JP2003336028A - 合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物及びそれを使用してなる合成皮革の製造方法 - Google Patents
合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物及びそれを使用してなる合成皮革の製造方法Info
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Abstract
する水性ウレタン樹脂を使用し、有機溶剤を含まない
か殆ど含まず水を使用し、溶剤系接着剤と同等の接着
性能を有す合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成
物を提供する。更に該接着剤組成物を用いた合成皮革の
製造方法、及び該合成皮革を提供する。 【解決手段】 水性ウレタン樹脂(A)、架橋剤
(B)、増粘剤(C)、及び水性顔料(D)を用いてな
る接着剤組成物において、(A)が親水性基としてノニ
オン型親水性基のみを必須の親水性基として含有し、
(A)の分子内に結合したノニオン型親水性基含有化合
物をウレタン樹脂固形分100重量部当たり1〜30重
量部含有し、該ウレタン樹脂固形分の流出開始温度が8
0℃以下であり、更に該ウレタン樹脂が架橋剤(B)と
反応して硬化した後の流出開始温度が120℃以上であ
る。
Description
適した水性接着剤組成物、それを用いた合成皮革の製造
方法、及び該製造方法で得られる合成皮革に関する。
尚、本発明でいう「合成皮革」とは、織編布、不織布等
の繊維シート状物、更にこれら繊維シート状物に有機溶
剤系あるいは水系の樹脂、好ましくはウレタン樹脂がコ
ーティング加工(発泡コーティングを含む)あるいは含
浸加工されてポーラス層を形成したもの、更にスプリッ
トレザー等の天然皮革素材を用いて成るものをいう。
樹脂の有機溶媒溶液を離型紙上に塗布して乾燥させて表
皮層を形成した後、その表皮層上にウレタン樹脂の有機
溶媒溶液に架橋剤を配合した接着剤を塗布して接着剤層
を形成させ、直ちに繊維基材と貼りあわせるウェットラ
ミネート法、或いは該接着剤層を一旦乾燥させた後に繊
維基材と貼りあわせるドライラミネート法の何れかの方
法である。これらの製造方法では、通常数種類の有機溶
媒を混合して使用するため、乾燥工程で揮散した有機溶
媒の回収は極めて困難であり、ほとんど大気中に放出さ
れるか、あるいは焼却処理されてきたのが現状である。
また、ジメチルホルムアミド(DMF)等の沸点の高い
有機溶媒を使用する例もあるが、このような場合は乾燥
後も一部有機溶媒が合成皮革に残留し、その毒性が問題
となっている。
タン樹脂を有機溶媒溶液のタイプから水系タイプに変更
すべく種々の検討がなされているが、未だ満足すべき外
観と物性を有した合成皮革は得られていない。その理由
として、通常行われている水性ウレタン樹脂に増粘剤を
配合して増粘させた後に塗布しラミネートさせるウェッ
トラミネート法では、溶剤系と比較して接着剤の粘性
がチクソ性のため、一定の圧力でラミネートした場合、
繊維基材に接着剤が浸透し易く、また基材の横にはみ出
し易いこと、乾燥が遅く、また蒸発させた水蒸気が表
皮層と離型紙の間に移行し、一部表皮層の浮きが生じる
ことなどの問題があり、最終的に得られる合成皮革の表
皮層の外観、風合い、接着強度等の品質が不良になると
いう問題があった。また、上記問題を回避するためにド
ライラミネート法があるが、従来の水性ウレタン樹脂で
は乾燥後の皮膜に粘着性がほとんどなく、高温高圧下で
のラミネートが必要となり、従って得られる合成皮革の
表皮層の外観が不良になったり、発泡層を有する場合は
発泡層が高温高圧条件により潰れたりして風合いが低下
する等、性能的に満足するものが得られないという欠点
があった。
許2894494号にアニオン型の水性ウレタン樹脂接
着剤が提案されているが、アニオン型の水性ウレタン樹
脂はアニオン基にアミン化合物またはアルカリ金属等を
付加することにより中和塩を形成することにより水分散
性を付与しているために、水性ウレタン樹脂分散体はア
ルカリ性となり、併用する架橋剤との反応が促進される
ために架橋剤配合液の粘度が経時的に減粘(以下、経時
減粘という)する。この現象により人工皮革を製造する
際に接着剤層の塗布膜厚を一定に制御することが困難と
なり、合成皮革の外観、風合い、接着強度等の品質が不
良になるという問題があった。また、添加剤として酸性
物質、カチオン性物質等を添加するとショックを起こし
粘度上昇、凝集・沈殿といった問題が発生し、併用する
添加剤も制限されていた。
は、有機溶剤を全く含まないか、或いは有機溶剤を殆ど
含まず、架橋剤配合後の接着剤組成物の経時減粘が少な
く、併用する添加剤との併用安定性が改良された水性ウ
レタン樹脂を使用する合成皮革の製造方法に関して、
アニオン型、カチオン型、両性型の何れの基も含有せず
ノニオン型親水性基のみを必須とする水性ウレタン樹脂
を使用し、溶媒として水を使用し、乾燥後に比較的
低温の雰囲気下においても十分な初期接着性を有し、
ラミネート後に溶剤系接着剤と同等の接着性能を発現す
る合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物を提供
し、更に該接着剤組成物を用いてなる合成皮革の製造方
法、及び該製造方法で得られる合成皮革を提供すること
にある。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の水性ウレタ
ン樹脂、架橋剤、増粘剤、及び水性顔料を使用した場合
に、上記課題が解決出来ることを見出し、本発明を完成
するに至った。
(A)、架橋剤(B)、増粘剤(C)、及び水性顔料
(D)を用いてなる接着剤組成物において、水性ウレタ
ン樹脂(A)が分子内に結合した親水性基としてアニオ
ン型、カチオン型、両性型の何れの基も含有せずノニオ
ン型親水性基のみを必須として含有し、(A)の分子内
に結合したノニオン型親水性基含有化合物をウレタン樹
脂固形分100重量部当たり1〜30重量部含有し、該
ウレタン樹脂固形分の流出開始温度が80℃以下であ
り、更に該ウレタン樹脂が架橋剤(B)と反応して硬化
した後の流出開始温度が120℃以上であることを特徴
とする合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物に
関する。
ライラミネート接着剤組成物を、離型紙上に予め形成さ
れた表皮層上に塗布し乾燥させ接着剤層を形成させた
後、該接着剤層と繊維基材とをドライラミネートするこ
とを特徴とする合成皮革の製造方法に関する。
たことを特徴とする合成皮革に関する。
ライラミネート接着剤組成物を用いて得られたことを特
徴とする合成皮革に関する。
り、必要な事項を具体的に以下に述べる。
接着剤組成物(以下、接着剤組成物という)は、少なく
とも水性ウレタン樹脂(A)、架橋剤(B)、増粘剤
(C)、及び水性顔料(D)を用いてなる。
の製造に用いるポリイソシアネートとしては、例えば、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、
p−フエニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェ
ニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,
4’−ビフエニレンジイソシアネート、3,3’−ジク
ロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,
5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒド
ロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソ
シアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレ
ンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられ、
これらの中では、原料コストを考慮すると2,4−トリ
レンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネ
ートが好ましく、また、得られる水性ウレタン樹脂の光
劣化及び熱劣化を抑制するためには1,6−ヘキサメチ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが
好ましい。
の製造に用いるイソシアネート基と反応し得る活性水素
含有化合物は、便宜上平均分子量が好ましくは300〜
10,000の範囲であり、より好ましくは500〜
5,000の範囲の高分子量化合物と、分子量300以
下の低分子量化合物に分けられる。
リエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ
カーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、
ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリ
オール、ポリチオエーテルポリオール、ポリブタジエン
系等のポリオレフィンポリオール等が挙げられる。該ポ
リエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール(分子量30
0〜6,000)、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、
1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフ
ェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレンオ
キシド付加体等のグリコール成分とコハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタ
ンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−
ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、
ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)
エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン
酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロ
キシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香
酸及びこれらのヒドロキシカルボン酸のエステル形成性
誘導体等の酸成分とから脱水縮合反応によって得られる
ポリエステルの他にε−カプロラクトン等の環状エステ
ル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル
及びこれらの共重合ポリエステルが挙げられる。該ポリ
エーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、ソルビトール、しょ糖、アコニット糖、トリメ
リット酸、ヘミメリット酸、燐酸、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、
ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタ
ール酸、1,2,3−プロパントリチオール、等の活性
水素原子を少なくとも2個有する化合物の1種または2
種以上を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイ
ド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロ
ヘキシレン、等のモノマーの1種または2種以上を常法
により付加重合したもの、または上記モノマーをカチオ
ン触媒、プロトン酸、ルイス酸等を触媒として開環重合
したものが挙げられる。該ポリカーボネートポリオール
としては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のグリコー
ルとジフェニルカーボネート、ホスゲンとの反応によっ
て得られる化合物が挙げられる。
0以下の分子内に少なくとも2個以上の活性水素を含有
する化合物であり、例えば、ポリエステルポリオールの
原料として用いたグリコール成分;グリセリン、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトー
ル、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ化合物;
エチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、
ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロン
ジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミ
ン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシル
メタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、
1,2−プロパンジアミン、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン等のアミン化合物、及びヒドラジ
ン、酸ヒドラジド等のヒドラジン類が挙げられる。
は、分子内に結合した親水性基としてアニオン型、カチ
オン型、両性型の何れの基も含有せず、ノニオン型親水
性基のみを必須として含有する。
を製造する際に用いるノニオン型親水性基含有化合物
は、エチレンオキシドの繰り返し単位とその他のアルキ
レンオキシドの繰り返し単位からなる基を含有するノニ
オン型親水性基含有化合物が挙げられる。該ノニオン型
親水性基含有化合物としては、例えば、エチレンオキシ
ドの繰り返し単位を少なくとも30重量%以上含有し、
分子中に少なくとも1個以上の活性水素を含有する重量
平均分子量が好ましくは300〜20,000の範囲の
ポリオキシエチレングリコール又はポリオキシエチレン
−ポリオキシプロピレン共重合体グリコール、ポリオキ
シエチレン−ポリオキシブチレン共重合体グリコール、
ポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレン共重合体グ
リコール又はそのモノアルキルエーテル等のノニオン型
親水性基含有化合物又は前述の高分子量化合物にエチレ
ンオキシドを付加したブロック重合型のノニオン型親水
性基含有化合物が挙げられる。かかる親水性成分として
は、上記化合物をそれぞれ単独で用いてもよく、あるい
は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
を安定に製造するためには、分子内に結合したノニオン
型親水性基含有化合物を最終的に得られるウレタン樹脂
固形分100重量部当たり、好ましくは1〜30重量部
の範囲、より好ましくは2〜20重量部の範囲で含有す
る。
(A)を製造する際に、前記親水性成分以外に外部乳化
剤を併用しても構わない。かかる外部乳化剤としては、
例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチ
レンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ソルビトールテトラオレエート等のノニオン系乳化剤;
オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、アルキル硫酸エス
テル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルス
ルホコハク酸塩、ナフタレンスルフォン酸塩、アルカン
スルフォネートナトリウム塩、アルキルジフェニルエー
テルスルフォン酸ナトリウム塩等のアニオン系乳化剤;
ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニル硫酸塩等のノニオンアニオン系乳化
剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン系
乳化剤;及びフッ素系、シリコーン系の特殊乳化剤など
が挙げられる。
方法としては、従来から公知の何れの方法でもよく、特
に限定せず、例えば以下のような方法が挙げられる。 方法:活性水素含有化合物、ノニオン型親水性基含有
化合物、及びポリイソシアネート化合物とを反応させて
得られたノニオン型親水性基含有ウレタン樹脂の有機溶
剤溶液又は有機溶剤分散液に、水を混合して水系分散体
を得る方法。 方法:活性水素含有化合物、ノニオン型親水性基含有
化合物、及びポリイソシアネート化合物とを反応させて
得られたノニオン型親水性基含有末端イソシアネート基
含有ウレタンプレポリマーの有機溶剤溶液又は有機溶剤
分散液に、水を混合して水に分散させた後、ポリアミン
と反応させて水系分散体を得る方法。 方法:活性水素含有化合物、ノニオン型親水性基含有
化合物、及びポリイソシアネート化合物とを反応させて
得られたノニオン型親水性基含有末端イソシアネート基
含有ウレタンプレポリマーの有機溶剤溶液又は有機溶剤
分散液に、ポリアミンを含む水溶液と混合して水系分散
体を得る方法。 但し、上記の方法〜の何れについても、更に乳化剤
を水の中、あるいはウレタン樹脂の有機溶剤溶液又は分
散液に添加しても構わない。これらの反応は有機溶剤を
使用せずに無溶剤下にて行なうこともできるが、反応系
の反応制御あるいは粘度低下等の目的で有機溶剤を使用
することもできる。かかる有機溶剤はとくに限定されな
いが、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テト
ラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等の酢酸エステル類;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類が挙げら
れる。かかる有機溶剤を、最終的に得られるウレタン樹
脂水系分散体から蒸留除去する場合は、蒸留除去が容易
な比較的沸点が低いものを用いることが好ましい。やむ
を得ず沸点100℃以上の有機溶剤を使用しなければな
らない場合においてもその使用量は必要最小限に止める
ことが好ましい。かくして得られた水系ウレタン樹脂は
有機溶剤を必要に応じて蒸留除去して用いられるが、そ
のまま用いてもよい。有機溶剤の蒸留除去を行うに際し
ては各種の蒸留装置が使用できるが、蒸留効率や蒸留除
去した有機溶剤が大気中に放出されない蒸留装置が好ま
しく、中でも薄膜蒸発装置が特に好ましい。
接着剤組成物は、本発明の目的である、乾燥後に比較的
低温の雰囲気下においても充分な初期接着性を有し、且
つラミネート後は溶剤系接着剤と同等の接着性能を発現
させるために、水性ウレタン樹脂(A)と架橋剤(B)
を用いており、特に水性ウレタン樹脂(A)が分子内に
結合した親水性基としてアニオン型、カチオン型、両性
型の何れの基も含有せずノニオン型親水性基を必須とし
て有し、分子内に結合したノニオン型親水性基含有化合
物を最終的に得られるウレタン樹脂固形分100重量部
当り、好ましくは1〜30重量部の範囲で含有し、該ウ
レタン樹脂固形分の流出開始温度が好ましくは80℃以
下であり、更に該ウレタン樹脂が架橋剤(B)と反応し
て硬化した後の流出開始温度が好ましくは120℃以上
である。より好ましくは、該ウレタン樹脂固形分の流出
開始温度は60℃以下であり、且つ80℃での溶融粘度
が105Pa・s以下である。ウレタン樹脂固形分の流
出開始温度、及び80℃における溶融粘度がかかる条件
を満たすならば、表皮層と繊維基材をラミネートして合
成皮革を製造する際に、接着剤層の充分な粘着性が得ら
れ、被着体である表皮層あるいは繊維基材に対する充分
な濡れ性と初期接着性が得られる。尚、本発明でいう流
出開始温度及び溶融粘度は、株式会社島津製作所製の高
化式フローテスター CFT−500D型を使用して、
荷重30kgf、内径1mm且つ長さ1mmのオリフィ
スを使用し、昇温速度3℃/分の条件で測定した時の流
出開始温度及び溶融粘度である。
のウレタン樹脂固形分の流出開始温度を80℃以下にす
るためには、該水性ウレタン樹脂の分子量を小さくする
方法が有効であり、水性ウレタン樹脂の重量平均分子量
は、好ましくは2,000〜200,000の範囲であ
り、より好ましくは3,000〜100,000の範囲
である。
(A)は、架橋剤(B)と反応して硬化した後の流出開
始温度を120℃以上にするために、ポリウレタンの分
子中にイソシアネート基と反応し得る活性水素基を少な
くとも2個以上含有することが好ましい。該活性水素基
1当量当たりの重量平均分子量としては、好ましくは
1,000〜15,000の範囲であり、より好ましく
は2,000〜10,000の範囲である。活性水素基
1当量当たりの重量平均分子量がかかる範囲であれば、
表皮層や繊維基材に対する適度な濡れ性が得られ、充分
な初期接着力、接着耐久性が得られる。
ノール性水酸基、水酸基、アミノ基、メルカプト基等が
挙げられるが、水酸基、アミノ基あるいはこれらの併用
が好ましく、特に好ましくは水酸基である。かかる水酸
基、アミノ基の導入方法としては、従来公知の方法であ
れば何れの方法でも使用することができ、例えば、過
剰量のポリオール及び/又はグリコールとポリイソシア
ネートとの反応で得られる分子末端に水酸基を導入する
方法、イソシアネート基末端のウレタンプレポリマー
を2−アミノエタノール、2−アミノエチルエタノール
アミン、ジエタノールアミン等のアミノアルコール類、
アミノフェノール等とを反応させて水酸基を導入する方
法等が挙げられる。また、アミノ基を導入する方法とし
ては、例えば、イソシアネート末端のウレタンプレポリ
マーをイソシアネート基に対して過剰量の前記アミン化
合物と反応させる方法等が挙げられる。
接着剤組成物を構成する架橋剤(B)としては、前記ポ
リイソシアネート単独、あるいはこれらのイソシアヌレ
ート型、アロファネート型あるいはビューレット型の少
なくとも2官能以上のポリイソシアネート化合物、ある
いは2官能以上のポリオール等の活性水素含有化合物と
の反応により得られる末端イソアネート基含有ウレタン
プレポリマー等の実質的に疎水性のポリイソシアネート
類;これらポリイソシアネート類に前記乳化剤を配合し
て水に分散できるようにしたもの;カルボキシル基含有
化合物、スルホン酸基含有化合物、あるいはノニオン性
基含有化合物を前記ポリイソシアネート類に共重合して
得られる自己乳化性の親水性ポリイソシアネート類;並
びにこれらの混合物が挙げられる。
物は、表皮層、水系でも有機溶剤系でもよいが好ましく
は水系のウレタン樹脂で形成された表皮層及び繊維基材
との初期接着性並びに接着耐久性を付与するために、通
常、前記水性ウレタン樹脂と組み合わせて使用される。
的に得られる合成皮革の耐湿熱性等の接着耐久性を発現
するために、前記水性ウレタン樹脂(A)と架橋剤
(B)との硬化反応による硬化後の流出開始温度が12
0℃以上になるように配合することが好ましく、より好
ましくは140℃以上である。かかる流出開始温度にす
るための前記水性ウレタン樹脂(A)と架橋剤(B)の
配合比は、ウレタン樹脂固形分100重量部当たり、好
ましくは1〜30重量部(固形分)であり、より好まし
くは2〜20重量部(固形分)である。
ネート接着剤組成物は、離型紙上に形成された表皮層に
塗工する際に各種塗工方法に応じた粘度調整を行うこと
が好ましく、その粘度調整方法として増粘剤(C)を使
用することが好ましい。本発明で使用する増粘剤(C)
は、水性ウレタン樹脂に相溶する増粘剤であれば公知慣
用の化合物を使用することができ、例えば、HEC(ヒ
ドロキシエチルセルロース)、MC(メチルセルロー
ス)、CMC(カルボキシメチルセルロース)等のセル
ロース誘導体、ポリアクリル酸塩、PVP(ポリビニル
ピロリドン)、あるいはウレタン系、ポリエーテル系等
の会合型増粘剤等が挙げられる。
ン樹脂との相溶性、高剪断力から低剪断力下の広範囲で
比較的一定の粘度、即ちニュートン流動性の粘性特性を
発現する会合型増粘剤を使用することが、チクソ性を有
するセルロース誘導体等に比較して、樹脂組成物を基材
へ塗工する際のレベリング性、膜厚調整等のハンドリン
グ性の点で優れることより特に好ましい。これらの増粘
剤(C)は単独であっても二種以上を併用してもよい。
ラミネート接着剤組成物は、最表面となる表皮層、及び
含浸層又は基材との接着を担うことより、最終的に完成
した合成皮革は用途、意匠性、デザイン等により様々な
色調に調整される。従って、本発明の接着剤組成物に関
しても、合成皮革断面の接着層が外観として現れる部位
については表皮層、含浸層又は基材との色調統一は必須
となり、水性顔料等による着色が可能でなければならな
い。本発明で使用する水性顔料(D)としては、公知慣
用の水性顔料が使用できるが、水性顔料の分散性、保存
安定性、合成皮革の基布として使用されるポリエステル
繊維、ナイロン繊維等への接着性などをはじめ、ドライ
ラミネート物性、並びに耐熱水性などの水性顔料として
の基本的物性を考慮した場合には、バインダーとしてダ
イマージオール及び/又はダイマー酸系ポリエステルポ
リオールを用いて得られる水性ウレタン樹脂を使用した
水性顔料が前記の物性を全て満足する点で特に好まし
い。本発明におけるダイマージオール及び/又はダイマ
ー酸系ポリエステルポリオールを用いて得られる水性ウ
レタン樹脂とは、例えば、それぞれ、(a)重合脂肪酸
を還元させて得られる、いわゆるダイマージオールまた
は(b)ダイマージオールを用いて得られる、いわゆる
ポリエステルポリオールあるいは(c)重合脂肪酸を水
添化せしめて得られる、いわゆる水添ダイマー酸を用い
て得られるいわゆるポリエステルポリオールと、更に必
要に応じて、(d)上記したそれぞれ、(a)または
(b)に属するジオールないしはポリオールあるいは上
記した(c)に属するポリオール以外のポリオールと、
(e)前述の有機イソシアネート化合物と、(f)親水
性基を有し、しかも、両末端にイソシアネート基との反
応性のある官能基を、2個有する化合物と、更にはまた
必要に応じて、(g)鎖伸長剤及び/又は(h)末端停
止剤とを反応せしめるということによって得られるとい
うような部類の化合物などを指称するものである。
を損なわない範囲で、水に加えてその他の水系分散体や
水分散液、例えば、酢ビ系、エチレン酢ビ系、アクリル
系、アクリルスチレン系等のエマルジョン;スチレン・
ブタジエン系、アクリロニトリル・ブタジエン系、アク
リル・ブタジエン系等のラテックス;ポリエチレン系、
ポリオレフィン系等のアイオノマー;ポリエステル、ポ
リウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、エポキシ樹脂
等の各種水系分散体、水分散液などを併用してもよい。
ル錫ラウレート等のウレタン化触媒;ヒンダードフェノ
ール系、ヒンダードアミン系、天然系等の酸化防止剤、
ヒンダードアミン系等の耐光安定剤、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の
紫外線吸収剤等の各種安定剤;フッ素系、アセチレング
リコール系等の炭化水素系、あるいはシリコーン系の各
種レベリング剤;鉱物油系、シリコーン系等の消泡剤、
可塑剤、粘着付与性樹脂、可使時間延長剤等の添加剤を
配合して使用することもできる。
発明の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物
を、離型紙上に予め形成された表皮層上に塗布して乾燥
させて接着剤層を形成させ、引き続き該接着剤層と繊維
基材とをドライラミネートすることを特徴とする。本発
明で使用する表皮層は、ウレタン樹脂の有機溶媒溶液、
あるいは水系ウレタン樹脂の何れかを主成分にして形成
したものであり、ウレタン樹脂の組成はとくに限定され
ない。かかる表皮層の厚みは、一般に乾燥後で好ましく
は5〜100μmの範囲である。また、本発明で使用す
る離型紙は、はじき等の問題がなく使用できるものであ
れば特に制限はなく、有機溶剤系専用あるいは水系専用
の市販の離型紙が使用できる。
布する方法は、従来公知の何れの方法でもよく、特に限
定せず、例えば、グラビアロール、リバースロール、ロ
ッド、ナイフオーバーロールなどによる塗工方法などが
挙げられる。塗布厚は乾燥後で好ましくは5〜100μ
mの範囲となればよい。
従来公知の乾燥方法であれば広く使用することができ
る。例えば、熱風乾燥機、赤外線照射式乾燥機、マイク
ロ波照射式乾燥機、あるいは、これらの内の少なくとも
2種類以上を併用した乾燥装置等を挙げることができ
る。乾燥条件は、該水性ドライラミネート接着剤組成物
中の水分が充分に蒸発するのに必要な乾燥条件であれば
特に限定はなく、一般に好ましくは40〜180℃の範
囲であり、より好ましくは60〜120℃の範囲であ
る。過乾燥は、表皮層、繊維基材、あるいは接着剤層の
熱劣化、変質を起こすだけでなく、水性ウレタン樹脂と
ポリイソシアネート化合物の硬化反応を促進し接着不良
を起こす可能性があり、比較的低温、且つ短時間での乾
燥が好ましい。
着性を有するため、引き続き繊維基材と重ね合わせ、圧
着ロールにより、好ましくは0.01〜3MPa、より
好ましくは0.05〜1MPaの圧力でドライラミネー
トすることにより、接着剤層の繊維基材への浸透やはみ
出しがなく、且つソフトな風合いを有する合成皮革が得
られる。その後引き続き、必要に応じて20〜60℃の
雰囲気下でエージングさせることにより、更に強固な接
着性を有し、耐加水分解性、耐湿熱性、耐寒性、耐熱
性、耐水接着性、耐洗濯性、耐ドライクリーニング性等
の耐久性に優れた合成皮革が得られる。
の製造に一般に用いられる繊維基材であれば広く使用す
ることができ、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リアクリルなどの合成繊維およびこれらの改良繊維;羊
毛、絹、木綿、麻などの天然繊維;アセテート、レーヨ
ンなどの半合成繊維など、あるいはこれらの混用繊維か
らなる織編布、不織布等の繊維シート状物が挙げられ
る。更に、これら繊維シート状物に有機溶剤系あるいは
水系の樹脂、好ましくはウレタン樹脂がコーティング加
工(発泡コーティングも含む)あるいは含浸加工されて
ポーラス層を形成したものも挙げられ、本発明において
は特に好ましい。更にスプリットレザー等の天然皮革素
材を使用することもできる。
革は、最終仕上げ工程で、トップコートあるいは揉み加
工などの表面処理加工を施して実用に供される。
性ドライラミネート接着剤組成物を用いて得られたこと
を特徴とする。
に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。以下において、部及び%は、特にことわ
りのない限り、全て重量基準であるものとする。尚、諸
特性は、以下に概略を示した評価方法にて測定した。ま
た、ポリオールの平均分子量は水酸基価(mgKOH/
g)より、次式により算出した値である。以下、単位省
略。 ポリオールの平均分子量=(56100/水酸基価)×
(ポリオール1分子当たりの水酸基の数)
ロピレングリコール1000部、ネオペンチルグリコー
ル47.2部、トリメチロールプロパン9.3部、水酸
基価=56.1である平均分子量1000の片末端メト
キシ封鎖したポリエチレングリコール68.6部とトリ
レンジイソシアネート247部をメチルエチルケトン
(MEK)588部中で反応させてイソシアネート末端
のプレポリマーを合成した後、ホモミキサーで攪拌しな
がら水2450部を添加して乳化し、更に80%水加ヒ
ドラジン12.3部とジエタノールアミン20.6部を
水296部に溶解させた水溶液を加えて鎖伸長させ、最
後に溶剤を減圧下留去して固形分50%の水性ウレタン
樹脂1を得た。また、株式会社島津製作所製高化式フロ
ーテスターCFT−500D型を使用して、荷重30k
gf、内径1mm且つ長さ1mmのオリフィスを使用
し、昇温速度3℃/分の条件で得られた樹脂の流出開始
温度及び溶融粘度を測定したところ、流出開始温度は4
0℃以下であり、80℃における溶融粘度は溶出してし
まい測定できなかった。
ロピレングリコール1000部、ネオペンチルグリコー
ル58.1部、水酸基価=112.2である平均分子量
1000のポリエチレングリコール69.3部とトリレ
ンジイソシアネート255部をMEK593部中で反応
させてイソシアネート末端のプレポリマーを合成した
後、ホモミキサーで攪拌しながら水2469部を添加し
て乳化し、更に80%水加ヒドラジン12.7部とジエ
タノールアミン21.3部を水306部に溶解させた水
溶液を加えて鎖伸長させ、最後に溶剤を減圧下留去して
固形分50%の水性ウレタン樹脂2を得た。また、株式
会社島津製作所製高化式フローテスターCFT−500
D型を使用して、荷重30kgf、内径1mm且つ長さ
1mmのオリフィスを使用し、昇温速度3℃/分の条件
で得られた樹脂の流出開始温度及び溶融粘度を測定した
ところ、流出開始温度は40℃以下であり、80℃にお
ける溶融粘度は溶出してしまい測定できなかった。
テトラメチレングリコール1000部と、ネオペンチル
グリコール45.9部、ジメチロールプロピオン酸4
5.1部、水酸基価=28.1である平均分子量2,0
00の片末端のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピ
レングリコール75.7部とイソホロンジイソシアネー
ト345.8部をMEK648部中で反応させてイソシ
アネート末端のプレポリマーを合成した後、トリエチル
アミン34部を加えて、ホモミキサーで攪拌しながら水
1587部を添加して乳化し、更にイソホロンジアミン
44部を水197部に溶解させた水溶液を加えて鎖伸長
させ、最後に溶剤を減圧下留去して固形分40%の水性
ウレタン樹脂3を得た。また、株式会社島津製作所製高
化式フローテスターCFT−500D型を使用して、荷
重30kgf、内径1mm且つ長さ1mmのオリフィス
を使用し、昇温速度3℃/分の条件で得られた樹脂の流
出開始温度及び溶融粘度を測定したところ、流出開始温
度は110℃であり、80℃においては溶融しなかった
ために溶融粘度は測定できないことを確認した。
エチレングリコール600部、ジスチレン化メチルフェ
ノールのエチレンオキサイド12モル付加物133部を
仕込み減圧下に105℃で脱水した後、イソホロンジイ
ソシアネート37部を加え80〜90℃で4時間反応さ
せたものを、水に溶解させて固形分20%の会合型増粘
剤aを得た。
エチレングリコール500部、ノニルフェノールのエチ
レンオキサイド17モル付加物234部を仕込み減圧下
に105℃で脱水した後、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート35部を加え80〜90℃で4時間反応させたもの
を、水に溶解させて固形分20%の会合型増粘剤bを得
た。
(株)製、水添ダイマー酸/エチレングリコールのポリエ
ステルポリオールの商品名;水酸基価=82]の13
6.8部及びイソホロンジイソシアネートの44.5部
を仕込んだ。次いで、これを撹拌しながら、110℃に
加熱した。1時間後に、80℃にまで冷却して、ジメチ
ロールプロピオン酸の13.4部、オクチル酸錫の0.
2部及びMEKの200部を加え、80℃で7.5時間
反応させた。この時のNCO基の含有量は、固形分換算
で以て、0.07%であった。これを30℃以下にまで
冷却して、此処へ、25%のアンモニア水の7.5部を
加え、次いで、イオン交換水600部を加えて、O/W
型のエマルジョンを得た。しかるのち、減圧下におい
て、蒸留を行ない、溶剤と水の一部とを除去せしめてか
ら、イオン交換水を加えて濃度を調整せしめた処、透明
な水性ポリウレタンが得られた。
チレングリコールの131部およびジエチレングリコー
ルの223部を混合して、180〜230℃で、8時間
のあいだ加熱して、エステル化反応を行なったのち、酸
価が1mgKOH/gよりも小さくなるまで、230℃
で6時間、縮合反応を行なった。次いで、減圧下におい
て、120℃で、脱水処理を行なってから、90℃にま
で冷却したのち、MEKの263部を加えて、よく撹拌
して、充分に溶解させた処、酸価が0.7で、且つ、水
酸基価が50なるポリエステルポリオールが得られた。
しかる後、このポリエステルポリオールの226部と、
イソホロンジイソシアネートの44部とを、75℃にお
いて、充分に撹拌させたのち、鎖伸長剤としての2,2
−ジメチロールプロピオン酸の13部を加え、70℃
で、12時間のあいだ反応せしめた。反応終了後は、4
0℃にまで冷却してから、5%アンモニア水の35部を
加えるということによって、水溶化せしめた。次いで、
かくして得られた、透明なる反応生成物より、減圧下に
おいて、60℃で、メチルエチルケトンを除去せしめて
から、イオン交換水を加えて、濃度を調整せしめた処、
透明なる水性ポリウレタンが得られた。
表1に示す割合で配合し、ペイントコンディショナーに
より30分間練肉し、それぞれの水性顔料組成物1〜4
を得た。
ン WLS−210(大日本インキ化学工業(株)製)/
顔料/添加剤/増粘剤(ウレタン系)=100/15/
0.3/1(重量比)で配合した表皮用配合液を離型紙
(DN-TP-APW DE-7 大日本印刷・味の素(株)
製)上に塗布厚80μm(wet)で塗布し、直ちにワ
ーナーマチスで70℃で1分予備乾燥し、その後120
℃で2分乾燥を行った。更に、水性ウレタン樹脂1(合
成例1)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネート、固形
分100重量%、NCO含量16〜18重量%)/会合
型増粘剤a(合成例4)/水性顔料1=100/10/
2/5(重量比)で配合した接着用配合液を表皮層上に
塗布厚80μm(wet)で塗布した。塗布後、ワーナ
ーマチスで70℃で1分乾燥を行い、乾燥直後に基材の
張り合わせ(ドライラミネート)を行った。その後12
0℃で2分キュアリングを行い、更に40℃で2日エー
ジングを行い、得られた加工布を離型紙から剥離した。
樹脂2(合成例2)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネ
ート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量
%)/会合型増粘剤a(合成例4)/水性顔料1=10
0/10/2/5(重量比)で配合した以外は実施例1
と同様に加工を行った。
ボン 7367SL(大日本インキ化学工業(株)製)/
顔料/MEK/DMF=100/15/30/10(重
量比)で配合した表皮用配合液を離型紙(DN-TP-A
PT フラット 大日本印刷・味の素(株)製)上に塗布厚
80μm(wet)で塗布し、直ちにワーナーマチスで
70℃で1分予備乾燥し、その後120℃で2分乾燥を
行った。その後の接着層の配合、加工は実施例1と同様
に行った。
樹脂1(合成例1)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネ
ート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量
%)/会合型増粘剤a(合成例4)/水性顔料2=10
0/10/2/5(重量比)で配合した以外は実施例1
と同様に加工を行った。
樹脂2(合成例2)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネ
ート、固形分100重量%,NCO含量16〜18重量
%)/会合型増粘剤b(合成例5)/水性顔料1=10
0/10/2/5(重量比)で配合した以外は実施例1
と同様に加工を行った。
樹脂1(合成例1)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネ
ート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量
%)/会合型増粘剤(ウレタン系)/水性顔料2=10
0/10/2/5(重量比)で配合した以外は実施例1
と同様に加工を行った。
樹脂1(合成例1)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネ
ート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量
%)/カルボキシメチルセルロース(CMC)/水性顔
料1=100/10/2/5(重量比)で配合した以外
は実施例1と同様に加工を行った。
樹脂1(合成例1)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネ
ート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量
%)/会合型増粘剤b(合成例5)/水性顔料3=10
0/10/2/5(重量比)で配合した以外は実施例1
と同様に加工を行った。
樹脂1(合成例1)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネ
ート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量
%)/会合型増粘剤b(合成例5)/水性顔料4=10
0/10/2/5(重量比)で配合した以外は実施例1
と同様に加工を行った。
工を行った。更に水性ウレタン樹脂3(合成例3)/架
橋剤(水分散性ポリイソシアネート、固形分100重量
%,NCO含量16〜18重量%)/会合型増粘剤a
(合成例4)/水性顔料1=100/10/2/5(重
量比)で配合した接着用配合液を表皮層上に塗布厚80
μm(wet)で塗布した。塗布後直ちに基材の張り合
わせ(ウェットラミネート)を行った。張り合わせ後、
ワーナーマチスで120℃で2分乾燥を行い、更に40
℃で2日エージングを行い、加工布を離型紙から剥離し
た。
工を行った。更に水性ウレタン樹脂3(合成例3)/架
橋剤(水分散性ポリイソシアネート、固形分100重量
%、NCO含量16〜18重量%)/会合型増粘剤a
(合成例4)/水性顔料1=100/10/2/5(重
量比)で配合した接着用配合液を表皮層上に塗布厚80
μm(wet)で塗布した。塗布後は実施例1と同様に
加工を行った。
ボン 7367SL(大日本インキ化学工業(株)製)/
顔料/MEK/DMF=100/15/30/10(重
量比)で配合した表皮用配合液を離型紙(DN-TP-A
PT フラット 大日本印刷・味の素(株)製)上に塗布厚
80μm(wet)で塗布した。直ちにワーナーマチス
で70℃で1分予備乾燥し、その後120℃で2分乾燥
を行った。その後、溶剤系ウレタン樹脂 クリスボン 4
070(大日本インキ化学工業(株)製)/架橋剤 クリ
スボンNX(大日本インキ化学工業(株)製)/触媒 ク
リスボンアクセル HM(大日本インキ化学工業(株)
製)/トルエン/DMF=100/12/3/20/1
0(重量比)で配合した接着用配合液を表皮層上に塗布
厚80μm(wet)で塗布した。塗布後は実施例1と
同様に加工を行った。
ついて、表皮の状態、剥離強度、加工布の風合、揮発性
有機化合物(以下、VOCという)対策の4項目につき
評価を行った。その評価結果を表2に示した。 (1)表皮の状態の評価方法 加工布の断面の電子顕微鏡写真により表皮の凹凸の状態
を目視にて観察し、下記の基準にて判定した。 ○:凹凸なし ×:凹凸あり (2)剥離強度の評価方法 島津オートグラフAGS−G型(株式会社島津製作所
製)を用いて、フルスケール5kg、ヘッドスピード2
0mm/分の条件にて剥離強度を測定した。 (3)加工布の風合の評価方法 加工布を触感により、下記の基準により判定評価した。 ○:ソフト △:ソフトとハードの中間的な触感 ×:ハード (4)VOC対策 実施例、及び比較例全配合中の有機溶剤の含有量により
評価した。 ○:0〜10% △:10〜50% ×:50%以上
ト。 *2)kg/cm *3)CMC:カルボキシメチルセルロース
ライラミネート用接着剤組成物、及びそれを用いた合成
皮革の製造方法は、有機溶剤を全く含まない或いはほと
んど含まず、架橋剤配合後の接着剤組成物の経時減粘が
少なく、併用する添加剤との併用安定性が改良された水
性ウレタン樹脂を使用した合成皮革の製造が可能となる
という優れた特徴を有する。
Claims (8)
- 【請求項1】 水性ウレタン樹脂(A)、架橋剤
(B)、増粘剤(C)、及び水性顔料(D)を用いてな
る接着剤組成物において、水性ウレタン樹脂(A)が分
子内に結合した親水性基としてアニオン型、カチオン
型、両性型の何れの基も含有せずノニオン型親水性基の
みを必須として含有し、(A)の分子内に結合したノニ
オン型親水性基含有化合物をウレタン樹脂固形分100
重量部当たり1〜30重量部含有し、該ウレタン樹脂固
形分の流出開始温度が80℃以下であり、更に該ウレタ
ン樹脂が架橋剤(B)と反応して硬化した後の流出開始
温度が120℃以上であることを特徴とする合成皮革用
水性ドライラミネート接着剤組成物。 - 【請求項2】 水性ウレタン樹脂(A)がイソシアネー
ト基と反応し得る活性水素基を少なくとも2個以上含有
し、架橋剤(B)がポリイソシアネート化合物である請
求項1記載の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組
成物。 - 【請求項3】 更に、増粘剤(C)を含む請求項1又は
2記載の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成
物。 - 【請求項4】 増粘剤(C)が会合型増粘剤である請求
項3記載の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成
物。 - 【請求項5】 更に、水性顔料(D)を含み、水性顔料
(D)がバインダーとしてダイマージオール及び/又は
ダイマー酸系ポリエステルポリオールを用いて得られる
水性ウレタン樹脂を含有する請求項1〜4の何れか一項
に記載の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成
物。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れか一項に記載の合成
皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物を、離型紙上
に予め形成された表皮層上に塗布し乾燥させ接着剤層を
形成させた後、該接着剤層と繊維基材とをドライラミネ
ートすることを特徴とする合成皮革の製造方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の製造方法で得られたこと
を特徴とする合成皮革。 - 【請求項8】 請求項1〜5の何れか一項に記載の合成
皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物を用いて得ら
れたことを特徴とする合成皮革。
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