JP2004046647A - 動画像データに基づく移動物体追跡方法及び装置 - Google Patents
動画像データに基づく移動物体追跡方法及び装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】広域動画像内を移動する選手等を高精度に抽出・追跡する。
【解決手段】過去の複数フレームにおける前記追跡物体の位置情報を記憶しておき、記憶した該過去の複数フレームの該追跡物体の位置情報に基づき今回のフレームにおける該追跡物体の予測位置を求める。今回のフレームにおける画像データから前記追跡物体に特有の前記所定の特徴を持つ候補物体を抽出する。前記予測位置により近い前記抽出された候補物体を前記追跡物体として割り当てる。このようにすると、スポーツ動画像などの屋外環境を想定した広い範囲における選手の抽出・追跡を高精度に行うことができるようになる。
【選択図】 図8
【解決手段】過去の複数フレームにおける前記追跡物体の位置情報を記憶しておき、記憶した該過去の複数フレームの該追跡物体の位置情報に基づき今回のフレームにおける該追跡物体の予測位置を求める。今回のフレームにおける画像データから前記追跡物体に特有の前記所定の特徴を持つ候補物体を抽出する。前記予測位置により近い前記抽出された候補物体を前記追跡物体として割り当てる。このようにすると、スポーツ動画像などの屋外環境を想定した広い範囲における選手の抽出・追跡を高精度に行うことができるようになる。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、動画像内を移動する移動物体を自動的に抽出し追跡する動画像データに基づく移動物体追跡方法及び装置に関する。特に、屋外環境を想定した広い範囲で行われたスポーツ競技を撮影した広域動画像内を移動する選手やボール等の移動物体を高精度に抽出・追跡することのできるようにした動画像データに基づく移動物体追跡方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラ等で撮影した動画像内を移動する人物を自動的に抽出して追跡することのできる動画像データに基づく移動物体追跡装置は、従来から知られている。こうした移動物体追跡装置において動画像内を移動する人物を抽出して追跡する方法としては、以下に示すようないくつかの方法が用いられている。例えば、予め人物の存在しない「背景画像」を取得しておき、入力画像と前記「背景画像」との差分処理結果から人物を抽出する背景差分法、一定周期のNフレーム(Nは1以上の整数)のインタバル時間を隔てて撮影された二つの画像間における差分処理によって人物を抽出するフレーム間差分法、予め移動物体の特徴をテンプレートとして登録しておき、この特徴(テンプレート)を用いて二つの画像間でマッチングを行うことにより人物を抽出するテンプレートマッチング法、画像中の各点の明るさ(つまり輝度)の空間的及び時間的な勾配の間の関係(これをオプティカルフローと呼ぶ)を用いて人物を抽出するオプティカルフロー法、画像中におけるエッジを抽出することにより人物を抽出するエッジ抽出法などの方法が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では、スポーツ動画像などの屋外環境を想定した広い範囲における人物の抽出・追跡を行う移動物体追跡装置の実現が望まれている。とりわけ、サッカーゲームなどに代表されるフォーメーションを用いる集団で行われるスポーツ競技においては、フォーメーションの確認や戦術解析などを行うために選手(つまり人物)の動きを自動的に解析することが望まれている。しかし、上述したような各種方法を用いた従来の移動物体追跡装置においては、こうした屋外環境で行われるスポーツ動画像などを想定した広い範囲の動画像から自動的に選手を抽出して追跡することは非常に難しい、という問題点があった。すなわち、背景差分法ではサッカーゲームの開始に先だって予め背景画像を撮影しておくことは困難であり、またサッカーゲームなどが行われる場所の気象条件や施設の照明などの影響によって背景画像が時間的に変化すると選手の抽出が難しくなる。フレーム間差分法では、選手がゆっくり歩いていたり静止しているときの選手の抽出が難しい。テンプレートマッチング法では選手が移動して画像上で見かけが変わってしまうと選手の抽出が困難となるし、また新たな選手が追加されるたびに新しいテンプレートを作成しなければならずユーザの負担が大きく面倒でもある。オプティカルフロー法では前記フレーム間差分法と同様に選手がゆっくり歩いていたり静止しているときの選手の抽出が難しく、またオプティカルフローの計算は非常に計算量が多いことからリアルタイムで選手の抽出・追跡を実行させるためには特殊なハードウエアが必要となるので不都合である。エッジ抽出法では、選手の他にグラウンド上に描かれた白線やゴールなども選手として抽出してしまい都合が悪い。
【0004】
さらに、サッカーゲームなどのようなボールを用いるスポーツ競技(つまり球技)においては、選手(人物)だけでなく該スポーツ競技で使用されているボールを抽出し追跡することも重要である。しかし、ボールを高精度に抽出して追跡することは選手の抽出・追跡に比べて非常に難しい。すなわち、ボールは非常に小さいので抽出がしにくい。また、ボールは空中に浮くことがあって移動速度が速い。さらに、ボールは選手によって隠蔽(こうした状態をオクルージョン状態と呼ぶ)されることがあり、このオクルージョン状態においてボールの位置を特定することは非常に難しい。こうしたことから、上記したような各種方法を用いた従来の移動物体追跡装置においては正確にボールを抽出して追跡することは非常に難しい、という問題点があった。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、スポーツ動画像などの屋外環境を想定した広い範囲における人物の抽出・追跡を高精度に行うことができるようにした動画像データに基づく移動物体追跡方法及び装置を提供しようとするものである。また、サッカーゲームなどのようなボールを用いるスポーツ競技を撮影したスポーツ動画像から、選手(人物)だけでなく該スポーツ競技で使用されているボールを高精度に抽出し追跡することが可能な動画像データに基づく移動物体追跡方法及び装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る移動物体追跡方法は、動画像データに基づき画像中における所定の特徴を持つ物体を追跡物体としてその動きを追跡する方法であって、過去の複数フレームにおける前記追跡物体の位置情報を記憶しておき、記憶した該過去の複数フレームの該追跡物体の位置情報に基づき今回のフレームにおける該追跡物体の予測位置を求める第1ステップと、今回のフレームにおける画像データから前記追跡物体に特有の前記所定の特徴を持つ候補物体を抽出する第2ステップと、前記予測位置により近い前記抽出された候補物体を前記追跡物体として割り当てる第3ステップとを具える。
【0007】
本発明の請求項5に係る移動物体追跡方法は、動画像データに基づき画像中における所定の特徴を持つ物体の動きを順次追跡する追跡ステップと、前記動画像データに基づく画像中において前記所定の特徴を持つ物体と推定される所定の動きをする等価物を探索する探索ステップと、前記追跡ステップで追跡された前記物体と前記探索ステップで探索した該物体の等価物の少なくとも一方を前記物体の追跡情報として選択する選択ステップとを具備する。
【0008】
本発明の請求項7に係る移動物体追跡方法は、少なくとも2つ以上のグループに分類される人物を撮影した動画像上において人物追跡を行う移動物体追跡方法であって、所定のサイクルで入力される複数フレーム画像から背景画像を自動的に作成する第1ステップと、前記作成した背景画像をもとに各フレーム画像において背景差分処理を行い、該背景差分処理により得られた抽出物に対して予め設定済みの人物モデルを適用することで人物の抽出を行う第2ステップと、各フレームの画像毎に最適色パラメータを取得し、該取得した最適色パラメータに基づき前記抽出した人物のグループ判定を行う第3ステップと、前記グループ判定に従って人物同定を行う第4ステップとを具備する。
【0009】
本発明の請求項12に係る移動物体追跡方法は、少なくとも動画像上のボールを追跡する移動物体追跡方法であって、所定のサイクルで入力される複数フレーム画像から1枚の背景画像を自動的に作成するステップと、前記作成した背景画像をもとに各フレーム画像において背景差分処理を行い、該背景差分処理により得られた人物領域以外の抽出物に対して予め設定済みのボールモデルを適用することでボールを抽出するステップと、少なくとも過去2フレームにおけるボールの位置情報に基づいて現在のフレームにおけるボールを予測位置を求めることによってボールの追跡を行うステップと、ボールの軌道上を複数フレームにわたって連続的に動くボール候補を全画像中から探索するステップとを具備する。
【0010】
本発明は、方法の発明として構成し、実施することができるのみならず、装置の発明として構成し実施することができる。また、本発明は、コンピュータまたはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施することができるし、そのようなプログラムを記憶した記憶媒体の形態で実施することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、この発明に係る移動物体追跡装置を適用したトラッキングシステムの一実施例の全体構成を示すブロック図である。この実施例に示したトラッキングシステムは屋外で行われるサッカーゲーム等の、フォーメーションを用いた戦術性の高いスポーツ競技における選手やボール等の抽出・追跡に最も有用である。そこで、以下では特にサッカーゲームにおける選手及びサッカーボールの抽出・追跡を行う場合を例に説明する。
【0013】
図1に示すように、この実施例に示すトラッキングシステムは、サッカーゲームが実際に行われるサッカーグラウンド(以下、フィールドと呼ぶ)全体を撮影する2台の撮影用ビデオカメラCと、移動物体追跡装置Aとにより構成される。2台の撮影用ビデオカメラCはフィールド全体を各々分担して撮影するためのものであり、センターサークルを含んだ中央部は2台の撮影用ビデオカメラCが重複して撮影できるようにする。したがって、各撮影用ビデオカメラCはそれぞれフィールド左側の撮影範囲「シーン1」とフィールド右側の撮影範囲「シーン2」とを別々に撮影するが、各撮影用ビデオカメラCで撮影されるシーン1とシーン2とを比べると中央部が重複するようにして撮影されている(こうした撮影範囲を重複領域と呼ぶ)。ここでいう「シーン」とは、単一の撮影用ビデオカメラCによる撮影範囲である。こうした2台の撮影用ビデオカメラCはそれぞれがフィールドの奥行きを十分に撮影できるようにするために、実際にはフィールド全体を見渡せるスタジアムの高い位置などに予め配置されている。勿論、撮影用ビデオカメラCは2台のみを配置することに限られず、フィールド全体を撮影できるように撮影用ビデオカメラCを複数台配置してよいことは言うまでもない。
【0014】
移動物体追跡装置Aはカメラキャリブレーション(つまり、ワールド座標空間と画像座標空間との対応付け)された撮影用ビデオカメラCからの入力映像を分析して選手やボール等の抽出・追跡を行う処理装置であって、シーン内追跡部1と、シーン間人物同定部2と、位置情報の取得・補正部3とから構成される。なお、ワールド座標とはサッカーグラウンドにおける絶対位置座標である。この実施例に示された移動物体追跡装置Aはパソコン等のコンピュータを用いて構成されており、そこにおいて、選手やボール等の抽出・追跡は、コンピュータがこの発明に係る移動物体追跡処理を実現する所定の制御プログラムを含むソフトウエアを実行することにより実施される。シーン内追跡部1では、個々の撮影用ビデオカメラCからの入力映像(シーン1又はシーン2)を分析して当該シーン内における選手やボール等の抽出・追跡を行う。すなわち、各シーン内追跡部1では独立にシーン内での選手やボール等の抽出・追跡を行う。シーン間人物同定部2は複数シーン間(ここではシーン1とシーン2の2つのシーン間)の同期をとり、独立に動いているシーン内追跡部1からのデータを統合してトラッキングシステム全体としての個々の選手やボール等の個別キャラクタの抽出・追跡を実行する。すなわち、各撮影用ビデオカメラCで撮影された複数のシーンの追跡情報を統合し、フィールド全体での追跡を行う。特に、隣接するシーンはそれぞれ重複領域を含むため、この重複領域における隣接シーン間で人物同定(マッチング)を行わなければならない。位置情報の取得・補正部3では、トラッキングシステム全体としての選手やボール等の抽出・追跡に従い、ワールド座標での選手やボール等の位置情報を取得し、必要に応じて補正する。
【0015】
なお、上述したような選手やボール等の抽出・追跡を行うための移動物体追跡装置Aはコンピュータソフトウエアの形態に限らず、DSP(ディジタルシグナルプロセッサ)によって処理されるマイクロプログラムの形態でも実施可能であり、また、この種のプログラムの形態に限らず、ディスクリート回路又は集積回路若しくは大規模集積回路等を含んで構成された専用ハードウエア装置の形態で実施してもよいことは言うまでもない。
【0016】
次に、上述したトラッキングシステムにおけるシーン内追跡部1の処理概要について、図2を用いて説明する。図2は、シーン内追跡部1の処理概要を示すブロック図である。この図2から理解できるように、個々のシーン内追跡部1は、学習部1aと、抽出部1bと、追跡部1cとから構成される。学習部1aでは背景画像の作成と色情報・人間サイズの学習とを行うことによって、選手やボールの抽出・追跡に必要な補助データを作成する。本発明に係る移動物体追跡装置Aでは、選手やボール等の抽出に背景差分法を用いる。しかしながら、サッカーゲームのような屋外のスポーツ競技においては予め背景画像を撮影しておくことが困難である。また、フィールドのある場所の気象条件や施設の照明などの影響により、背景画像が時間的に変化する。そこで、本発明に係る移動物体追跡装置Aでは、学習部1aにおいて定期的に背景画像(補助データ)を自動作成することにより、背景画像が時間的に変化した場合であったとしても背景差分法を用いて有効に選手やボール等を抽出できるようにしている。色情報・人間サイズの学習は、人物モデルとの比較による選手の抽出を高精度に行うために用いる人間サイズ(補助データ)や、抽出された選手をチーム分類して個々の選手の追跡を精度よく行うために用いる色情報(補助データ)を更新する。学習部1aでは抽出部1b及び追跡部1cで得られた結果のフィードバックを受けることで定期的に前記各補助データを更新し、抽出部1b及び追跡部1cに常に最新の補助データを提供することによって選手やボール等の抽出・追跡を高精度に行うことができるようにしている。
【0017】
ここで、上記した学習部1aにおける背景画像の作成処理及び色情報・人間サイズの学習処理について説明する。まず、背景画像の作成処理について図3を用いて説明する。図3は、背景画像の作成処理の一実施例を示すフローチャートである。
ステップS1では、ビデオ撮影されたサッカー動画像中の各フレームにおいて人物候補領域を特定し、該人物候補領域以外の領域を背景利用可能領域(背景として利用できる領域)とする。人物候補領域は、まず各フレームにおいて前(過去)フレームとのフレーム間差分処理を行う。一般的に各サッカー選手は移動しているので、フレーム間の差分をとることによって人物領域付近でオブジェクト抽出が行われる。ここでは、各選手の微少な移動を検出できるようにするため、数フレーム過去のフレームとのフレーム間処理を行う。こうして抽出されたオブジェクト領域に対して膨張処理を行うことによって人物候補領域を得、該得られた人物候補領域以外の領域をそのフレームにおける背景利用可能領域とする。ステップS2では、背景利用可能領域を複数フレームにおいて求める。すなわち、選手はフレーム間で移動しているため、それぞれのフレームにおける背景利用可能領域は少しずつ異なっていることから、複数フレームそれぞれの背景利用可能領域を求める。ステップS3では、ステップS2で求めた複数フレームの背景利用可能領域を補完し平均値を求めることで、1枚の背景画像を作成する。すなわち、画像中の各ピクセル(x,y)に対し、複数のフレーム1〜フレームN(Nは2以上の整数)の中でそのピクセル(x,y)が背景利用可能領域と判定されたピクセルの値p(x,y)を取得し、それらの値p(x,y)の平均値を求め、それを作成背景画像のそのピクセル(X,Y)における値とする。この処理を画像中の全ピクセルに対して行い、1枚の背景画像を作成する。
【0018】
次に、学習部1aにおける色情報・人間サイズの学習のうち、特に色情報の学習処理について図4を用いて説明する。図4は、色情報の学習処理の一実施例を示すフローチャートである。この実施例に示すトラッキングシステムにおいて、人物の特徴量としてユニフォームの色情報(色パラメータ)を取得し、これに基づき選手のチーム分類を行う。こうしたチーム分類における最適な色パラメータ(例えば、HSY表色空間におけるH(色相)、S(彩度)、Y(輝度)やLab表色空間におけるL*、a*、b*など)は映像によって異なり、毎回どの映像でも同じ色パラメータを用いてチーム分類を行うことはできない。そのため、学習部1aでは映像毎にチーム分類に最適な色パラメータP及びその色パラメータの各チームの代表値p1、p2を学習する。なお、ユニフォームの色情報を取得するためには、抽出人物内でのユニフォーム領域を特定する必要がある。そこで、ここでは抽出された人物領域に対して上から6分の1〜2分の1の領域をシャツ領域、上から2分の1〜4分の3の領域をズボン領域とする。勿論、これに限られない。
【0019】
ステップS11では、各色パラメータに対して、各チームN人(Nは1以上の整数)のサンプルの色情報を取得する。シャツとズボンが同色(つまりユニフォーム色が1色)の場合は、シャツ領域とズボン領域の色情報を合わせて1つの値を取得する。シャツとズボンで別色の場合は、シャツ領域とズボン領域の色情報を別々に取得する。各サンプルは、複数フレームからユニフォームの色情報を取得し、平均値を求める。これにより、各色パラメータともN人×2チームのサンプルに対して、その色パラメータの平均値が求まる。ステップS12では、各色パラメータに対してチーム分離度Dを計算する。
【数1】
ステップS13では、ステップS12で求めたチーム分離度Dのうち一番大きい値を最適色パラメータPとし、各チームの代表値p1、p2を取得する。こうして学習によって求めた最適色パラメータPを用いてチーム判定は行われる(後述する図6参照)。
【0020】
図2に示したシーン内追跡部1の説明に戻って、抽出部1bでは人物の抽出及びボールの抽出、特徴量の取得、チーム判定が行われる。人物の抽出又はボールの抽出では学習部1aで自動作成される背景画像をもとに選手(人物)やボール等の抽出を行うが、特に選手を抽出する際には2つの閾値を用いて2段階での背景差分を行う(詳しくは後述する)。特徴量の取得及びチーム判定では、特徴量を取得すると共に所定の特徴量に従って選手のチーム判定を行う。特徴量とは各選手やボール、つまり個別キャラクタの追跡に必要な各選手又はボール毎に(各キャラクタ毎に)固有のパラメータであり、ここでは特徴量として、位置情報とチーム分類に必要な色情報(上述した最適色パラメータP)とを取得する。取得された色情報をもとに選手のチーム判定を行い、位置情報とあわせて追跡部1cでの追跡処理(時系列的な個別人物同定)に用いる。追跡部1cでは、フレーム間人物同定及びボール追跡と位置情報の取得とを行う。
【0021】
ここで、上述した抽出部1b及び追跡部1cで実行する選手及びボールの抽出・追跡処理について説明する。ただし、説明を理解し易くするために、選手の抽出・追跡とボールの抽出・追跡とをそれぞれ分けて説明する。まず、選手の抽出・追跡について図5〜図9までを用いて説明し、その後ボールの抽出・追跡について図10及び図11を用いて説明する。図5は、抽出部1bで行われる人物抽出処理の一実施例を示すフローチャートである。
【0022】
ステップS21では、2段階閾値の設定を行う。すなわち、背景差分処理を行う際、人物抽出に最適な閾値はその抽出人物や背景画像の様子によって大きくなることが多い。そのため、閾値を一意に設けると個別人物抽出の精度にばらつきが多くなる。そこで、閾値を2つ設け、2段階によって背景差分処理を行う。上記ステップS21では、そのための閾値を設定する。ステップS22では、作成された背景画像をもとに各フレームにおいて背景差分処理を行う。ステップS23では、背景差分によって得られたオブジェクトに対し人物モデルを適用して、人物を抽出する。まず、高いほうの閾値で背景差分処理を行う。ここで抽出された全オブジェクトに対して、あらかじめ設定済みである所定の大きさに定義された人物モデルとの照らし合わせを行い、該人物モデルにあてはまる(例えば、人物モデルの横幅、縦幅ともに+20%〜−20%以内の抽出)オブジェクトに対して、それを人物領域であると判定する。次に、人物領域と判定された領域以外の領域に対して、低いほうの閾値で再度背景差分処理を行う。そして、ここでも同様の人物領域の判定を行い、人物抽出を行う。
【0023】
ステップS24では、色情報による人物の影領域の消去を行う。すなわち、上記背景差分処理のみを行った場合においては人物の影領域も同時に抽出されてしまうことがあり、こうした影領域が一緒に抽出されてしまうと位置情報や色情報を正確に取得することができず、それに伴って正確な追跡を行うことができなくなる。そこで、人物の影領域を消去する。例えば、抽出された人物領域の横幅が人物モデルの横幅と比較して+20%以上の抽出である場合にはその領域に人物の影領域を含んでいることから、当該影領域を特定し消去する。この影領域消去の手順を簡単に説明する。まず、抽出オブジェクト内から、背景画像に比べて輝度Yが低く、背景画像の色相Hとほぼ同じ色相である影候補のピクセルを抽出する。抽出した影候補ピクセルの2値画像に対して膨張収縮処理を行い、抽出された領域にラべリング処理を行う。これらの領域を影領域候補とする。各影候補領域に対して所定の条件(例えば、人物の影領域はある程度の大きさをもっており縦横比で横のほうが長い、人物の影領域は抽出された人物枠の下のほうにあるなどの各種条件)に従って、最終的な影領域を特定する。こうして最終的に特定された影領域をもとの抽出画像から消去し、人物領域を囲い直す。
【0024】
ステップS25では、ヒストグラムを使った人物領域の補正を行う。すなわち、色情報による人物の影領域消去を行った後においても、雑音の影響や影領域が完全に消去されなかったなどの影響によって、人物の抽出枠の横幅が人物モデルの横幅よりも+20%以上大きくなってしまうことがある。この場合、位置情報が正確に取得できないことから、追跡の精度が落ちてしまう。そこで、領域内のピクセル数のヒストグラムを利用した人物領域の補正を行う。こうした人物領域補正の手順を簡単に説明する。抽出枠の内部において、抽出オブジェクトの縦方向におけるピクセル数のヒストグラムを取る。この縦方向のピクセル数のヒストグラムにおいて、抽出枠の両端からピクセル数の検索を行う。もしも連続して縦方向のピクセル数が少ない場合は、その抽出領域は人物領域でなく非人物領域と判定し、抽出人物からその領域を消去する。こうして人物領域を補正する。
【0025】
抽出部1bで行われるチーム判定について、図6を用いて説明する。図6は、チーム判定処理の一実施例を示すフローチャートである。当該処理では、色情報の学習によって求められたチーム分類に最適な色パラメータPを用いて抽出された選手のチーム判定を行う。
【0026】
ステップS31では、各フレームでのチーム判定を行う。すなわち、抽出された人物領域における最適色パラメータPの値pを取得し、各チームの代表値pteamとの距離distteamを求める。
【数2】
ただし、上記数2において、シャツとズボンとが別色である場合には分離度Dの重み付けをしてdistteamを求める。
【数3】
この距離distteamが小さい方のチームをそのフレームにおけるチームと判定する。
【0027】
こうした各フレーム毎でのチーム判定は、完全に信頼を置けるものではない。すなわち、抽出誤差などの影響によって、該チーム判定が誤っている可能性もある。そこで、各フレームにおけるチーム判定の信頼度Vteamを設ける。このチーム判定信頼度Vteamはそのフレームにおけるその選手のチーム判定がどれだけ信頼できるかということを示したパラメータ値であり、以下のようにして求める。まず、最適色パラメータ値pの値が判定されたチームの色の代表値pに近いほどチーム判定の信頼度は高くなるために、代表値からの距離に依存した信頼度Vcolorを数4から求める。
【数4】
【0028】
次に、人物モデルに近い抽出がされているほど色情報を正確に取得できるため、チーム判定の信頼度は高くなる。具体的には、抽出された人物の縦幅によって人物モデル信頼度Vheightは高くなる。そこで、この人物モデル信頼度Vheightによるフィルタリングを行う。こうした人物モデル信頼度Vheightの一実施例を図7に示す。この図7に示した人物モデル信頼度Vheightは、理想的な人間の縦横比N:1(図の横軸に示す)に対して、例えば+20%〜−20%以内の抽出である場合には正確な人物抽出ができたとして「人物モデル信頼度Vheight=1」(図の縦軸に示す)とし、+40%以上あるいは−40%以下の抽出である場合には正確な人物抽出ができずに色情報の取得が不正確であるとして「人物モデル信頼度Vheight=0」としている。また、抽出された人物が人物モデルの高さに近いほど人物モデル信頼度は高くなる。こうした代表値からの距離に依存した信頼度Vcolorと人物モデル信頼度Vheightとにより、最終的にチーム判定の信頼度Vteamを数5から求める。
【数5】
このチーム判定の信頼度Vteamを各フレームにおいて各選手に対して求める。
【0029】
ステップS32では、複数フレームでのチーム判定を行う。すなわち、上記したような各フレームにおけるチーム判定は完全に信頼できるものではない。そこで、追跡情報を用い、複数フレームを利用してチーム判定を確実なものにする。該複数フレームでのチーム判定は、各フレームにおけるチーム判定の信頼度Vの総和によって求める。つまり、各選手に対してチーム1と判定された信頼度V(team=1)の総和ΣV(team=1)とチーム2と判定された信頼度V(team=2)の総和ΣV(team=2)を求め、該求めた総和ΣV(team=1)と総和ΣV(team=2)のうち、値が大きいほうのチームを複数フレームでのチームと判定する。
また、複数フレームでのチーム判定の信頼度の評価基準としてVdiffを求める。
【数6】
複数フレームでのチーム判定を行う場合に、上記Vdiffが所定の閾値以上になったら、そのチーム判定が十分信頼できるものとしてチーム判定を確定する。
【0030】
次に、追跡部1cで行われるフレーム間の人物同定(人物追跡)について、図8を用いて説明する。図8(a)は、フレーム間の人物同定処理の一実施例を示すフローチャートである。以下の説明では、過去のフレームにおいて追跡されてきた(つまり人物同定されてきた)追跡人物をTrk(Trk1〜TrkM)で表わす。各追跡人物Trkiは人物同定済みであるから、過去の位置情報(画像情報)とチーム情報とを保持している。また、現フレームにおける抽出人物をExt(Ext1〜ExtM)で表わす(ただし、抽出人物Extjは複数の人物が1つのExtとして認識されている場合もある。例えば、複数人物が重なった位置で撮影された場合など。)。各抽出人物Extjは位置情報(画像情報)とチーム判定及びチーム判定信頼度Vteamとを保持しているが、追跡人物との対応づけ、つまりフレーム間での人物同定はまだなされていない。フレーム間で人物同定を行う場合、利用する特徴量は位置情報(画像情報)とチーム情報となる。
【0031】
ステップS41では、各追跡人物Trk1〜TrkMに対し、候補となる抽出人物Extを複数取得する。まず、各追跡人物Trkiにおいて過去1乃至複数フレームにおける位置情報から線形的に予測位置(画像座標情報)を求め、予測位置とある閾値以内の距離に存在する全抽出人物Extを候補として順に保存していく。好ましくは、図8(b)に示すように各選手毎に若しくは各追跡人物毎に、すべてのフレームにおける位置情報を記憶しており、この記憶に基づき次のフレームにおける予測位置を線形的に予測する。なお、保存の際には、各候補Extは挿入Sorting(つまり並び替え)によってより近いもの順にSortingしていく。この挿入Sortingの際に用いる評価関数としてのマッチング信頼度M(i,j)を数7に示す。
【数7】
このマッチング信頼度M(i,j)は追跡人物Trkiと抽出人物Extjとをマッチングした場合、その同定がどの程度あり得るかということを数値化したものである。Mposは位置情報(画像座標情報)によるマッチング信頼度関数であり、これを模式図にて示すと図8(c)のように、追跡人物Trkiの予測位置(画像座標情報)に基づき求められる人物モデルの大きさに開いた予測位置枠W1と、抽出人物Extjの人物モデル大の枠W2との重複領域W3(図中における斜線を施した領域)の大きさが枠W1及び枠W2の集合全体(図中における太線枠内の領域)に占める割合として求められる。一方、Mteamはチーム情報によるマッチング信頼度関数であり、数8から求める。
【数8】
(ただし、追跡人物Trkiと抽出人物Extjとが同一チーム判定ならr=1、異なるチーム判定ならr=−1)
上記数7において、αとβで示す重み付け値は、比較している2つの候補Extの状態によって動的に変化する。例えば、2つの候補Extが共に同じチームである場合にはMteamで評価する必要がないためにα=1、β=0とする。他方、2つの候補Extが異なるチームであり、Mposの値が非常に近い場合にはα=0、β=1とする。上記した数7を評価関数とした挿入Sortingによって、各追跡人物Trkiは近いものから順に抽出候補Extを複数得る。
【0032】
ステップS42では、各追跡人物に抽出人物を割り当てる。例えば、1番目の追跡人物Trk1から順に、その第1候補の抽出人物Extを取得する。i番目の追跡人物Trkiにおいてその第1候補Extjがすでに別の追跡人物Trknに獲得されている場合には、上記数7の評価関数によって比較判定し、より近い方の追跡人物Trki又はTrknが第1候補Extjを獲得する。そうした場合、他方の追跡人物Trki又はTrknは第2候補の抽出人物Extを取得する。こうした処理を行うことで、各追跡人物Trkは各々に最適の抽出人物Extを獲得することになる。
ステップS43では、抽出人物Extの割り当てのない追跡人物Trkxの判定を行う。すなわち、当該追跡人物Trkxのどの候補Extもが他の追跡人物Trkによって獲得されてしまい、最終的にどの抽出人物Extも獲得できなかった当該追跡人物Trkxは、その第1候補Extが当該追跡人物Trkxに対してある閾値以内の距離にある場合は、その追跡人物Trkxは他の追跡人物Trknと1つの抽出人物Extとして抽出されたものとして、その抽出人物Extは2人(又は複数)の追跡人物Trkn、Trkxが対処していると判定する。すなわち、どの抽出人物も獲得できなかった追跡人物Trkxの第1候補Extが所定閾値以内で近似しているならば、その第1候補Extと同じ抽出人物Extを獲得した他の追跡人物Trknと該追跡人物Trkxとが丁度重なってすれ違っている最中であると判定する。これをすれ違い状態と呼ぶ。なお、この場合、第1候補Extが追跡人物Trkxに対してある閾値以内にない場合には抽出ミスであると判定する。反対に、どの追跡人物Trkiからも取得されなかった抽出人物Extは、新規の追跡人物であると判定する。
【0033】
ステップS44では、すれ違い後の人物同定を行う。上述したように、すれ違い状態においては、複数の追跡人物が1つの抽出人物として認識されてしまう。こうした場合、チーム情報や正確な位置情報を取得することができなくなり、正確な追跡を行うことができなくなる。そこで、すれ違い前とすれ違い後の人物間で人物同定(マッチング)を行うことによって、追跡を続行する。このすれ違いの前後において人物同定を行う場合、すれ違いの時間が長ければ長いほど、位置情報によるマッチングの信頼度は低くなる。そのため、異なるチームの選手がすれ違いを起こした場合にはチーム情報をもとに人物同定を行い、同じチームの選手がすれ違いを起こした場合には位置情報(画像情報)による人物同定(すれ違い前の状態からの予測位置)を行う。また、3人以上の選手がすれ違いを起こした場合には、まずチーム情報によってマッチングを行い、その上で位置情報によるマッチングを行えばよい。
【0034】
図8(b)は、図8(a)に示したような「フレーム間人物同定」処理に基づいて、個々の選手(player)毎に作成される選手追跡ファイルの一例を示す。この図8(b)には、「Player1」という特定の一人の選手(つまりキャラクタ)の追跡ファイル例が示されている。一人の選手の追跡ファイルは、「追跡人物Trk」と「すれ違い」のシーケンスからなる第1階層と、各フレーム毎の「抽出人物Ext」のシーケンスからなる第2階層とで構成される。「Trk1」は、「Player1」についての最初の「追跡人物」の追跡サブファイルを示し、順次の各フレーム毎の抽出人物Ext11〜Ext1Nのシーケンスからなる。例えば、試合開始時(キックオフ時)の各選手のグランド上の所定ポジションから、最初のフレームにおける各抽出人物Extが、具体的にどの選手にそれぞれ該当するかが判明する。図8(b)の例では、最初のフレームにおける特定の抽出人物Ext11が、特定の「Player1」に該当し、この抽出人物Ext11が「Player1」の追跡人物Trk1として割り当てられる。以後、各フレーム毎にこの追跡人物Trk1に該当する抽出人物Ext12〜Ext1Nを順次特定してゆく(割り当ててゆく)ことで、「Player1」についての「追跡人物Trk1」のサブファイルが作成される。この特定の「追跡人物Trk1」が他の追跡人物とすれ違ったとき、この特定の「追跡人物Trk1」のサブファイルが終了し、「すれ違い1」のサブファイルが挿入される。この「すれ違い1」のサブファイルは、この特定の「追跡人物Trk1」が他の追跡人物とで共有する「抽出人物Ext1P」を特定する1又は複数フレーム分の抽出人物データからなる。この「すれ違い1」が終了すると、当該「Player1」についての2番目の「追跡人物Trk2」のサブファイルが作成され、かつ、前記ステップS44による「すれ違い後の人物同定」処理によって、すれ違い前の当該「追跡人物Trk1」に該当する「抽出人物Ext21」が特定され、この特定された「抽出人物Ext21」が当該「Player1」についての2番目の「追跡人物Trk2」の最初のフレームの該当人物として割り当てられる。以後、各フレーム毎にこの追跡人物Trk2に該当する抽出人物Ext22〜Ext2Nを順次特定してゆく(割り当ててゆく)ことで、「Player1」についての2番目「追跡人物Trk2」のサブファイルが作成される。以後、当該追跡人物について「すれ違い」が起こる毎に、当該「追跡人物」のサブファイルが終了し、「すれ違い」のサブファイルが挿入され、更に当該「すれ違い」の後、当該「Player1」についての次の「追跡人物」のサブファイルが作成される。こうして、試合開始から終了まで(若しくは退場まで)、当該特定の選手(例えばPlayer1)についての追跡ファイルが、「追跡人物」と「すれ違い」のサブファイルの次々の組合せからなるシーケンスで、作成される。
【0035】
次に、図1に示したシーン間人物同定について、図9を用いて説明する。図9(a)は環境マップを説明するための概要図であり、図9(b)はシーン間の人物同定処理の一実施例を示すフローチャートである。人物については、シーン間での人物同定を行う。すなわち、隣接するシーンはそれぞれの撮影領域において重複領域を含むため、この重複領域における隣接シーン間で人物同定(マッチング)を行う必要がある。そこで、図9(a)に示すような環境マップを予め設定しておく。環境マップは、各撮影用ビデオカメラCで撮影可能な範囲であるシーン1とシーン2とが重なる重複領域(図中において斜線を施した範囲)を定義したものであり、該環境マップにおいて重複領域内での人物同定を行う場合にのみ、シーン間の人物同定処理が行われる。
【0036】
図9(b)に示したフローチャートに従って、シーン間人物同定処理について簡単に説明する。ステップS51では、選手の分類を行う。すなわち、各シーン内において、チーム1の選手とチーム2の選手に分類する。シーン間人物同定を行う際には、隣接シーン間で同じチーム同士の追跡人物の間でマッチングを行えばよい。ステップS52では、位置情報(ただし、ここでは画像情報でなくワールド座標)を利用し、隣接シーン間で或る閾値半径以内に存在する追跡人物を、マッチング候補として保存する。ステップS53では、保存したマッチング候補との距離の総和がより小さい候補と最終的にマッチングを行う。
【0037】
次に、ボール抽出・追跡処理について、図10及び図11を用いて説明する。まず、抽出部1bで行われるボール抽出について図10を用いて説明する。図10は、ボールの抽出処理の一実施例を示すフローチャートである。該ボール抽出処理は、人物抽出を行った後に行われる処理である。
【0038】
ステップS61では、ボール候補を抽出する。ステップS62では、色による絞り込みを行う。このボール候補の抽出では、人物抽出された領域はボールではないと判定し当該人物領域を除外した範囲においてボール領域の検索を行う。すなわち、上述した人物抽出処理によって抽出された人物領域以外の領域に対してのみ、ボール領域(ボール候補)の検索を行う。このボール領域の検索は、ボールが持つ特徴に従って行われる。例えば、ボールの大きさは直径22cm(センチメートル)であることから、動画像中におけるボールの大きさを割り出し、それに基づいて理想的な大きさを持つボールモデルを作成する。そして、動画中で該ボールモデルに近い大きさの抽出物があれば、それをボールの候補とする。また、ボールは基本的に白色であることから、前記ボール候補の中から色による絞込みを行う。すなわち、ボール領域は背景領域に比べて輝度Yが高く彩度Sが低くなる特徴があることから、得られた抽出物の輝度Yが所定の閾値以上で、かつ彩度Sが所定の閾値以下である場合に当該抽出物をボールの候補とする。
【0039】
次に、追跡部1cで行われるボール追跡について、図11を用いて説明する。図11(a)はメイン動作であるボール追跡処理の一実施例を示すフローチャートであり、図11(b)はサブ動作であるボール探索処理の一実施例を示すフローチャートである。ボール追跡処理は、上述したボール抽出処理により抽出された複数のボール候補の中からボールを1つだけ特定し追跡する処理である。一方、ボール探索処理はボール追跡処理と常に並行して動作している処理(つまり裏処理)であって、メイン処理による追跡(ステップS71)においてボールの追跡に失敗、つまりボールを見失った又は選手がボールを保持している際に適宜に参照される処理である。
【0040】
まず、メイン動作であるボール追跡処理について説明する。ステップS71では、メイン処理による追跡を実行する。このメイン処理による追跡では、過去2フレームにおけるボール位置情報を用いる。すなわち、2つ前(過去)のフレームにおいて抽出されたボールの中心座標の位置情報と、1つ前(過去)のフレームにおいて抽出されたボールの中心座標の位置情報とから、現在処理しているフレームでのボールの予測点を算出する。こうした予測点算出の一例としては、数9に示すような過去2フレームのボールの位置情報の線形予測に従って算出する。
【数9】
ここで、X0とY0は現在のフレームでの予測点のX座標とY座標であり、X−iとY−iはiフレーム前でのボールの中心のX座標とY座標である。
ステップS72では、上記算出した予測点の周りにボール候補が有るか否かを判定する。予測点の周りにボール候補が有ると判定された場合には(ステップS72のYES)、ステップS71の処理に戻ってメイン処理による追跡を続行する。すなわち、メイン処理による追跡では予測点の周りにボール候補があるか否かを調べ、予測点の周りにボール候補がある場合には該ボールを追跡対象としてボールの追跡を続行する。このように、ボールの位置情報に基づいて予測通りにボールが動いているような場合には、該メイン処理による追跡だけでボール追跡を行う。
【0041】
一方、予測点の周りにボール候補がない場合、つまり選手がボールを隠蔽している状態(オクルージョン状態)が生じた場合や一旦フィールド外にボールが飛び出したことによるボールの追跡ミスが生じたような場合には、上記したようなメイン処理による追跡(ステップS71参照)によってはボールの追跡を続行することができない。そこで、予測点の周りにボール候補がないと判定された場合には(ステップS72のNO)、まず選手がボールを隠蔽している状態(オクルージョン状態)であるか否か、つまり算出した予測点が人物抽出された範囲内にあるか否かを判定する(ステップS73)。予測点が人物抽出された範囲内にない場合、つまり選手がボールを隠蔽している状態でないと判定された場合には(ステップS73のNO)、当該処理と並行動作しているボール探索処理に対して問い合わせを行うことによって全画像中からボールを探索する。そして、ボール探索の結果として新たにボールが見つかった場合には(ステップS74のYES)、ステップS71の処理に戻って該見つけたボールを対象としてボール追跡を続行する。こうしたボール探索処理への問い合わせによるボール探索は、ボールが見つかるまで繰り返し行われる(ステップS74のNO)。このように、予測点が人物抽出された範囲内にない場合にはボール追跡に失敗してボールを見失っている状態であることから、当該処理から裏処理であるボール探索処理に対して問い合わせる。そして、複数フレームにわたっての全画像中のボール候補の軌道情報に基づいて追跡対象とするボールを新たに見つけ出し、該見つけたボールを対象として再度メイン処理による追跡を行う。こうすることにより、ボールを見失った場合においてもボール追跡を再開することができる。
【0042】
他方、予測点が人物抽出された範囲内にある場合、つまり選手がボールを隠蔽している状態であると判定された場合には(ステップS73のYES)、当該処理と並行動作しているボール探索処理に対して問い合わせを行うことによって予測点を含む人物抽出された範囲(つまり選手)の周りで新たにボールが見つかったか否かを判定する(ステップS75)。すなわち、ボールを隠蔽している状態の選手からボールが出てきたか否かを判定する。このボール探索処理への問い合わせに従いボールを隠蔽している状態の選手の周りで新たにボールが見つかった場合、つまり選手からボールが出てきた場合には(ステップS75のYES)、ステップS71の処理に戻って該見つけたボールを対象としてボール追跡を続行する。ボールを隠蔽している選手の周りで新たにボールが見つからなかった場合には(ステップS75のYES)、ボールを隠蔽している選手の近くに他の選手がいるか否かを判定する(ステップS76)。近くに他の選手がいると判定された場合には(ステップS76のYES)、その周りにおいてボールを探索する対象の選手を増やして(ステップS77)、ステップS75の処理へ戻る。すなわち、選手が密集しているような場合にはボールを探索する範囲を選手毎に順次に広げていき、その探索範囲において新たにボールが見つかったか否かを判定する。近くに他の選手がいないと判定された場合には(ステップS76のNO)、上記ステップS77の処理を行うことなくステップS75の処理へ戻り、ボールを隠蔽している状態の当該選手の周りでのみ新たにボールが見つかるまでボール探索を続ける。
【0043】
以上のように、予測点が人物抽出された範囲内にあり選手がボールを隠蔽している状態である場合には、オクルージョン状態が頻繁におこることや、当該選手からボールがいつでてくるかを予測することは困難であることから、メイン処理による追跡(ステップS71参照)を行うことができない。そこで、当該処理と並行動作しているボール探索処理に対して問い合わせを行うことによって、ボールを隠蔽しているとされる選手の周りについてボールが見つかるまでボールを探索する。ところで、こうしたボール探索を行っているときに当該選手に対して他の選手が近づいてきたような場合には、近づいた選手がボールを奪っている可能性が高くなることや、その選手によるオクルージョン状態の発生の可能性がある。そこで、現在ボールを隠蔽している状態の選手に近づいてきた選手全てを含むその周りについてボール探索を行う。上記のようなボール探索の結果としてボールが見つかった場合には、見つけたボールを再度メイン処理による追跡を行う。こうすることによって、オクルージョン状態になった場合においてもボール追跡を再開することができる。
【0044】
ここで、上述したボール追跡処理から問い合わせされるサブ動作であるボール探索処理について説明する。このボール探索処理は複数フレームにおける全画像中の情報から、ボールらしい軌道を描いて動いているボール候補の抽出物を見つけるための処理である。ボール探索処理では、直線的(又は放物線的)に動的な複数のボール候補又はその等価物の動きを全画像中から検出する処理を行う(ステップS81)。具体的に説明する。まず、現在のフレームにおけるある1つのボール候補1において、該ボール候補1から直線的な軌道を描くボール候補を後のフレームにおけるボール候補1があった位置から所定の閾値の範囲内で探す。前記範囲内にボール候補がある場合には、それをボール候補2とする。こうしたボール候補2は多数存在するために、そこからさらにボールを絞り込む。そこで、ボールの軌道である直線上のボール候補1とボール候補2とにより算出した予測点から所定の範囲内にあるボール候補3を見つける。ボール候補3が得られたら、今度はボール候補2とボール候補3とにより算出した予測点から所定の範囲内を探索する。こうした処理をボール候補が得られなくなるまで繰り返し行うことによって、ボールの軌道を描くボール候補の連続抽出回数を求める。こうしたボールの軌道を描くボール候補を複数見つけるために、当該処理を全画像中で行い、複数のボールの軌道を描くボール候補の連続抽出回数を求める。次に、ボール候補の動きベクトルの標準偏差と速度の情報を求める。速度とは、見つかったボール候補の1フレーム間に移動する移動平均距離の平均値である。標準偏差とはボール候補の方向ベクトルのばらつき具合を表わすものであり、数10により求まる。
【数10】
このように、ボール探索処理では複数フレームにわたって画像全体を調べ、直線的に動くボール候補を見つけて、その連続抽出回数、標準偏差、速度等を用いてボールを見つけ出す。
【0045】
こうしたボール探索処理の際に選手によるオクルージョン状態が生じた場合には、上記連続抽出回数が正しく求められない。そこで、例えば2つ先のフレームにおいて選手によるオクルージョン状態が生じているような場合には、1つ先のフレームでのボール候補の中心座標と2つ先のフレームでの予測点をもとに3つ先のフレームでの予測点を上記した数9によって算出し、その周りを探すようにする。こうすると、もし後のフレームで同じ軌道を描くボール候補が見つかったときでも連続抽出回数をカウントすることができるようになることから、ボール候補の選手によるオクルージョン状態が生じた場合に対応することができるようになる。また、選手がボールを隠蔽している場合には、ボールを隠蔽している選手の周りについてボール探索を行うことは上述した。この場合には、ある閾値以内の範囲において選手の周りを探索する。選手の周りにおいてボール候補が得られた場合、何フレームかを先読みして得られたボール候補のその後の動きをボール探索処理により調べる。このボール探索処理によって求められる選手の周りで見つかったボール候補の連続抽出回数、速度、標準偏差のそれぞれが所定の閾値を満たすものをボールと特定する。さらに、ボールを見失っている場合には、複数フレームにおいて全画像を調べてボールらしい軌道を描いているものを見つけることは上述した。ボールを見失った時点でボール探索処理を全画像に対して行うことにより、複数のボール候補の連続抽出回数、速度、標準偏差を求めることができることから、これらに対する所定の閾値を設けておき、この条件を満たすものをボールとする。
【0046】
以上のような選手及びボールの自動追跡システムは、スポーツゲームの指導やスポーツ中継あるいは試合データ提供サービスへ適用するのが特に有効である。すなわち、サッカーに代表される集団競技における試合のフォーメーション確認や戦術解析が自動化されて、ゲーム指導に適用することができる。スポーツ中継中にフィールド全体における選手の動きを自動的に解析し、試合の解説などに利用することができる。スポーツ試合における両チームの得点や選手の動きは試合の情報として最も重要であり価値のあるデータであることから、試合中の選手の動きを自動解析することは非常に有効である。
【0047】
【発明の効果】
この発明によれば、自動作成される背景画像を用いて2段階に分けて人物領域の特定を行うと共に、色情報に従って取得されるチーム情報を人物の追跡処理に適応するようにしたことによって、スポーツ動画像などの屋外環境を想定した広い範囲における人物の抽出・追跡を高精度に行うことができるようになる、という効果を得る。
また、ボール追跡を行うメイン処理とボール探索を行うボール探索処理の2つの処理を用いてボール追跡を行うようにしたことから、スポーツ競技での選手(人物)だけでなくボールをも高精度に抽出し追跡することができる、という効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る移動物体追跡装置を適用したトラッキングシステムの一実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】シーン内追跡部の処理概要を示すブロック図である。
【図3】背景画像の作成処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図4】色情報の学習処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図5】人物抽出処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図6】チーム判定処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図7】人物モデル信頼度の一実施例を示す概要図である。
【図8】フレーム間の人物同定処理について説明するための図である。
【図9】シーン間人物同定について説明するための図であって、図9(a)は環境マップを説明するための概要図、図9(b)はシーン間の人物同定処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図10】ボールの抽出処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図11】ボール追跡処理の一実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
A…移動物体追跡装置、C…撮影用ビデオカメラ、1…シーン内追跡部、1a…学習部、1b…抽出部、1c…追跡部、2…シーン間人物同定部、3…位置情報の取得・補正部
【発明の属する技術分野】
この発明は、動画像内を移動する移動物体を自動的に抽出し追跡する動画像データに基づく移動物体追跡方法及び装置に関する。特に、屋外環境を想定した広い範囲で行われたスポーツ競技を撮影した広域動画像内を移動する選手やボール等の移動物体を高精度に抽出・追跡することのできるようにした動画像データに基づく移動物体追跡方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラ等で撮影した動画像内を移動する人物を自動的に抽出して追跡することのできる動画像データに基づく移動物体追跡装置は、従来から知られている。こうした移動物体追跡装置において動画像内を移動する人物を抽出して追跡する方法としては、以下に示すようないくつかの方法が用いられている。例えば、予め人物の存在しない「背景画像」を取得しておき、入力画像と前記「背景画像」との差分処理結果から人物を抽出する背景差分法、一定周期のNフレーム(Nは1以上の整数)のインタバル時間を隔てて撮影された二つの画像間における差分処理によって人物を抽出するフレーム間差分法、予め移動物体の特徴をテンプレートとして登録しておき、この特徴(テンプレート)を用いて二つの画像間でマッチングを行うことにより人物を抽出するテンプレートマッチング法、画像中の各点の明るさ(つまり輝度)の空間的及び時間的な勾配の間の関係(これをオプティカルフローと呼ぶ)を用いて人物を抽出するオプティカルフロー法、画像中におけるエッジを抽出することにより人物を抽出するエッジ抽出法などの方法が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では、スポーツ動画像などの屋外環境を想定した広い範囲における人物の抽出・追跡を行う移動物体追跡装置の実現が望まれている。とりわけ、サッカーゲームなどに代表されるフォーメーションを用いる集団で行われるスポーツ競技においては、フォーメーションの確認や戦術解析などを行うために選手(つまり人物)の動きを自動的に解析することが望まれている。しかし、上述したような各種方法を用いた従来の移動物体追跡装置においては、こうした屋外環境で行われるスポーツ動画像などを想定した広い範囲の動画像から自動的に選手を抽出して追跡することは非常に難しい、という問題点があった。すなわち、背景差分法ではサッカーゲームの開始に先だって予め背景画像を撮影しておくことは困難であり、またサッカーゲームなどが行われる場所の気象条件や施設の照明などの影響によって背景画像が時間的に変化すると選手の抽出が難しくなる。フレーム間差分法では、選手がゆっくり歩いていたり静止しているときの選手の抽出が難しい。テンプレートマッチング法では選手が移動して画像上で見かけが変わってしまうと選手の抽出が困難となるし、また新たな選手が追加されるたびに新しいテンプレートを作成しなければならずユーザの負担が大きく面倒でもある。オプティカルフロー法では前記フレーム間差分法と同様に選手がゆっくり歩いていたり静止しているときの選手の抽出が難しく、またオプティカルフローの計算は非常に計算量が多いことからリアルタイムで選手の抽出・追跡を実行させるためには特殊なハードウエアが必要となるので不都合である。エッジ抽出法では、選手の他にグラウンド上に描かれた白線やゴールなども選手として抽出してしまい都合が悪い。
【0004】
さらに、サッカーゲームなどのようなボールを用いるスポーツ競技(つまり球技)においては、選手(人物)だけでなく該スポーツ競技で使用されているボールを抽出し追跡することも重要である。しかし、ボールを高精度に抽出して追跡することは選手の抽出・追跡に比べて非常に難しい。すなわち、ボールは非常に小さいので抽出がしにくい。また、ボールは空中に浮くことがあって移動速度が速い。さらに、ボールは選手によって隠蔽(こうした状態をオクルージョン状態と呼ぶ)されることがあり、このオクルージョン状態においてボールの位置を特定することは非常に難しい。こうしたことから、上記したような各種方法を用いた従来の移動物体追跡装置においては正確にボールを抽出して追跡することは非常に難しい、という問題点があった。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、スポーツ動画像などの屋外環境を想定した広い範囲における人物の抽出・追跡を高精度に行うことができるようにした動画像データに基づく移動物体追跡方法及び装置を提供しようとするものである。また、サッカーゲームなどのようなボールを用いるスポーツ競技を撮影したスポーツ動画像から、選手(人物)だけでなく該スポーツ競技で使用されているボールを高精度に抽出し追跡することが可能な動画像データに基づく移動物体追跡方法及び装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る移動物体追跡方法は、動画像データに基づき画像中における所定の特徴を持つ物体を追跡物体としてその動きを追跡する方法であって、過去の複数フレームにおける前記追跡物体の位置情報を記憶しておき、記憶した該過去の複数フレームの該追跡物体の位置情報に基づき今回のフレームにおける該追跡物体の予測位置を求める第1ステップと、今回のフレームにおける画像データから前記追跡物体に特有の前記所定の特徴を持つ候補物体を抽出する第2ステップと、前記予測位置により近い前記抽出された候補物体を前記追跡物体として割り当てる第3ステップとを具える。
【0007】
本発明の請求項5に係る移動物体追跡方法は、動画像データに基づき画像中における所定の特徴を持つ物体の動きを順次追跡する追跡ステップと、前記動画像データに基づく画像中において前記所定の特徴を持つ物体と推定される所定の動きをする等価物を探索する探索ステップと、前記追跡ステップで追跡された前記物体と前記探索ステップで探索した該物体の等価物の少なくとも一方を前記物体の追跡情報として選択する選択ステップとを具備する。
【0008】
本発明の請求項7に係る移動物体追跡方法は、少なくとも2つ以上のグループに分類される人物を撮影した動画像上において人物追跡を行う移動物体追跡方法であって、所定のサイクルで入力される複数フレーム画像から背景画像を自動的に作成する第1ステップと、前記作成した背景画像をもとに各フレーム画像において背景差分処理を行い、該背景差分処理により得られた抽出物に対して予め設定済みの人物モデルを適用することで人物の抽出を行う第2ステップと、各フレームの画像毎に最適色パラメータを取得し、該取得した最適色パラメータに基づき前記抽出した人物のグループ判定を行う第3ステップと、前記グループ判定に従って人物同定を行う第4ステップとを具備する。
【0009】
本発明の請求項12に係る移動物体追跡方法は、少なくとも動画像上のボールを追跡する移動物体追跡方法であって、所定のサイクルで入力される複数フレーム画像から1枚の背景画像を自動的に作成するステップと、前記作成した背景画像をもとに各フレーム画像において背景差分処理を行い、該背景差分処理により得られた人物領域以外の抽出物に対して予め設定済みのボールモデルを適用することでボールを抽出するステップと、少なくとも過去2フレームにおけるボールの位置情報に基づいて現在のフレームにおけるボールを予測位置を求めることによってボールの追跡を行うステップと、ボールの軌道上を複数フレームにわたって連続的に動くボール候補を全画像中から探索するステップとを具備する。
【0010】
本発明は、方法の発明として構成し、実施することができるのみならず、装置の発明として構成し実施することができる。また、本発明は、コンピュータまたはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施することができるし、そのようなプログラムを記憶した記憶媒体の形態で実施することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、この発明に係る移動物体追跡装置を適用したトラッキングシステムの一実施例の全体構成を示すブロック図である。この実施例に示したトラッキングシステムは屋外で行われるサッカーゲーム等の、フォーメーションを用いた戦術性の高いスポーツ競技における選手やボール等の抽出・追跡に最も有用である。そこで、以下では特にサッカーゲームにおける選手及びサッカーボールの抽出・追跡を行う場合を例に説明する。
【0013】
図1に示すように、この実施例に示すトラッキングシステムは、サッカーゲームが実際に行われるサッカーグラウンド(以下、フィールドと呼ぶ)全体を撮影する2台の撮影用ビデオカメラCと、移動物体追跡装置Aとにより構成される。2台の撮影用ビデオカメラCはフィールド全体を各々分担して撮影するためのものであり、センターサークルを含んだ中央部は2台の撮影用ビデオカメラCが重複して撮影できるようにする。したがって、各撮影用ビデオカメラCはそれぞれフィールド左側の撮影範囲「シーン1」とフィールド右側の撮影範囲「シーン2」とを別々に撮影するが、各撮影用ビデオカメラCで撮影されるシーン1とシーン2とを比べると中央部が重複するようにして撮影されている(こうした撮影範囲を重複領域と呼ぶ)。ここでいう「シーン」とは、単一の撮影用ビデオカメラCによる撮影範囲である。こうした2台の撮影用ビデオカメラCはそれぞれがフィールドの奥行きを十分に撮影できるようにするために、実際にはフィールド全体を見渡せるスタジアムの高い位置などに予め配置されている。勿論、撮影用ビデオカメラCは2台のみを配置することに限られず、フィールド全体を撮影できるように撮影用ビデオカメラCを複数台配置してよいことは言うまでもない。
【0014】
移動物体追跡装置Aはカメラキャリブレーション(つまり、ワールド座標空間と画像座標空間との対応付け)された撮影用ビデオカメラCからの入力映像を分析して選手やボール等の抽出・追跡を行う処理装置であって、シーン内追跡部1と、シーン間人物同定部2と、位置情報の取得・補正部3とから構成される。なお、ワールド座標とはサッカーグラウンドにおける絶対位置座標である。この実施例に示された移動物体追跡装置Aはパソコン等のコンピュータを用いて構成されており、そこにおいて、選手やボール等の抽出・追跡は、コンピュータがこの発明に係る移動物体追跡処理を実現する所定の制御プログラムを含むソフトウエアを実行することにより実施される。シーン内追跡部1では、個々の撮影用ビデオカメラCからの入力映像(シーン1又はシーン2)を分析して当該シーン内における選手やボール等の抽出・追跡を行う。すなわち、各シーン内追跡部1では独立にシーン内での選手やボール等の抽出・追跡を行う。シーン間人物同定部2は複数シーン間(ここではシーン1とシーン2の2つのシーン間)の同期をとり、独立に動いているシーン内追跡部1からのデータを統合してトラッキングシステム全体としての個々の選手やボール等の個別キャラクタの抽出・追跡を実行する。すなわち、各撮影用ビデオカメラCで撮影された複数のシーンの追跡情報を統合し、フィールド全体での追跡を行う。特に、隣接するシーンはそれぞれ重複領域を含むため、この重複領域における隣接シーン間で人物同定(マッチング)を行わなければならない。位置情報の取得・補正部3では、トラッキングシステム全体としての選手やボール等の抽出・追跡に従い、ワールド座標での選手やボール等の位置情報を取得し、必要に応じて補正する。
【0015】
なお、上述したような選手やボール等の抽出・追跡を行うための移動物体追跡装置Aはコンピュータソフトウエアの形態に限らず、DSP(ディジタルシグナルプロセッサ)によって処理されるマイクロプログラムの形態でも実施可能であり、また、この種のプログラムの形態に限らず、ディスクリート回路又は集積回路若しくは大規模集積回路等を含んで構成された専用ハードウエア装置の形態で実施してもよいことは言うまでもない。
【0016】
次に、上述したトラッキングシステムにおけるシーン内追跡部1の処理概要について、図2を用いて説明する。図2は、シーン内追跡部1の処理概要を示すブロック図である。この図2から理解できるように、個々のシーン内追跡部1は、学習部1aと、抽出部1bと、追跡部1cとから構成される。学習部1aでは背景画像の作成と色情報・人間サイズの学習とを行うことによって、選手やボールの抽出・追跡に必要な補助データを作成する。本発明に係る移動物体追跡装置Aでは、選手やボール等の抽出に背景差分法を用いる。しかしながら、サッカーゲームのような屋外のスポーツ競技においては予め背景画像を撮影しておくことが困難である。また、フィールドのある場所の気象条件や施設の照明などの影響により、背景画像が時間的に変化する。そこで、本発明に係る移動物体追跡装置Aでは、学習部1aにおいて定期的に背景画像(補助データ)を自動作成することにより、背景画像が時間的に変化した場合であったとしても背景差分法を用いて有効に選手やボール等を抽出できるようにしている。色情報・人間サイズの学習は、人物モデルとの比較による選手の抽出を高精度に行うために用いる人間サイズ(補助データ)や、抽出された選手をチーム分類して個々の選手の追跡を精度よく行うために用いる色情報(補助データ)を更新する。学習部1aでは抽出部1b及び追跡部1cで得られた結果のフィードバックを受けることで定期的に前記各補助データを更新し、抽出部1b及び追跡部1cに常に最新の補助データを提供することによって選手やボール等の抽出・追跡を高精度に行うことができるようにしている。
【0017】
ここで、上記した学習部1aにおける背景画像の作成処理及び色情報・人間サイズの学習処理について説明する。まず、背景画像の作成処理について図3を用いて説明する。図3は、背景画像の作成処理の一実施例を示すフローチャートである。
ステップS1では、ビデオ撮影されたサッカー動画像中の各フレームにおいて人物候補領域を特定し、該人物候補領域以外の領域を背景利用可能領域(背景として利用できる領域)とする。人物候補領域は、まず各フレームにおいて前(過去)フレームとのフレーム間差分処理を行う。一般的に各サッカー選手は移動しているので、フレーム間の差分をとることによって人物領域付近でオブジェクト抽出が行われる。ここでは、各選手の微少な移動を検出できるようにするため、数フレーム過去のフレームとのフレーム間処理を行う。こうして抽出されたオブジェクト領域に対して膨張処理を行うことによって人物候補領域を得、該得られた人物候補領域以外の領域をそのフレームにおける背景利用可能領域とする。ステップS2では、背景利用可能領域を複数フレームにおいて求める。すなわち、選手はフレーム間で移動しているため、それぞれのフレームにおける背景利用可能領域は少しずつ異なっていることから、複数フレームそれぞれの背景利用可能領域を求める。ステップS3では、ステップS2で求めた複数フレームの背景利用可能領域を補完し平均値を求めることで、1枚の背景画像を作成する。すなわち、画像中の各ピクセル(x,y)に対し、複数のフレーム1〜フレームN(Nは2以上の整数)の中でそのピクセル(x,y)が背景利用可能領域と判定されたピクセルの値p(x,y)を取得し、それらの値p(x,y)の平均値を求め、それを作成背景画像のそのピクセル(X,Y)における値とする。この処理を画像中の全ピクセルに対して行い、1枚の背景画像を作成する。
【0018】
次に、学習部1aにおける色情報・人間サイズの学習のうち、特に色情報の学習処理について図4を用いて説明する。図4は、色情報の学習処理の一実施例を示すフローチャートである。この実施例に示すトラッキングシステムにおいて、人物の特徴量としてユニフォームの色情報(色パラメータ)を取得し、これに基づき選手のチーム分類を行う。こうしたチーム分類における最適な色パラメータ(例えば、HSY表色空間におけるH(色相)、S(彩度)、Y(輝度)やLab表色空間におけるL*、a*、b*など)は映像によって異なり、毎回どの映像でも同じ色パラメータを用いてチーム分類を行うことはできない。そのため、学習部1aでは映像毎にチーム分類に最適な色パラメータP及びその色パラメータの各チームの代表値p1、p2を学習する。なお、ユニフォームの色情報を取得するためには、抽出人物内でのユニフォーム領域を特定する必要がある。そこで、ここでは抽出された人物領域に対して上から6分の1〜2分の1の領域をシャツ領域、上から2分の1〜4分の3の領域をズボン領域とする。勿論、これに限られない。
【0019】
ステップS11では、各色パラメータに対して、各チームN人(Nは1以上の整数)のサンプルの色情報を取得する。シャツとズボンが同色(つまりユニフォーム色が1色)の場合は、シャツ領域とズボン領域の色情報を合わせて1つの値を取得する。シャツとズボンで別色の場合は、シャツ領域とズボン領域の色情報を別々に取得する。各サンプルは、複数フレームからユニフォームの色情報を取得し、平均値を求める。これにより、各色パラメータともN人×2チームのサンプルに対して、その色パラメータの平均値が求まる。ステップS12では、各色パラメータに対してチーム分離度Dを計算する。
【数1】
ステップS13では、ステップS12で求めたチーム分離度Dのうち一番大きい値を最適色パラメータPとし、各チームの代表値p1、p2を取得する。こうして学習によって求めた最適色パラメータPを用いてチーム判定は行われる(後述する図6参照)。
【0020】
図2に示したシーン内追跡部1の説明に戻って、抽出部1bでは人物の抽出及びボールの抽出、特徴量の取得、チーム判定が行われる。人物の抽出又はボールの抽出では学習部1aで自動作成される背景画像をもとに選手(人物)やボール等の抽出を行うが、特に選手を抽出する際には2つの閾値を用いて2段階での背景差分を行う(詳しくは後述する)。特徴量の取得及びチーム判定では、特徴量を取得すると共に所定の特徴量に従って選手のチーム判定を行う。特徴量とは各選手やボール、つまり個別キャラクタの追跡に必要な各選手又はボール毎に(各キャラクタ毎に)固有のパラメータであり、ここでは特徴量として、位置情報とチーム分類に必要な色情報(上述した最適色パラメータP)とを取得する。取得された色情報をもとに選手のチーム判定を行い、位置情報とあわせて追跡部1cでの追跡処理(時系列的な個別人物同定)に用いる。追跡部1cでは、フレーム間人物同定及びボール追跡と位置情報の取得とを行う。
【0021】
ここで、上述した抽出部1b及び追跡部1cで実行する選手及びボールの抽出・追跡処理について説明する。ただし、説明を理解し易くするために、選手の抽出・追跡とボールの抽出・追跡とをそれぞれ分けて説明する。まず、選手の抽出・追跡について図5〜図9までを用いて説明し、その後ボールの抽出・追跡について図10及び図11を用いて説明する。図5は、抽出部1bで行われる人物抽出処理の一実施例を示すフローチャートである。
【0022】
ステップS21では、2段階閾値の設定を行う。すなわち、背景差分処理を行う際、人物抽出に最適な閾値はその抽出人物や背景画像の様子によって大きくなることが多い。そのため、閾値を一意に設けると個別人物抽出の精度にばらつきが多くなる。そこで、閾値を2つ設け、2段階によって背景差分処理を行う。上記ステップS21では、そのための閾値を設定する。ステップS22では、作成された背景画像をもとに各フレームにおいて背景差分処理を行う。ステップS23では、背景差分によって得られたオブジェクトに対し人物モデルを適用して、人物を抽出する。まず、高いほうの閾値で背景差分処理を行う。ここで抽出された全オブジェクトに対して、あらかじめ設定済みである所定の大きさに定義された人物モデルとの照らし合わせを行い、該人物モデルにあてはまる(例えば、人物モデルの横幅、縦幅ともに+20%〜−20%以内の抽出)オブジェクトに対して、それを人物領域であると判定する。次に、人物領域と判定された領域以外の領域に対して、低いほうの閾値で再度背景差分処理を行う。そして、ここでも同様の人物領域の判定を行い、人物抽出を行う。
【0023】
ステップS24では、色情報による人物の影領域の消去を行う。すなわち、上記背景差分処理のみを行った場合においては人物の影領域も同時に抽出されてしまうことがあり、こうした影領域が一緒に抽出されてしまうと位置情報や色情報を正確に取得することができず、それに伴って正確な追跡を行うことができなくなる。そこで、人物の影領域を消去する。例えば、抽出された人物領域の横幅が人物モデルの横幅と比較して+20%以上の抽出である場合にはその領域に人物の影領域を含んでいることから、当該影領域を特定し消去する。この影領域消去の手順を簡単に説明する。まず、抽出オブジェクト内から、背景画像に比べて輝度Yが低く、背景画像の色相Hとほぼ同じ色相である影候補のピクセルを抽出する。抽出した影候補ピクセルの2値画像に対して膨張収縮処理を行い、抽出された領域にラべリング処理を行う。これらの領域を影領域候補とする。各影候補領域に対して所定の条件(例えば、人物の影領域はある程度の大きさをもっており縦横比で横のほうが長い、人物の影領域は抽出された人物枠の下のほうにあるなどの各種条件)に従って、最終的な影領域を特定する。こうして最終的に特定された影領域をもとの抽出画像から消去し、人物領域を囲い直す。
【0024】
ステップS25では、ヒストグラムを使った人物領域の補正を行う。すなわち、色情報による人物の影領域消去を行った後においても、雑音の影響や影領域が完全に消去されなかったなどの影響によって、人物の抽出枠の横幅が人物モデルの横幅よりも+20%以上大きくなってしまうことがある。この場合、位置情報が正確に取得できないことから、追跡の精度が落ちてしまう。そこで、領域内のピクセル数のヒストグラムを利用した人物領域の補正を行う。こうした人物領域補正の手順を簡単に説明する。抽出枠の内部において、抽出オブジェクトの縦方向におけるピクセル数のヒストグラムを取る。この縦方向のピクセル数のヒストグラムにおいて、抽出枠の両端からピクセル数の検索を行う。もしも連続して縦方向のピクセル数が少ない場合は、その抽出領域は人物領域でなく非人物領域と判定し、抽出人物からその領域を消去する。こうして人物領域を補正する。
【0025】
抽出部1bで行われるチーム判定について、図6を用いて説明する。図6は、チーム判定処理の一実施例を示すフローチャートである。当該処理では、色情報の学習によって求められたチーム分類に最適な色パラメータPを用いて抽出された選手のチーム判定を行う。
【0026】
ステップS31では、各フレームでのチーム判定を行う。すなわち、抽出された人物領域における最適色パラメータPの値pを取得し、各チームの代表値pteamとの距離distteamを求める。
【数2】
ただし、上記数2において、シャツとズボンとが別色である場合には分離度Dの重み付けをしてdistteamを求める。
【数3】
この距離distteamが小さい方のチームをそのフレームにおけるチームと判定する。
【0027】
こうした各フレーム毎でのチーム判定は、完全に信頼を置けるものではない。すなわち、抽出誤差などの影響によって、該チーム判定が誤っている可能性もある。そこで、各フレームにおけるチーム判定の信頼度Vteamを設ける。このチーム判定信頼度Vteamはそのフレームにおけるその選手のチーム判定がどれだけ信頼できるかということを示したパラメータ値であり、以下のようにして求める。まず、最適色パラメータ値pの値が判定されたチームの色の代表値pに近いほどチーム判定の信頼度は高くなるために、代表値からの距離に依存した信頼度Vcolorを数4から求める。
【数4】
【0028】
次に、人物モデルに近い抽出がされているほど色情報を正確に取得できるため、チーム判定の信頼度は高くなる。具体的には、抽出された人物の縦幅によって人物モデル信頼度Vheightは高くなる。そこで、この人物モデル信頼度Vheightによるフィルタリングを行う。こうした人物モデル信頼度Vheightの一実施例を図7に示す。この図7に示した人物モデル信頼度Vheightは、理想的な人間の縦横比N:1(図の横軸に示す)に対して、例えば+20%〜−20%以内の抽出である場合には正確な人物抽出ができたとして「人物モデル信頼度Vheight=1」(図の縦軸に示す)とし、+40%以上あるいは−40%以下の抽出である場合には正確な人物抽出ができずに色情報の取得が不正確であるとして「人物モデル信頼度Vheight=0」としている。また、抽出された人物が人物モデルの高さに近いほど人物モデル信頼度は高くなる。こうした代表値からの距離に依存した信頼度Vcolorと人物モデル信頼度Vheightとにより、最終的にチーム判定の信頼度Vteamを数5から求める。
【数5】
このチーム判定の信頼度Vteamを各フレームにおいて各選手に対して求める。
【0029】
ステップS32では、複数フレームでのチーム判定を行う。すなわち、上記したような各フレームにおけるチーム判定は完全に信頼できるものではない。そこで、追跡情報を用い、複数フレームを利用してチーム判定を確実なものにする。該複数フレームでのチーム判定は、各フレームにおけるチーム判定の信頼度Vの総和によって求める。つまり、各選手に対してチーム1と判定された信頼度V(team=1)の総和ΣV(team=1)とチーム2と判定された信頼度V(team=2)の総和ΣV(team=2)を求め、該求めた総和ΣV(team=1)と総和ΣV(team=2)のうち、値が大きいほうのチームを複数フレームでのチームと判定する。
また、複数フレームでのチーム判定の信頼度の評価基準としてVdiffを求める。
【数6】
複数フレームでのチーム判定を行う場合に、上記Vdiffが所定の閾値以上になったら、そのチーム判定が十分信頼できるものとしてチーム判定を確定する。
【0030】
次に、追跡部1cで行われるフレーム間の人物同定(人物追跡)について、図8を用いて説明する。図8(a)は、フレーム間の人物同定処理の一実施例を示すフローチャートである。以下の説明では、過去のフレームにおいて追跡されてきた(つまり人物同定されてきた)追跡人物をTrk(Trk1〜TrkM)で表わす。各追跡人物Trkiは人物同定済みであるから、過去の位置情報(画像情報)とチーム情報とを保持している。また、現フレームにおける抽出人物をExt(Ext1〜ExtM)で表わす(ただし、抽出人物Extjは複数の人物が1つのExtとして認識されている場合もある。例えば、複数人物が重なった位置で撮影された場合など。)。各抽出人物Extjは位置情報(画像情報)とチーム判定及びチーム判定信頼度Vteamとを保持しているが、追跡人物との対応づけ、つまりフレーム間での人物同定はまだなされていない。フレーム間で人物同定を行う場合、利用する特徴量は位置情報(画像情報)とチーム情報となる。
【0031】
ステップS41では、各追跡人物Trk1〜TrkMに対し、候補となる抽出人物Extを複数取得する。まず、各追跡人物Trkiにおいて過去1乃至複数フレームにおける位置情報から線形的に予測位置(画像座標情報)を求め、予測位置とある閾値以内の距離に存在する全抽出人物Extを候補として順に保存していく。好ましくは、図8(b)に示すように各選手毎に若しくは各追跡人物毎に、すべてのフレームにおける位置情報を記憶しており、この記憶に基づき次のフレームにおける予測位置を線形的に予測する。なお、保存の際には、各候補Extは挿入Sorting(つまり並び替え)によってより近いもの順にSortingしていく。この挿入Sortingの際に用いる評価関数としてのマッチング信頼度M(i,j)を数7に示す。
【数7】
このマッチング信頼度M(i,j)は追跡人物Trkiと抽出人物Extjとをマッチングした場合、その同定がどの程度あり得るかということを数値化したものである。Mposは位置情報(画像座標情報)によるマッチング信頼度関数であり、これを模式図にて示すと図8(c)のように、追跡人物Trkiの予測位置(画像座標情報)に基づき求められる人物モデルの大きさに開いた予測位置枠W1と、抽出人物Extjの人物モデル大の枠W2との重複領域W3(図中における斜線を施した領域)の大きさが枠W1及び枠W2の集合全体(図中における太線枠内の領域)に占める割合として求められる。一方、Mteamはチーム情報によるマッチング信頼度関数であり、数8から求める。
【数8】
(ただし、追跡人物Trkiと抽出人物Extjとが同一チーム判定ならr=1、異なるチーム判定ならr=−1)
上記数7において、αとβで示す重み付け値は、比較している2つの候補Extの状態によって動的に変化する。例えば、2つの候補Extが共に同じチームである場合にはMteamで評価する必要がないためにα=1、β=0とする。他方、2つの候補Extが異なるチームであり、Mposの値が非常に近い場合にはα=0、β=1とする。上記した数7を評価関数とした挿入Sortingによって、各追跡人物Trkiは近いものから順に抽出候補Extを複数得る。
【0032】
ステップS42では、各追跡人物に抽出人物を割り当てる。例えば、1番目の追跡人物Trk1から順に、その第1候補の抽出人物Extを取得する。i番目の追跡人物Trkiにおいてその第1候補Extjがすでに別の追跡人物Trknに獲得されている場合には、上記数7の評価関数によって比較判定し、より近い方の追跡人物Trki又はTrknが第1候補Extjを獲得する。そうした場合、他方の追跡人物Trki又はTrknは第2候補の抽出人物Extを取得する。こうした処理を行うことで、各追跡人物Trkは各々に最適の抽出人物Extを獲得することになる。
ステップS43では、抽出人物Extの割り当てのない追跡人物Trkxの判定を行う。すなわち、当該追跡人物Trkxのどの候補Extもが他の追跡人物Trkによって獲得されてしまい、最終的にどの抽出人物Extも獲得できなかった当該追跡人物Trkxは、その第1候補Extが当該追跡人物Trkxに対してある閾値以内の距離にある場合は、その追跡人物Trkxは他の追跡人物Trknと1つの抽出人物Extとして抽出されたものとして、その抽出人物Extは2人(又は複数)の追跡人物Trkn、Trkxが対処していると判定する。すなわち、どの抽出人物も獲得できなかった追跡人物Trkxの第1候補Extが所定閾値以内で近似しているならば、その第1候補Extと同じ抽出人物Extを獲得した他の追跡人物Trknと該追跡人物Trkxとが丁度重なってすれ違っている最中であると判定する。これをすれ違い状態と呼ぶ。なお、この場合、第1候補Extが追跡人物Trkxに対してある閾値以内にない場合には抽出ミスであると判定する。反対に、どの追跡人物Trkiからも取得されなかった抽出人物Extは、新規の追跡人物であると判定する。
【0033】
ステップS44では、すれ違い後の人物同定を行う。上述したように、すれ違い状態においては、複数の追跡人物が1つの抽出人物として認識されてしまう。こうした場合、チーム情報や正確な位置情報を取得することができなくなり、正確な追跡を行うことができなくなる。そこで、すれ違い前とすれ違い後の人物間で人物同定(マッチング)を行うことによって、追跡を続行する。このすれ違いの前後において人物同定を行う場合、すれ違いの時間が長ければ長いほど、位置情報によるマッチングの信頼度は低くなる。そのため、異なるチームの選手がすれ違いを起こした場合にはチーム情報をもとに人物同定を行い、同じチームの選手がすれ違いを起こした場合には位置情報(画像情報)による人物同定(すれ違い前の状態からの予測位置)を行う。また、3人以上の選手がすれ違いを起こした場合には、まずチーム情報によってマッチングを行い、その上で位置情報によるマッチングを行えばよい。
【0034】
図8(b)は、図8(a)に示したような「フレーム間人物同定」処理に基づいて、個々の選手(player)毎に作成される選手追跡ファイルの一例を示す。この図8(b)には、「Player1」という特定の一人の選手(つまりキャラクタ)の追跡ファイル例が示されている。一人の選手の追跡ファイルは、「追跡人物Trk」と「すれ違い」のシーケンスからなる第1階層と、各フレーム毎の「抽出人物Ext」のシーケンスからなる第2階層とで構成される。「Trk1」は、「Player1」についての最初の「追跡人物」の追跡サブファイルを示し、順次の各フレーム毎の抽出人物Ext11〜Ext1Nのシーケンスからなる。例えば、試合開始時(キックオフ時)の各選手のグランド上の所定ポジションから、最初のフレームにおける各抽出人物Extが、具体的にどの選手にそれぞれ該当するかが判明する。図8(b)の例では、最初のフレームにおける特定の抽出人物Ext11が、特定の「Player1」に該当し、この抽出人物Ext11が「Player1」の追跡人物Trk1として割り当てられる。以後、各フレーム毎にこの追跡人物Trk1に該当する抽出人物Ext12〜Ext1Nを順次特定してゆく(割り当ててゆく)ことで、「Player1」についての「追跡人物Trk1」のサブファイルが作成される。この特定の「追跡人物Trk1」が他の追跡人物とすれ違ったとき、この特定の「追跡人物Trk1」のサブファイルが終了し、「すれ違い1」のサブファイルが挿入される。この「すれ違い1」のサブファイルは、この特定の「追跡人物Trk1」が他の追跡人物とで共有する「抽出人物Ext1P」を特定する1又は複数フレーム分の抽出人物データからなる。この「すれ違い1」が終了すると、当該「Player1」についての2番目の「追跡人物Trk2」のサブファイルが作成され、かつ、前記ステップS44による「すれ違い後の人物同定」処理によって、すれ違い前の当該「追跡人物Trk1」に該当する「抽出人物Ext21」が特定され、この特定された「抽出人物Ext21」が当該「Player1」についての2番目の「追跡人物Trk2」の最初のフレームの該当人物として割り当てられる。以後、各フレーム毎にこの追跡人物Trk2に該当する抽出人物Ext22〜Ext2Nを順次特定してゆく(割り当ててゆく)ことで、「Player1」についての2番目「追跡人物Trk2」のサブファイルが作成される。以後、当該追跡人物について「すれ違い」が起こる毎に、当該「追跡人物」のサブファイルが終了し、「すれ違い」のサブファイルが挿入され、更に当該「すれ違い」の後、当該「Player1」についての次の「追跡人物」のサブファイルが作成される。こうして、試合開始から終了まで(若しくは退場まで)、当該特定の選手(例えばPlayer1)についての追跡ファイルが、「追跡人物」と「すれ違い」のサブファイルの次々の組合せからなるシーケンスで、作成される。
【0035】
次に、図1に示したシーン間人物同定について、図9を用いて説明する。図9(a)は環境マップを説明するための概要図であり、図9(b)はシーン間の人物同定処理の一実施例を示すフローチャートである。人物については、シーン間での人物同定を行う。すなわち、隣接するシーンはそれぞれの撮影領域において重複領域を含むため、この重複領域における隣接シーン間で人物同定(マッチング)を行う必要がある。そこで、図9(a)に示すような環境マップを予め設定しておく。環境マップは、各撮影用ビデオカメラCで撮影可能な範囲であるシーン1とシーン2とが重なる重複領域(図中において斜線を施した範囲)を定義したものであり、該環境マップにおいて重複領域内での人物同定を行う場合にのみ、シーン間の人物同定処理が行われる。
【0036】
図9(b)に示したフローチャートに従って、シーン間人物同定処理について簡単に説明する。ステップS51では、選手の分類を行う。すなわち、各シーン内において、チーム1の選手とチーム2の選手に分類する。シーン間人物同定を行う際には、隣接シーン間で同じチーム同士の追跡人物の間でマッチングを行えばよい。ステップS52では、位置情報(ただし、ここでは画像情報でなくワールド座標)を利用し、隣接シーン間で或る閾値半径以内に存在する追跡人物を、マッチング候補として保存する。ステップS53では、保存したマッチング候補との距離の総和がより小さい候補と最終的にマッチングを行う。
【0037】
次に、ボール抽出・追跡処理について、図10及び図11を用いて説明する。まず、抽出部1bで行われるボール抽出について図10を用いて説明する。図10は、ボールの抽出処理の一実施例を示すフローチャートである。該ボール抽出処理は、人物抽出を行った後に行われる処理である。
【0038】
ステップS61では、ボール候補を抽出する。ステップS62では、色による絞り込みを行う。このボール候補の抽出では、人物抽出された領域はボールではないと判定し当該人物領域を除外した範囲においてボール領域の検索を行う。すなわち、上述した人物抽出処理によって抽出された人物領域以外の領域に対してのみ、ボール領域(ボール候補)の検索を行う。このボール領域の検索は、ボールが持つ特徴に従って行われる。例えば、ボールの大きさは直径22cm(センチメートル)であることから、動画像中におけるボールの大きさを割り出し、それに基づいて理想的な大きさを持つボールモデルを作成する。そして、動画中で該ボールモデルに近い大きさの抽出物があれば、それをボールの候補とする。また、ボールは基本的に白色であることから、前記ボール候補の中から色による絞込みを行う。すなわち、ボール領域は背景領域に比べて輝度Yが高く彩度Sが低くなる特徴があることから、得られた抽出物の輝度Yが所定の閾値以上で、かつ彩度Sが所定の閾値以下である場合に当該抽出物をボールの候補とする。
【0039】
次に、追跡部1cで行われるボール追跡について、図11を用いて説明する。図11(a)はメイン動作であるボール追跡処理の一実施例を示すフローチャートであり、図11(b)はサブ動作であるボール探索処理の一実施例を示すフローチャートである。ボール追跡処理は、上述したボール抽出処理により抽出された複数のボール候補の中からボールを1つだけ特定し追跡する処理である。一方、ボール探索処理はボール追跡処理と常に並行して動作している処理(つまり裏処理)であって、メイン処理による追跡(ステップS71)においてボールの追跡に失敗、つまりボールを見失った又は選手がボールを保持している際に適宜に参照される処理である。
【0040】
まず、メイン動作であるボール追跡処理について説明する。ステップS71では、メイン処理による追跡を実行する。このメイン処理による追跡では、過去2フレームにおけるボール位置情報を用いる。すなわち、2つ前(過去)のフレームにおいて抽出されたボールの中心座標の位置情報と、1つ前(過去)のフレームにおいて抽出されたボールの中心座標の位置情報とから、現在処理しているフレームでのボールの予測点を算出する。こうした予測点算出の一例としては、数9に示すような過去2フレームのボールの位置情報の線形予測に従って算出する。
【数9】
ここで、X0とY0は現在のフレームでの予測点のX座標とY座標であり、X−iとY−iはiフレーム前でのボールの中心のX座標とY座標である。
ステップS72では、上記算出した予測点の周りにボール候補が有るか否かを判定する。予測点の周りにボール候補が有ると判定された場合には(ステップS72のYES)、ステップS71の処理に戻ってメイン処理による追跡を続行する。すなわち、メイン処理による追跡では予測点の周りにボール候補があるか否かを調べ、予測点の周りにボール候補がある場合には該ボールを追跡対象としてボールの追跡を続行する。このように、ボールの位置情報に基づいて予測通りにボールが動いているような場合には、該メイン処理による追跡だけでボール追跡を行う。
【0041】
一方、予測点の周りにボール候補がない場合、つまり選手がボールを隠蔽している状態(オクルージョン状態)が生じた場合や一旦フィールド外にボールが飛び出したことによるボールの追跡ミスが生じたような場合には、上記したようなメイン処理による追跡(ステップS71参照)によってはボールの追跡を続行することができない。そこで、予測点の周りにボール候補がないと判定された場合には(ステップS72のNO)、まず選手がボールを隠蔽している状態(オクルージョン状態)であるか否か、つまり算出した予測点が人物抽出された範囲内にあるか否かを判定する(ステップS73)。予測点が人物抽出された範囲内にない場合、つまり選手がボールを隠蔽している状態でないと判定された場合には(ステップS73のNO)、当該処理と並行動作しているボール探索処理に対して問い合わせを行うことによって全画像中からボールを探索する。そして、ボール探索の結果として新たにボールが見つかった場合には(ステップS74のYES)、ステップS71の処理に戻って該見つけたボールを対象としてボール追跡を続行する。こうしたボール探索処理への問い合わせによるボール探索は、ボールが見つかるまで繰り返し行われる(ステップS74のNO)。このように、予測点が人物抽出された範囲内にない場合にはボール追跡に失敗してボールを見失っている状態であることから、当該処理から裏処理であるボール探索処理に対して問い合わせる。そして、複数フレームにわたっての全画像中のボール候補の軌道情報に基づいて追跡対象とするボールを新たに見つけ出し、該見つけたボールを対象として再度メイン処理による追跡を行う。こうすることにより、ボールを見失った場合においてもボール追跡を再開することができる。
【0042】
他方、予測点が人物抽出された範囲内にある場合、つまり選手がボールを隠蔽している状態であると判定された場合には(ステップS73のYES)、当該処理と並行動作しているボール探索処理に対して問い合わせを行うことによって予測点を含む人物抽出された範囲(つまり選手)の周りで新たにボールが見つかったか否かを判定する(ステップS75)。すなわち、ボールを隠蔽している状態の選手からボールが出てきたか否かを判定する。このボール探索処理への問い合わせに従いボールを隠蔽している状態の選手の周りで新たにボールが見つかった場合、つまり選手からボールが出てきた場合には(ステップS75のYES)、ステップS71の処理に戻って該見つけたボールを対象としてボール追跡を続行する。ボールを隠蔽している選手の周りで新たにボールが見つからなかった場合には(ステップS75のYES)、ボールを隠蔽している選手の近くに他の選手がいるか否かを判定する(ステップS76)。近くに他の選手がいると判定された場合には(ステップS76のYES)、その周りにおいてボールを探索する対象の選手を増やして(ステップS77)、ステップS75の処理へ戻る。すなわち、選手が密集しているような場合にはボールを探索する範囲を選手毎に順次に広げていき、その探索範囲において新たにボールが見つかったか否かを判定する。近くに他の選手がいないと判定された場合には(ステップS76のNO)、上記ステップS77の処理を行うことなくステップS75の処理へ戻り、ボールを隠蔽している状態の当該選手の周りでのみ新たにボールが見つかるまでボール探索を続ける。
【0043】
以上のように、予測点が人物抽出された範囲内にあり選手がボールを隠蔽している状態である場合には、オクルージョン状態が頻繁におこることや、当該選手からボールがいつでてくるかを予測することは困難であることから、メイン処理による追跡(ステップS71参照)を行うことができない。そこで、当該処理と並行動作しているボール探索処理に対して問い合わせを行うことによって、ボールを隠蔽しているとされる選手の周りについてボールが見つかるまでボールを探索する。ところで、こうしたボール探索を行っているときに当該選手に対して他の選手が近づいてきたような場合には、近づいた選手がボールを奪っている可能性が高くなることや、その選手によるオクルージョン状態の発生の可能性がある。そこで、現在ボールを隠蔽している状態の選手に近づいてきた選手全てを含むその周りについてボール探索を行う。上記のようなボール探索の結果としてボールが見つかった場合には、見つけたボールを再度メイン処理による追跡を行う。こうすることによって、オクルージョン状態になった場合においてもボール追跡を再開することができる。
【0044】
ここで、上述したボール追跡処理から問い合わせされるサブ動作であるボール探索処理について説明する。このボール探索処理は複数フレームにおける全画像中の情報から、ボールらしい軌道を描いて動いているボール候補の抽出物を見つけるための処理である。ボール探索処理では、直線的(又は放物線的)に動的な複数のボール候補又はその等価物の動きを全画像中から検出する処理を行う(ステップS81)。具体的に説明する。まず、現在のフレームにおけるある1つのボール候補1において、該ボール候補1から直線的な軌道を描くボール候補を後のフレームにおけるボール候補1があった位置から所定の閾値の範囲内で探す。前記範囲内にボール候補がある場合には、それをボール候補2とする。こうしたボール候補2は多数存在するために、そこからさらにボールを絞り込む。そこで、ボールの軌道である直線上のボール候補1とボール候補2とにより算出した予測点から所定の範囲内にあるボール候補3を見つける。ボール候補3が得られたら、今度はボール候補2とボール候補3とにより算出した予測点から所定の範囲内を探索する。こうした処理をボール候補が得られなくなるまで繰り返し行うことによって、ボールの軌道を描くボール候補の連続抽出回数を求める。こうしたボールの軌道を描くボール候補を複数見つけるために、当該処理を全画像中で行い、複数のボールの軌道を描くボール候補の連続抽出回数を求める。次に、ボール候補の動きベクトルの標準偏差と速度の情報を求める。速度とは、見つかったボール候補の1フレーム間に移動する移動平均距離の平均値である。標準偏差とはボール候補の方向ベクトルのばらつき具合を表わすものであり、数10により求まる。
【数10】
このように、ボール探索処理では複数フレームにわたって画像全体を調べ、直線的に動くボール候補を見つけて、その連続抽出回数、標準偏差、速度等を用いてボールを見つけ出す。
【0045】
こうしたボール探索処理の際に選手によるオクルージョン状態が生じた場合には、上記連続抽出回数が正しく求められない。そこで、例えば2つ先のフレームにおいて選手によるオクルージョン状態が生じているような場合には、1つ先のフレームでのボール候補の中心座標と2つ先のフレームでの予測点をもとに3つ先のフレームでの予測点を上記した数9によって算出し、その周りを探すようにする。こうすると、もし後のフレームで同じ軌道を描くボール候補が見つかったときでも連続抽出回数をカウントすることができるようになることから、ボール候補の選手によるオクルージョン状態が生じた場合に対応することができるようになる。また、選手がボールを隠蔽している場合には、ボールを隠蔽している選手の周りについてボール探索を行うことは上述した。この場合には、ある閾値以内の範囲において選手の周りを探索する。選手の周りにおいてボール候補が得られた場合、何フレームかを先読みして得られたボール候補のその後の動きをボール探索処理により調べる。このボール探索処理によって求められる選手の周りで見つかったボール候補の連続抽出回数、速度、標準偏差のそれぞれが所定の閾値を満たすものをボールと特定する。さらに、ボールを見失っている場合には、複数フレームにおいて全画像を調べてボールらしい軌道を描いているものを見つけることは上述した。ボールを見失った時点でボール探索処理を全画像に対して行うことにより、複数のボール候補の連続抽出回数、速度、標準偏差を求めることができることから、これらに対する所定の閾値を設けておき、この条件を満たすものをボールとする。
【0046】
以上のような選手及びボールの自動追跡システムは、スポーツゲームの指導やスポーツ中継あるいは試合データ提供サービスへ適用するのが特に有効である。すなわち、サッカーに代表される集団競技における試合のフォーメーション確認や戦術解析が自動化されて、ゲーム指導に適用することができる。スポーツ中継中にフィールド全体における選手の動きを自動的に解析し、試合の解説などに利用することができる。スポーツ試合における両チームの得点や選手の動きは試合の情報として最も重要であり価値のあるデータであることから、試合中の選手の動きを自動解析することは非常に有効である。
【0047】
【発明の効果】
この発明によれば、自動作成される背景画像を用いて2段階に分けて人物領域の特定を行うと共に、色情報に従って取得されるチーム情報を人物の追跡処理に適応するようにしたことによって、スポーツ動画像などの屋外環境を想定した広い範囲における人物の抽出・追跡を高精度に行うことができるようになる、という効果を得る。
また、ボール追跡を行うメイン処理とボール探索を行うボール探索処理の2つの処理を用いてボール追跡を行うようにしたことから、スポーツ競技での選手(人物)だけでなくボールをも高精度に抽出し追跡することができる、という効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る移動物体追跡装置を適用したトラッキングシステムの一実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】シーン内追跡部の処理概要を示すブロック図である。
【図3】背景画像の作成処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図4】色情報の学習処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図5】人物抽出処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図6】チーム判定処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図7】人物モデル信頼度の一実施例を示す概要図である。
【図8】フレーム間の人物同定処理について説明するための図である。
【図9】シーン間人物同定について説明するための図であって、図9(a)は環境マップを説明するための概要図、図9(b)はシーン間の人物同定処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図10】ボールの抽出処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図11】ボール追跡処理の一実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
A…移動物体追跡装置、C…撮影用ビデオカメラ、1…シーン内追跡部、1a…学習部、1b…抽出部、1c…追跡部、2…シーン間人物同定部、3…位置情報の取得・補正部
Claims (18)
- 動画像データに基づき画像中における所定の特徴を持つ物体を追跡物体としてその動きを追跡する方法であって、
過去の複数フレームにおける前記追跡物体の位置情報を記憶しておき、記憶した該過去の複数フレームの該追跡物体の位置情報に基づき今回のフレームにおける該追跡物体の予測位置を求める第1ステップと、
今回のフレームにおける画像データから前記追跡物体に特有の前記所定の特徴を持つ候補物体を抽出する第2ステップと、
前記予測位置により近い前記抽出された候補物体を前記追跡物体として割り当てる第3ステップと
を具備する移動物体追跡方法。 - 追跡対象たる前記追跡物体が複数存在し、
前記第1ステップでは、各追跡物体毎の前記予測位置を求め、
前記第2ステップでは、前記画像データから得られる複数の候補物体の位置情報に基づき、各追跡物体毎に、それぞれの前記予測位置に近い1又は複数の候補物体を順位づけて抽出し、
前記第3ステップでは、各追跡物体毎に、前記予測位置により近い前記抽出された候補物体を当該追跡物体として割り当て、その際、共通する候補物体が複数の追跡物体に割り当てられようとするとき、そのうち1つの追跡物体に対して該候補物体を割り当て、他の追跡物体には次の順位の候補物体を割り当てるようにすることを特徴とする請求項1に記載の移動物体追跡方法。 - 前記第3ステップでは、前記他の追跡物体に対して割り当てるべき前記次の順位の候補物体がない場合、前記共通する候補物体を前記複数の追跡物体に対して割り当てることを特徴とする請求項2に記載の移動物体追跡方法。
- 追跡対象たる前記追跡物体が複数存在し、これら複数の追跡物体はユニフォーム等で視覚的に区別可能な複数のグループに分類されており、
前記第1ステップでは、各追跡物体毎の前記予測位置を求め、更に、各追跡物体毎にその所属グループを示すグループ情報を記憶し、
前記第2ステップでは、前記画像データから得られる複数の候補物体の位置情報とグループ情報とに基づき、各追跡物体毎に、前記予測位置により近い候補物体を選択するための位置マッチング信頼度と同一グループを選択するためのグループマッチング信頼度との組合せからなるマッチング信頼度関数を用いて、1又は複数の候補物体を抽出し、
前記第3ステップでは、各追跡物体毎に、前記マッチング信頼度関数の値に基づいて、いずれかの前記候補物体を割り当てる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の移動物体追跡方法。 - 動画像データに基づき画像中における所定の特徴を持つ物体の動きを順次追跡する追跡ステップと、
前記動画像データに基づく画像中において前記所定の特徴を持つ物体と推定される所定の動きをする等価物を探索する探索ステップと、
前記追跡ステップで追跡された前記物体と前記探索ステップで探索した該物体の等価物の少なくとも一方を前記物体の追跡情報として選択する選択ステップとを具備する移動物体追跡方法。 - 前記選択ステップは、前記追跡ステップで前記物体が追跡不能な状態となったとき前記探索ステップで探索した該物体の等価物を前記物体の追跡情報として選択するものであり、該選択された追跡情報を基にして前記追跡ステップで前記物体の追跡を再開させるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の移動物体追跡方法。
- 少なくとも2つ以上のグループに分類される人物を撮影した動画像上において人物追跡を行う移動物体追跡方法であって、
所定のサイクルで入力される複数フレーム画像から背景画像を自動的に作成する第1ステップと、
前記作成した背景画像をもとに各フレーム画像において背景差分処理を行い、該背景差分処理により得られた抽出物に対して予め設定済みの人物モデルを適用することで人物の抽出を行う第2ステップと、
各フレームの画像毎に最適色パラメータを取得し、該取得した最適色パラメータに基づき前記抽出した人物のグループ判定を行う第3ステップと、
前記グループ判定に従って人物同定を行う第4ステップと
を具える移動物体追跡方法。 - 前記第1ステップは、所定のサイクルで入力される複数フレームの画像を少なくとも人物候補領域と背景利用可能領域とに分離し、各フレームの背景利用可能領域を補完し平均値をとることで1枚の背景画像を自動作成することを特徴とする請求項7に記載の移動物体追跡方法。
- 背景差分を行う際に用いられる人物抽出に最適な閾値を少なくとも高低2つ設定する設定ステップを具えてなり、
前記第2ステップは、前記設定ステップにより設定された少なくとも高低2つの閾値に従い段階的に背景差分することによって人物抽出を行うことを特徴とする請求項7に記載の移動物体追跡方法。 - 前記第3ステップは、各色パラメータに対して複数フレームの画像から所定数サンプルの色情報を取得して平均値を求め、各色パラメータに対して異なるグループ間の平均値の分散を同グループ内の値の分散で除算してグループ分類度を算出し、該グループ分類度が一番大きい色パラメータを最適色パラメータとすることを特徴とする請求項7に記載の移動物体追跡方法。
- 前記第3ステップは、各グループの色の代表値からの距離によって求めた信頼度と人物モデルの照らし合わせによって求めた信頼度とに従いグループ判定信頼度を算出し、該算出したグループ判定信頼度に従って抽出した人物に対するグループ判定を確定することを特徴とする請求項7に記載の移動物体追跡方法。
- 少なくとも動画像上のボールを追跡する移動物体追跡方法であって、
所定のサイクルで入力される複数フレーム画像から1枚の背景画像を自動的に作成するステップと、
前記作成した背景画像をもとに各フレーム画像において背景差分処理を行い、該背景差分処理により得られた人物領域以外の抽出物に対して予め設定済みのボールモデルを適用することでボールを抽出するステップと、
少なくとも過去2フレームにおけるボールの位置情報に基づいて現在のフレームにおけるボールを予測位置を求めることによってボールの追跡を行うステップと、
ボールの軌道上を複数フレームにわたって連続的に動くボール候補を全画像中から探索するステップと
を具える移動物体追跡方法。 - 前記ボールを抽出するステップは、大きさだけでなく彩度や明度などの色情報を含むボールモデルを適用してボールを抽出することを特徴とする請求項12に記載の移動物体追跡方法。
- 請求項1乃至13のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるための命令群からなるコンピュータプログラム。
- 動画像データに基づき画像中における所定の特徴を持つ物体を追跡物体としてその動きを追跡する装置であって、
過去の複数フレームにおける前記追跡物体の位置情報を記憶しておき、記憶した該過去の複数フレームの該追跡物体の位置情報に基づき今回のフレームにおける該追跡物体の予測位置を求める手段と、
今回のフレームにおける画像データから前記追跡物体に特有の前記所定の特徴を持つ候補物体を抽出する手段と、
前記予測位置により近い前記抽出された候補物体を前記追跡物体として割り当てる手段と
を具備する移動物体追跡装置。 - 動画像データに基づき画像中における所定の特徴を持つ物体の動きを順次追跡する追跡手段と、
前記動画像データに基づく画像中において前記所定の特徴を持つ物体と推定される所定の動きをする等価物を探索する探索手段と、
前記追跡手段で追跡された前記物体と前記探索手段で探索した該物体の等価物の少なくとも一方を前記物体の追跡情報として選択する選択手段と
を具備する移動物体追跡装置。 - 少なくとも2つ以上のグループに分類される人物を撮影した動画像上において人物追跡を行う移動物体追跡装置であって、
所定のサイクルで入力される複数フレーム画像から背景画像を自動的に作成する背景作成手段と、
前記作成した背景画像をもとに各フレーム画像において背景差分処理を行い、該背景差分処理により得られた抽出物に対して予め設定済みの人物モデルを適用することで人物の抽出を行う人物抽出手段と、
各フレームの画像毎に最適色パラメータを取得し、該取得した最適色パラメータに基づき前記抽出した人物のグループ判定を行うグループ判定手段と、
前記グループ判定に従って人物同定を行う人物同定手段と
を具える移動物体追跡装置。 - 少なくとも動画像上のボールを追跡する移動物体追跡装置であって、
所定のサイクルで入力される複数フレーム画像から1枚の背景画像を自動的に作成する背景作成手段と、
前記作成した背景画像をもとに各フレーム画像において背景差分処理を行い、該背景差分処理により得られた人物領域以外の抽出物に対して予め設定済みのボールモデルを適用することでボールを抽出するボール抽出手段と、
少なくとも過去2フレームにおけるボールの位置情報に基づいて現在のフレームにおけるボールを予測位置を求めることによってボールの追跡を行うボール追跡手段と、
ボールの軌道上を複数フレームにわたって連続的に動くボール候補を全画像中から探索するボール探索手段と
を具える移動物体追跡装置。
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