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JP2003200288A - Pbフリーはんだ材料及びそれを用いた電子機器 - Google Patents

Pbフリーはんだ材料及びそれを用いた電子機器

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Publication number
JP2003200288A
JP2003200288A JP2002340281A JP2002340281A JP2003200288A JP 2003200288 A JP2003200288 A JP 2003200288A JP 2002340281 A JP2002340281 A JP 2002340281A JP 2002340281 A JP2002340281 A JP 2002340281A JP 2003200288 A JP2003200288 A JP 2003200288A
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solder
weight
eutectic
alloy
temperature
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JP2002340281A
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Hideyoshi Shimokawa
英恵 下川
Tasao Soga
太佐男 曽我
Tetsuya Nakatsuka
哲也 中塚
Toshiharu Ishida
寿治 石田
Masahide Harada
正英 原田
Megumi Hamano
恵 浜野
Kenichi Yamamoto
健一 山本
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、従来のPbを含んだはんだと同
程度の特性を備えるPbフリーはんだ及びこれを用いた
実装品を提供することにある。 【解決手段】上記目的は、10重量%〜25重量%のB
i、1.5重量%〜3重量%のAg、残りSn、及び不
可避不純物で構成されるSn−Ag−Bi系はんだ、或
いは、このはんだ合金にCuを1重量%未満含んだSn
−Ag−BiーCu系はんだ合金、更に望ましくはCu
を0.1重量%未満含んだSn−Ag−BiーCu系は
んだ合金によって達成することができる。これらの範囲
のはんだ合金の低温で溶融する3元共晶量は、20%以
下である。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、毒性の少ないPb
フリーはんだ合金及びこれを用いた実装品に関するもの
である。このはんだ合金は、有機基板等の回路基板への
LSI等の電子部品の接続に適用でき、従来の220〜
230℃でのはんだ付けに用いられているPbーSn共
晶はんだの代替品である。 【0002】 【従来の技術】従来、有機基板等の回路基板にLSI等
の電子部品を接続して電子回路基板の製造するには、S
n−Pb共晶はんだ、及びこのSn−Pb共晶はんだ近
傍で、融点も類似なSn−Pbはんだ、或いは、これら
に少量のBiやAgを添加したはんだ合金が用いられて
いる。 【0003】これらのはんだには、Pbが約40重量%
含まれている。いずれのはんだ合金も、融点はほぼ18
3℃であり、220〜230℃でのはんだ付けが可能で
あった。また、150℃程度の高温での信頼性を保証す
ることができた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のSn−
Pb共晶はんだ中に含まれているPbは人体に有毒な重
金属であり、このPbを含む製品を廃棄することによる
地球環境の汚染、生物への悪影響が問題となっている。
この地球環境の汚染は、野ざらしに放置されたPbを含
む電気製品から、雨等によってPbが溶出することによ
って起こる。Pbの溶出は、最近の酸性雨によって加速
される傾向にある。従って、環境汚染を低減するため
に、大量に使用されている上記のSn−Pb共晶系はん
だの代替材料としてPbを含まない低毒性のはんだ合金
が必要である。 【0005】このSn−Pb共晶はんだの代替材料とし
てのPbフリーはんだ合金は、以下のような特性を持た
なければならない。 【0006】まず、従来のSn−Pb共晶はんだと同様
に220〜230℃での温度ではんだ付けが可能でなけ
ればならない。これは、LSI等の電子部品、及び有機
基板等の回路基板の耐熱性から、これ以上の温度でのは
んだ付けが困難なためである。このために、はんだ合金
の液相線温度はほぼ210℃以下でなけらばならない。 【0007】また、このはんだ合金のぬれ性は、Sn−
Pb共晶はんだ、あるいは従来の使用実績のあるSn−
Ag共晶はんだ(3.5重量%のAg、残りSnのはん
だ)とほぼ同等である必要がある。もしこのPbフリー
はんだが、従来のはんだと比較して、表面の酸化等によ
りぬれ性が極端に悪いと、はんだ付け雰囲気の改善、は
んだ材料に適したフラックス、洗浄材料、及び洗浄方法
の開発、はんだ付けされる電極部の材料開発等の大きな
課題を生じてしまう。 【0008】はんだ組織としては、クラック進展のきっ
かけになりうる針状等の高アスペクト比の大きな結晶
が、存在しないことが重要である。これらの針状の結晶
がはんだ表面から成長すると、電気的な短絡を起こして
しまうこともある。 【0009】また、できるだけ高温、即ち、150℃、
少なくとも125℃での信頼性を確保できなければなら
ない。これは、電気製品の使用時では、部品自体の発
熱、或いは使用環境が高温であることにより、はんだ接
続部の温度が上昇する場合があるためである。 【0010】また、はんだ合金の伸びは、電子部品、回
路基板間の熱膨張の不一致に適用するために重要であ
る。従って、上記の様な特性を持つPbフリーはんだ合
金が必要である。 【0011】しかし、この様なPbフリーはんだ合金は
今まで提供されていない。2元合金であるSn−Ag共
晶はんだ、或いはSn−Bi共晶はんだはPbフリーは
んだであり、階層接続用のはんだとして使用されている
が、融点はそれぞれ221℃、138℃であり、前者は
240℃程度のはんだ付け温度が必要であり、また、後
者は高温での信頼性を確保することが難しい。また、S
n−Zn系はんだはSn−Zn共晶はんだの融点が19
9℃であるため、融点的にはSn−Pb共晶はんだの代
替材料として有力であるが、Znの酸化のために、大気
中で十分なぬれ性を確保することが難しかった。 【0012】また、特開平7−1179号公報、或いは
特開平7ー88680号公報に記載されている様なPb
フリーはんだ合金もあるが、前者は融点が約138℃近
辺であり、後者は220〜230℃でのはんだ付けは困
難であり、両者ともSn−Pb共晶はんだの代替材料に
はなり得なかった。 【0013】従って、本発明の目的は、前述の条件を満
たしたPbフリーはんだ及びこれを用いた実装品を提供
することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】上記目的は、10重量%
〜25重量%のBi、1.5重量%〜3重量%のAg、
残りSn、及び不可避不純物で構成されるSn−Ag−
Bi系はんだ、或いは、このはんだ合金にCuを1重量
%未満含んだSn−Ag−BiーCu系はんだ合金、更
に望ましくはCuを0.1重量%未満含んだSn−Ag
−BiーCu系はんだ合金によって達成することができ
る。これらの範囲のはんだ合金の低温で溶融する3元共
晶量は、20%以下である。 【0015】以下に、本発明のはんだ合金を選定した理
由を説明する。 【0016】Biが0〜60重量%、Agが0〜5重量
%、残りSnの範囲のSn−Ag−Bi系はんだについ
て、詳細に溶融特性を検討した。この検討の一例とし
て、2重量%のAg、13重量%のBi、残りSnのは
んだ(a)、2重量%のAg、15重量%のBi、残り
Snのはんだ(b)、2重量%のAg、22重量%のB
i、残りSnのはんだ(c)についての溶融特性を、図
1に示した。これらは、各組成のはんだ合金を、同量ず
つ秤り取り、リフロー炉を用いて溶融、凝固させ、示差
熱分析により溶融特性を調べたものである。リフロー炉
を用いて溶融、凝固させたのは、試料の冷却速度を通常
のはんだ付け時と同様にするためである。示差熱分析は
2℃/分の昇温速度で行った。このような詳細な検討を
上記範囲内の組成について行った結果、220〜230
℃ではんだ付けを行うためには、液相線温度は少なくと
も210℃以下でなければならず、Bi量は少なくとも
10重量%以上必要であることがわかった。 【0017】図2に、10重量%のBi、2重量%のA
g、残りSnのはんだ(d)、10重量%のBi、3重
量%のAg、残りSnのはんだ(e)、及び10重量%
のBi、4重量%のAg、残りSnのはんだ(f)の3
種類のはんだ合金の組織の様子を示した。これは、この
はんだ合金を240℃で30秒溶融させた後、80℃/
分で冷却させて、その組織を断面研磨し、金属顕微鏡で
観察したものである。これから、(d)、(e)のSn
−Ag−Bi系はんだではSnの丸い結晶の間に球状の
Bi結晶とAg3Snの小さい結晶が見られたが、Sn
−Ag−Bi系はんだ(f)においてはAg3Snの大
きな針状結晶が晶出していることがわかった。この結果
は、他のBi量についても同様にAg量を変えて組織観
察を行ったところ、同様に、Sn−Ag2元共晶ライン
をAgの濃度を増す方向に越えると、Ag3Snの初晶
が析出していた。このため、このラインを越えないよう
にAg量は3重量%以下でなければならないことがわか
った。また、Agははんだの機械的性質を改善するため
に添加されているが、1.5重量%以下ではその効果は
見られなかった。また、Ag量が少なくなると、液相線
温度が上昇してしまい、液相線温度と固相線温度との差
が大きくなってしまうことがわかった。従ってAg量は
1.5重量%以上でなければならない。 【0018】次に150℃、少なくとも125℃での信
頼性を確保するための条件について示す。このような高
温での信頼性を確保するためには、はんだの固相線温度
が重要である。図1に示した様な詳細なはんだの溶融特
性の検討から、このSn−Ag−Bi系では、Biが約
10重量%以上になると138℃付近で溶融する部分が
生じることがわかった。これは測定試料の作成時の冷却
速度によって影響を受け、冷却速度が速い場合にはBi
が約18重量%以下ではこの溶融ピークは出現しない
が、通常のはんだ付け時の冷却速度によって冷却された
試料では、Biが10重量%から18重量%の範囲内で
も溶融してしまうことがわかった。この138℃で溶融
する部分はSn−Ag−Biの3元共晶組成の部分であ
る。そこで、Sn−Ag2元共晶ライン上で、Bi量を
変えた時の138℃で溶融する部分の割合を、同量の3
元共晶組成(1重量%のAg、57重量%のBi、残り
Sn)のはんだのピーク熱量と比較することによって求
め、図3に示した。これから、138℃で溶融する割合
はBi量によって滑らかに変化することがわかった。3
元共晶の割合の少ない範囲であれば、実用上問題がない
と言える。そのため、各種温度サイクル試験を行って検
討した結果、3元共晶の割合は20%程度以下にする必
要があり、Biは25重量%以下にしなければならない
ことがわかった。この高温での信頼性を確保するための
Bi量は、高温での引張試験によっても確認することが
できた。図4には、Bi量を変えたときの150℃での
引張強度を示した。これは、150℃での強度が高温で
の信頼性の目安となるからである。引張試験は0.1m
m/分の引張速さで行った。0.1mm/分の引張速度
とした理由は、実際の温度サイクル試験時にサンプルが
受ける最大歪速度を再現するため、引張速度に等価変換
したことによる。これからも、Biが25重量%以下で
あれば、150℃での引張強度を持ち、高温での使用に
耐えられることがわかった。3元共晶がある程度存在し
ても、150℃で強度が保証される理由は、3元共晶の
生成メカニズムに基づく。即ち、Bi量を増すと3元共
晶が生成されるが、融点の高いSn晶の隙間に点在して
いる状況のため、強度を有する。更にBiが増すと、S
n晶の中のBi量が増えSn晶自体の融点が下がり、ま
たSn晶の隙間での3元共晶量も増えるため強度がでな
くなる。ここではBiが25重量%で、3元共晶が20
%の範囲までは、Sn晶の隙間を3元共晶が完全に埋め
尽くさないために、150℃での強度を有することにな
る。同様に、125℃で引張試験を行って引張強度を測
定し、図5に示したが、Biが25重量%以上になる
と、引張強度は5MPa以下となってしまうが、Biが
25重量%以下であればBiが少なくなるにつれて引張
強度が増し、高温での信頼性を確保できることがわかっ
た。 【0019】また、Cuは組織改善のために添加した。
CuはSn−Ag−Bi系はんだ中では通常Cu−Sn
の化合物として存在する。Cu−Sn化合物はCu量が
微量であれば小さな球状であるので、Snの間に分散し
分散強化型の合金になる。これは、少量のSn−Cu化
合物が存在するだけで効果がある。Sn中にはCuは約
0.006重量%まで固溶するので、Cu−Sn化合物
を生成させるためには、0.006重量%以上のCuの
添加が必要である。しかし、Cu量が0.1重量%以上
となると、はんだが脆化し始める。Cu−Sn化合物が
大型化し、この化合物は硬いために変形しにくく、はん
だ接合部全体としての柔軟性をうばうからである。これ
は、リードの無い構造であるはんだボールを用いた接
続、或いは、実装密度が高まることによりはんだ付け継
ぎ手が小さくなることによって、電子回路の発熱の影響
が大きくなり、接続部にかかる歪みが大きくなった場合
の様に、はんだの柔軟性が必要な接続では特に重要な項
目である。更にCu量を1重量%以上にすると、別の項
目での劣化が見られる。まず、ぬれ性について、図6に
15重量%のBi、2.5重量%のAg、残りSnのは
んだにCuを添加したときのはんだのぬれ拡がりを示し
たが、Cuが0.5重量%の場合にぬれ拡がりが最高と
なり、それ以上のCu濃度では、Cuの濃度と共にぬれ
拡がりが低下し、2重量%ではCuを添加しなかった場
合よりもぬれ性が劣化していることがわかった。 ま
た、Cu量が多くなると、はんだ中のSnがCuとの化
合物生成に消費されるため、相対的にAg量が増し、針
状の大きいAg3Snの結晶が生じやすくなる。15重
量%のBi、2.8重量%のAg、残りSnのはんだ
に、0.5重量%、1重量%、2重量%のCuを添加し
たはんだの組織を観察したが、Cu添加量が増えるにつ
れてCu−Sn化合物が増すと共に、1重量%以上のC
uを添加した場合には、大きいAg3Snの結晶が生成
することがわかった。この大きいAg3Snの結晶はク
ラック進展のきっかけとなりうる。従って、これを防止
するためにAg量を予め減らすことが考えられるが、逆
に液相線温度の上昇が起こってしまう。以上から、Cu
は1重量%以下、望ましくは0.1重量%以下とした。
ぬれ性は、上記の組成範囲のはんだ合金は、大気中でS
n−Ag共晶はんだとほぼ同レベルであり、従来のフラ
ックス、電極部材料をそのまま使用できる。 【0020】また、図7に、2元共晶ライン上でBi量
を変えたときの室温での伸びを示したが、上記の組成範
囲内のはんだ合金の伸びは、室温で17%以上あり。実
用上問題無い。 【0021】更に220〜230℃でのはんだ付け性、
及び高温での信頼性を向上させるためには、上記の様に
選定した組成のうち、13重量%〜20重量% のB
i、2重量%〜3重量%のAg、残りSn、及び不可避
不純物で構成されるSn−Ag−Bi系はんだ、或い
は、このはんだ合金にCuを1重量%未満含んだSn−
Ag−BiーCu系はんだ合金、更に上記3元系はんだ
合金にCuを0.1重量%未満含んだSn−Ag−Bi
−Cu系はんだ合金が望ましい。これは、Biが13重
量%以上であればBiが10重量%の場合に比べて液相
線温度が下がり、更に熱容量の大きな部品でも220〜
230℃でのはんだ付けは容易になりうるからである。
また、AgもSn−Ag2元共晶ラインよりAg量の少
ない領域では、液相線温度を下げる作用を持ち、Ag量
が2重量%以上であればリフロー性は更に向上し、機械
的性質も更に向上するからである。また、Bi量が20
重量%以下であれば、138℃付近で3元共晶の溶融す
る割合は10%以下になり、また、150℃での引張強
度も5MPa程度以上、125℃での引張強度も15M
Pa程度以上有することから、高温での強度、クリープ
特性、振動、衝撃等の信頼性が向上し、高温で使用され
る電気製品に対して信頼性のマージンを拡げることがで
きる。 【0022】以上に示した様に、Sn−Ag−Biはん
だ合金の有効範囲を選定した。 【0023】 【発明の実施の形態】表1に示す6組成のはんだを作成
し、その性質を調べた結果を以下に述べる。 【0024】 【表1】 【0025】(実施の形態1)本発明の一例として、1
5重量%のBi、2重量%のAg、残りSnの合金を作
成した。この合金の液相線温度は207℃、固相線温度
は156℃であるが、138℃付近で3元共晶の溶融す
る部分があり、その割合は5%であり、実用上問題無
い。室温での引張強度は77MPa、150℃での引張
強度は11MPa、125℃での引張強度は22MP
a、室温での伸び率は19%であった。また、大気中で
のぬれ性は、Sn−Ag共晶の91%であり、Sn−A
g共晶はんだと同程度と言える。このはんだ合金を粉末
化し、フラックス成分と混練りしはんだペーストを作成
した。このはんだペーストを用いて、0.5mmピッ
チ、208ピンのQFP(Quad Flat Package)ーLSI
をガラスエポキシ基板にはんだ付けし、ー55℃30分
〜125℃30分(1時間/1サイクル)の温度サイク
ル試験を行った。QFP−LSIのリードはSnめっき
されている。また、はんだ付け時の最高温度は220℃
であった。最も応力が大きく作用するコーナーピンのフ
ィレット表面について、初期から1000サイクルま
で、電子顕微鏡により追跡調査を行ったが、表面に多少
の変化が生じるだけで、断線に至る様なクラックは生じ
ず、Sn−Pb共晶はんだと比較して、遜色はなかっ
た。このコーナーピンの断面を研磨し、観察したが、ク
ラックは生じていないことが確認された。従って、上記
組成のはんだ合金は、Sn−Pb共晶はんだの代替材料
として使用することができる。このはんだ合金について
は、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size P
ackage)等の接続用のはんだボールとしても使用するこ
とができる。また、表面酸化が少ないので、フローはん
だ付け用のはんだ材として使用することもできる。更
に、はんだ箔として使用し、チップのダイボンド用、モ
ジュール実装用、封止用にも適用可能である。 【0026】(実施の形態2)同様に、本発明の一例と
して、15重量%のBi、2.5重量%のAg、残りS
nの合金を作成した。この合金の液相線温度は204
℃、固相線温度は155℃、138℃付近で3元共晶の
溶融する割合は5%であった。室温での引張強度は78
MPa、150℃での引張強度は10MPa、室温での
伸び率は20%であった。また、大気中でのぬれ性は、
Sn−Ag共晶の92%であった。このはんだ合金をは
んだペースト化し、実施例1と同じ温度サイクル試験を
行った。この結果、最も応力が大きく作用するコーナー
部のはんだフィレット表面は、1000サイクルまで、
実施例1の結果と同様に、表面に多少の変化が生じるだ
けで、断線に至るクラックは生じなかった。従って、実
施例2のはんだ合金は、Sn−Pb共晶はんだの代替材
料として有効である。 【0027】(実施の形態3)同様に、本発明の一例と
して、20重量%のBi、2.5重量%のAg、残りS
nの合金を作成した。この合金の液相線温度は200
℃、固相線温度は138℃、138℃付近で3元共晶の
溶融する割合は10%であった。室温での引張強度は7
5MPa、150℃での引張強度は5MPa、室温での
伸び率は25%であった。また、大気中でのぬれ性は、
Sn−Ag共晶の87%であった。このはんだ合金をは
んだペースト化し、実施例1と同じ温度サイクル試験を
行った。この結果、最も応力が大きく作用するコーナー
部のはんだフィレット表面は、1000サイクルまで、
実施例1の結果と同様に、表面に多少の変化が生じるだ
けで、断線に至る様なクラックは生じず、Sn−Pb共
晶はんだと比較して遜色はなかった。従って、実施例3
のはんだ合金は、Sn−Pb共晶はんだの代替材料とし
て有効である。 【0028】(実施の形態4)同様に、本発明の一例と
して、15重量%のBi、2.8重量%のAg、0.5
重量%のCu、残りSnの合金を作成した。この合金の
液相線温度は204℃、固相線温度は157℃、3元共
晶の溶融する割合は5%であった。室温での引張強度は
83MPa、150℃での引張強度は11MPa、室温
での伸び率は21%であった。また、大気中でのぬれ性
は、Sn−Ag共晶の90%であった。このはんだ合金
をはんだペースト化し、TSOP(Thin Small Outline
Package)、チップ部品をガラスエポキシ基板にはんだ
付けし、実施例1と同条件で温度サイクル試験を行っ
た。TSOP、チップ部品は、リードが短いため、或い
はリード無し部品であるため、はんだ内で熱膨張の差に
適用しなくてはならず、長いリードを持つQFP−LS
Iに比べて厳しい接続である。このような温度サイクル
試験を行ったTSOPのコーナー部のはんだフィレット
表面について、1000サイクルまで観察を行った結
果、多少の劣化は認められるが、断線に至る様なクラッ
クは生じていないことが確認できた。また、チップ部品
でも大きな変化は無く、断面観察によってもクラックは
生じていないことが確認でき、SnーPb共晶と比較し
ても遜色は無かった。また、このようにはんだ付けした
チップ部品について、せん断試験を行ったが、125℃
での高温放置試験後、及び、上記の温度サイクル試験1
000サイクル後でも、初期に比べてせん断強度の劣化
は見られなかった。また、従来使用されているSn−P
b共晶とほぼ同じせん断強度を有した。また、電気的な
導通試験でも問題は無かった。 【0029】(実施の形態5)18重量%のBi、2重
量%のAg、残りSnの合金をBGAの接続に利用した
例を示す。図8のように、BGA本体1上に上記組成の
はんだボール2をはんだ付けした。はんだボール径は0.
76mmであり、はんだ付け温度は225℃で行った。こ
のBGA3に対して、プリント基板4側に同じ組成のは
んだペースト5を印刷し、同じ条件ではんだ付けを行っ
た。以上のような課程を経ることによって、Pbを用い
ない低毒性のBGA接続を行うことができる。このプリ
ント基板に接続されたBGAについて、実施例1と同様
の温度サイクル試験を行っが、実用上問題の無いことが
わかった。 【0030】また、BGA本体に接続されているはんだ
ボール2が高融点のはんだ、例えばSn−Ag共晶はん
だ等であっても、プリント基板側に用いるはんだを本発
明のはんだを用いれば、220〜230℃での接続が可
能である。このように、本発明のはんだはBGA等のは
んだボールを用いた接続にも利用することができる。 【0031】(実施の形態6)15重量%のBi、2.
5重量%のAg、0.08重量%のCu,残りSnの合
金を用いた8mmビデオ用の電子回路基板の製造方法を
示す。まず、このはんだ合金を25〜45μmの大きさ
に粉末化し、これをフラックス成分と混練りし、はんだ
ペーストを作成した。このはんだペーストを0.15m
m厚のメタルマスクを用いて、プリント配線基板上に個
別供給した。このはんだペーストが供給されたプリント
基板上に部品搭載機を用いて各種電子部品を搭載し、窒
素リフロー炉を通してはんだ付けを行った。窒素リフロ
ー炉中の酸素濃度は100ppmとした。はんだ付け温
度は、各種部品の熱容量の差により同一基板上でも差が
あるが、予熱はほぼ150℃で、最高温度は最も温度が
上がった箇所でも230℃となるようにした。この後、
裏面についても同様にはんだペーストの印刷、各種部品
の搭載、窒素リフローによる加熱を行った。この電子回
路基板には、0.4mmピッチのQFP−LSI、10
05と呼ばれる縦1.0mm、横0.5mmの大きさの
チップ部品等が含まれている。はんだ付け後は洗浄は行
わなかった。このようにはんだ付けを行った後、自動外
観検査装置を用いてはんだ付け部の外観検査を行った。
この結果、従来のSn−Pb共晶と比較してはんだ表面
の光沢が少ないために、虚報率が少なかった。また、は
んだ付け性も、従来のSn−Pb共晶を用いてはんだ付
けした基板と比較したが、プリント基板上のCuパッド
へのぬれ拡がりが若干悪いが、実用上十分なレベルであ
った。 【0032】その中で、部品搭載時の位置ずれにより、
脱落していたチップ部品が数個見られたが、これははん
だごてで容易に修正することができた。 【0033】このように製作した8mmビデオ用電子回
路基板を、実際の8mmビデオ本体に組み入れ、電気的
チェック、振動試験、高温高湿試験等の製品検査を行っ
たが、特に問題は無かった。このように、Pbを含まな
い低毒性のSn−Ag−Bi−Cuはんだを用いて、は
んだ付け温度を最高230℃として加熱することによっ
て、環境、生物に毒性の少ない電子回路基板を製造する
ことができた。 【0034】(実施の形態7)15重量%のBi、2.
8重量%のAg、残りSnの合金を0.5mmピッチの
QFP−LSI、及びTSOPにはんだ付けした。はん
だ付け温度は最高温度が230℃とした。これらの電子
部品のリード電極は、従来、42アロイに90重量%の
Sn、10重量%のPbの組成のはんだめっき(以下、
Sn−10Pbと記す)を施したものが用いられてい
る。しかし、これらも有毒なPbを含有するため、リー
ド電極もPbフリー化する必要がある。そこで本実施の
形態では、42アロイ上にCuめっきを施してから、8
重量%のBi、残りSnの組成のはんだめっき(以下、
Sn−8Biと記す)を施した。Cuめっきのめっき厚
は5μm、Sn−8Biめっきの厚みは10μmとし
た。上記のはんだ付けを行った基板について実施の形態
1と同じ温度サイクル試験を行ったが、十分な信頼性が
得られた。 【0035】リード電極を上記の様な構成にした理由
は、はんだ付け後の割基板作業、或いはプロービングテ
スト時に基板が反り、又はハンドリング等によって接続
したLSI等のはんだ接続部に大きな応力がかかるた
め、それに耐えられるはんだ接続部の強度を確保しなく
てはならないためである。従って、十分な接続強度を有
する構成とするために、本発明のはんだ合金と、各種の
Pbフリー材料を用いたリードとの接続強度を調べたの
で、以下に説明する。 【0036】表面に各種のはんだめっき、Pdめっき等
を施したモデルリードを作成した。モデルリードの材質
は42アロイであり、表面のめっきの下地として、Cu
めっき、Niめっき、或いは下地無しの3種類を検討し
た。モデルリードの幅は3mmで、はんだ付け部の長さ
が約22mmになるように90°の角度に折り曲げてあ
る。これらのはんだ付け方法は、プリント基板上の幅
3.5mm、長さ25mmのCuパッド上に、パッドと
同じ大きさの本発明の組成によるはんだ箔を載せ、その
上に、上記のモデルリードをのせ、大気中で、最高温度
220℃ではんだ付けした。このとき、塩素量が0.2
%のフラックスを用いた。これを洗浄した後、垂直方向
に5mm/分の速さで引っ張って、ピール試験を行い、
最も強度が大きくなるフィレット部強度を求めた。ピー
ル試験は、はんだ付け後初期、はんだ付け後の経時変化
による接続部強度劣化を考慮し、はんだ付け後に125
℃で168時間放置後、また、リード電極のぬれ性が劣
化した場合を考慮して、モデルリードを150℃で16
8時間放置してからはんだ付けした後と、3種類行っ
た。はんだ組成は、発明の範囲内で、Bi量、Ag量、
Cu量を変えて検討した。この結果、このはんだ組成範
囲では同じ傾向が見られ、42アロイ上に下地としてC
uめっきを施した場合に接続強度が向上していることが
わかった。これは、Biと42アロイとの反応性が低い
ため、従来のSn−Pb共晶と比較して、十分な化合物
が生成できず、強度が得られないためである。Cuの存
在により、接続強度が増すことから、42アロイリード
ではなく、Cu系リードフレームを用いても十分な接続
強度が得られる。また、表面の組成は、Biを25重量
%程度まで含有するSn−Bi組成の場合、十分な接続
強度が得られることがわかった。これらの結果のうち、
15重量%のBi、2.8重量%のAg、残りSnのは
んだと、42アロイ上にSn−8Biめっきを10μm
、42アロイ上にCu下地めっきを5μm施してから
Sn−8Biめっきを10μm施したモデルリードとの
フィレット部強度を図9に示した。図9には、従来使用
しているPbを含有している組み合わせの場合のフィレ
ット部強度も同様に示した。これから、42アロイ上に
Cu下地めっきを施し、この上にSn−8Biめっきを
施した構成では、42アロイ上に直接Sn−8Biめっ
きを施した場合と比べて接続強度は大きく、また、従来
の使用しているSn−Pb共晶はんだとSn−10Pb
めっきリードとの構成以上の接続強度が得られることが
わかった。このように、本発明のはんだ合金は、下地と
してCuを用いるか、またCu系リードフレームを使用
し、この上にSn−8Biめっき等の表面処理すること
により、十分な強度を有する接続部が得られる。 【0037】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のはんだ合
金であれば、従来大量に使用されているSn−Pb共晶
はんだの代替材料としての、低毒性のPbフリーはんだ
を提供できる。このはんだ合金は、はんだ付け温度が従
来と変わらず、また、ぬれ性も従来使用されているSn
−Ag共晶はんだと同程度なので、フラックス、電極材
料の特別な開発を必要としない。また、低温で溶融する
3元共晶量も20%以下であるので、高温での信頼性を
確保することができ、電子部品を回路基板に高信頼に接
続することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】3種類のSn−Ag−Bi系はんだの溶融特
性。 【図2】3種類のSn−Ag−Bi系はんだの組織を表
した写真。 【図3】Sn−Ag2元共晶ライン近辺でのBi量を変
えたときの3元共晶の割合。 【図4】Bi量を変えたときの150℃での引張強度。 【図5】Bi量を変えたときの125℃での引張強度。 【図6】Sn−Ag−Bi系はんだ中のCu量を変えた
ときのぬれ特性。 【図7】Bi量を変えたときの室温での伸び特性。 【図8】本発明をBGAに適用した例。 【図9】本発明のはんだと、リードとの接続強度。 【符号の説明】 1.BGA本体 2.はんだボール 3.BGA 4.プリント基板 5.はんだペースト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中塚 哲也 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 石田 寿治 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 原田 正英 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 浜野 恵 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 山本 健一 東京都小平市上水本町五丁目20番1号株式 会社日立製作所半導体事業部内 Fターム(参考) 5E319 AA03 AB05 AC01 AC04 BB08 CC33 GG03

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】所定の配線パターンを形成した回路基板
    と、該配線パターンと接続する電極を備えた電子部品と
    からなる電子機器であって、 該回路基板の配線パターンと該電子部品の電極とを10
    重量%〜25重量%のBi、1.5重量%〜3重量%の
    Ag、残りがSn、及び不可避不純物で構成されるSn
    −Ag−Bi系はんだにより接続したことを特徴とする
    電子機器。
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