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JP2004056884A - 仕事変換装置 - Google Patents

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JP2004056884A
JP2004056884A JP2002209103A JP2002209103A JP2004056884A JP 2004056884 A JP2004056884 A JP 2004056884A JP 2002209103 A JP2002209103 A JP 2002209103A JP 2002209103 A JP2002209103 A JP 2002209103A JP 2004056884 A JP2004056884 A JP 2004056884A
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magnetic core
conversion device
stator
work
back yoke
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JP2002209103A
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Yoshiyuki Shibata
柴田 由之
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Toyoda Koki KK
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Toyoda Koki KK
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Abstract

【課題】モータを従来よりも小型にすること。
【解決手段】このステータは、上部101と下部102とを組み立てることにより1つに構成される。各磁心の対峙面bの上方に付してある記号u,v,wは、3相制御時の対応する各相を表しており、符号cは磁心のバックヨークを表している。これらの部品は、上部101と下部102共に、表面を酸化物(無機絶縁膜)で絶縁した粉状の純鉄粉と樹脂との複合体より成る圧粉材料で形成されている。例えばこの様な構成に従えば、巻線をネック部aに巻き付ける際の巻線の盛り上がり(巻き付けの高さ)に対する制約が大幅に緩和できる。このため、磁心のネック部aに巻き付けられる巻線が占める空間の径方向の厚さは、従来よりも薄くすることができ、更に、巻線の電気抵抗を維持したまま、巻線を従来よりも短く、細くできるので、モータの小型化と軽量化が同時に容易になる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動体又はステータの一部を構成する磁心の対峙面が、相対的可動方向に対して複数直列に配置された、電気エネルギーと運動エネルギーとの間で仕事を変換する仕事変換装置に関する。
尚、本発明は、回転型の仕事変換装置(モータ/発電機)、或いは直進型の仕事変換装置(リニアモータ/リニア発電機)が有する、電機子(ステータのアマチュア又は可動部のアマチュア)の一部分を形成する、磁心の形状、配置、及び材料に深く係わる。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来技術における回転型のモータ(電動機)の組み立て時におけるステータ200の斜視図である。符号a,b,cはそれぞれ、磁心のネック部、対峙面、及びバックヨークを表している。磁心のネック部aは、モータの径方向において、磁心の高さ(厚み)の略中央の所にくびれを設けることにより、巻線を巻き付け易く形成されている。
【0003】
このステータ200は、内側に永久磁石又は電機子(アマチュア)から成るロータを挿入し、そのロータに各磁心の対峙面bを各々対峙させることにより、ロータを回転させる構造となっている。磁心のバックヨークcは、複数集合して、ステータ200の外側の円筒形の側面を形成している。
【0004】
図10に、上記の従来のステータ200の1つの磁心を略矩形の対峙面bの方から見た斜視図(a)と、その磁心のA方向視の側面図(b)と、その磁心のネック部aに巻き付けられる巻線が占める空間を表す斜視図(c)を示す。
各磁心の対峙面bの縦長方向の長さL1 は、上記の円筒形の高さと一致する。また、斜視図(a)のバックヨークcの断面(断面積S2 )をA方向視した磁心の側面図(b)の幅t3 は、バックヨークcの厚さをも含めた、磁心の全高を示している。この全高t3 は、略筒形のステータ200の径方向の厚さに一致する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図11に、ステータ200の磁心の略矩形の対峙面bと、ネック部aの断面(:断面積S1)との位置関係を示す。本図では、x軸方向が磁心の対峙面の対峙対象(この場合ロータ)との相対的な可動方向を表している。
磁心内の磁路の磁気抵抗を小さく抑えるために、ネック部aの断面積S1(磁路断面積)は、一定値以上確保すべきである。このため、ステータ200の磁心に巻線を巻き付ける際には、図10、図11からも判る様に、ステータ200と回転子(ロータ)との相対的可動方向xにおいて、線を巻き付ける高さδ1には制約が生じる。
【0006】
しかしながら、モータから所望の力やトルクを得るためには、ネック部aの断面積S1(磁路断面積)に通すことができる磁束の量(上限値)も一定以上に確保しなければならない。即ち、巻線の直径や巻き数にも、磁束を確保するための制約がある。
したがって、上記の高さδ1に対する制約を守るためには、必然的に、磁心のネック部aに巻き付けられる巻線が占める空間(図10(c))の径方向の厚さ(t1 )を厚くせざるを得ない。
以上の理由から、従来、この厚さt1 を小さくすることが容易でないことが、モータの小型化の阻害要因になっている。
【0007】
また、この問題は、モータの回転子側を電機子で構成する場合にも、上記と略同様に存在するので、磁心を有する部位がモータのステータ側、回転子側の何れの場合においても、モータが径方向に大きく成ってしまう上記の問題は、従来より解消されていない。
【0008】
また、直進型のモータ(リニアモータ)の場合にも、上記と同様の問題が存在することは、上記の回転型のモータ(電動機)の問題が、モータの径の大きさに係わらず存在すると言う幾何学的な観点から明らかである。即ち、モータの径が無限大に発散した極限を考えれば、直進型のモータ(リニアモータ)についても、上記と同様の問題を指摘することができる。ただし、この場合には、上記の厚さt1 は、ステータの高さ、又は、可動子(フォーサ)の大きさに寄与するので、磁心の高さ(厚さt1 )に基づくモータの大きさが問題となる。
【0009】
また、モータのステータと可動体(回転子/可動子)との間の磁力作用に基づいて生じる運動は、本質的に相対的なものであるから、ステータの構造を有する部位が運動して可動体の構造を有する部位が静止する運動形態のモータを構成した場合についても、上記と全く同様の問題が存在する。
また、運動エネルギーと電気エネルギーの間のエネルギー交換は、相互的なものであるので、上記の問題は一般の発電機に付いても指摘することができる。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、可動体又はステータの一部を構成する磁心の対峙面が相対的可動方向に対して複数直列に配置された仕事変換装置(回転型又は直進型のモータ、或いは発電機)を、従来よりも小型にすることである。
また、本発明のその他の目的としては、仕事変換装置の製造効率の向上や、コギングの抑制等がある。
【0011】
【課題を解決するための手段、並びに、作用及び発明の効果】
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、可動体又はステータの一部を構成する磁心の対峙面が、相対的可動方向に対して複数直列に配置された、電気エネルギーと運動エネルギーとの間で仕事を変換する仕事変換装置において、巻線が巻き付けられる上記の磁心のネック部を対峙面の縦長方向において、対峙面の長さの半分よりも短く(細く)し、更に、このネック部を同方向において分散配置することである。
【0012】
ただし、互いに対峙し合うものは可動体とステータなので、上記の対峙面とは、上記の磁心が可動体の一部を構成している場合には、磁心の表面の中でステータに対して対峙している面のことを言う。また、上記の磁心がステータの一部を構成している場合には、磁心の表面の中で可動体に対して対峙している面を上記の対峙面とする。
【0013】
また、上記の仕事変換装置には、モータ及び発電機の双方がそれぞれ個々に相当する。また、このモータには、回転型のモータ(電動機)及び直進型のモータ(リニアモータ)の双方がそれぞれ個々に相当する。また、上記の発電機についても同様に、回転型の発電機と直進型の電動機の双方が、それぞれ個々に相当する。
【0014】
即ち、本発明は、可動体又はステータの一部を構成する磁心の対峙面が、相対的可動方向に対して複数直列に配置された、電気エネルギーと運動エネルギーとの間で仕事を変換する仕事変換装置ならば、任意の形態の仕事変換装置に適用することができる。
【0015】
また、本発明は、電機子の構造(特に、磁心の形状、配置、材料)に関するものであり、この電機子は可動体とステータのどちらであっても良い。即ち、本発明は、可動体とステータの双方に対して同時に適用することも、或いは、任意の片方だけに適用することも可能である。
【0016】
尚、以下の説明では、回転型のモータ(電動機)のステータの形状を中心に、本発明の作用・効果を具体的に示すが、これらの作用・効果は、上記の任意の形態の仕事変換装置についても、理論的な対称性に基づいて、必然的に得ることができるものである。
【0017】
図11からも判る様に、従来はステータ200と回転子(ロータ)との相対的可動方向xにおいて、ネック部aに線を巻き付ける高さδ1に強い制約があったが、上記の構成に従えば、この高さδ1に対する制約が大幅に緩和できる。このため、磁心のネック部aに巻き付けられる巻線が占める空間の径方向の厚さは、従来よりも薄くすることができるので、モータの小型化が容易になる。
【0018】
また、上記の構成に従えば、ネック部aの断面積(磁路断面積)を従来より小さくしなくとも、ネック部断面の周の長さを従来より短くできるので、その分巻線の長さも短くできる。このため、巻線の電気抵抗の値を従来以下に維持したまま、巻線の直径を小さくすることができる。この作用によっても、磁心のネック部aに巻き付けられる巻線が占める空間の径方向の厚さを、従来よりも薄くすることができる。
【0019】
また、上記の構成に従えば、図11のy軸方向において対峙面からコイルエンドがはみ出さない様に、モータを製造することも可能であり、その分y軸方向においても、モータを小型化することができる。
【0020】
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段において、磁心のネック部を、上記の相対的可動方向に対して、斜めに複数並べて周期的に分散配置することである。
この様な配置により、磁心の対峙面の裏側に磁心のネック部及び巻線を比較的稠密に効率よく分散配置することができるため、磁心の対峙面の裏側の空間を効率よく利用することができる。このため、モータの小型化が効果的に実施可能となる。
【0021】
また、本発明の第3の手段は、上記の第2の手段において、上記の相対的可動方向を前後方向と見た時に、磁心のネック部を左右交互に分散配置(千鳥配置)することである。
この配置方法は、上記の第2の手段を具現する1例であり、後述の実施例で実施形態の詳細を例示する。この場合、上記の「斜めに複数並べて周期的に分散配置する」際の、1本の斜線上に並べる磁心のネック部の数は2つである。
【0022】
また、本発明の第4の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段において、上記の可動体を回転子(ロータ)で構成することである。
即ち、本発明は電動機又は発電機に適用することができる。この時、上記の磁心は、ステータの一部を構成するものであっても、ロータの一部を構成するものであっても良い。
【0023】
また、本発明の第5の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段において、上記の可動体を直進型の可動子(フォーサ)で構成することである。
即ち、本発明はリニアモータ又はリニア発電機にも適用することができる。この時、上記の磁心は、ステータの一部を構成するものであっても、フォーサの一部を構成するものであっても良い。
【0024】
また、本発明の第6の手段は、上記の第1乃至第5の何れか1つの手段において、ネック部の断面形状を、円形に近い角が取れた略矩形、略円形、略正多角形、又は略楕円形にすることである。
【0025】
この構成に従えば、ネック部aの断面積(磁路断面積)を従来より小さくしなくとも、ネック部断面の周の長さをより効果的に短くできるので、その分巻線の長さもより効果的に短くできる。このため、巻線の電気抵抗の値を従来以下に維持したまま、巻線の直径を極力小さくすることができる。したがって、磁心のネック部aに巻き付けられる巻線が占める空間の径方向の厚さを、より効果的に薄くすることができる。
【0026】
また、本発明の第7の手段は、上記の第1乃至第6の何れか1つの手段において、相対的可動方向に連なったバックヨーク部を複数段備え、複数の対峙面を周期的に選択してネック部を介してバックヨーク部の何れか1段に一体的に固定し、全ての対峙面が過不足無く互いに噛み合う様に複数段のバックヨーク部を組み合わせることにより、電機子の磁束路を形成することである。
【0027】
また、本発明の第8の手段は、可動体又はステータの一部を構成する磁心の対峙面が、相対的可動方向に対して複数直列に配置された、電気エネルギーと運動エネルギーとの間で仕事を変換する仕事変換装置において、相対的可動方向に連なったバックヨーク部を複数段備え、複数の対峙面を周期的に選択して磁心のネック部を介してバックヨーク部の何れか1段に一体的に固定し、全ての対峙面が過不足無く互いに噛み合う様に、複数段のバックヨーク部を組み合わせることにより、電機子の磁束路を形成することである。
【0028】
この手段は、磁心のネック部が磁心の対峙面と略同様に長く確保されている場合においても適用可能である。
【0029】
これらの構成(第7、又は第8の手段)に従えば、磁心のネック部をn個置き(n≧1)に配置できる。したがって、例えばノズル式の巻線機等の簡単な装置を用いて効率よく磁心のネック部に巻線を巻き付けることができる。
更に、上記の構成に従えば、磁心のネック部をn個置き(n≧1)に一体化できるため、電機子の対峙面から成る電機子の外形を所望の形(円形、又は直線形)に精度よく製造することが可能又は容易となる。
【0030】
尚、モータ又は発電機の回転子を上記の磁心を有する電機子で構成する場合、上記のバックヨーク部は、回転軸回りに形成することができる。この時、細長く回転軸上を空洞にすれば、バックヨーク部は、略リング形状となり、正に回転子(可動体)の相対的可動方向に連なった形状となるが、勿論、回転軸上を必ずしも空洞にする必要はない。この様な略リング形状の中空部(上記の空洞)の半径が、0となる極限でバックヨーク部の形状を認識すれば、回転軸上が磁性体等で埋まっている場合にも、バックヨーク部の形状は、相対的可動方向に連なった形状と見ることができる。
【0031】
また、本発明の第9の手段は、上記の第7又は第8の手段において、相対的可動方向に1つ置き、又は2つ置きに複数の対峙面を選択して、何れか1つのバックヨーク部に一体化することである。
【0032】
特に、1つ置きに構成すると、上記の千鳥配置が容易となり、部品の種類や点数も少なくすることができる。また、1つ置き又は2つ置きにすると、ネック部の断面形状を、円形に近い角が取れた略矩形、略円形、略正多角形、又は略楕円形にすることが容易となるので、モータの小型化も効果的に実施できる。
また、例えば、2つ置きにすると、3相モータの場合、各相(u,v,w)毎に組み合わせて磁心のバックヨーク部を一体化できるため、巻線の配線形態を各相単位に簡潔にまとめることが容易となる等の利点により、巻線関連の製造効率が更に向上する。
【0033】
また、本発明の第10の手段は、上記の第1乃至第9の何れか1つの手段において、粒状又は粉状の磁性体と樹脂との複合体より成る圧粉材料で、磁心の少なくとも一部分を形成することである。
透磁率が高く、かつ電気抵抗の大きな材料で磁心を形成すれば、磁心内部に生じる渦電流が抑制されて、磁心の対峙面近傍に所望の磁場を形成する際のエネルギー効率が高くなる。したがって、上記の構成によれば、エネルギー損失の少ないモータを構成することができる。
また、この様な圧粉材料は空間的な等方性を有するため、設計時及び製造時に、磁心材料の配向を考慮する必要が無い。
【0034】
また、本発明の第11の手段は、上記の第10の手段において、上記の粒状又は粉状の磁性体の表面を絶縁処理することである。
この様な絶縁処理は、例えば、上記の粒状又は粉状の磁性体の表面に酸化被膜等を形成する等の化学的な処理により実施することができる。
この様な構成により、上記の粒状又は粉状の磁性体の電気抵抗を効果的に大きくすることができる。また、この様な構成により、圧粉材料の樹脂の量を削減しても十分な絶縁作用が得られるので、圧粉材料の透磁率をより高くすることが可能になる。
【0035】
また、本発明の第12の手段は、上記の第10又は第11の手段において、粒状又は粉状の磁性体として純鉄を用いることである。純鉄粉は、透磁率が高く比較的安価なため、磁心材料とする磁性体としては非常に都合がよく、この様な構成により、エネルギー効率が高い良質のモータを安価に製造することが可能となる。
【0036】
尚、以上では、モータを中心に本発明の作用・効果を説明したが、運動エネルギーと電気エネルギーの間のエネルギー交換は、相互的なものであるので、勿論発電機についても同様に、上記の第1乃至第12の何れの手段における作用・効果をも得ることができる。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
〔第1実施例〕
図1は、本第1実施例における回転型のモータの組み立て時におけるステータ(101,102)の部分的な斜視図である。図中の符号a,b,cはそれぞれ、磁心のネック部、磁心の対峙面、及び磁心のバックヨークである。
【0038】
このステータは、上部101と下部102とを組み立てることにより1つに構成される。これらの部品は、上部101と下部102共に、表面を酸化物(無機絶縁膜)で絶縁した粉状の純鉄粉と樹脂との複合体より成る圧粉材料で形成されている。また、各磁心の対峙面bの上方に付してある記号u,v,wは、3相制御時の対応する各相を表している。
【0039】
図2は、ステータ(101)の1つの磁心を略矩形の対峙面bの方から見た斜視図(a)と、その磁心のA方向視の側面図(b)と、その磁心のネック部aに巻き付けられる巻線が占める空間を表す斜視図(c)である。
このステータでは、各対峙面bの縦長方向の長さL1 と、各ネック部aの断面積S3は、図9、図10、図11の従来のステータ200と同じ大きさ(L1 ,S1)にそれぞれ設定されている。
【0040】
また、図10(a)のバックヨークcの断面積S2 と、図2(a)のバックヨークcの断面積S4 との間には、以下の関係がある。
【数1】
4 =S2 /2                       …(1)
これは、図2(a)のステータは、上部101と下部102の両者を1つに合わせて構成されるためであり、よって、この両者を組み立てた後のバックヨークcの断面積は、従来のステータ200と同じになる様に設定されている。
【0041】
図3は、本第1実施例のステータ(101,102)の磁心の各対峙面bと、ネック部aの断面(:断面積S3)との位置関係を示す平面展開図である。即ち、上記の様な図1、図2に例示される構成に従えば、巻線をネック部aに巻き付ける際のx方向(相対的可動方向)の巻線の盛り上がり(高さδ3)を大きく取ることが可能となる。このため、図2(b),(c)の厚みt2 は、従来よりも狭くすることができるので、ステータの厚みt4 も、従来より薄くでき、よってモータが効果的に小型化される。
【0042】
また、以上の構成に従えば、ネック部aの断面積を維持したまま、ネック部aの断面の周の長さを短くできる。このため、巻線を短くできる上、巻線の電気抵抗の値を従来以下に維持したまま、巻線を従来よりも細くすることができる。
これらの作用により、上記の構成に従えば、ステータの小型化と同時に、ステータの軽量化を図ることができる。
【0043】
〔第2実施例〕
上記の第1実施例では、ステータは、上下(101,102)に分離されて、別々に形成されており、バックヨークcは2本の帯状になっている。しかし、バックヨークを3本の帯状(上段、中段、下段)に分離し、磁心を各相(u相,v相,w相)毎に対応させて一体化し、それぞれを巻線巻き付け後に組み合わせる様にしても良い。
【0044】
図4は、本第2実施例のステータの磁心の略矩形の対峙面bと、ネック部aの断面との位置関係を示す平面展開図である。本図4は、巻線への配線を省略して簡潔に記載されている。第1実施例の千鳥配置では、磁心のネック部を斜めに2つ周期的に配置したが、本第2実施例では、1本の斜線e上に並べる磁心のネック部の数は3つとして周期的に分散配置する。また、本図4では、ネック部aの断面形状は、略円形に成っているが、亜楕円等に形成しても良い。
【0045】
例えばこの様に、複数の磁心のバックヨーク部を、相対的可動方向(x軸の方向)に2つ置きに組み合わせて一体化しても、ネック部aの側方のx軸方向に空間的な余裕を持たせることが可能となるので、ネック部aの断面形状を、略円形やそれに近い形にすることが、第1実施例と略同様に比較的容易となり、モータの小型化が効果的に実施できる。
【0046】
更に、上記の構成に従えば、各相(u,v,w)毎に組み合わせて磁心のバックヨーク部を一体化することができるので、巻線の配線形態を各相単位に簡潔にまとめることが容易となる等の利点が得られる。したがって、上記の構成に従えば、巻線関連の製造効率が更に向上する。
【0047】
また、図5に、上記の第2実施例の変形例におけるステータの磁心の略矩形の対峙面bとネック部aの断面との位置関係を示す。例えばこの様に、ネック部aの断面形状は、平行四辺形や菱形や或いは玉子形等に近い亜楕円形状に変形しても良い。例えばこの様な変形により、ネック部aの断面積を増補することも可能である。
【0048】
〔第3実施例〕
図6は、本第3実施例の回転型のモータの組み立て時におけるステータの斜視図である。
このステータは、第1実施例の図1のステータのバックヨークcを、各ティース単位にロータの回転軸方向に沿って縦割りに形成したものである。
例えば、この様にステータのバックヨークcを従来技術と同様に縦割りに分割して構成しても、第1実施例と同等の作用により、第1実施例と同様に効果的に、モータを小型化することができる。
【0049】
〔第4実施例〕
図7及び図8は、本第4実施例の回転型のモータの組み立て時におけるステータの部分的な斜視図である。この実施形態は、前記の本発明の第8の手段(請求項8)に相当する形態であり、この形態では、図7及び図8のステータの一部を構成する磁心の対峙面bが、対峙対象(ロータ)との相対的可動方向に対して複数(12個)直列に配置されたモータにおいて、その相対的可動方向に連なったバックヨークcが上下2段備えられている。
【0050】
図7には、対峙面bを有する磁心が計5個しか記載されていないが、この実施例では合計12個の対峙面bを上記の相対的可動方向において1つ置きに選択し、その磁心のネック部aを介して何れか1段のバックヨークcに一体的に固定している。また、図7及び図8に示す様に、2段のバックヨークcを組み合わせ、全ての対峙面bを過不足無く互いに噛み合わせることにより、電機子の磁束路を形成している。
また、このステータでは、磁心のネック部aが、ロータの回転軸方向において、磁心の対峙面bと略同様に長く確保されている。
【0051】
この様な構成に従えば、嵌合又はネジ固定等による接合や或いは鋳造等による型取り等の実施により、対峙面bを有する各ティースを上段か下段の何れか一方のバックヨークcと各々一体に形成する際に、磁心のネック部aを1個置きに配置できる。したがって、図7に示す様に組み立て前には、各ティース間にティース1個分の隙間がそれぞれ確保できる。したがって、この様な構成に従えば、例えばノズル式の巻線機等の簡単な装置を用いて、巻線を効率よく簡単に磁心のネック部aに巻き付けることができる。
【0052】
更に、また、上記の構成に従えば、各ティース(磁心)を略リング形状の上下何れか一方のバックヨークcに一体化でき、これにより、各ティース(磁心)を所望の位置に正確かつ確実に固定できるため、多数の対峙面bから成るステータの外形(ロータと直に接近して対峙する円筒形の形)を真円度の高い所望の円筒形に精度よく製造することが可能又は容易となる。
【0053】
尚、以上の各実施例では、3相モータに付いて例示したが、本発明は、特段モータの形式や制御方式に依存することなく、任意のモータに適用することができる。
また、上記の各実施例における磁心の形状、配置、構成、材料等の特徴は、電動機の回転子にも適用することができる。また、特に、回転子に適用した場合には、巻線の軽量化等の効果により、回転子のイナーシャの軽減を図ることができる。
【0054】
また、上記の各実施例における磁心の形状、配置、構成、材料等の特徴は、リニアモータのステータや、可動子(フォーサ)にも、適用することができる。
また、上記の各実施例における磁心の形状、配置、構成、材料等の特徴は、発電機にも、適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における回転型のモータの組み立て時におけるステータ(101,102)の部分的な斜視図。
【図2】ステータ(101)の1つの磁心を略矩形の対峙面bの方から見た斜視図(a)と、その磁心のA方向視の側面図(b)と、その磁心のネック部aに巻き付けられる巻線が占める空間を表す斜視図(c)。
【図3】ステータ(101)の磁心の略矩形の対峙面bと、ネック部aの断面(:断面積S3)との位置関係を示す平面展開図。
【図4】本発明の第2実施例におけるステータの磁心の略矩形の対峙面bと、ネック部aの断面との位置関係を示す平面展開図。
【図5】本発明の第2実施例の変形例におけるステータの磁心の略矩形の対峙面bと、ネック部aの断面との位置関係を示す平面展開図。
【図6】本発明の第3実施例における回転型のモータの組み立て時におけるステータの斜視図。
【図7】本発明の第4実施例における回転型のモータの組み立て時におけるステータの部分的な斜視図。
【図8】本発明の第4実施例における回転型のモータの組み立て時におけるステータの部分的な斜視図。
【図9】従来技術における回転型のモータの組み立て時におけるステータ200の斜視図。
【図10】ステータ200の1つの磁心を略矩形の対峙面bの方から見た斜視図(a)と、その磁心のA方向視の側面図(b)と、その磁心のネック部aに巻き付けられる巻線が占める空間を表す斜視図(c)。
【図11】ステータ200の磁心の略矩形の対峙面bと、ネック部aの断面(:断面積S1)との位置関係を示す平面展開図。
【符号の説明】
101,
102 … ステータ
a … 磁心のネック部
b … 磁心の対峙面
c … 磁心のバックヨーク
x … 相対的可動方向
1  … 対峙面bの縦長方向の長さ
S1 … ネック部aの断面積(ステータ200)
S3 … ネック部aの断面積(ステータ101,102)

Claims (12)

  1. 可動体又はステータの一部を構成する磁心の対峙面が、相対的可動方向に対して複数直列に配置された、電気エネルギーと運動エネルギーとの間で仕事を変換する仕事変換装置であって、
    巻線が巻き付けられる前記磁心のネック部が、
    前記対峙面の縦長方向において、
    前記対峙面の長さの半分よりも短く、かつ、
    分散配置されている
    ことを特徴とする仕事変換装置。
  2. 前記ネック部は、前記相対的可動方向に対して、斜めに複数並べて周期的に分散配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の仕事変換装置。
  3. 前記ネック部は、前記相対的可動方向を前後方向と見た時に、左右交互に分散配置(千鳥配置)されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の仕事変換装置。
  4. 前記可動体は、回転子(ロータ)である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転型の仕事変換装置。
  5. 前記可動体は、直進型の可動子(フォーサ)である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の直進型の仕事変換装置。
  6. 前記ネック部の断面形状は、
    円形に近い角が取れた略矩形、略円形、略正多角形、又は略楕円形である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の仕事変換装置。
  7. 前記相対的可動方向に連なったバックヨーク部を複数段有し、
    複数の前記対峙面は、周期的に選択されて、前記ネック部を介して、前記バックヨーク部の何れか1段に一体的に固定されており、
    全ての前記対峙面が過不足無く互いに噛み合う様に、複数段の前記バックヨーク部を組み合わせることにより、電機子の磁束路が形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の仕事変換装置。
  8. 可動体又はステータの一部を構成する磁心の対峙面が、相対的可動方向に対して複数直列に配置された、電気エネルギーと運動エネルギーとの間で仕事を変換する仕事変換装置であって、
    前記相対的可動方向に連なったバックヨーク部を複数段有し、
    複数の前記対峙面は、周期的に選択されて、前記磁心のネック部を介して、前記バックヨーク部の何れか1段に一体的に固定されており、
    全ての前記対峙面が過不足無く互いに噛み合う様に、複数段の前記バックヨーク部を組み合わせることにより、電機子の磁束路が形成されている
    ことを特徴とする仕事変換装置。
  9. 複数の前記対峙面は、前記相対的可動方向に1つ置き、又は2つ置きに選択されて、前記バックヨーク部に一体化されている
    ことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の仕事変換装置。
  10. 粒状又は粉状の磁性体と樹脂との複合体より成る圧粉材料で、前記磁心の少なくとも一部分を形成した
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の仕事変換装置。
  11. 粒状又は粉状の前記磁性体の表面は、絶縁処理されている
    ことを特徴とする請求項10に記載の仕事変換装置。
  12. 粒状又は粉状の前記磁性体として純鉄が用いられている
    ことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の仕事変換装置。
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