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JP2003341218A - 処理液、インクセット、画像形成方法及び画像記録装置 - Google Patents

処理液、インクセット、画像形成方法及び画像記録装置

Info

Publication number
JP2003341218A
JP2003341218A JP2002150558A JP2002150558A JP2003341218A JP 2003341218 A JP2003341218 A JP 2003341218A JP 2002150558 A JP2002150558 A JP 2002150558A JP 2002150558 A JP2002150558 A JP 2002150558A JP 2003341218 A JP2003341218 A JP 2003341218A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
recording
treatment liquid
fine particles
coloring material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002150558A
Other languages
English (en)
Inventor
Juichi Furukawa
壽一 古川
Hiroshi Adachi
浩 安達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2002150558A priority Critical patent/JP2003341218A/ja
Publication of JP2003341218A publication Critical patent/JP2003341218A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッド部分を腐食させることなく、高品位の
画像を形成できる処理液を提供する。 【解決手段】 本発明の処理液は、色材及び水を含有す
る記録液と接触した際に、色材と反応性を有する微粒子
を含有し、少なくとも防錆剤を1種類以上含有する。又
は、色材と反応性を有する微粒子を含有し、ラジカル受
容体型の酸化防止剤を含有する。本発明の処理液はイン
クジェット記録方式の画像記録装置に用い、記録液の色
材を効果的に凝集させ、かつ、ヘッド部分等を腐食させ
ることがない。防錆剤としては、チオ硫酸ナトリウム、
チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニ
ウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシク
ロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾー
ル等が好ましい。酸化防止剤としてはタンニン酸が好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方式の画像記録装置に用いるための、処理液、インク
セット、画像形成方法及びそれらを用いた画像記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】色材を含有した記録液を液滴として画像
記録を行なうインクジェット記録方法は、その印字機構
が簡単で、しかも騒音が発生しない点で優れている。し
かし、その一方でこの画像記録方法は、記録媒体との組
み合わせによっては文字滲み(以下、フェザリングとい
う)に代表される画像欠陥が発生しやすく、画像品質が
大きく低下する問題を有する。この問題についてはイン
クの浸透性を抑えることでフェザリングを低減する試み
がなされているが、この場合、インクの乾燥性が悪いた
め、印刷後に印刷物に触れるとインクが手に付いてしま
ったり、画像汚れが生じてしまう。
【0003】また、カラー画像を印字する場合には、色
の異なるインクが次々と重ねられるため、色境界部分で
カラーインクが滲んだり、混ざり合いが発生し(以下、
カラーブリードと言う)、画像品質が大きく低下する問
題も有する。この問題についてはインクの浸透性を高め
ることでカラーブリードを低減する試みがなされている
が、この場合、色材が記録媒体の内部に入り込んでしま
うために画像濃度が低下してしまったり、被記録材裏側
へのインクの浸み出しが多くなり両面印刷が良好に行な
えなくなってしまう。したがって、これらの問題を同時
に解決して画像品質を高める画像形成方法が望まれてい
る。
【0004】これらの問題に対して、記録液と共に記録
液中の色材と凝集物を形成する成分を含有する処理液を
併用する方法が提案されている。特開平6−12814
号公報にはカルボキシル基あるいはその無水物あるいは
スルホン酸基を1つ以上有する水溶性樹脂を含有する処
理液と記録液を併用する方法が示されている。特許第2
667401号公報には、1分子あたり2個以上のカチ
オン性基を有する化合物を含有する無色あるいは淡色の
液体が開示されている。特開平8−81611号公報に
は、ポリアリルアミンとグリセリンを含有する液体組成
物が開示されている。
【0005】しかし、これらの従来技術が提案する高分
子の反応性成分は、これを溶解した状態で含有させるた
め、多量に添加すると粘度上昇を招き記録ヘッドからの
吐出不良が生じてしまう。そのため、反応性成分の含有
量を低くしなければならず、色材との反応による粘度変
化が小さくなってしまいフェザリング抑制の効果が小さ
い。
【0006】また、特許第2675001号公報には、
多価金属塩を含有する無色あるいは淡色の液体が開示さ
れている。特許第2711098号公報には、第4級ア
ンモニウム塩あるいはアミン塩を含有する無色あるいは
淡色の液体が開示されている。特許第3026487号
公報には、第4級アンモニウム塩あるいはアミン塩を含
有し、かつ、多価アルコールを含有する無色あるいは淡
色の液体が開示されている。これらの従来技術に提案さ
れる多価金属塩、アミン化合物は大量に添加することが
できる。しかし、1分子のサイズが小さく、色材と反応
しても大きな凝集体を形成しづらい。そのため、色材と
反応しても粘度変化が小さくなってしまいフェザリング
抑制の効果が小さい。
【0007】画像品質をさらに向上させる方法として、
記録液中の色材と凝集物を形成する成分として微粒子を
含有する処理液を用いる方法が提案されている。特開平
4−259590号公報には、シリカ微粒子を含有する
無色の液体を被記録材に付着させた後に、オイルブラッ
クを含む非水系記録液を付着させるインクジェット記録
方法が開示されている。国際公開00/06390号公
報には、紫外線吸収能及び/または光安定化能を有する
部位を含むカチオン性のエマルジョンを含有させる反応
液が開示されている。特開平6−92010号公報に
は、微粒子又は微粒子とバインダーポリマーを含有する
溶液が開示されている。特開平11−228890号公
報には、アニオン性金属酸化物コロイドを含む実質的に
無色の液体組成物が開示されている。特開2000−3
4432号公報には、淡色または白色の水不溶性微粒
子、水溶性有機溶媒及び水を含有する液体組成物が開示
されている。特開2001−171095号公報には、
無機酸化物顔料を主成分とする半透明白色インク組成物
が開示されている。特開2001−199149号公報
には、色材と反応性を有する微粒子を含む液体組成物が
開示されている。特開2001−199150号公報、
特開2001−199151号公報には、インクとは逆
の極性に表面が帯電している微粒子を分散状態で含む液
体組成物が開示されている。
【0008】これらの微粒子を含有する液体は反応性微
粒子を分散状態で含有するため、前述の高分子を溶解さ
せる処理液と比較すると液粘度上昇を抑えながら大量の
反応成分を添加することができる。また、微粒子は多価
金属塩等と比較すると元々大きな粒子であるため、色材
と反応して分散が崩れると大きな凝集体を形成する。そ
の結果、大きな粘度上昇が生じ、色材の流動性が抑制さ
れるため、フェザリング改善等の画質向上に効果が高
い。
【0009】しかし、前記の微粒子を含有する処理液で
ある、原材料として記録液と反応性を有する物質を含む
液体組成物には、分散安定性の確保のために塩素イオン
や酸といった副イオンを添加することが一般的である。
該副イオンは金属を腐食させる作用があるため接液上の
問題が生じるが、微粒子を含有する処理液のもたらす耐
食性について考慮されてこなかった。
【0010】一方で、この接液上の問題に対して、カチ
オン性ポリマーを含有する処理液においては次のような
提案がされている。特開平10−237372号公報に
は、カチオン性ポリマーを含む処理液における塩素イオ
ン濃度を3000ppm以下と規定し、これをカチオン
性ポリマーを含む原材料に含まれる塩素イオン以外での
塩素イオンの混入を極力抑えてこれを達成することで接
液の改善がなされるとしている。
【0011】しかし、特開平10−237372号公報
中の記載によれば、塩素イオンはカチオン性ポリマーの
製造過程で不可避に混入されるとある。この塩素濃度を
3000ppm以下にした場合、色材との反応成分であ
るカチオン性ポリマーの添加量を高くすることができ
ず、色材との凝集効果が十分に得られない。そのため、
この処理液と記録液を用いたインクセットによる印刷物
は二液混合による粘度上昇が十分に得られず、フェザリ
ング、カラーブリードの抑制の点で満足できるものでは
ない。
【0012】したがって、これまで接液性の確保と、記
録液と組み合わせたインクセットにおける画質を同時に
満足する処理液の製法の提案は未だなされていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、色材
と反応性を有する成分を含有する処理液において、処理
液の接液性の確保と、該処理液と記録液を組み合わせた
インクセットを用いて2液混合を記録媒体上で行う画像
記録方法による記録物の画質とを同時に満足する、処理
液を提供すること、さらに、そのようなインクセット及
び画像記録方法を提供することである。さらには、上記
の処理液を充填したカートリッジ及び上記インクセット
に用いられる記録液を充填した記録液、並びに、上記画
像記録方法を用いた画像記録装置を提供することであ
る。
【0014】また、本発明の別の目的は、 ・光沢性が有り,高品位な画質を得ること、 ・異なる色の記録液が隣接したときにも色混じりがない
鮮明な画像を得ること、 ・滲みの無い境界線が鮮明な画像を得ること、 ・記録液が紙の奥深くまで浸透することなく高い画像濃
度が得られること、 ・画像印字面と反対の面から見たときの画像濃度が小さ
いこと、 ・水による滲み、画像濃度の低下を生じないこと、 ・乾燥不良による画像汚れが生じないこと、 である。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく鋭
意検討の結果、記録液と接触した際に色材と反応性を有
する成分として処理液に微粒子を含有し、且つ、防錆剤
又は酸化防止剤を含有することで上記目的を効果的に達
成できることを見出し、本発明に至った。
【0016】本発明の第1の態様では、色材及び水を含
有する記録液と接触した際に、色材との反応性を有する
微粒子を含有する処理液において、少なくとも防錆剤を
1種類以上含有することを特徴とする処理液が提供され
る。
【0017】また、本発明の第2の態様では、色材及び
水を含有する記録液と接触した際に、色材との反応性を
有する微粒子を含有する処理液において、生成したラジ
カルにプロトンを与えて安定化させるラジカル受容体型
の酸化防止剤を含有することを特徴とする処理液が提供
される。
【0018】色材と反応性を有する成分として微粒子を
分散状態で含有することで、高分子を溶解させる処理液
と比較すると液粘度上昇を抑えながら大量の反応成分を
添加することができる。また、微粒子は多価金属塩等と
比較すると元々大きな粒子であるため、色材と反応して
分散が崩れると大きな凝集体を形成する。その結果、大
きな粘度上昇が生じ、色材の流動性が抑制されるため、
フェザリング改善等の画質向上に効果が高い。
【0019】処理液の原材料として用いる色材と反応性
を有する微粒子を含有する液体組成物は、微粒子の分散
安定性を確保するために副イオン源として解膠剤を含有
させることができる。解膠剤には帯電性微粒子表面に電
気二重層を形成する効果がある。この電気二重層が静電
的に反発して粒子の接近を妨げ、該微粒子の分散安定性
を確保する。微粒子は中性から酸性にかけては正に帯電
する。正に帯電する微粒子を用いる場合は、解膠剤とし
て陰イオン源を添加して液を酸性にして安定化を行な
う。陰イオン源としては、酢酸、硝酸、塩酸、蟻酸、乳
酸等の酸及びそれらのアルカリ金属塩、オキシ塩化ジル
コニウム水和物等のジルコニウム化合物、ピロリン酸ナ
トリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、タウリン、塩
素イオン等のアルカリ金属イオン等が例として挙げられ
る。ただし、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0020】しかし、これら酸やアルカリ金属イオン
は、いずれも金属腐食性を持つ。例えばインクジェット
方式でこの解膠剤を含んだ液を用いた印刷を行なう際、
ヘッドを構成するノズルプレート、液室、サーマル方式
の発熱体等処理液と直接接する金属部位は長期使用時に
おいて、腐食を生ずる不具合が発生する。副イオンは微
粒子の分散安定性を確保するために有効であり、また、
単に取り除くことは難しい。
【0021】一方、pH調整剤を用いることでpHを中
性領域に調整すると腐食性を低減できるものの、同時に
微粒子の表面電位が低下し、微粒子間の斥力が低減する
ため分散安定性を損なってしまい、微粒子の凝集を引き
起こしてしまう不具合があった。
【0022】本発明の処理液では、含有する微粒子を安
定分散させるために腐食成分である解膠剤を添加したと
しても、該処理液による金属腐食を効果的に回避するこ
とが、防錆剤又は酸化防止剤の添加により可能になっ
た。本発明の処理液では、防錆剤又は酸化防止剤を添加
することで十分な防錆効果が得られるため、特に塩素等
の腐食性イオン濃度を制限する必要が無くなった。した
がって、色材と反応性を有する微粒子を高濃度に処理液
に含有させても、接液上の問題を引き起こさなくなっ
た。
【0023】防錆剤は金属表面に薄い被膜を形成するこ
とによって、腐食成分と金属との接触が回避され、解膠
剤濃度を低減することなく、金属腐食を防止する。ま
た、酸化防止剤は酸化防止剤自体の酸化性が金属部材よ
りも高いものを用いることで、酸化防止剤自らが酸化す
ることにより金属腐食を防止する。
【0024】本発明の処理液と記録液を用いたインクセ
ットを被記録体上に付与し、該処理液と該記録液を被記
録体上で接触させて反応させて画像を形成することで高
品位の画像記録物を得ることができた。微粒子と色材と
の反応、及びその効果については以下のように考えられ
る。ただし、これらの説明によって本発明が制約を受け
るものではない。
【0025】本発明の処理液中に含有される微粒子は粒
子表面に電荷を有し、微粒子同士は表面電荷による反発
作用が生じるため分散が安定化されている。微粒子と逆
の極性を有する色材を含有する記録液が微粒子を含有す
る処理液と接触すると、微粒子に色材が電気的な作用に
より強力に吸着する。このとき微粒子の表面電荷は色材
の電荷で中和されるため、微粒子同士の反発作用がなく
なり、微粒子と色材は大きな凝集体を形成する。また、
色材が有するカルボニル基やスルホニル基等の水溶性基
が吸着の際に微粒子で隠蔽されるため、凝集体の水に対
する溶解度が急速に低下し、凝集体はさらに大きくな
る。このような凝集体の形成が急速に生じれば、記録液
と処理液が被記録材に浸透する際に凝集体が被記録媒体
の多孔質部分にトラップされ、色材が移動しづらくな
り、フェザリングとカラーブリードが効果的に防止でき
る。また、微粒子自体が持つ光沢性の高さにより、記録
液と反応させて印刷を行なった印刷物の光沢性を増すこ
とができる。
【0026】また、微粒子と色材とが粒子状の凝集物を
形成し、被記録材の表面付近に石垣状に積み重なると浸
透性の膜を形成する。そのため、ビヒクルが被記録材に
速やかに浸透するためカラーブリードが良好になること
に加えて、乾燥性が良好となる。色材と反応する化合物
として微粒子ではなくポリマー用いた場合には、ポリマ
ーが被記録材表面に膜を形成してしまい、ビヒクルの浸
透を妨げてしまう。その結果、乾燥性が低下し、印刷後
に印刷物に触れるとインクが手に付いてしまったり、画
像汚れが生じてしまう。
【0027】また、本発明の処理液を用いた場合には、
カチオン性微粒子とアニオン性色材の凝集物が被記録材
の表面付近に積み重なることから、画像濃度が高くな
る。また、被記録材裏側へのインクの浸み出しが抑制さ
れるため両面印刷が良好に行える。また、アニオン性色
材が有するカルボニル基やスルホニル基等の水溶性基が
吸着の際にカチオン性微粒子で隠蔽されるため、凝集体
の水に対する溶解度が低下し、耐水性が良好となる。以
上のような作用により、従来のものよりも高い印刷品質
を持つ記録物を得ることができる。
【0028】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
の第1の態様では、処理液は防錆剤を含有する。防錆剤
を含有することによって、ヘッド等の接液面の金属腐食
を防ぐことができる。防錆剤としては、例えば、酸性亜
硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アン
モン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸
ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウム
ニトライト、ベンゾトリアゾール等が使用できる。これ
ら防錆剤の中で腐食低減にはベンゾトリアゾールが特に
好ましい。
【0029】本発明の処理液では防錆剤は0.001〜
10wt%含有するのが望ましい。0.001wt%未
満では腐食低減効果が十分に得られず、10wt%を超
えると防錆剤の一部が分離するか、あるいは析出する不
具合を起こし、処理液の安定性が十分に得られない。中
でも特に0.1〜2wtwt%が望ましい。
【0030】処理液と同様に、本発明のインクセットに
用いられる記録液は防錆剤を含有することができる。本
発明のインクセットに用いられる記録液では防錆剤は
0.001〜10wt%含有するのが望ましい。0.0
01wt%未満では腐食低減効果が十分に得られず、1
0wt%を超えると防錆剤の一部が分離するか、あるい
は析出する不具合を起こし記録液の安定性が十分に得ら
れない。中でも特に0.1〜2wt%が望ましい。
【0031】本発明の第2の態様では、処理液は酸化防
止剤を含有する。酸化防止剤を含有することによって、
ヘッド等の接液面の金属腐食を防ぐことができる。酸化
防止剤には生成したラジカルにプロトンを与えて安定化
させるラジカル受容体型のものと、安定なアルコールに
変質させる過酸化物分離型の2種類がある。本発明では
前者を用いるが、前者としては、フェノール系化合物
類、アミン系化合物類が代表的である。
【0032】ラジカル受容型酸化防止剤のうち、フェノ
ール系化合物類としては、ハイドロキノン、ガレート等
の化合物、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾ
ール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,
2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチ
ルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル
−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオ
ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,
5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
ert−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3
(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタン、タンニン酸等のヒ
ンダードフェノール系化合物が例示される。
【0033】一方、ラジカル受容型酸化防止剤のうちア
ミン系化合物類としては、N,N’−ジフェニル−p−
フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、
フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−β−ナフチ
ル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニルエ
チレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジ−se
c−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−テト
ラメチル−ジアミノジフェニルメタン等が例示される。
これら酸化防止剤の中でも腐食低減にはタンニン酸が特
に好ましい。
【0034】本発明の処理液では酸化防止剤は0.00
1〜10wt%含有するのが望ましい。0.001wt
%未満では腐食低減効果が十分に得られず、10wt%
を超えると酸化防止剤の一部が分離するか、あるいは析
出する不具合を起こし、処理液の安定性が十分に得られ
ない。その中でも特に0.1〜2wt%が望ましい。
【0035】処理液と同様に、本発明のインクセットに
用いられる記録液は酸化防止剤を含有することができ
る。酸化防止剤を含有することによって、接液部材の金
属酸化を酸化防止剤自身が酸化することにより抑えるこ
とができる。本発明のインクセットに用いられる記録液
では、酸化防止剤は0.001〜10wt%含有するの
が望ましい。0.001wt%未満では腐食低減効果が
十分に得られず、10wt%を超えると酸化防止剤の一
部が分離するか、あるいは析出する不具合を起こし記録
液の安定性が十分に得られない。中でも特に0.1〜2
wt%が望ましい。
【0036】本発明の処理液は記録液中の色材と反応す
る微粒子を含有する。微粒子は有機微粒子であってもよ
いし、無機微粒子であってもよいし、有機無機複合微粒
子であってもよい。粒子形についても特に限られるもの
ではなく、球状、数珠状、不定形のいずれであってもよ
い。
【0037】有機微粒子としては、ポリスチレン、スチ
レン−アクリル共重合体、ポリメチルメタクリレート、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ベンゾグ
アナミン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素系樹脂、α,β
−不飽和エチレン性単量体をエマルジョン重合等により
得られる重合体等が挙げられる。
【0038】無機微粒子としては、炭酸カルシウム等の
無機塩と、シリカ(SiO)等の無機酸化物に大別さ
れる。無機塩の具体例としては、炭酸カルシウム、硝酸
カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸ア
ルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫
酸鉄等が挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。水系処理液として用いる場合には、炭酸カルシウ
ム、硝酸カルシウム、硫酸鉄等の水に溶解度が低いもの
を用いるほうが分散体が得られやすい点で好ましい。ま
た、これらはカチオン化処理することでさらに色材の吸
着能力、凝集能力を高めることができ、さらに好まし
い。カチオン剤で改質する方法は従来技術にて提案され
ている(特開平10−129113号公報、特開平11
−20301号公報等)。無機微粒子のうち、無機酸化
物の具体例としては、シリカ(SiO)、シリカのカ
チオン化物、二酸化チタン、アルミナ(Al)等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】無機微粒子の中では反応性の点でカチオン
性シリカが特に好ましい。カチオン性シリカは、シリカ
の表面がカチオン化処理されたものであればいずれも用
いることができる。カチオン化するには、シリカ表面に
化学的、物理的にカチオン性化合物を導入すればよい。
例えば、シリカのシラノール基にアミノ化合物をカップ
リングすることで、あるいはアルミニウム化合物を反応
させることで化学的に表面処理ができる。また、シリカ
とカチオン性化合物を溶剤中で混合し、カチオン性化合
物を物理的に吸着させた後に溶剤を除去することで物理
的に表面処理することができる。
【0040】その際、核材として用いるアニオン性シリ
カの具体例としては、ST−ZL、ST−20、ST−
30、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、S
T−S、ST−50、ST−20L、ST−OL、ST
−XS、ST−YL、ST−XL、ST−UP、ST−
OUP(以上、日産化学製)、Cataloid SI
−350、SI−500(以上、デュポン製)、Nip
gel AY−220、AY−420、AY−460
(以上、日本シリカ製)等が挙げられる。これらに限ら
ず、シリカ表面をカチオン性に処理したものであれば、
いずれも好適に用いることができる。
【0041】無機微粒子は市販品を入手することもでき
る。シリカのカチオン化物としては、ST−AK(日産
化学製)が挙げられる。アルミナとしては、アルミナゾ
ル100、200、520(以上、日産化学製)等が挙
げられる。二酸化チタンとしてはチタニアシリーズ(出
光興産製)が挙げられる。これらの微粒子の中には既に
水分散体として入手できるものも存在する。
【0042】本発明の処理液においては、前記した無機
微粒子のカチオン性シリカの中でも特にカチオン性コロ
イダルシリカが望ましい。該カチオン性コロイダルシリ
カは該無機微粒子の中でも色材との反応性が特に高く、
これを用いた処理液とインクを組み合わせたインクセッ
トにおいて、より高い画像品質が得られるからである。
【0043】本発明の微粒子はカチオン性無機有機複合
微粒子であってもよく、粒子状のカチオン性無機有機複
合微粒子であればいずれも用いることができる。カチオ
ン性無機有機複合微粒子は、無機微粒子の表面にカチオ
ン性有機化合物を吸着させたり、逆に有機化合物の表面
にカチオン性無機化合物を吸着させることで得ることが
できる。例えば、カチオン性高分子で被覆された無機有
機複合微粒子は、無機微粒子を水等の溶媒中に分散させ
ておき、これにカチオン性高分子を水、あるいは、水溶
性有機溶媒の溶液の状態で徐々に加えることで得ること
ができる。
【0044】カチオン性高分子の具体例としては、ポリ
アリルアミン、ポリビニルアミン、ポリイミン、ポリビ
ニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリ
ジン、アミノアセタール化ポリビニルアルコール、イオ
ネンポリマー、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルベ
ンジルホスホニウム、ポリアルキルアリルアンモニウ
ム、ポリアミジン、ポリアミンスルホン、カチオンでん
粉等のカチオン性高分子化合物を挙げることができる。
【0045】微粒子の添加量は、処理液に対して10w
t%を超えることが好ましく、15wt%以上がより好
ましい。含有率が10wt%以下の場合、画質改善効果
が充分に得られない。なお、複数の微粒子を併用して用
いてもよい。色材と反応性を有する微粒子としては、上
記の無機微粒子が特に望ましい。無機微粒子は色材との
反応性が微粒子の中でも特に高く、無機微粒子を用いた
処理液とインクを組み合わせたインクセットにおいて、
より高い画像品質が得られる。これまで微粒子の添加量
を増すほど、より大量の解膠剤が必要になるため、処理
液の接液性の確保がより難しくなるという不具合があっ
た。これに対して本発明の処理液では、微粒子を10w
t%を超えて含有しても、防錆剤又は酸化防止剤を必要
量添加することで高い画像品質と接液性の確保の両立が
できる。
【0046】微粒子の平均粒子径は500nm以下であ
ることが好ましく、200nm以下が吐出安定性の観点
からさらに好ましい。500nmを超える場合には、吐
出ヘッドの目詰まりが生じやすくなり、吐出不良が生じ
やすくなるためである。平均粒子径は光学式粒度分布計
で測定することができ、粒子数50%の粒子径をもって
表わす。
【0047】微粒子は水を主成分とするビヒクルに分散
処理されて処理液となる。本発明の処理液は次の方法に
よって製造することができる。微粒子、水、防錆剤又は
酸化防止剤及び必要に応じて解膠剤等を混合し、分散液
を調合する。必要に応じて水溶性溶剤を添加し、解膠機
によって解膠する。この際使用される解膠機としては、
高速回転高せん断型攪拌解膠機、デゾルバー、コロイド
ミル、ホモジナイザー、超音波式解膠機等が挙げられ
る。より具体的には、T.K.オートホモミキサー、
T.K.ホモミックラインフロー、ウルトラホモミキサ
ー、NNKコロイドミル等が挙げられる。解膠時の回転
数は、解膠機の種類、構造によって変わるが、500〜
10000rpmであることが好ましく、2000〜8
000rpmであることがより好ましい。解膠時の温度
は5〜100℃であることが好ましい。解膠時間は解膠
機の種類、構造によって変わるが、0.01〜48時間
であることが好ましい。
【0048】本発明の処理液は水溶性有機溶媒を含有す
ることができる。水溶性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が
含まれる。湿潤剤は乾燥による記録ヘッドのノズルの詰
まりを防止することを目的に添加される。湿潤剤の具体
例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、
2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキ
サンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリ
オール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオ
ール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレング
リコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エ
チレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリ
コールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリー
ルエ−テル額;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒド
ロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,
3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等
の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド
類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキ
シド、スルホラン、チオジエタノ−ル等の含硫黄化合物
類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチ
ロラクトン等である。これらの溶媒は、水とともに単独
もしくは複数混合して用いられる。
【0049】これらの中で特に好ましいものは、ジエチ
レングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリ
コール200〜600、トリエチレングリコール、グリ
セロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,
4−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタ
ンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロ
キシエチルピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメ
チルイミダゾリジノンであり、これらを用いることによ
り微粒子の高い分散性と水分蒸発により噴射特性不良の
防止に対して優れた効果が得られる。特に本発明におい
て微粒子の分散安定性を得るのに好ましい溶剤としてN
−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のピロリドン誘
導体が挙げられる。
【0050】また、浸透剤は処理液と被記録材の濡れ性
を向上させ、浸透速度を調整する目的で添加される。浸
透剤としては、下記式(I)〜(IV)で表されるもの
が好ましい。すなわち、下記式(I)のポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤、式(I
I)のアセチレングリコール系界面活性剤、下記式(I
II)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活
性剤ならびに式(IV)のポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレンアルキルエーテル系界面活性剤は、液の表
面張力を低下させることができるので、濡れ性を向上さ
せ、浸透速度を高めることができる。
【0051】
【化1】 (Rは分岐していてもよい炭素数6〜14の炭化水素
鎖、k:5〜20の整数)
【0052】
【化2】 (m及びnは0〜40の整数)
【0053】
【化3】 (Rは分岐してもよい炭素数6〜14の炭化水素鎖)
【0054】
【化4】 (Rは炭素数6〜14の炭化水素鎖、m及びnは整数で
あって、m、n≦20、0<m+n≦40)
【0055】前記式(I)〜(IV)の化合物以外で
は、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレ
ングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル
等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル
類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック
共重合体等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性
剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール
類を用いることができるが、特にジエチレングリコール
モノブチルエーテルが好ましい。
【0056】前記界面活性剤としては、処理液に添加し
た場合に含有する微粒子と同極性に帯電するものが望ま
しく、微粒子として色材との凝集効果が高いカチオン性
コロイダルシリカを採用した際には、カチオン性化合物
が望ましい。
【0057】前記カチオン性化合物の具体例としては、
例えば第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダ
ゾリン型化合物等のカチオン性界面活性剤を用いてもよ
い。さらに具体的には、ラウリルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウム
クロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライ
ド、塩化ベンザルコニウム、セチルピリジニウムクロラ
イド、2−ヘプタデセニルヒドロキシエチルイミダゾリ
ン等が挙げられる。また、カチオン性界面活性剤として
市販品のカチオンG50(三洋化成製)等も使用するこ
とができる。カチオン性界面活性剤は、表面張力を下げ
て被記録材との濡れ性を高めて微粒子層を速やかに形成
すると共に、アニオン性色材を凝集する作用があり、画
質改善に効果がある。
【0058】次に、本発明のインクセットに用いること
ができる記録液について説明する。本発明の記録液に用
いる色材としては染料、顔料のいずれも用いることがで
きるが、微粒子がカチオン性である場合には、アニオン
性の染料あるいは顔料を用いる方が電気的に中和され凝
集するので画質向上の点で好ましい。また、染料よりも
顔料を用いるほうが好ましい。つまり、溶解状態の染料
よりも分散状態の顔料のほうが電気的に中和された際
に、より効率的に凝集が生じるため、画質向上に効果が
高い。
【0059】本発明のインクセットに用いられる記録液
に用いる顔料としては、有機顔料としてアゾ系、フタロ
シアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオ
キサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン
系、イソインドレノン系、アニリンブラツク、アゾメチ
ン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が
挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウ
ムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロ
ー、金属粉が挙げられる。
【0060】顔料と共に、顔料分散剤を使用することが
できる。アニオン性基を有する顔料分散剤の例として
は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレンアク
リル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフ
タレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン
酸樹脂、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、
カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸、
アルギン酸ナトリウム、ペクチン酸、ヒアルロン酸等を
挙げることができる。これらのアニオン系分散剤は、酸
の形でも用いることができるが、ナトリウム、カリウム
等のアルカリ金属塩を用いることもできる。
【0061】表面にアニオン性基を有する顔料の例とし
ては、カルボキシル基やスルホン酸基を有するカーボン
・ブラックがその代表例として挙げられる。その他、フ
タロシアニン系顔料や、アントラキノン系顔料を酸化処
理したり、発煙硫酸で処理したりして、顔料粒子の一部
にカルボキシル基やスルホン酸基を導入したものもその
例として挙げられる。
【0062】本発明で用いられる水溶性染料としては、
カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩
基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で、
耐水性及び耐光性が優れたものが用いられる。これら染
料は複数種類を混合して用いてもよいし、あるいは必要
に応じて顔料等の他の色素と混合して用いてもよい。こ
れら着色材は、本発明の効果が阻害されない範囲で添加
される。
【0063】(a)酸性染料及び食用染料としては、 C.I.アシッド・イエロー 17,23,42,4
4,79,142 C.I.アシッド・レッド 1,8,13,14,1
8,26,27,35,37,42,52,82,8
7,89,92,97,106,111,114,11
5,134,186,249,254,289 C.I.アシッド・ブルー 9,29,45,92,
249 C.I.アシッド・ブラック 1,2,7,24,2
6,94 C.I.フード・イエロー 3,4 C.I.フード・レッド 7,9,14 C.I.フード・ブラック 1,2等が使用できる。
【0064】(b)直接染料としては、 C.I.ダイレクト・イエロー 1,12,24,2
6,33,44,50,86,120,132,14
2,144 C.I.ダイレクト・レッド 1,4,9,13,1
7,20,28,31,39,80,81,83,8
9,225,227 C.I.ダイレクト・オレンジ 26,29,62,
102 C.I.ダイレクト・ブルー 1,2,6,15,2
2,25,71,76,79,86,87,90,9
8,163,165,199,202 C.I.ダイレクト・ブラック 19,22,32,
38,51,56,71,74,75,77,154,
168,171等が使用できる。
【0065】(c)塩基性染料としては、 C.I.ベーシック・イエロー 1,2,11,1
3,14,15,19,21,23,24,25,2
8,29,32,36,40,41,45,49,5
1,53,63,64,65,67,70,73,7
7,87,91 C.I.ベーシック・レッド 2,12,13,1
4,15,18,22,23,24,27,29,3
5,36,38,39,46,49,51,52,5
4,59,68,69,70,73,78,82,10
2,104,109,112 C.I.ベーシック・ブルー 1,3,5,7,9,
21,22,26,35,41,45,47,54,6
2,65,66,67,69,75,77,78,8
9,92,93,105,117,120,122,1
24,129,137,141,147,155 C.I.ベーシック・ブラック 2,8等が使用でき
る。
【0066】(d)反応性染料としては、 C.I.リアクティブ・ブラック 3,4,7,1
1,12,17 C.I.リアクティブ・イエロー 1,5,11,1
3,14,20,21,22,25,40,47,5
1,55,65,67 C.I.リアクティブ・レッド 1,14,17,2
5,26,32,37,44,46,55,60,6
6,74,79,96,97 C.I.リアクティブ・ブルー 1,2,7,14,
15,23,32,35,38,41,63,80,9
5等が使用できる。
【0067】本発明のインクセットに用いられる記録液
を所望の物性にするため、あるいは乾燥による記録ヘッ
ドのノズルの詰まりを防止するため等の目的で、色材の
他に、水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。水溶
性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が含まれる。湿潤剤は乾
燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを
目的に添加される。
【0068】湿潤剤の具体例としては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリ
ン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−
1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオ
ール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等
の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価
アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモ
ノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジル
エーテル等の多価アルコールアリールエ−テル額;N−
メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−
ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダ
ゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合
物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モ
ノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等
のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオ
ジエタノ−ル等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネ
ート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。こ
れらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用
いられる。
【0069】浸透剤は記録液と被記録材の濡れ性を向上
させ、浸透速度を調整する目的で添加される。浸透剤と
しては、下記式(I)〜(IV)で表されるものが好ま
しい。すなわち、下記式(I)のポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル系界面活性剤、式(II)のア
セチレングリコール系界面活性剤、下記式(III)の
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤なら
びに式(IV)のポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レンアルキルエーテル系界面活性剤は、液の表面張力を
低下させることができるので、濡れ性を向上させ、浸透
速度を高めることができる。
【0070】
【化5】 (Rは分岐していてもよい炭素数6〜14の炭化水素
鎖、k:5〜20の整数)
【0071】
【化6】 (m及びnは0〜40の整数)
【0072】
【化7】 (Rは分岐してもよい炭素数6〜14の炭化水素鎖)
【0073】
【化8】 (Rは炭素数6〜14の炭化水素鎖、m及びnは整数で
あって、m、n≦20、0<m+n≦40)
【0074】前記式(I)〜(IV)の化合物以外で
は、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレ
ングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル
等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル
類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック
共重合体等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性
剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール
類を用いることができるが、特にジエチレングリコール
モノブチルエーテルが好ましい。
【0075】本発明の処理液、及び、インクセットに用
いられる記録液は防腐防黴剤を含有することができる。
防腐防黴剤を含有することによって、菌の繁殖を押さえ
ることができ、保存安定性、画質安定性を高めることが
できる。防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、
ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オ
キサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香
酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が
使用できる。また、市販品の防腐防黴剤としてPROX
EL LV(S)〔アビシア製;(主成分:1,2−ベ
ンゾチアゾリン−3−オン /水酸化ナトリウム)〕を
使用することもできる。
【0076】本発明の処理液、及びインクセットに用い
る記録液は、pH調整剤を含有することができる。pH
調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸
化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級
ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノ
ールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類、硼
酸、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等を用いることができる。
【0077】本発明の処理液の表面張力は、20〜60
dyne/cm(20×10−5〜60×10−5N/
cm)であることが好ましく、被記録材との濡れ性と液
滴の粒子化の両立の観点からは30〜50dyne/c
m(30×10−5〜50×10−5N/cm)である
ことがさらに好ましい。また、本発明の処理液の粘度
は、1.0〜20.0cP(1.0×10−3〜20.
0×10−3Pa・s)であることが好ましく、吐出安
定性の観点からは3.0〜10.0cP(3.0×10
−3〜10.0×10−3Pa・s)であることがさら
に好ましい。また、本発明の処理液のpHは3〜11で
あることが好ましく、微粒子の分散安定性の観点からは
3〜6、さらには8〜11であることが好ましい。
【0078】本発明のインクセットに用いる記録液の表
面張力は、20〜60dyne/cm(20×10−5
〜60×10−5N/cm)であることが好ましく、被
記録材との濡れ性と液滴の粒子化の両立の観点からは3
0〜50dyne/cm(30×10−5〜50×10
−5N/cm)であることがさらに好ましい。また、記
録液の粘度は、1.0〜20.0cP(1.0×10
−3〜20.0×10 Pa・s)であることが好ま
しく、吐出安定性の観点からは3.0〜10.0cP
(3.0×10−3〜10.0×10−3Pa・s)で
あることがさらに好ましい。また、記録液のpHは3〜
11であることが好ましく、接液する金属部材の腐食防
止の観点からは6〜10であることがさらに好ましい。
【0079】本発明の画像形成方法及びそれを実施する
画像形成装置について、図面を用いて説明する。図1の
画像形成装置は、処理液及び記録液をカートリッジ20
に収納し、処理液及び記録液がカートリッジから記録ヘ
ッドに供給させる。ここで、カートリッジ20は処理液
用、色毎の記録液用が分離された状態で取り付けられて
いる。記録ヘッドは、キャリッジ18に搭載され、主走
査モータ24で駆動されるタイミングベルト23によっ
てガイドシャフト21、22にガイドされて移動する。
一方、被記録材はプラテンによって記録ヘッドと対面す
る位置に置かれる。
【0080】記録ヘッドのノズル面の拡大図を図2に示
す。処理液が吐出されるノズル31が縦方向に設けら
れ、ノズル32、33、34、35からはそれぞれイエ
ロー記録液、マゼンタ記録液、シアン記録液、そしてブ
ラック記録液が吐出される。
【0081】また、図3に記載のように記録ヘッドにお
いて、ノズルを全て横方向に並べて構成することも可能
である。図中、符号36、及び符号41は処理液の吐出
ノズルであり、ノズル37、38、39、40からはそ
れぞれイエロー記録液、マゼンタ記録液、シアン記録
液、そしてブラック記録液が吐出される。このような態
様の記録ヘッドにおいては、処理液の吐出ノズルが左右
の端に設けられているため、記録ヘッドがキャリッジ上
を往復する往路、復路いずれにおいても印字が可能であ
る。すなわち、往路、復路のいずれにおいても処理液を
先に付着させて、その上からカラー記録液を付着させる
こと、あるいは、その逆が可能であり、記録ヘッドの移
動方向の違いによる画像濃度差が生じない。
【0082】本発明の画像形成装置は、処理液、及び記
録液の補充をカートリッジを取り替えることで可能であ
る。また、このカートリッジは記録ヘッドと一体化され
たものであってもよい。
【0083】図4及び5に本発明の処理液、及び、記録
液を収納可能なカートリッジを示す。図4及び5に示す
カートリッジは処理液、記録液のいずれをも収納するこ
とができる。図4は記録装置に装填する前のカートリッ
ジの外観斜視図、図5はカートリッジの正断面図であ
る。カートリッジは、図5に示すように、カートリッジ
本体60内に所要の色の記録液又は処理液を吸収させた
液吸収体42を収容してなる。カートリッジ本体60
は、上部に広い開口を有するケース43の上部開口に上
蓋部材44を接着又は溶着して形成したものであり、例
えば樹脂成型品からなる。また、液吸収体42は、ウレ
タンフォーム体等の多孔質体からなり、カートリッジ本
体60内に圧縮して挿入した後、記録液又は処理液を吸
収させている。
【0084】カートリッジ本体60のケース43底部に
は記録ヘッドへ記録液又は処理液を供給するための液供
給口45を形成し、この液供給口45内周面にはシール
リング46を嵌着している。また、上蓋部材44には大
気開放口47を形成している。そして、カートリッジ本
体60には、装填前の状態で、液供給口45を塞ぐとと
共に装填時や輸送時などのカートリッジ取扱い時、ある
いは真空包装時による幅広側壁にかかる圧力でケース4
3が圧縮変形されて内部の記録液又は処理液が漏洩する
ことを防止するため、キャップ部材50を装着してい
る。
【0085】また、大気開放口47は、図4に示すよう
に、酸素透過率が100ml/m以上のフィルム状シ
ール部材55を上蓋部材44に貼着してシールしてい
る。このシール部材55は大気開放口47と共にその周
囲に形成した複数本の溝48をもシールする大きさにし
ている。このように大気開放口47を酸素透過率が10
0ml/m以上のシール部材55でシールすること
で、カートリッジを透気性のないアルミラミネートフィ
ルム等の包装部材を用いて減圧状態で包装することによ
り、記録液又は処理液充填時や液吸収体42とカートリ
ッジ本体60との間に生じる空間A(図5参照)にある
大気のために記録液又は処理液中に気体が溶存したとき
でも、シール部材55を介して記録液又は処理液中の空
気が真空度の高いカートリッジ本体60外の包装部材と
の間の空間に排出され、記録液又は処理液の脱気度が向
上する。
【0086】各プリントヘッドによって記録液及び処理
液が吐出されて重なる範囲は、記録液と処理液とは同一
箇所に重ねられることが最も好ましい。しかし、本発明
の適用はこの範囲に限定されない。例えば、処理液を間
引いて付与し滲み等によって拡大した処理液の上に記録
液を重ねたり、画像の輪郭部だけに処理液を付与し、記
録液の一部を重ねる場合も本発明の範囲に含まれる。
【0087】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例を用いて具
体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定
されない。
【0088】<物性評価> 実施例1〜14 以下に示す処理液成分を混合し、実施例1〜14として
それぞれ処理液1〜14を作製した。さらに、後述する
ようにこれらの処理液に金属部材を浸漬して腐食性の試
験を実施した。
【0089】実施例1〜9では、以下のように、防錆剤
として、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アン
モン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸
ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウム
ニトライト、ベンゾトリアゾール、メカヒビター #2
3、メカヒビター AL−96Gをそれぞれ含有した処
理液1〜9を作製した。 《処理液1》 ポリアリルアミン被覆シリカ 15.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 ベンゾトリアゾール 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0090】 《処理液2》 カチオン性コロイダルシリカ(日産化学製:スノーテックスAK) 15.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 ベンゾトリアゾール 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量 上記カチオン性コロイダルシリカには、少なくとも塩素
イオンを副イオンとする、微量の解膠剤が含まれてい
る。
【0091】 《処理液3》 カチオン性コロイダルシリカ(日産化学製:スノーテックスAK) 15.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 チオジグリコール酸アンモン 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0092】 《処理液4》 カチオン性コロイダルシリカ(日産化学製:スノーテックスAK) 15.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 ジイソプロピルアンモニウムニトライト 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0093】 《処理液5》 カチオン性コロイダルシリカ(日産化学製:スノーテックスAK) 15.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 四硝酸ペンタエリスリトール 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0094】 《処理液6》 カチオン性コロイダルシリカ(日産化学製:スノーテックスAK) 15.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0095】 《処理液7》 カチオン性コロイダルシリカ(日産化学製:スノーテックスAK) 15.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 チオ硫酸ナトリウム 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0096】 《処理液8》 カチオン性コロイダルシリカ(日産化学製:スノーテックスAK) 15.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 防錆剤(日本ケミカル製:メカヒビター #23) 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0097】 《処理液9》 カチオン性コロイダルシリカ(日産化学製:スノーテックスAK) 15.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 防錆剤(日本ケミカル製:メカヒビター AL−96G) 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0098】実施例10では、酸化防止剤のタンニン酸
を含有した処理液10を作製した。 《処理液10》 カチオン性コロイダルシリカ(日産化学製:スノーテックスAK) 15.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 タンニン酸 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0099】実施例11及び12では、カチオン性コロ
イダルシリカの濃度の異なる処理液を作製した。 《処理液11》 カチオン性コロイダルシリカ(日産化学製:スノーテックスAK) 5.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 ベンゾトリアゾール 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0100】 《処理液12》 カチオン性コロイダルシリカ(日産化学製:スノーテックスAK) 10.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 ベンゾトリアゾール 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0101】実施例13では、記録液と反応性を有する
無機微粒子として、アルミナゾル520を用いて処理液
を製作した。 《処理液13》 アルミナゾル520(日産化学製) 15.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 ベンゾトリアゾール 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0102】実施例14では、界面活性剤としてノニオ
ン性のオクタンジオールを用いて処理液を製作した。 《処理液14》 カチオン性コロイダルシリカ(日産化学製:スノーテックスAK) 15.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 ノニオン性界面活性剤(日本油脂製:ディスパノールTOC) 2.0部 ベンゾトリアゾール 1.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0103】上記処理液1〜14の腐食性の試験とし
て、Ni電鋳部材を処理液1〜14に浸漬し、30℃、
3カ月間の条件で保存した。このとき、Niの溶出量を
ICPS−1000IV(ヒューレットパッカード製)
による定量評価により求めた。また、電鋳部材を目視に
より観察し、溶出の度合いを観察した。評価としては、 1:接液性はまったく不充分で、部材に無数の穴が開い
ている 2:接液性は不充分で、部材に数カ所の穴が開いている 3:接液性はやや不充分で、部材が薄くなった 4:接液性には問題無く、僅かに表面が曇った程度 5:接液性は十分で、部材は浸漬前と変わらない の5段階の評価を行なった。評価結果は後掲の表1に示
した。
【0104】比較例1 比較例1として防錆剤を含有しない下記比較処理液1を
処方した。この比較処理液1についても、実施例1〜1
4と同様の評価を行い、その結果を後掲の表1に示し
た。 《比較処理液1》 カチオン性コロイダルシリカ(日産化学製:スノーテックスAK) 15.0部 グリセリン 10.0部 オクタンジオール 1.0部 カチオン性界面活性剤(三洋化成製:カチオンG50) 2.0部 PROXEL LV(S) (アビシア製) 0.2部 水 残量
【0105】
【表1】
【0106】実施例1〜10と比較例1との比較から防
錆剤又は酸化防止剤を含有した処理液はNi溶出量が低
減されることが明らかになった。実施例2と11、12
の比較からカチオン性シリカの濃度が低いものほど解膠
剤の濃度も小さくなるためNi溶出量が低減されること
が明らかになった。実施例2と13の比較から解膠剤濃
度の低いアルミナゾル520を色材と反応性を有する微
粒子として用いたものはNi溶出量がカチオン性コロイ
ダルシリカを微粒子として用いたものよりも小さいこと
が明らかとなった。実施例2と14の比較からNi溶出
量への界面活性剤種による影響はないことが明らかとな
った。
【0107】<画質評価>以下の実施例15〜29及び
比較例2では、各処理液と記録液を用いて画像を形成
し、その評価を実施した。 実施例15 まず、以下に示す記録液成分を混合し記録液を製造し
た。 《記録液1》 キャボジェット300(キャボット製、自己分散型顔料)10.0部 1,3−ブタンジオール 22.5部 グリセリン 7.5部 界面活性剤 1.0部 2−ピロリドン 2.0部 デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部 チオ硫酸ナトリウム 0.2部 水 残量 記録液1と処理液1を組み合わせたインクセットにおい
て、インクジェットプリンター(リコー製 Ipsio
Jet 300 改造機)を用いて処理液1を先に普
通紙(マイペーパーTA リコー製)上に打ち出し、後
から続けざまに同箇所に記録液1を打ち、両液を普通紙
上で反応させて実施例15の画像を得た。
【0108】実施例16 実施例15において処理液1を用いた代わりに処理液2
を用いた以外は実施例15と同様にして実施例16の画
像を得た。
【0109】実施例17 実施例15において処理液1を用いた代わりに処理液3
を用いた以外は実施例15と同様にして実施例17の画
像を得た。
【0110】実施例18 実施例15において処理液1を用いた代わりに処理液4
を用いた以外は実施例15と同様にして実施例18の画
像を得た。
【0111】実施例19 実施例15において処理液1を用いた代わりに処理液5
を用いた以外は実施例15と同様にして実施例19の画
像を得た。
【0112】実施例20 実施例15において処理液1を用いた代わりに処理液6
を用いた以外は実施例15と同様にして実施例20の画
像を得た。
【0113】実施例21 実施例15において処理液1を用いた代わりに処理液7
を用いた以外は実施例15と同様にして実施例21の画
像を得た。
【0114】実施例22 実施例15において処理液1を用いた代わりに処理液8
を用いた以外は実施例15と同様にして実施例22の画
像を得た。
【0115】実施例23 実施例15において処理液1を用いた代わりに処理液9
を用いた以外は実施例15と同様にして実施例23の画
像を得た。
【0116】実施例24 実施例15において処理液1を用いた代わりに処理液1
0を用いた以外は実施例15と同様にして実施例24の
画像を得た。
【0117】実施例25 実施例15において処理液1を用いた代わりに処理液1
1を用いた以外は実施例15と同様にして実施例25の
画像を得た。
【0118】実施例26 実施例15において処理液1を用いた代わりに処理液1
2を用いた以外は実施例15と同様にして実施例26の
画像を得た。
【0119】実施例27 実施例15において処理液1を用いた代わりに処理液1
3を用いた以外は実施例15と同様にして実施例27の
画像を得た。
【0120】実施例28 実施例15において処理液1を用いた代わりに処理液1
4を用いた以外は実施例15と同様にして実施例28の
画像を得た。
【0121】実施例29 実施例16において記録液1の代わりに下記記録液2を
用いた以外は実施例16と同様にして実施例29の画像
を得た。 《記録液2》 C.I.ダイレクトブラック168 4.0部 エチレングリコール 15.0部 グリセリン 5.0部 界面活性剤 1.0部 水 残量 LiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
【0122】比較例2 実施例16において処理液2の代わりに上記比較処理液
1を用いた以外は実施例16と同様にして比較例2の画
像を得た。
【0123】以上の実施例15〜29及び比較例2の画
像評価を、文字滲み、カラーブリード、光沢度の点から
実施した。文字滲みの画像評価を目測で以下の5段階で
行なった 1:文字が非常に滲み、かなり読みづらい 2:文字が大きく滲み、読みづらい 3:文字はやや滲んではいるが読むのに支障は無い 4:文字の滲みはほとんど無く読みやすい 5:文字の滲みはまったく観測されず読みやすい
【0124】カラーブリードの画像評価を印刷物として
黒ベタ中にイエローの文字を印字したチャートを作成し
て、これを目測で以下の5段階に評価した。 1:色境界は非常に滲み、ベタ中のイエローの文字は読
めない 2:色境界は大きく滲み、ベタ中のイエローの文字は読
みづらい 3:色境界は滲んでぼやけているがベタ中のイエローの
文字は読むのに支障はない 4:色境界の滲みはほとんど無く、ベタ中のイエローの
文字は読みやすい 5:色境界の滲みはまったく観測されず、ベタ中のイエ
ローの文字はくっきりとして読みやすい
【0125】また、光沢度は60°光沢度試験機(BY
K Gardner製)を使って測定を行なった。以上
の画像評価結果を表2に示す。
【0126】
【表2】
【0127】<長期保存後の吐出不良発生について>以
下の実施例30〜44及び比較例3では、長期保存した
処理液の吐出安定性を試験した。 実施例30 上記記録液及び処理液1をヘッドに充填し、インクジェ
ットプリンター(リコー製:Ipsio Jet 30
0改造機)にて印字試験を行なった。その後このインク
ジェットプリンターを室温で3ヶ月間放置した。さらに
その後、再び印字試験を行ない実施例30の印刷物を得
た。
【0128】実施例31 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液2
を用いた以外は実施例30と同様にして実施例31の画
像を得た。
【0129】実施例32 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液3
を用いた以外は実施例30と同様にして実施例32の画
像を得た。
【0130】実施例33 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液4
を用いた以外は実施例30と同様にして実施例33の画
像を得た。
【0131】実施例34 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液5
を用いた以外は実施例30と同様にして実施例34の画
像を得た。
【0132】実施例35 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液6
を用いた以外は実施例30と同様にして実施例35の画
像を得た。
【0133】実施例36 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液7
を用いた以外は実施例30と同様にして実施例36の画
像を得た。
【0134】実施例37 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液8
を用いた以外は実施例30と同様にして実施例37の画
像を得た。
【0135】実施例38 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液8
を用いた以外は実施例30と同様にして実施例38の画
像を得た。
【0136】実施例39 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液9
を用いた以外は実施例30と同様にして実施例39の画
像を得た。
【0137】実施例40 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液1
0を用いた以外は実施例30と同様にして実施例40の
画像を得た。
【0138】実施例41 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液1
1を用いた以外は実施例30と同様にして実施例41の
画像を得た。
【0139】実施例42 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液1
2を用いた以外は実施例30と同様にして実施例42の
画像を得た。
【0140】実施例43 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液1
3を用いた以外は実施例30と同様にして実施例43の
画像を得た。
【0141】実施例44 実施例30において処理液1を用いた代わりに処理液1
4を用いた以外は実施例30と同様にして実施例46の
画像を得た。
【0142】比較例3 実施例31において処理液2を用いた代わりに比較処理
液1を用いた以外は実施例31と同様にして比較例3の
画像を得た。
【0143】吐出試験の評価基準 上記実施例30〜44及び比較例3において、処理液を
紙に印字し(5cm×5cmのベタ画像)、処理液の吐
出状態を観察した。得られた結果は後掲の表3に示し
た。評価は以下の基準で行なった。 ○ …… 吐出不良無し。全面均一な印字がなされてい
る。 × …… 不吐出部分が有る
【0144】
【表3】
【0145】表3によると、3ヶ月の保存試験の前後
で、防錆剤あるいは酸化防止剤を含有する処理液はで優
良な吐出安定性を示したのに対し(実施例30〜4
4)、防錆剤あるいは酸化防止剤を含有しない処理液で
は保存試験後、吐出不良が起こった(比較例3)。
【0146】
【発明の効果】本発明では、色材との反応性を有する成
分として微粒子を含有する処理液において、防錆剤を含
有することで、反応成分を高濃度に含有して画像品質を
向上でき、(フェザリング低減、カラーブリード低減、
画像濃度向上、裏抜け濃度低減、擦過性向上、速乾性向
上)かつ、反応成分の濃度に伴って腐食性イオン濃度も
高濃度になるがこれに関わらず、接液性を向上すること
ができる。
【0147】本発明の処理液は、色材との反応性を有す
る成分として微粒子を含有する処理液において、酸化防
止剤を含有することで、反応成分を高濃度に含有して画
像品質を向上でき、(フェザリング低減、カラーブリー
ド低減、画像濃度向上、裏抜け濃度低減、擦過性向上、
速乾性向上)かつ、反応成分の濃度に伴って腐食性イオ
ン濃度も高濃度になるがこれに関わらず、接液性を向上
することができる。また、酸化防止剤の中でもタンニン
酸が特に接液性を向上できる。
【0148】本発明では、腐食性イオンの濃度が高濃度
でも接液性を防錆剤で確保できるため、微粒子を15w
t%以上含有することが可能になった。これにより光沢
度を高めることができ、カラー画像の彩度を高めること
ができる
【0149】色材との反応性で微粒子は水溶性ポリマー
より高い。本発明では微粒子の中でも有機無機複合微粒
子を用いることで高い反応性が得られ、さらに無機微粒
子を用いる事で有機無機複合微粒子よりもさらに高い反
応性を得ることができる。特に無機微粒子のなかでもカ
チオン性シリカを用いることで色材との高い反応性を得
ることができる。処理液の含有成分として記録液とより
高い反応性を示すものを用いた場合、2液を用いた画像
形成方法においてより高い画質向上効果(フェザリング
低減、カラーブリード低減、画像濃度向上、裏抜け濃度
低減、擦過性向上、速乾性向上)を得ることができる。
【0150】本発明においては、揮発しにくく、微粒子
との相溶性が高い水溶性有機溶剤を用いることで、さら
に処理液ヘッドの目詰まりを抑制できる。
【0151】本発明の処理液は、界面活性剤を含有する
ことで、記録媒体への浸透性が増す。また、界面活性剤
がカチオン性のものは、記録液がアニオン性でであると
き、微粒子の凝集効果を高めることができ、高画質の画
像を得ることができる。
【0152】本発明の処理液は、防腐防黴剤を含有する
ことで、長期保存時の液物性を安定化できる。
【0153】上記処理液と、顔料、染料、あるいはそれ
ら両方を含有する記録液とを併せて用いることで、鮮明
な記録物を作製できる。
【0154】記録液が水溶性有機溶剤を含有することに
より、保湿性を高めることで処理液ヘッドの目詰まりを
効果的に抑制でき、かつ、反応成分を一定量以上含有す
ることで画像品質を向上できる(フェザリング低減、カ
ラーブリード低減、画像濃度向上、裏抜け濃度低減、擦
過性向上、速乾性向上)。
【0155】インクセットに用いる記録液に界面活性剤
を含有することで浸透性を高め、液を瞬時に紙に吸収さ
せることで、フェザリング低減、カラーブリード低減、
速乾性向上ができる。
【0156】記録液は、防腐防黴剤を含有することで、
防腐防黴ができ物性を安定化できる。
【0157】本発明の画像形成方法、画像記録装置にお
いては、低フェザリング、低カラーブリード、高画像濃
度、低裏抜け濃度、高擦過耐久性、速乾を同時に満足す
る画像を形成することができ、また、そのような記録物
を得ることができる。
【0158】また、本発明の処理液カートリッジ及び記
録液カートリッジを用いれば、記録液、処理液をこぼす
ことなく画像記録装置に記録液と処理液を装着すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における画像形成装置の一例である。
【図2】 本発明における記録ヘッドの一例である。
【図3】 本発明における記録ヘッドの別の一例であ
る。
【図4】 本発明における画像記録装置に装填する前の
カートリッジの外観斜視図である。
【図5】 本発明におけるカートリッジの正断面図であ
る。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 本体筐体 7 処理液、記録液共通カートリッジ 16 ギア機構 17 副走査モータ 18 キャリッジ 20 カートリッジ 21、22 ガイドシャフト 23 タイミングベルト 24、25、26、27 主走査モータ 31、36、41 処理液が吐出されるノズル 32、33、34、35、37、38、39、40 記
録液が吐出されるノズル 42 液吸収体 43 ケース 44 上蓋部材 45 液供給口 46 シールリング 47 大気解放口 48 溝 50 キャップ部材 55 シール部材 60 カートリッジ本体 A 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA05 FC02 2H086 BA02 BA21 BA53 BA55 BA59 BA60 BA62 4J039 BE19 BE30 EA15 EA16 EA17 EA19 EA43 GA24

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材及び水を含有する記録液と接触した
    際に、色材との反応性を有する微粒子を含有する処理液
    において、少なくとも防錆剤を1種類以上含有すること
    を特徴とする処理液。
  2. 【請求項2】 前記防錆剤が、チオ硫酸ナトリウム、チ
    オジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウ
    ムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロ
    ヘキシルアンモニウムニトライト及びベンゾトリアゾー
    ルの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の処理液。
  3. 【請求項3】 色材及び水を含有する記録液と接触した
    際に、色材との反応性を有する微粒子を含有する処理液
    において、生成したラジカルにプロトンを与えて安定化
    させるラジカル受容体型の酸化防止剤を含有することを
    特徴とする処理液。
  4. 【請求項4】 前記ラジカル受容体型の酸化防止剤がタ
    ンニン酸であることを特徴とする請求項3に記載の処理
    液。
  5. 【請求項5】 上記色材との反応性を有する微粒子の含
    有率が15wt%以上であることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか一項に記載の処理液。
  6. 【請求項6】 上記色材との反応性を有する微粒子が無
    機微粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か一項に記載の処理液。
  7. 【請求項7】 前記無機微粒子がカチオン性シリカであ
    ることを特徴とする請求項6に記載の処理液。
  8. 【請求項8】 水溶性有機溶剤をさらに含むことを特徴
    とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の処理液。
  9. 【請求項9】 界面活性剤をさらに含むことを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれか一項に記載の処理液。
  10. 【請求項10】 前記界面活性剤がカチオン性であるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の処理液。
  11. 【請求項11】 防腐防黴剤をさらに含有することを特
    徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の処理
    液。
  12. 【請求項12】 色材及び水を含有する記録液と、該記
    録液に接触した際に該色材との反応性を有する微粒子を
    含有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の処理液
    とを組み合わせて構成され、該色材が顔料又は染料、も
    しくはその両方であることを特徴とするインクセット。
  13. 【請求項13】 前記記録液が水溶性有機溶剤をさらに
    含有することを特徴とする請求項12に記載のインクセ
    ット。
  14. 【請求項14】 前記記録液が界面活性剤をさらに含有
    することを特徴とする請求項12に記載のインクセッ
    ト。
  15. 【請求項15】 前記記録液が防腐防黴剤をさらに含有
    することを特徴とする請求項12に記載のインクセッ
    ト。
  16. 【請求項16】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の処理液を被記録体上に付与する工程と、請求項12〜
    15のいずれか一項に記載のインクセットに用いる記録
    液を被記録体上に付与する工程とを経て、該処理液と該
    記録液を被記録体上で接触させて画像を形成することを
    特徴とする画像形成方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の画像形成方法によ
    って作製されたことを特徴とする記録物。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載の画像形成方法によ
    って画像を形成することを特徴とする画像記録装置。
  19. 【請求項19】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の処理液を充填したことを特徴とする処理液カートリッ
    ジ。
  20. 【請求項20】 請求項12〜15のいずれか一項に記
    載のインクセットに用いる記録液を充填したことを特徴
    とする記録液カートリッジ。
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