JP2004053106A - 燃焼器の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源電圧に変動があった場合にも、気化ガス温度を一定に保つことのできる燃焼器を提供すること。
【解決手段】ヒータ2により加熱された気化器1に液体燃料を供給して気化ガスとする燃焼器において、気化ガスの温度を検出する気化温度検出センサ4と、電源電圧を検出する電源電圧検出手段17と、前記気化器温度検出センサ4の検出温度とあらかじめ設定された前記ヒータ2への通電開始点及び通電停止点とを比較して前記ヒータ2への通電を制御する制御部14を備え、前記電源電圧検出手段17が所定値以上の電圧変動を検出したときは、通電開始点及び通電停止点を適切な値に補正する。
【選択図】 図1
【解決手段】ヒータ2により加熱された気化器1に液体燃料を供給して気化ガスとする燃焼器において、気化ガスの温度を検出する気化温度検出センサ4と、電源電圧を検出する電源電圧検出手段17と、前記気化器温度検出センサ4の検出温度とあらかじめ設定された前記ヒータ2への通電開始点及び通電停止点とを比較して前記ヒータ2への通電を制御する制御部14を備え、前記電源電圧検出手段17が所定値以上の電圧変動を検出したときは、通電開始点及び通電停止点を適切な値に補正する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ファンヒーター等の燃焼器の気化温度制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の燃焼器として、ヒータにより加熱された気化器に液体燃料を供給して液体燃料を気化ガスとし、この気化ガスをバーナにて燃焼させる予混合燃焼方式のものが知られている。
【0003】
このような燃焼器においては、その気化ガスの温度が一定となるように気化器に気化温度検出センサを取りつけ、あるいは埋設し、その信号を基に制御部がヒータへの通電を制御するようになっている。
【0004】
そして、その制御回路は図6に示すように構成されていて、12は商用電源で、その電圧は概ね100Vであり、トランス13の1次側に接続されている。また、トランス13の2次側は降圧され、さらに整流平滑されて、制御部(マイコン)14、気化温度検出センサ4等の入力回路に供給される。
【0005】
マイコン14には気化温度検出センサ4が入力され、また、マイコン14出力にフォトトライアック1次側15aが接続され、フォトトライアック2次側15bはヒータ2制御用トライアック16のトリガ回路に接続されている。そして、マイコン14は気化温度検出センサ4より検出された気化ガス温度と予め設定されたヒータON点(Hon)およびヒータOFF点(Hoff)とを比較し、その比較結果により出力をHレベルまたはLレベルに決定する。
【0006】
また、気化器の温度が低すぎると液体燃料は完全に気化することができず、逆に気化器の温度が高すぎると液体燃料や気化ガスの分子構造が分解してしまう。すると、気化しきれなかった燃料がタールとして気化器に付着したり、分解された燃料からはカーボンが生成されやすくなる等の問題が発生するため、気化器の温度は液体燃料を気化することのできる適切な温度範囲に保持されなければならない。よって、マイコン14は液体燃料を気化することのできる最低温度より高い所定温度(Hon)以下の温度が気化温度検出センサ4により検出されるとその出力をHレベルとしてヒータ2に通電を開始し、また、燃料が分解する気化最高温度より低い所定温度(Hoff)以上の温度が検出されるとその出力をLレベルとしてヒータ2への通電を停止するように制御する。
【0007】
その際、HonとHoffの差が大きいと気化ガスの温度幅が大きくなってしまい、気化ガスの温度幅が大きいと、ガスの噴出量の変動が大きくなり、燃焼性が悪化したり燃焼音の変動が耳障りになるなどの問題がある。従って、気化ガスの温度幅を極小にするよう気化器の熱容量を考慮して最適なHonおよびHoffを設定している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、気化器に液体燃料が供給されることにより、気化温度検出センサにより検出される気化ガスの温度がHon以上の状態からHon以下に遷移したと同時にヒータに通電したとしても、瞬時に気化ガスの温度が上昇せず、一般にアンダーシュートと呼ばれるいくらかの温度降下ΔTdが発生する。また、Hoff以下の状態からHoff以上の状態に遷移した時にはこれとは逆にオーバーシュートと呼ばれる温度上昇ΔTuが発生する。
【0009】
加えて、気化ガス温度のオーバーシュートΔTu、アンダーシュートΔTdは気化器への液体燃料の供給量およびヒータに供給される商用電源の電圧によって変動する。通常、液体燃料の供給量に伴うΔTu、ΔTdの変動はそれほど大きくないため、特に問題とはならないか、あるいは、液体燃料の供給量は気化温度センサの入力に基づいてマイコンによって設定されるものであるから、供給量の変化に応じてHonおよびHoffを調整することでΔTu、ΔTdの変動を押さえ、気化ガスの温度を適当な幅に保持することができる。
【0010】
しかしながら、HonとHoffは上述のように電圧変動がない状態での最適値に設定されている。そのため、電源電圧が変動した場合には気化温度検出センサの入力だけではΔTu、ΔTdの増大に対応できずに、結局気化ガスの温度幅が大きくなってしまうという問題があった。
【0011】
図7は電源電圧Vinが90V・100V・110Vのときの気化ガスの温度変化を示したグラフである。100Vで発生するΔTdに対して、90Vではその単位時間あたりの供給電力が81%となることから、電力供給量が減少することになりΔTdは増大する。同様に、100Vで発生するΔTuに対して、110Vではその単位時間あたりの供給電力が121%となることから、電力供給量が増大することになり気化ガス温度の上昇カーブが急峻になりΔTuは増大する。よって、気化温度幅の振れが大きくなり、燃焼状態が悪化する。
【0012】
本発明は上記課題を解決するためのもので、電源電圧の変動に影響される事なく気化ガス温度幅を安定に保ち、良好な燃焼を維持することのできる燃焼器を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成するために本発明は、液体燃料を気化する気化器と、前記気化器を加熱するヒータと、前記気化器から噴出される気化ガスを燃焼させるバーナと、気化ガスの温度を検出する気化温度検出センサと、電源電圧を検出する電源電圧検出装置と、前記ヒータへの通電を制御する制御部を備え、前記制御部は前記気化温度検出センサと前記電源電圧検出装置の出力によって前記ヒータへの通電を制御することを特徴とする燃焼器の制御装置にかかるものである。
【0014】
また、液体燃料を気化する気化器と、前記気化器を加熱するヒータと、前記気化器から噴出される気化ガスを燃焼させるバーナと、気化ガスの温度を検出する気化温度検出センサと、電源電圧を検出する電源電圧検出装置と、前記気化温度検出センサの検出温度とあらかじめ設定された前記ヒータへの通電開始点及び通電停止点とを比較して前記ヒータへの通電を制御する制御部を備え、前記電源電圧検出装置が所定値以上の電圧変動を検出したときは、通電開始点及び通電停止点を補正することを特徴とする燃焼器の制御装置にかかるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
係る構成とすれば、電源電圧を検出して変動があった場合にはヒータON点およびヒータOFF点を適切な値に変更するので、電源電圧が不安定な場合にも、気化ガスの温度幅を安定させることができ、燃焼性の悪化や燃焼音が耳障りになるなどの不具合を解消できる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1から図5を用いて説明する。図1において、1は液体燃料を気化する気化器で、内部には気化器1を加熱するためのヒータ2が嵌着されている。また、気化器1の先端にはノズル3が設けられており、ノズル3には気化ガスの温度を検出する気化温度検出センサ4が取りつけられている。そして、5は液体燃料(灯油)を貯蔵した油受皿、6は油受皿5より液体燃料を汲み上げるポンプであって、汲み上げられた液体燃料は送油管7を通って気化器1に供給されるように構成している。また、8は混合管9と炎孔部10よりなるバーナで、11は気化ガスと一次空気を混合した混合ガスに点火する点火プラグである。
【0017】
そして、制御回路は図2のように構成されているが、従来例と同じ構成部品に関しては同一の符号を付し、説明を省略する。
【0018】
17は商用電源12の電圧を検出する電源電圧検出手段で、商用電源12の電圧を整流平滑し、分圧抵抗R1およびR2にて分圧された電圧は絶縁型増幅器18を介してマイコン14に入力される。
【0019】
次に上記構成における動作を説明する。図示しない運転スイッチの押下により燃焼器が運転を開始すると、まずヒータ2へ通電が行われて、気化器1の加熱が開始される。そして、気化器1が所定の温度まで達すると、液体燃料がポンプ6により油受皿5から汲み上げられ、汲み上げられた液体燃料は送油管7を通って気化器1に供給される。そして、気化器1は供給された液体燃料を加熱気化し、気化された液体燃料は気化ガスとなりノズル3よりバーナ8の混合管9に向かって噴出される。このとき周囲の空気も一次空気として混合管9内へ引き込まれ、混合管9内では気化ガスと一次空気とが混合されて混合ガスとなり、炎孔部10で点火プラグ11により着火されて燃焼するようになっている。
【0020】
このようにして燃焼が開始されると、気化ガスの温度は気化温度検出センサ4により常に監視される。そして、制御部としてのマイコン14は気化温度検出センサ4により検出された気化ガス温度と、予め設定されたヒータON点(Hon)およびヒータOFF点(Hoff)を比較し、検出温度がHoffより高ければマイコン14の出力はLレベルとなり、ヒータ2への通電を停止する。また、気化温度検出センサ4により検出された気化ガス温度が、Honと比較して低いと判定されるとマイコン14の出力はHレベルとなり、これによりヒータ2へ通電を開始する。この動作の繰り返しにより、気化ガス温度を一定の温度幅以内に制御するのである。
【0021】
またこれと同時に、電源電圧検出手段17により商用電源12の電圧を検出し、所定以上の電圧変動が検出された場合には、HonおよびHoffを補正してヒータ2への通電を制御する。
【0022】
次に、図3のフローチャートに従って、電源電圧の変動によりHonおよびHoffを補正する方法を説明する。ここで、θonおよびθoffは夫々、Honの補正値およびHoffの補正値である。
【0023】
まず、電源電圧検出手段17により検出されてマイコン14のアナログ入力ポートに入力された電源電圧Vinは基準電圧Vsと比較される(ステップ1)。そして、比較した結果がVin≠Vsである場合、検出された電源電圧Vinと基準電圧Vsとの差ΔVにより生じるΔTuおよびΔTdを打ち消すような補正値θonおよびθoffを決定する。
【0024】
なお、θonおよびθoffは実験で求められΔVを用いて関数化することができ、ΔV=Vin−Vsとして、θon=f(ΔV)、θoff=g(ΔV)として与えられる。図4は上述の電源電圧検出手段17により検知された電源電圧Vinと補正値θon、θoffとの関係を示したグラフである。電源電圧Vinが基準電圧Vsより低い場合にはθon、θoffとも正の値となり、反対に電源電圧Vinが基準電圧Vsより高い場合にはθon、θoffとも負の値をとることになる。
【0025】
そして求められたθonおよびθoffによりHonおよびHoffは夫々補正され、Hon´=Hon+θonおよびHoff´=Hoff+θoffに変換される(ステップ2)。
【0026】
一方、Vs=Vinで電源電圧の変動がない場合は、HonおよびHoffはそのままHon’およびHoff’となる。
【0027】
次に、気化温度検出センサ4の検出値TgとHon´とを比較し(ステップ3)、Tg≦Hon´ならマイコン14の出力PoutをHレベルとして(ステップ4)、ヒータ2への通電を開始する。また、気化温度検出センサ4の検出値TgとHoff´とを比較し(ステップ5)、Tg≧Hoff´ならPoutをLレベルとして(ステップ6)、ヒータ2への通電を停止する。
【0028】
図5は電源電圧Vinが90V・100V・110Vに変動した時の気化ガス温度をθon及びθoffの補正を実行した場合について図示したグラフである。電源電圧Vinの変動に伴い、Hon’、Hoff’の値が変化し、これにより電源電圧Vinが変動しても100Vの標準状態と同様な気化ガス温度幅が得られることがわかる。このように、電源電圧Vinの変動に従ってHon及びHoffを補正することにより、気化ガス温度を略一定に保持することができる。
【0029】
なお、本実施例では補正値θon及びθoffをΔVを変数とする関数として求めたが、例えば電源電圧が102v以上104v未満の間はθonを−2℃、104v以上106v未満の間は−4℃などと段階的に設定することも有効である。
【0030】
また、電源電圧検出手段17は商用電源12の電圧を直接検出しているが、トランス13の2次側電圧を検出する構成としても構わない。
【0031】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の制御装置は電源電圧検出手段により検出される電源電圧が変動した場合にその変動値に応じてヒータON点あるいはヒータOFF点を補正してヒータへの通電を制御する構成としたので、電源電圧の変動に影響されることなく気化ガス温度幅を安定に保つことができ、燃焼性を正常に保持し、また耳障りな燃焼音の変動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の燃焼器を説明する図である。
【図2】本発明の実施例の制御回路の構成図である。
【図3】本発明の実施例の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例の電源電圧Vinと補正値θとの関係を表したグラフである。
【図5】本発明の実施例の電源電圧Vinと気化ガス温度Tgのグラフである。
【図6】従来の制御回路の構成図である。
【図7】従来の燃焼器の電源電圧Vinと気化ガス温度Tgのグラフである。
【符号の説明】
1 気化器
2 ヒータ
8 バーナ
4 気化温度検出センサ
17 電源電圧検出手段
14 制御部(マイコン)
【発明が属する技術分野】
本発明は、ファンヒーター等の燃焼器の気化温度制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の燃焼器として、ヒータにより加熱された気化器に液体燃料を供給して液体燃料を気化ガスとし、この気化ガスをバーナにて燃焼させる予混合燃焼方式のものが知られている。
【0003】
このような燃焼器においては、その気化ガスの温度が一定となるように気化器に気化温度検出センサを取りつけ、あるいは埋設し、その信号を基に制御部がヒータへの通電を制御するようになっている。
【0004】
そして、その制御回路は図6に示すように構成されていて、12は商用電源で、その電圧は概ね100Vであり、トランス13の1次側に接続されている。また、トランス13の2次側は降圧され、さらに整流平滑されて、制御部(マイコン)14、気化温度検出センサ4等の入力回路に供給される。
【0005】
マイコン14には気化温度検出センサ4が入力され、また、マイコン14出力にフォトトライアック1次側15aが接続され、フォトトライアック2次側15bはヒータ2制御用トライアック16のトリガ回路に接続されている。そして、マイコン14は気化温度検出センサ4より検出された気化ガス温度と予め設定されたヒータON点(Hon)およびヒータOFF点(Hoff)とを比較し、その比較結果により出力をHレベルまたはLレベルに決定する。
【0006】
また、気化器の温度が低すぎると液体燃料は完全に気化することができず、逆に気化器の温度が高すぎると液体燃料や気化ガスの分子構造が分解してしまう。すると、気化しきれなかった燃料がタールとして気化器に付着したり、分解された燃料からはカーボンが生成されやすくなる等の問題が発生するため、気化器の温度は液体燃料を気化することのできる適切な温度範囲に保持されなければならない。よって、マイコン14は液体燃料を気化することのできる最低温度より高い所定温度(Hon)以下の温度が気化温度検出センサ4により検出されるとその出力をHレベルとしてヒータ2に通電を開始し、また、燃料が分解する気化最高温度より低い所定温度(Hoff)以上の温度が検出されるとその出力をLレベルとしてヒータ2への通電を停止するように制御する。
【0007】
その際、HonとHoffの差が大きいと気化ガスの温度幅が大きくなってしまい、気化ガスの温度幅が大きいと、ガスの噴出量の変動が大きくなり、燃焼性が悪化したり燃焼音の変動が耳障りになるなどの問題がある。従って、気化ガスの温度幅を極小にするよう気化器の熱容量を考慮して最適なHonおよびHoffを設定している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、気化器に液体燃料が供給されることにより、気化温度検出センサにより検出される気化ガスの温度がHon以上の状態からHon以下に遷移したと同時にヒータに通電したとしても、瞬時に気化ガスの温度が上昇せず、一般にアンダーシュートと呼ばれるいくらかの温度降下ΔTdが発生する。また、Hoff以下の状態からHoff以上の状態に遷移した時にはこれとは逆にオーバーシュートと呼ばれる温度上昇ΔTuが発生する。
【0009】
加えて、気化ガス温度のオーバーシュートΔTu、アンダーシュートΔTdは気化器への液体燃料の供給量およびヒータに供給される商用電源の電圧によって変動する。通常、液体燃料の供給量に伴うΔTu、ΔTdの変動はそれほど大きくないため、特に問題とはならないか、あるいは、液体燃料の供給量は気化温度センサの入力に基づいてマイコンによって設定されるものであるから、供給量の変化に応じてHonおよびHoffを調整することでΔTu、ΔTdの変動を押さえ、気化ガスの温度を適当な幅に保持することができる。
【0010】
しかしながら、HonとHoffは上述のように電圧変動がない状態での最適値に設定されている。そのため、電源電圧が変動した場合には気化温度検出センサの入力だけではΔTu、ΔTdの増大に対応できずに、結局気化ガスの温度幅が大きくなってしまうという問題があった。
【0011】
図7は電源電圧Vinが90V・100V・110Vのときの気化ガスの温度変化を示したグラフである。100Vで発生するΔTdに対して、90Vではその単位時間あたりの供給電力が81%となることから、電力供給量が減少することになりΔTdは増大する。同様に、100Vで発生するΔTuに対して、110Vではその単位時間あたりの供給電力が121%となることから、電力供給量が増大することになり気化ガス温度の上昇カーブが急峻になりΔTuは増大する。よって、気化温度幅の振れが大きくなり、燃焼状態が悪化する。
【0012】
本発明は上記課題を解決するためのもので、電源電圧の変動に影響される事なく気化ガス温度幅を安定に保ち、良好な燃焼を維持することのできる燃焼器を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成するために本発明は、液体燃料を気化する気化器と、前記気化器を加熱するヒータと、前記気化器から噴出される気化ガスを燃焼させるバーナと、気化ガスの温度を検出する気化温度検出センサと、電源電圧を検出する電源電圧検出装置と、前記ヒータへの通電を制御する制御部を備え、前記制御部は前記気化温度検出センサと前記電源電圧検出装置の出力によって前記ヒータへの通電を制御することを特徴とする燃焼器の制御装置にかかるものである。
【0014】
また、液体燃料を気化する気化器と、前記気化器を加熱するヒータと、前記気化器から噴出される気化ガスを燃焼させるバーナと、気化ガスの温度を検出する気化温度検出センサと、電源電圧を検出する電源電圧検出装置と、前記気化温度検出センサの検出温度とあらかじめ設定された前記ヒータへの通電開始点及び通電停止点とを比較して前記ヒータへの通電を制御する制御部を備え、前記電源電圧検出装置が所定値以上の電圧変動を検出したときは、通電開始点及び通電停止点を補正することを特徴とする燃焼器の制御装置にかかるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
係る構成とすれば、電源電圧を検出して変動があった場合にはヒータON点およびヒータOFF点を適切な値に変更するので、電源電圧が不安定な場合にも、気化ガスの温度幅を安定させることができ、燃焼性の悪化や燃焼音が耳障りになるなどの不具合を解消できる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1から図5を用いて説明する。図1において、1は液体燃料を気化する気化器で、内部には気化器1を加熱するためのヒータ2が嵌着されている。また、気化器1の先端にはノズル3が設けられており、ノズル3には気化ガスの温度を検出する気化温度検出センサ4が取りつけられている。そして、5は液体燃料(灯油)を貯蔵した油受皿、6は油受皿5より液体燃料を汲み上げるポンプであって、汲み上げられた液体燃料は送油管7を通って気化器1に供給されるように構成している。また、8は混合管9と炎孔部10よりなるバーナで、11は気化ガスと一次空気を混合した混合ガスに点火する点火プラグである。
【0017】
そして、制御回路は図2のように構成されているが、従来例と同じ構成部品に関しては同一の符号を付し、説明を省略する。
【0018】
17は商用電源12の電圧を検出する電源電圧検出手段で、商用電源12の電圧を整流平滑し、分圧抵抗R1およびR2にて分圧された電圧は絶縁型増幅器18を介してマイコン14に入力される。
【0019】
次に上記構成における動作を説明する。図示しない運転スイッチの押下により燃焼器が運転を開始すると、まずヒータ2へ通電が行われて、気化器1の加熱が開始される。そして、気化器1が所定の温度まで達すると、液体燃料がポンプ6により油受皿5から汲み上げられ、汲み上げられた液体燃料は送油管7を通って気化器1に供給される。そして、気化器1は供給された液体燃料を加熱気化し、気化された液体燃料は気化ガスとなりノズル3よりバーナ8の混合管9に向かって噴出される。このとき周囲の空気も一次空気として混合管9内へ引き込まれ、混合管9内では気化ガスと一次空気とが混合されて混合ガスとなり、炎孔部10で点火プラグ11により着火されて燃焼するようになっている。
【0020】
このようにして燃焼が開始されると、気化ガスの温度は気化温度検出センサ4により常に監視される。そして、制御部としてのマイコン14は気化温度検出センサ4により検出された気化ガス温度と、予め設定されたヒータON点(Hon)およびヒータOFF点(Hoff)を比較し、検出温度がHoffより高ければマイコン14の出力はLレベルとなり、ヒータ2への通電を停止する。また、気化温度検出センサ4により検出された気化ガス温度が、Honと比較して低いと判定されるとマイコン14の出力はHレベルとなり、これによりヒータ2へ通電を開始する。この動作の繰り返しにより、気化ガス温度を一定の温度幅以内に制御するのである。
【0021】
またこれと同時に、電源電圧検出手段17により商用電源12の電圧を検出し、所定以上の電圧変動が検出された場合には、HonおよびHoffを補正してヒータ2への通電を制御する。
【0022】
次に、図3のフローチャートに従って、電源電圧の変動によりHonおよびHoffを補正する方法を説明する。ここで、θonおよびθoffは夫々、Honの補正値およびHoffの補正値である。
【0023】
まず、電源電圧検出手段17により検出されてマイコン14のアナログ入力ポートに入力された電源電圧Vinは基準電圧Vsと比較される(ステップ1)。そして、比較した結果がVin≠Vsである場合、検出された電源電圧Vinと基準電圧Vsとの差ΔVにより生じるΔTuおよびΔTdを打ち消すような補正値θonおよびθoffを決定する。
【0024】
なお、θonおよびθoffは実験で求められΔVを用いて関数化することができ、ΔV=Vin−Vsとして、θon=f(ΔV)、θoff=g(ΔV)として与えられる。図4は上述の電源電圧検出手段17により検知された電源電圧Vinと補正値θon、θoffとの関係を示したグラフである。電源電圧Vinが基準電圧Vsより低い場合にはθon、θoffとも正の値となり、反対に電源電圧Vinが基準電圧Vsより高い場合にはθon、θoffとも負の値をとることになる。
【0025】
そして求められたθonおよびθoffによりHonおよびHoffは夫々補正され、Hon´=Hon+θonおよびHoff´=Hoff+θoffに変換される(ステップ2)。
【0026】
一方、Vs=Vinで電源電圧の変動がない場合は、HonおよびHoffはそのままHon’およびHoff’となる。
【0027】
次に、気化温度検出センサ4の検出値TgとHon´とを比較し(ステップ3)、Tg≦Hon´ならマイコン14の出力PoutをHレベルとして(ステップ4)、ヒータ2への通電を開始する。また、気化温度検出センサ4の検出値TgとHoff´とを比較し(ステップ5)、Tg≧Hoff´ならPoutをLレベルとして(ステップ6)、ヒータ2への通電を停止する。
【0028】
図5は電源電圧Vinが90V・100V・110Vに変動した時の気化ガス温度をθon及びθoffの補正を実行した場合について図示したグラフである。電源電圧Vinの変動に伴い、Hon’、Hoff’の値が変化し、これにより電源電圧Vinが変動しても100Vの標準状態と同様な気化ガス温度幅が得られることがわかる。このように、電源電圧Vinの変動に従ってHon及びHoffを補正することにより、気化ガス温度を略一定に保持することができる。
【0029】
なお、本実施例では補正値θon及びθoffをΔVを変数とする関数として求めたが、例えば電源電圧が102v以上104v未満の間はθonを−2℃、104v以上106v未満の間は−4℃などと段階的に設定することも有効である。
【0030】
また、電源電圧検出手段17は商用電源12の電圧を直接検出しているが、トランス13の2次側電圧を検出する構成としても構わない。
【0031】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の制御装置は電源電圧検出手段により検出される電源電圧が変動した場合にその変動値に応じてヒータON点あるいはヒータOFF点を補正してヒータへの通電を制御する構成としたので、電源電圧の変動に影響されることなく気化ガス温度幅を安定に保つことができ、燃焼性を正常に保持し、また耳障りな燃焼音の変動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の燃焼器を説明する図である。
【図2】本発明の実施例の制御回路の構成図である。
【図3】本発明の実施例の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例の電源電圧Vinと補正値θとの関係を表したグラフである。
【図5】本発明の実施例の電源電圧Vinと気化ガス温度Tgのグラフである。
【図6】従来の制御回路の構成図である。
【図7】従来の燃焼器の電源電圧Vinと気化ガス温度Tgのグラフである。
【符号の説明】
1 気化器
2 ヒータ
8 バーナ
4 気化温度検出センサ
17 電源電圧検出手段
14 制御部(マイコン)
Claims (2)
- 液体燃料を気化する気化器と、前記気化器を加熱するヒータと、前記気化器から噴出される気化ガスを燃焼させるバーナと、気化ガスの温度を検出する気化温度検出センサと、電源電圧を検出する電源電圧検出装置と、前記ヒータへの通電を制御する制御部を備え、前記制御部は前記気化温度検出センサと前記電源電圧検出装置の出力によって前記ヒータへの通電を制御することを特徴とする燃焼器の制御装置。
- 液体燃料を気化する気化器と、前記気化器を加熱するヒータと、前記気化器から噴出される気化ガスを燃焼させるバーナと、気化ガスの温度を検出する気化温度検出センサと、電源電圧を検出する電源電圧検出装置と、前記気化温度検出センサの検出温度とあらかじめ設定された前記ヒータへの通電開始点及び通電停止点とを比較して前記ヒータへの通電を制御する制御部を備え、前記電源電圧検出装置が所定値以上の電圧変動を検出したときは、通電開始点及び通電停止点を補正することを特徴とする燃焼器の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002210352A JP2004053106A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 燃焼器の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002210352A JP2004053106A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 燃焼器の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004053106A true JP2004053106A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31933877
Family Applications (1)
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JP2002210352A Pending JP2004053106A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 燃焼器の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004053106A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005022404A (ja) * | 2003-06-12 | 2005-01-27 | Canon Inc | 記録装置および記録方法 |
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2002
- 2002-07-19 JP JP2002210352A patent/JP2004053106A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005022404A (ja) * | 2003-06-12 | 2005-01-27 | Canon Inc | 記録装置および記録方法 |
JP4603820B2 (ja) * | 2003-06-12 | 2010-12-22 | キヤノン株式会社 | 記録装置および記録方法 |
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