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JP2004043705A - 電磁波吸収組成物及びそれを用いて形成した成型品 - Google Patents

電磁波吸収組成物及びそれを用いて形成した成型品 Download PDF

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JP2004043705A
JP2004043705A JP2002205333A JP2002205333A JP2004043705A JP 2004043705 A JP2004043705 A JP 2004043705A JP 2002205333 A JP2002205333 A JP 2002205333A JP 2002205333 A JP2002205333 A JP 2002205333A JP 2004043705 A JP2004043705 A JP 2004043705A
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JP
Japan
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electromagnetic wave
wave absorbing
absorbing composition
weight
sample
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JP2002205333A
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Inventor
Koichi Kato
加藤 幸一
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Abstract

【課題】電磁波吸収体の混合・充填量が少なくても良好な電磁波吸収能を有する電磁波吸収組成物及びそれを用いて形成した成型品を提供するものである。
【解決手段】本発明に係る電磁波吸収組成物は、高分子材料中に電磁波吸収体を混合・充填してなるものであって、上記電磁波吸収体として、導電性又は磁性を有する多孔質粒子を混合・充填したものである。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波を吸収する樹脂組成物及びそれを用いて形成した成型品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
交流電気鉄道、又は超高圧送電線(特に、直接接地方式送電線)の近くに架設されるケーブルにおいては、電磁波の発生が問題となるため、電磁しゃへい層を施す必要がある。
【0003】
電磁しゃへい層としては、例えば、高分子材料中に電磁波吸収体(電磁波吸収特性を有する粒子)を混合・充填してなる電磁波吸収組成物を、導体の周りに射出成形したものが挙げられる。この電磁波吸収材料としては、次の3種類に大別される。
【0004】
▲1▼ 磁性体粉末混合型
高分子材料中に磁性体粉末を混合・分散させ、磁性材料の複素比透磁率μrの虚数部μ”rを利用し、透磁損失により電磁波を減衰させる磁性電波吸収材料であり、電磁波の磁界成分に作用して、そのエネルギーを熱に変換するもの。例えば、フェライトなどの磁性体の粉末を樹脂に混合・充填して一体化した製品などが挙げられる。
【0005】
▲2▼ 導電性粉末混合型
絶縁体材料中に導電性粉末を混合・分散させ、抵抗率又は導電率と比誘電率を変化させると共に、特に複素比誘電率εrの虚数部ε”rを大きくし、誘電損失により電磁波を減衰させる誘電性電波吸収材料であり、電磁波の電界成分に作用して、そのエネルギーを熱に変換するもの。例えば、導電性金属の粉末又はカーボン粉末などをゴム材料などに混合・充填したものなどが挙げられる。
【0006】
▲3▼ λ/4型
金属膜などの電波反射膜の前面(電波入射面)側に、波長λの1/4の厚さの誘電体膜を形成し、その誘電体膜の表面に更に抵抗被膜(各種の導電体膜)を積層形成し、抵抗被膜表面で反射された表面反射波と電磁波吸収体内部の電波反射膜表面で反射された内部反射波とが逆位相で、かつ、同振幅となるようにインピーダンス整合を図ったもの。
【0007】
また、▲1▼と▲2▼の複合型、例えば、▲2▼の誘電性電波吸収材料からなる膜の電波入射面と反対側の面に、▲1▼の磁性電波吸収材料からなる膜を積層したもの等もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電磁波吸収材料において十分な電磁波吸収能を得るには、高分子材料中に配合・充填する電磁波吸収体の量を多くする必要があった。ところが、高分子材料中に配合・充填する電磁波吸収体の量を多くすると、射出成形性が悪化したり、高分子材料からなる母材の特性、例えば可撓性などを損なうといった問題があった。
【0009】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、電磁波吸収体の混合・充填量が少なくても良好な電磁波吸収能を有する電磁波吸収組成物及びそれを用いて形成した成型品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る電磁波吸収組成物は、高分子材料中に電磁波吸収体を混合・充填してなる電磁波吸収組成物において、上記電磁波吸収体として、導電性又は磁性を有する多孔質粒子を混合・充填したものである。
【0011】
より具体的には、請求項2に示すように、上記高分子材料100重量部に対して、15重量部以上〜70重量部未満の上記多孔質粒子を混合・充填する。
【0012】
また、請求項3に示すように、上記高分子材料が、クロロプレンゴム又はエチレンエチルアクリレート共重合樹脂であることが好ましい。
【0013】
これによって、導電性又は磁性を有する多孔質粒子からなる電磁波吸収体を用いることで、従来の電磁波吸収体と比較して少ない配合量で、高分子材料及び電磁波吸収体の複合系の複素誘電率又は複素透磁率を大きくすることができ、その結果、電磁波吸収組成物の電磁波吸収能を高めることができる。
【0014】
一方、本発明に係る電磁波吸収成型品は、上述した電磁波吸収組成物を用い、所定の形状に射出形成したものである。
【0015】
これによって、電磁波吸収特性及び成形加工性が共に良好な電磁波吸収成型品を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適一実施の形態を説明する。
【0017】
本実施の形態に係る電磁波吸収組成物は、高分子材料中に、導電性又は磁性を有する多孔質粒子からなる電磁波吸収体を混合・充填してなるものであり、高分子材料100重量部に対して、多孔質粒子の充填量(配合量)を15重量部以上〜70重量部未満、好ましくは15重量部以上〜60重量部以下、より好ましくは30重量部以上〜60重量部未満としたものである。
【0018】
得られた電磁波吸収組成物は射出成型機などの成形加工機に供給される。ケーブルなどの電磁しゃへい層であれば導体の周囲に層状に被覆形成することで、また、携帯電話などの筐体であれば所望の形状に射出成形することで、電磁波吸収成型品が得られる。
【0019】
ここで、導電性又は磁性を有する多孔質粒子の比表面積(1グラム当たりの表面積)は、300(m/g)以上、好ましくは700〜2,000(m/g)である。
【0020】
多孔質粒子の孔サイズは特に限定するものではないが、平均細孔直径として10nm以下、好ましくは1〜5nmである。また、多孔質粒子の粒径は特に限定するものではないが、平均粒子直径として50μm以下、好ましくは5〜30μmである。このことから、好ましい多孔質粒子の粒径と孔サイズとの比(粒径/孔サイズ)は、1,000〜30,000である。
【0021】
高分子材料としては、電磁波吸収材料の母材として慣用的に用いられているものであれば特に限定するものではないが、例えば、クロロプレンゴムなどのゴム材料、エチレンエチルアクリレート共重合樹脂(EE)などのポリオレフィン系樹脂材料などが挙げられる。
【0022】
本実施の形態においては、電磁波吸収特性を有する電磁波吸収体の、体積当たりの電磁波吸収能を高めるべく、導電性又は磁性を有する多孔質粒子からなる電磁波吸収体を用いている。多孔質粒子は、同体積の非多孔質粒子と比べて表面積が大きい(比表面積が大きい)ため、電磁波吸収体として導電性(又は磁性)を有する多孔質粒子を用いた場合、従来の電磁波吸収体と比較して少ない配合量で、母材(高分子材料)及び電磁波吸収体の、複合系の複素誘電率(又は複素透磁率)を大きくすることができ、その結果、電磁波吸収組成物の電磁波吸収能を高めることができる。
【0023】
よって、本実施の形態に係る電磁波吸収組成物において、従来の電磁波吸収組成物と同等の電磁波吸収能を得たい場合、従来と比較して電磁波吸収体の配合量(充填量)を少なくすることができるため、射出成形などの成形加工性をより高めることができる。また、従来と比較して、電磁波吸収体の配合量(充填量)を少なくすることができるため、母材が有する可撓性などの特性を損なうことなく、電磁波吸収成型品を作製することができ、この電磁波吸収成型品においても良好な可撓性などが得られる。
【0024】
また、本実施の形態に係る電磁波吸収組成物において、電磁波吸収体の配合量(充填量)を従来の電磁波吸収組成物と同等とした場合、従来と比較して、より高い電磁波吸収能を得ることができる。
【0025】
また、本実施の形態に係る電磁波吸収成型品において、電磁波吸収体の配合量(充填量)を、従来の電磁波吸収成型品と同等としたまま、従来の電磁波吸収成型品と同等の電磁波吸収能を得たい場合、従来と比較して、電磁波吸収成型品の層厚又は肉厚を薄くすることができ、延いては電磁波吸収成型品の軽量化を図ることができる。
【0026】
一方、本実施の形態に係る電磁波吸収組成物は、交流電気鉄道、又は超高圧送電線の近くに架設されるケーブルの電磁しゃへい層に適用することができる。この時、電磁しゃへい層は射出成形により形成されるが、射出成形性は良好であると共に、従来と同等又はそれ以上の十分な電磁しゃへい効果が得られる。
【0027】
また、本実施の形態に係る電磁波吸収組成物又は電磁波吸収成型品は、橋などの大型建造物の電波吸収材として適用することができる。橋などの大型建造物に塗布したり、貼り付けたりすることで、レーダ、特に船舶・航空用レーダの偽像防止を図ることができる。ここで、前述したように、従来と比較して、電磁波吸収組成物又は電磁波吸収成型品の層厚又は肉厚を薄くすることができることから、大型建造物に対する塗布・貼付量を低減することができ、その結果、材料コストの低減を図ることができる。
【0028】
また、本実施の形態に係る電磁波吸収成型品は、携帯電話、電子レンジなどの筐体として適用することができる。本実施の形態に係る電磁波吸収組成物を用いて射出成形などを行うことで、漏れ電波などの電磁波吸収能は同じまま、従来と比較して、射出成形などの成形性を高めること、又は射出成形などの成形性は同じまま、従来と比較して、電磁波吸収能を高めることができる。ここで、前述したように、従来と比較して、電磁波吸収組成物又は電磁波吸収成型品の層厚又は肉厚を薄くすることができることから、筐体重量及び筐体肉厚の低減を図ることができ、その結果、携帯電話、電子レンジなどの軽量化・小型化を図ることができる。
【0029】
以上、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
【0030】
【実施例】
次に、本発明について、実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0031】
(実施例1)
クロロプレンゴムの溶融樹脂100重量部に対して、粒径が5〜30μmで、導電性を有する多孔質粒子を30重量部充填・配合して電磁波吸収組成物を形成した。この多孔質粒子は、比表面積が1,300m/gで、サイズが1nm(小)の特殊炭粒子(以下、炭粒子Aと表す)からなるものである。
【0032】
この電磁波吸収組成物を用い、射出成形により肉厚1.5mmのシート材を作製する(試料1)。
【0033】
(実施例2)
多孔質粒子として、比表面積が700m/gで、サイズが5nm(中)の特殊炭粒子(以下、炭粒子Bと表す)を用いる以外は実施例1と同様にして、肉厚1.5mmのシート材を作製する(試料2)。
【0034】
(実施例3)
多孔質粒子として、比表面積が300m/gで、サイズが10nm(大)の特殊炭粒子(以下、炭粒子Cと表す)を用いる以外は実施例1と同様にして、肉厚1.5mmのシート材を作製する(試料3)。
【0035】
(実施例4)
炭粒子Cの充填・配合量が40重量部である以外は実施例3と同様にして、肉厚1.5mmのシート材を作製する(試料4)。
【0036】
(実施例5)
炭粒子Cの充填・配合量が50重量部である以外は実施例3と同様にして、肉厚1.5mmのシート材を作製する(試料5)。
【0037】
(実施例6)
炭粒子Cの充填・配合量が60重量部である以外は実施例3と同様にして、肉厚1.5mmのシート材を作製する(試料6)。
【0038】
(比較例1)
炭粒子Cの充填・配合量が70重量部である以外は実施例3と同様にして、肉厚1.5mmのシート材を作製する(試料7)。
【0039】
(従来例1)
クロロプレンゴムの溶融樹脂100重量部に対して、粒径が5〜30μmで、非多孔質のカーボン粒子を30重量部充填・配合して電磁波吸収組成物を形成した。
【0040】
この電磁波吸収組成物を用い、射出成形により肉厚1.5mmのシート材を作製する(試料8)。
【0041】
実施例1〜6、比較例、及び従来例の各試料(試料1〜8)の諸元を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 2004043705
【0043】
次に、試料1〜8について、自由空間法による斜め入射電波の吸収特性評価を行った。吸収特性の評価は、2つの周波数領域(0.5〜2.5GHz、5〜15GHz)における電磁波吸収量(dB)のピーク値によって行った。また、各試料の射出成形時における成形性の評価も行った。この時、射出成形性が良好なものを○、やや良好なものを△、射出成形できなかったものを×と評価した。各評価結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 2004043705
【0045】
表2に示すように、従来例の試料8と比較して、実施例1〜6の各試料(試料1〜6)は、0.5〜2.5GHzの周波数領域では2.3〜4倍、5〜15GHzの周波数領域では約1.9〜4.3倍の電磁波吸収能を有することが確認できた。また、電磁波吸収能は、電磁波吸収体の配合・充填量が同じ場合、炭粒子Aを用いた試料<炭粒子Bを用いた試料<炭粒子Cを用いた試料の順、すなわち試料1<試料2<試料3の順に大きくなっていた。さらに、電磁波吸収能は、同じ電磁波吸収体(炭粒子C)を用いた場合、電磁波吸収体の配合・充填量が多い試料ほど、すなわち試料3<試料4<試料5<試料6の順に大きくなっていた。
【0046】
ここで、比較例1の試料7は、電磁波吸収体の配合・充填量が70重量部と多いため、射出成形が不可能であり、シート材を作製することができなかった。これによって、電磁波吸収体の配合・充填量の上限を70重量部未満と規定している。
【0047】
また、5〜15GHzの周波数領域において、実施例1の試料1の電磁波吸収量は13dBであり、従来例1の試料8の電磁波吸収量(7dB)の約2倍である。このことから、電磁波吸収体の配合・充填量が実施例1の試料1の半分(15重量部)であっても、従来例1の試料8と同等の電磁波吸収能が得られると推定される。これによって、電磁波吸収体の配合・充填量の下限を15重量部以上と規定している。
【0048】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。
【0049】
(1) 高分子材料中に、導電性又は磁性を有する多孔質粒子からなる電磁波吸収体を混合・充填することで、従来の電磁波吸収体と比較して少ない配合量で、高分子材料及び電磁波吸収体の複合系の複素誘電率又は複素透磁率を大きくすることができ、その結果、電磁波吸収組成物の電磁波吸収能を高めることができる。
【0050】
(2) (1)の電磁波吸収組成物を用いることで、電磁波吸収特性及び成形加工性が共に良好な電磁波吸収成型品を得ることができる。

Claims (4)

  1. 高分子材料中に電磁波吸収体を混合・充填してなる電磁波吸収組成物において、上記電磁波吸収体として、導電性又は磁性を有する多孔質粒子を混合・充填したことを特徴とする電磁波吸収組成物。
  2. 上記高分子材料100重量部に対して、15重量部以上〜70重量部未満の上記多孔質粒子を混合・充填した請求項1記載の電磁波吸収組成物。
  3. 上記高分子材料が、クロロプレンゴム又はエチレンエチルアクリレート共重合樹脂である請求項1又は2に記載の電磁波吸収組成物。
  4. 請求項1から3いずれかに記載の電磁波吸収組成物を用い、所定の形状に射出形成したことを特徴とする電磁波吸収成型品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005332919A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Hattori Sangyo Kk デジタル機器の筐体とその製造方法
JP2010161337A (ja) * 2008-09-29 2010-07-22 Sanwa Yushi Kk 植物焼成物及び電磁波遮蔽体
JP2010161338A (ja) * 2008-09-29 2010-07-22 Sanwa Yushi Kk 植物焼成物、それを備えた電磁波遮蔽体、電子機器、電子機器の検査装置及び建材
WO2023100923A1 (ja) * 2021-12-01 2023-06-08 京セラ株式会社 電磁干渉抑制材料

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