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JP2003329279A - 気体導入構造及び作業室 - Google Patents

気体導入構造及び作業室

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JP2003329279A
JP2003329279A JP2002137644A JP2002137644A JP2003329279A JP 2003329279 A JP2003329279 A JP 2003329279A JP 2002137644 A JP2002137644 A JP 2002137644A JP 2002137644 A JP2002137644 A JP 2002137644A JP 2003329279 A JP2003329279 A JP 2003329279A
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fan
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chamber
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Takehiro Shindo
健弘 新藤
Yoshiaki Sasaki
義明 佐々木
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Tokyo Electron Ltd
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Tokyo Electron Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気体を取り込む際に乱流の発生を抑制して、
吸気量が低下したり、外気との差圧が低下することを防
止することが可能な気体導入構造を提供する。 【解決手段】 筐体36により区画された作業室28内
の換気を行うための気体導入構造において、前記筐体の
天井板36Aに形成されたファン取付孔52と、前記フ
ァン取付孔に臨ませて前記筐体内側に設けた回転ファン
機構54と、前記回転ファン機構の下方にて水平方向へ
広がって設けられたフィルタ手段64と、前記ファン取
付孔を囲むようになされると共に、前記ファン取付孔を
区画する開口端部より上方へ起立させて設けられた円筒
状の整流筒体70とよにより気体導入構造を形成する。
これにより、気体が流れ込む際に、上記整流筒体の作用
で気体の流れが整流されて気体取入口近傍に渦巻が発生
することを抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ等を
処理する処理システムの作業室及びこれに設けられる気
体導入構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体ウエハ等に所定の処理、
例えば成膜処理、酸化拡散処理、エッチング処理、アニ
ール処理、スパッタ処理等を施して、集積回路等を製造
する装置として処理システムが知られている。この種の
処理システムにおいて、例えばウエハに対して真空雰囲
気下にて処理を行う場合には、カセット等に収容した半
導体ウエハを、搬送室内に一旦取り込み、このウエハを
位置合わせ等した後、ロードロック室内へ導入してこの
中を真空雰囲気とし、そして、このロードロック室や真
空雰囲気下の搬送室を更に経由して、このウエハを真空
雰囲気にて処理を行う処理装置内へ搬入し、このウエハ
に対して実際に処理を施すことになる。
【0003】このような処理システムにおいて、ウエハ
に対してはこの歩留りの低下を招くパーティクルが付着
することをできるだけ、且つ確実に阻止しなければなら
ない。そこで、例えば大気中にてウエハを搬送する作業
室、すなわちこれを搬送室と称し、この搬送室内には、
クリーン度が高い清浄空気のダウンフローが形成されて
おり、搬送途中のウエハ表面にパーティクル等が極力付
着しないようにしている(例えば特開平11−6360
4号公報や特開平11−130210号公報等)。図8
は上述したような従来の搬送室の一例を示す概略断面図
であり、この搬送室2はその周囲が箱状の筐体4で区画
形成されている。この搬送室2内には、水平移動及び屈
伸旋回移動可能になされた図示しない搬送アームが設け
られる。この筐体4の天井板4Aには円形のファン取付
孔6が形成され、このファン取付孔6に臨ませて筐体4
内側に回転ファン機構8を設けて、天井の上方から供給
される清浄空気を取り込むようになっている。また、こ
の回転ファン機構8の真下には、例えばULPA(Ul
tra Low Penetration Air)フ
ィルタ等よりなるフィルタ手段10が設けられており、
空気中のパーティクルを除去するようになっている。そ
して、筐体4の底部4Bには、排気口12が設けられて
おり、この排気口12より筐体4内のダウンフローを排
出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな搬送室2にあっては、天井板4Aのファン取付孔6
から清浄空気14を取り込む際に、ファン取付孔6の周
縁部の真上にて渦巻状に乱流16が発生してしまい、こ
れがために、搬送室2内への吸気量が落ちてダウンフロ
ーの流速が低下したり、搬送室2の内外の差圧が設定値
よりも低下してしまう等の吸入特性の低下をもたらす、
といった問題があった。本発明は、以上のような問題点
に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものであ
る。本発明の目的は、気体を取り込む際に乱流の発生を
抑制して、吸気量が低下したり、外気との差圧が低下す
ることを防止することが可能な気体導入構造及び作業室
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
筐体により区画された作業室内の換気を行うための気体
導入構造において、前記筐体の天井板に形成されたファ
ン取付孔と、前記ファン取付孔に臨ませて前記筐体内側
に設けた回転ファン機構と、前記回転ファン機構の下方
にて水平方向へ広がって設けられたフィルタ手段と、前
記ファン取付孔を囲むようになされると共に、前記ファ
ン取付孔を区画する開口端部より上方へ起立させて設け
られた円筒状の整流筒体と、よりなることを特徴とする
気体導入構造である。このように、ファン取付孔に、上
方へ起立させて整流筒体を設けるようにしたので、気体
が流れ込む際に、上記整流筒体の作用で気体の流れが整
流されて気体取入口近傍に渦巻が発生することを抑制す
ることが可能となる。従って、気体の吸気量が低下した
り、外気との差圧が低下する等の吸入特性の低下が発生
することを防止できる。
【0006】この場合、例えば請求項2に規定するよう
に、前記整流筒体の高さは5〜100mmの範囲内であ
る。また、例えば請求項3に規定するように、前記整流
筒体の高さは10〜20mmの範囲内である。また、例
えば請求項4に規定するように、前記フィルタ手段は、
前記筐体の水平方向に全域に亘って設けられる。また、
例えば請求項5に規定するように、前記筐体の水平方向
の断面積は、前記ファン取付孔の面積よりも大きくなさ
れている。また、例えば請求項6に規定するように、前
記作業室の底部には、前記作業室内へ導入された気体を
排気するための排気口が設けられる。
【0007】請求項7に係る発明は、上記気体導入構造
を有する作業室の発明であり、すなわち、半導体ウエハ
等の被処理体に対して所定の処理を行うための処理シス
テムに設けられる作業室において、前記作業室は前記被
処理体を搬送するための作業室であって、この作業室の
天井部には前記気体導入構造が設けられることを特徴と
する作業室である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る気体導入構
造及び作業室の一実施例を添付図面に基づいて詳述す
る。図1は本発明に係る作業室(搬送室)を有する処理
システムの一例を示す概略構成図、図2は作業室を示す
概略斜視図、図3は作業室を示す概略断面図である。
【0009】まず、本発明に係る作業室、すなわちここ
では搬送室を有する処理システムについて説明する。図
1に示すように、この処理システム20は、複数、例え
ば4つの処理装置22A、22B、22C、22Dと、
略六角形状の共通搬送室24と、ロードロック機能を有
する第1及び第2のロードロック室26A、26Bと、
本発明に係る作業室である細長い導入側の搬送室28と
を主に有している。具体的には、略六角形状の上記共通
搬送室24の4辺に上記各処理装置22A〜22Dが接
合され、他側の2つの辺に、上記第1及び第2のロード
ロック室26A、26Bがそれぞれ接合される。そし
て、この第1及び第2のロードロック室26A、26B
に、上記導入側の搬送室28が共通に接続される。
【0010】上記共通搬送室24と上記4つの各処理装
置22A〜22Dとの間及び上記共通の搬送室28と上
記第1及び第2のロードロック室26A、26Bとの間
は、それぞれ気密に開閉可能になされたゲートバルブG
1〜G4及びG5、G6が介在して接合されて、クラス
タツール化されており、必要に応じて共通搬送室24内
と連通可能になされている。また、上記第1及び第2の
各ロードロック室26A、26Bと上記導入側の搬送室
28との間にも、それぞれ気密に開閉可能になされたゲ
ートバルブG7、G8が介在されている。
【0011】上記4つの処理装置22A〜22D内に
は、それぞれウエハを載置するサセプタ30A〜30D
が設けられており、被処理体である半導体ウエハWに対
して同種の、或いは異種の処理を施すようになってい
る。そして、この共通搬送室24内においては、上記2
つの各ロードロック室26A、26B及び4つの各処理
装置22A〜22Dにアクセスできる位置に、屈伸、昇
降及び旋回可能になされた多関節アームよりなる第1の
搬送機構32が設けられており、これは、互いに反対方
向へ独立して屈伸できる2つの保持ピック34A、34
Bを有しており、一度に2枚のウエハを取り扱うことが
できるようになっている。
【0012】上記導入側の搬送室28は、横長の箱状に
なされた例えばステンレスやアルミ製の筐体36により
区画形成されており、この横長の一側には、被処理体で
ある半導体ウエハWを導入するための1つ乃至複数の、
図示例では3つの被処理体搬入口38A、38B、38
Cが設けられる。そして、この各被処理体搬入口38A
〜38Cに対応させて、導入ポート40A、40B、4
0Cがそれぞれ設けられ、ここにそれぞれ1つずつカセ
ット容器42を載置できるようになっている。各カセッ
ト容器42には、複数枚、例えば25枚のウエハWを多
段に載置して収容できるようになっている。尚、上記各
被処理体搬入口38A〜38Cに開閉ドアを設けてこれ
を開閉できるようにしてもよい。
【0013】上記導入側の搬送室28内には、ウエハW
をその長手方向に沿って搬送するための導入側搬送機構
44が設けられる。この導入側搬送機構44は、導入側
の搬送室28内の中心部を長さ方向に沿って延びるよう
に設けた案内レール46上にスライド移動可能に支持さ
れている。また、上記導入側搬送機構44は、上下2段
に配置された多関節形状になされた2つの搬送アーム4
6A、46Bを有しており、この各搬送アーム46A、
46BによりそれぞれウエハWを直接的に保持するよう
になっている。従って、各搬送アーム46A、46B
は、この中心より半径方向へ屈伸自在になされており、
また、各搬送アーム46A、46Bの屈伸動作は個別に
制御可能になされている。また、導入側の搬送室28の
他端には、ウエハの位置合わせを行なう位置合わせ機構
としてのオリエンタ48が設けられる。
【0014】次に、上記導入側の搬送室28及びこれに
設けられる気体導入構造50(図2及び図3も参照)に
ついて説明する。尚、図2及び図3においては、オリエ
ンタ48や導入側搬送機構44の記載は省略している。
図示するように、上記気体導入構造50は、上記筐体3
6の天井部に、ここでは略等間隔で3台設けている。具
体的には、上記筐体36の天井板36Aに、所定の直径
D1のファン取付孔52を形成し、このファン取付孔5
2に臨ませて、筐体36の内側に回転ファン機構54を
取り付け固定している。この回転ファン機構54は、外
殻を形成するファンケース56より中心に向けて延びる
複数本の支持ロッド58で回転モータ60を支え、この
回転モータ60に取り付けたファン62を回転するよう
になっている。
【0015】そして、このファン取付孔52の面積、す
なわち回転ファン機構54の通気部の断面積よりも、上
記筐体36の水平方向の断面積は大きくなされており、
ここで吸入した気体を下方横方向へも流すようになって
いる。そして、この回転ファン機構54の直下には、こ
れに接近させて筐体36の水平方向に全域に亘って広が
るようにフィルタ手段64が設けられている。このフィ
ルタ手段64は、例えばULPAフィルタやHEPAフ
ィルタ等よりなる。また、上記筐体36の底部36Bに
は、多数の排気口66が形成されており、この筐体36
(搬送室28)内へ導入された気体を下方へ排気するよ
うになっている。
【0016】そして、上記回転ファン機構54が設けら
れるファン取付孔52では、これを囲むようになされる
と共に、このファン取付孔52を区画する開口端部68
より上方へ起立させて本発明の特徴とする円筒状の整流
筒体70が設けられており、この整流筒体70の上端開
口部が吸入口70Aとなっている。この円筒状の整流筒
体70は、例えばステンレスやアルミ等よりなり、その
厚さは数mm、例えば2mm程度になされている。そし
て、この整流筒体70の高さH1は、5〜100mmの
範囲内、好ましくは10〜20mmの範囲内に設定され
ており、清浄空気等の気体を吸入する際に、上記吸入口
70Aの外側近傍に気体の乱流を生ぜしめないで、円滑
に気体を吸入できるようになっている。
【0017】また、上記フィルタ手段64の直下には、
圧力検出器72が設けられており、ここで検出した圧力
値は例えばマイクロコンピュータ等よりなる回転制御部
74へ供給され、外気圧との差圧が所定の範囲内を維持
するように上記回転ファン機構54の回転数を制御でき
るようになっている。また、この回転制御部74には警
報器76が設けられており、上記回転ファン機構54の
回転数や差圧がそれぞれ所定の許容範囲内を逸脱した時
に、この警報器76を動作させてオペレータにその旨を
知らせるようになっている。
【0018】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について図4及び図5も参照して説明する。図4は
気体導入構造の吸入気体の流れを説明するための説明
図、図5は水平面上における気体の流速分布を示す図で
ある。まず、導入ポート40A〜40C上には未処理の
半導体ウエハWを収容したカセット容器42が載置され
ており、このウエハWは、搬送室28内の導入側搬送機
構44を用いて略大気圧状態の搬送室28内へ取り込ま
れる。この取り込まれたウエハWは、オリエンタ48に
てその位置合わせがなされた後、第1或いは第2のロー
ドロック室26A、或いは26Bへ搬入される。次に、
このロードロック室26A、或いは26B内が真空引き
された後に、このウエハWは、予め真空引きされた共通
搬送室24内の第1の搬送機構32を用いてこの中に取
り込まれる。
【0019】そして、このウエハWには、所定の処理の
順序に従って、処理装置22A〜22D内にて必要な処
理が順次施されることになる。処理済みのウエハWは、
例えば上記した経路とは逆に経路を経て、カセット容器
42内に戻されることになる。さて、このようなウエハ
Wの一連の処理工程において、搬送室28内において
は、この天井部に設けた各回転ファン機構54が常時回
転駆動されており、搬送室28内に清浄気体のダウンフ
ロー80が形成されている。すなわち、図3に示すよう
に、回転ファン機構54の回転駆動により、この処理シ
ステムを設置したクリーンルームの天井部より供給され
る清浄空気(清浄気体)が整流筒体70の吸入口70A
から搬送室28内へ流入し、この清浄気体はフィルタ手
段64を通過した後にダウンフロー80となってこの搬
送室28内を流下して最終的に底部36Bに設けた排気
口66から下方へ排出される。尚、必要に応じてこの排
出された清浄気体を循環させて再利用してもよく、特
に、清浄気体として窒素ガス等の不活性ガスを用いる場
合には、循環使用により運転コストを抑制できる。
【0020】ここで、図4(A)は従来の気体導入構造
における気体の流れを示し、図4(B)は本発明の気体
導入構造における気体の流れを示す。従来の気体導入構
造にあっては、上記整流筒体70を設けていなかったこ
とから、図8及び図4(A)に示すように、清浄空気が
搬送室2内へ吸入されて導入される際、天井板4Aの上
面の直上に位置する空気14Aが取付孔6の端部にて渦
巻状の乱流16を生ぜしめてしまい、このために清浄空
気14の導入、或いは吸い込みがある程度阻害されてし
まっていた。これに対して、図4(B)に示す本発明の
場合には、円筒状の整流筒体70を上方へ突出させて設
けるようにしたので、清浄空気14は、何ら乱流を生ず
ることなく吸入口70Aから円滑に搬送室28内へ導
入、或いは吸い込まれることになる。
【0021】すなわち、天井板36Aの直上の空気14
Aは、上記整流筒体70によってその流れが阻止され、
これに対して、この空気14Aの更に上層の空気14B
が清浄空気14の流れに随伴して吸入されることにな
る。このために、従来の気体導入構造の場合に発生した
乱流16の発生を抑制することが可能となる。この理由
は次のように推測される。図5は水平面からの高さと、
気体の流速との関係を示しており、水平面の上方におい
てある程度の流速で気体が流れていても、水平面からの
高さが低くなるに連れてその風速は次第に低下し、水平
面の直上では略ゼロになる。これは、どのうような気体
もある程度の粘性を有していることから、これがために
静止面である水平面の直上の気体は静止面によってその
動きが抑制されて流速がゼロになるからである。このよ
う状況下において、図4(A)に示す従来機構の場合に
は、天井板4Aの直上の空気14Aは流速が略ゼロであ
ることから、流速が略ゼロの空気14Aを清浄空気14
の流れに巻き込もうとする際に、両気体の速度差が大き
いことから、大きな抵抗が発生してそこに乱流16が発
生してしまう。
【0022】これに対して、図4(B)に示すような本
発明構造の場合には、天井板36Aの直上の流速が略ゼ
ロの空気14Aは突状になった整流筒体70によってそ
の移動が阻止され、この空気14Aの更に上層の空気1
4Bが清浄空気14に随伴して導入されることになり、
この際、上記空気14Bは、静止面である天井板36A
からある程度離れているので、これが流れる際に抵抗が
少なく(図5参照)、その結果、図4(A)にて見られ
たような乱流16が発生することを抑制することができ
る。このように、本発明においては、清浄空気14を取
り込む際に乱流の発生を抑制できるので、清浄空気を円
滑に吸い込むことができ、従って、吸気量が低下するこ
とや、搬送室内と外気との差圧が低下すること等を防止
することが可能となる。
【0023】また、フィルタ手段64の下方に設けた圧
力検出器72でこの搬送室28内の圧力を検出し、この
圧力と外気との差圧が例えば1.3Pa程度に一定とな
るように回転数制御部74により回転ファン機構54の
回転数を制御するようにしてもよいが、本発明のように
整流筒体70を設けることによって気体の吸入特性が改
善され、上記回転数の制御も行い易くなるばかりか、エ
ネルギー効率も高めることができる。
【0024】次に、上記整流筒体70の高さH1と搬送
室内の流速及び差圧との関係を検討したので、その評価
結果について説明する。図6は回転ファン機構の回転数
と搬送室内の流速との関係を示すグラフ、図7は回転フ
ァン機構の回転数と差圧(搬送室内と外気)との関係を
示すグラフである。図6に示すように、ここでは整流筒
体70の高さH1を0mm(無し)及び5〜15mmに
種々変化させている。このグラフから明らかように、整
流筒体70を設けない場合(無し)には、回転ファン機
構54の回転数が例えば2200〜2400rpm程度
において目標とする所定の流速が得られるが、整流筒体
70を設けた場合には、同じ流速を得るのに回転ファン
機構54の回転数を2000〜2200rpm程度に設
定すればよく、整流筒体70を設けない場合よりも、回
転数を200rpm程度も低く設定することができ、そ
の分、エネルギー効率を高めることができることが判明
する。すなわち、従来構造に対して本発明の構造の場合
は、グラフ全体が左方向(低回転数側)へシフトしてい
る。特に、高さH1が僅かに5mm程度の整流筒体70
を設けるだけでも、上記した作用効果を発揮できる。
【0025】また図7に示すように、ここでは整流筒体
70の高さH1を0mm(無し)及び5〜100mmに
種々変化させている。このグラフの場合にも、従来構造
(無し)に対して本発明の構造の場合、グラフ全体が左
方向(低回転数側)へシフトしている。また、従来構造
(無し)の場合は、グラフ全体の曲がり具合が大きくて
直線性が低く、特に回転数が2200〜2400rpm
の間は、差圧の変化が大きくてファンの回転制御にとっ
て回転制御が行い難くて吸入特性が劣っている。これに
対して、本発明構造の場合には、整流筒体70の高さH
1が5〜100mmの全体に亘ってグラフ自体の曲がり
具合が小さくて直線性が高く、ファンの回転制御が行い
易くて吸入特性が良好であることが判明する。特に、高
さH1が10〜20mmの範囲はグラフの直線性が非常
に高く、特に良好な吸入特性を示していることが判明す
る。
【0026】尚、高さH1を5mmよりも小さくした場
合、或いは100mmよりも大きくした場合には、上記
した作用効果は非常に少なくなって好ましくなく、上記
した値がそれぞれ下限値、或いは上限値となる。また、
上述したファン取付孔の直径、差圧、流速、或いは回転
数は、それぞれ単に一例を示したに過ぎず、回転モータ
の種類や特性、搬送室のサイズ等によって異なるのは勿
論である。また、ここで説明した処理システム20の形
態も単に一例を示したに過ぎず、大気圧の搬送室を有す
る処理システムならば、本発明は、どのような構造のも
のにも適用することができる。
【0027】また、本実施例では、気体導入構造を設け
る作業室として半導体ウエハを搬送する搬送室を例にと
って説明したが、これに限定されず、ダウンフローが形
成される作業室ならばどのようなものでもよく、例えば
半導体ウエハを検査する検査室等にも本発明を適用する
ことができる。また、本実施例では被処理体として半導
体ウエハを例にとって説明したが、これに限定されず、
LCD基板、ガラス基板等の場合にも本発明を適用する
ことができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の気体導入
構造及び作業室によれば、次のように優れた作用効果を
発揮することができる。ファン取付孔に、上方へ起立さ
せて整流筒体を設けるようにしたので、気体が流れ込む
際に、上記整流筒体の作用で気体の流れが整流されて気
体取入口近傍に渦巻が発生することを抑制することがで
きる。従って、気体の吸気量が低下したり、外気との差
圧が低下する等の吸入特性の低下が発生することを防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業室(搬送室)を有する処理シ
ステムの一例を示す概略構成図である。
【図2】作業室を示す概略斜視図である。
【図3】作業室を示す概略断面図である。
【図4】従来の気体導入構造と本発明の気体導入構造に
おける気体の流れを示す図である。
【図5】水平面からの高さと、気体の流速との関係を示
す図である。
【図6】回転ファン機構の回転数と搬送室内の流速との
関係を示すグラフである。
【図7】回転ファン機構の回転数と差圧(搬送室内と外
気)との関係を示すグラフである。
【図8】従来の搬送室の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
20 処理システム 22A〜22D 処理装置 24 共通搬送室 28 搬送室(作業室) 36 筐体 36A 天井板 36B 底部 50 気体導入構造 52 ファン取付孔 54 回転ファン機構 60 回転モータ 62 ファン 64 フィルタ手段 66 排気口 70 整流筒体 70A 吸入口 W 半導体ウエハ(被処理体)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体により区画された作業室内の換気を
    行うための気体導入構造において、 前記筐体の天井板に形成されたファン取付孔と、 前記ファン取付孔に臨ませて前記筐体内側に設けた回転
    ファン機構と、 前記回転ファン機構の下方にて水平方向へ広がって設け
    られたフィルタ手段と、 前記ファン取付孔を囲むようになされると共に、前記フ
    ァン取付孔を区画する開口端部より上方へ起立させて設
    けられた円筒状の整流筒体と、 よりなることを特徴とする気体導入構造。
  2. 【請求項2】 前記整流筒体の高さは5〜100mmの
    範囲内であることを特徴とする請求項1記載の気体導入
    構造。
  3. 【請求項3】 前記整流筒体の高さは10〜20mmの
    範囲内であることを特徴とする請求項2記載の気体導入
    構造。
  4. 【請求項4】 前記フィルタ手段は、前記筐体の水平方
    向に全域に亘って設けられることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載の気体導入構造。
  5. 【請求項5】 前記筐体の水平方向の断面積は、前記フ
    ァン取付孔の面積よりも大きくなされていることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれかに記載の気体導入構
    造。
  6. 【請求項6】 前記作業室の底部には、前記作業室内へ
    導入された気体を排気するための排気口が設けられるこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の気体
    導入構造。
  7. 【請求項7】 半導体ウエハ等の被処理体に対して所定
    の処理を行うための処理システムに設けられる作業室に
    おいて、 前記作業室は前記被処理体を搬送するための作業室であ
    って、この作業室の天井部には請求項1乃至6のいずれ
    かに記載の気体導入構造が設けられることを特徴とする
    作業室。
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WO2013151336A1 (ko) * 2012-04-03 2013-10-10 (주)트라이애드 회전체 내장형 후드 시스템

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