., Ltd.)
Foam stabilizer: SH-193 (Toray Dow Corning Silicon Co., Ltd.)
Pelcat 9540: Organometallic catalyst (Perlon Co., Ltd.)
Kaolizer No. 1: Tertiary amine catalyst (Kao Corporation)
The production of the rigid polyurethane foam was carried out by a conventional laboratory evaluation method. The evaluation results are shown in the lower part of Table 1.
[0039]
(Evaluation)
<Measurement of viscosity of polyol composition liquid>
The viscosity of the polyol composition liquid was measured at a temperature of 20 ° C. using a B-type viscometer (manufactured by Tokyo Keiki Co., Ltd.).
If the viscosity of the polyol composition liquid is 3000 cP or less, it can be mixed and stirred with an isocyanate component using a conventional mixing device (such as a low-pressure foaming machine), but if it is 2000 cp or less, a wider range of mixing devices can be used. Yes, preferred.
[0040]
<Form density>
A sample of 10 cm × 10 cm × 10 cm was cut out from the produced rigid polyurethane foam, and the weight was measured.
[0041]
<Compressive strength>
It was measured in accordance with JIS A 9514.
[0042]
<Heat loss>
The weight loss on heating of the foam was determined by cutting out a foam sample, measuring the weight, performing a combustion test on the sample under the NBS smoke test conditions specified in ASTM E662-93, measuring the weight after the combustion test, and using the following formula. Was.
Heating loss (%) = 100 × [(weight before combustion−weight after combustion) / weight before combustion]
The smaller the heat loss, the higher the heat resistance and the better the flame retardancy.
[0043]
<Thermal conductivity>
The thermal conductivity of the foam was measured according to JIS A1412.
[0044]
[Table 1]
From the results in this table, Examples 1 to 4 of the present invention are excellent in both heat loss and thermal conductivity, but the foam of Comparative Example 1 has high thermal conductivity, and the foams of Comparative Examples 2 and 3 The foam had a large loss on heating.