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JP2003238700A - 非石綿系摩擦材 - Google Patents

非石綿系摩擦材

Info

Publication number
JP2003238700A
JP2003238700A JP2002044121A JP2002044121A JP2003238700A JP 2003238700 A JP2003238700 A JP 2003238700A JP 2002044121 A JP2002044121 A JP 2002044121A JP 2002044121 A JP2002044121 A JP 2002044121A JP 2003238700 A JP2003238700 A JP 2003238700A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction material
fiber
asbestos
diameter
friction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002044121A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Osada
武夫 長田
Kazuhiro Takeuchi
一弘 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshinbo Industries Inc, Nisshin Spinning Co Ltd filed Critical Nisshinbo Industries Inc
Priority to JP2002044121A priority Critical patent/JP2003238700A/ja
Priority to EP03100130A priority patent/EP1338817A1/en
Priority to US10/370,072 priority patent/US20030154882A1/en
Publication of JP2003238700A publication Critical patent/JP2003238700A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D69/02Composition of linings ; Methods of manufacturing
    • F16D69/025Compositions based on an organic binder
    • F16D69/026Compositions based on an organic binder containing fibres
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D2200/00Materials; Production methods therefor
    • F16D2200/006Materials; Production methods therefor containing fibres or particles
    • F16D2200/0069Materials; Production methods therefor containing fibres or particles being characterised by their size

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車、大型トラック、鉄道車両及び各種産
業用機械のブレーキ、クラッチ等に使用され、人体に発
ガン性や塵肺症(特にけい肺症)の恐れがなく、優れた
摩擦性能と防錆性能及び小さい対面攻撃性を有する非石
綿系摩擦材を提供すること。 【解決手段】 繊維基材、結合材及び充填材とを主成分
とする非石綿系摩擦材組成物を成形、硬化してなる非石
綿系摩擦材であって、該繊維基材は、長さが5μm以
上、直径が3μm以下であり、かつアスペクト比(繊維
長さ/繊維直径)が3を超える無機質繊維を含有せず
に、長さが1mm以上かつ3mm未満、直径が6μm以
上かつ10μm未満である非晶質シリカのチョップドス
トランドを含有することを特徴とする非石綿系摩擦材な
どを提供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、大型トラ
ック、鉄道車両及び各種産業用機械のブレーキ、クラッ
チ等に使用される非石綿系摩擦材に関し、さらに詳しく
は、自動車、大型トラック、鉄道車両及び各種産業用機
械のブレーキ、クラッチ等に使用され、人体に発ガン性
や塵肺症(特にけい肺症)の恐れがなく、優れた摩擦性
能と防錆性能及び小さい対面攻撃性を有する非石綿系摩
擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などのディスクブレーキパッド、
ブレーキシュー、クラッチディスク等に使用される摩擦
部材は、摩擦材に、鉄系金属からなる裏金を一体に接合
して形成されている。これらの摩擦部材は、相手側のデ
ィスクローターやクラッチプレートに押しつけられた状
態で相対的な移動が加えられ、その際の摩擦力で自動車
を制動したり、エンジンの駆動力を車輪に伝達したりす
る。
【0003】そのため、摩擦材には、その制動などを円
滑に行うために、耐摩耗性に優れていること、摩擦係数
が高くかつ安定していること、摩擦係数が高温時にも急
激に低下しない耐フェード性に優れていること、ブレー
キ制動時の鳴き等の異音が発生しないこと、対面(以
下、ローターと称することもある)攻撃性が小さいこと
などの諸性能が要求されている。
【0004】自動車等の摩擦部材においては、優れた摩
擦性能や鳴き性能を得るための原料として、無機粉末、
無機繊維を用いたものが従来から提案されている。たと
えばシリカ粉末を用いたものとして、特開昭58−18
3781号公報では、マトリックス中に、二酸化珪素
(シリカ)を含有せしめることにより、摩擦材の耐摩耗
性の向上を図っているものが開示されている。また、シ
リカ繊維を用いたものとして、特開2000−3194
09号公報では、アルミナ、シリカ及びジルコニアのう
ち2成分以上を含むセラミック繊維を含有し、かつこの
セラミック繊維の少なくとも一部が球状塊及び帯状塊と
から形成され、さらに、摩擦部材の剪断面に対して球状
塊と帯状塊とが特定%占有してなることにより、ブレー
キの効き特性に優れると共にローターの摩耗量を抑制で
き、かつブレーキ鳴きを防止できる摩擦材などが開示さ
れている。
【0005】しかしながら、シリカの粉末は、硬度が高
く、摩擦性能向上に有効であるが、対面攻撃性が大き
く、またブレーキ鳴き等を発生しやすくなる。また、従
来用いられてきた繊維基材としての結晶質シリカ(又は
結晶性シリカ)は、人体に発ガン性又は塵肺症(特にけ
い肺症)の恐れがあるとして、使用禁止になりつつあ
り、実際使用禁止の国が増えつつある。また、無機質繊
維も特定形状のもの、例えば針状結晶のもの(ウィスカ
ー)も、発ガン性の恐れがあるとして、その使用が問題
となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、従来技術の問題点に鑑み、自動車、大型トラック、
鉄道車両及び各種産業用機械のブレーキ、クラッチ等に
使用され、人体に発ガン性や塵肺症(特にけい肺症)の
恐れがなく、優れた摩擦性能と防錆性能及び小さい対面
攻撃性を有する非石綿系摩擦材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、非石
綿系摩擦材の主要基材としての繊維基材に、人体に発ガ
ン性や塵肺症(特にけい肺症)の恐れがあるとされる特
定形状の無機質繊維や結晶質シリカを用いずに、けい肺
症や発ガン性の恐れがないとされる、結晶構造を持たな
い無定形の非晶質シリカを、無害とされる形状寸法のチ
ョップドストランドにして、適量用いたところ、その非
石綿系摩擦材は、摩擦性能、防錆性能、対面攻撃性、鳴
き特性などの諸性能に優れることを見い出した。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
【0008】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
繊維基材、結合材及び充填材とを主成分とする非石綿系
摩擦材組成物を成形、硬化してなる非石綿系摩擦材であ
って、該繊維基材は、長さが5μm以上、直径が3μm
以下であり、かつアスペクト比(繊維長さ/繊維直径)
が3を超える無機質繊維を含有せずに、長さが1mm以
上かつ3mm未満、直径が6μm以上かつ10μm未満
である非晶質シリカのチョップドストランドを含有する
ことを特徴とする非石綿系摩擦材が提供される。
【0009】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、非晶質シリカのチョップドストランド
の含有量は、摩擦材全体に対して1〜16体積%である
ことを特徴とする非石綿系摩擦材が提供される。さら
に、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明に
おいて、非晶質シリカは、不純物としてアルミナを5%
未満、かつ酸化ナトリウムを0.5%未満含有すること
を特徴とする非石綿系摩擦材が提供される。
【0010】本発明は、上記した如く、繊維基材、結合
材及び充填材とを主成分とする非石綿系摩擦材組成物を
成形、硬化してなる非石綿系摩擦材であって、該繊維基
材は、特定形状の無機質繊維を含有せずに、特定形状の
非晶質シリカのチョップドストランドを含有することを
特徴とする非石綿系摩擦材などに係るものであるが、そ
の好ましい態様としては、次のものが包含される。
【0011】(1)結合材は、熱硬化性樹脂であること
を特徴とする上記のいずれかに記載の非石綿系摩擦材。 (2)繊維基材及び充填材には、結晶質シリカを含有し
ないことを特徴とする上記のいずれかに記載の非石綿系
摩擦材。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について項目毎に詳
細に説明する。 1.繊維基材 本発明の非石綿系摩擦材は、繊維基材、結合材及び充填
材とを主成分とする非石綿系摩擦材組成物において、該
繊維基材として、長さが5μm以上、直径が3μm以下
であり、かつアスペクト比(繊維長さ/繊維直径)が3
を超える無機質繊維を含有せずに、長さが1mm以上か
つ3mm未満、直径が6μm以上かつ10μm未満であ
る非晶質シリカのチョップドストランドを含有すること
を特徴とするものである。
【0013】(1)非晶質シリカ 本発明に係る非石綿系摩擦材組成物において、繊維基材
として、長さが1mm以上かつ3mm未満、直径が6μ
m以上かつ10μm未満である非晶質シリカのチョップ
ドストランドが用いられる。非晶質シリカは、国際ガン
研究機関(IARC)が発ガン性認定(グループ2A)
した結晶質シリカとは異なり、発ガン性やけい肺症の恐
れがないとされるものであって、本発明においては、長
さが1mm以上かつ3mm未満、直径が6μm以上かつ
10μm未満としたチョップドストランドが用いられ
る。このように、非晶質シリカを特定形状・寸法のチョ
ップドストランドとして用いることにより、さらに摩擦
材の諸性能、特に剪断強度やブレーキの鳴き特性などを
優れたものにすることができる。中でも、非晶質シリカ
のチョップドストランドは、耐熱温度が850℃程度で
あるガラスやロックウールより、耐熱性(1500℃程
度)を有するために、高温の摩擦特性に優れ、また、結
晶質シリカに比較して、硬くないために、対面攻撃性が
少なく良好となる。尚、非晶質シリカは、耐熱性の指標
として、融点が1500℃程度のものが用いられる。ま
た、非晶質シリカをウィスカー等ではなく、特定形状・
寸法のチョップドストランドにすることにより、浮遊粉
塵(大体10μm以下の微粉であり、肺胞には、1μm
以下のものが沈着するといわれる)の有害性が減少し、
さらに、人体に無害になると、すなわちけい肺症になら
ないと、或いは発ガン性にならないといわれる。
【0014】さらに、本発明に用いられる非晶質シリカ
は、不純物としてアルミナを5%未満、かつ酸化ナトリ
ウムを0.5%未満含有することを特徴とし、アルミナ
分が多いと対面攻撃性に、ナトリウムなどの酸化物分が
多いと耐熱性に悪影響があり、このことにより、さらに
対面攻撃性が減少し、かつ耐熱性が向上し摩擦係数の安
定が得られる。
【0015】本発明においては、非晶質シリカのチョッ
プドストランドの含有量は、非石綿系摩擦材組成物全量
基準で、1〜16体積%である。非晶質シリカのチョッ
プドストランドの含有量が1体積%未満であると、摩擦
特性が良好とならず、一方、非晶質シリカのチョップド
ストランドの含有量が16体積%を超えると、対面に対
する攻撃性が大となる恐れが生じてくる。
【0016】(2)その他の繊維成分 本発明の非石綿系摩擦材には、繊維基材として、上記の
非晶質シリカのチョップドストランド以外の繊維成分も
用いることができるが、発ガン性の恐れがあるとされ
る、無機質繊維の針状結晶のもの(ウィスカー)、すな
わち、長さが5μm以上、直径が3μm以下で、かつア
スペクト比(繊維長さ/繊維直径)が3を超える無機質
繊維は、本発明では用いない。その他の繊維成分として
は、石綿(アスベスト)以外の摩擦材に通常用いられて
いる無機質繊維、有機質繊維などが挙げられる。このよ
うな繊維基材として、比較的硬いものとしては、例え
ば、人造鉱物繊維、天然鉱物繊維、ガラス繊維、金属繊
維などが挙げられ、比較的柔らかいものとしては、例え
ば、アラミド繊維、炭素繊維、セルロース繊維、アクリ
ル繊維などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種
以上を組み合わせて用いることができる。中でも好まし
いのは、アラミド繊維が挙げられる。
【0017】上記の人造鉱物繊維としては、ロックウー
ルやスラグウール、硫酸マグネシウム繊維等が挙げられ
る。また、天然鉱物繊維としては、例えばウオラストナ
イト、セピオライト等が挙げられる。金属繊維として
は、例えば、スチール、ステンレス、青銅、銅、真鍮、
アルミニウム等の各種金属の繊維等が挙げらる。
【0018】本発明においては、非晶質シリカのチョッ
プドストランド以外の繊維基材は、短繊維状、パルプ
状、粉末状で用いられ、非晶質シリカのチョップドスト
ランド以外の繊維成分の含有量は、特に制限されず、非
石綿系摩擦材組成物全量基準で、用いる繊維基材成分の
種類により、適宜選ばれ、通常、5〜90体積%程度、
好ましくは20〜70体積%である。
【0019】2.結合材 本発明の非石綿系摩擦材に用いられる結合材には、通常
摩擦材に用いられる公知のものを使用することができ、
例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂またはそれらの変成樹脂のような熱硬化性樹脂
や、ポリアセタール、芳香族ポリイミド樹脂、フッ素樹
脂等の耐熱性樹脂、又はNBRなどが挙げられる。これ
らの1種を単独で、或いは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0020】本発明においては、結合材の含有量は、特
に制限されず、非石綿系摩擦材組成物全量基準で、用い
る結合材成分の種類により、適宜選ばれ、通常、5〜5
0体積%程度、好ましくは10〜25体積%である。
【0021】3.充填材 本発明の非石綿系摩擦材に、充填材成分として使用され
るものは、有機系でも無機系でもよく、通常摩擦材に用
いられる公知のものを使用することができ、例えば二硫
化モリブデン、三硫化アンチモン、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、酸化マグネシウム、カシューダスト、黒
鉛、水酸化カルシウム、フッ化カルシウム、タルク、三
酸化モリブデン、三酸化アンチモン、ケイ酸ジルコニウ
ム、酸化鉄、雲母、硫化鉄、酸化ジルコニウム、金属粉
末、石英、酸化珪素、ゴム粉末、アルミナ、酸化クロ
ム、バーミキュライトなどが挙げられる。中でも二硫化
モリブデン、三硫化アンチモン、カシューダスト、黒
鉛、三酸化アンチモンのような潤滑性のあるものは、耐
摩耗性の向上や対面攻撃性の減少に寄与する。逆に、珪
酸ジルコニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、石英、酸
化珪素、アルミナ、酸化クロムのような研磨作用のある
ものは、摩擦特性の向上に寄与する。これらの1種を単
独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
尚、本発明の主旨からして、この充填材成分に用いられ
る酸化珪素、すなわちシリカは、発ガン性又はけい肺症
の恐れがある結晶質シリカを用いないで、非晶質シリカ
や珪藻土(非結晶性粉末)を用いるものである。
【0022】本発明においては、充填材の含有量は、特
に制限されず、非石綿系摩擦材組成物全量基準で、用い
る充填材成分の種類により、適宜選ばれ、通常、5〜6
0体積%程度、好ましくは10〜40体積%である。
【0023】4.その他の任意材料 本発明において、非石綿系摩擦材組成物には、本発明の
目的を損なわない範囲で、上記の繊維基材、結合材及び
充填材以外の、非石綿系摩擦材に通常用いられる任意材
料を適宜添加することができる。例えば、コークス、リ
ン系潤滑剤等が挙げられるが、任意材料はこれらに限定
されるものではない。
【0024】5.非石綿系摩擦材の製造方法 本発明の非石綿系摩擦材の製造方法は、上記の繊維基
材、結合材及び充填材などをヘンシェルミキサー、レデ
ィゲミキサー、アイリッヒミキサー等の混合機を用いて
均一に混合し、成形用粉体を得、この粉体を成形用金型
内で予備成形(面圧9.8〜29.4MPaで0.5〜
3分間)し、この予備成形物を成形温度130〜200
℃、成形圧力9.8〜98.0MPa(100〜100
0kg/cm)で2〜15分間、好ましくは面圧1
8.7〜39.2MPa(150〜400kg/c
)で4〜10分間成形するものである。次に、得ら
れた成形品を140〜250℃の温度で2〜48時間、
好ましくは温度150〜220℃で6〜12時間熱処理
(後硬化)し、必要に応じてスプレー塗装、焼き付け、
研磨処理を施して完成品が得られる。尚、自動車等のデ
ィスクパッドを製造する場合には、予め洗浄、表面処
理、接着剤を塗布した鉄又はアルミニウム製プレート
(裏金)上に予備成形物を載せ、この状態で成形用金型
内で成形、熱処理、スプレー塗装、焼き付け、研磨する
ことにより製造することができる。
【0025】本発明の非石綿系摩擦材は、自動車、大型
トラック、鉄道車両、各種産業機械等のブレーキライニ
ング、クラッチフェーシング、ディスクパッド、制輪子
などの各種用途に好適に用いることができる。
【0026】
【実施例】次に、本発明について実施例及び比較例を挙
げて、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実
施例に特に限定されるものではない。実施例及び比較例
における摩擦材は、下記の評価法、判定基準に基づき評
価した。先ず、摩擦特性(摩擦係数)、対面攻撃性、及
び鳴き性能の評価は、「JASO C406」に準拠し
た摩擦試験にて、制動初速度50km/h、制動減速度
0.3G、制動回数2000回、制動前ブレーキ温度1
00℃と200℃の試験条件で、摩擦係数と対面(ロー
ター)の摩耗量を測定し、また、鳴きの度合を下記判定
基準に基づき評価した。 ◎:非常に良好(全く鳴かない) ○:良好(鳴きが合格レベル) △:若干悪い(鳴きがやや多い) ×:不合格(鳴きが多い)
【0027】また、錆落とし性評価として、「JASO
C406」に準拠した錆落と試験にて、制動初速度5
0km/h、制動減速度0.15G、制動回数200
回、制動前ブレーキ温度150℃の試験条件で、予め表
面に錆を発生させた対面(ローター)の錆の研削程度を
下記の基準に基づき評価した。 ◎:錆が完全に落ちている ○:錆がほぼ完全に落ちている △:錆がやや残っている ×:錆が残っている
【0028】さらに、環境負荷性の評価は、特定化学物
質の環境への排出量の把握及び改善の促進に関する法律
に準拠し、下記判定基準に基づき評価した。 ○:上記法律に定められた化学物質を含まない ×:上記法律に定められた化学物質を含む
【0029】[実施例1〜6、比較例1〜5]表1に示
した繊維基材、結合材及び充填材などの組成(成分)を
配合した摩擦材組成物について、アイリッヒミキサーを
用いて均一に混合し、加圧型内で300kg/cm
(29.4MPa)で30秒間加圧して予備成形し
た。この予備成形物を成形温度160℃、成形圧力30
0kg/cmの条件下で10分間成形し、その後、2
00℃で10時間熱処理(後硬化)を行い、実施例1〜
6、比較例1〜5の乗用車用ブレーキパッドを作製し
た。得られたブレーキパッドについて、前記の各種評価
を行った。結果を表1に示す。
【0030】尚、実施例1〜6に用いた非晶質シリカの
チョップドストランドであるシリカ繊維は、長さが1m
m、直径が9μmであり、その成分は、シリカが94.
7%アルミナが4.5%、酸化ナトリウムが0.3%で
ある。比較例1、2に用いたウィスカーは、長さが20
μm、直径が0.6μmのチタン酸カリウム繊維で、大
塚化学製「トフィカ」(登録商標)である。また、比較
例3、5に用いたセラミックファイバーは、長さが80
μm、直径が2〜4μmの結晶質のシリカ繊維で、新日
鐵化学製「サーマルセラミックス SCバルク」(登録
商標)である。さらに、比較例3、4に用いたガラス繊
維は、長さが3mm、直径が9μmのもので、セントラ
ル硝子製「EOSシリーズ」である。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果から、繊維基材として従来の結
晶質シリカなどの各成分をそのまま配合した比較例1〜
5の摩擦材は、摩擦試験結果、及び錆び落とし性と環境
負荷性の評価結果が実施例1〜6に比べて劣るものであ
った。すなわち、例えば結晶質シリカを配合した比較例
5は、摩擦係数と錆び落とし性は良好であるものの、対
面攻撃性は大きく、鳴き性能も悪く、さらに、環境負荷
性も悪かった。一方、これらに対し、繊維基材として、
長さが1mm以上かつ3mm未満、直径が6μm以上か
つ10μm未満である非晶質シリカのチョップドストラ
ンドを特定量含有した本発明に係る実施例1〜6のもの
は、いずれも摩擦試験(摩擦係数、対面攻撃性、鳴き性
能)結果、及び錆び落とし性と環境負荷性の評価結果が
良好であることが認められ、実用上問題ないことが判明
した。
【0033】
【発明の効果】本発明の非石綿系摩擦材は、繊維基材
に、長さが1mm以上かつ3mm未満、直径が6μm以
上かつ10μm未満である非晶質シリカのチョップドス
トランドを特定量含有することにより、人体に発ガン性
や塵肺症(特にけい肺症)の恐れがなく、優れた摩擦性
能と、小さい対面攻撃性及び優れた防錆性を有するとい
う顕著な効果を発揮し、高品質なものとなる。そのた
め、自動車、大型トラック、鉄道車両及び各種産業用機
械のブレーキ、クラッチ等に好適に用いられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/14 C09K 3/14 520M 530 530D F16D 69/02 F16D 69/02 B Fターム(参考) 3J058 BA21 BA23 FA01 GA04 GA07 GA23 GA33 GA34 GA35 GA37 GA38 GA43 GA45 GA73 GA82 4F071 AA12X AA34X AA41 AA59 AB03 AB07 AB18 AB20 AB24 AB26 AD01 AF28 AH07 AH17 BB01 BC17 4J002 AC072 CC021 CL063 DA028 DA077 DE099 DG049 DJ016 FD046 FD047 GM00 GM03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材、結合材及び充填材とを主成分
    とする非石綿系摩擦材組成物を成形、硬化してなる非石
    綿系摩擦材であって、該繊維基材は、長さが5μm以
    上、直径が3μm以下であり、かつアスペクト比(繊維
    長さ/繊維直径)が3を超える無機質繊維を含有せず
    に、長さが1mm以上かつ3mm未満、直径が6μm以
    上かつ10μm未満である非晶質シリカのチョップドス
    トランドを含有することを特徴とする非石綿系摩擦材。
  2. 【請求項2】 非晶質シリカのチョップドストランドの
    含有量は、摩擦材全体に対して1〜16体積%であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の非石綿系摩擦材。
  3. 【請求項3】 非晶質シリカは、不純物としてアルミナ
    を5%未満、かつ酸化ナトリウムを0.5%未満含有す
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の非石綿系摩擦
    材。
JP2002044121A 2002-02-21 2002-02-21 非石綿系摩擦材 Pending JP2003238700A (ja)

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JP2002044121A JP2003238700A (ja) 2002-02-21 2002-02-21 非石綿系摩擦材
EP03100130A EP1338817A1 (en) 2002-02-21 2003-01-22 Non-asbestos-based friction materials
US10/370,072 US20030154882A1 (en) 2002-02-21 2003-02-21 Non-asbestos-based friction materials

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