JP2004046989A - 復調回路、情報再生装置、及び情報再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の復調回路及び情報再生装置は、ウォブリング信号の搬送波成分とPLLで生成した搬送波間の位相ずれを検出・補正する位相誤差検出回路の規模が大きいという課題があった。
【解決手段】メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段と、上記搬送波生成回路の出力した搬送波を、上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させる位相調整手段と、上記ウォブリング信号と上記位相調整手段の出力される位相調整後の搬送波とから位相復調を行う位相復調手段と、上記位相復調手段の出力から上記情報の同期信号を検出し、その検出結果により、上記位相調整手段による上記所定の遅延量を決定する同期検出手段とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段と、上記搬送波生成回路の出力した搬送波を、上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させる位相調整手段と、上記ウォブリング信号と上記位相調整手段の出力される位相調整後の搬送波とから位相復調を行う位相復調手段と、上記位相復調手段の出力から上記情報の同期信号を検出し、その検出結果により、上記位相調整手段による上記所定の遅延量を決定する同期検出手段とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウォブリングされたトラック構造を持ち、ウォブリングされたトラックの一部に位相変調で埋め込まれた情報を含む書込み型光ディスク等に対する情報再生装置、情報再生方法、及びこの装置でウォブリングされたトラック上に埋め込まれた情報を復調するために用いられる復調回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
記録系ディスク・メディアでは、一般的に予め製造時に各半径位置における線速度を正確に検出するために、CLV(Constant Linear Velocity:線速度一定)回転制御を行った時にウォブル信号周波数が一定になるようにトラックをウォブリングさせるフォーマットを採用している。よって、それらのディスクに対する情報記録再生装置ではこのウォブリング信号を検出してディスクの回転を制御したり、記録用クロックを生成したりしている。また、未記録領域での記録位置の特定が可能なようにアドレス情報も必要であるが、例えば特開平10−69646号公報で示されているように上述したトラックのウォブルに位相変調を施す方法も考えられている。
【0003】
この位相変調されたアドレス情報(ウォブリング信号)の復調回路としては、特公平6−19898号公報に示されているアナログ的方式や特開平5−260413公報に示されているデジタル的な方式がある。これらはウォブリング信号を元に、その位相情報が重畳されている搬送波を後段のPLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)などで生成し、両者の位相差(2相位相変調の場合は0度または180度)を検出し、情報を復調している。これらは、ウォブリング信号の本来の搬送波成分と、PLLで生成した搬送波の間に位相ずれが発生すると、位相復調の性能が落ち、誤検出が発生するようになる。
また、ここで問題となる位相ずれを検出して補正する復調回路及び情報記録再生装置としては、特開2001−126413公報で示されている方式がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の特開2001−126413公報に開示された復調回路のような構成を取る場合、ウォブリング信号の本来の搬送波成分と、PLLで生成した搬送波の間との位相ずれを検出・補正するために、積算器や低域検出器等からなる位相誤差検出用の回路を設けて、位相調整器にフィードバックするために、位相誤差検出の回路規模が増加するという課題があった。また、これらの従来の復調回路を用いた情報再生装置において、CAV(角速度一定)回転制御の場合、光ピックアップの移動を伴うシーク後に、位相復調結果から得られる物理アドレスの再生が正しく行えるまで時間がかかるため、シーク動作時間が長くなるという課題があった。
【0005】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、位相誤差検出用の回路を不要としながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な、また、回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な復調回路、該復調回路を有する情報再生装置、及び該情報再生装置において、シーク時間を短縮できる情報再生方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明の請求項1に記載の復調回路は、位相変調方式を用いてトラックをウォブリングすることにより予めメディアに埋め込まれた情報を復調する復調回路であって、上記メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段から出力した搬送波を上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させて位相調整を行う位相調整手段と、上記メディアから得られたウォブリング信号と、上記位相調整手段から出力される位相調整後の搬送波とから位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調手段と、上記位相復調信号から上記情報の同期信号を検出し、その検出結果により、上記位相調整手段による上記所定の遅延量を決定する同期検出手段とを備えたものである。
これにより、位相誤差検出用の回路を不要とし、回路規模の増加を抑えながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な復調回路を提供することができる。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の復調回路は、請求項1に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段にて同期信号が所定回数だけ検出されることが確認されるまで、所定時間間隔毎に変更していくことにより決定される。
これにより、検出回数と時間間隔を設定して、位相ずれ状態から位相調整済み状態に移行するまでの応答性、つまり引込み速度を変更することができる。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の復調回路は、請求項1または2に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段にて同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に変更され、それ以外の場合は現在の遅延量が保持される。
これにより、制限時間と同期信号の未検出回数を設定して、位相調整済み状態から位相ずれ状態(位相合わせ込み状態)に移行するまでの応答性、つまり引込み安定性を変更することができる。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載の復調回路は、請求項1ないし3のいずれかに記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、設定されたメディアの記録あるいは再生の速度に応じて調整されるものである。
これにより、メディアの記録あるいは再生の速度に比例するウォブリング信号の周波数に合った遅延量の調整を行うことができる。
【0010】
また、本発明の請求項5に記載の復調回路は、位相変調方式を用いてトラックをウォブリングすることにより予めメディアに埋め込まれた情報を復調する復調回路であって、上記メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段から出力した搬送波を、上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させて位相調整を行う位相調整手段と、上記メディアから得られたウォブリング信号と、上記位相調整手段から出力される位相調整後の搬送波とから位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調手段と、上記位相復調信号からノイズ幅を検出し、該検出したノイズ幅に応じて上記所定の遅延量を決定するノイズ検出手段と、上記位相復調信号から上記メディアに埋め込まれた情報の同期信号を検出する同期検出手段とを備えたものである。
これにより、ノイズ検出手段を用いて、搬送波の遅延量を補正するので、位相誤差検出用の回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な復調回路を提供することができる。
【0011】
また、本発明の請求項6に記載の復調回路は、請求項5に記載の復調回路において、上記ノイズ検出手段は、上記位相復調信号からノイズ幅の検出を行うとともに、ノイズ成分を除去した位相復調信号を上記同期検出手段に送るものである。
これにより、ノイズを除去して、幅を持った同期信号の検出がしやすくなり、同期信号の検出率が向上し、また、ノイズ幅の検出結果を位相誤差補正値として用いることにより、より安定して復調できる。
【0012】
また、本発明の請求項7に記載の復調回路は、請求項5または6に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段の同期信号検出状況に応じて調整されるものである。
これにより、ノイズの原因が位相誤差以外の場合でも安定して復調することができる。
【0013】
また、本発明の請求項8に記載の復調回路は、請求項7に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段において同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に、上記ノイズ検出手段により決定した所定の遅延量が適用され、それ以外の場合は現在の遅延量が保持されるものである。
これにより、ノイズの原因が位相誤差以外の場合でも安定して復調することができる。
【0014】
また、本発明の請求項9に記載の復調回路は、請求項5ないし8のいずれかに記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、設定されたメディアの記録あるいは再生の速度に応じて調整されるものである。
これにより、メディアの記録あるいは再生の速度に比例するウォブリング信号の周波数に合った遅延量の調整を行うことができる。
【0015】
また、本発明の請求項10に記載の情報再生装置は、メディア上に光ビームを照射して上記メディアからの反射光量を電気的な信号に変換する光ピックアップと、光ビームを照射中の位置情報を上記光ピックアップから検出し、上記位置情報を基に上記メディア上の光ビームの照射位置を制御するサーボ手段と、上記光ピックアップの位置を移動させる光ピックアップ移送手段と、請求項1ないし9のいずれかに記載の復調回路を有し、上記光ピックアップから上記メディア上の情報を検出し、復調処理を行う情報再生手段と、上記サーボ手段と上記情報再生手段とを制御するシステム制御手段とを備えたものである。
これにより、位相誤差検出用の回路を不要として回路規模を抑えながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な情報再生装置を提供することができ、また、位相誤差検出用の回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な情報再生装置を提供することができる。
【0016】
また、本発明の請求項11に記載の情報再生装置は、請求項10に記載の情報再生装置において、上記システム制御手段は、上記復調回路における位相調整手段の遅延量が、上記光ピックアップ移送手段にて移動した上記光ピックアップの照射位置毎に予め保存され、メディアの再生における光ピックアップの移動時に、該保存された移動先の光ピックアップ位置に対応した上記遅延量を設定するものである。
これにより、光ピックアップの移動後早いタイミングで物理アドレス情報の再生が可能で、シーク時間を短縮でき、光ピックアップの移動時に早く安定した位相復調を行うことができる情報再生装置を提供することができる。
【0017】
また、本発明の請求項12に記載の情報再生方法は、メディア上の光ピックアップを所定の照射位置に移動させる光ピックアップ移動ステップと、現在の光ピックアップ位置で請求項1ないし9のいずれかに記載の復調回路を動作させ、上記復調回路における同期検出手段から安定して同期信号の検出ができるまで待つ同期信号検出待ちステップと、上記復調回路における位相調整手段から搬送波の遅延量を読み出して、該読み出した遅延量を、システム全体を制御するシステム制御手段に保存する遅延量保存ステップと、上記システム制御手段に保存した遅延量から、ピックアップ位置に対応した遅延量を読み出し、該読み出した遅延量を上記復調回路における位相調整手段に設定する遅延量設定ステップとから構成され、メディア上の光ピックアップを内周から外周までの所定範囲に移動させるようにして、上記光ピックアップ移動ステップ、上記同期信号検出待ちステップ、及び上記遅延量保存ステップを繰り返し行い、各々の光ピックアップ位置に対応した遅延量を予め上記システム制御手段に保存しておき、メディアの再生における光ピックアップの移動時に、上記システム制御手段に保存した遅延量から、移動先の光ピックアップの位置に対応した遅延量を読み出し、該読み出した遅延量を上記遅延量設定ステップによって設定するものである。
これにより、光ピックアップの移動後、早いタイミングで物理アドレス情報の再生が可能で、シーク時間を短縮でき、光ピックアップの移動時に早く安定した位相復調を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る復調回路の構成を示すブロック図である。
図において、本実施の形態1に係る復調回路は、メディアから得られたウォブリング信号の搬送波を抽出する搬送波生成手段として、入力したウォブリング信号のノイズや位相変調成分を取り除くBPF(Band Pass Filter:帯域通過フィルタ)101、アナログ信号からディジタル信号に変換する2値化器108、及び安定して搬送波信号を発生させるPLL(Phase Locked loop:位相同期ループ回路)102と、上記搬送波生成手段から出力した搬送波を、ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させて位相調整を行う位相調整手段として、位相調整器103と、ウォブリング信号のノイズ成分のみを除去するLPF(Low Pass Filter:低域通過フィルタ)104と、LPF104からの出力をアナログ信号からディジタル信号に変換する2値化器109と、位相復調手段として、上記搬送波生成手段からの出力、及びLPF104と2値化信号109とを通過したウォブリング信号から位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調器105と、上記位相復調信号から当該再生する情報の同期信号を検出する同期検出手段として、同期検出回路106と、復号器107とから構成される。
【0019】
次に、本発明の実施の形態1に係る復調回路の動作を説明する。
まず、入力したウォブリング信号に対して、ノイズや位相変調成分を取り除くためにBPF101などの帯域通過フィルタを通して2値化した後、安定して搬送波信号を発生させるためのPLL102を経て搬送波信号を抽出する。この搬送波信号はウォブリング信号の周波数を抜き出しており、位相は安定している。ただし、搬送波信号の抽出の際、BPF101などの帯域通過フィルタを通しているため、搬送波信号は入力ウォブリング信号に対して位相ずれが発生している。また、この位相ずれ量は、通常、ウォブリング信号の周波数や振幅に応じて変動する。
【0020】
一方で、入力したウォブリング信号は、別途ノイズ成分のみを除去するためにLPF104などの低域通過フィルタを通過させ、2値化した後、抽出した搬送波信号と位相を比較して位相復調を行う位相復調器105に入力する。位相復調器105でウォブリング信号と搬送波信号との位相比較が正しく行えるように、PLL102の出力である搬送波信号は、位相調整器103に入力して所定の遅延量だけ遅延させ、上述した位相ずれを補正してから位相調整後の搬送波として位相復調器105に入力する。
【0021】
まず、特開2001−52446で例示された同期符号(同期信号)とデータ符号(データ信号)を用いて、位相復調器105の入出力信号例を中心としたタイミング図を描いたものを、図2に示す。以後も、同じ同期信号とデータ信号を用いて、動作の説明を行う。図2において、(a)は入力ウォブリング信号S201の波形、(b)はPLL102の出力である搬送波S202の波形、(c)は位相調整器103を通して位相調整した後の搬送波S203の波形、(d)はLPF104と2値化器109を通した後のウォブリング信号S204の波形、(e)は位相復調器105の出力である位相復調信号S205の波形、(f)は位相復調データとSYNC(同期符号)やデータ符号の関係を示したものである。このように、位相復調器105では、搬送波S203の位相とウォブリング信号S204の位相とを比較し、同位相の場合はHigh{(f)では0}を、逆位相の場合はLow{(f)では1}を出力する。
【0022】
このように位相復調を行った後の位相復調データを同期検出回路106に入力して同期信号の検出を行い、同期信号の検出タイミングを復号器107に通知する。復号器107では、同期信号の検出タイミングに従って位相復調されたデータ符号を復号する。具体的に図2の(f)を用いて説明すると、データ符号「10」をデータ「0」に、データ符号「01」をデータ「1」に復号する。このように復号したデータからディスク上の物理アドレスなどの埋め込み情報を得ることができる。
【0023】
次に、位相復調器105に入力する搬送波の位相とウォブリング信号の位相とがずれている場合について、波形を交えながら説明する。
この場合の信号波形例を、図3に示す。位相復調器105に入力する搬送波の位相とウォブリング信号の位相とがずれている場合、図3(e)のように、位相調整器103で位相調整しきれていないために、位相誤差が許容範囲を越えると位相復調信号S205の波形にはノイズが発生する。これらのノイズの発生によって同期信号の検出を誤るようになるため、同期検出回路106は、定期的に同期信号を正しく検出できていた状態から、同期信号の検出を甘くするか同期信号を補間してデータ符号の復号タイミングを生成する状態に移行する。このように、同期検出回路106で同期信号の検出ができなくなった場合には、再度同期信号の検出ができるようになるまで、位相調整器103の遅延量を更新していくことにより、位相誤差を一定範囲に収めるような制御を行うことができる。
【0024】
なお、ここで、位相調整器103における搬送波の遅延量の調整方法として、同期検出回路106において同期信号が所定の回数だけ検出されることが確認されるまで、所定の時間間隔毎に変更して決定するようにしてもよい。同期信号の検出回数と時間間隔の設定により、位相ずれ状態から位相調整済み状態に移行するまでの応答性、つまり引込み速度を変更することができる。
【0025】
また、位相調整器103における搬送波の遅延量の調整方法として、同期検出回路106において同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に遅延量が変更され、それ以外の場合は現在の遅延量が保持されるようにしてもよい。制限時間と同期信号の未検出回数の設定により、位相調整済み状態から位相ずれ状態(位相合わせ込み状態)に移行するまでの応答性、つまり引込み安定性を変更することができる。
【0026】
また、位相調整器103における搬送波の遅延量の調整方法として、メディアの記録あるいは再生の速度を設定できるようにし、その値に応じて、初期遅延量あるいは調整量の更新時間間隔あるいは一回の更新あたりの最大補正量を変更するようにしてもよい。そうすることにより、メディアの記録あるいは再生の速度に比例するウォブリング信号の周波数に合った遅延量の調整を行うことができる。
【0027】
以上のような本発明の実施の形態1に係る復調回路は、ウォブリング信号からBPF101を通して搬送波信号を生成する際に発生する位相ずれを、位相調整器103で上記搬送波信号を所定の遅延量だけ遅延させて調整しきれなかったとき、該搬送波信号の遅延量を、同期検出回路106の同期信号検出状況に応じて調整することにより、位相誤差検出用の特別な回路を不要としながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な復調回路を得ることができる。
【0028】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る復調回路は、回路規模の増加を抑えながら、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能にするために、小規模なノイズ検出器を用いてノイズ幅の検出を簡易的に行い、該検出結果を位相誤差補正値として位相調整器にフィードバックするものである。
【0029】
次に、第2の実施の形態として、本発明における復調回路の動作を、図4を用いて説明する。
図において、本実施の形態2に係る復調回路は、メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段として、入力したウォブリング信号のノイズや位相変調成分を取り除くBPF(帯域通過フィルタ)401、アナログ信号からディジタル信号に変換する2値化器408、及び安定して搬送波信号を発生させるPLL(位相同期ループ回路)402と、搬送波生成手段から出力した搬送波を、上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させる位相調整手段として、位相調整器403と、ノイズ成分を除去するLPF(低域通過フィルタ)404と、LPF404からの出力をアナログ信号からディジタル信号に変換する2値化器409と、位相復調手段として、上記搬送波生成手段からの出力、及びLPF404と2値化器409とを通過したウォブリング信号から位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調器405と、上記位相復調信号からメディアに埋め込まれた情報の同期信号を検出する同期検出回路406と、ノイズ検出手段として、上記位相復調信号からノイズを検出するノイズ検出器410と、復号器407とから構成される。
【0030】
次に、本発明の実施の形態2に係る復調回路の動作を説明する。
実施の形態1と同様に、まず、入力したウォブリング信号に対して、ノイズや位相変調成分を取り除くためにBPF401などの帯域通過フィルタを通して2値化した後、安定して搬送波信号を発生させるためのPLL402を経て搬送波信号を抽出する。この搬送波信号はウォブリング信号の周波数を抜き出しており、位相は安定している。ただし、搬送波信号の抽出の際、BPF401などの帯域通過フィルタ通しているため、搬送波信号には入力ウォブリング信号に対して位相ずれが発生している。また、この位相ずれ量は、通常、ウォブリング信号の周波数や振幅に応じて変動する。
【0031】
一方で、入力したウォブリング信号を、別途ノイズ成分のみを除去するためにLPF404などの低域通過フィルタを通過させ、2値化した後、抽出した搬送波信号とウォブリング信号とを比較して位相復調を行う位相復調器405に入力する。位相復調器405でウォブリング信号と搬送波信号との位相比較が正しく行えるように、PLL402の出力である搬送波信号を、位相調整器403に入力し、該位相調整器403で所定の遅延量だけ遅延させ、上述した位相ずれを補正してから位相調整後の搬送波信号として位相復調器405に入力する。
【0032】
次に、まず、位相復調器405において位相ずれが発生していない場合の動作について、波形を交えながら説明する。
各種信号波形は、実施の形態1で示した図2の波形を、次のように読み換えると同じになる。図2(b)はPLL402の出力である搬送波の波形、図2(c)は位相調整器403を通して位相調整した後の搬送波の波形、図2(d)はLPF404と2値化器409を通した後のウォブリング信号の波形、図2(e)は位相復調器405の出力である位相復調信号の波形と読み換えればよい。また、位相復調器405では、実施の形態1と同じように、搬送波S501の位相とウォブリング信号S502の位相とを比較し、搬送波S501、及びウォブリング信号S502が同位相の場合はHigh{図2(f)では0}を、逆位相の場合はLow{図2(f)では1}を出力する。
【0033】
次に、ノイズ検出器410によって位相復調器405の出力のノイズを除去するが、ノイズが発生していない状態なので、ノイズ検出器410の出力は、位相復調器405の出力と同等になり、位相調整器403へ送る遅延補正値(ノイズ幅に対応)はゼロになる。したがって、位相調整器403は、現在の遅延量を保持したまま動作する。
【0034】
以後、実施の形態1と同様に、ノイズ検出器410によってノイズが除去された位相復調データを、同期検出回路406に入力して同期信号の検出を行い、同期信号の検出タイミングを復号器407に通知する。復号器407では、同期信号の検出タイミングに従って位相復調されたデータ符号を復号する。具体的に図2の(f)を用いて説明すると、データ符号「10」をデータ「0」に、データ符号「01」をデータ「1」に復号する。このように復号したデータからディスク上の物理アドレスなどの埋込み情報を得ることができる。
【0035】
次に、位相復調器405に入力する搬送波の位相とウォブリング信号の位相とがずれている場合の動作について、波形を交えながら説明する。
この場合の信号波形例を、図5に示す。
【0036】
図において、(a)は位相調整器403を通して位相調整した後の搬送波S501の波形、(b)はLPF404と2値化器409を通した後のウォブリング信号S502の波形、(c)は位相復調器405の出力である位相復調信号S503の波形、(d)はノイズ検出器410によって検出され位相調整器403にフィードバックされるノイズ幅を表すノイズ幅検出信号(位相調整補正値)S504の波形、(e)はノイズ検出器によってノイズを除去した後の位相復調信号S505の波形、(f)は位相復調データとSYNC(同期符号)やデータ符号の関係を示したものである。位相復調器405に入力する搬送波の位相とウォブリング信号の位相とがずれている場合、位相調整器403で位相調整しきれていないために、位相誤差が許容範囲を越えると位相復調信号S503にはノイズが発生する。これらのノイズが発生した場合、本実施の形態2では、信号S505のように、ノイズ検出器410によってノイズ幅の検出とともにノイズの除去を行う。通常、ノイズの除去によって、幅を持った同期信号の検出がしやすくなるため、同期信号の検出率が向上する。また、ノイズ幅の検出結果を位相誤差補正値として位相調整器403にフィードバックすることにより、位相復調器405の各入力の位相誤差が段々少なくなり、より安定して(ノイズが少なく)復調できるようになる。図5におけるノイズ幅検出信号S504の時間推移において、ノイズ幅の量が段々減っていくのは、そのような位相調整制御が働くためである。また、位相誤差補正値の極性(プラス/マイナス)に関しては、位相復調器405の入力間位相誤差が少なくなる方向を試して見て決定するのでもよいが、位相復調器405にて、搬送波に対してウォブリング入力波の位相が進んでいるか遅れているかを検出できるようにしておけば、それを極性情報として用いてもよい。
【0037】
なお、同期検出回路406において同期信号が正しく検出できていた時の位相調整量の値を保存しておき、データ記録再生速度の変更など、ウォブリング信号の周波数や振幅が変わり、位相調整量を適性値に変更する必要がある場合、以前同一条件において同期信号が正しく検出できていた位相調整量に戻すようにしてもよい。
【0038】
また、ノイズ検出器410による位相誤差補正値の検出では、ノイズの原因が必ずしも位相復調器405の入力間の位相誤差だけではないので、同期信号が正しく検出されている場合には、位相調整を行わない方がよい場合もある。そこで、同期検出回路406において同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に、ノイズ検出器410から出力される遅延量の補正値が適用され、それ以外の場合は現在の遅延量とするようにしてもよい。
【0039】
また、本実施の形態2では、ノイズ検出器410によって、ノイズ幅の検出とともにノイズの除去も行う場合を説明したが、ノイズ検出器410においてノイズ幅の検出のみを行い、ノイズの除去を行わないようにしてもよい。
【0040】
以上のような、本発明の実施の形態2に係る復調回路は、ウォブリング信号からBPF401を通して搬送波信号を生成する際に発生する位相ずれを、位相調整器403で上記搬送波信号を所定の遅延量だけ遅延させて調整しきれなかったとき、小規模なノイズ検出器410を用いて位相誤差検出を簡易的に行うことにより、回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な復調回路を得ることができる。
【0041】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る情報再生装置は、位相誤差検出用の回路を不要として回路規模を抑えながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な情報再生装置、また、位相誤差検出用の回路規模を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な情報再生装置を提供するために、実施の形態1または2の復調回路を当該情報再生装置に備えたものである。
【0042】
本発明の実施の形態3に係る情報再生装置として、本発明における情報再生装置の動作を、図6を用いて説明する。
図において、601は情報再生の対象となるディスク、602は光ピックアップ、602aは光ピックアップ602からディスク601に照射された光ビーム、603は光ピックアップ移送系、604は光ピックアップ602の出力する電気信号からディスク上に記録された情報を再生する情報再生回路、605は光ピックアップ移送系603や光ピックアップ602を制御し光ビーム照射位置を調整するサーボ回路、606は情報再生回路604やサーボ回路605をシステム制御するCPU(中央処理装置)、607は情報再生回路604に含まれた本発明における復調回路、608は復調回路607に含まれた同期検出器、609は復調回路607に含まれた位相調整器である。
【0043】
次に、本発明の実施の形態3に係る情報再生装置の動作について説明する。
まず、光ピックアップ602は、ディスク601中の情報記録面にレーザ光を照射し、その反射光を電気信号に変換して情報再生回路604に送出する。本発明における情報再生装置では、ディスク上のウォブリングされたトラック形状を表すウォブリング信号を再生するために、全反射光量から得られるデータ再生信号とは別に、少なくとも反射光をトラックに沿って2分割し、左右の反射光量の差分から得られるプッシュプル信号(トラッキング誤差信号の一つ)も、情報再生回路604に送出する。
【0044】
情報再生回路604では、データ再生信号を復調してユーザデータを再生するとともに、ウォブリング信号(プッシュプル信号)から復調回路607を用いてディスク上に予め埋め込まれた物理アドレスを再生する。この情報再生回路604はシステム制御を行っているCPU606によってデータ再生タイミングなどを制御される。
【0045】
現在物理アドレス(光ピックアップ602の現在位置)から情報を(記録)再生するのではなく、別の物理アドレス(別の光ピックアップ位置)から情報を(記録)再生する場合、CPU606は、現在の物理アドレスと目標とする物理アドレスから光ピックアップ602の移動量を計算して、サーボ回路605に光ピックアップの移動を指示する。サーボ回路605は、光ピックアップ移送系603を制御して光ピックアップ602を目標とする物理アドレス付近に移動させる。
【0046】
なお、本実施の形態3で示した情報再生装置の場合、復調回路607において同期検出器608の同期信号検出結果をもとに位相調整器609の搬送波遅延量を調整する際に、CPU606を用いて同期検出器608の同期信号検出結果を読取り、CPU606が、その検出状況を判断しながら、位相調整器609に搬送波遅延量を設定するようにしてもよい。
【0047】
以上のような本発明の実施の形態3に係る情報再生装置は、実施の形態1または2で説明した復調回路を用いて再生動作を行うようにしたので、実施の形態1に係る復調回路を用いた場合、位相誤差検出用の回路を不要として回路規模を抑えながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な情報再生装置とすることができ、また、実施の形態2に係る復調回路を用いた場合、小規模なノイズ検出器を用いて位相誤差検出を簡易的に行うことで、位相誤差検出用の回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な情報再生装置とすることができる。
【0048】
なお、本実施の形態3に係る情報再生装置は、本発明の実施の形態1または2の復調回路を用いて情報再生動作を行うものとして説明したが、この情報再生動作は、情報記録再生装置における情報再生動作としても適用可能であるのはいうまでもない。
【0049】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る情報再生方法は、シーク時間を短縮するために、光ピックアップの移動、同期信号の検出、及び位相調整器の遅延量の保存を繰り返し行い、各々の光ピックアップ位置に対応した位相調整器の遅延量を予め保存しておき、該遅延量の保存先から、シーク動作時にそのシーク先の光ピックアップ位置に対応する遅延量を読み出すものである。
【0050】
実施の形態4として、本発明における情報再生方法を、主に図7と図8を用いて説明する。本実施の形態4に係る情報再生方法の動作は、図6に示した実施の形態3の情報再生装置を用いることを想定して説明する。
【0051】
まず、図6と図7を用いて、本発明の復調回路における位相調整器の搬送波遅延量を、光ピックアップの各位置毎に予め求めておく手順を説明する。本手順は、情報再生装置に新たなディスクが挿入された時などの立上げ動作中に行うか、情報再生装置の製造過程における調整工程時に行う。
図7は、復調回路607における位相調整器609の搬送波遅延量を、光ピックアップの各位置毎に予め求めておく手順を示したフローチャートである。
【0052】
始めに、ステップS701において、CPU606は、光ピックアップ602を最内周位置に移動するよう、サーボ回路605に指示を出し(サーボ回路605が光ピック移送系603を制御することで)、光ピックアップ602が最内周位置に移動する。
【0053】
次に、ステップS702において、CPU606は、同期検出器608から同期信号の検出状況を読取り、安定して同期信号の検出が行われるまで待つ。ここで、実施の形態3で述べたように、CPU606が同期信号の検出状態を見ながら位相調整器609に搬送波の遅延量を設定する構成を取る場合は、安定して同期信号の検出が行われるまで、CPU606は、位相調整器609に搬送波の遅延量を更新していく。
【0054】
次に、ステップS703において、ステップS702にて安定して同期信号の検出が行われたならば、CPU606は、位相調整器609から現在適用されている搬送波の遅延量dを読取り、現在の光ピックアップ位置である内周から(n×L)の位置に対応するワーク用のメモリ位置nに、読取った遅延量dを格納する。ここで、nは、ゼロから始まり、後述するS705を通る毎に1ずつ増えていく値である。また、Lは、S705において少しずつ外周側に光ピックアップを移動させる時の移動量を表している。
【0055】
次に、ステップS704において、CPU606は、光ピックアップの位置(n×L)が最外周まで到達したかどうかを判断する。最外周まで移動している場合は、本フローチャートを終了する。最外周まで移動していない場合は、次のステップであるステップS705に進む。
【0056】
ステップS705では、CPU606は、光ピックアップ602を外周側にLだけ移動するよう、サーボ回路605に指示を出し、ステップS702に戻って、次の光ピックアップ位置における遅延量の測定を繰り返す。
以上が、本発明の復調回路における位相調整器の搬送波遅延量を、光ピックアップの各位置毎に予め求めておく手順である。
【0057】
今度は、図6と図8を用いて、シーク動作時に本発明の復調回路における位相調整器609の搬送波遅延量を設定する手順を説明する。本手順は、位相調整器609の搬送波遅延量を再設定した方がウォブリング信号の位相復調動作が早く完了するような(比較的長い)距離だけ離れた物理アドレスへのシーク動作時に行う。
【0058】
図8は、シーク動作(現在の物理アドレスから目標とする物理アドレスへの移動)のフローチャートであり、シーク動作時に復調回路607における位相調整器609の搬送波遅延量を設定する手順を表している。
始めに、ステップS801において、CPU606は、シーク先の目標物理アドレスから、光ピックアップ602を移動させる位置Tを計算する。光ピックアップの位置は内周から測った位置とする。
【0059】
次に、ステップS802において、CPU606は、光ピックアップ602を位置Tに移動するよう、サーボ回路605に指示を出す。
次に、ステップS803において、CPU606は、m=T/Lの計算を行って、ワーク用メモリ位置mから、光ピックアップ602の位置Tに対応する遅延量dを読み出す。ここで、Lは、図7のフローチャートにおけるステップS705にて、少しずつ外周側に光ピックアップを移動させる時の移動量、つまり、遅延量の測定間隔である。
【0060】
次に、ステップS804において、ステップS803で得られた遅延量dを位相調整器609の初期遅延量として設定する。
次に、ステップS805において、位相調整器609の遅延量を、ステップS804にて初期設定された値から、安定して復調できる遅延量に補正していくための制御を開始する。ここで、実施の形態3で述べたように、CPU606が同期検出状態を見ながら位相調整器609に搬送波の遅延量を設定する構成を取る場合は、安定して同期信号の検出が行われるまで、CPU606は、位相調整器609に搬送波の遅延量を更新していく。
【0061】
次に、ステップS806において、CPU606は、同期検出器608から同期検出状況を読み取り、安定して同期信号の検出が行われるまで待つ。
次に、ステップS807において、ステップS806にて安定して同期信号の検出が行われたならば、CPU606は、復調回路607から物理アドレスを読み取る。
【0062】
次に、ステップS808において、CPU606は、ステップS807で読み取った物理アドレスがシーク先の目標物理アドレスの範囲かどうかを判定し、目標物理アドレスの範囲に入っていれば、一連のシーク動作のフローを終了する。また、目標物理アドレスの範囲に入っていなければ、ステップS809に進む。ステップS809では、CPU606は、位相調整器609の遅延量を保持しながら、目標物理アドレスに対するずれ量だけ光ピックアップ602を移動し、S805に戻って、物理アドレスの確認動作を繰り返す。
【0063】
以上が、シーク動作時に本発明の復調回路における位相調整器609の搬送波遅延量を設定する手順である。
これまで説明したような手順によって、本実施の形態に示す情報再生方法は、まず、メディア上の光ピックアップを内周から外周までの所定範囲を移動させるように、光ピックアップの移動、同期信号の検出待ち、位相調整器の遅延量の保存を繰り返し行って、各々の光ピックアップ位置に対応した位相調整器の遅延量を予め保存しておく。そして、メディアの記録再生における光ピックアップの移動時に、移動先の光ピックアップの位置に対応した遅延量を位相調整器に設定する。
【0064】
以上のような本発明の実施の形態4に係る情報再生方法は、CAV(角速度一定)回転制御方式を用いる場合、メディアの記録再生における光ピックアップの移動時には、ウォブリング信号の周波数が変化するために、位相調整器の搬送波遅延量の再調整ができるまで位相復調が正確に行えず、ディスク上にトラックウォブリングで埋め込まれた物理アドレス情報を再生できないときでも、メディアの記録再生における光ピックアップの移動を伴うシーク動作時に、予め保存しておいた移動先のピックアップ位置に対応する遅延量を位相調整器に設定することによって、早く安定した位相復調を行えるために、光ピックアップの移動後早いタイミングで物理アドレス情報の再生が可能となり、シーク時間を短縮できる。
【0065】
なお、本発明の実施の形態4に係る情報再生方法は、情報再生装置を用いてその再生動作を行う方法について説明したが、情報記録再生装置を用いてその再生動作を行う際に適用可能であるのはいうまでもない。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に係る復調回路によれば、位相変調方式を用いてトラックをウォブリングすることにより予めメディアに埋め込まれた情報を復調する復調回路であって、上記メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段から出力した搬送波を上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させて位相調整を行う位相調整手段と、上記メディアから得られたウォブリング信号と、上記位相調整手段から出力される位相調整後の搬送波とから位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調手段と、上記位相復調信号から上記情報の同期信号を検出し、その検出結果により、上記位相調整手段による上記所定の遅延量を決定する同期検出手段とを備えたので、位相誤差検出用の回路を不要とし、回路規模の増加を抑えながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な復調回路を提供することができる効果がある。
【0067】
また、本発明の請求項2に記載の復調回路によれば、請求項1に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段にて同期信号が所定回数だけ検出されることが確認されるまで、所定時間間隔毎に変更していくことにより決定されるので、検出回数と時間間隔を設定して、位相ずれ状態から位相調整済み状態に移行するまでの応答性、つまり引込み速度を変更することができる効果がある。
【0068】
また、本発明の請求項3に記載の復調回路によれば、請求項1または2に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段にて同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に変更され、それ以外の場合は現在の遅延量とするので、制限時間と同期信号の未検出回数を設定して、位相調整済み状態から位相ずれ状態(位相合わせ込み状態)に移行するまでの応答性、つまり引込み安定性を変更することができる効果がある。
【0069】
また、本発明の請求項4に記載の復調回路によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、設定されたメディアの記録あるいは再生の速度に応じて調整されるので、メディアの記録あるいは再生の速度に比例するウォブリング信号の周波数に合った遅延量の調整を行うことができる効果がある。
【0070】
また、本発明の請求項5に記載の復調回路によれば、位相変調方式を用いてトラックをウォブリングすることにより予めメディアに埋め込まれた情報を復調する復調回路であって、上記メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段から出力した搬送波を、上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させて位相調整を行う位相調整手段と、上記メディアから得られたウォブリング信号と、上記位相調整手段から出力される位相調整後の搬送波とから位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調手段と、上記位相復調信号からノイズ幅を検出し、該検出したノイズ幅に応じて上記所定の遅延量を決定するノイズ検出手段と、上記位相復調信号から上記メディアに埋め込まれた情報の同期信号を検出する同期検出手段とを備えたので、ノイズ検出手段を用いて、搬送波の遅延量を補正することにより、位相誤差検出用の回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な復調回路を提供することができる効果がある。
【0071】
また、本発明の請求項6に記載の復調回路によれば、請求項5に記載の復調回路において、上記ノイズ検出手段は、上記位相復調信号からノイズ幅の検出を行うとともに、ノイズ成分を除去した位相復調信号を上記同期検出手段に送るので、ノイズを除去して、幅を持った同期信号の検出がしやすくなり、同期信号の検出率が向上し、また、ノイズ幅の検出結果を位相誤差補正値として用いることにより、より安定して復調できる効果がある。
【0072】
また、本発明の請求項7に記載の復調回路によれば、請求項5または6に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段の同期信号検出状況に応じて調整されるので、ノイズの原因が位相誤差以外の場合でも安定して復調することができる効果がある。
【0073】
また、本発明の請求項8に記載の復調回路によれば、請求項7に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段において同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に、上記ノイズ検出手段により決定した所定の遅延量が適用され、それ以外の場合は現在の遅延量が保持されるので、ノイズの原因が位相誤差以外の場合でも安定して復調することができる効果がある。
【0074】
また、本発明の請求項9に記載の復調回路によれば、請求項5ないし8のいずれかに記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、設定されたメディアの記録あるいは再生の速度に応じて調整されるので、メディアの記録あるいは再生の速度に比例するウォブリング信号の周波数に合った遅延量の調整を行うことができる効果がある。
【0075】
また、本発明の請求項10に記載の情報再生装置によれば、メディア上に光ビームを照射して上記メディアからの反射光量を電気的な信号に変換する光ピックアップと、光ビームを照射中の位置情報を上記光ピックアップから検出し、上記位置情報を基に上記メディア上の光ビームの照射位置を制御するサーボ手段と、上記光ピックアップの位置を移動させる光ピックアップ移送手段と、請求項1ないし9のいずれかに記載の復調回路を有し、上記光ピックアップから上記メディア上の情報を検出し、復調処理を行う情報再生手段と、上記サーボ手段と上記情報再生手段とを制御するシステム制御手段とを備えたので、位相誤差検出用の回路を不要として回路規模を抑えながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な情報再生装置を提供することができ、また、位相誤差検出用の回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な情報再生装置を提供することができる効果がある。
【0076】
また、本発明の請求項11に記載の情報再生装置によれば、請求項10に記載の情報再生装置において、上記システム制御手段は、上記復調回路における位相調整手段の遅延量が、上記光ピックアップ移送手段にて移動した上記光ピックアップの照射位置毎に予め保存され、メディアの再生における光ピックアップの移動時に、該保存された移動先の光ピックアップ位置に対応した上記遅延量を設定するので、光ピックアップの移動後早いタイミングで物理アドレス情報の再生が可能で、シーク時間を短縮でき、光ピックアップの移動時に早く安定した位相復調を行うことができる情報再生装置を提供することができる効果がある。
【0077】
また、本発明の請求項12に記載の情報再生方法によれば、メディア上の光ピックアップを所定の照射位置に移動させる光ピックアップ移動ステップと、現在の光ピックアップ位置で請求項1ないし9のいずれかに記載の復調回路を動作させ、上記復調回路における同期検出手段から安定して同期信号の検出ができるまで待つ同期信号検出待ちステップと、上記復調回路における位相調整手段から搬送波の遅延量を読み出して、該読み出した遅延量を、システム全体を制御するシステム制御手段に保存する遅延量保存ステップと、上記システム制御手段に保存した遅延量から、ピックアップ位置に対応した遅延量を読み出し、該読み出した遅延量を上記復調回路における位相調整手段に設定する遅延量設定ステップとから構成され、メディア上の光ピックアップを内周から外周までの所定範囲に移動させるようにして、上記光ピックアップ移動ステップ、上記同期信号検出待ちステップ、及び上記遅延量保存ステップを繰り返し行い、各々の光ピックアップ位置に対応した遅延量を予め上記システム制御手段に保存しておき、メディアの再生における光ピックアップの移動時に、上記システム制御手段に保存した遅延量から、移動先の光ピックアップの位置に対応した遅延量を読み出し、該読み出した遅延量を上記遅延量設定ステップによって設定するので、光ピックアップの移動後、早いタイミングで物理アドレス情報の再生が可能で、シーク時間を短縮でき、光ピックアップの移動時に早く安定した位相復調を行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における復調回路の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態1における、位相復調器の入力間に位相ずれがない場合の、位相復調器の入出力信号例を中心としたタイミング図。
【図3】本発明の実施の形態1における、位相復調器の入力間に位相ずれがある場合の、位相復調器の入出力信号例を中心としたタイミング図。
【図4】本発明の実施の形態2における復調回路の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の実施の形態2における、位相復調器の入力間に位相ずれがある場合の、位相復調器の入出力信号例を中心としたタイミング図。
【図6】本発明の実施の形態3における情報再生装置の構成を示すブロック図。
【図7】本発明の実施の形態4における、位相調整器の搬送波遅延量を、光ピックアップの各位置毎に予め求めておく手順を示したフローチャート。
【図8】本発明の実施の形態4における、シーク動作時に位相調整器の搬送波遅延量を設定する手順を示したフローチャート。
【符号の説明】
101、401 BPF(帯域通過フィルタ)
102、402 PLL(位相同期ループ)
103、403 位相調整器
104、404 LPF(低域通過フィルタ)
105、405 位相復調器
106、406 同期検出回路
107、407 復号器
108、109、408、409 2値化器
410 ノイズ検出器
601 ディスク
602 光ピックアップ
602a 光ビーム
603 光ピックアップ移送系
604 情報再生回路
605 サーボ回路
606 CPU(中央処理装置)
607 復調回路
608 同期検出器
609 位相調整器
S201 入力ウォブリング信号
S202 PLL出力の搬送波
S203、S501 位相調整器出力の搬送波
S204、S502 LPF、及び2値化器通過後のウォブリング信号
S205、S503 位相復調器出力の位相復調信号
S504 ノイズ検出器出力のノイズ幅検出信号
S505 ノイズ検出器出力のノイズ除去後位相復調信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウォブリングされたトラック構造を持ち、ウォブリングされたトラックの一部に位相変調で埋め込まれた情報を含む書込み型光ディスク等に対する情報再生装置、情報再生方法、及びこの装置でウォブリングされたトラック上に埋め込まれた情報を復調するために用いられる復調回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
記録系ディスク・メディアでは、一般的に予め製造時に各半径位置における線速度を正確に検出するために、CLV(Constant Linear Velocity:線速度一定)回転制御を行った時にウォブル信号周波数が一定になるようにトラックをウォブリングさせるフォーマットを採用している。よって、それらのディスクに対する情報記録再生装置ではこのウォブリング信号を検出してディスクの回転を制御したり、記録用クロックを生成したりしている。また、未記録領域での記録位置の特定が可能なようにアドレス情報も必要であるが、例えば特開平10−69646号公報で示されているように上述したトラックのウォブルに位相変調を施す方法も考えられている。
【0003】
この位相変調されたアドレス情報(ウォブリング信号)の復調回路としては、特公平6−19898号公報に示されているアナログ的方式や特開平5−260413公報に示されているデジタル的な方式がある。これらはウォブリング信号を元に、その位相情報が重畳されている搬送波を後段のPLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)などで生成し、両者の位相差(2相位相変調の場合は0度または180度)を検出し、情報を復調している。これらは、ウォブリング信号の本来の搬送波成分と、PLLで生成した搬送波の間に位相ずれが発生すると、位相復調の性能が落ち、誤検出が発生するようになる。
また、ここで問題となる位相ずれを検出して補正する復調回路及び情報記録再生装置としては、特開2001−126413公報で示されている方式がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の特開2001−126413公報に開示された復調回路のような構成を取る場合、ウォブリング信号の本来の搬送波成分と、PLLで生成した搬送波の間との位相ずれを検出・補正するために、積算器や低域検出器等からなる位相誤差検出用の回路を設けて、位相調整器にフィードバックするために、位相誤差検出の回路規模が増加するという課題があった。また、これらの従来の復調回路を用いた情報再生装置において、CAV(角速度一定)回転制御の場合、光ピックアップの移動を伴うシーク後に、位相復調結果から得られる物理アドレスの再生が正しく行えるまで時間がかかるため、シーク動作時間が長くなるという課題があった。
【0005】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、位相誤差検出用の回路を不要としながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な、また、回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な復調回路、該復調回路を有する情報再生装置、及び該情報再生装置において、シーク時間を短縮できる情報再生方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明の請求項1に記載の復調回路は、位相変調方式を用いてトラックをウォブリングすることにより予めメディアに埋め込まれた情報を復調する復調回路であって、上記メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段から出力した搬送波を上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させて位相調整を行う位相調整手段と、上記メディアから得られたウォブリング信号と、上記位相調整手段から出力される位相調整後の搬送波とから位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調手段と、上記位相復調信号から上記情報の同期信号を検出し、その検出結果により、上記位相調整手段による上記所定の遅延量を決定する同期検出手段とを備えたものである。
これにより、位相誤差検出用の回路を不要とし、回路規模の増加を抑えながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な復調回路を提供することができる。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の復調回路は、請求項1に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段にて同期信号が所定回数だけ検出されることが確認されるまで、所定時間間隔毎に変更していくことにより決定される。
これにより、検出回数と時間間隔を設定して、位相ずれ状態から位相調整済み状態に移行するまでの応答性、つまり引込み速度を変更することができる。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の復調回路は、請求項1または2に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段にて同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に変更され、それ以外の場合は現在の遅延量が保持される。
これにより、制限時間と同期信号の未検出回数を設定して、位相調整済み状態から位相ずれ状態(位相合わせ込み状態)に移行するまでの応答性、つまり引込み安定性を変更することができる。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載の復調回路は、請求項1ないし3のいずれかに記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、設定されたメディアの記録あるいは再生の速度に応じて調整されるものである。
これにより、メディアの記録あるいは再生の速度に比例するウォブリング信号の周波数に合った遅延量の調整を行うことができる。
【0010】
また、本発明の請求項5に記載の復調回路は、位相変調方式を用いてトラックをウォブリングすることにより予めメディアに埋め込まれた情報を復調する復調回路であって、上記メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段から出力した搬送波を、上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させて位相調整を行う位相調整手段と、上記メディアから得られたウォブリング信号と、上記位相調整手段から出力される位相調整後の搬送波とから位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調手段と、上記位相復調信号からノイズ幅を検出し、該検出したノイズ幅に応じて上記所定の遅延量を決定するノイズ検出手段と、上記位相復調信号から上記メディアに埋め込まれた情報の同期信号を検出する同期検出手段とを備えたものである。
これにより、ノイズ検出手段を用いて、搬送波の遅延量を補正するので、位相誤差検出用の回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な復調回路を提供することができる。
【0011】
また、本発明の請求項6に記載の復調回路は、請求項5に記載の復調回路において、上記ノイズ検出手段は、上記位相復調信号からノイズ幅の検出を行うとともに、ノイズ成分を除去した位相復調信号を上記同期検出手段に送るものである。
これにより、ノイズを除去して、幅を持った同期信号の検出がしやすくなり、同期信号の検出率が向上し、また、ノイズ幅の検出結果を位相誤差補正値として用いることにより、より安定して復調できる。
【0012】
また、本発明の請求項7に記載の復調回路は、請求項5または6に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段の同期信号検出状況に応じて調整されるものである。
これにより、ノイズの原因が位相誤差以外の場合でも安定して復調することができる。
【0013】
また、本発明の請求項8に記載の復調回路は、請求項7に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段において同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に、上記ノイズ検出手段により決定した所定の遅延量が適用され、それ以外の場合は現在の遅延量が保持されるものである。
これにより、ノイズの原因が位相誤差以外の場合でも安定して復調することができる。
【0014】
また、本発明の請求項9に記載の復調回路は、請求項5ないし8のいずれかに記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、設定されたメディアの記録あるいは再生の速度に応じて調整されるものである。
これにより、メディアの記録あるいは再生の速度に比例するウォブリング信号の周波数に合った遅延量の調整を行うことができる。
【0015】
また、本発明の請求項10に記載の情報再生装置は、メディア上に光ビームを照射して上記メディアからの反射光量を電気的な信号に変換する光ピックアップと、光ビームを照射中の位置情報を上記光ピックアップから検出し、上記位置情報を基に上記メディア上の光ビームの照射位置を制御するサーボ手段と、上記光ピックアップの位置を移動させる光ピックアップ移送手段と、請求項1ないし9のいずれかに記載の復調回路を有し、上記光ピックアップから上記メディア上の情報を検出し、復調処理を行う情報再生手段と、上記サーボ手段と上記情報再生手段とを制御するシステム制御手段とを備えたものである。
これにより、位相誤差検出用の回路を不要として回路規模を抑えながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な情報再生装置を提供することができ、また、位相誤差検出用の回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な情報再生装置を提供することができる。
【0016】
また、本発明の請求項11に記載の情報再生装置は、請求項10に記載の情報再生装置において、上記システム制御手段は、上記復調回路における位相調整手段の遅延量が、上記光ピックアップ移送手段にて移動した上記光ピックアップの照射位置毎に予め保存され、メディアの再生における光ピックアップの移動時に、該保存された移動先の光ピックアップ位置に対応した上記遅延量を設定するものである。
これにより、光ピックアップの移動後早いタイミングで物理アドレス情報の再生が可能で、シーク時間を短縮でき、光ピックアップの移動時に早く安定した位相復調を行うことができる情報再生装置を提供することができる。
【0017】
また、本発明の請求項12に記載の情報再生方法は、メディア上の光ピックアップを所定の照射位置に移動させる光ピックアップ移動ステップと、現在の光ピックアップ位置で請求項1ないし9のいずれかに記載の復調回路を動作させ、上記復調回路における同期検出手段から安定して同期信号の検出ができるまで待つ同期信号検出待ちステップと、上記復調回路における位相調整手段から搬送波の遅延量を読み出して、該読み出した遅延量を、システム全体を制御するシステム制御手段に保存する遅延量保存ステップと、上記システム制御手段に保存した遅延量から、ピックアップ位置に対応した遅延量を読み出し、該読み出した遅延量を上記復調回路における位相調整手段に設定する遅延量設定ステップとから構成され、メディア上の光ピックアップを内周から外周までの所定範囲に移動させるようにして、上記光ピックアップ移動ステップ、上記同期信号検出待ちステップ、及び上記遅延量保存ステップを繰り返し行い、各々の光ピックアップ位置に対応した遅延量を予め上記システム制御手段に保存しておき、メディアの再生における光ピックアップの移動時に、上記システム制御手段に保存した遅延量から、移動先の光ピックアップの位置に対応した遅延量を読み出し、該読み出した遅延量を上記遅延量設定ステップによって設定するものである。
これにより、光ピックアップの移動後、早いタイミングで物理アドレス情報の再生が可能で、シーク時間を短縮でき、光ピックアップの移動時に早く安定した位相復調を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る復調回路の構成を示すブロック図である。
図において、本実施の形態1に係る復調回路は、メディアから得られたウォブリング信号の搬送波を抽出する搬送波生成手段として、入力したウォブリング信号のノイズや位相変調成分を取り除くBPF(Band Pass Filter:帯域通過フィルタ)101、アナログ信号からディジタル信号に変換する2値化器108、及び安定して搬送波信号を発生させるPLL(Phase Locked loop:位相同期ループ回路)102と、上記搬送波生成手段から出力した搬送波を、ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させて位相調整を行う位相調整手段として、位相調整器103と、ウォブリング信号のノイズ成分のみを除去するLPF(Low Pass Filter:低域通過フィルタ)104と、LPF104からの出力をアナログ信号からディジタル信号に変換する2値化器109と、位相復調手段として、上記搬送波生成手段からの出力、及びLPF104と2値化信号109とを通過したウォブリング信号から位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調器105と、上記位相復調信号から当該再生する情報の同期信号を検出する同期検出手段として、同期検出回路106と、復号器107とから構成される。
【0019】
次に、本発明の実施の形態1に係る復調回路の動作を説明する。
まず、入力したウォブリング信号に対して、ノイズや位相変調成分を取り除くためにBPF101などの帯域通過フィルタを通して2値化した後、安定して搬送波信号を発生させるためのPLL102を経て搬送波信号を抽出する。この搬送波信号はウォブリング信号の周波数を抜き出しており、位相は安定している。ただし、搬送波信号の抽出の際、BPF101などの帯域通過フィルタを通しているため、搬送波信号は入力ウォブリング信号に対して位相ずれが発生している。また、この位相ずれ量は、通常、ウォブリング信号の周波数や振幅に応じて変動する。
【0020】
一方で、入力したウォブリング信号は、別途ノイズ成分のみを除去するためにLPF104などの低域通過フィルタを通過させ、2値化した後、抽出した搬送波信号と位相を比較して位相復調を行う位相復調器105に入力する。位相復調器105でウォブリング信号と搬送波信号との位相比較が正しく行えるように、PLL102の出力である搬送波信号は、位相調整器103に入力して所定の遅延量だけ遅延させ、上述した位相ずれを補正してから位相調整後の搬送波として位相復調器105に入力する。
【0021】
まず、特開2001−52446で例示された同期符号(同期信号)とデータ符号(データ信号)を用いて、位相復調器105の入出力信号例を中心としたタイミング図を描いたものを、図2に示す。以後も、同じ同期信号とデータ信号を用いて、動作の説明を行う。図2において、(a)は入力ウォブリング信号S201の波形、(b)はPLL102の出力である搬送波S202の波形、(c)は位相調整器103を通して位相調整した後の搬送波S203の波形、(d)はLPF104と2値化器109を通した後のウォブリング信号S204の波形、(e)は位相復調器105の出力である位相復調信号S205の波形、(f)は位相復調データとSYNC(同期符号)やデータ符号の関係を示したものである。このように、位相復調器105では、搬送波S203の位相とウォブリング信号S204の位相とを比較し、同位相の場合はHigh{(f)では0}を、逆位相の場合はLow{(f)では1}を出力する。
【0022】
このように位相復調を行った後の位相復調データを同期検出回路106に入力して同期信号の検出を行い、同期信号の検出タイミングを復号器107に通知する。復号器107では、同期信号の検出タイミングに従って位相復調されたデータ符号を復号する。具体的に図2の(f)を用いて説明すると、データ符号「10」をデータ「0」に、データ符号「01」をデータ「1」に復号する。このように復号したデータからディスク上の物理アドレスなどの埋め込み情報を得ることができる。
【0023】
次に、位相復調器105に入力する搬送波の位相とウォブリング信号の位相とがずれている場合について、波形を交えながら説明する。
この場合の信号波形例を、図3に示す。位相復調器105に入力する搬送波の位相とウォブリング信号の位相とがずれている場合、図3(e)のように、位相調整器103で位相調整しきれていないために、位相誤差が許容範囲を越えると位相復調信号S205の波形にはノイズが発生する。これらのノイズの発生によって同期信号の検出を誤るようになるため、同期検出回路106は、定期的に同期信号を正しく検出できていた状態から、同期信号の検出を甘くするか同期信号を補間してデータ符号の復号タイミングを生成する状態に移行する。このように、同期検出回路106で同期信号の検出ができなくなった場合には、再度同期信号の検出ができるようになるまで、位相調整器103の遅延量を更新していくことにより、位相誤差を一定範囲に収めるような制御を行うことができる。
【0024】
なお、ここで、位相調整器103における搬送波の遅延量の調整方法として、同期検出回路106において同期信号が所定の回数だけ検出されることが確認されるまで、所定の時間間隔毎に変更して決定するようにしてもよい。同期信号の検出回数と時間間隔の設定により、位相ずれ状態から位相調整済み状態に移行するまでの応答性、つまり引込み速度を変更することができる。
【0025】
また、位相調整器103における搬送波の遅延量の調整方法として、同期検出回路106において同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に遅延量が変更され、それ以外の場合は現在の遅延量が保持されるようにしてもよい。制限時間と同期信号の未検出回数の設定により、位相調整済み状態から位相ずれ状態(位相合わせ込み状態)に移行するまでの応答性、つまり引込み安定性を変更することができる。
【0026】
また、位相調整器103における搬送波の遅延量の調整方法として、メディアの記録あるいは再生の速度を設定できるようにし、その値に応じて、初期遅延量あるいは調整量の更新時間間隔あるいは一回の更新あたりの最大補正量を変更するようにしてもよい。そうすることにより、メディアの記録あるいは再生の速度に比例するウォブリング信号の周波数に合った遅延量の調整を行うことができる。
【0027】
以上のような本発明の実施の形態1に係る復調回路は、ウォブリング信号からBPF101を通して搬送波信号を生成する際に発生する位相ずれを、位相調整器103で上記搬送波信号を所定の遅延量だけ遅延させて調整しきれなかったとき、該搬送波信号の遅延量を、同期検出回路106の同期信号検出状況に応じて調整することにより、位相誤差検出用の特別な回路を不要としながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な復調回路を得ることができる。
【0028】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る復調回路は、回路規模の増加を抑えながら、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能にするために、小規模なノイズ検出器を用いてノイズ幅の検出を簡易的に行い、該検出結果を位相誤差補正値として位相調整器にフィードバックするものである。
【0029】
次に、第2の実施の形態として、本発明における復調回路の動作を、図4を用いて説明する。
図において、本実施の形態2に係る復調回路は、メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段として、入力したウォブリング信号のノイズや位相変調成分を取り除くBPF(帯域通過フィルタ)401、アナログ信号からディジタル信号に変換する2値化器408、及び安定して搬送波信号を発生させるPLL(位相同期ループ回路)402と、搬送波生成手段から出力した搬送波を、上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させる位相調整手段として、位相調整器403と、ノイズ成分を除去するLPF(低域通過フィルタ)404と、LPF404からの出力をアナログ信号からディジタル信号に変換する2値化器409と、位相復調手段として、上記搬送波生成手段からの出力、及びLPF404と2値化器409とを通過したウォブリング信号から位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調器405と、上記位相復調信号からメディアに埋め込まれた情報の同期信号を検出する同期検出回路406と、ノイズ検出手段として、上記位相復調信号からノイズを検出するノイズ検出器410と、復号器407とから構成される。
【0030】
次に、本発明の実施の形態2に係る復調回路の動作を説明する。
実施の形態1と同様に、まず、入力したウォブリング信号に対して、ノイズや位相変調成分を取り除くためにBPF401などの帯域通過フィルタを通して2値化した後、安定して搬送波信号を発生させるためのPLL402を経て搬送波信号を抽出する。この搬送波信号はウォブリング信号の周波数を抜き出しており、位相は安定している。ただし、搬送波信号の抽出の際、BPF401などの帯域通過フィルタ通しているため、搬送波信号には入力ウォブリング信号に対して位相ずれが発生している。また、この位相ずれ量は、通常、ウォブリング信号の周波数や振幅に応じて変動する。
【0031】
一方で、入力したウォブリング信号を、別途ノイズ成分のみを除去するためにLPF404などの低域通過フィルタを通過させ、2値化した後、抽出した搬送波信号とウォブリング信号とを比較して位相復調を行う位相復調器405に入力する。位相復調器405でウォブリング信号と搬送波信号との位相比較が正しく行えるように、PLL402の出力である搬送波信号を、位相調整器403に入力し、該位相調整器403で所定の遅延量だけ遅延させ、上述した位相ずれを補正してから位相調整後の搬送波信号として位相復調器405に入力する。
【0032】
次に、まず、位相復調器405において位相ずれが発生していない場合の動作について、波形を交えながら説明する。
各種信号波形は、実施の形態1で示した図2の波形を、次のように読み換えると同じになる。図2(b)はPLL402の出力である搬送波の波形、図2(c)は位相調整器403を通して位相調整した後の搬送波の波形、図2(d)はLPF404と2値化器409を通した後のウォブリング信号の波形、図2(e)は位相復調器405の出力である位相復調信号の波形と読み換えればよい。また、位相復調器405では、実施の形態1と同じように、搬送波S501の位相とウォブリング信号S502の位相とを比較し、搬送波S501、及びウォブリング信号S502が同位相の場合はHigh{図2(f)では0}を、逆位相の場合はLow{図2(f)では1}を出力する。
【0033】
次に、ノイズ検出器410によって位相復調器405の出力のノイズを除去するが、ノイズが発生していない状態なので、ノイズ検出器410の出力は、位相復調器405の出力と同等になり、位相調整器403へ送る遅延補正値(ノイズ幅に対応)はゼロになる。したがって、位相調整器403は、現在の遅延量を保持したまま動作する。
【0034】
以後、実施の形態1と同様に、ノイズ検出器410によってノイズが除去された位相復調データを、同期検出回路406に入力して同期信号の検出を行い、同期信号の検出タイミングを復号器407に通知する。復号器407では、同期信号の検出タイミングに従って位相復調されたデータ符号を復号する。具体的に図2の(f)を用いて説明すると、データ符号「10」をデータ「0」に、データ符号「01」をデータ「1」に復号する。このように復号したデータからディスク上の物理アドレスなどの埋込み情報を得ることができる。
【0035】
次に、位相復調器405に入力する搬送波の位相とウォブリング信号の位相とがずれている場合の動作について、波形を交えながら説明する。
この場合の信号波形例を、図5に示す。
【0036】
図において、(a)は位相調整器403を通して位相調整した後の搬送波S501の波形、(b)はLPF404と2値化器409を通した後のウォブリング信号S502の波形、(c)は位相復調器405の出力である位相復調信号S503の波形、(d)はノイズ検出器410によって検出され位相調整器403にフィードバックされるノイズ幅を表すノイズ幅検出信号(位相調整補正値)S504の波形、(e)はノイズ検出器によってノイズを除去した後の位相復調信号S505の波形、(f)は位相復調データとSYNC(同期符号)やデータ符号の関係を示したものである。位相復調器405に入力する搬送波の位相とウォブリング信号の位相とがずれている場合、位相調整器403で位相調整しきれていないために、位相誤差が許容範囲を越えると位相復調信号S503にはノイズが発生する。これらのノイズが発生した場合、本実施の形態2では、信号S505のように、ノイズ検出器410によってノイズ幅の検出とともにノイズの除去を行う。通常、ノイズの除去によって、幅を持った同期信号の検出がしやすくなるため、同期信号の検出率が向上する。また、ノイズ幅の検出結果を位相誤差補正値として位相調整器403にフィードバックすることにより、位相復調器405の各入力の位相誤差が段々少なくなり、より安定して(ノイズが少なく)復調できるようになる。図5におけるノイズ幅検出信号S504の時間推移において、ノイズ幅の量が段々減っていくのは、そのような位相調整制御が働くためである。また、位相誤差補正値の極性(プラス/マイナス)に関しては、位相復調器405の入力間位相誤差が少なくなる方向を試して見て決定するのでもよいが、位相復調器405にて、搬送波に対してウォブリング入力波の位相が進んでいるか遅れているかを検出できるようにしておけば、それを極性情報として用いてもよい。
【0037】
なお、同期検出回路406において同期信号が正しく検出できていた時の位相調整量の値を保存しておき、データ記録再生速度の変更など、ウォブリング信号の周波数や振幅が変わり、位相調整量を適性値に変更する必要がある場合、以前同一条件において同期信号が正しく検出できていた位相調整量に戻すようにしてもよい。
【0038】
また、ノイズ検出器410による位相誤差補正値の検出では、ノイズの原因が必ずしも位相復調器405の入力間の位相誤差だけではないので、同期信号が正しく検出されている場合には、位相調整を行わない方がよい場合もある。そこで、同期検出回路406において同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に、ノイズ検出器410から出力される遅延量の補正値が適用され、それ以外の場合は現在の遅延量とするようにしてもよい。
【0039】
また、本実施の形態2では、ノイズ検出器410によって、ノイズ幅の検出とともにノイズの除去も行う場合を説明したが、ノイズ検出器410においてノイズ幅の検出のみを行い、ノイズの除去を行わないようにしてもよい。
【0040】
以上のような、本発明の実施の形態2に係る復調回路は、ウォブリング信号からBPF401を通して搬送波信号を生成する際に発生する位相ずれを、位相調整器403で上記搬送波信号を所定の遅延量だけ遅延させて調整しきれなかったとき、小規模なノイズ検出器410を用いて位相誤差検出を簡易的に行うことにより、回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な復調回路を得ることができる。
【0041】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る情報再生装置は、位相誤差検出用の回路を不要として回路規模を抑えながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な情報再生装置、また、位相誤差検出用の回路規模を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な情報再生装置を提供するために、実施の形態1または2の復調回路を当該情報再生装置に備えたものである。
【0042】
本発明の実施の形態3に係る情報再生装置として、本発明における情報再生装置の動作を、図6を用いて説明する。
図において、601は情報再生の対象となるディスク、602は光ピックアップ、602aは光ピックアップ602からディスク601に照射された光ビーム、603は光ピックアップ移送系、604は光ピックアップ602の出力する電気信号からディスク上に記録された情報を再生する情報再生回路、605は光ピックアップ移送系603や光ピックアップ602を制御し光ビーム照射位置を調整するサーボ回路、606は情報再生回路604やサーボ回路605をシステム制御するCPU(中央処理装置)、607は情報再生回路604に含まれた本発明における復調回路、608は復調回路607に含まれた同期検出器、609は復調回路607に含まれた位相調整器である。
【0043】
次に、本発明の実施の形態3に係る情報再生装置の動作について説明する。
まず、光ピックアップ602は、ディスク601中の情報記録面にレーザ光を照射し、その反射光を電気信号に変換して情報再生回路604に送出する。本発明における情報再生装置では、ディスク上のウォブリングされたトラック形状を表すウォブリング信号を再生するために、全反射光量から得られるデータ再生信号とは別に、少なくとも反射光をトラックに沿って2分割し、左右の反射光量の差分から得られるプッシュプル信号(トラッキング誤差信号の一つ)も、情報再生回路604に送出する。
【0044】
情報再生回路604では、データ再生信号を復調してユーザデータを再生するとともに、ウォブリング信号(プッシュプル信号)から復調回路607を用いてディスク上に予め埋め込まれた物理アドレスを再生する。この情報再生回路604はシステム制御を行っているCPU606によってデータ再生タイミングなどを制御される。
【0045】
現在物理アドレス(光ピックアップ602の現在位置)から情報を(記録)再生するのではなく、別の物理アドレス(別の光ピックアップ位置)から情報を(記録)再生する場合、CPU606は、現在の物理アドレスと目標とする物理アドレスから光ピックアップ602の移動量を計算して、サーボ回路605に光ピックアップの移動を指示する。サーボ回路605は、光ピックアップ移送系603を制御して光ピックアップ602を目標とする物理アドレス付近に移動させる。
【0046】
なお、本実施の形態3で示した情報再生装置の場合、復調回路607において同期検出器608の同期信号検出結果をもとに位相調整器609の搬送波遅延量を調整する際に、CPU606を用いて同期検出器608の同期信号検出結果を読取り、CPU606が、その検出状況を判断しながら、位相調整器609に搬送波遅延量を設定するようにしてもよい。
【0047】
以上のような本発明の実施の形態3に係る情報再生装置は、実施の形態1または2で説明した復調回路を用いて再生動作を行うようにしたので、実施の形態1に係る復調回路を用いた場合、位相誤差検出用の回路を不要として回路規模を抑えながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な情報再生装置とすることができ、また、実施の形態2に係る復調回路を用いた場合、小規模なノイズ検出器を用いて位相誤差検出を簡易的に行うことで、位相誤差検出用の回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な情報再生装置とすることができる。
【0048】
なお、本実施の形態3に係る情報再生装置は、本発明の実施の形態1または2の復調回路を用いて情報再生動作を行うものとして説明したが、この情報再生動作は、情報記録再生装置における情報再生動作としても適用可能であるのはいうまでもない。
【0049】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る情報再生方法は、シーク時間を短縮するために、光ピックアップの移動、同期信号の検出、及び位相調整器の遅延量の保存を繰り返し行い、各々の光ピックアップ位置に対応した位相調整器の遅延量を予め保存しておき、該遅延量の保存先から、シーク動作時にそのシーク先の光ピックアップ位置に対応する遅延量を読み出すものである。
【0050】
実施の形態4として、本発明における情報再生方法を、主に図7と図8を用いて説明する。本実施の形態4に係る情報再生方法の動作は、図6に示した実施の形態3の情報再生装置を用いることを想定して説明する。
【0051】
まず、図6と図7を用いて、本発明の復調回路における位相調整器の搬送波遅延量を、光ピックアップの各位置毎に予め求めておく手順を説明する。本手順は、情報再生装置に新たなディスクが挿入された時などの立上げ動作中に行うか、情報再生装置の製造過程における調整工程時に行う。
図7は、復調回路607における位相調整器609の搬送波遅延量を、光ピックアップの各位置毎に予め求めておく手順を示したフローチャートである。
【0052】
始めに、ステップS701において、CPU606は、光ピックアップ602を最内周位置に移動するよう、サーボ回路605に指示を出し(サーボ回路605が光ピック移送系603を制御することで)、光ピックアップ602が最内周位置に移動する。
【0053】
次に、ステップS702において、CPU606は、同期検出器608から同期信号の検出状況を読取り、安定して同期信号の検出が行われるまで待つ。ここで、実施の形態3で述べたように、CPU606が同期信号の検出状態を見ながら位相調整器609に搬送波の遅延量を設定する構成を取る場合は、安定して同期信号の検出が行われるまで、CPU606は、位相調整器609に搬送波の遅延量を更新していく。
【0054】
次に、ステップS703において、ステップS702にて安定して同期信号の検出が行われたならば、CPU606は、位相調整器609から現在適用されている搬送波の遅延量dを読取り、現在の光ピックアップ位置である内周から(n×L)の位置に対応するワーク用のメモリ位置nに、読取った遅延量dを格納する。ここで、nは、ゼロから始まり、後述するS705を通る毎に1ずつ増えていく値である。また、Lは、S705において少しずつ外周側に光ピックアップを移動させる時の移動量を表している。
【0055】
次に、ステップS704において、CPU606は、光ピックアップの位置(n×L)が最外周まで到達したかどうかを判断する。最外周まで移動している場合は、本フローチャートを終了する。最外周まで移動していない場合は、次のステップであるステップS705に進む。
【0056】
ステップS705では、CPU606は、光ピックアップ602を外周側にLだけ移動するよう、サーボ回路605に指示を出し、ステップS702に戻って、次の光ピックアップ位置における遅延量の測定を繰り返す。
以上が、本発明の復調回路における位相調整器の搬送波遅延量を、光ピックアップの各位置毎に予め求めておく手順である。
【0057】
今度は、図6と図8を用いて、シーク動作時に本発明の復調回路における位相調整器609の搬送波遅延量を設定する手順を説明する。本手順は、位相調整器609の搬送波遅延量を再設定した方がウォブリング信号の位相復調動作が早く完了するような(比較的長い)距離だけ離れた物理アドレスへのシーク動作時に行う。
【0058】
図8は、シーク動作(現在の物理アドレスから目標とする物理アドレスへの移動)のフローチャートであり、シーク動作時に復調回路607における位相調整器609の搬送波遅延量を設定する手順を表している。
始めに、ステップS801において、CPU606は、シーク先の目標物理アドレスから、光ピックアップ602を移動させる位置Tを計算する。光ピックアップの位置は内周から測った位置とする。
【0059】
次に、ステップS802において、CPU606は、光ピックアップ602を位置Tに移動するよう、サーボ回路605に指示を出す。
次に、ステップS803において、CPU606は、m=T/Lの計算を行って、ワーク用メモリ位置mから、光ピックアップ602の位置Tに対応する遅延量dを読み出す。ここで、Lは、図7のフローチャートにおけるステップS705にて、少しずつ外周側に光ピックアップを移動させる時の移動量、つまり、遅延量の測定間隔である。
【0060】
次に、ステップS804において、ステップS803で得られた遅延量dを位相調整器609の初期遅延量として設定する。
次に、ステップS805において、位相調整器609の遅延量を、ステップS804にて初期設定された値から、安定して復調できる遅延量に補正していくための制御を開始する。ここで、実施の形態3で述べたように、CPU606が同期検出状態を見ながら位相調整器609に搬送波の遅延量を設定する構成を取る場合は、安定して同期信号の検出が行われるまで、CPU606は、位相調整器609に搬送波の遅延量を更新していく。
【0061】
次に、ステップS806において、CPU606は、同期検出器608から同期検出状況を読み取り、安定して同期信号の検出が行われるまで待つ。
次に、ステップS807において、ステップS806にて安定して同期信号の検出が行われたならば、CPU606は、復調回路607から物理アドレスを読み取る。
【0062】
次に、ステップS808において、CPU606は、ステップS807で読み取った物理アドレスがシーク先の目標物理アドレスの範囲かどうかを判定し、目標物理アドレスの範囲に入っていれば、一連のシーク動作のフローを終了する。また、目標物理アドレスの範囲に入っていなければ、ステップS809に進む。ステップS809では、CPU606は、位相調整器609の遅延量を保持しながら、目標物理アドレスに対するずれ量だけ光ピックアップ602を移動し、S805に戻って、物理アドレスの確認動作を繰り返す。
【0063】
以上が、シーク動作時に本発明の復調回路における位相調整器609の搬送波遅延量を設定する手順である。
これまで説明したような手順によって、本実施の形態に示す情報再生方法は、まず、メディア上の光ピックアップを内周から外周までの所定範囲を移動させるように、光ピックアップの移動、同期信号の検出待ち、位相調整器の遅延量の保存を繰り返し行って、各々の光ピックアップ位置に対応した位相調整器の遅延量を予め保存しておく。そして、メディアの記録再生における光ピックアップの移動時に、移動先の光ピックアップの位置に対応した遅延量を位相調整器に設定する。
【0064】
以上のような本発明の実施の形態4に係る情報再生方法は、CAV(角速度一定)回転制御方式を用いる場合、メディアの記録再生における光ピックアップの移動時には、ウォブリング信号の周波数が変化するために、位相調整器の搬送波遅延量の再調整ができるまで位相復調が正確に行えず、ディスク上にトラックウォブリングで埋め込まれた物理アドレス情報を再生できないときでも、メディアの記録再生における光ピックアップの移動を伴うシーク動作時に、予め保存しておいた移動先のピックアップ位置に対応する遅延量を位相調整器に設定することによって、早く安定した位相復調を行えるために、光ピックアップの移動後早いタイミングで物理アドレス情報の再生が可能となり、シーク時間を短縮できる。
【0065】
なお、本発明の実施の形態4に係る情報再生方法は、情報再生装置を用いてその再生動作を行う方法について説明したが、情報記録再生装置を用いてその再生動作を行う際に適用可能であるのはいうまでもない。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に係る復調回路によれば、位相変調方式を用いてトラックをウォブリングすることにより予めメディアに埋め込まれた情報を復調する復調回路であって、上記メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段から出力した搬送波を上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させて位相調整を行う位相調整手段と、上記メディアから得られたウォブリング信号と、上記位相調整手段から出力される位相調整後の搬送波とから位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調手段と、上記位相復調信号から上記情報の同期信号を検出し、その検出結果により、上記位相調整手段による上記所定の遅延量を決定する同期検出手段とを備えたので、位相誤差検出用の回路を不要とし、回路規模の増加を抑えながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な復調回路を提供することができる効果がある。
【0067】
また、本発明の請求項2に記載の復調回路によれば、請求項1に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段にて同期信号が所定回数だけ検出されることが確認されるまで、所定時間間隔毎に変更していくことにより決定されるので、検出回数と時間間隔を設定して、位相ずれ状態から位相調整済み状態に移行するまでの応答性、つまり引込み速度を変更することができる効果がある。
【0068】
また、本発明の請求項3に記載の復調回路によれば、請求項1または2に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段にて同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に変更され、それ以外の場合は現在の遅延量とするので、制限時間と同期信号の未検出回数を設定して、位相調整済み状態から位相ずれ状態(位相合わせ込み状態)に移行するまでの応答性、つまり引込み安定性を変更することができる効果がある。
【0069】
また、本発明の請求項4に記載の復調回路によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、設定されたメディアの記録あるいは再生の速度に応じて調整されるので、メディアの記録あるいは再生の速度に比例するウォブリング信号の周波数に合った遅延量の調整を行うことができる効果がある。
【0070】
また、本発明の請求項5に記載の復調回路によれば、位相変調方式を用いてトラックをウォブリングすることにより予めメディアに埋め込まれた情報を復調する復調回路であって、上記メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段から出力した搬送波を、上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させて位相調整を行う位相調整手段と、上記メディアから得られたウォブリング信号と、上記位相調整手段から出力される位相調整後の搬送波とから位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調手段と、上記位相復調信号からノイズ幅を検出し、該検出したノイズ幅に応じて上記所定の遅延量を決定するノイズ検出手段と、上記位相復調信号から上記メディアに埋め込まれた情報の同期信号を検出する同期検出手段とを備えたので、ノイズ検出手段を用いて、搬送波の遅延量を補正することにより、位相誤差検出用の回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な復調回路を提供することができる効果がある。
【0071】
また、本発明の請求項6に記載の復調回路によれば、請求項5に記載の復調回路において、上記ノイズ検出手段は、上記位相復調信号からノイズ幅の検出を行うとともに、ノイズ成分を除去した位相復調信号を上記同期検出手段に送るので、ノイズを除去して、幅を持った同期信号の検出がしやすくなり、同期信号の検出率が向上し、また、ノイズ幅の検出結果を位相誤差補正値として用いることにより、より安定して復調できる効果がある。
【0072】
また、本発明の請求項7に記載の復調回路によれば、請求項5または6に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段の同期信号検出状況に応じて調整されるので、ノイズの原因が位相誤差以外の場合でも安定して復調することができる効果がある。
【0073】
また、本発明の請求項8に記載の復調回路によれば、請求項7に記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段において同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に、上記ノイズ検出手段により決定した所定の遅延量が適用され、それ以外の場合は現在の遅延量が保持されるので、ノイズの原因が位相誤差以外の場合でも安定して復調することができる効果がある。
【0074】
また、本発明の請求項9に記載の復調回路によれば、請求項5ないし8のいずれかに記載の復調回路において、上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、設定されたメディアの記録あるいは再生の速度に応じて調整されるので、メディアの記録あるいは再生の速度に比例するウォブリング信号の周波数に合った遅延量の調整を行うことができる効果がある。
【0075】
また、本発明の請求項10に記載の情報再生装置によれば、メディア上に光ビームを照射して上記メディアからの反射光量を電気的な信号に変換する光ピックアップと、光ビームを照射中の位置情報を上記光ピックアップから検出し、上記位置情報を基に上記メディア上の光ビームの照射位置を制御するサーボ手段と、上記光ピックアップの位置を移動させる光ピックアップ移送手段と、請求項1ないし9のいずれかに記載の復調回路を有し、上記光ピックアップから上記メディア上の情報を検出し、復調処理を行う情報再生手段と、上記サーボ手段と上記情報再生手段とを制御するシステム制御手段とを備えたので、位相誤差検出用の回路を不要として回路規模を抑えながらも、広いウォブリング信号の周波数範囲で使用可能な情報再生装置を提供することができ、また、位相誤差検出用の回路規模の増加を抑えながらも、ウォブリング信号の周波数変動に早く追従可能な情報再生装置を提供することができる効果がある。
【0076】
また、本発明の請求項11に記載の情報再生装置によれば、請求項10に記載の情報再生装置において、上記システム制御手段は、上記復調回路における位相調整手段の遅延量が、上記光ピックアップ移送手段にて移動した上記光ピックアップの照射位置毎に予め保存され、メディアの再生における光ピックアップの移動時に、該保存された移動先の光ピックアップ位置に対応した上記遅延量を設定するので、光ピックアップの移動後早いタイミングで物理アドレス情報の再生が可能で、シーク時間を短縮でき、光ピックアップの移動時に早く安定した位相復調を行うことができる情報再生装置を提供することができる効果がある。
【0077】
また、本発明の請求項12に記載の情報再生方法によれば、メディア上の光ピックアップを所定の照射位置に移動させる光ピックアップ移動ステップと、現在の光ピックアップ位置で請求項1ないし9のいずれかに記載の復調回路を動作させ、上記復調回路における同期検出手段から安定して同期信号の検出ができるまで待つ同期信号検出待ちステップと、上記復調回路における位相調整手段から搬送波の遅延量を読み出して、該読み出した遅延量を、システム全体を制御するシステム制御手段に保存する遅延量保存ステップと、上記システム制御手段に保存した遅延量から、ピックアップ位置に対応した遅延量を読み出し、該読み出した遅延量を上記復調回路における位相調整手段に設定する遅延量設定ステップとから構成され、メディア上の光ピックアップを内周から外周までの所定範囲に移動させるようにして、上記光ピックアップ移動ステップ、上記同期信号検出待ちステップ、及び上記遅延量保存ステップを繰り返し行い、各々の光ピックアップ位置に対応した遅延量を予め上記システム制御手段に保存しておき、メディアの再生における光ピックアップの移動時に、上記システム制御手段に保存した遅延量から、移動先の光ピックアップの位置に対応した遅延量を読み出し、該読み出した遅延量を上記遅延量設定ステップによって設定するので、光ピックアップの移動後、早いタイミングで物理アドレス情報の再生が可能で、シーク時間を短縮でき、光ピックアップの移動時に早く安定した位相復調を行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における復調回路の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態1における、位相復調器の入力間に位相ずれがない場合の、位相復調器の入出力信号例を中心としたタイミング図。
【図3】本発明の実施の形態1における、位相復調器の入力間に位相ずれがある場合の、位相復調器の入出力信号例を中心としたタイミング図。
【図4】本発明の実施の形態2における復調回路の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の実施の形態2における、位相復調器の入力間に位相ずれがある場合の、位相復調器の入出力信号例を中心としたタイミング図。
【図6】本発明の実施の形態3における情報再生装置の構成を示すブロック図。
【図7】本発明の実施の形態4における、位相調整器の搬送波遅延量を、光ピックアップの各位置毎に予め求めておく手順を示したフローチャート。
【図8】本発明の実施の形態4における、シーク動作時に位相調整器の搬送波遅延量を設定する手順を示したフローチャート。
【符号の説明】
101、401 BPF(帯域通過フィルタ)
102、402 PLL(位相同期ループ)
103、403 位相調整器
104、404 LPF(低域通過フィルタ)
105、405 位相復調器
106、406 同期検出回路
107、407 復号器
108、109、408、409 2値化器
410 ノイズ検出器
601 ディスク
602 光ピックアップ
602a 光ビーム
603 光ピックアップ移送系
604 情報再生回路
605 サーボ回路
606 CPU(中央処理装置)
607 復調回路
608 同期検出器
609 位相調整器
S201 入力ウォブリング信号
S202 PLL出力の搬送波
S203、S501 位相調整器出力の搬送波
S204、S502 LPF、及び2値化器通過後のウォブリング信号
S205、S503 位相復調器出力の位相復調信号
S504 ノイズ検出器出力のノイズ幅検出信号
S505 ノイズ検出器出力のノイズ除去後位相復調信号
Claims (12)
- 位相変調方式を用いてトラックをウォブリングすることにより予めメディアに埋め込まれた情報を復調する復調回路であって、
上記メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段と、
上記搬送波生成手段から出力した搬送波を上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させて位相調整を行う位相調整手段と、
上記メディアから得られたウォブリング信号と、上記位相調整手段から出力される位相調整後の搬送波とから位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調手段と、
上記位相復調信号から上記情報の同期信号を検出し、その検出結果により、上記位相調整手段による上記所定の遅延量を決定する同期検出手段とを備えた、
ことを特徴とする復調回路。 - 請求項1に記載の復調回路において、
上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段にて同期信号が所定回数だけ検出されることが確認されるまで、所定時間間隔毎に変更していくことにより決定される、
ことを特徴とする復調回路。 - 請求項1または2に記載の復調回路において、
上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段にて同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に変更され、それ以外の場合は現在の遅延量が保持される、
ことを特徴とする復調回路。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の復調回路において、
上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、設定されたメディアの記録あるいは再生の速度に応じて調整される、
ことを特徴とする復調回路。 - 位相変調方式を用いてトラックをウォブリングすることにより予めメディアに埋め込まれた情報を復調する復調回路であって、
上記メディアから得られたウォブリング信号から、その搬送波を抽出する搬送波生成手段と、
上記搬送波生成手段から出力した搬送波を、上記ウォブリング信号の搬送波に合わせるよう、所定の遅延量だけ遅延させて位相調整を行う位相調整手段と、
上記メディアから得られたウォブリング信号と、上記位相調整手段から出力される位相調整後の搬送波とから位相復調を行い、位相復調信号を出力する位相復調手段と、
上記位相復調信号からノイズ幅を検出し、該検出したノイズ幅に応じて上記所定の遅延量を決定するノイズ検出手段と、
上記位相復調信号から上記メディアに埋め込まれた情報の同期信号を検出する同期検出手段とを備えた、
ことを特徴とする復調回路。 - 請求項5に記載の復調回路において、
上記ノイズ検出手段は、上記位相復調信号からノイズ幅の検出を行うとともに、ノイズ成分を除去した位相復調信号を上記同期検出手段に送るものである、
ことを特徴とする復調回路。 - 請求項5または6に記載の復調回路において、
上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段の同期信号検出状況に応じて調整される、
ことを特徴とする復調回路。 - 請求項7に記載の復調回路において、
上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、上記同期検出手段において同期信号が所定の制限時間以内に所定回数だけ検出されない場合に、上記ノイズ検出手段により決定した所定の遅延量が適用され、それ以外の場合は現在の遅延量が保持される、
ことを特徴とする復調回路。 - 請求項5ないし8のいずれかに記載の復調回路において、
上記位相調整手段における搬送波の遅延量は、設定されたメディアの記録あるいは再生の速度に応じて調整される、
ことを特徴とする復調回路。 - メディア上に光ビームを照射して上記メディアからの反射光量を電気的な信号に変換する光ピックアップと、
光ビームを照射中の位置情報を上記光ピックアップから検出し、上記位置情報を基に上記メディア上の光ビームの照射位置を制御するサーボ手段と、
上記光ピックアップの位置を移動させる光ピックアップ移送手段と、
請求項1ないし9のいずれかに記載の復調回路を有し、上記光ピックアップから上記メディア上の情報を検出し、復調処理を行う情報再生手段と、
上記サーボ手段と上記情報再生手段とを制御するシステム制御手段とを備えた、
ことを特徴とする情報再生装置。 - 請求項10に記載の情報再生装置において、
上記システム制御手段は、上記復調回路における位相調整手段の遅延量が、上記光ピックアップ移送手段にて移動した上記光ピックアップの照射位置毎に予め保存され、メディアの再生における光ピックアップの移動時に、該保存された移動先の光ピックアップ位置に対応した上記遅延量を設定する、
ことを特徴とする情報再生装置。 - メディア上の光ピックアップを所定の照射位置に移動させる光ピックアップ移動ステップと、
現在の光ピックアップ位置で請求項1ないし9のいずれかに記載の復調回路を動作させ、上記復調回路における同期検出手段から安定して同期信号の検出ができるまで待つ同期信号検出待ちステップと、
上記復調回路における位相調整手段から搬送波の遅延量を読み出して、該読み出した遅延量を、システム全体を制御するシステム制御手段に保存する遅延量保存ステップと、
上記システム制御手段に保存した遅延量から、ピックアップ位置に対応した遅延量を読み出し、該読み出した遅延量を上記復調回路における位相調整手段に設定する遅延量設定ステップとから構成され、
メディア上の光ピックアップを内周から外周までの所定範囲に移動させるようにして、上記光ピックアップ移動ステップ、上記同期信号検出待ちステップ、及び上記遅延量保存ステップを繰り返し行い、各々の光ピックアップ位置に対応した遅延量を予め上記システム制御手段に保存しておき、メディアの再生における光ピックアップの移動時に、上記システム制御手段に保存した遅延量から、移動先の光ピックアップの位置に対応した遅延量を読み出し、該読み出した遅延量を上記遅延量設定ステップによって設定する、
ことを特徴とする情報再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002204632A JP2004046989A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 復調回路、情報再生装置、及び情報再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002204632A JP2004046989A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 復調回路、情報再生装置、及び情報再生方法 |
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JP2002204632A Pending JP2004046989A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 復調回路、情報再生装置、及び情報再生方法 |
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JP (1) | JP2004046989A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005024804A1 (ja) * | 2003-09-02 | 2005-03-17 | Ricoh Company Ltd. | ウォブル信号復調回路及び光ディスク装置 |
US7477585B2 (en) | 2004-07-23 | 2009-01-13 | Teac Corporation | Error correction device and optical disk device |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002204632A patent/JP2004046989A/ja active Pending
Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
WO2005024804A1 (ja) * | 2003-09-02 | 2005-03-17 | Ricoh Company Ltd. | ウォブル信号復調回路及び光ディスク装置 |
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