JP2007048759A - サージアブソーバ - Google Patents
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Abstract
【課題】放電電極の対面部の溶融を防止することにより、安定した性能が長期的に得られるようにするとともに、長寿命化を図る。
【解決手段】放電間隙7に面する放電電極4、4の端面、及びその端面に連続する放電間隙7近傍に位置する放電電極4、4の外表面を絶縁膜8で被覆する。
絶縁膜8は、放電電極4、4の端面を被覆する部分よりも放電電極4、4の外表面を被覆する部分の方が厚く形成される。更に放電電極4、4の端面を被覆する部分はポーラス状に形成される。放電電極4、4の端面間で絶縁膜8を介してグロー放電がトリガされ、この放電は放電電極4、4の外表面を被覆している絶縁膜8の部分を飛び越え、外表面に連続する放電電極4、4の部分に沿面放電の形態で伸展し、放電電極4、4の基端部間でアーク放電することになる。
【選択図】図1
【解決手段】放電間隙7に面する放電電極4、4の端面、及びその端面に連続する放電間隙7近傍に位置する放電電極4、4の外表面を絶縁膜8で被覆する。
絶縁膜8は、放電電極4、4の端面を被覆する部分よりも放電電極4、4の外表面を被覆する部分の方が厚く形成される。更に放電電極4、4の端面を被覆する部分はポーラス状に形成される。放電電極4、4の端面間で絶縁膜8を介してグロー放電がトリガされ、この放電は放電電極4、4の外表面を被覆している絶縁膜8の部分を飛び越え、外表面に連続する放電電極4、4の部分に沿面放電の形態で伸展し、放電電極4、4の基端部間でアーク放電することになる。
【選択図】図1
Description
本発明は、雷サージや静電気等の異常電圧による電撃を受けやすい部分に設けられ、異常電圧によって電子機器が破壊されるのを防止するサージアブソーバに関するものである。
電話機、ファクシミリ、モデム等の電子機器が通信線と接続する部分、CRT駆動回路等、雷サージや静電気等の異常電圧による電撃を受けやすい部分にはサージアブソーバが設けられ、異常電圧によって電子機器や電子機器を搭載するプリント基板等が破壊されるのを防止している。
この種のサージアブソーバには種々のタイプのものがあり、例えば、図8及び図9に示すようなタイプのサージアブソーバが一般に知られている。
すなわち、図8に示すサージアブソーバ41は、所謂ガラス管封止型のサージアブソーバであって、円柱状のセラミックス部材42の表面に放電間隙47(マイクロギャップ)を介して放電電極44、44を対向配置してアブソーバ素子43とし、このアブソーバ素子43の両端部にそれぞれキャップ電極49、49を被嵌させ、これを不活性ガスと共に円筒状のガラス管50内に収容し、ガラス管50の両端開口部をそれぞれ封止電極51、51で封止し、封止電極51、51とキャップ電極49、49とを接続したものである。
また、図9に示すサージアブソーバ61は、所謂チップ型のサージアブソーバであって、絶縁性基板62の表面に放電間隙67を介して放電電極64、64を対向配置してアブソーバ素子63とし、このアブソーバ素子63の放電電極64、64をガラス製の蓋体70で被包し、蓋体70と放電電極64、64との間に形成される空間内に不活性ガスを封入し、放電電極64、64の両端部にそれぞれ端子電極71、71を接続したものである。
そして、上記のような構成のサージアブソーバ41、61の放電電極44−44、64−64間に放電間隙47、67を介してサージ電圧が印加されると、放電間隙47、67を介して放電電極44−44、64−64間でグロー放電がトリガされ、この放電が空間内を沿面放電の形態で両放電電極44、44、64、64の基端側まで次第に伸展し、両放電電極44、44、64、64の基端側の間でアーク放電することにより、サージ電圧が吸収されることになる。
しかしながら、上記のような構成のサージアブソーバ41、61にあっては、図10に示すように、放電間隙47、67に面する両放電電極44、44、64、64の端面部が放電による熱によって溶融し、この溶融物が放電間隙47、67内に入り込んで放電電極44−44、64−64間を短絡させたり、この溶融物が図11に示すように飛び散って放電間隙47、67が広がってしまう等の問題があり、初期の性能を長期的に維持することができず、寿命が大幅に短縮されていた。
本発明は、上記のような問題に鑑みなされたものであって、放電電極の端面部が放電による熱によって溶融するのを防止し、これにより放電電極間を短絡させたり、放電間隙が広がったりするのを防止し、初期の性能を長期的に維持することができて、長寿命化を図ることのできるサージアブソーバを提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明は、以下の手段を採用している。
すなわち、本発明は、絶縁体の表面に、放電間隙を介して互いに対向配置される放電電極を備えてなるサージアブソーバにおいて、少なくとも前記放電間隙に面する前記放電電極の端面、及びその端面に連続する前記放電間隙近傍に位置する前記放電電極の外表面を絶縁膜で被覆したことを特徴とする。
この発明に係るサージアブソーバによれば、放電間隙に面する放電電極の端面、及びそれに連続する放電間隙近傍に位置する放電電極の外表面が絶縁膜で被覆されることになる。すなわち、グロー放電がトリガされる放電電極の部分が絶縁膜で被覆されることになるので、グロー放電がトリガされる放電電極の部分が放電による熱によって溶融するようなことはなくなる。
すなわち、本発明は、絶縁体の表面に、放電間隙を介して互いに対向配置される放電電極を備えてなるサージアブソーバにおいて、少なくとも前記放電間隙に面する前記放電電極の端面、及びその端面に連続する前記放電間隙近傍に位置する前記放電電極の外表面を絶縁膜で被覆したことを特徴とする。
この発明に係るサージアブソーバによれば、放電間隙に面する放電電極の端面、及びそれに連続する放電間隙近傍に位置する放電電極の外表面が絶縁膜で被覆されることになる。すなわち、グロー放電がトリガされる放電電極の部分が絶縁膜で被覆されることになるので、グロー放電がトリガされる放電電極の部分が放電による熱によって溶融するようなことはなくなる。
また、本発明のサージアブソーバにおいて、前記絶縁膜は、前記放電電極の端面を被覆する部分よりも前記放電電極の外表面を被覆する部分の方が厚く形成されてなることを特徴とする。
この発明に係るサージアブソーバによれば、放電電極の端面間で絶縁膜を介してグロー放電がトリガされ、この放電は放電間隙近傍に位置する絶縁膜によって被覆されている放電電極の外表面の部分を飛び越え、その外側の絶縁膜が設けられていない放電電極の部分に伸展し、更にその部分から放電電極の基端部まで伸展し、放電電極の基端部間においてアーク放電することになる。
この発明に係るサージアブソーバによれば、放電電極の端面間で絶縁膜を介してグロー放電がトリガされ、この放電は放電間隙近傍に位置する絶縁膜によって被覆されている放電電極の外表面の部分を飛び越え、その外側の絶縁膜が設けられていない放電電極の部分に伸展し、更にその部分から放電電極の基端部まで伸展し、放電電極の基端部間においてアーク放電することになる。
さらに、このサージアブソーバにおいて、前記絶縁膜は、少なくとも前記放電電極の端面を被覆する部分がポーラス状に形成されてなることを特徴とする。
この発明に係るサージアブソーバによれば、ポーラス状に形成されている絶縁膜の部分を介して放電電極の端面間でグロー放電がトリガされ、この放電は放電間隙近傍に位置する絶縁膜によって被覆されている放電電極の外表面の部分を飛び越え、その外側の絶縁膜が設けられていない放電電極の部分に伸展し、更にその部分から放電電極の基端部まで伸展し、放電電極の基端部間においてアーク放電することになる。
この発明に係るサージアブソーバによれば、ポーラス状に形成されている絶縁膜の部分を介して放電電極の端面間でグロー放電がトリガされ、この放電は放電間隙近傍に位置する絶縁膜によって被覆されている放電電極の外表面の部分を飛び越え、その外側の絶縁膜が設けられていない放電電極の部分に伸展し、更にその部分から放電電極の基端部まで伸展し、放電電極の基端部間においてアーク放電することになる。
本発明によれば、少なくとも放電間隙に面する放電電極の端面、及びその端面に連続する放電間隙近傍に位置する放電電極の外表面を絶縁膜で被覆したことにより、放電の熱によって放電電極の端面が溶融するのを防止できることになる。従って、溶融物が放電間隙内に入り込んで放電電極間を短絡させるようなことはなく、また溶融物が飛び散ることによって放電間隙が広くなるようなこともなくなり、放電間隙を長期に渡って初期の寸法に維持でき、初期の性能を長期的に維持することができるとともに、長寿命化を図ることができることになる。
また、絶縁膜は、放電電極の端面を被覆する部分よりも放電電極の外表面を被覆する部分の方が厚く形成されてなることにより、サージアブソーバに雷サージ等のサージ電圧が印加されると、放電間隙を介して放電電極の端面間で絶縁膜を介してグロー放電がトリガされ、この放電が絶縁膜によって被覆されている放電電極の外表面の部分を飛び越え、その外側に位置する絶縁膜が設けられていない放電電極の部分に伸展し、その部分から放電電極の基端部まで伸展し、放電電極の基端部間でアーク放電することになる。従って、放電の熱によって放電電極の端面が溶融するのを確実に防止できることになるので、溶融物が放電間隙内に入り込んで放電電極間を短絡させるようなことはなく、また溶融物が飛び散ることによって放電間隙が広くなるようなこともなくなり、放電間隙を長期に渡って初期の寸法に維持でき、初期の性能を長期的に維持することができるとともに、長寿命化を図ることができることになる。
さらに、少なくとも放電電極の端面を被覆する部分がポーラス状に形成されてなることにより、その部分に電界が集中しやすくなり、安定した性能が得られることになる。
また、絶縁膜は、放電電極の端面を被覆する部分よりも放電電極の外表面を被覆する部分の方が厚く形成されてなることにより、サージアブソーバに雷サージ等のサージ電圧が印加されると、放電間隙を介して放電電極の端面間で絶縁膜を介してグロー放電がトリガされ、この放電が絶縁膜によって被覆されている放電電極の外表面の部分を飛び越え、その外側に位置する絶縁膜が設けられていない放電電極の部分に伸展し、その部分から放電電極の基端部まで伸展し、放電電極の基端部間でアーク放電することになる。従って、放電の熱によって放電電極の端面が溶融するのを確実に防止できることになるので、溶融物が放電間隙内に入り込んで放電電極間を短絡させるようなことはなく、また溶融物が飛び散ることによって放電間隙が広くなるようなこともなくなり、放電間隙を長期に渡って初期の寸法に維持でき、初期の性能を長期的に維持することができるとともに、長寿命化を図ることができることになる。
さらに、少なくとも放電電極の端面を被覆する部分がポーラス状に形成されてなることにより、その部分に電界が集中しやすくなり、安定した性能が得られることになる。
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2には、本発明によるサージアブソーバの一実施の形態が示されていて、図1は全体を示す概略断面図、図2は、図1の部分拡大図である。
図1及び図2には、本発明によるサージアブソーバの一実施の形態が示されていて、図1は全体を示す概略断面図、図2は、図1の部分拡大図である。
すなわち、このサージアブソーバ1は、所謂ガラス管封止型のサージアブソーバであって、円柱状のムライト焼結体等のセラミックス部材からなる絶縁体2の周面に、放電間隙7を介して導電性皮膜からなる放電電極4、4を対向配置してアブソーバ素子3とし、このアブソーバ素子3の両端部にそれぞれキャップ電極9、9を被嵌させて各キャップ電極9を各放電電極4の端部に接続し、これをガラス管10の内部に不活性ガスと共に収容し、ガラス管10の両端開口部をそれぞれ封止電極11、11で封止し、各封止電極11を各キャップ電極9に接続して構成したものである。
絶縁体2を構成するセラミックス部材としては、ムライト焼結体の他、アルミナ、ベリリア、ステアライト、フォルステライト、ジルコン、普通磁器、ガラスセラミックス、窒化ケイ素、窒化アルミ、炭化ケイ素等の絶縁性セラミックスが挙げられる。
放電電極4は、セラミックス部材からなる絶縁体2の周面に、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、印刷法、焼付法、メッキ法、CVD法等の薄膜形成法により導電性皮膜を形成することにより形成されるものである。
放電電極4を構成する導電性皮膜の素材としては、Ag/Pd、SnO2、Al、Ni、Cu、Ti、TiN、TiCN、Ta、W、SiC、BaAl、Nb、Si、C、Ag、Ag/Pt、ITO等が挙げられる。
導電性皮膜の一部には、導電性皮膜を全周に渡ってレーザカット法等により除去することにより、10〜200μm程度の幅の放電間隙7が形成され、この放電間隙7により放電電極4は2つに分割され、この放電間隙7を介して互いに対向する一対の放電電極4、4が構成されるものである。
放電間隙7を構成する両放電電極4、4の端面5、及び放電間隙7の近傍に位置する両放電電極4、4の端面5に連続する外表面6には、図2に拡大図で示すように、所定の厚みの絶縁膜8が設けられるようになっている。絶縁膜8は、両放電電極4、4の端面5−5間、及びそれに連続する外表面6−6間を電気的に絶縁するためのものであって、両放電電極4、4の端面5、5側の厚みt1よりも両放電電極4、4の外表面側6、6の厚みt2方が厚く形成され、両放電電極4、4の外表面6、6側の絶縁膜8は、両放電電極4、4の端面5、5から遠ざかるほど漸次薄くなるように形成されるようになっている。
絶縁膜8は、例えばレーザカット法により導電性皮膜を除去して放電間隙7を形成する場合には、絶縁体2と同一のセラミックス部材からなる酸化膜によって構成される。具体的には、レーザ光によって導電性皮膜を切断する際に、導電性皮膜に接触する絶縁体2の部分を溶融させ、この溶融物をレーザ光の周囲から酸素を含む気体を吹き付けることにより導電性皮膜の切断面(放電電極4の端面5)及びその切断面に連続する導電性皮膜の外表面(放電電極4の外表面6)に付着させて構成される。この場合、放電電極4、4の端面5、5に形成される絶縁膜8の部分はポーラス状に形成される。なお、絶縁膜8を形成する部分以外の部分には適宜の方法によりマスキングを施しておく。
上記のように、絶縁体2の表面に放電間隙7を介して放電電極4、4を対向配置させることによりアブソーバ素子3が構成され、アブソーバ素子3の両端部にはそれぞれキャップ電極9、9が被嵌され、各キャップ電極9は各放電電極4の基端部に接続される。
アブソーバ素子3をガラス管10内に収容する際、ガラス管10内に一緒に封入される不活性ガスは、He、Ar、Ne、Xe、SF6、CO2、C3F8、C2F6、CF4、H2 及びこれらの混合ガス等の不活性ガスが挙げられる。
そして、ガラス管10の両端開口部を封止電極11、11で封止し、各封止電極11を各キャップ電極9に接続することで、この実施の形態によるサージアブソーバ1が構成されるものである。
そして、上記のように構成したサージアブソーバ1に雷サージ等のサージ電圧が印加されると、放電間隙7を介して放電電極4、4の端面5−5間で絶縁膜8、8を介してグロー放電がトリガされ、この放電が絶縁膜8、8によって被覆されている放電電極4、4の外表面6、6の部分を飛び越え、その外側に位置する絶縁膜8、8が設けられていない放電電極4、4の部分に伸展し、その部分から放電電極4、4の基端部まで伸展し、放電電極4、4の基端部間でアーク放電するものである。
この場合、放電間隙7に面する放電電極4、4の端面5、5、及びその端面5、5に連続する放電間隙7近傍に位置する放電電極4、4の外表面6、6には絶縁膜8が設けられているので、放電の熱によって放電電極4、4の端面5、5が溶融するのを防止できるので、溶融物が放電間隙7内に入り込んで放電電極4−4間を短絡させるようなことはなく、溶融物が飛び散ることによって放電間隙7が広くなるようなこともなくなる。従って、放電間隙7を初期の寸法に維持できるので、初期の性能を長期的に維持することができ、長寿命化を図ることができることになる。
さらに、放電電極4、4の端面5、5に設けられる絶縁膜8はポーラス状に形成されるので、その部分に電界が集中しやすくなり、安定した性能が得られることになる。
図3及び図2には、本発明によるサージアブソーバの他の実施の形態が示されていて、このサージアブソーバ21は、所謂チップ型のサージアブソーバであって、ムライト焼結体等のセラミックス部材からなる板状の絶縁体22の表面に、放電間隙27を介して導電性皮膜からなる放電電極24、24を対向配置してアブソーバ素子23とし、このアブソーバ素子23の放電電極24、24をガラス製の蓋体30で被包し、蓋体30と放電電極24、24との間に形成される空間内に不活性ガスを封入し、放電電極24、24の両端部にそれぞれ端子電極31、31を接続したものである。
この場合、絶縁体22、放電電極24、24、及び放電間隙27の構成は、前記実施の形態に示すものと同一であるので、その詳細な説明は省略するものとする。また、この実施の形態においても、前記実施の形態に示すものと同様に、放電間隙27を構成する両放電電極24、24の端面25、25、及び放電間隙27の近傍に位置する両放電電極24、24の端面25、25に連続する外表面26、26に、図2に拡大図で示すように、所定の厚みの絶縁膜28、28が設けられる。この場合の絶縁膜28、28の構成は、前記実施の形態に示すものと同様であるので、その詳細な説明は省略するものとする。
そして、絶縁体22の表面に放電間隙27を介して放電電極14、14を対向配置させることによってアブソーバ素子23が構成され、このアブソーバ素子23の放電電極24、24はガラス製の蓋体30で被包される。この場合、蓋体30の周縁部を放電電極24、24の周縁部に接着剤等により接合することで、蓋体30と放電電極24、24との間に密閉された空間が形成され、この空間内に前記実施の形態に示すものと同様の不活性ガスが封入される。放電電極24、24の基端部は蓋体30の外端面まで延出し、その延出した部分に端子電極31、31が接続され、端子電極31、31は蓋体30及び絶縁体22の外端面に被嵌される。このようにして、この実施の形態によるサージアブソーバ21が構成されるものである。
そして、上記のように構成したこの実施の形態によるサージアブソーバ21にあっても、前記実施の形態に示すものと同様に、サージアブソーバ21に雷サージ等のサージ電圧が印加されると、放電間隙27を介して放電電極24、24の端面25−25間で絶縁膜28を介してグロー放電がトリガされ、この放電が絶縁膜28によって被覆されている放電電極24、24の外表面26、26の部分を飛び越え、その外側に位置する絶縁膜28が設けられていない放電電極24、24の部分に伸展し、その部分から放電電極24、24の基端部まで伸展し、放電電極24、24の基端部間でアーク放電するものである。
この場合、放電間隙27に面する放電電極24、24の端面25、25、及びその端面25、25に連続する放電間隙27近傍に位置する放電電極24、24の外表面26、26には絶縁膜228、228が設けられているので、放電の熱によって放電電極24、24の端面25、25が溶融するのを防止できるので、溶融物が放電間隙27内に入り込んで放電電極24―24間を短絡させるようなことはなく、溶融物が飛び散ることによって放電間隙27が広くなるようなこともなくなる。従って、放電間隙27を初期の寸法に維持できるので、初期の性能を長期的に維持することができ、長寿命化を図ることができることになる。
さらに、放電電極24、24の端面25、25に設けられる絶縁膜28、28はポーラス状に形成されるので、その部分に電界が集中しやすくなり、安定した性能が得られることになる。
以下に、本発明によるサージアブソーバの実施例を示す。
<実施例1>
(1)下部層(導電性膜);TiCN層
被覆温度;1000℃、圧力50Torr、反応ガス;TiCl4;%、N2;30%、CH4;4%、H2;残
層厚;30分被覆で0.2μm程度
(2)最表面層(絶縁膜);極薄Al203層
被覆温度;1000℃、圧力;50Torr、反応ガス;AlCl3;2%、CO2;6%、HCl;2%、H2;残
層厚;3分被覆で0.03〜0.07μm程度
層長;100〜400μm程度
<実施例2>
(1)下部層(導電性膜);TiCN層
被覆温度;1000℃、圧力50Torr、反応ガス;TiCl4;4%、N2;30%、CH4;4%、H2;残
層厚;30分被覆で0.2μm程度
(2)最表面層(絶縁膜);極薄Al203層
Al203、ムライト等をターゲットとして用いたレーザスパッタリング法にて被覆
層厚;0.03〜0.07μm程度
層長;100〜400μm程度
<実施例1>
(1)下部層(導電性膜);TiCN層
被覆温度;1000℃、圧力50Torr、反応ガス;TiCl4;%、N2;30%、CH4;4%、H2;残
層厚;30分被覆で0.2μm程度
(2)最表面層(絶縁膜);極薄Al203層
被覆温度;1000℃、圧力;50Torr、反応ガス;AlCl3;2%、CO2;6%、HCl;2%、H2;残
層厚;3分被覆で0.03〜0.07μm程度
層長;100〜400μm程度
<実施例2>
(1)下部層(導電性膜);TiCN層
被覆温度;1000℃、圧力50Torr、反応ガス;TiCl4;4%、N2;30%、CH4;4%、H2;残
層厚;30分被覆で0.2μm程度
(2)最表面層(絶縁膜);極薄Al203層
Al203、ムライト等をターゲットとして用いたレーザスパッタリング法にて被覆
層厚;0.03〜0.07μm程度
層長;100〜400μm程度
上記のように、導電性皮膜の表面に絶縁膜を形成したことにより、放電による熱によって導電性皮膜の端面が溶融することがなくなり、導電性皮膜の端面間の寸法が長期に渡って初期の値に維持され、長寿命化を図ることができた。
即ち、図4〜図7は、上記の構成からなるサージアブソーバの実験結果を示す図である。図4、図5は、電圧印加ごとに変化する放電電極に印加される電圧Vsに対する電圧変化分ΔVsを示す図であって、製作した3つのサージアブソーバ×□△について、実験を行った結果を示すものである。図4は、最表面層絶縁膜なしの場合を示し、図5は、最表面層絶縁膜有りの場合を示している(絶縁膜の有無以外の条件は同じ)。
これらの図に示すように、絶縁膜なしの場合は電圧の印加回数が増えるごとにΔVs/Vsが低下する傾向にあるが、絶縁膜有りの場合はΔVs/Vsが電圧印加初期に僅か低下するがそれ以後略一定である。
また、図6、図7は、電圧印加ごとに変化する放電電極間の抵抗値IRを示す図であって、3つのサージアブソーバ×□Δについての実験結果を示す図である。図6は最表面層絶縁膜なしの場合、図7は最表面層絶縁膜有りの場合を示している。
これらの図に示すように、絶縁膜なしの場合は電圧印加ごとに抵抗値が減少する傾向があるが、絶縁膜有りの場合は抵抗値に変化はない。
上記の結果から、絶縁膜により長寿命化を図れることが明らである。
即ち、図4〜図7は、上記の構成からなるサージアブソーバの実験結果を示す図である。図4、図5は、電圧印加ごとに変化する放電電極に印加される電圧Vsに対する電圧変化分ΔVsを示す図であって、製作した3つのサージアブソーバ×□△について、実験を行った結果を示すものである。図4は、最表面層絶縁膜なしの場合を示し、図5は、最表面層絶縁膜有りの場合を示している(絶縁膜の有無以外の条件は同じ)。
これらの図に示すように、絶縁膜なしの場合は電圧の印加回数が増えるごとにΔVs/Vsが低下する傾向にあるが、絶縁膜有りの場合はΔVs/Vsが電圧印加初期に僅か低下するがそれ以後略一定である。
また、図6、図7は、電圧印加ごとに変化する放電電極間の抵抗値IRを示す図であって、3つのサージアブソーバ×□Δについての実験結果を示す図である。図6は最表面層絶縁膜なしの場合、図7は最表面層絶縁膜有りの場合を示している。
これらの図に示すように、絶縁膜なしの場合は電圧印加ごとに抵抗値が減少する傾向があるが、絶縁膜有りの場合は抵抗値に変化はない。
上記の結果から、絶縁膜により長寿命化を図れることが明らである。
1、21 サージアブソーバ 2、22 絶縁体 4、24 放電電極 5、25 端面 6、26 外表面 7、27 放電間隙
Claims (3)
- 絶縁体の表面に、放電間隙を介して互いに対向配置される放電電極を備えてなるサージアブソーバにおいて、
少なくとも前記放電間隙に面する前記放電電極の端面、及びその端面に連続する前記放電間隙近傍に位置する前記放電電極の外表面を絶縁膜で被覆したことを特徴とするサージアブソーバ。 - 請求項1記載のサージアブソーバにおいて、
前記絶縁膜は、前記放電電極の端面を被覆する部分よりも、前記放電電極の外表面を被覆する部分の方が厚く形成されてなることを特徴とするサージアブソーバ。 - 請求項2記載のサージアブソーバにおいて、
前記絶縁膜は、少なくとも前記放電電極の端面を被覆する部分がポーラス状に形成されてなることを特徴とするサージアブソーバ。
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