JP2004049804A - ステント及びステントグラフト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このステント20は、金属線材21を編んで筒状に形成されたものからなり、金属線材21を2重にして環状に編んだ2重編み部分23が、軸方向に沿って少なくとも1箇所にあることを特徴としている。そして、このステント20の内周及び/又は外周を筒状カバー30で覆うことにより、ステント付きグラフト30を構成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば血管、尿管、胆管、気管などの人体の管状器官に挿入、配置されるステント及びステントグラフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、血管、尿管、胆管、気管などの人体の管状器官における治療のため、カテーテルを通してステントを挿入し配置することが行われている。例えば血管の狭窄部にステントを配置して拡張したり、動脈瘤が形成された箇所にステントを配置して動脈瘤の破裂を防止する治療方法が知られている。特に動脈瘤の治療においては、ステントの外周にグラフトという織布を被覆してなるステントグラフトが使用されている。
【0003】
従来のステントとして、例えば特開平11−57021号には、所定本数の線条がサインカーブ状に撚り組まれて円筒篭状の組み紐構造に形成されており、その円筒篭状の組み紐構造の両末端は線条の折り返しまたは接合によりループ構造に形成してあり、全体として各線条が末端のない無限ループとなっていることを特徴とするステントが開示されている。
【0004】
また、特許第2975584号には、ジグザグ状の多数のバンドを有する円筒形から形成された一本のフィラメントからなる体腔拡張用ステントにおいて、上記バンドは多数の直線部、ピーク部及び谷形部を備え、上記ピーク部と谷形部はステントの円周方向に、そして同一の平面上に配置され、上記バンドを形成する谷形部には、隣接する下部バンドのピーク部が、少なくとも一回転半以上の捻りのツイスト方式で連結され、上記隣接する下部バンドのフィラメントは隣接する上部バンドの終わり直線部から下方に延長するフィラメントであることを特徴とする体腔拡張用ステントが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらのステントは、カテーテルの先端部内周に装着された状態で、人体の管状器官の所定箇所まで運ばされ、そこでカテーテルから押し出されることによって、管状器官内に留置されるようになっている。このため、カテーテルの先端部内周に装着する際には、容易に縮径させることができ、カテーテルから押出されたときには、十分な拡張力で管状器官を押し広げることができること、すなわち弾性的な拡張力が要求される。
【0006】
しかしながら、拡張力が強すぎると、縮径させるのが大変で、カテーテル内からの押出しも困難になり、拡張力が弱すぎると、管状器官を十分に拡径できないという問題がある。
【0007】
また、線材を編んで形成したステントでは、特に両端部において、縮径した状態から拡張した状態に復帰しにくいという問題があった。更に、管状器官の治療箇所によっては、閉塞した箇所が部分的にあって、ステントの特定箇所における拡張力が特に要求される場合もあった。
【0008】
更にまた、ステント全体の拡張力を高めると、屈曲に対する反発力も強くなるので、管状器官の治療箇所が屈曲しているような場合には、ステントを留置したときに、ステントが直線状態に戻ろうとして、管状器官内壁に常に局所的な押圧力を付与するので、好ましくない影響を与える可能性があった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、カテーテル内周に装着する際には、容易に縮径させることができ、カテーテルから押出されたときには、十分な拡張力で管状器官を押し広げることができると共に、管状器官内の屈曲形状にも適合しやすいステント及びステントグラフトを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1は、金属線材を編んで筒状に形成してなるステントにおいて、線材を多重にして環状に編んだ多重編み部分が、軸方向に沿って少なくとも1箇所にあることを特徴とするステントを提供するものである。
【0011】
上記発明によれば、線材を多重にして環状に編んだ多重編み部分を有することにより、ステントの拡張力を部分的に高めることができる。例えば、ステントの拡張しにくい部分や、管状器官の局所的に閉塞した部分などに対応して、上記多重編み部分を設けることにより、ステント全体の拡張力を高めなくても、必要とされる拡張力を付与することができ、それによって、縮径時の反発力を弱くして縮径しやすくし、管状器官の屈曲した部分に挿入した場合でも、屈曲形状に適合して反発力による局所的な押圧力がかからないようにすることができる。
【0012】
また、線材を多重にして編むことにより、太い線材と細い線材とを併用して編む場合よりも製造が容易となると共に、太い線材によって拡張力を高めた場合に比べて曲げ力に対する柔軟性を増すことができ、大きな曲げ力が作用しても線材の折れ等を防止することができる。
【0013】
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記多重編み部分は、連続した1本の線材を同じパターンで複数回繰り返して編むことにより形成されているステントを提供するものである。
【0014】
上記発明によれば、連続した1本の線材を同じパターンで複数回繰り返して編むことにより前記多重編み部分を形成するので、製造作業性が向上すると共に、線材の連結部分を少なくすることができる。
【0015】
本発明の第3は、前記第1又は第2の発明において、前記多重編み部分に対して、軸方向に隣接した位置には、環状の1重編み部分があり、前記多重編み部分の端部に位置する線材と、前記1重編み部分の端部に位置する線材とが、互いに絡み合って軸方向に連結されているステントを提供するものである。
【0016】
上記発明によれば、多重編み部分によって、必要とされる拡張力を付与すると共に、1重編み部分によって、縮径しやすさを維持し、軸方向に屈曲しやすくすることができる。また、多重編み部分の端部に位置する線材と、1重編み部分の端部に位置する線材とが、互いに絡み合って軸方向に連結されているので、拡張力を向上させると共に、軸方向に屈曲しやすくすることができる。
【0017】
本発明の第4は、前記第1〜3の発明のいずれかにおいて、前記多重編み部分が、少なくとも一方の端部に配置されているステントを提供するものである。
【0018】
上記発明によれば、ステントの端部の拡張力を向上させて、管状器官内に挿入したときに、ステント全体をより確実に拡張させることが可能となる。
【0019】
本発明の第5は、前記第1〜4のいずれかの発明によるステントと、該ステントの内周及び/又は外周を覆う筒状カバーとを備えたステントグラフトを提供するものである。
【0020】
上記発明によれば、例えば血管の動脈瘤の内側に配置して、血流が動脈瘤側に流れ込むことを防止できる。
【0021】
なお、筒状カバーは、縫着、接着、溶着などの公知の固定手段を用いて、ステントの一部又は全部に固定することができる。特に、筒状カバーは、本発明のステントの端部又は端部付近に固定することが好ましい。また、筒状カバーは、ステントの外周及び/又は内周の一部又は全てを覆うことができるが、ステントの外周を覆うように装着されることが好ましい。
【0022】
また、本発明において、線材を多重にして環状に編んだ多重編み部分は、2重編みであることがより好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。本発明は、これらの実施の形態のみに限定されるものではない。
【0024】
図1〜3には、本発明によるステントグラフトの一実施形態が示されている。図1は同ステントグラフトを示し、(a)はそれに用いるステントの斜視図、(b)は筒状カバーを一部切り欠いて示すステントグラフトの斜視図、図2は同ステントグラフトの編パターンを示す部分展開図、図3は同ステントグラフトを血管の動脈瘤の内側に配置した状態を示す説明図である。
【0025】
図1に示すように、このステントグラフト10は、好ましくは1本の金属線材21をメッシュ状かつ筒状に編んで形成したステント20と、このステント20を覆う筒状のカバー30とを有している。
【0026】
図2を併せて参照すると、ステント20は、周方向に沿って環状に平織りされた部分どうしを、軸方向に連結されて構成されている。環状に平織りされた部分は、ステント20の両端部に配置された2重編み部分23と、これらの間に配置された1重編み部分22とで構成されている。2重編み部分23は、径方向の拡張力が高く、1重編み部分22は、縮径しやすく、屈曲しやすいという特性を有している。
【0027】
そして、各環状の編み部分22、23は、それらの軸方向端部に位置する線材を絡み部24a、24bで互いに絡み合わせて、軸方向に連結されている。絡み部24aは、1重編み部分22どうしの線材を絡ませた部分からなり、絡み部24bは、2重編み部分23の線材と、1重編み部分22の線材とを絡み合わせた部分からなっている。これらの絡み部24a、24bによって、径方向の拡張力が向上すると共に、軸方向には、より屈曲しやすくなる。
【0028】
この実施形態においては、ステント20の全体は、1本の線材21で編まれており、2重編み部分23は、この1本の線材21を同じパターン(もしくは同じ経路)で2回繰り返して編むことによって形成されている。このように、1本の線材21で全体を編むことにより、途中で線材21どうしを繋ぐ必要がなくなるので、作業性が向上すると共に、繋ぎ目による出っ張りとか、屈曲性の低下とか、折れ易さとかの問題の発生を防ぐことができる。
【0029】
なお、本発明のステント20においては、例えば1本の線材21を同じパターンで3回以上繰り返して編むことにより、3重以上の多重編み部分を設けることもできる。
【0030】
筒状カバー30は、ステント20の外周を覆い、その両端部でステント20に縫着されている。筒状カバー30は、ステント20の内周を覆うように装着されてもよく、内周と外周の両面を覆うように装着されてもよく、更には、ステント20の一部を覆うように装着されてもよいが、好ましくは、ステント20の外周を覆うように装着される。
【0031】
金属線材21の交差点は、固着されていない方が好ましく、それによって、線材21どうしのずれの自由度が高まり、カテーテル挿入時の縮径や、カテーテルから押出したときの拡径をしやすくすることができる。金属線材21の端部どうしが重なる部分や、金属線材21の端部と金属線材21が重なる部分は、例えば半田、金属ろう、接着剤等で固着してもよく、又は金属材料等にてかしめてもよい。
【0032】
なお、金属線材21の材料としては、熱処理による形状記憶効果や、超弾性が付与される形状記憶合金が好ましく採用されるが、用途によってはステンレス、タンタル、チタン、白金、金、タングステンなどを用いてもよい。形状記憶合金としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などが好ましく使用される。また、形状記憶合金の表面に金、白金などをメッキ等の手段で被覆したものであってもよい。金属線材21の太さは、特に限定されないが、例えば血管用ステント等の場合には、0.08〜1mmが好ましい。
【0033】
筒状カバー30は、熱可塑性樹脂を押出し成形、ブロー成形などの成形方法で円筒状に形成したもの、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の不織布、円筒状に形成した可撓性樹脂のシートや多孔質シートなどを用いることができる。編織物としては、平織、綾織などの公知の編物や織物を用いることができる。また、筒状カバー30としては、クリンプ加工などのヒダの付いたものを使用することもできる。また、筒状カバー30は、カバーの側部に穴を設けたものを使用することができる。
【0034】
これらの中でも、筒状カバー30としては、特に円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、更には円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の平織りの織物が、強度及び有孔度、生産性が優れるため好ましい。
【0035】
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂などの耐久性と組織反応の少ない樹脂などを用いることができる。
【0036】
特に、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少ない、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂を好ましく用いることができる。
【0037】
上記筒状カバー30は、上記実施形態においては、ステント20の両端部に縫着されているが、接着、溶着等によって固着することもできる。この場合、ステント20の縮径や拡径を妨げないように、ステント20への固着箇所を選定する必要がある。
【0038】
筒状カバー30や、該カバーを構成する繊維、更にステント20を構成する金属線材21は、ヘパリン、コラーゲン、アセチルサリチル酸、ゼラチン等の抗血栓性材料で被覆処理されているものを用いることもできる。
【0039】
また、上記ステントグラフト10の適当な箇所、例えば両端部等には、X線不透過性材料が固着されていてもよい。X線不透過性材料としては、例えば金、白金、イリジウム、タンタル、タングステン、銀等や、それらを含有する合金などが好ましく使用される。X線不透過性材料は、ステント20に、半田付け、ろう付け、溶着、接着、カシメ等の手段で固着することができる。
【0040】
また、こうして得られた本発明のステントグラフト10は、その外径が2〜50mm、長さが1〜20cm程度であることが好ましい。
【0041】
次に、上記ステントグラフト10の使用方法について説明する。このステントグラフト10は、血管、尿管、胆管、気管支などの人体管状器官のあらゆる箇所に適用可能であるが、特に血管の動脈瘤の内側に配置して、血液が動脈瘤内に流入することを阻止し、動脈瘤の破裂を防止する治療に好適である。
【0042】
動脈瘤の治療のために血管に挿入する場合の手順の一例を説明すると、次の通りである。まず、常法によりガイドワイヤを血管内に挿入し、その先端を患部に位置させた後、ガイドワイヤ外周に沿って親カテーテルを挿入し、その先端が目的箇所に到達したら、ガイドワイヤを引き抜く。
【0043】
そして、ステントグラフト10を縮径させて、子カテーテルの先端部に挿入する。このとき、ステントグラフト10のステント20は、金属線材21どうしが比較的自由に位置ずれし、かつ、その交差角も比較的自由に変えられるので、縮径しやすくなっており、特に1重編み部分22を有することから縮径しやすさが維持されている。
【0044】
こうして子カテーテルの先端が患部に到達したら、子カテーテル内にプッシャを挿入して、ステントグラフト10を、図3に示す血管イの動脈瘤イ’の内側に押出す。すると、ステントグラフト10は、自己拡張型であるため、それ自信の拡張力によって拡径する。その結果、ステントグラフト10は、その両端部が動脈瘤イ’の両端部内周に密接して配置される。
【0045】
このとき、ステントグラフト10を構成するステント20の両端部は、2重編み部分23からなるので、径方向に対する拡張力が高くなっており、ステント20を血管イ内で確実に拡張させると共に、ステントグラフト10の両端部を動脈瘤イ’の両端部内周に圧接させて、血流が動脈瘤イ’内に侵入するのを阻止する働きをなす。
【0046】
また、ステント20の両端部の2重編み部分23の間は、1重編み部分22からなっているので、柔軟性に富んでいる。更に、環状の2重編み部分23及び1重編み部分22は、絡み部24a、24bによって軸方向に連結されており、上記絡み部24a、24bは、径方向に対しては拡張力を増大させ、軸方向においては屈曲性を向上させる。したがって、屈曲した血管イ内に配置しても、その形状に適合しやすく、血管イの内壁に局部的な押圧力を付与することがない。
【0047】
図4には本発明のステントに採用される編構造における絡め形状の他の実施形態が示されている。なお、以下に説明する各実施形態において、図1〜3に示した実施形態と実質的に同一部分には、同符合を付して、その説明を省略又は簡略化することにする。
【0048】
この実施形態のステント20Aは、図1〜3に示したステント20と基本的には変わらないが、絡め部24a、24bにおける絡め方向が、軸方向において交互に変わっている点だけが相違している。
【0049】
すなわち、図4の上方に位置する2重編み部分23aと、それに隣接する1重編み部分22bとは、図中A1で囲まれた状態で絡み合って、絡み部24bを構成している。また、上記1重編み部分22bと、その下方の1重編み部分22cとは、図中A2で囲まれた状態で絡み合って、絡み部24aを構成している。更に、上記1重編み部分22cと、その下方の1重編み部分22dとは、図中A3で囲まれた状態で絡み合って、絡み部24aを構成している。
【0050】
そして、A1で囲まれた絡み部24bと、A2で囲まれた絡み部24aとは、上下の線材の絡み方向が逆になっている。同様に、A2で囲まれた絡み部24aと、A3で囲まれた絡み部24aも、上下の線材の絡み方向が逆になっている。このように、この実施形態では、各環状の編み部分23a、22b、22c、22d、22e、22f、23gを連結する絡み部24a、24bの絡み方向が、軸方向に沿って交互に逆になるように編まれている。
【0051】
図5〜7には本発明のステントグラフトの他の実施形態が示されている。
【0052】
この実施形態のステントグラフト10Bは、ステント20Bの編みパターンが前記実施形態と異なっている。すなわち、ステント20Bは、1重編み部分22と2重編み部分23とで構成されているが、2重編み部分23が、ステント20Bの軸方向の中間部に配置されている。その他の構造は、図1〜3の実施形態と同様である。
【0053】
このステントグラフト10Bによれば、例えば図7に示すように、血管イの患部に閉塞した部位イ”があり、その両側に動脈瘤イ’があったような場合に、上記ステント20Bの2重編み部分23が上記閉塞部位イ”に配置されるように挿入して留置することにより、閉塞部位イ”を効果的に拡張することができる。また、ステント20Bの2重編み部分23の両側は、1重編み部分22となっているので、ステント20B全体としては、縮径しやすく、かつ、屈曲しやすくすることができ、挿入時の作業性を向上させると共に、血管イ内に配置されたときのなじみ性を良好にすることができる。
【0054】
図8、9には本発明のステントグラフトの更に他の実施形態が示されている。この実施形態のステントグラフト10Cは、ステント20Cの編みパターンが前記各実施形態と異なっている。すなわち、ステント20Cは、軸方向の中間部に環状の1重編み部分22を有し、軸方向の両端部に環状の2重編み部分23を有している。
【0055】
上方の2重編み部分23から、U字状に屈曲した1本の線材21aが所定間隔で複数箇所に延出され、その屈曲した端部が、その下方に位置する1重編み部分22の十字状の交差点25に屈曲端部を外周側に向けて絡み付いている。なお、ここで外周側とは、図9における紙面側を意味する。
【0056】
また、中間の1重編み部分22の上下から、U字状に屈曲した線材21bが所定間隔で複数箇所に延出されており、上下の2重編み部分23の十字状の交差点26に、同じく屈曲端部を外周側に向けて絡み付いている。
【0057】
更に、下方の2重編み部分23から、U字状に屈曲した2重の線材21cが所定間隔で複数箇所に延出され、その屈曲した端部が、その上方に位置する1重編み部分22の十字状の交差点25に屈曲端部を外周側に向けて絡み付いている。
【0058】
このように、それぞれの編み部分22、23から、U字状に屈曲した線材21a、21b、21cを延出させて、それぞれの編み部分22、23の十字状の交差点25、26に絡み付かせている。
【0059】
また、各環状の編み部分22、23の間には、U字状に屈曲した線材21a、21b、21cが並列した線密度の低い環状部分27が構成されている。
【0060】
このステントグラフト10Cにおいては、U字状に屈曲した線材21a、21b、21cが、各環状の編み部分22、23を連結しているので、軸方向に屈曲しやすく、かつ、屈曲させたときに線材21どうしで摩擦力が効果的に付与されるので屈曲形状を維持しやすくなっている。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カテーテル内周に装着する際には、容易に縮径させることができ、カテーテルから押出されたときには、十分な拡張力で管状器官を押し広げることができる。
【0062】
また、線材を多重にして環状に編んだ多重編み部分を有することにより、ステントの拡張力を部分的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるステントグラフトの一実施形態を示し、(a)はそれに用いるステントの斜視図、(b)は筒状カバーを一部切り欠いて示すステントグラフトの斜視図である。
【図2】同ステントグラフトに用いられるステントの編パターンを示す部分展開図である。
【図3】同ステントグラフトを血管の動脈瘤の内側に配置した状態を示す説明図である。
【図4】本発明によるステントの他の実施形態における編みパターンを示す部分展開図である。
【図5】本発明によるステントグラフトの他の実施形態を示し、(a)はそれに用いるステントの斜視図、(b)は筒状カバーを一部切り欠いて示すステントグラフトの斜視図である。
【図6】同ステントグラフトに用いられるステントの編パターンを示す部分展開図である。
【図7】同ステントグラフトを血管の動脈瘤の内側に配置した状態を示す説明図である。
【図8】本発明によるステントグラフトの更に他の実施形態を示し、(a)はそれに用いるステントの斜視図、(b)は筒状カバーを一部切り欠いて示すステントグラフトの斜視図である。
【図9】同ステントグラフトに用いられるステントの編パターンを示す部分展開図である。
【符号の説明】
10、10B、10C ステントグラフト
20、20A、20B、20C ステント
21 金属線材
21a、21b、21c U字状に屈曲した線材
22、22b、22c、22d、22e、22f 1重編み部分
23、23a、23g 2重編み部分
24a、24b 絡み部
25、26 十字状の交差点
30 筒状カバー
イ 血管
イ’ 動脈瘤
イ” 閉塞部位
Claims (5)
- 金属線材を編んで筒状に形成してなるステントにおいて、線材を多重にして環状に編んだ多重編み部分が、軸方向に沿って少なくとも1箇所にあることを特徴とするステント。
- 前記多重編み部分は、連続した1本の線材を同じパターンで複数回繰り返して編むことにより形成されている請求項1記載のステント。
- 前記多重編み部分に対して、軸方向に隣接した位置には、環状の1重編み部分があり、前記多重編み部分の端部に位置する線材と、前記1重編み部分の端部に位置する線材とが、互いに絡み合って軸方向に連結されている請求項1又は2記載のステント。
- 前記多重編み部分が、少なくとも一方の端部に配置されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のステント。
- 請求項1〜4に記載のステントと、該ステントの内周及び/又は外周を覆う筒状カバーとを備えたステントグラフト。
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