JP2003342707A - 溶射コーティング方法および溶射コーティング用詰栓 - Google Patents
溶射コーティング方法および溶射コーティング用詰栓Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 詰栓を用いて溶射膜の非形成個所を設けて
も、溶射膜に悪影響を及ぼさず、品質性能の高い溶射膜
が形成できるようにする。 【解決手段】 基材10の表面に溶射によってコーティ
ング膜30を形成する方法であって、基材10が、コー
ティング膜30を形成しない穴部14を有するものであ
り、金属材料からなる芯材22と、コーティング膜30
に対して非接合性の樹脂材料と金属材料との複合体から
なり芯材22の外周を覆う金属−樹脂複合層24とを有
する詰栓20で、基材10の穴部14を塞ぐ工程(a)
と、工程(a)のあとで、基材10の表面に溶射を行って
コーティング膜30を形成する工程(b)と、工程(b)のあ
とで、基材10の穴部14から詰栓20を抜き取る工程
(c)とを含む。
も、溶射膜に悪影響を及ぼさず、品質性能の高い溶射膜
が形成できるようにする。 【解決手段】 基材10の表面に溶射によってコーティ
ング膜30を形成する方法であって、基材10が、コー
ティング膜30を形成しない穴部14を有するものであ
り、金属材料からなる芯材22と、コーティング膜30
に対して非接合性の樹脂材料と金属材料との複合体から
なり芯材22の外周を覆う金属−樹脂複合層24とを有
する詰栓20で、基材10の穴部14を塞ぐ工程(a)
と、工程(a)のあとで、基材10の表面に溶射を行って
コーティング膜30を形成する工程(b)と、工程(b)のあ
とで、基材10の穴部14から詰栓20を抜き取る工程
(c)とを含む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶射コーティング
方法および溶射コーティング用詰栓に関し、詳しくは、
各種の機械部品や構造部材に、セラミック材料などによ
る遮熱膜や耐食膜などをプラズマ溶射などの溶射によっ
て形成する溶射コーティング方法と、この溶射コーティ
ング方法に使用する溶射コーティング用詰栓とを対象に
している。
方法および溶射コーティング用詰栓に関し、詳しくは、
各種の機械部品や構造部材に、セラミック材料などによ
る遮熱膜や耐食膜などをプラズマ溶射などの溶射によっ
て形成する溶射コーティング方法と、この溶射コーティ
ング方法に使用する溶射コーティング用詰栓とを対象に
している。
【0002】
【従来の技術】溶射技術の一つとして知られるプラズマ
溶射法は、プラズマジェットを用いてセラミックなどの
溶射材料を加熱および加速し、基材に吹き付けて皮膜を
形成する技術である。プラズマ溶射法は、CVD法やP
VD法、めっき法などの膜形成手段に比べて、膜形成の
速度が大きく、しかも、基材と膜材料との組み合わせに
あまり制約を受けず、基材の形状についても比較的に自
由であるという利点がある。特に、他の膜形成手段では
形成が困難なセラミックの膜を形成するのに適した技術
として広く利用されている。
溶射法は、プラズマジェットを用いてセラミックなどの
溶射材料を加熱および加速し、基材に吹き付けて皮膜を
形成する技術である。プラズマ溶射法は、CVD法やP
VD法、めっき法などの膜形成手段に比べて、膜形成の
速度が大きく、しかも、基材と膜材料との組み合わせに
あまり制約を受けず、基材の形状についても比較的に自
由であるという利点がある。特に、他の膜形成手段では
形成が困難なセラミックの膜を形成するのに適した技術
として広く利用されている。
【0003】プラズマ溶射法で形成されるセラミック膜
の目的には、遮熱膜や耐食膜、耐磨耗膜、絶縁膜などが
ある。具体的な用途として、ガスタービンなどの熱機関
装置、半導体製造装置、化学プラント、その他の各種産
業機械などがある。プラズマ溶射法で基材に溶射膜を形
成する際、基材の一部には溶射膜を形成しないでおきた
い場合がある。例えば、基材に通気孔が貫通している場
合、通気孔が溶射材料で埋まったり、通気孔の奥に溶射
材料が溜まったりして、通気孔の機能を阻害することが
起こるので、通気孔に溶射材料が入り込まないようにし
なければならない。
の目的には、遮熱膜や耐食膜、耐磨耗膜、絶縁膜などが
ある。具体的な用途として、ガスタービンなどの熱機関
装置、半導体製造装置、化学プラント、その他の各種産
業機械などがある。プラズマ溶射法で基材に溶射膜を形
成する際、基材の一部には溶射膜を形成しないでおきた
い場合がある。例えば、基材に通気孔が貫通している場
合、通気孔が溶射材料で埋まったり、通気孔の奥に溶射
材料が溜まったりして、通気孔の機能を阻害することが
起こるので、通気孔に溶射材料が入り込まないようにし
なければならない。
【0004】このように、部分的に溶射膜が形成されな
いようにするには、溶射膜を形成しない個所に、テープ
を貼って塞いでおくことが行われている。テープを貼っ
た状態でプラズマ溶射処理を行ったあと、テープを剥が
せば、その部分には溶射膜が形成されない。また、本件
特許出願人は、特願2001−285046号明細書に
おいて、ガスタービンの尾筒内面にプラズマ溶射法で遮
熱膜を形成する際に、尾筒内面の空気吹出し孔に、フッ
素樹脂などの耐熱性樹脂材料からなる詰栓を詰めてお
き、空気吹出し孔に溶射材料が入り込まないようにする
技術を提案している。
いようにするには、溶射膜を形成しない個所に、テープ
を貼って塞いでおくことが行われている。テープを貼っ
た状態でプラズマ溶射処理を行ったあと、テープを剥が
せば、その部分には溶射膜が形成されない。また、本件
特許出願人は、特願2001−285046号明細書に
おいて、ガスタービンの尾筒内面にプラズマ溶射法で遮
熱膜を形成する際に、尾筒内面の空気吹出し孔に、フッ
素樹脂などの耐熱性樹脂材料からなる詰栓を詰めてお
き、空気吹出し孔に溶射材料が入り込まないようにする
技術を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来における、溶射膜
の形成を部分的に阻止する技術では、溶射膜の形成個所
と非形成個所とを明確に分離できなかったり、溶射膜の
品質が損なわれたりするなどの問題がある。テープを貼
る方法では、通気孔のような孔部分の内側だけを、溶射
膜の非形成個所にすることが難しい。通常は、テープを
孔の周囲の基材表面に貼ることになるため、孔の周囲に
も溶射膜が形成されない範囲ができてしまう。テープの
貼着面には粘着剤層が設けられるが、この粘着剤の耐熱
性はそれほど高くないため、溶射熱によって粘着剤が、
テープの外まで溶損滲出して、基材への溶射材料の付着
を阻害することがある。
の形成を部分的に阻止する技術では、溶射膜の形成個所
と非形成個所とを明確に分離できなかったり、溶射膜の
品質が損なわれたりするなどの問題がある。テープを貼
る方法では、通気孔のような孔部分の内側だけを、溶射
膜の非形成個所にすることが難しい。通常は、テープを
孔の周囲の基材表面に貼ることになるため、孔の周囲に
も溶射膜が形成されない範囲ができてしまう。テープの
貼着面には粘着剤層が設けられるが、この粘着剤の耐熱
性はそれほど高くないため、溶射熱によって粘着剤が、
テープの外まで溶損滲出して、基材への溶射材料の付着
を阻害することがある。
【0006】詰栓をする方法であれば、孔の内部だけを
塞いでおけ、孔の周縁までに溶射膜が形成できる。とこ
ろが、溶射膜の形成後に、詰栓を抜こうとするときに、
詰栓と溶射膜とが強固に接合されていて、詰栓と一緒に
溶射膜の一部が剥がれたり欠けたりすることがある。詰
栓を抜く際の力で溶射膜の内縁に亀裂が入ることもあ
る。しかも、詰栓を抜く前にも、詰栓の周辺に亀裂が入
っていることがある。その原因は、プラズマ溶射による
熱で、詰栓が熱膨張を起こすが、プラズマ溶射後の冷却
過程で、詰栓と溶射膜との熱変形に差ができ、両者の境
界部分に大きな熱応力が発生して、溶射膜の内縁に亀裂
が発生するものと推定できる。
塞いでおけ、孔の周縁までに溶射膜が形成できる。とこ
ろが、溶射膜の形成後に、詰栓を抜こうとするときに、
詰栓と溶射膜とが強固に接合されていて、詰栓と一緒に
溶射膜の一部が剥がれたり欠けたりすることがある。詰
栓を抜く際の力で溶射膜の内縁に亀裂が入ることもあ
る。しかも、詰栓を抜く前にも、詰栓の周辺に亀裂が入
っていることがある。その原因は、プラズマ溶射による
熱で、詰栓が熱膨張を起こすが、プラズマ溶射後の冷却
過程で、詰栓と溶射膜との熱変形に差ができ、両者の境
界部分に大きな熱応力が発生して、溶射膜の内縁に亀裂
が発生するものと推定できる。
【0007】さらに、内径が小さな孔に詰栓をしておく
と、プラズマ溶射の熱で詰栓が融けてしまうことがあ
る。融けた詰栓が小さな孔の奥で硬化して基材に固着し
てしまうと、除去するのは非常に面倒である。プラズマ
溶射以外にも、セラミックなどを高温の溶融状態で吹き
付けて基材の表面にコーティング膜を形成する各種の溶
射コーティング方法でも、同様の問題が発生する。本発
明の課題は、前記したプラズマ溶射などの溶射コーティ
ング方法で、詰栓を用いて溶射膜の非形成個所を設けて
も、溶射膜に悪影響を及ぼさず、品質性能の高い溶射膜
が形成できるようにすることである。
と、プラズマ溶射の熱で詰栓が融けてしまうことがあ
る。融けた詰栓が小さな孔の奥で硬化して基材に固着し
てしまうと、除去するのは非常に面倒である。プラズマ
溶射以外にも、セラミックなどを高温の溶融状態で吹き
付けて基材の表面にコーティング膜を形成する各種の溶
射コーティング方法でも、同様の問題が発生する。本発
明の課題は、前記したプラズマ溶射などの溶射コーティ
ング方法で、詰栓を用いて溶射膜の非形成個所を設けて
も、溶射膜に悪影響を及ぼさず、品質性能の高い溶射膜
が形成できるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる溶射コー
ティング方法は、基材の表面に溶射によってコーティン
グ膜を形成する方法であって、金属材料からなる芯材
と、前記コーティング膜に対して非接合性の樹脂材料と
金属材料との複合体からなり前記芯材の外周を覆う金属
−樹脂複合層とを有する詰栓で、前記基材のうち前記コ
ーティング膜を形成しない穴部を塞ぐ工程(a)と、前記
工程(a)のあとで、前記基材の表面に溶射を行ってコー
ティング膜を形成する工程(b)と、前記工程(b)のあと
で、前記基材の穴部から前記詰栓を抜き取る工程(c)と
を含む。
ティング方法は、基材の表面に溶射によってコーティン
グ膜を形成する方法であって、金属材料からなる芯材
と、前記コーティング膜に対して非接合性の樹脂材料と
金属材料との複合体からなり前記芯材の外周を覆う金属
−樹脂複合層とを有する詰栓で、前記基材のうち前記コ
ーティング膜を形成しない穴部を塞ぐ工程(a)と、前記
工程(a)のあとで、前記基材の表面に溶射を行ってコー
ティング膜を形成する工程(b)と、前記工程(b)のあと
で、前記基材の穴部から前記詰栓を抜き取る工程(c)と
を含む。
【0009】〔基材〕基材の材料や形状構造は特に限定
されない。具体的には、鋼やステンレスなどの金属およ
びその合金、セラミック、その他、通常の機械装置にお
ける各種の構造材料などが使用される。基材のうち、コ
ーティング膜を形成する面は、平坦面であってもよい
し、屈曲面、段差面、曲面などでもよい。管やドームな
どの内面であってもよい。基材には、コーティング膜を
形成しない領域を有している。コーティング膜の非形成
領域のうち、通常の平坦面や比較的に広い凹部について
は、通常のテープ貼付などによる溶射材料の付着防止手
段を適用することができる。
されない。具体的には、鋼やステンレスなどの金属およ
びその合金、セラミック、その他、通常の機械装置にお
ける各種の構造材料などが使用される。基材のうち、コ
ーティング膜を形成する面は、平坦面であってもよい
し、屈曲面、段差面、曲面などでもよい。管やドームな
どの内面であってもよい。基材には、コーティング膜を
形成しない領域を有している。コーティング膜の非形成
領域のうち、通常の平坦面や比較的に広い凹部について
は、通常のテープ貼付などによる溶射材料の付着防止手
段を適用することができる。
【0010】本発明は、コーティング膜の非形成領域と
して、コーティング膜の形成領域の中に独立して配置さ
れたコーティング膜を形成しない穴部を有する場合に適
用される。 <穴部>穴部は、基材を貫通する貫通孔である場合と、
基材の途中までで止まる閉塞状の穴の場合とがある。穴
部は、開口部から奥まで直線的に延びていてもよいし、
内部で曲がったり折れたり分岐したり合流したりしてい
てもよい。穴部の開口形状は、円形のほか、楕円や長
円、多角形、スリット状、さらには凹凸形状を有するも
のであってもよい。
して、コーティング膜の形成領域の中に独立して配置さ
れたコーティング膜を形成しない穴部を有する場合に適
用される。 <穴部>穴部は、基材を貫通する貫通孔である場合と、
基材の途中までで止まる閉塞状の穴の場合とがある。穴
部は、開口部から奥まで直線的に延びていてもよいし、
内部で曲がったり折れたり分岐したり合流したりしてい
てもよい。穴部の開口形状は、円形のほか、楕円や長
円、多角形、スリット状、さらには凹凸形状を有するも
のであってもよい。
【0011】詰栓を取り付ける穴部として、開口径が
0.5〜3mmの範囲のものに適用できる。特に開口径
0.5〜1.5mmの場合に有用である。開口径が十分
に大きければ、本発明の詰栓でなく、フッ素樹脂製の詰
栓などでも溶融の問題は少ない。開口径が小さ過ぎる場
合は、詰栓の取り付けが困難であったり、溶融の問題が
起こったりする。穴部は、一つの基材に1個所だけ設け
られていてもよいし、複数個所に設けられていてもよ
い。本発明は、多数の穴部が間隔をあけて並んでいる場
合に、特に有用である。
0.5〜3mmの範囲のものに適用できる。特に開口径
0.5〜1.5mmの場合に有用である。開口径が十分
に大きければ、本発明の詰栓でなく、フッ素樹脂製の詰
栓などでも溶融の問題は少ない。開口径が小さ過ぎる場
合は、詰栓の取り付けが困難であったり、溶融の問題が
起こったりする。穴部は、一つの基材に1個所だけ設け
られていてもよいし、複数個所に設けられていてもよ
い。本発明は、多数の穴部が間隔をあけて並んでいる場
合に、特に有用である。
【0012】〔詰栓〕詰栓は、基材の穴部を塞いで、溶
射工程で溶射材料が穴部の中に侵入したり付着したりす
るのを防ぐ。詰栓は、少なくとも穴部の開口に対応する
個所で、穴部の内形状に対応する外形状を有している。
具体的には、前記した穴部と同様に、円形、楕円形、多
角形などの断面形状を有している。詰栓は、全体が同じ
断面形状であってもよいし、長さ方向で断面形状の異な
る個所があってもよい。詰栓のうち、穴部の開口に対応
する個所以外、例えば、奥に配置される個所では、穴部
の内形状とのあいだに隙間があくようであっても構わな
い。穴部の外に配置される個所では、溶射の邪魔になら
ない形状であれば、穴部の内形状と異なる形状であって
も構わない。詰栓のうち、穴部に挿入される側の先端に
は、面取り部やアール形状部あるいはテーパ部を設けて
おけば、穴部への挿入が行い易くなる。
射工程で溶射材料が穴部の中に侵入したり付着したりす
るのを防ぐ。詰栓は、少なくとも穴部の開口に対応する
個所で、穴部の内形状に対応する外形状を有している。
具体的には、前記した穴部と同様に、円形、楕円形、多
角形などの断面形状を有している。詰栓は、全体が同じ
断面形状であってもよいし、長さ方向で断面形状の異な
る個所があってもよい。詰栓のうち、穴部の開口に対応
する個所以外、例えば、奥に配置される個所では、穴部
の内形状とのあいだに隙間があくようであっても構わな
い。穴部の外に配置される個所では、溶射の邪魔になら
ない形状であれば、穴部の内形状と異なる形状であって
も構わない。詰栓のうち、穴部に挿入される側の先端に
は、面取り部やアール形状部あるいはテーパ部を設けて
おけば、穴部への挿入が行い易くなる。
【0013】詰栓の外径は、穴部の開口に対応する個所
では、穴部の内径と実質的に同じに設定される。装着時
には締め代はほとんど無くてスムーズに装着でき、プラ
ズマ溶射工程で、詰栓が熱膨張したときに、詰栓と穴部
との間に十分な締め代が発生するように設定しておくこ
とで、詰栓の装着作業が能率的に行える。詰栓の長さ
は、基材の穴部に装着可能で穴部を塞ぐことができる長
さがあればよい。基材の穴部を塞いだときに、穴部の表
面から1〜3mm突出する全長を有するものが好まし
い。この範囲であれば、溶射工程で詰栓が影を作って基
材表面への溶射材料の付着を阻害することがなく、詰栓
の抜き取りも行い易い。詰栓として、長尺の線状あるい
は棒状をなすものを準備しておき、穴部への取付時に、
必要な長さに切断して使用することもできる。
では、穴部の内径と実質的に同じに設定される。装着時
には締め代はほとんど無くてスムーズに装着でき、プラ
ズマ溶射工程で、詰栓が熱膨張したときに、詰栓と穴部
との間に十分な締め代が発生するように設定しておくこ
とで、詰栓の装着作業が能率的に行える。詰栓の長さ
は、基材の穴部に装着可能で穴部を塞ぐことができる長
さがあればよい。基材の穴部を塞いだときに、穴部の表
面から1〜3mm突出する全長を有するものが好まし
い。この範囲であれば、溶射工程で詰栓が影を作って基
材表面への溶射材料の付着を阻害することがなく、詰栓
の抜き取りも行い易い。詰栓として、長尺の線状あるい
は棒状をなすものを準備しておき、穴部への取付時に、
必要な長さに切断して使用することもできる。
【0014】<芯材>芯材は、金属材料からなる。溶射
工程における温度上昇に耐える耐熱性のある金属が好ま
しい。熱膨張率が樹脂材料に比べて十分に小さな金属が
好ましい。溶射工程のあとで、穴部から引き抜くことが
できる機械的強度を有するものが好ましい。金属−樹脂
複合層との一体性に優れた材料が好ましい。具体的な金
属材料として、鋼などの鉄系金属、アルミ、銅、ニッケ
ルなどが挙げられる。これらの金属の単体に加えて、こ
れらの金属同士あるいは他の金属との合金も採用でき
る。
工程における温度上昇に耐える耐熱性のある金属が好ま
しい。熱膨張率が樹脂材料に比べて十分に小さな金属が
好ましい。溶射工程のあとで、穴部から引き抜くことが
できる機械的強度を有するものが好ましい。金属−樹脂
複合層との一体性に優れた材料が好ましい。具体的な金
属材料として、鋼などの鉄系金属、アルミ、銅、ニッケ
ルなどが挙げられる。これらの金属の単体に加えて、こ
れらの金属同士あるいは他の金属との合金も採用でき
る。
【0015】芯材の外径は、穴部の内径に合わせて設定
できるが、通常は、0.5〜3mmの範囲に設定され
る。 <金属−樹脂複合層>コーティング膜に対して非接合性
の樹脂材料と金属材料との複合体からなり芯材の外周を
覆う。金属−樹脂複合層は、金属材料のマトリックスに
樹脂材料がミクロ状態で保持されて複合一体化されたも
のである。単に、金属層と樹脂層とが積層されているも
のは除く。樹脂材料は、コーティング膜の材質や溶射条
件によってコーティング膜に対する接合性が違ってく
る。コーティング膜に対して非接合性とは、樹脂材料に
コーティング膜が付着しても容易に分離できるというこ
とである。このような非接合性の材料として、一般的に
は、濡れ難く低摩擦係数で滑りが良く焼付性のない材料
が好ましい。具体的には、フッ素樹脂、シリコーン樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド−イミド樹脂などが挙
げられる。
できるが、通常は、0.5〜3mmの範囲に設定され
る。 <金属−樹脂複合層>コーティング膜に対して非接合性
の樹脂材料と金属材料との複合体からなり芯材の外周を
覆う。金属−樹脂複合層は、金属材料のマトリックスに
樹脂材料がミクロ状態で保持されて複合一体化されたも
のである。単に、金属層と樹脂層とが積層されているも
のは除く。樹脂材料は、コーティング膜の材質や溶射条
件によってコーティング膜に対する接合性が違ってく
る。コーティング膜に対して非接合性とは、樹脂材料に
コーティング膜が付着しても容易に分離できるというこ
とである。このような非接合性の材料として、一般的に
は、濡れ難く低摩擦係数で滑りが良く焼付性のない材料
が好ましい。具体的には、フッ素樹脂、シリコーン樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド−イミド樹脂などが挙
げられる。
【0016】フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン
(PCTEF)テトラフルオロエチレン−エチレン共重
合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PV
DF)、ポリビニルフルオライド(PVF)、クロロト
リフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)
等が挙げられる。金属材料は、樹脂材料を保持して、金
属−樹脂複合層の機械的強度を負担し熱変形を抑える機
能を有する。具体的な材料として、Ni、Fe、Cu、
Zn、Sn、Alの金属単体あるいは合金が挙げられ
る。これらの金属同士あるいは他の金属との合金であっ
てもよい。アルマイトなどの金属酸化物も使用できる。
エチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン
(PCTEF)テトラフルオロエチレン−エチレン共重
合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PV
DF)、ポリビニルフルオライド(PVF)、クロロト
リフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)
等が挙げられる。金属材料は、樹脂材料を保持して、金
属−樹脂複合層の機械的強度を負担し熱変形を抑える機
能を有する。具体的な材料として、Ni、Fe、Cu、
Zn、Sn、Alの金属単体あるいは合金が挙げられ
る。これらの金属同士あるいは他の金属との合金であっ
てもよい。アルマイトなどの金属酸化物も使用できる。
【0017】金属と樹脂との割合によって、金属−樹脂
複合層としての、硬度あるいは強度や、表面の非接合性
などの特性が変わる。樹脂が多いほど、表面の非接合性
は向上するが、硬度や強度、耐熱性は低下する傾向があ
る。具体的には、材料の組み合わせによっても異なる
が、金属−樹脂複合層中の樹脂量を10〜30重量%の
範囲に設定することができる。金属−樹脂複合層の厚み
は、10〜50μmの範囲に設定される。薄すぎると、
穴部への装着時やプラズマ溶射工程で損傷してしまって
コーティング膜との非接合機能が十分に発揮できなくな
る。厚すぎると、作製に手間とコストがかかる。
複合層としての、硬度あるいは強度や、表面の非接合性
などの特性が変わる。樹脂が多いほど、表面の非接合性
は向上するが、硬度や強度、耐熱性は低下する傾向があ
る。具体的には、材料の組み合わせによっても異なる
が、金属−樹脂複合層中の樹脂量を10〜30重量%の
範囲に設定することができる。金属−樹脂複合層の厚み
は、10〜50μmの範囲に設定される。薄すぎると、
穴部への装着時やプラズマ溶射工程で損傷してしまって
コーティング膜との非接合機能が十分に発揮できなくな
る。厚すぎると、作製に手間とコストがかかる。
【0018】金属−樹脂複合層は、芯材のうち、少なく
とも基材の穴部と当接する個所あるいはその周辺に設け
ておけばよい。勿論、芯材の全長にわたって金属−樹脂
複合層を設けることもできる。金属−樹脂複合層の作製
方法としては、前記した金属−樹脂複合層の構造を有し
目的の機能が発揮できれば、通常の金属−樹脂複合体の
形成手段が適用できる。具体的には、樹脂粒子が分散さ
れた金属めっき層、樹脂材料が含浸された多孔質金属
層、樹脂粒子が封入された多孔質金属層などが採用でき
る。 <フッ素樹脂粒子分散無電解ニッケルめっき層>金属−
樹脂複合層として、フッ素樹脂粒子が分散された無電解
ニッケルめっき層が採用できる。カニフロン(日本カニ
ゼン株式会社の商標)処理膜として知られており、粒径
1μm以下程度のフッ素樹脂の微粉末が分散されためっ
き液中でニッケルめっき処理をすることにより形成でき
る。ニッケルめっきにはリンを配合しておくことができ
る。
とも基材の穴部と当接する個所あるいはその周辺に設け
ておけばよい。勿論、芯材の全長にわたって金属−樹脂
複合層を設けることもできる。金属−樹脂複合層の作製
方法としては、前記した金属−樹脂複合層の構造を有し
目的の機能が発揮できれば、通常の金属−樹脂複合体の
形成手段が適用できる。具体的には、樹脂粒子が分散さ
れた金属めっき層、樹脂材料が含浸された多孔質金属
層、樹脂粒子が封入された多孔質金属層などが採用でき
る。 <フッ素樹脂粒子分散無電解ニッケルめっき層>金属−
樹脂複合層として、フッ素樹脂粒子が分散された無電解
ニッケルめっき層が採用できる。カニフロン(日本カニ
ゼン株式会社の商標)処理膜として知られており、粒径
1μm以下程度のフッ素樹脂の微粉末が分散されためっ
き液中でニッケルめっき処理をすることにより形成でき
る。ニッケルめっきにはリンを配合しておくことができ
る。
【0019】カニフロン処理膜の具体例として、Ni8
3〜86重量%、P7.5〜9重量%、PTFE樹脂6
〜8.5重量%(20〜25容量%)、密度6.4〜
6.8g/cm3のものや、Ni88〜90重量%、P
8〜9.5重量%、PTFE樹脂1.5〜3重量%(5
〜10容量%)、密度7.3〜7.6g/cm3のもの
が挙げられる。 <樹脂含浸多孔質金属層>金属の多孔質層を作製し、そ
こに樹脂材料を溶融状態で含浸させ硬化させたものであ
る。
3〜86重量%、P7.5〜9重量%、PTFE樹脂6
〜8.5重量%(20〜25容量%)、密度6.4〜
6.8g/cm3のものや、Ni88〜90重量%、P
8〜9.5重量%、PTFE樹脂1.5〜3重量%(5
〜10容量%)、密度7.3〜7.6g/cm3のもの
が挙げられる。 <樹脂含浸多孔質金属層>金属の多孔質層を作製し、そ
こに樹脂材料を溶融状態で含浸させ硬化させたものであ
る。
【0020】具体的には、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金の表面に硬質酸化膜(アルマイト)を作ること
で多孔質構造を形成し、この酸化膜にテフロン(デュポ
ン社の商標)を含浸させた、硬質アルマイトの1種であ
るタフラム(アルバックテクノ株式会社の商標)加工膜
が知られている。タフラム加工膜を採用する場合、芯材
としてアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用すれ
ば、芯材と金属−樹脂複合層とが一体化された詰栓が得
られる。タフラム加工膜の膜厚は20〜50μmが採用
できる。 <樹脂封入多孔質金属層>金属の表面に多孔性処理を施
し、そこに樹脂微粒子を封入したものである。
ウム合金の表面に硬質酸化膜(アルマイト)を作ること
で多孔質構造を形成し、この酸化膜にテフロン(デュポ
ン社の商標)を含浸させた、硬質アルマイトの1種であ
るタフラム(アルバックテクノ株式会社の商標)加工膜
が知られている。タフラム加工膜を採用する場合、芯材
としてアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用すれ
ば、芯材と金属−樹脂複合層とが一体化された詰栓が得
られる。タフラム加工膜の膜厚は20〜50μmが採用
できる。 <樹脂封入多孔質金属層>金属の表面に多孔性処理を施
し、そこに樹脂微粒子を封入したものである。
【0021】具体的には、多孔性処理を施したクロムめ
っき層を加熱して孔部を拡大し、その孔部に冷却収縮さ
せた4フッ化樹脂微粒子を封入し、孔部の冷却収縮と樹
脂微粒子の膨張とで、樹脂微粒子をクロムめっき層に強
固に圧着してなるテフロック(オテック株式会社の商
標)加工膜が知られている。 〔詰栓の取り付け〕詰栓は、基材の穴部に装着される。
具体的には、詰栓の先端側を穴部に押し込み、穴部を詰
栓で塞ぐとともに、詰栓を穴部に支持させる。詰栓の外
径と穴部の内径との間に締め代があれば、穴部と詰栓と
の間に隙間ができず詰栓の固定も強固になるが、実用的
には、締め代がほとんど無い状態でも、溶射材料の侵入
はそれほど問題にならない。詰栓を、手作業で穴部に押
し込める程度の嵌め合いのほうが、取付作業が行い易
い。
っき層を加熱して孔部を拡大し、その孔部に冷却収縮さ
せた4フッ化樹脂微粒子を封入し、孔部の冷却収縮と樹
脂微粒子の膨張とで、樹脂微粒子をクロムめっき層に強
固に圧着してなるテフロック(オテック株式会社の商
標)加工膜が知られている。 〔詰栓の取り付け〕詰栓は、基材の穴部に装着される。
具体的には、詰栓の先端側を穴部に押し込み、穴部を詰
栓で塞ぐとともに、詰栓を穴部に支持させる。詰栓の外
径と穴部の内径との間に締め代があれば、穴部と詰栓と
の間に隙間ができず詰栓の固定も強固になるが、実用的
には、締め代がほとんど無い状態でも、溶射材料の侵入
はそれほど問題にならない。詰栓を、手作業で穴部に押
し込める程度の嵌め合いのほうが、取付作業が行い易
い。
【0022】詰栓は、先端が穴部の底に到達するまで押
し込むようにすれば、作業性が良い。詰栓が固定できれ
ば、穴部の途中まで挿入するだけでも構わない。詰栓で
穴部を塞いだ状態で、詰栓のうち穴部の外に突き出す部
分の一部または全部を切除しておくことができる。詰栓
が長く突き出していると、溶射材料の流れを邪魔して、
穴部の周辺におけるコーティング膜の厚みが部分的に薄
くなる。但し、コーティング膜の作成後に詰栓を除去す
る際には、ある程度の長さで詰栓が残っているほうが便
利な場合がある。そこで、穴部の表面から突出する詰栓
の長さを1〜3mmに設定できる。詰栓の外周には、突
出部分の除去作業を行ない易くするためのクビレや切れ
目、弱め部などを設けておくこともできる。
し込むようにすれば、作業性が良い。詰栓が固定できれ
ば、穴部の途中まで挿入するだけでも構わない。詰栓で
穴部を塞いだ状態で、詰栓のうち穴部の外に突き出す部
分の一部または全部を切除しておくことができる。詰栓
が長く突き出していると、溶射材料の流れを邪魔して、
穴部の周辺におけるコーティング膜の厚みが部分的に薄
くなる。但し、コーティング膜の作成後に詰栓を除去す
る際には、ある程度の長さで詰栓が残っているほうが便
利な場合がある。そこで、穴部の表面から突出する詰栓
の長さを1〜3mmに設定できる。詰栓の外周には、突
出部分の除去作業を行ない易くするためのクビレや切れ
目、弱め部などを設けておくこともできる。
【0023】長い線状あるいは棒状の詰栓を、穴部に装
着し、穴部の外で詰栓を切断するという作業を繰り返せ
ば、1本の詰栓を複数個所の穴部に順次取り付けること
ができる。 〔コーティング膜〕コーティング膜は、基材の表面に各
種の機能や特性を付与するために適用される。溶射によ
るコーティング膜で基材に付与できる特性としては、遮
熱性、断熱性、耐熱性、耐食性、非反応性、耐磨耗性、
滑り性、電気絶縁性、半導体特性、静電性などが挙げら
れる。これらの目的に合わせて、コーティング膜の材料
が選択される。
着し、穴部の外で詰栓を切断するという作業を繰り返せ
ば、1本の詰栓を複数個所の穴部に順次取り付けること
ができる。 〔コーティング膜〕コーティング膜は、基材の表面に各
種の機能や特性を付与するために適用される。溶射によ
るコーティング膜で基材に付与できる特性としては、遮
熱性、断熱性、耐熱性、耐食性、非反応性、耐磨耗性、
滑り性、電気絶縁性、半導体特性、静電性などが挙げら
れる。これらの目的に合わせて、コーティング膜の材料
が選択される。
【0024】コーティング膜には、セラミックのほか、
セラミックと金属や樹脂との複合膜もある。具体的に
は、酸化物系セラミックスなどが挙げられる。コーティ
ング膜として、材質の異なる層を積層して構成する場合
もある。例えば、基材との接合性が良いアンダーコート
層と、目的の機能に優れたトップコート層とを組み合わ
せることができる。コーティング膜の厚みは、目的によ
っても異なるが、通常、100〜3000μmの範囲に
設定できる。なお、詰栓を構成する材料、特に金属−樹
脂複合層の材料は、コーティング膜の特性に合わせて、
非接合性の高い材料を選ぶことが望ましい。
セラミックと金属や樹脂との複合膜もある。具体的に
は、酸化物系セラミックスなどが挙げられる。コーティ
ング膜として、材質の異なる層を積層して構成する場合
もある。例えば、基材との接合性が良いアンダーコート
層と、目的の機能に優れたトップコート層とを組み合わ
せることができる。コーティング膜の厚みは、目的によ
っても異なるが、通常、100〜3000μmの範囲に
設定できる。なお、詰栓を構成する材料、特に金属−樹
脂複合層の材料は、コーティング膜の特性に合わせて、
非接合性の高い材料を選ぶことが望ましい。
【0025】〔溶射方法〕通常の溶射技術が適用され
る。溶射法では、コーティング膜の材料を、加熱により
溶融もしくは軟化させた状態で加速させ、基材の表面に
凝固・堆積させてコーティング膜を形成する。コーティ
ング膜の材質や目的によって、溶射方法および処理条件
は違ってくる。代表的な溶射法として、溶射材料をプラ
ズマ流によって加速し基材にコーティングするプラズマ
溶射のほか、フレーム溶射、爆発溶射、アーク溶射、レ
ーザー溶射などが知られている。
る。溶射法では、コーティング膜の材料を、加熱により
溶融もしくは軟化させた状態で加速させ、基材の表面に
凝固・堆積させてコーティング膜を形成する。コーティ
ング膜の材質や目的によって、溶射方法および処理条件
は違ってくる。代表的な溶射法として、溶射材料をプラ
ズマ流によって加速し基材にコーティングするプラズマ
溶射のほか、フレーム溶射、爆発溶射、アーク溶射、レ
ーザー溶射などが知られている。
【0026】プラズマ溶射の処理条件として、一般的に
は、プラズマ温度を1200〜1500℃に設定する。
処理時間は、1パス当たり300〜500mm/sec
の範囲である。この範囲の処理条件であれば、詰栓が溶
融して脱落したり穴部に固着してしまったりすることが
回避できる。 〔詰栓の除去〕コーティング膜が形成され、溶射工程が
終了すれば、基材の穴部から詰栓を抜き取ることができ
る。通常は、詰栓の上部を工具などで摘んで引き抜けば
よい。詰栓の金属−樹脂複合層はコーティング膜に対す
る接合性が極めて低いので、大きな力を加えなくても、
詰栓を引き抜くことができる。
は、プラズマ温度を1200〜1500℃に設定する。
処理時間は、1パス当たり300〜500mm/sec
の範囲である。この範囲の処理条件であれば、詰栓が溶
融して脱落したり穴部に固着してしまったりすることが
回避できる。 〔詰栓の除去〕コーティング膜が形成され、溶射工程が
終了すれば、基材の穴部から詰栓を抜き取ることができ
る。通常は、詰栓の上部を工具などで摘んで引き抜けば
よい。詰栓の金属−樹脂複合層はコーティング膜に対す
る接合性が極めて低いので、大きな力を加えなくても、
詰栓を引き抜くことができる。
【0027】詰栓を除去する際に、詰栓の表面に付着し
た溶射材料を、基材表面のコーティング膜と切り離して
おくことができる。 〔用途〕本発明の詰栓を用いた溶射コーティング方法
は、溶射によるコーティング膜の形成を行う各種機械装
置や構造部品に適用される。例えば、高温ガスにさらさ
れる熱機関や加熱炉などの遮熱面あるいは耐熱面の作製
に適用される。薄膜形成装置や半導体製造装置における
耐食面や絶縁面、導電面などの作製に適用される。化学
処理装置で薬液が接触する非反応性面の作製にも適用さ
れる。
た溶射材料を、基材表面のコーティング膜と切り離して
おくことができる。 〔用途〕本発明の詰栓を用いた溶射コーティング方法
は、溶射によるコーティング膜の形成を行う各種機械装
置や構造部品に適用される。例えば、高温ガスにさらさ
れる熱機関や加熱炉などの遮熱面あるいは耐熱面の作製
に適用される。薄膜形成装置や半導体製造装置における
耐食面や絶縁面、導電面などの作製に適用される。化学
処理装置で薬液が接触する非反応性面の作製にも適用さ
れる。
【0028】特に、コーティング膜を作製する面に、ガ
スや液体の噴出口や排出口が配置されていて、これらの
噴出口や排出口にコーティング材料を侵入しないように
しておく場合に有用である。さらに、コーティング膜を
作製したあとで、前記噴出口などに穴を明け直したり内
部の固着物除去を行ったりし難い用途に有用である。
スや液体の噴出口や排出口が配置されていて、これらの
噴出口や排出口にコーティング材料を侵入しないように
しておく場合に有用である。さらに、コーティング膜を
作製したあとで、前記噴出口などに穴を明け直したり内
部の固着物除去を行ったりし難い用途に有用である。
【0029】
【発明の実施の形態】図1−図3に示す実施形態は、多
数の小孔14を有する基材10の表面にプラズマ溶射で
コーティング膜30を形成する方法を示す。図1に示す
ように、基材10は、鋼またはAlからなり、表面部1
2と背面部16とが通気部18を介して配置されてい
る。表面部12には通気部18と連通する小孔14が、
間隔をあけて多数設けられている。小孔14を塞ぐ詰栓
20は、小孔14と同じ断面形状の線材からなる。詰栓
20は、芯材22と、芯材22の外周面を覆う金属−樹
脂複合層24とを有する。芯材22は、鋼線などの金属
材料で形成されている。金属−樹脂複合層24は、PT
FE樹脂粒子が分散された無電解ニッケルメッキ膜であ
る通称カニフロン(日本カニゼン株式会社の商標)処理
膜からなる。詰栓20の先端には面取り加工が施されて
あって、小孔14への嵌入が行い易くなっている。
数の小孔14を有する基材10の表面にプラズマ溶射で
コーティング膜30を形成する方法を示す。図1に示す
ように、基材10は、鋼またはAlからなり、表面部1
2と背面部16とが通気部18を介して配置されてい
る。表面部12には通気部18と連通する小孔14が、
間隔をあけて多数設けられている。小孔14を塞ぐ詰栓
20は、小孔14と同じ断面形状の線材からなる。詰栓
20は、芯材22と、芯材22の外周面を覆う金属−樹
脂複合層24とを有する。芯材22は、鋼線などの金属
材料で形成されている。金属−樹脂複合層24は、PT
FE樹脂粒子が分散された無電解ニッケルメッキ膜であ
る通称カニフロン(日本カニゼン株式会社の商標)処理
膜からなる。詰栓20の先端には面取り加工が施されて
あって、小孔14への嵌入が行い易くなっている。
【0030】詰栓20は、小孔14に嵌入される。図1
の左端に示されているように、詰栓20の下端が小孔1
4から通気部18を横断して背面部16の上面に当接さ
せる。この状態で、詰栓20の上端が、小孔14の上に
少し露出する程度に配置される。図1の真中に示すよう
に、詰栓20の下端が通気部18の途中までで止まって
いても構わない。図2に示すように、小孔14が詰栓2
0で塞がれた基材10の表面に、プラズマ溶射処理を施
して、コーティング膜30を形成する。コーティング膜
30の具体例として、アルミナセラミック膜が形成でき
る。
の左端に示されているように、詰栓20の下端が小孔1
4から通気部18を横断して背面部16の上面に当接さ
せる。この状態で、詰栓20の上端が、小孔14の上に
少し露出する程度に配置される。図1の真中に示すよう
に、詰栓20の下端が通気部18の途中までで止まって
いても構わない。図2に示すように、小孔14が詰栓2
0で塞がれた基材10の表面に、プラズマ溶射処理を施
して、コーティング膜30を形成する。コーティング膜
30の具体例として、アルミナセラミック膜が形成でき
る。
【0031】詰栓20で塞がれた小孔14には、溶射材
料が侵入することはない。詰栓20は、金属材料からな
る芯材22および金属−樹脂複合層24の何れも、十分
な耐熱性を有しているので、プラズマ流および溶射材料
からの熱が加わっても、融けたり過剰に変形したりして
しまうことはない。また、基材10およびコーティング
膜30に対する熱膨張率の違いが、樹脂製の詰栓に比べ
ると、はるかに少ないので、プラズマ溶射中とその後の
冷却過程において、コーティング膜30との間に大きな
熱応力が発生することもない。コーティング膜30に、
冷却過程で、亀裂が生じることが防げる。
料が侵入することはない。詰栓20は、金属材料からな
る芯材22および金属−樹脂複合層24の何れも、十分
な耐熱性を有しているので、プラズマ流および溶射材料
からの熱が加わっても、融けたり過剰に変形したりして
しまうことはない。また、基材10およびコーティング
膜30に対する熱膨張率の違いが、樹脂製の詰栓に比べ
ると、はるかに少ないので、プラズマ溶射中とその後の
冷却過程において、コーティング膜30との間に大きな
熱応力が発生することもない。コーティング膜30に、
冷却過程で、亀裂が生じることが防げる。
【0032】図3に示すように、プラズマ溶射作業が終
わり、コーティング膜30が形成されたあと、詰栓20
は除去される。詰栓20とコーティング膜30との接触
部分には、コーティング膜30に対する接合性がほとん
ど無い金属−樹脂複合膜24が配置されているので、詰
栓20を上方にそのまま引き抜いたり、少し捻るように
して引き上げたりすることで、詰栓20はコーティング
膜30と容易に分離されて、詰栓20だけを引き抜くこ
とができる。詰栓20と一緒にコーティング膜30の一
部が剥がれたり、コーティング膜30の内縁に亀裂が入
ったりすることが防止される。
わり、コーティング膜30が形成されたあと、詰栓20
は除去される。詰栓20とコーティング膜30との接触
部分には、コーティング膜30に対する接合性がほとん
ど無い金属−樹脂複合膜24が配置されているので、詰
栓20を上方にそのまま引き抜いたり、少し捻るように
して引き上げたりすることで、詰栓20はコーティング
膜30と容易に分離されて、詰栓20だけを引き抜くこ
とができる。詰栓20と一緒にコーティング膜30の一
部が剥がれたり、コーティング膜30の内縁に亀裂が入
ったりすることが防止される。
【0033】〔性能評価〕本発明の詰栓および溶射コー
ティング方法を実施して、その性能を評価した。比較技
術として、クロムめっき鋼材からなる詰栓を用いた。 <実施例:カニフロン(商標)処理膜詰栓>φ1mmの
鋼線に、カニフロン(商標)処理膜(フッ素樹脂粒子を
分散させた無電解ニッケル−リンめっき層)を、約20
μmの厚みで形成した。得られた金属−樹脂複合膜付の
鋼材を、10〜15mmの長さに切断して、詰栓を得
た。φ1mmの孔を多数貫通形成したアルミ板に対し、
各孔に詰栓を挿入して塞いだ。アルミ板の表面に、プラ
ズマ溶射で、0.4〜0.5mm厚のアルミナ皮膜を形
成した。プラズマ溶射の処理条件は、パス速度300〜
500mm/sec、プラズマ温度1200〜1500
℃であった。素地温度が50〜60℃まで冷却したあ
と、詰栓の引き抜き作業を行った。詰栓は、垂直方向に
引き抜くだけで、アルミナ皮膜と容易に分離して取り外
すことができた。アルミナ皮膜には、剥離やクラックな
どの欠陥は皆無であった。その後に、研磨ラップ仕上げ
加工を行ったが、仕上げ加工後のアルミナ皮膜にも、全
く欠陥は存在しなかった。
ティング方法を実施して、その性能を評価した。比較技
術として、クロムめっき鋼材からなる詰栓を用いた。 <実施例:カニフロン(商標)処理膜詰栓>φ1mmの
鋼線に、カニフロン(商標)処理膜(フッ素樹脂粒子を
分散させた無電解ニッケル−リンめっき層)を、約20
μmの厚みで形成した。得られた金属−樹脂複合膜付の
鋼材を、10〜15mmの長さに切断して、詰栓を得
た。φ1mmの孔を多数貫通形成したアルミ板に対し、
各孔に詰栓を挿入して塞いだ。アルミ板の表面に、プラ
ズマ溶射で、0.4〜0.5mm厚のアルミナ皮膜を形
成した。プラズマ溶射の処理条件は、パス速度300〜
500mm/sec、プラズマ温度1200〜1500
℃であった。素地温度が50〜60℃まで冷却したあ
と、詰栓の引き抜き作業を行った。詰栓は、垂直方向に
引き抜くだけで、アルミナ皮膜と容易に分離して取り外
すことができた。アルミナ皮膜には、剥離やクラックな
どの欠陥は皆無であった。その後に、研磨ラップ仕上げ
加工を行ったが、仕上げ加工後のアルミナ皮膜にも、全
く欠陥は存在しなかった。
【0034】ニッケル−リンめっき層に分散されたフッ
素樹脂微粒子が、アルミナ皮膜に対する優れた非接合性
を発揮した結果、アルミナ皮膜に対する詰栓の引き抜き
がスムーズに行え、アルミナ皮膜の欠陥も生じなかった
ものと評価できる。 <比較例:クロムメッキ鋼材からなる詰栓>実施例と同
じφ1mmの鋼線に、約20μmのクロムめっき層を形
成し、バフ研磨を行った。得られたクロムめっき鋼材か
ら、実施例と同様の詰栓を作製した。実施例と同じアル
ミ板の孔に詰栓を挿入して塞ぎ、同様のプラズマ溶射処
理でアルミナ皮膜を形成した。
素樹脂微粒子が、アルミナ皮膜に対する優れた非接合性
を発揮した結果、アルミナ皮膜に対する詰栓の引き抜き
がスムーズに行え、アルミナ皮膜の欠陥も生じなかった
ものと評価できる。 <比較例:クロムメッキ鋼材からなる詰栓>実施例と同
じφ1mmの鋼線に、約20μmのクロムめっき層を形
成し、バフ研磨を行った。得られたクロムめっき鋼材か
ら、実施例と同様の詰栓を作製した。実施例と同じアル
ミ板の孔に詰栓を挿入して塞ぎ、同様のプラズマ溶射処
理でアルミナ皮膜を形成した。
【0035】詰栓の引き抜きは、垂直に引き抜くだけで
は取り出しが困難であった。そこで、詰栓を1/2〜1
回転させて、円周面における付着縁切りを行ったあと、
垂直方向に引き上げた。1回目のテストでは、詰栓の周
辺部において、アルミナ皮膜に浮き上がり剥離が発生し
ていた。2回目のテストでは、詰栓を引き抜いたときに
は剥離などは確認されなかったが、その後に、研磨ラッ
プ仕上げ加工を行うと、貫通孔の周辺部でアルミナ皮膜
にミクロクラックが発生していた。通常、クロムめっき
層にバフ研磨をしておくと、セラミック溶射皮膜は付着
し難いとされている。しかし、細い詰栓の場合、プラズ
マ溶射時の熱で、熱容量の小さな詰栓のクロムめっき層
が変質して、アルミナ皮膜に対する付着が生じてしまっ
たものと推定できる。
は取り出しが困難であった。そこで、詰栓を1/2〜1
回転させて、円周面における付着縁切りを行ったあと、
垂直方向に引き上げた。1回目のテストでは、詰栓の周
辺部において、アルミナ皮膜に浮き上がり剥離が発生し
ていた。2回目のテストでは、詰栓を引き抜いたときに
は剥離などは確認されなかったが、その後に、研磨ラッ
プ仕上げ加工を行うと、貫通孔の周辺部でアルミナ皮膜
にミクロクラックが発生していた。通常、クロムめっき
層にバフ研磨をしておくと、セラミック溶射皮膜は付着
し難いとされている。しかし、細い詰栓の場合、プラズ
マ溶射時の熱で、熱容量の小さな詰栓のクロムめっき層
が変質して、アルミナ皮膜に対する付着が生じてしまっ
たものと推定できる。
【0036】
【発明の効果】本発明にかかる溶射コーティング方法
は、プラズマ溶射などの溶射法でコーティング膜を形成
する際に、基材の穴部を、金属芯材を金属−樹脂複合層
で覆った詰栓で塞いでおくことで、詰栓がコーティング
膜に悪影響を及ぼさない。すなわち、溶射時に加わる熱
で詰栓が融けることがない。詰栓とコーティング膜とが
接合しないので、詰栓を除去したときにコーティング膜
の剥がれや亀裂発生が生じることがない。詰栓の熱変形
特性がコーティング膜および基材に近いので、溶射時の
加熱およびその後の冷却過程でコーティング膜との間に
過大な熱応力が発生せず、熱応力によるコーティング膜
の損傷や亀裂発生が防止できる。
は、プラズマ溶射などの溶射法でコーティング膜を形成
する際に、基材の穴部を、金属芯材を金属−樹脂複合層
で覆った詰栓で塞いでおくことで、詰栓がコーティング
膜に悪影響を及ぼさない。すなわち、溶射時に加わる熱
で詰栓が融けることがない。詰栓とコーティング膜とが
接合しないので、詰栓を除去したときにコーティング膜
の剥がれや亀裂発生が生じることがない。詰栓の熱変形
特性がコーティング膜および基材に近いので、溶射時の
加熱およびその後の冷却過程でコーティング膜との間に
過大な熱応力が発生せず、熱応力によるコーティング膜
の損傷や亀裂発生が防止できる。
【図1】 本発明の実施形態を表す詰栓装着工程の断面
図
図
【図2】 プラズマ溶射工程の断面図
【図3】 詰栓除去後の断面図
10 基材
12 表面部
14 小孔
16 裏面部
18 通気部
20 詰栓
22 金属芯材
24 金属−樹脂複合層
30 コーティング膜
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 松永 忠和
兵庫県尼崎市道意町7丁目17番地2 株式
会社尼崎特材研内
Fターム(参考) 4K022 AA02 AA34 AA41 AA48 AA49
BA14 BA16 BA34 DA01
4K031 AA01 AA08 AB02 AB03 AB07
AB08 AB09 BA06 CB41 CB42
CB51 DA01 DA03 DA04 DA07
EA12 FA13
4K044 AA02 AA06 AB04 AB08 BA02
BA21 BC01 BC11 CA18 CA53
Claims (4)
- 【請求項1】基材の表面に溶射によってコーティング膜
を形成する方法であって、 金属材料からなる芯材と、前記コーティング膜に対して
非接合性の樹脂材料と金属材料との複合体からなり前記
芯材の外周を覆う金属−樹脂複合層とを有する詰栓で、
前記基材のうち前記コーティング膜を形成しない穴部を
塞ぐ工程(a)と、 前記工程(a)のあとで、前記基材の表面に溶射を行って
コーティング膜を形成する工程(b)と、 前記工程(b)のあとで、前記基材の穴部から前記詰栓を
抜き取る工程(c)とを含む溶射コーティング方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の溶射コーティング方法に
用いる詰栓であって、 鉄、銅、アルミからなる群から選ばれる何れかの金属の
単体または合金である金属材料からなり、外径0.5〜
1.3mmの芯材と、 フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂からなる
群から選ばれる何れかの樹脂であって前記コーティング
膜に対して非接合性の樹脂材料と、ニッケル、クロム、
アルミからなる群から選ばれる何れかの金属の単体、合
金または金属酸化物である金属材料との複合体からな
り、芯材の外周を覆う厚み10〜50μmの金属−樹脂
複合層とを備え、 前記基材の穴部と実質的に同じ断面形状を有し、 前記基材の穴部を塞いだときに、前記穴部の表面から1
〜3mm突出する全長を有する溶射コーティング用詰
栓。 - 【請求項3】前記詰栓の金属−樹脂複合層が、樹脂粒子
が分散された金属めっき層、樹脂材料が含浸された多孔
質金属層、樹脂粒子が封入された多孔質金属層からなる
群から選ばれる何れか1種である請求項2に記載の溶射
コーティング用詰栓。 - 【請求項4】前記金属−樹脂複合層が、フッ素樹脂粒子
が分散された無電解ニッケルめっき層である請求項3に
記載の溶射コーティング用詰栓。
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