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JP2003342670A - 靭性の優れた非調質高張力鋼 - Google Patents

靭性の優れた非調質高張力鋼

Info

Publication number
JP2003342670A
JP2003342670A JP2002150169A JP2002150169A JP2003342670A JP 2003342670 A JP2003342670 A JP 2003342670A JP 2002150169 A JP2002150169 A JP 2002150169A JP 2002150169 A JP2002150169 A JP 2002150169A JP 2003342670 A JP2003342670 A JP 2003342670A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
toughness
heat treated
ferrite
strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002150169A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshinaga Hasegawa
俊永 長谷川
Masanori Minagawa
昌紀 皆川
Hiroyuki Shirahata
浩幸 白幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2002150169A priority Critical patent/JP2003342670A/ja
Publication of JP2003342670A publication Critical patent/JP2003342670A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は複雑な製造工程や高価な合金元素
の多量添加を必要としない、生産性が良好で、かつ、製
造コストの低い、靭性の優れた引張強度が490MPa
級以上の非調質高張力鋼を提供する。 【解決手段】 所定の成分を含有し、かつ、析出強化能
の指標であるNb当量を0.005〜0.1%とし、さ
らに、フェライトの平均粒径が10μm以下、フェライ
ト分率が70%以上で、かつ、ベイナイトとマルテンサ
イトとの合計の分率が10%以下である組織とすること
により非調質鋼において良好な靭性を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼入焼戻しやTM
CPによらない、靭性の優れた引張強度が490MPa
級以上の非調質高張力鋼に関するものである。特に板厚
が50mm程度以下の優れた溶接性と強度・靭性とが両
立した鋼の製造に有用である。用途としては、例えば、
建築構造物、海洋構造物、船舶、橋梁、ラインパイプ等
の溶接構造物に用いることができる。また、鋼の形態は
特に問わないが、構造部材として用いられ、低温靭性が
要求される鋼板、特に厚板、鋼管素材、あるいは形鋼で
有用である。
【0002】
【従来技術】一般に、引張強度が490MPa以上の高
張力鋼、特に溶接性、溶接熱影響部(HAZ)の靱性が
必要な溶接構造用高張力鋼においては、低炭素当量(C
eq.)化ないしは低Pcm化のために、焼入れ焼戻
し、あるいは水冷型加工熱処理(TMCP)等の調質処
理により製造されるのが一般的である。しかし、該製造
方法は必然的に工程数の増加、製造コストの増大、さら
には水冷による鋼材形状の悪化等の問題が避けられな
い。一方、熱間圧延のままあるいは焼きならしで製造す
る非調質高張力鋼の場合は、細粒強化、変態強化が調質
高張力鋼に比べて小さい分、強度を高めることが困難で
あり、引張強度が490MPa以上の高張力鋼を製造し
ようとすると、必然的に合金元素あるいは析出強化元素
を比較的多量の含有せざるを得ず、その結果、合金コス
トの増加、溶接性の劣化及びHAZ靱性の劣化が避けら
れない。
【0003】非調質高張力鋼としては、従来から、析出
強化元素である、NbやVを利用した鋼が提示されてい
る。例えば、ASTM規格A633E鋼ではVNによる
焼きならし時の細粒化を利用して強度・靱性の向上を図
っている。また、最近では、析出元素を適正化した高生
産性の引張強度が70kgf/mm級の非調質鋼も特
開2000−8135号公報で開示されている。しか
し、これらは母材の強度・靱性向上は留意さているもの
の、溶接性やHAZ靱性に対する配慮はなく、厳しい低
温靱性が要求される溶接構造用鋼として用いることには
難がある。また最近、低炭素ベイナイト鋼を厚手鋼板に
適用した例が示されている。例えば、特開平8−144
019号公報に開示されているように、C量を0.03
%程度まで低減し、Nb、Bの添加により、水冷せずに
ベイナイト組織を得ることで、溶接性と強度とを両立さ
せている。ただし、母材靱性を確保するためには制御圧
延が必須であり、生産性に問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、複雑な製造
工程や高価な合金元素の多量添加を必要としない、生産
性が良好で、かつ、製造コストの低い手段により製造が
可能な、靭性の優れた引張強度が490MPa級以上の
非調質高張力鋼を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】圧延後の加速冷却や再加
熱熱処理を行わない、非調質鋼の製造において、生産性
を高めるためには、鋼の変形抵抗が小さくなるように高
温加熱・高温圧延を指向し、さらに、制御圧延を行わな
いか、可能な限り高温で仕上げることが必要となる。ま
た、生産性向上以外に製造コストを低減するためには、
強度・靭性向上のために多量添加が必要で原料価格が高
価な、Ni,Cu,Cr等の固溶強化元素の使用を極力回
避し、微量で強度向上効果が大きい、Nb,V等の析出
強化元素を活用する必要がある。本発明者らは上記観点
から、詳細な検討を行い、生産性向上のためには、高温
加熱でも加熱オーステナイト粒径の微細化が可能な、安
定なピンニング粒子を高密度に分散させた鋼を用いて、
析出強化元素による強化を活用した化学組成とすること
が第一に必要であるが、さらに、特に靭性と降伏応力と
を確保するためには、これら要件に加えて、変態組織を
適正化する必要があることを知見し、発明に至った。そ
の要件は下記の通りである。
【0006】(1)質量%で、C :0.05〜0.2%、
Si:0.05〜1%、Mn:0.1〜2%、P:0.015%
以下、S:0.01%以下、Al:0.005〜0.1%、N:
0.001〜0.01%を含有し、さらに、Nb:0.0
03〜0.1%、V:0.01〜0.5%、Mo:0.
01〜1%、W :0.01〜1%、Ta:0.003
〜0.1%、Zr:0.005〜0.2%の1種または
2種以上を含有し、かつ、下記(A)式で示されるNb
当量が0.005〜0.1%の範囲を満足し、残部がF
e及び不可避不純物よりなる鋼で、該鋼中に、その組成
が、少なくともCa、Al、Oを含み、Oをのぞいた元
素が質量比で、Ca:5%以上、Al:5%以上を含む、円
相当径で0.005〜2μmの酸化物粒子を単位面積当
たりの個数で、200〜3000個/mm含有し、更
に、フェライトの平均粒径が10μm以下、フェライト
分率が70%以上で、かつ、ベイナイトとマルテンサイ
トとの合計の分率が10%以下である組織を有すること
を特徴とする靭性の優れた非調質高張力鋼。 Nb当量=Nb%+V%/5+Mo%/10+W%/10+Ta%+Zr% /2 ・・・(A) (2)前記酸化物粒子の組成が少なくともCa,Al,
O,Sを含み、Oを除いた元素が質量比で、Ca:5%以
上、Al:5%以上、S:1%以上、を含有することを特徴
とする前記(1)に記載の靭性の優れた非調質高張力
鋼。
【0007】(3)鋼中にさらに、質量%でMgを0.
0001〜0.002%含有し、かつ前記酸化物粒子の組
成が少なくともCa,Al,Mg,Oを含み、Oを除いた
元素が質量比で、Ca:5%以上、Al:5%以上、Mg:
1%以上、を含有することを特徴とする前記(1)に記
載の靭性の優れた非調質高張力鋼。(4)前記酸化物粒
子の組成が少なくともCa,Al,Mg,O,Sを含み、O
を除いた元素が質量比で、Ca:5%以上、Al:5%以
上、Mg:1%以上、S:1%以上、を含有することを特
徴とする前記(3)に記載の靭性の優れた非調質高張力
鋼。
【0008】(5)質量%で、Ni:0.1〜3%、C
u:0.05〜1.5%、Cr:0.05〜1%、B:
0.0002〜0.005%、の1種または2種以上を
含有することを特徴とする前記(1)乃至(4)のいず
れかに記載の靭性の優れた非調質高張力鋼。(6)質量
%で、Y:0.001〜0.01%、La:0.005
〜0.1%、Ce:0.005〜0.1%、のうち1種
または2種以上を含有することを特徴とする前記(1)
乃至(5)のいずれかに記載の靭性の優れた非調質高張
力鋼。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては析出強化を基本
的な強化機構とする。本発明者らは、微量で強度向上に
有効な元素の探索と、強度上昇に応じた靭性劣化が比較
的小さい元素を探索した結果、Nb,V,Mo,W,Ta,
Zrが有効であり、各々に適正な含有量の範囲があると
ともに、その合計量についても一定の制限を設ける必要
があることを知見するに至った。先ず、個々の元素の範
囲としては、Nb:0.003〜0.1%、V:0.0
1〜0.5%、Mo:0.01〜1%、W :0.01
〜1%、Ta:0.003〜0.1%、Zr:0.00
5〜0.2%とする。
【0010】Nb量を0.003〜0.1%としたの
は、0.003%未満では熱間圧延後の冷却中に析出が
生じ難く、その結果析出強化量が明瞭に生じないためで
あり、一方、0.1%超になると、加熱・圧延中に粗大
に析出して強化に無効となるのに加えて粗大な析出物が
靭性を顕著に劣化させるためである。Vの場合は0.0
1%未満では析出強化量が明瞭に生じないため、一方、
0.5%超になると、粗大な析出が生じて、強化に無効
となるのに加えて靭性を顕著に劣化させるため、その範
囲を0.01〜0.5%に限定する。
【0011】Mo,WはNb,Vと同等の効果を発揮させ
るためには、若干多量に含有させる必要がある。Mo、
Wとも、含有量が0.01%未満では析出強化を明瞭に
生じないため、好ましくなく、一方、1%超と過剰に含
有させると、粗大な析出物を形成して靭性を劣化させる
とともに、溶接性も阻害するため、本発明においては、
Mo,Wともその適正範囲を0.01〜1%とした。T
a,ZrもNbとほぼ同等か、若干弱い析出強化能を有
する。効果を発揮するためには、少なくとも、Taは
0.003%、Zrは0.005%含有させる必要があ
る。一方、析出物が粗大化せずに靭性を顕著に劣化させ
ない上限は、Taは0.1%、Zrは0.2%となる。
【0012】以上が、析出強化のために用いる、Nb,
V,Mo,W,Ta,Zrにおける個々の範囲の限定理由で
ある。該元素は単独だけでなく、複合添加でも有効に析
出強化による鋼の高強度化に用いることができるが、そ
の場合には、析出強化を確実に発揮させるためと、過剰
な添加による悪影響を回付するために、上記(A)式で
示す、Nb当量を0.005〜0.1%に限定する。N
b当量は析出強化能、析出による靭性劣化程度をNbと
の相対比較で示した指標である。Nb当量が0.005
%未満であると、本発明のような熱処理を行わない非調
質高張力鋼の場合には析出強化による強度向上が明確に
は望めない。一方、個々の元素は各々の上限以下に含有
されていても、Nb当量が0.1%を超えると、析出強
化に起因する脆化が著しく、本発明の組織要因を満足し
ていても、構造用鋼としての十分な靭性確保が困難とな
る。従って、本発明においては、個々の析出強化元素の
範囲を規定した上でさらにNb当量の範囲を0.005
〜0.1%に限定する。
【0013】上記のように、本発明においては析出強化
元素による析出強化を強化機構の主体としているが、析
出強化には不可避的に靭性の劣化を伴う。従って、析出
強化を鋼の強化に有効に活用するためには、析出による
靭性劣化を析出強化を損なうことなく、靭性を向上させ
る方法が必要となる。本発明者らは、このような観点か
らの、析出強化を最大限に利用するのに適した鋼組織を
探求した。その結果、「フェライトの平均粒径が10μ
m以下、フェライト相の分率が70%以上で、かつ、ベ
イナイトとマルテンサイトと合計の分率が10%以下で
ある組織を有する」ことが強度と靭性のバランスの上で
最も好適な組織要件であることを新たに知見した。
【0014】フェライト主体の非調質鋼組織において
は、フェライトの細粒化が靭性向上に有効である。当
然、フェライト粒径は微細なほど靭性は向上する。ただ
し、本発明において、Nb当量が0.005〜0.1%
である場合の析出強化に伴う靭性劣化分を、フェライト
の微細化だけで保証しようとすると、オーステナイトの
低温域で累積圧下率の大きな制御圧延を行わざるを得
ず、生産性の大幅な低下を招くため、本発明の目的から
は好ましくない。本発明者らは靭性を支配する組織因子
を詳細に検討し、靭性を向上させるためには、フェライ
トの微細化だけでなく、パーライト、ベイナイト、さら
にはマルテンサイト等のフェライト以外の第二相の抑制
も有効であり、第二相の抑制と一定のフェライトの微細
化を適性に組み合わせることによって、生産性を損なわ
ずに靭性を確保できることを見いだした。すなわち、フ
ェライト分率を70%以上とし、かつ残部の第二相の
内、ベイナイトとマルテンサイトの合計の分率を10%
以下とすることで、フェライト粒径は最大10μm以下
であれば、析出による靭性劣化を補って十分な靭性を確
保することが可能となる。
【0015】圧延後に加速冷却を行わない非調質鋼にお
いては、フェライト変態中にCが未変態のオーステナイ
ト相中に濃化するため、ベイナイトやマルテンサイトは
Cが高い故に靭性が劣る。そのため、ベイナイトとマル
テンサイトの合計分率として、10%以下とする必要が
ある。ベイナイトやマルテンサイトに比べてパーライト
は靭性への悪影響が小さいが、その分率は少ないほど好
ましく、フェライト分率でみて、70%以上とする必要
がある。すなわち、第二相としては30%未満とすべき
で、かつ、該第二相としては、ベイナイトとマルテンサ
イトを10%以下に抑制して、パーライト主体とすべき
である。第二相分率が30%未満で、該第二相として、
ベイナイトとマルテンサイトが10%以下に抑制されて
いれば、本発明の非調質鋼において靭性を確保するため
に必要なフェライト粒径の上限は10μmとなる。フェ
ライト粒径が10μm超では、第二相におけるベイナイ
トとマルテンサイトの合計分率が10%以下でも靭性が
大幅に劣化する可能性が大となる。一方、フェライト粒
径は微細であるほど靭性は向上するが、過剰に微細化す
ることは鋼の製造工程に不可をかけ、生産性を低下させ
ることになるため、好ましくない。フェライト粒径が1
0μm以下で、かつ生産性を低下させない範囲でフェラ
イトを微細化することが好ましい。
【0016】ベイナイトとマルテンサイトの分率を合計
で10%以下と限定する第一の目的は靭性確保にある
が、本要件は、靭性とは全く異なる強度特性安定確保の
ためにも必須要件である。すなわち、フェライト主体の
組織の鋼において、剪断的に変態するベイナイトあるい
は/及びマルテンサイトが一定以上存在すると、ベイナ
イトあるいは/及びマルテンサイト変態時にフェライト
相に可動転位が局所的に導入され、降伏応力が極端に低
下する問題が生じる。圧延後水冷するTMCP鋼では組
織全体に比較的均一に多量に転位が導入されるため、極
端に降伏応力が低下することはない。また、調質鋼であ
れば、焼戻し処理のときに可動転位が再度固着されるた
めにやはり極端に降伏応力が低下することはない。な
お、本発明で言うところの分率は、実質的には、断面の
光学顕微鏡組織あるいは電子顕微鏡組織で観察した場合
の面積率を指すが、組織が等方性であれば体積率と等価
である。
【0017】生産性向上のために、熱間圧延におけ鋼片
の再加熱を高温化することを可能にし、及び低温での制
御圧延を回避し、その上で靭性を劣化させないために
は、鋼片加熱時の加熱オーステナイト粒径が高温加熱に
よっても粗大化しないことが必要となる。そのために、
本発明おいては、高温でも安定なピンニング粒子を鋼中
に高密度に分散させ、熱間圧延前の鋼片の加熱段階にお
けるオーステナイト粒径微細化を図る。オーステナイト
の粒界をピンニングし、粒界の移動を止める作用を有す
る分散粒子の一つとしては、従来、Ti窒化物が有効で
あると考えられていた。しかしながらTi窒化物は14
00℃以上の高温では固溶する割合が大きくなるため、
ピンニング効果が小さくなる。これに対し、高温で安定
な酸化物と硫化物とを併せてピンニング粒子として活用
することが有効である。
【0018】また、分散粒子による結晶粒界のピンニン
グ効果は、分散粒子の体積率が大きいほど、一個の粒子
径が大きいほど大きい。ただし、分散粒子の体積率は鋼
中に含まれる粒子を構成する元素の濃度によって上限が
あるので、体積率を一定と仮定した場合には、粒子径は
ある程度小さい方がピンニングには有効である。酸化物
および硫化物の体積分率を大きくする手段の一つとし
て、酸素量、硫黄量を増大させることがあるが、酸素
量、硫黄量の増大は材質に有害な粗大介在物をも多数生
成する原因となるため、有効な手段ではない。酸素およ
び硫黄を最大限に利用するためには、酸素および硫黄と
の溶解度積が小さい元素を活用することが有効である。
酸素との溶解度積が小さい、すなわち強脱酸元素とし
て、一般的にはAlが用いられる。しかしながら、Al
だけでは酸素を充分利用するには不充分で、さらにAl
よりも強い脱酸元素が必要で、Mg、さらにはCaを活
用することが重要である。
【0019】硫化物を生成しやすい元素として、Mnが
挙げられる。しかしながら、Mnだけでは硫黄を活用す
るには不充分で、硫黄との溶解度積が小さい、すなわち
安定した硫化物を生成するにはやはりMg、Caの活用
が有効である。Ca、Mgを用いた溶解実験を行った結
果、鋼中に生成する酸化物粒子の組成として、Caが5
%以上、Mgが1%以上含まれることで、酸化物の体積
分率すなわち酸化物量を大きくすることが可能となるこ
とを知見した。さらには、酸化物の周囲にCaSおよび
MgSといった硫化物が析出することで、酸化物と硫化
物とを併せてより一層の体積分率の増加が可能となるこ
とを見出した。その場合、酸化物と硫化物とを併せて一
つの粒子と見なしたときの組成が、Mgを含まない場合
で、Oを除いた元素が質量比で、CaとAlが5%以
上、Sが1%以上含まれる必要がある。また、粒子がM
gを含む場合は、Oを除いた元素が質量比で、Ca及び
Alが5%以上、Mg及びSが1%以上含まれる必要が
ある。なお、酸化物中にSを含む場合、酸化物と硫化物
とが複合化している場合、酸化物を核として硫化物が該
酸化物の周囲に析出している場合、いずれもオーステナ
イトの成長抑制には同等の効果を有する。以降で、酸化
物あるいはピンニング粒子としているものも、特に断ら
ない限り、上記の粒子を包含することとする。この結果
をもとに、鋼中に含まれる粒子の組成が下記のいずれか
を満足することが有効となる。
【0020】酸化物が少なくともCa,Al,Oを含
み、Oをのぞいた元素が質量比で、Ca:5%以上、A
l:5%以上を含む。必要に応じて、該酸化物中に、さ
らにS:1%以上を含む。酸化物が少なくともCa,
Al,Mg,Oを含み、Oをのぞいた元素が質量比で、C
a:5%以上、Al:5%以上、Mg:1%以上を含
む。必要に応じて、該酸化物中に、さらにS:1%以上
を含む。上記要件を満足していれば、該酸化物にその他
の元素、例えば、Si,Mn,Ti,Y,La,Ce等が含
まれていても効果が損なわれることはない。次にピンニ
ングに有効な粒子の大きさについて述べる。分散粒子に
よる結晶粒界のピンニング効果は、分散粒子の体積率が
大きいほど、一個の粒子径が大きいほど大きいが、粒子
の体積率が一定のとき、一個の粒子の大きさが小さい方
が粒子数が多くなりピンニング効果が大きくなるが、あ
まり小さくなると粒界に存在する粒子の割合が小さくな
るため、その効果は低減する。粒子の大きさを種々変化
させた試験片を用いて、高温に加熱したときのオーステ
ナイト粒径を詳細に調査した結果に基づいて、ピンニン
グには粒子の大きさとして、直径で、0.005〜2μ
mのものが効果が大きいことをつきとめ、さらにその中
でも、0.1〜2μmの粒子の大きさが特に有効である
ことを知見した。この結果より、必要な粒子径を0.0
05〜2μm、その中でも特に0.1〜2μmとした。
【0021】次に鋼片の高温再加熱時にオーステナイト
粒径が安定となるために必要なピンニング粒子の個数に
ついて検討した。粒子個数が多いほど加熱オーステナイ
ト粒径は微細化するが、粒子数が200個/mm以上
であれば、微細な加熱オーステナイト粒径、具体的には
鋼片の加熱温度が1300℃以下であれば、確実にオー
ステナイト粒径を約50μm以下とすることが可能とな
る。ただし、さらに粒子数を増加させても、ピンニング
効果は徐々に飽和する傾向にある。必要以上に粒子個数
を多くすることは靭性に有害な粗大な粒子が生成する可
能性が高くなり、また現在の工業技術では限界もあるこ
とを考え、粒子数の上限を3000個/mmに限定し
た。該酸化物の大きさおよび個数の測定は、例えば以下
の要領で行なう。母材となる鋼板から抽出レプリカを作
製し、それを電子顕微鏡にて10000倍で20視野以
上、観察面積にして1000μm以上を観察すること
で該酸化物の大きさおよび個数を測定する。このとき鋼
板の表層部から中心部までどの部位から採取した抽出レ
プリカでもよい。また、粒子が適正に観察可能であれ
ば、観察倍率を低くしてもかまわない。
【0022】酸化物粒子は溶鋼を脱酸する際に生成す
る。これを一次酸化物と称する。さらには鋳造、凝固中
に溶鋼温度の低下とともにTi−Al−Ca酸化物は生
成する。これを二次酸化物と称する。本発明では、一次
酸化物と二次酸化物とのどちらを用いてもかまわない。
構造用鋼として必要な特性を具備するためには、また、
加熱オーステナイト粒の成長をピンニングする安定な粒
子を適正に分散させるためには、析出強化元素以外の元
素についても、個々に限定する必要がある。以下、N
b,V,Mo,W,Ta,Zr以外の元素についての限定理
由を説明する。先ず、Cはパーライト等の第二相を形成
することにより、また、Nb,V,Mo,W,Ta,Zrと
結びついて炭化物形成することにより、鋼の強度を向上
させる有効な成分として添加するもので、0.05%未
満では、本発明において強度発現の基本としている析出
強化代が十分でなく、構造用鋼に必要な強度の確保が困
難であり、また、0.2%を超える過剰の添加は第二相
分率が過大となり、また炭化物が粗大となって靭性を極
端に劣化させるため、また、耐溶接割れ性も著しく低下
させるため、0.01〜0.2%の範囲とした。次に、
Siは脱酸元素として有用であり、また、母材の強度確
保にも有効な元素である。0.05未満では脱酸の効果
が十分でなく、一方、1%を超える過剰の添加はHAZ
に高炭素島状マルテンサイトを生成してHAZ靭性を低
下させるため、本発明ではSiの範囲を0.05〜1%
とした。
【0023】また、Mnは母材の強度靭性の確保に必要
な元素であり、最低限0.1%以上添加する必要がある
が、過剰に添加するとHAZ靭性、溶接割れ性などが劣
化するため、許容できる範囲で上限を2%とした。Pは
不純物元素として、母材、HAZともに靭性に悪影響を
及ぼすので、極力低減するべきであり、本発明では上限
を0.015%とした。Sは硫化物を形成して延性を大
きく劣化させる元素であるため、極力低減する必要があ
り、本発明では上限を0.01%とした。Alは脱酸に
有用な元素であり、またAlNにより母材の加熱オース
テナイト粒径微細化に有効な元素であるが、効果を発揮
するためには0.005%以上含有する必要がある。一
方、0.1%を超えて過剰に含有すると、加熱オーステ
ナイト微細化に有効な微細酸化物の分散に悪影響を及ぼ
し、かつ粗大な酸化物を形成して延性を劣化させるた
め、0.005%〜0.1%の範囲に限定する必要があ
る。
【0024】Nは固溶状態では延性、靭性に悪影響を及
ぼすため、好ましくないが、V,AlやTiと結びつい
てオーステナイト粒微細化や析出強化に有効に働くた
め、微量であれば機械的特性向上に有効である。また、
工業的に鋼中のNを完全に除去することは不可能であ
り、必要以上に低減することは製造工程に過大な負荷を
かけるため好ましくない。そのため、延性、靭性への悪
影響が許容できる範囲で、かつ、工業的に制御が可能
で、製造工程への負荷が許容できる範囲として下限を
0.001%とする。過剰に含有すると、固溶Nが増加
し、延性や靭性に悪影響を及ぼす可能性があるため、許
容できる範囲として上限を0.01%とする。Tiは加
熱オーステナイト粒径微細化を酸化物によるピンニング
で行う場合には、適正に添加が必要である。効果を発揮
するためには0.005%以上必要である一方、0.0
3%を超えると粗大なTiNや酸化物を形成する恐れが
あるため、本発明においてはTiは0.005〜0.0
3%に限定する。CaもTiと同様、酸化物の微細分散
を加熱オーステナイト微細化に用いる場合には必須の元
素である。加熱オーステナイト粒径微細化に効果を発揮
するためには0.0005%以上必要である一方、0.
003%を超えると粗大な硫化物や酸化物を形成する恐
れがあるため、本発明においてはCaは0.0005〜
0.003%に限定する。
【0025】また、Mgも酸化物微細分散に有効であ
り、必要に応じて添加する。添加する場合は、0.00
01〜0.002%の範囲とするが、これは0.000
1%未満では効果が明確でなく、0.002%超では酸
化物の粗大化が懸念されるためである。以上が、本発明
において重要な元素及び不純物元素の限定理由である
が、本発明においては、強度・靭性の調整のために、必
要に応じて、さらにNi,Cu,Cr,Bの1種または2
種以上を含有することができる。Niは母材の強度と靭
性を同時に向上でき、非常に有効な元素であるが、効果
を発揮するためには0.1%以上の添加が必要である。
Ni量は増加するほど母材の強度・靭性を向上させる
が、6%を超えるような過剰な添加では、効果が飽和す
る一方で、焼入性が過剰となって、ベイナイトやマルテ
ンサイト、さらには残留オーステナイトの形成を抑制す
ることが困難で、降伏応力の顕著な低下を生じる懸念が
ある。さらには、高価な元素であるため、経済性も考慮
して、本発明においてはNiの上限を3%とする。
【0026】CuもNiとほぼ同様の効果を有する元素
であるが、効果を発揮するためには0.05%以上の添
加が必要であり、1.5%超の添加では熱間加工性やH
AZ靭性に問題を生じるため、本発明においては、0.
05〜1.5%の範囲に限定する。Crは焼入性の向
上、固溶強化により強度向上に有効な元素であり、効果
を生じるためには0.05%以上必要であるが、Crは
過剰に添加すると硬さの増加、粗大析出物の形成等を通
して、母材やHAZの靭性に悪影響をおよぼすため、許
容できる範囲として、上限を1%に限定する。 Bは極
微量で焼入性を高める元素であり、高強度化に有効な元
素である。Bは固溶状態でオーステナイト粒界に偏析す
ることによって焼入性を高めるため、極微量でも有効で
あるが、0.0002%未満では粒界への偏析量を十分
に確保できないため、焼入性向上効果が不十分となった
り、効果にばらつきが生じたりしやすくなるため好まし
くない。一方、0.005%を超えて添加すると、鋼片
製造時や再加熱段階で粗大な析出物を形成する場合が多
いため、焼入性向上効果が不十分となったり、鋼片の割
れや析出物に起因した延性劣化、靭性劣化を生じる危険
性も増加する。そのため、本発明においては、Bの範囲
を0.0002〜0.005%とする。
【0027】さらに、本発明においては、延性の向上、
継手靭性の向上等のために、必要に応じて、Y,La,C
eの1種または2種以上を含有することができる。Yは
介在物を微細化させて母材、HAZの延性やHAZ靭性
向上に有効に働く。その効果を発揮するための下限の含
有量は0.001%である。一方、過剰に含有すると、
硫化物や酸化物の粗大化を生じ、延性の低下や、加熱オ
ーステナイト粒径ピンニング効果の低下による靭性の劣
化を招くため、上限を0.01%とする。La,Ceも
Yとほぼ同様の効果を有し、効果を発揮するためにはい
ずれの元素とも0.005%以上必要である。一方、過
剰な添加による悪影響が生じない上限としては、いずれ
の元素とも0.1%とする。
【0028】
【実施例】以上が、本発明の要件についての説明である
が、さらに、実施例に基づいて本発明の効果を示す。実
施例に用いた鋼板の化学組成、酸化物の組成、サイズ、
個数測定結果、鋼板製造方法、及び強度を表1、2に示
す。表1には鋼中酸化物粒子の組成、粒子径0.005
〜2μmの粒子数の測定結果を示すが、酸化物の組成調
査、及び大きさ、個数の測定は、鋼板のほぼ板厚の1/
4部位から抽出レプリカを作製し、それを電子顕微鏡に
て10000倍で20視野以上、観察面積にして100
0μm以上を観察することで行った。尚、酸化物粒子
とは既述したように、酸化物中にSを含む粒子、酸化物
と硫化物とが複合化している粒子、酸化物を核として硫
化物が該酸化物の周囲に析出している粒子を全て含んだ
ものである。
【0029】表1に示した化学組成の鋼片を用いて、板
厚15mm〜50mmの鋼板を試作した。試作鋼は真空
溶解または転炉により溶製し、インゴットまたは鋳片を
鋼板に製造した。鋼板の製造方法と鋼板の組織、引張特
性、靭性を表2に示す。鋼板の大部分は、生産性が高
く、圧延負荷の小さい、高温加熱(1150〜1300
℃)、高温圧延(少なくとも1000〜800℃で累積
圧下率50〜90%)を指向し、かつ、熱間圧延後、そ
のまま空冷とした非調質鋼であるが、一部比較例とし
て、熱間圧延後水冷により加速冷却したものもある。鋼
板のフェライト粒径及び各組織の分率は鋼板表面から2
mm、板厚の1/4、板厚中心の3箇所の断面光学顕微鏡
組織において、フェライト粒径は切断法により、組織分
率は点算法により求め、平均した値である。機械的性質
は鋼板の圧延方向に直角な方向が試験片長手方向になる
ように、板厚中心部から試験片を採取して測定した。靭
性は2mmVノッチシャルピー衝撃試験の破面遷移温度
(vTrs)で評価した。
【0030】表1のうち、鋼片番号1〜10は化学組
成、酸化物の状態が本発明の要件を全て満足しているも
のであり、鋼片番号11〜17は化学組成、酸化物の状
態に関する本発明の要件の一部を満足していないもので
ある。表2のうち、試験番号A1〜A14は化学組成、
酸化物が本発明の要件を満足する鋼片を用いて、組織に
関する要件も本発明を全て満足するように製造した鋼板
である。一方、試験番号B1〜B9は本発明のいずれか
の要件を満足していない鋼板である。本発明の要件を全
て満足している試験番号A1〜A14の鋼板は、生産性
を低下させる制御圧延や加工熱処理を行わずとも、化学
組成に比して高い強度が得られており、かつ、良好な靭
性も同時に達成されていることが表2から明らかであ
る。
【0031】一方、本発明の要件を満足していない試験
番号B1〜B9は、全般的に靭性が劣る上、ベイナイト
とマルテンサイトとの合計の分率が10%を超える鋼で
は引張強度に比べて降伏応力が極端に低くなっており、
本発明に比べて強度、靭性ともに劣っていることが明白
である。以下、個々の比較例に関して、本発明に比べて
特性が劣っている理由を詳細に説明する。試験番号B
1、B2は、各々C量,Mn量が過大であるため、フェ
ライト粒径は本発明を満足しているものの、フェライト
粒径以外の組織要件を満足しておらず、靭性の劣化が著
しく、かつ、引張強度に比べて降伏応力が低い。試験番
号B3は、Nb量が過大であるため、フェライトは細粒
化しているものの、Nbの粗大析出物による脆化が生
じ、さらにベイナイトとマルテンサイトとの合計の分率
が10%を超えているため、靭性が顕著に劣る上、降伏
応力も低くなっており、好ましくない。
【0032】試験番号B4は、析出強化元素個々の量は
本発明範囲内となっているが、Nb当量が本発明を逸脱
して過大なため、試験番号B3と同様、靭性の著しい劣
化と降伏応力の低下が生じている。試験番号B5は、逆
にNb当量が過小であるため、析出強化量が十分でな
く、化学組成が同程度の本発明鋼に比べて強度の低下が
著しい。試験番号B6,B7はいずれも、酸化物の個数
が十分でないために圧延前の加熱オーステナイト粒径が
粗大で、その結果として変態組織のフェライト粒径が本
発明範囲を逸脱して粗大であるために靭性の劣化が大き
い。試験番号B8は、鋼板の製造方法が適切でないため
に組織要件が本発明を満足していない例である。フェラ
イト粒径が過大であるため、靭性が劣り、ベイナイトと
マルテンサイトとの合計の分率も若干過大であるため降
伏応力も低く、好ましくない。
【0033】試験番号B9は、本発明の化学組成と酸化
物の状態は本発明を満足している鋼片を用いて圧延後、
水冷により加速冷却した例である。すなわち、非調質鋼
ではないが、組織要件が本発明を満足していないため
に、引張強度の割に降伏応力が非常に低くなっている比
較例として示している。以上の実施例から、本発明によ
れば、生産性の劣る製造工程や複雑な製造工程によら
ず、また、高価な合金元素の多量添加をせずに、靭性の
優れた引張強度が490MPa級以上の非調質高張力鋼
が製造可能であることが明白である。
【表1】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明により、複雑な製造工程や生産性
の低い製造工程に頼る必要がなく、かつ高価な合金元素
の多量添加を必要としない、靭性の優れた引張強度が4
90MPa級以上の非調質高張力鋼を提供することが可
能となり、産業上の効果は極めて顕著である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白幡 浩幸 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、C :0.05〜0.2%、Si:
    0.05〜1%、Mn:0.1〜2%、P:0.015%以下、
    S:0.01%以下、Al:0.005〜0.1%、N:0.0
    01〜0.01%、Ti:0.005〜0.03%、Ca:0.
    0005〜0.003%を含有し、さらに、Nb:0.0
    03〜0.1%、V:0.01〜0.5%、Mo:0.
    01〜1%、W :0.01〜1%、Ta:0.003
    〜0.1%、Zr:0.005〜0.2%の1種または
    2種以上を含有し、かつ、下記(A)式で示されるNb
    当量が0.005〜0.1%の範囲を満足し、残部がF
    e及び不可避不純物よりなる鋼で、該鋼中に、その組成
    が、少なくともCa,Al,Oを含み、Oをのぞいた元素
    が質量比で、Ca:5%以上、Al:5%以上を含む、円相
    当径で0.005〜2μmの酸化物粒子を単位面積当た
    りの個数で、200〜3000個/mm含有し、更
    に、フェライトの平均粒径が10μm以下、フェライト
    分率が70%以上で、かつ、ベイナイトとマルテンサイ
    トとの合計の分率が10%以下である組織を有すること
    を特徴とする靭性の優れた非調質高張力鋼。 Nb当量=Nb%+V%/5+Mo%/10+W%/10+Ta%+Zr% /2 ・・・(A)
  2. 【請求項2】 前記酸化物粒子の組成が少なくともC
    a,Al,O,Sを含み、Oを除いた元素が質量比で、C
    a:5%以上、Al:5%以上、S:1%以上、を含有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の靭性の優れた非調質高
    張力鋼。
  3. 【請求項3】 鋼中にさらに、質量%でMgを0.00
    01〜0.002%含有し、かつ前記酸化物粒子の組成が
    少なくともCa,Al,Mg,Oを含み、Oを除いた元素
    が質量比で、Ca:5%以上、Al:5%以上、Mg:1%
    以上、を含有することを特徴とする請求項1に記載の靭
    性の優れた非調質高張力鋼。
  4. 【請求項4】 前記酸化物粒子の組成が少なくともC
    a,Al,Mg,O,Sを含み、Oを除いた元素が質量比
    で、Ca:5%以上、Al:5%以上、Mg:1%以上、
    S:1%以上、を含有することを特徴とする請求項3に記
    載の靭性の優れた非調質高張力鋼。
  5. 【請求項5】 質量%で、Ni:0.1〜3%、Cu:
    0.05〜1.5%、Cr:0.05〜1%、B:0.
    0002〜0.005%、の1種または2種以上を含有
    することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか
    に記載の靭性の優れた非調質高張力鋼。
  6. 【請求項6】 質量%で、Y:0.001〜0.01
    %、La:0.005〜0.1%、Ce:0.005〜
    0.1%、のうち1種または2種を含有することを特徴
    とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の靭性の
    優れた非調質高張力鋼。
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