JP2004050081A - スパイラル型膜エレメント、逆浸透膜モジュール及び逆浸透膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】工業用水など濁度の高い原水を前処理なしで供給しても、濁質が蓄積し難く、長期間に亘り安定な通水処理が可能なスパイラル型膜エレメント、逆浸透膜モジュール及び逆浸透膜装置を提供すること。
【解決手段】透過水集水管12の外周面に袋状の分離膜13を原水スペーサー11a、11bと共に巻回してなるスパイラル型膜エレメントであって、原水スペーサー11a、11bは、分離膜13の原水流入側端部15、又は原水流入側端部15と濃縮水流出側端部16に固設されてなる。
【選択図】 図1
【解決手段】透過水集水管12の外周面に袋状の分離膜13を原水スペーサー11a、11bと共に巻回してなるスパイラル型膜エレメントであって、原水スペーサー11a、11bは、分離膜13の原水流入側端部15、又は原水流入側端部15と濃縮水流出側端部16に固設されてなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業用水など濁度の高い原水であっても、前処理することなく、長期間に亘り安定な通水処理が可能なスパイラル型膜エレメント、逆浸透膜モジュール及び逆浸透膜装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、海水の淡水化や、超純水、各種製造プロセス用水を得る方法として、逆浸透膜(RO膜)やナノ濾過膜(NF膜)を透過膜とするスパイラル型膜エレメントを用い、原水中からイオン成分や低分子成分を分離する方法が知られている。図4に例示されるように、従来から一般的に使用されているスパイラル型膜エレメントは、透過水スペーサー42の両面に逆浸透膜41を重ね合わせて3辺を接着することにより袋状膜43を形成し、該袋状膜43の開口部を透過水集水管44に取り付け、網状の原水スペーサー45と共に、透過水集水管44の外周面にスパイラル状に巻回することにより構成されている。そして、原水46はスパイラル型膜エレメント40の一方の端面側4aから供給され、原水スペーサー45に沿って流れ、スパイラル型膜エレメント40の他方の端面側4bから濃縮水48として排出される。原水46は原水スペーサー45に沿って流れる過程で、逆浸透膜41を透過して透過水47となり、この透過水47は透過水スペーサー42に沿って透過水集水管44の内部に流れ込み、透過水集水管44の端部から排出される。このように、巻回された袋状膜43間に配設される原水スペーサー45により原水経路が形成されることになる。
【0003】
このようなスパイラル型膜エレメントを用いて海水の淡水化や、超純水、各種製造プロセス用水を得る場合、通常、原水の濁質などを除去する目的で前処理が行われている。この前処理を行う理由は、スパイラル型膜エレメントの原水スペーサーの厚みは、原水流路を確保しつつできる限り原水と逆浸透膜との接触面積を大きくとるため通常1mm以下と薄く、濁質が原水流路にある原水スペーサーに蓄積され、原水流路を閉塞し易い構造となっている。このため、予め原水中の濁質を除去して濁質蓄積による通水差圧の上昇や透過水量、透過水質の低下を回避し、長期間に亘り安定な運転を行うためである。このような除濁目的で用いられる前処理装置は、例えば、凝集沈殿処理、濾過処理及び膜処理などの各装置を含むものであり、これらの装置は、設置コストや運転コストを上昇させると共に、大きな設置面積を必要とするなどの問題を有していた。このため、従来例のような薄い原水スペーサーで原水流路を確保でき、従来と同等程度の脱塩率を維持できると共に、濁質が蓄積しない構造のスパイラル型膜エレメントが開発されれば、工業用水や水道水が前処理なしで供給でき、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化が可能となり、産業上の利用価値は極めて高いものとなる。
【0004】
一方、スパイラル型膜エレメントの濁質による原水流路の閉塞を防止するため、従来の格子の網目状原水スペーサーの構造を改善した種々の提案がなされている。特開昭64−47404号公報には、波板形であって該波形が蛇行する形状の原水スペーサーを用いるスパイラル型膜エレメントが開示されている。この蛇行波形形状の原水スペーサーは成型が困難であると共に、スパイラル状に巻回する際、流路が潰れる可能性が大であり、実用的ではない。
【0005】
特開平9−299770号公報には、第1の線材と第2の線材が互いに交差するように格子状に形成されてなり、第1の線材又は第2の線材が透過水集水管の長手方向と平行になるように原水スペーサーを配置する構造のものが開示されている。この構造の原水スペーサーによれば、原水が透過水集水管の長手方向と平行な方向にほぼ直線状に流れるため、圧力損失が低く、且つ原水の線速が大きくなり、原水中の濁質が蓄積し難くなる反面、集水管の長手方向に直角な方向に存在する線材が原水の流路を遮るため、当該線材に濁質が蓄積してしまい、やはり原水流路の閉塞を起こしてしまう。
【0006】
実開昭59−44506号公報には、両端部の隣接する膜封筒間に原水スペーサーが配設されているスパイラル型膜エレメントが記載されている。このスパイラル型膜エレメントによれば、高温流体を膜分離処理しても、原水スペーサーが膨張により膜面へ押し付けられるのを極力避けることができ、膜面の損傷を防止することができる。該公報には膜封筒間にある原水スペーサーが、膜封筒に接着されているか否かは不明であるものの、従来例を示す第1図との関係で記載されていることから、非接着で巻回されていることが窺い知れる。この場合、短冊状の原水スペーサーの複数枚を膜間の両端隣接位置に配置して製作することは困難であり、また長期間の運転中に原水流入側に配置した原水スペーサーは流れにのって中央部へ移動してしまい、また原水流出側に配置した原水スペーサーは脱落してしまう可能性があり、原水流路の確保が困難である。
【0007】
特開昭56−129006号公報には、原水スペーサーを省略し、透過水スペーサーに弾性変形を有する素材を使用し、原水側の運転圧力によって透過水スペーサーを潰して、原水流路を形成する方法が記載されている。しかし、この方法では、原水流入口が形成されておらず、運転開始時、原水流路への原水の供給が困難であるし、仮に通水が開始できたとしても原水の片流れが起こってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来提案されている原水スペーサーは、いずれも、原水流路内に原水の淀みが生じやすい部分が存在し、この部分において濁質の蓄積が起こるか、あるいは、原水スペーサーの一部又は全部の設置を省略したものは原水流路を安定して確保することができない等の問題があり、従来行われていた原水の前処理を省略するまでには至っていないのが現状である。原水流路を確保しつつ、原水の淀む部分のない流路を形成するという観点から、原水の流入側から流出側に向かって直線状又は略直線状に延在する線材のみで形成される構造のものが最も好適なものであるが、線材同士を繋ぐ構造ではないため、工業的に製作することは困難である。
【0009】
従って、本発明の目的は、工業用水など濁度の高い原水を前処理なしで供給しても、濁質が蓄積し難く、長期間に亘り安定な通水処理が可能なスパイラル型膜エレメント、逆浸透膜モジュール及び逆浸透膜装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、透過水集水管の外周面に袋状の分離膜を原水スペーサーと共に巻回してなるスパイラル型膜エレメントにおいて、原水中の濁質が蓄積するのは主に原水スペーサーの線材が交差する交点部分であること、原水流路の原水スペーサーを省略できれば、当然、濁質による原水流路の閉塞が起こらないこと、短冊状の原水スペーサーを分離膜の少なくとも流入側端部に固定できれば、脱落の問題は起こらず、原水流路が確保できると共に、濁質の蓄積は起こらないことなどを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明(1)は、透過水集水管の外周面に袋状の分離膜を原水スペーサーと共に巻回してなるスパイラル型膜エレメントであって、該原水スペーサーは、該分離膜の原水流入側端部、又は原水流入側端部と濃縮水流出側端部に固設されてなるスパイラル型膜エレメントを提供するものである。本発明によれば、少なくとも、原水流入側端部には原水スペーサーが存在するため、原水流路への原水の供給は可能となり、通水が開始した後は通水圧により分離膜間に所定厚みの原水流路が確保される。また、原水流路の大部分が原水スペーサーが存在しないこととなり、濁質の蓄積は起こらない。
【0012】
また、本発明(2)は、前記分離膜の原水流入側端部、又は原水流入側端部と濃縮水流出側端部への原水スペーサーの固設方法が、二つ折りされた原水スペーサーを当該端部に対して両側から挟持するようにして固定する方法であることを特徴とする前記(1)記載のスパイラル型膜エレメントを提供するものである。本発明によれば、前記発明と同様の効果を奏する他、接着剤を使用しなくとも、簡易な方法で固定することができる。
【0013】
また、本発明(3)は、前記原水スペーサーの固設手段が、接着によるものであることを特徴とする前記スパイラル型膜エレメントを提供するものである。本発明によれば、前記発明と同様の効果を奏する他、確実に固定できる。
【0014】
また、本発明(4)は、前記分離膜の原水流入側端部、又は濃縮水流出側端部の前記透過水集水管に対する長手方向における長さは、それぞれ該分離膜の原水流入側端、又は濃縮水流出側端から内側へ、該分離膜の透過水集水管に対する長手方向長さの1〜10%であることを特徴とする前記スパイラル型膜エレメントを提供するものである。本発明によれば、スパイラル型膜エレメントの特性や使用条件に見合った好適な適宜の数値を選択して作製することができ、実質原水スペーサーが存在しないような原水流路を形成できる。
【0015】
また、本発明(5)は、該原水スペーサーが固設された側の分離膜端面に、該原水スペーサーの脱落を防止するための網目状部材を付設したことを特徴とする前記スパイラル型膜エレメントを提供するものである。本発明によれば、原水の流れを妨げることなく、特に、二つ折りされた原水スペーサーを接着剤を使用することなく、当該端部に対して両側から挟持するようにして固定する方法の場合、分離膜からの原水スペーサーの脱落を有効に防止できる。
【0016】
また、本発明(6)は、前記スパイラル型膜エレメントを備えることを特徴とする逆浸透膜モジュールを提供するものである。本発明によれば、前記発明と同様の効果を奏する他、水処理施設内に搬入し易く、且つそのままの形態で処理ラインに装着できる。本発明(7)は、前記逆浸透膜モジュールを備えることを特徴とする逆浸透膜装置を提供するものである。本発明の逆浸透膜装置によれば、海水の淡水化や、超純水、各種製造プロセス用水を得る場合、工業用水や水道水など濁度の高い原水を前処理なしで供給でき、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化が可能となり、産業上の利用価値は極めて高い。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態におけるスパイラル型膜エレメントを図1を参照して説明する。図1は本例のスパイラル型膜エレメントの概略図である。図1中、スパイラル型膜エレメント10は透過水集水管12の外周面に袋状の分離膜13を原水スペーサー11と共に巻回してなるものであって、原水スペーサー11は、分離膜13の原水流入側端部15に固設される原水スペーサー11aと濃縮水流出側端部16に固設される原水スペーサー11bからなるものである。原水流入側端部15は、分離膜13の原水流入側Xの端18から透過水集水管12に対する長手方向における所定の長さ(図中、端から破線までの長さ)までの領域であり、濃縮水流出側端部16は、分離膜13の濃縮水流出側Yの端19から透過水集水管12に対する長手方向における所定の長さまでの領域である。この所定長さは、それぞれ該分離膜13の原水流入側Xの端18、又は濃縮水流出側Yの端19から内側へ、分離膜13の透過水集水管12に対する長手方向長さLの1〜10%である。透過水集水管12に対する長手方向における前記所定長さがLの1%未満であると、分離膜13に設置することが難しくなり、10%を越えると、原水スペーサー11への濁質の蓄積の問題が生じる。
【0018】
本例の原水スペーサー11a、11bは共に、設置場所を除いて同じものであるため、原水スペーサー11aについて説明する。原水スペーサー11aとしては、短冊状のメッシュ状物を使用することができる。短冊状物は、透過水集水管12取付け位置から透過水集水管12の長手方向に対して直角方向の分離膜13の端まで(分離膜の原水流入側Xの辺長さに相当)連続したものであっても、不連続のものであってもよいが、連続状物が取付け易さ及び原水流入口を安定して形成できる点で好適である。また、メッシュの目の形状としては、特に制限されず、ひし形、四角形、六角形、円形、楕円形、波形などが挙げられ、その線材同士の交差形態としては、特に制限されず、線材同士を織らずに接合した形態、平織りによる交差形態及びあや織りによる交差形態などが挙げられる。また、原水スペーサー11aの幅、すなわち、透過水集水管12に対する長手方向における長さは、前述した分離膜13の原水流入側端部15の長さと同じで、分離膜の透過水集水管12に対する長手方向の長さLの1〜10%である。また、原水スペーサー11の厚さは、0.4〜3.0mmの範囲である。厚さが0.4mm未満では、通水差圧の上昇を招くと共に、濁質の蓄積が生じ易くなる。一方、厚さが3.0mmを越えると、スパイラル状にした場合、1エレメント当たりの膜面積が小さくなり過ぎてしまい、実用的でない。また、原水スペーサーの材質としては、特に制限されないが、ポリプロピレンやポリエチレンが、成形性やコスト面から好ましい。また、原水スペーサーの製造方法は、特に制限されず、公知の方法を適用できるが、金型による成型品が、コスト面及び精度面からも好ましい。
【0019】
原水スペーサー11の固設方法としては、特に制限されないが、接着剤及び両面テープなどの接着手段で固定する方法が挙げられる。従来例にあるように原水スペーサーを固設することなく単に分離膜間に置く方法は、製作することが困難であると共に、原水流入側に配置した原水スペーサーは流れにのって中央部へ移動してしまい、また原水流出側に配置した原水スペーサーは脱落してしまう可能性があり、原水流路の確保が困難であるが、本例のように原水スペーサーを固定すれば、このような問題は解消される。
【0020】
スパイラル型膜エレメント10は、図1に示すような原水スペーサーを原水流入側端部15と濃縮水流出側端部16に併設するものの他、濃縮水流出側端部16に固設される原水スペーサー11bを省略し、原水流入側端部15のみの設置としたものであってもよい。このような実施の形態においても、原水流入側端部18には原水スペーサー11aが存在するため、原水流入口が形成され、原水の供給は可能となり、通水が開始した後は通水圧により分離膜13間に所定厚みの原水流路が確保される。
【0021】
更に、スパイラル型膜エレメント10は、上記実施の形態例の他、分離膜13の原水流入側端部15、又は原水流入側端部16と濃縮水流出側端部16への原水スペーサー11の固設方法が、二つ折りされた原水スペーサーを当該端部に対して両側から膜を挟持するようにして固定する方法で得られたものであってもよい(不図示)。これにより、製作が容易で、特に原水流入側端部15に固設された原水スペーサーは別途の接着手段を使用しなくとも、長期間運転において移動することがなく、原水流路を確実に形成することができる。この二つ折りされた原水スペーサーは二つ折りする前の形状として透過水集水管に対する長手方向における長さがほぼ2倍のものを使用し、且つ前記固設方法で設置する以外、図1に示す原水スペーサーと同様のものである。すなわち、二つ折り原水スペーサーは、短冊状のメッシュ状物を使用することができ、連続状物又は不連続状物であり、メッシュの目の形状やその線材同士の交差形態としても、特に制限されない。また、二つ折り原水スペーサーの材質及び厚みも図1の原水スペーサー11と同様である。原水流入側の端18から透過水集水管12に対する長手方向における長さ、すなわち、袋状分離膜13の一方の膜面に表れる原水スペーサーの当該長さも、同様に分離膜13の透過水集水管12に対する長手方向の長さLの1〜10%である。また、図1の原水スペーサー11の変形例と同様に、二つ折り原水スペーサーも濃縮水流出側端部16に固設される原水スペーサーを省略し、原水流入側端部15のみの設置としたものであってもよい。
【0022】
二つ折りされた原水スペーサーの固設方法は、前述の如く、該原水スペーサーを分離膜13の原水流入側端部15、又は濃縮水流出側端部16に対して両側から挟持するだけでよい。但し、濃縮水流出側端部16に固設する原水スペーサーは、接着剤又は両面テープなどで接着することが、分離膜から原水スペーサーが脱落することを確実に防止することができる点で好ましい。原水流入側端部15に固設された原水スペーサーは、挟み込みで固定できるが、接着剤や両面テープを使用すれば、一層確実に固定できる。
【0023】
二つ折りされた原水スペーサーは、複数枚の分離膜を使用する場合、全ての分離膜に固設してもよく、また、一枚置きの分離膜に固設してもよい。一枚置きの固設形態は、分離膜間の全てに原水スペーサーの設置が確保されると共に、原水スペーサーの設置数及び設置工程を省略することができる。また、分離膜の枚数が偶数毎であると、均一な巻回しができる点で好適である。二つ折りされた原水スペーサーを巻回しする場合、外側にくる原水スペーサーと内側にくる原水スペーサーでは、その長さに違いができ、均一な巻回しができないように思えるが、原水スペーサーは網目構造であることから、伸縮性に富み、外側が伸び内側が縮むことで、支障なく巻くことができる。この場合、外側にくる原水スペーサーに、透過水集水管の長手方向に切り込みを入れてもよい。これにより、原水スペーサーの伸縮性が加わって、更に円滑で支障なく巻くことができる。この切り込みは透過水集水管の長手方向の直角方向において、例えば10〜20cmの間隔で複数箇所設けてもよい。
【0024】
また、本例のスパイラル型膜エレメント10には、原水スペーサー11が固設された側の分離膜端面、本例では分離膜13の両端面に、網目状部材17a、17bを付設することが、後述するモジュールを構成した際、分離膜の該両端面に設置されるテレスコープ止めの数本の放射状のリブ間を原水スペーサーがすり抜けて脱落することを防止できる点で好ましい。網目状部材17a、17bは例えば中心が透過水集水管12が貫通する孔を有する円板状物であり、その材質は、特に制限されないが、ステンレス、鋳鉄、青銅などの金属、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。網目の形状及び大きさとしては、原水スペーサー11のすり抜けを防止できるものであれば特に制限されない。網目状部材17a、17bの付設方法としては、分離膜の該両端面とテレスコープ止めとで挟持するだけでよく、接着剤は用いても、用いなくともよい。
【0025】
本発明のスパイラル型膜エレメントにおいて、透過水集水管の外周面に袋状の分離膜を原水スペーサーと共に巻回する形態としては、1枚の袋状の分離膜を巻回したものであっても、複数の袋状の分離膜を巻回したもののいずれであってもよい。本発明のスパイラル型膜エレメントは精密濾過装置、限外濾過装置及び逆浸透膜分離装置などの膜分離装置に使用することができる。逆浸透膜としては、食塩水中の塩化ナトリウムに対する90%以上の高い除去率を有する通常の逆浸透膜、及び低脱塩率のナノ濾過膜やルーズ逆浸透膜が挙げられる。ナノ濾過膜やルーズ逆浸透膜は脱塩性能を有するものの、通常の逆浸透膜よりも脱塩性能が低いもので、特にCa、Mg等の硬度成分の分離性能を有するものである。なお、ナノ濾過膜とルーズ逆浸透膜はNF膜と称されることがある。
【0026】
本例のスパイラル型膜エレメント10によれば、原水流入側端部15には原水スペーサー11aが存在するため、原水流入口が形成され、原水の供給は可能となり、通水が開始した後は通水圧により分離膜間に所定厚みの原水流路が確保される。また、原水流路中、原水スペーサー11が存在しない部分11cが大部分を占めることとなり、ここには原水の流れを妨げるものは存在しないため、濁質の蓄積は起こらない。また、本例のスパイラル型膜エレメントを備えたモジュールを構成した際、分離膜の該両端面に当接するように設置されるテレスコープ止めの数本の放射状のリブ間の隙間を抜けて原水スペーサーが脱落することを防止できる。
【0027】
本発明の逆浸透膜モジュールは、前記スパイラル型膜エレメントを備えるものであれば特に制限されず、例えば図2に示す構造を有する逆浸透膜モジュールが挙げられる。図2に示したように、透過水集水管12の外周面に袋状の逆浸透膜21を逆浸透膜21の両端部の所定位置に固設された原水スペーサーと共にスパイラル状に巻きつけ、その上部を外装体22で被覆する。そしてスパイラル状に巻きつけた逆浸透膜21がせり出すのを防止するために、数本の放射状のリブ23を有するテレスコープ止め24が両端に取り付けられている。なお、逆浸透膜21の両端面とテレスコープ止め24の間には原水スペーサーの脱落を防止する網目状部材17が取り付けられている。これらの透過水集水管12、逆浸透膜21、外装体22、網目状部材17、テレスコープ止め24でひとつのスパイラル型膜エレメント10を形成し、夫々の透過水集水管12をコネクタ(図示せず)で連通して、ハウジング26内にスパイラル型膜エレメント10を複数個装填する。なお、スパイラル型膜エレメント10の外周とハンジング26の内周の間に隙間27が形成されるが、この隙間27をブラインシール28で閉塞してある。なおハウジング26の一端には原水をハウジング内部に流入するための原水流入管(図示せず)、また他端には透過水集水管12に連通する処理水管(図示せず)および非透過水管(図示せず)が付設され、ハウジング26、その内部部品および配管(ノズル)等で逆浸透膜モジュール29が構成される。
【0028】
このような構造の逆浸透膜モジュール29で原水を処理する場合は、ハウジング26の一端からポンプを用いて原水を圧入するが、図2において矢線で示したように原水はテレスコープ止め24の各放射状のリブ23の間を通って最初のスパイラル型膜エレメント10内に侵入し、一部の原水はスパイラル型膜エレメント10の膜間の原水スペーサーで区画される原水流路を通り抜けて次のスパイラル型膜エレメント10に達し、他部の原水は逆浸透膜21を透過して透過水となり当該透過水は透過水集水管12に集水される。このようにしてスパイラル型膜エレメント10に次々に原水が通り抜けて、逆浸透膜を透過しなかった原水は濁質及びイオン性不純物を高濃度で含む濃縮水としてハウジング26の他端から取り出され、また逆浸透膜を透過した透過水は透過水として透過水集水管12を介してハウジング26外に取り出される。なお、本発明の逆浸透膜モジュールは図2のように複数のスパイラル型膜エレメントを装着するものの他、例えばスパイラル型膜エレメント1個装着するものであってもよい。
【0029】
本発明の逆浸透膜装置としては、特に制限されないが、例えば前記逆浸透膜モジュールの1又は2以上、ポンプ等の原水供給手段、原水流入配管、濃縮水流出配管及び透過水流出配管を少なくとも備えるものである。本発明の逆浸透膜装置に直接供給される原水としては、工業用水、水道水及び回収水が挙げられる。原水の濁度としては、特に制限されないが、濁度2度程度の高い濁度のものであっても濁質の閉塞による通水差圧の上昇などを生じることがない。また、原水には原水中に砂粒などの粗大粒子を含む場合、予め目の粗いフィルターを通した処理水や、スケールやファウリングを防止するための分散剤を添加したものも含まれる。分散剤の添加により、原水スペーサーや膜面への濁質の蓄積を一層抑制することができる。分散剤としては、例えば市販品の「hypersperse MSI300」、「hypersperse MDC200」(共に、ARGO SCIENTIFIC社製)が挙げられる。本発明の逆浸透膜装置によれば、従来、原水中の濁質を除去する目的で用いられていた凝集沈殿処理、濾過処理及び膜処理などの前処理装置の設置を省略することができる。このため、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化が図れる点で画期的な効果を奏する。
【0030】
本発明の実施の形態における逆浸透膜装置の一例を図3を参照して説明する。図3において、逆浸透膜装置30は、原水供給装置31、前段逆浸透膜モジュール30A及び後段逆浸透膜モジュール30Bをこの順序で配置したものであり、原水供給装置31と前段逆浸透膜モジュール30Aは原水供給配管32で連結され、前段逆浸透膜モジュール30Aと後段逆浸透膜モジュール30Bは前段逆浸透膜モジュール30Aの透過水を後段の装置の被処理水として供給する一次透過水流出配管33で連結され、後段逆浸透膜モジュール30Bには透過水を排出する透過水流出配管34及び濃縮水を原水供給配管32に戻す戻り配管35を備える。また、前段逆浸透膜モジュール30Aには濃縮水流出配管36を備えている。前段逆浸透膜モジュール30Aは本発明に係る濁質の蓄積を起こさない逆浸透膜装置であり、後段逆浸透膜モジュール30Bは従来の逆浸透膜装置である。
【0031】
次に、本実施の形態例の逆浸透膜装置30を用いて原水を処理する方法を説明する。先ず、原水は原水供給手段31により前段逆浸透膜モジュール30Aに供給される。原水は前段逆浸透膜モジュール30Aで処理され、一次濃縮水を濃縮水流出配管36から得ると共に一次透過水流出配管33から一次透過水を得る。次いで、この一次透過水は後段逆浸透膜モジュール30Bで処理され、透過水流出配管34から二次透過水を得ると共に、二次濃縮水は戻り配管35から原水供給配管32に戻される。この二次濃縮水は既に前段逆浸透膜モジュール30Aで脱塩された透過水を後段逆浸透膜モジュール30Bで濃縮されたものであり、原水に比べて導電率が低い。このため、二次濃縮水の全量を循環させることが可能となり、水回収率を向上させることができる。また、逆浸透膜装置30は、従来型の装置で使用されている濁質除去のみを目的とした前処理装置の代わりに、本発明における濁質の蓄積が大幅に抑制できる逆浸透膜モジュールを前段に使用しているので、実質的に逆浸透膜を2段使用することになる。従来型の装置における前処理装置は当然脱塩機能がないので、逆浸透膜装置30は従来型の逆浸透膜装置と比較して透過水の水質も格段に優れる。
【0032】
【実施例】
実施例1
濁度2度、導電率20mS/mの工業用水を下記仕様の逆浸透膜モジュールAに通水し、下記運転条件下において、2000時間の耐久運転を行った。逆浸透膜モジュールAの性能評価は運転初期及び2000時間における通水差圧(MPa)、透過水量(l/分)及び透過水の導電率(mS/m)を測定することで行った。また、2000時間後、逆浸透膜モジュールを解体して原水流路内の濁質の付着状況を観察した。測定値の結果を表1に、原水流路の目視観察結果を表2に示す。
【0033】
(逆浸透膜モジュールA)
先ず、透過水集水管の長手方向における長さが100mm、厚さが1.0mmのメッシュ状の原水スペーサーAを作製した。次いで、この原水スペーサーAを用いて図1に示す構造のスパイラル型膜エレメントAを作製し、更に図2に示すような構造の逆浸透膜モジュールAを作製した。但し、分離膜の集水管の長手方向の長さLが1000mm、原水スペーサーの固設方法は二つ折りされた原水スペーサーにて膜を挟み込む形で設置し(原水流入側端部、濃縮水流出側端部共に50mmの幅で原水スペーサーAが取り付けられることとなる)、かつ脱落防止用のステンレス製金網を設けた。原水スペーサー、金網ともに接着はしなかった。また、該逆浸透膜モジュールAは1個のスパイラル型膜エレメントを収納した1個のモジュールとした。
(運転条件)
操作圧力が0.75MPa、濃縮水流量が2700m3/時間、水温が25℃で行った。また透過処理8時間毎に、透過処理を中断し、濃縮水流出管に付設されている弁を全開して透過処理における原水供給流量の3倍の流量で、60秒間原水を逆浸透膜モジュール内に流入し、洗浄排水を濃縮水流出管から流出させる、いわゆるフラッシングを行った。
【0034】
実施例2
濃縮水流出側の原水スペーサーを省略した以外、実施例1と同様の方法で逆浸透膜モジュールBを作製し、実施例1と同様の運転条件で2000時間の耐久運転を行った。逆浸透膜モジュールBの性能評価結果を表1及び表2に示す。
【0035】
実施例3
濁度2度、導電率20mS/mの工業用水を下記仕様で且つ前述の図3に示すフローの逆浸透膜装置に通水し、下記運転条件下において2000時間の耐久運転を行った。逆浸透膜装置の性能評価結果を表1及び表2に示す。なお、表1における結果は、後段逆浸透膜モジュールの結果である。
(逆浸透膜装置)
前段逆浸透膜モジュールとして、実施例1で使用した逆浸透膜モジュールAを用い、後段逆浸透膜モジュールとして、8インチエレメントES−10(日東電工社製)1個を装着したモジュール1個を用いた。このES−10に用いられている原水スペーサーは格子の網目状のものである。
(運転条件)
前段逆浸透膜モジュール及び後段逆浸透膜モジュール共に、操作圧力が0.75MPa、濃縮水流量が2700m3/時間、水温が25℃で行う。なお、前段逆浸透膜モジュールのみ、実施例1と同様なフラッシングを行った。
【0036】
比較例1
凝集沈殿処理、濾過処理及び膜処理からなる公知の前処理装置を前段に配置したこと、スパイラル型膜エレメントAの代わりに、8インチエレメントES−10(日東電工社製)を用いたこと以外、実施例1と同様の方法で行った。すなわち、濁度2度、導電率20mS/mの工業用水を、前処理装置で処理し、その処理水を従来の市販の逆浸透膜モジュールで更に処理した。その結果を表1及び表2に示す。
【0037】
比較例2
スパイラル型膜エレメントAの代わりに、8インチエレメントES−10(日東電工社製)を用いた以外、実施例1と同様の方法で行った。すなわち、濁度2度、導電率20mS/mの工業用水を、前処理装置で処理することなく直接従来の市販の逆浸透膜モジュールで処理した。その結果を表1及び表2に示す。なお、この比較例2では800時間頃に、通水差圧が極端に上昇し、透過水が得られなくなったため、この時点で運転を停止した。なお、表2の結果は、800時間経過後の運転停止時のものである。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
実施例1〜3において、2000時間後、通水差圧の上昇はほとんどなく、透過水量の低下もなく、透過水の水質も高いものであった。比較例1は2000時間後の性能評価において、実施例と遜色ない結果を示しているが、これは前処理装置を設置しており、設置場所や設置コストなどが余分に必要となる。従って、実施例1〜3の比較対象は比較例2であるが、比較例2は約800時間で透過水量がゼロになるまで濁質の付着が激しいものである。
【0041】
【発明の効果】
本発明のスパイラル型膜エレメントによれば、少なくとも原水流入側端部には原水スペーサーが存在するため、原水流路への原水の供給は可能となり、通水が開始した後は通水圧により分離膜間に所定厚みの原水流路が確保される。また、原水流路中、原水スペーサーが存在しない部分が大部分を占めることとなり、ここには原水の流れを妨げるものは存在しないため、濁質の蓄積は起こらない。また、網目状部材を分離膜の両端面に設置すれば、本例のスパイラル型膜エレメントを備えたモジュールを構成した際、原水スペーサーの脱落を防止することができる。本発明の逆浸透膜モジュール及び逆浸透膜装置によれば、従来、原水中の除濁目的で用いられていた前処理装置の設置を省略することができる。このため、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化が図れる点で顕著な効果を奏する。更に工業用水など濁度の高い原水を前処理なしで供給しても、濁質が蓄積し難く、長期間に亘り安定な通水処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態例におけるスパイラル型膜エレメントの概略図である。
【図2】本実施の形態例における逆浸透膜モジュールの構造の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における逆浸透膜装置の一例を示す図である。
【図4】従来の逆浸透膜モジュールの概略図である。
【符号の説明】
11、11a、11b 原水スペーサー
12 透過水集水管
13 分離膜
14 透過水スペーサー
15 原水流入側端部
16 濃縮水流出側端部
17a、17b 網目状部材
10 スパイラル型膜エレメント
29 逆浸透膜モジュール
30 逆浸透膜装置
X 原水流入側
Y 原水流出側
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業用水など濁度の高い原水であっても、前処理することなく、長期間に亘り安定な通水処理が可能なスパイラル型膜エレメント、逆浸透膜モジュール及び逆浸透膜装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、海水の淡水化や、超純水、各種製造プロセス用水を得る方法として、逆浸透膜(RO膜)やナノ濾過膜(NF膜)を透過膜とするスパイラル型膜エレメントを用い、原水中からイオン成分や低分子成分を分離する方法が知られている。図4に例示されるように、従来から一般的に使用されているスパイラル型膜エレメントは、透過水スペーサー42の両面に逆浸透膜41を重ね合わせて3辺を接着することにより袋状膜43を形成し、該袋状膜43の開口部を透過水集水管44に取り付け、網状の原水スペーサー45と共に、透過水集水管44の外周面にスパイラル状に巻回することにより構成されている。そして、原水46はスパイラル型膜エレメント40の一方の端面側4aから供給され、原水スペーサー45に沿って流れ、スパイラル型膜エレメント40の他方の端面側4bから濃縮水48として排出される。原水46は原水スペーサー45に沿って流れる過程で、逆浸透膜41を透過して透過水47となり、この透過水47は透過水スペーサー42に沿って透過水集水管44の内部に流れ込み、透過水集水管44の端部から排出される。このように、巻回された袋状膜43間に配設される原水スペーサー45により原水経路が形成されることになる。
【0003】
このようなスパイラル型膜エレメントを用いて海水の淡水化や、超純水、各種製造プロセス用水を得る場合、通常、原水の濁質などを除去する目的で前処理が行われている。この前処理を行う理由は、スパイラル型膜エレメントの原水スペーサーの厚みは、原水流路を確保しつつできる限り原水と逆浸透膜との接触面積を大きくとるため通常1mm以下と薄く、濁質が原水流路にある原水スペーサーに蓄積され、原水流路を閉塞し易い構造となっている。このため、予め原水中の濁質を除去して濁質蓄積による通水差圧の上昇や透過水量、透過水質の低下を回避し、長期間に亘り安定な運転を行うためである。このような除濁目的で用いられる前処理装置は、例えば、凝集沈殿処理、濾過処理及び膜処理などの各装置を含むものであり、これらの装置は、設置コストや運転コストを上昇させると共に、大きな設置面積を必要とするなどの問題を有していた。このため、従来例のような薄い原水スペーサーで原水流路を確保でき、従来と同等程度の脱塩率を維持できると共に、濁質が蓄積しない構造のスパイラル型膜エレメントが開発されれば、工業用水や水道水が前処理なしで供給でき、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化が可能となり、産業上の利用価値は極めて高いものとなる。
【0004】
一方、スパイラル型膜エレメントの濁質による原水流路の閉塞を防止するため、従来の格子の網目状原水スペーサーの構造を改善した種々の提案がなされている。特開昭64−47404号公報には、波板形であって該波形が蛇行する形状の原水スペーサーを用いるスパイラル型膜エレメントが開示されている。この蛇行波形形状の原水スペーサーは成型が困難であると共に、スパイラル状に巻回する際、流路が潰れる可能性が大であり、実用的ではない。
【0005】
特開平9−299770号公報には、第1の線材と第2の線材が互いに交差するように格子状に形成されてなり、第1の線材又は第2の線材が透過水集水管の長手方向と平行になるように原水スペーサーを配置する構造のものが開示されている。この構造の原水スペーサーによれば、原水が透過水集水管の長手方向と平行な方向にほぼ直線状に流れるため、圧力損失が低く、且つ原水の線速が大きくなり、原水中の濁質が蓄積し難くなる反面、集水管の長手方向に直角な方向に存在する線材が原水の流路を遮るため、当該線材に濁質が蓄積してしまい、やはり原水流路の閉塞を起こしてしまう。
【0006】
実開昭59−44506号公報には、両端部の隣接する膜封筒間に原水スペーサーが配設されているスパイラル型膜エレメントが記載されている。このスパイラル型膜エレメントによれば、高温流体を膜分離処理しても、原水スペーサーが膨張により膜面へ押し付けられるのを極力避けることができ、膜面の損傷を防止することができる。該公報には膜封筒間にある原水スペーサーが、膜封筒に接着されているか否かは不明であるものの、従来例を示す第1図との関係で記載されていることから、非接着で巻回されていることが窺い知れる。この場合、短冊状の原水スペーサーの複数枚を膜間の両端隣接位置に配置して製作することは困難であり、また長期間の運転中に原水流入側に配置した原水スペーサーは流れにのって中央部へ移動してしまい、また原水流出側に配置した原水スペーサーは脱落してしまう可能性があり、原水流路の確保が困難である。
【0007】
特開昭56−129006号公報には、原水スペーサーを省略し、透過水スペーサーに弾性変形を有する素材を使用し、原水側の運転圧力によって透過水スペーサーを潰して、原水流路を形成する方法が記載されている。しかし、この方法では、原水流入口が形成されておらず、運転開始時、原水流路への原水の供給が困難であるし、仮に通水が開始できたとしても原水の片流れが起こってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来提案されている原水スペーサーは、いずれも、原水流路内に原水の淀みが生じやすい部分が存在し、この部分において濁質の蓄積が起こるか、あるいは、原水スペーサーの一部又は全部の設置を省略したものは原水流路を安定して確保することができない等の問題があり、従来行われていた原水の前処理を省略するまでには至っていないのが現状である。原水流路を確保しつつ、原水の淀む部分のない流路を形成するという観点から、原水の流入側から流出側に向かって直線状又は略直線状に延在する線材のみで形成される構造のものが最も好適なものであるが、線材同士を繋ぐ構造ではないため、工業的に製作することは困難である。
【0009】
従って、本発明の目的は、工業用水など濁度の高い原水を前処理なしで供給しても、濁質が蓄積し難く、長期間に亘り安定な通水処理が可能なスパイラル型膜エレメント、逆浸透膜モジュール及び逆浸透膜装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、透過水集水管の外周面に袋状の分離膜を原水スペーサーと共に巻回してなるスパイラル型膜エレメントにおいて、原水中の濁質が蓄積するのは主に原水スペーサーの線材が交差する交点部分であること、原水流路の原水スペーサーを省略できれば、当然、濁質による原水流路の閉塞が起こらないこと、短冊状の原水スペーサーを分離膜の少なくとも流入側端部に固定できれば、脱落の問題は起こらず、原水流路が確保できると共に、濁質の蓄積は起こらないことなどを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明(1)は、透過水集水管の外周面に袋状の分離膜を原水スペーサーと共に巻回してなるスパイラル型膜エレメントであって、該原水スペーサーは、該分離膜の原水流入側端部、又は原水流入側端部と濃縮水流出側端部に固設されてなるスパイラル型膜エレメントを提供するものである。本発明によれば、少なくとも、原水流入側端部には原水スペーサーが存在するため、原水流路への原水の供給は可能となり、通水が開始した後は通水圧により分離膜間に所定厚みの原水流路が確保される。また、原水流路の大部分が原水スペーサーが存在しないこととなり、濁質の蓄積は起こらない。
【0012】
また、本発明(2)は、前記分離膜の原水流入側端部、又は原水流入側端部と濃縮水流出側端部への原水スペーサーの固設方法が、二つ折りされた原水スペーサーを当該端部に対して両側から挟持するようにして固定する方法であることを特徴とする前記(1)記載のスパイラル型膜エレメントを提供するものである。本発明によれば、前記発明と同様の効果を奏する他、接着剤を使用しなくとも、簡易な方法で固定することができる。
【0013】
また、本発明(3)は、前記原水スペーサーの固設手段が、接着によるものであることを特徴とする前記スパイラル型膜エレメントを提供するものである。本発明によれば、前記発明と同様の効果を奏する他、確実に固定できる。
【0014】
また、本発明(4)は、前記分離膜の原水流入側端部、又は濃縮水流出側端部の前記透過水集水管に対する長手方向における長さは、それぞれ該分離膜の原水流入側端、又は濃縮水流出側端から内側へ、該分離膜の透過水集水管に対する長手方向長さの1〜10%であることを特徴とする前記スパイラル型膜エレメントを提供するものである。本発明によれば、スパイラル型膜エレメントの特性や使用条件に見合った好適な適宜の数値を選択して作製することができ、実質原水スペーサーが存在しないような原水流路を形成できる。
【0015】
また、本発明(5)は、該原水スペーサーが固設された側の分離膜端面に、該原水スペーサーの脱落を防止するための網目状部材を付設したことを特徴とする前記スパイラル型膜エレメントを提供するものである。本発明によれば、原水の流れを妨げることなく、特に、二つ折りされた原水スペーサーを接着剤を使用することなく、当該端部に対して両側から挟持するようにして固定する方法の場合、分離膜からの原水スペーサーの脱落を有効に防止できる。
【0016】
また、本発明(6)は、前記スパイラル型膜エレメントを備えることを特徴とする逆浸透膜モジュールを提供するものである。本発明によれば、前記発明と同様の効果を奏する他、水処理施設内に搬入し易く、且つそのままの形態で処理ラインに装着できる。本発明(7)は、前記逆浸透膜モジュールを備えることを特徴とする逆浸透膜装置を提供するものである。本発明の逆浸透膜装置によれば、海水の淡水化や、超純水、各種製造プロセス用水を得る場合、工業用水や水道水など濁度の高い原水を前処理なしで供給でき、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化が可能となり、産業上の利用価値は極めて高い。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態におけるスパイラル型膜エレメントを図1を参照して説明する。図1は本例のスパイラル型膜エレメントの概略図である。図1中、スパイラル型膜エレメント10は透過水集水管12の外周面に袋状の分離膜13を原水スペーサー11と共に巻回してなるものであって、原水スペーサー11は、分離膜13の原水流入側端部15に固設される原水スペーサー11aと濃縮水流出側端部16に固設される原水スペーサー11bからなるものである。原水流入側端部15は、分離膜13の原水流入側Xの端18から透過水集水管12に対する長手方向における所定の長さ(図中、端から破線までの長さ)までの領域であり、濃縮水流出側端部16は、分離膜13の濃縮水流出側Yの端19から透過水集水管12に対する長手方向における所定の長さまでの領域である。この所定長さは、それぞれ該分離膜13の原水流入側Xの端18、又は濃縮水流出側Yの端19から内側へ、分離膜13の透過水集水管12に対する長手方向長さLの1〜10%である。透過水集水管12に対する長手方向における前記所定長さがLの1%未満であると、分離膜13に設置することが難しくなり、10%を越えると、原水スペーサー11への濁質の蓄積の問題が生じる。
【0018】
本例の原水スペーサー11a、11bは共に、設置場所を除いて同じものであるため、原水スペーサー11aについて説明する。原水スペーサー11aとしては、短冊状のメッシュ状物を使用することができる。短冊状物は、透過水集水管12取付け位置から透過水集水管12の長手方向に対して直角方向の分離膜13の端まで(分離膜の原水流入側Xの辺長さに相当)連続したものであっても、不連続のものであってもよいが、連続状物が取付け易さ及び原水流入口を安定して形成できる点で好適である。また、メッシュの目の形状としては、特に制限されず、ひし形、四角形、六角形、円形、楕円形、波形などが挙げられ、その線材同士の交差形態としては、特に制限されず、線材同士を織らずに接合した形態、平織りによる交差形態及びあや織りによる交差形態などが挙げられる。また、原水スペーサー11aの幅、すなわち、透過水集水管12に対する長手方向における長さは、前述した分離膜13の原水流入側端部15の長さと同じで、分離膜の透過水集水管12に対する長手方向の長さLの1〜10%である。また、原水スペーサー11の厚さは、0.4〜3.0mmの範囲である。厚さが0.4mm未満では、通水差圧の上昇を招くと共に、濁質の蓄積が生じ易くなる。一方、厚さが3.0mmを越えると、スパイラル状にした場合、1エレメント当たりの膜面積が小さくなり過ぎてしまい、実用的でない。また、原水スペーサーの材質としては、特に制限されないが、ポリプロピレンやポリエチレンが、成形性やコスト面から好ましい。また、原水スペーサーの製造方法は、特に制限されず、公知の方法を適用できるが、金型による成型品が、コスト面及び精度面からも好ましい。
【0019】
原水スペーサー11の固設方法としては、特に制限されないが、接着剤及び両面テープなどの接着手段で固定する方法が挙げられる。従来例にあるように原水スペーサーを固設することなく単に分離膜間に置く方法は、製作することが困難であると共に、原水流入側に配置した原水スペーサーは流れにのって中央部へ移動してしまい、また原水流出側に配置した原水スペーサーは脱落してしまう可能性があり、原水流路の確保が困難であるが、本例のように原水スペーサーを固定すれば、このような問題は解消される。
【0020】
スパイラル型膜エレメント10は、図1に示すような原水スペーサーを原水流入側端部15と濃縮水流出側端部16に併設するものの他、濃縮水流出側端部16に固設される原水スペーサー11bを省略し、原水流入側端部15のみの設置としたものであってもよい。このような実施の形態においても、原水流入側端部18には原水スペーサー11aが存在するため、原水流入口が形成され、原水の供給は可能となり、通水が開始した後は通水圧により分離膜13間に所定厚みの原水流路が確保される。
【0021】
更に、スパイラル型膜エレメント10は、上記実施の形態例の他、分離膜13の原水流入側端部15、又は原水流入側端部16と濃縮水流出側端部16への原水スペーサー11の固設方法が、二つ折りされた原水スペーサーを当該端部に対して両側から膜を挟持するようにして固定する方法で得られたものであってもよい(不図示)。これにより、製作が容易で、特に原水流入側端部15に固設された原水スペーサーは別途の接着手段を使用しなくとも、長期間運転において移動することがなく、原水流路を確実に形成することができる。この二つ折りされた原水スペーサーは二つ折りする前の形状として透過水集水管に対する長手方向における長さがほぼ2倍のものを使用し、且つ前記固設方法で設置する以外、図1に示す原水スペーサーと同様のものである。すなわち、二つ折り原水スペーサーは、短冊状のメッシュ状物を使用することができ、連続状物又は不連続状物であり、メッシュの目の形状やその線材同士の交差形態としても、特に制限されない。また、二つ折り原水スペーサーの材質及び厚みも図1の原水スペーサー11と同様である。原水流入側の端18から透過水集水管12に対する長手方向における長さ、すなわち、袋状分離膜13の一方の膜面に表れる原水スペーサーの当該長さも、同様に分離膜13の透過水集水管12に対する長手方向の長さLの1〜10%である。また、図1の原水スペーサー11の変形例と同様に、二つ折り原水スペーサーも濃縮水流出側端部16に固設される原水スペーサーを省略し、原水流入側端部15のみの設置としたものであってもよい。
【0022】
二つ折りされた原水スペーサーの固設方法は、前述の如く、該原水スペーサーを分離膜13の原水流入側端部15、又は濃縮水流出側端部16に対して両側から挟持するだけでよい。但し、濃縮水流出側端部16に固設する原水スペーサーは、接着剤又は両面テープなどで接着することが、分離膜から原水スペーサーが脱落することを確実に防止することができる点で好ましい。原水流入側端部15に固設された原水スペーサーは、挟み込みで固定できるが、接着剤や両面テープを使用すれば、一層確実に固定できる。
【0023】
二つ折りされた原水スペーサーは、複数枚の分離膜を使用する場合、全ての分離膜に固設してもよく、また、一枚置きの分離膜に固設してもよい。一枚置きの固設形態は、分離膜間の全てに原水スペーサーの設置が確保されると共に、原水スペーサーの設置数及び設置工程を省略することができる。また、分離膜の枚数が偶数毎であると、均一な巻回しができる点で好適である。二つ折りされた原水スペーサーを巻回しする場合、外側にくる原水スペーサーと内側にくる原水スペーサーでは、その長さに違いができ、均一な巻回しができないように思えるが、原水スペーサーは網目構造であることから、伸縮性に富み、外側が伸び内側が縮むことで、支障なく巻くことができる。この場合、外側にくる原水スペーサーに、透過水集水管の長手方向に切り込みを入れてもよい。これにより、原水スペーサーの伸縮性が加わって、更に円滑で支障なく巻くことができる。この切り込みは透過水集水管の長手方向の直角方向において、例えば10〜20cmの間隔で複数箇所設けてもよい。
【0024】
また、本例のスパイラル型膜エレメント10には、原水スペーサー11が固設された側の分離膜端面、本例では分離膜13の両端面に、網目状部材17a、17bを付設することが、後述するモジュールを構成した際、分離膜の該両端面に設置されるテレスコープ止めの数本の放射状のリブ間を原水スペーサーがすり抜けて脱落することを防止できる点で好ましい。網目状部材17a、17bは例えば中心が透過水集水管12が貫通する孔を有する円板状物であり、その材質は、特に制限されないが、ステンレス、鋳鉄、青銅などの金属、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。網目の形状及び大きさとしては、原水スペーサー11のすり抜けを防止できるものであれば特に制限されない。網目状部材17a、17bの付設方法としては、分離膜の該両端面とテレスコープ止めとで挟持するだけでよく、接着剤は用いても、用いなくともよい。
【0025】
本発明のスパイラル型膜エレメントにおいて、透過水集水管の外周面に袋状の分離膜を原水スペーサーと共に巻回する形態としては、1枚の袋状の分離膜を巻回したものであっても、複数の袋状の分離膜を巻回したもののいずれであってもよい。本発明のスパイラル型膜エレメントは精密濾過装置、限外濾過装置及び逆浸透膜分離装置などの膜分離装置に使用することができる。逆浸透膜としては、食塩水中の塩化ナトリウムに対する90%以上の高い除去率を有する通常の逆浸透膜、及び低脱塩率のナノ濾過膜やルーズ逆浸透膜が挙げられる。ナノ濾過膜やルーズ逆浸透膜は脱塩性能を有するものの、通常の逆浸透膜よりも脱塩性能が低いもので、特にCa、Mg等の硬度成分の分離性能を有するものである。なお、ナノ濾過膜とルーズ逆浸透膜はNF膜と称されることがある。
【0026】
本例のスパイラル型膜エレメント10によれば、原水流入側端部15には原水スペーサー11aが存在するため、原水流入口が形成され、原水の供給は可能となり、通水が開始した後は通水圧により分離膜間に所定厚みの原水流路が確保される。また、原水流路中、原水スペーサー11が存在しない部分11cが大部分を占めることとなり、ここには原水の流れを妨げるものは存在しないため、濁質の蓄積は起こらない。また、本例のスパイラル型膜エレメントを備えたモジュールを構成した際、分離膜の該両端面に当接するように設置されるテレスコープ止めの数本の放射状のリブ間の隙間を抜けて原水スペーサーが脱落することを防止できる。
【0027】
本発明の逆浸透膜モジュールは、前記スパイラル型膜エレメントを備えるものであれば特に制限されず、例えば図2に示す構造を有する逆浸透膜モジュールが挙げられる。図2に示したように、透過水集水管12の外周面に袋状の逆浸透膜21を逆浸透膜21の両端部の所定位置に固設された原水スペーサーと共にスパイラル状に巻きつけ、その上部を外装体22で被覆する。そしてスパイラル状に巻きつけた逆浸透膜21がせり出すのを防止するために、数本の放射状のリブ23を有するテレスコープ止め24が両端に取り付けられている。なお、逆浸透膜21の両端面とテレスコープ止め24の間には原水スペーサーの脱落を防止する網目状部材17が取り付けられている。これらの透過水集水管12、逆浸透膜21、外装体22、網目状部材17、テレスコープ止め24でひとつのスパイラル型膜エレメント10を形成し、夫々の透過水集水管12をコネクタ(図示せず)で連通して、ハウジング26内にスパイラル型膜エレメント10を複数個装填する。なお、スパイラル型膜エレメント10の外周とハンジング26の内周の間に隙間27が形成されるが、この隙間27をブラインシール28で閉塞してある。なおハウジング26の一端には原水をハウジング内部に流入するための原水流入管(図示せず)、また他端には透過水集水管12に連通する処理水管(図示せず)および非透過水管(図示せず)が付設され、ハウジング26、その内部部品および配管(ノズル)等で逆浸透膜モジュール29が構成される。
【0028】
このような構造の逆浸透膜モジュール29で原水を処理する場合は、ハウジング26の一端からポンプを用いて原水を圧入するが、図2において矢線で示したように原水はテレスコープ止め24の各放射状のリブ23の間を通って最初のスパイラル型膜エレメント10内に侵入し、一部の原水はスパイラル型膜エレメント10の膜間の原水スペーサーで区画される原水流路を通り抜けて次のスパイラル型膜エレメント10に達し、他部の原水は逆浸透膜21を透過して透過水となり当該透過水は透過水集水管12に集水される。このようにしてスパイラル型膜エレメント10に次々に原水が通り抜けて、逆浸透膜を透過しなかった原水は濁質及びイオン性不純物を高濃度で含む濃縮水としてハウジング26の他端から取り出され、また逆浸透膜を透過した透過水は透過水として透過水集水管12を介してハウジング26外に取り出される。なお、本発明の逆浸透膜モジュールは図2のように複数のスパイラル型膜エレメントを装着するものの他、例えばスパイラル型膜エレメント1個装着するものであってもよい。
【0029】
本発明の逆浸透膜装置としては、特に制限されないが、例えば前記逆浸透膜モジュールの1又は2以上、ポンプ等の原水供給手段、原水流入配管、濃縮水流出配管及び透過水流出配管を少なくとも備えるものである。本発明の逆浸透膜装置に直接供給される原水としては、工業用水、水道水及び回収水が挙げられる。原水の濁度としては、特に制限されないが、濁度2度程度の高い濁度のものであっても濁質の閉塞による通水差圧の上昇などを生じることがない。また、原水には原水中に砂粒などの粗大粒子を含む場合、予め目の粗いフィルターを通した処理水や、スケールやファウリングを防止するための分散剤を添加したものも含まれる。分散剤の添加により、原水スペーサーや膜面への濁質の蓄積を一層抑制することができる。分散剤としては、例えば市販品の「hypersperse MSI300」、「hypersperse MDC200」(共に、ARGO SCIENTIFIC社製)が挙げられる。本発明の逆浸透膜装置によれば、従来、原水中の濁質を除去する目的で用いられていた凝集沈殿処理、濾過処理及び膜処理などの前処理装置の設置を省略することができる。このため、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化が図れる点で画期的な効果を奏する。
【0030】
本発明の実施の形態における逆浸透膜装置の一例を図3を参照して説明する。図3において、逆浸透膜装置30は、原水供給装置31、前段逆浸透膜モジュール30A及び後段逆浸透膜モジュール30Bをこの順序で配置したものであり、原水供給装置31と前段逆浸透膜モジュール30Aは原水供給配管32で連結され、前段逆浸透膜モジュール30Aと後段逆浸透膜モジュール30Bは前段逆浸透膜モジュール30Aの透過水を後段の装置の被処理水として供給する一次透過水流出配管33で連結され、後段逆浸透膜モジュール30Bには透過水を排出する透過水流出配管34及び濃縮水を原水供給配管32に戻す戻り配管35を備える。また、前段逆浸透膜モジュール30Aには濃縮水流出配管36を備えている。前段逆浸透膜モジュール30Aは本発明に係る濁質の蓄積を起こさない逆浸透膜装置であり、後段逆浸透膜モジュール30Bは従来の逆浸透膜装置である。
【0031】
次に、本実施の形態例の逆浸透膜装置30を用いて原水を処理する方法を説明する。先ず、原水は原水供給手段31により前段逆浸透膜モジュール30Aに供給される。原水は前段逆浸透膜モジュール30Aで処理され、一次濃縮水を濃縮水流出配管36から得ると共に一次透過水流出配管33から一次透過水を得る。次いで、この一次透過水は後段逆浸透膜モジュール30Bで処理され、透過水流出配管34から二次透過水を得ると共に、二次濃縮水は戻り配管35から原水供給配管32に戻される。この二次濃縮水は既に前段逆浸透膜モジュール30Aで脱塩された透過水を後段逆浸透膜モジュール30Bで濃縮されたものであり、原水に比べて導電率が低い。このため、二次濃縮水の全量を循環させることが可能となり、水回収率を向上させることができる。また、逆浸透膜装置30は、従来型の装置で使用されている濁質除去のみを目的とした前処理装置の代わりに、本発明における濁質の蓄積が大幅に抑制できる逆浸透膜モジュールを前段に使用しているので、実質的に逆浸透膜を2段使用することになる。従来型の装置における前処理装置は当然脱塩機能がないので、逆浸透膜装置30は従来型の逆浸透膜装置と比較して透過水の水質も格段に優れる。
【0032】
【実施例】
実施例1
濁度2度、導電率20mS/mの工業用水を下記仕様の逆浸透膜モジュールAに通水し、下記運転条件下において、2000時間の耐久運転を行った。逆浸透膜モジュールAの性能評価は運転初期及び2000時間における通水差圧(MPa)、透過水量(l/分)及び透過水の導電率(mS/m)を測定することで行った。また、2000時間後、逆浸透膜モジュールを解体して原水流路内の濁質の付着状況を観察した。測定値の結果を表1に、原水流路の目視観察結果を表2に示す。
【0033】
(逆浸透膜モジュールA)
先ず、透過水集水管の長手方向における長さが100mm、厚さが1.0mmのメッシュ状の原水スペーサーAを作製した。次いで、この原水スペーサーAを用いて図1に示す構造のスパイラル型膜エレメントAを作製し、更に図2に示すような構造の逆浸透膜モジュールAを作製した。但し、分離膜の集水管の長手方向の長さLが1000mm、原水スペーサーの固設方法は二つ折りされた原水スペーサーにて膜を挟み込む形で設置し(原水流入側端部、濃縮水流出側端部共に50mmの幅で原水スペーサーAが取り付けられることとなる)、かつ脱落防止用のステンレス製金網を設けた。原水スペーサー、金網ともに接着はしなかった。また、該逆浸透膜モジュールAは1個のスパイラル型膜エレメントを収納した1個のモジュールとした。
(運転条件)
操作圧力が0.75MPa、濃縮水流量が2700m3/時間、水温が25℃で行った。また透過処理8時間毎に、透過処理を中断し、濃縮水流出管に付設されている弁を全開して透過処理における原水供給流量の3倍の流量で、60秒間原水を逆浸透膜モジュール内に流入し、洗浄排水を濃縮水流出管から流出させる、いわゆるフラッシングを行った。
【0034】
実施例2
濃縮水流出側の原水スペーサーを省略した以外、実施例1と同様の方法で逆浸透膜モジュールBを作製し、実施例1と同様の運転条件で2000時間の耐久運転を行った。逆浸透膜モジュールBの性能評価結果を表1及び表2に示す。
【0035】
実施例3
濁度2度、導電率20mS/mの工業用水を下記仕様で且つ前述の図3に示すフローの逆浸透膜装置に通水し、下記運転条件下において2000時間の耐久運転を行った。逆浸透膜装置の性能評価結果を表1及び表2に示す。なお、表1における結果は、後段逆浸透膜モジュールの結果である。
(逆浸透膜装置)
前段逆浸透膜モジュールとして、実施例1で使用した逆浸透膜モジュールAを用い、後段逆浸透膜モジュールとして、8インチエレメントES−10(日東電工社製)1個を装着したモジュール1個を用いた。このES−10に用いられている原水スペーサーは格子の網目状のものである。
(運転条件)
前段逆浸透膜モジュール及び後段逆浸透膜モジュール共に、操作圧力が0.75MPa、濃縮水流量が2700m3/時間、水温が25℃で行う。なお、前段逆浸透膜モジュールのみ、実施例1と同様なフラッシングを行った。
【0036】
比較例1
凝集沈殿処理、濾過処理及び膜処理からなる公知の前処理装置を前段に配置したこと、スパイラル型膜エレメントAの代わりに、8インチエレメントES−10(日東電工社製)を用いたこと以外、実施例1と同様の方法で行った。すなわち、濁度2度、導電率20mS/mの工業用水を、前処理装置で処理し、その処理水を従来の市販の逆浸透膜モジュールで更に処理した。その結果を表1及び表2に示す。
【0037】
比較例2
スパイラル型膜エレメントAの代わりに、8インチエレメントES−10(日東電工社製)を用いた以外、実施例1と同様の方法で行った。すなわち、濁度2度、導電率20mS/mの工業用水を、前処理装置で処理することなく直接従来の市販の逆浸透膜モジュールで処理した。その結果を表1及び表2に示す。なお、この比較例2では800時間頃に、通水差圧が極端に上昇し、透過水が得られなくなったため、この時点で運転を停止した。なお、表2の結果は、800時間経過後の運転停止時のものである。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
実施例1〜3において、2000時間後、通水差圧の上昇はほとんどなく、透過水量の低下もなく、透過水の水質も高いものであった。比較例1は2000時間後の性能評価において、実施例と遜色ない結果を示しているが、これは前処理装置を設置しており、設置場所や設置コストなどが余分に必要となる。従って、実施例1〜3の比較対象は比較例2であるが、比較例2は約800時間で透過水量がゼロになるまで濁質の付着が激しいものである。
【0041】
【発明の効果】
本発明のスパイラル型膜エレメントによれば、少なくとも原水流入側端部には原水スペーサーが存在するため、原水流路への原水の供給は可能となり、通水が開始した後は通水圧により分離膜間に所定厚みの原水流路が確保される。また、原水流路中、原水スペーサーが存在しない部分が大部分を占めることとなり、ここには原水の流れを妨げるものは存在しないため、濁質の蓄積は起こらない。また、網目状部材を分離膜の両端面に設置すれば、本例のスパイラル型膜エレメントを備えたモジュールを構成した際、原水スペーサーの脱落を防止することができる。本発明の逆浸透膜モジュール及び逆浸透膜装置によれば、従来、原水中の除濁目的で用いられていた前処理装置の設置を省略することができる。このため、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化が図れる点で顕著な効果を奏する。更に工業用水など濁度の高い原水を前処理なしで供給しても、濁質が蓄積し難く、長期間に亘り安定な通水処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態例におけるスパイラル型膜エレメントの概略図である。
【図2】本実施の形態例における逆浸透膜モジュールの構造の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における逆浸透膜装置の一例を示す図である。
【図4】従来の逆浸透膜モジュールの概略図である。
【符号の説明】
11、11a、11b 原水スペーサー
12 透過水集水管
13 分離膜
14 透過水スペーサー
15 原水流入側端部
16 濃縮水流出側端部
17a、17b 網目状部材
10 スパイラル型膜エレメント
29 逆浸透膜モジュール
30 逆浸透膜装置
X 原水流入側
Y 原水流出側
Claims (7)
- 透過水集水管の外周面に袋状の分離膜を原水スペーサーと共に巻回してなるスパイラル型膜エレメントであって、該原水スペーサーは、該分離膜の原水流入側端部、又は原水流入側端部と濃縮水流出側端部に固設されてなることを特徴とするスパイラル型膜エレメント。
- 前記分離膜の原水流入側端部、又は原水流入側端部と濃縮水流出側端部への原水スペーサーの固設方法が、二つ折りされた原水スペーサーを当該端部に対して両側から挟持するようにして固定する方法であることを特徴とする請求項1記載のスパイラル型膜エレメント。
- 前記原水スペーサーの固設手段が、接着によるものであることを特徴とする請求項1又は2のスパイラル型膜エレメント。
- 前記分離膜の原水流入側端部、又は濃縮水流出側端部の前記透過水集水管に対する長手方向における長さは、それぞれ該分離膜の原水流入側端、又は濃縮水流出側端から内側へ、該分離膜の透過水集水管に対する長手方向長さの1〜10%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のスパイラル型膜エレメント。
- 該原水スペーサーが固設された側の分離膜端面に、該原水スペーサーの脱落を防止するための網目状部材を付設したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のスパイラル型膜エレメント。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のスパイラル型膜エレメントを備える逆浸透膜モジュール。
- 請求項6記載の逆浸透膜モジュールを備える逆浸透膜装置。
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