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JP2003297778A - 研磨剤用組成物およびその調製方法 - Google Patents

研磨剤用組成物およびその調製方法

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Publication number
JP2003297778A
JP2003297778A JP2002093810A JP2002093810A JP2003297778A JP 2003297778 A JP2003297778 A JP 2003297778A JP 2002093810 A JP2002093810 A JP 2002093810A JP 2002093810 A JP2002093810 A JP 2002093810A JP 2003297778 A JP2003297778 A JP 2003297778A
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polishing composition
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JP2002093810A
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Kuniaki Maejima
邦明 前島
Shinsuke Miyabe
慎介 宮部
Masahiro Izumi
昌弘 泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
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  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、シリコンウェーハや半導体デバイス
基板の表面または端面、または表面を酸化膜や窒化膜等
で被覆した表面または端面の研磨加工を行なう研磨用組
成物および該研磨用組成物の調整方法に関する。 【解決手段】平均一次粒子径が30〜200nmの単分
散である酸化珪素粒子が、その濃度が1〜25重量%で
あるコロイド溶液からなり、該コロイド溶液が、pH
8.7〜10.5の間で緩衝作用を有する緩衝溶液とし
て調整されたものであり、成分の一つにフッ素イオンも
しくはフッ素が配位した陰イオンを含有することを特徴
とする研磨用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウェーハ
や半導体デバイス基板の表面または端面、または表面を
酸化膜や窒化膜等で被覆した表面または端面の研磨加工
を行なう研磨用組成物および該研磨用組成物の調整方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シリコンウェーハあるいは半
導体デバイス基板(以下ウェーハ等と略記する)の研磨
加工を行なう研磨用組成物として、酸化珪素またはその
水和物をコロイド状に分散した懸濁液、所謂コロイダル
シリカを含有する組成物が多数提案されている。たとえ
ば、米国特許第3170273号公報では、シリカゾル
及びシリカゲルが研磨剤として提案されている。また、
米国特許第4910155号公報では、半導体ウェーハ
の絶縁層の研磨剤としてフュームドシリカの水性分散ス
ラリーの使用が開示されている。特開平7−22105
9号公報には、細長く歪んだ球状のシリカ粒子からなる
コロイダルシリカが高い研磨速度を示す事が記載されて
いる。特開2001−11433号公報には、球が数珠
状につながった形体のシリカ粒子からなるコロイダルシ
リカが高いシリコン研磨速度を示す事が記載されてい
る。一方、液組成においても非常に多くの提案がなされ
ている。米国特許第3328141号公報では、該懸濁
液のpHを10.5〜12.5の範囲内にすることによ
り、研磨速度が増大する事が開示されている。米国特許
第4169337号公報では、アミン類を研磨用組成物
に添加することが開示されている。特開平2−1586
84号公報には、水、コロイダルシリカ、分子量10万
以上の水溶性高分子、水溶性塩類からなる研磨用組成物
が開示されている。更に特開平5−154760号公報
では、水溶性アミンの一種であるピペラジンを、シリカ
ゾルまたはシリカゲルのシリカ基準にて、10〜80重
量%含む研磨組成物を使用した研磨方法を開示してい
る。これら開示されている方法は、アルカリ性の母液に
シリカの微細粒子を分散させたスラリーやコロイダルシ
リカに、様々な添加剤を加えることにより研磨剤の分散
性を上げたり、加工力の安定性を図ったり、加工速度を
増加するものであって、現在要求される研磨性能すなわ
ち、高速でかつ安定した研磨速度、加工後の洗浄性の良
いこと、研磨面の平坦性等に十分対応できるものではな
かった。
【0003】特開平11−315273号公報、特開平
11−302635号公報、特開平11−302634
号公報および特開2000−158329号公報には、
酸解離定数の逆数の対数値が8.0〜12.0の弱酸及
び/または弱塩基を使用して、弱酸と強塩基、強酸と弱
塩基あるいは弱酸と弱塩基の何れかの組み合わせのもの
を添加することによりpHの緩衝作用を有する緩衝溶液
としたコロイダルシリカ組成物が開示されている。緩衝
液の使用は、外的条件の変化によるpHの変化が少な
く、繰り返し使用においても変化の少ない安定した研磨
用組成物を提供しているが、pHが低くなる分だけ研磨
速度が低くなり、さらなる改良が望まれていた。特に近
年電子回路の高集積化およびウェーハ自体の大型化に伴
いシリコンウェーハ、半導体デバイス基板表面の高度な
平坦化が必須となっている。さらに、生産効率を向上さ
せるため、加工速度が速い研磨用組成物が望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上述の、
従来の研磨用組成物が持つ問題点に鑑み、鋭意研究を行
ない、研磨用組成物溶液として、特定の粒度を有する酸
化珪素の粒子を含むコロイド、すなわちコロイダルシリ
カのアルカリ性水溶液であって、pHの緩衝作用を有
し、特定のイオン構成を構築することで、安定した高速
加工が達成されることを見出し、本発明を完成するに至
ったものであり、その目的となすところはpHの変化が
少なく、かつ研磨速度が高速で、繰り返し使用において
も変化の少ない安定した研磨を行うことができる、研磨
後の洗浄性を改善した研磨用組成物を提供すること及び
該研磨用組成物を調整する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、平均一次
粒子径が30〜200nmの実質的に単分散である酸化
珪素粒子がその濃度が1〜25重量%であるコロイド溶
液からなり、該コロイド溶液が、pH8.7〜10.5
の間で緩衝作用を有する緩衝溶液として調整されたもの
であり、成分の一つにフッ素イオンもしくはフッ素が配
位した陰イオンをフッ素として1〜100ミリmol/
Kg含有することを特徴とする研磨用組成物によって達
成される。この研磨用組成物は、例えば15〜65重量
%の濃厚原液を使用の都度、水、有機溶剤、塩類を含ん
だ溶液あるいはその混合物で希釈して調整することがで
きる。
【発明の実施の形態】
【0006】酸化珪素の微粒子はその製法から気相法酸
化珪素と液相法酸化珪素に二分される。気相法酸化珪素
としてはフュームドシリカを水性媒体に分散させたスラ
リーが半導体研磨に多用されてきたが、この微粒子は粒
度分布が広く、更に凝集して二次粒子を構成し、典型的
な多分散系である。液相法酸化珪素は水ガラスを原料と
した一般のコロイダルシリカと、有機珪素化合物の加水
分解法によって得られる高純度コロイダルシリカがあ
る。本発明に用いる酸化珪素微粒子のコロイド溶液は、
この一般のコロイダルシリカと高純度コロイダルシリカ
である。特に水ガラスを原料とした一般のコロイダルシ
リカは安価であり、研磨速度も速く、好適に用いられ
る。
【0007】本発明に用いるコロイド溶液に含まれる酸
化珪素の微粒子は平均一次粒子径が30〜200nmの
実質的に単分散である酸化珪素粒子であり、好ましくは
40〜100nmのものが用いられる。ここで言う平均
一次粒子径とは、窒素吸着BET法により測定される比
表面積を、球状粒子の直径に換算したものである。 コ
ロイダルシリカのBET法粒径(比表面積)について
は、THE CHEMISTRY OF SILICA Solubility,Polymeriza
toin,Colloid and Surface Properties,and Biochemis
try(P344-354,RALPH K.ILER著,A Wiley-Interscienc
e Publication JOHN WILEY & SONS P )に詳細に記載
されている。計算式は粒子径(nm)=2720/比表面積
(m2/g)である。
【0008】平均一次粒子径が、30nmより小さい粒
子の使用は緩衝液成分の電解質濃度を高くしたときにコ
ロイド溶液が凝集し易く、研磨用組成物としての安定性
が低下し、さらに研磨後のウェーハ表面に付着した粒子
の洗浄性が低下する。また、平均一次粒子径が、200
nm以上の粒子の使用は、デバイス研磨では配線幅に近
く好ましくない。特に、複数枚の研磨に循環使用する際
には、研磨屑やパッド屑の濾過除去が必要となるが、2
00nm以上の粒子では、屑との分離が出来なくなる。
また、他の用途でも、粗大粒子が沈降し製品の経時安定
性確保が難しくまた、価格的にも不利である。
【0009】このような意味から、微細粒子や粗大粒子
を含まない実質的に単一の粒度である単分散の粒子を使
用することが必要となる。本発明で言う、実質的な単分
散とは、電子顕微鏡法、遠心沈降法、レーザー光散乱法
等の一般のコロイド粒子径測定法で測定された、個数平
均径(Dn)と体積平均径(Dv)または重量平均径
(Dw)の比(Dv/Dn)または(Dw/Dn)が
1.00〜1.50の範囲にあることと定義する。単分
散のコロイダルシリカとしては日本化学工業(株)製
「シリカドール」、多摩化学工業(株)製「TCSOL
703」、扶桑化学工業(株)製「超高純度コロイダル
シリカPL−7」等がある。実質的な単分散でない分散
系を多分散と記載する。多分散のコロイダルシリカとし
ては、DuPontAirProducts Nano
Materials L.L.C.社の「Syto
n」、「Mazin」、「Ascend」等がある。
【0010】酸化珪素の濃度は、実際の研磨加工時にお
いて1〜25重量%であることが肝要であり、より好ま
しい範囲は、シリコンウェーハや半導体デバイス基板の
表面研磨では3〜15重量%であり、端面研磨では10
〜25重量%が良い。研磨時の酸化珪素の濃度が、3重
量%未満であると研磨加工速度は低くなり実用的ではな
い。研磨時の酸化珪素濃度が高くなれば研磨加工速度自
体は増大するが約25重量%を越えるとウェーハへの汚
染が増大し、洗浄性が悪化する。
【0011】以下、本発明をさらに説明する。本発明に
おいては研磨用組成物のpHは8.6〜10.5の範囲
にあることが肝要である。更に好ましくはpHは9.5
〜10.5の範囲にあることが良い。pHが8.6以下
であると研磨速度は著しく低下し実用の範囲からは外れ
る。また、pHが10.6以上になると、ウェーハへの
汚染が増大し、洗浄性が悪化する。そしてまた、このp
Hは摩擦、熱、外気との接触あるいは他の成分との混合
等、考えられる外的条件の変化により容易に変化するよ
うなものであってはならないが、本発明においては研磨
用組成物溶液自体を、外的条件の変化に対してpHの変
化の幅の少ない、いわゆる緩衝作用の強い液とすること
をその必要条件とするものである。
【0012】本発明の緩衝溶液を形成するイオンとして
は、陰イオンは一例をあげると、塩酸、硝酸、フッ酸、
硫酸などの強酸やホウ酸、炭酸、燐酸及び水溶性の有機
酸等の弱酸があげられ、またその混合物であってもかま
わない。特に好適なのは炭酸イオンもしく炭酸水素イオ
ンである。陽イオンとしては、ナトリウム、カリウム等
のアルカリ金属イオン、アンモニウム、コリン、テトラ
メチルアンモニウム等のアンモニウムイオン、エチレン
ジアミン、ピペラジン等のアミン類イオンなど水酸イオ
ンと対をなしてアルカリ性を示すもので、それらの混合
物でも良い。特にカリウムイオンやテトラメチルアンモ
ニウムイオンやそれらの混合物が好ましい。本発明で述
べる緩衝溶液とは、上述のイオンの組み合わせで形成さ
れ、酸、アルカリ、塩として添加され、イオンとして解
離している状態及び、未解離の状態が共存している溶液
を示し、少量の酸または、塩基が混入してもpHの変化
が少ないことが特徴である。
【0013】成分の一つにフッ素イオンもしくはフッ素
が配位した陰イオンをフッ素として1〜100ミリmo
l/Kg含有することが必要である。特に、本発明のよ
うにpH緩衝液を使用して比較的低いpHで研磨を行う
場合には、このような浸食作用の大きい成分を用いるこ
とが必要である。フッ素イオンはフッ酸として添加して
も良く、上記の各塩基のフッ化物として添加することも
できる。フッ素が配位した陰イオンとしては、テトラフ
ルオロホウ酸イオンやヘキサフルオロ珪酸イオンが良
い。これらは酸化珪素15〜65重量%の濃厚原液に添
加しておくこともできるが、原液を使用の都度希釈して
調整するときに添加しても良い。フッ素イオンもしくは
フッ素が配位した陰イオンは、シリコンウェーハや半導
体デバイス基板の表面または端面、または表面を酸化膜
や窒化膜等で被覆した表面または端面の研磨速度を向上
させると同時に、研磨加工後の洗浄性の向上作用があ
る。フッ素イオンもしくはフッ素が配位した陰イオンを
フッ素として1ミリmol/Kg以下では充分な研磨速
度は得られない。100ミリmol/Kg以上の添加
は、浸食が強すぎて平坦な鏡面を得ることが出来ず、洗
浄性も悪化する。好ましくは3〜60ミリmol/Kg
である。
【0014】また、一般的には酸化珪素濃度25〜65
%の高濃度の組成物を調製しておき、水あるいは、水と
有機溶媒の混合物で希釈して使用することが便利であ
る。 高濃度の組成物には酸化珪素以外の上記必須成分
のうちいずれかを欠いておき、希釈時に添加することも
できる。
【0015】本発明の研磨組成物の物性を改良するた
め、界面活性剤、分散剤、沈降防止剤などを併用するこ
とができる。界面活性剤、分散剤、沈降防止剤として
は、水溶性の有機物、無機層状化合物などがあげられ
る。また、本発明の研磨組成物は基本的には水溶液とし
ているが、有機溶媒を添加してもかまわない
【0016】
【実施例】次に実施例及び比較例をあげて本発明の研磨
用組成物、およびそれを用いた研磨加工方法を具体的に
説明するが、特にこれにより限定を行なうものではな
い。実施例で用いた単分散コロイダルシリカは、平均粒
子径15nmは「シリカドール30」、平均粒子径40
nmは「シリカドール30G」、平均粒子径80nmは
「シリカドール40G−80」、平均粒子径120nm
は「シリカドール40G−120」を使用し、その他の
平均粒子径のコロイダルシリカは水ガラスを原料として
製作した。個数平均径(Dn)と体積平均径(Dv)
は、日機装(株)製マイクロトラックUPAを用いて測
定し、その比(Dv/Dn)が1.00〜1.50の範
囲にあることを確認した。多分散コロイダルシリカとは
以下のようにして作成した。平均粒子径15nmの「シ
リカドール30」、平均粒子径40nmの「シリカドー
ル30G」、平均粒子径80nmの「シリカドール40
G−80」、平均粒子径120nmの「シリカドール4
0G−120」を任意の比率で混合し、平均粒子径40
nm、(Dv/Dn)が2.0となるようにした。
【0017】また、水酸化テトラメチメルアンモニウム
(以下TMAHと略記)としては市販の水溶液を使用し
た。また、上記TMAH水溶液を炭酸ガスで中和して炭
酸水素テトラメチメルアンモニウム(以下TMAHCと
略記)を作成した。作成方法は以下のようにした。20
%TMAH水溶液を500mlのガス洗浄瓶に入れ、炭
酸ガスを微細泡状にして12時間吹き込み、TMAH水
溶液に吸収させTMAHC溶液を得た。炭酸化の定量
は、希塩酸で中和滴定を行い滴定曲線の変曲点より計算
し、中和度は97%であった。
【0018】フッ素は試薬のフッ酸水溶液、ホウフッ化
水素酸水溶液、ケイフッ化水素酸水溶液を使用し、同様
に試薬のフッ化ナトリウム、ケイフッ化ナトリウム、フ
ッ化カリウムを使用した。炭酸塩は試薬の炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウムを使用した。そのほか水酸化
ナトリウムは工業用の50%水溶液を希釈して使用し
た。
【0019】実施例1〜5および比較例1〜3のシリコ
ンウェーハの表面研磨の実施例を示す。表1に示した組
成となるよう調整した研磨組成物を用いて、以下の研磨
条件で鏡面研磨加工を実施した。 研磨装置:スピードファム株式会社製、SH−24型片
面加工機、 定盤回転数:70RPM プレッシャープレート回転数:50RPM 研磨布:SUBA400(ロデールニッタ社製) 面圧力:200g/cm2 研磨組成物流量:80ml/分 研磨時間:2分 工作物:4インチ、酸化膜1200nm付きシリコンウ
ェーハ。 研磨組成物のpHはpHメーターを用いて測定した。ま
た、研磨面の評価は、集光灯下で肉眼にてヘイズ及びピ
ットの状態を観察した。また、研磨速度は、研磨前後の
シリコンウエハーの重量差より求めμm/分に換算し
た。結果を表1に示した。実施例1〜5は比較例1〜3
に比べ研磨速度が大きく、表面状態は良好である。
【0020】実施例1〜5および比較例1〜3における
研磨組成物の調整方法は以下のとおりである。 比較例1〜2と実施例1〜2:希釈したTMAH水溶液
にフッ化水素酸水溶液を所定量添加混合し、次いで炭酸
水素カリウムを添加し攪拌下で溶解させた。この添加剤
溶液を各粒子径のコロイダルシリカに攪拌下添加して、
最後に純水で希釈して表1の組成物とした。比較例1は
平均粒子径15nmのコロイダルシリカを使用してお
り、比較例2は上記の方法で作成した多分散のコロイダ
ルシリカを使用している。 実施例3:希釈したTMAH水溶液とTMAHC水溶液
を所定量混合し、これにフッ化ナトリウムおよびフッ化
カリウムを所定量添加し攪拌下で溶解させた。次いで、
この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪拌下添加して、
最後に純水で希釈して表1の組成物とした。 実施例4:希釈したTMAH水溶液とTMAHC水溶液
を所定量混合し、これにフッ化水素酸水溶液を所定量添
加混合し、次いで炭酸水素カリウムを添加し攪拌下で溶
解させた。次いで、この添加剤溶液をコロイダルシリカ
に攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表1の組成物
とした。 比較例3:フッ化水素酸水溶液を添加しなかった以外
は、実施例4と同じにして表1の組成物とした。 実施例5:希釈したTMAH水溶液とTMAHC水溶液
を所定量混合し、これにホウフッ化水素酸水溶液を所定
量添加混合し、この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪
拌下添加して、最後に純水で希釈して表1の組成物とし
た。
【表1】
【0021】実施例6および比較例4の研磨組成液を循
環使用したシリコンウェーハの表面研磨の実施例を示
す。表2に示した組成となるよう調整した研磨組成物を
用いて、研磨条件は実施例1と同じにして、研磨組成液
を10回循環使用して、10枚のウェーハ研磨実験を行
い、各回毎の研磨組成物のpHと研磨速度を測定した。
結果は表2に示した。実施例6のpHは比較例4と比べ
循環回数9回まで変化が少なく,研磨速度は大きい。
【0022】実施例6および比較例4における研磨組成
物の調整方法は以下のとおりである。 実施例6:希釈したTMAH水溶液とTMAHC水溶液
を所定量混合し、これにフッ化水素酸水溶液を所定量添
加混合し、この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪拌下
添加して、最後に純水で希釈して表2の組成物とした。 比較例4:TMAH水溶液とTMAHC水溶液を添加せ
ず、フッ化ナトリウムと水酸化ナトリウムだけをコロイ
ダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表
2の組成物とした
【表2】
【0023】実施例7〜11および比較例5〜7のシリ
コンウェーハの端面研磨の実施例を示す。表3に示した
組成となるよう調整した研磨組成物を用いて、以下の研
磨条件方法で鏡面研磨加工を実施した。 研磨装置:スピードファム株式会社製、EP−IV型端
面加工機 ドラム回転速度:800RPM ウェーハ回転速度:70秒/REV ウェーハ回転数:4回/枚 研磨布:DRP−II(スピードファム社製) 荷重:2.5Kg 研磨組成物流量:250ml/分 工作物:8インチ、酸化膜800nm+ポリシリコン膜
2000nm付きシリコンウェーハ 研磨組成物のpHはpHメーターを用いて測定した。ま
た、研磨面の評価は、集光灯下で肉眼にてヘイズ及びピ
ットの状態を観察した。また、研磨速度は、研磨前後の
シリコンウエハーの重量差より求めmg/分に換算し
た。結果を表3に示した。実施例7〜11は比較例5〜
7に比べ研磨速度が大きく、表面状態は良好である。
【0024】実施例7〜11および比較例5〜7におけ
る研磨組成物の調整方法は以下のとおりである。 実施例7:希釈したTMAH水溶液にフッ化水素酸水溶
液を所定量添加混合し、次いで炭酸水素カリウムおよび
炭酸水素ナトリウムを添加し攪拌下で溶解させた。次い
で、この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪拌下添加し
て、最後に純水で希釈して表3の組成物とした。 実施例8〜9:希釈したTMAH水溶液とTMAHC水
溶液を所定量混合し、これにホウフッ化水素酸水溶液を
所定量添加混合し、この添加剤溶液をコロイダルシリカ
に攪拌下添加して、最後に純水で希釈して第3表の組成
物とした。 実施例10:希釈したTMAH水溶液にフッ化水素酸水
溶液を所定量添加混合し、次いで炭酸水素ナトリウムを
添加し攪拌下で溶解させた。次いで、この添加剤溶液を
コロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈
して表3の組成物とした。 実施例11:希釈したTMAH水溶液とTMAHC水溶
液を所定量混合し、これにケイフッ化水素酸水溶液を所
定量添加混合し、次いでケイフッ化ナトリウムを添加し
攪拌下で溶解させた。次いで、この添加剤溶液をコロイ
ダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表
3の組成物とした。 比較例5:単分散のコロイダルシリカに替えて、上記の
方法で作成した多分散のコロイダルシリカを使用した以
外は、実施例10と同じにして表3の組成物とした。 比較例6:希釈したTMAH水溶液にフッ化水素酸水溶
液を所定量添加混合し、次いで炭酸水素ナトリウムを添
加し攪拌下で溶解させた。次いで、この添加剤溶液をコ
ロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈し
て表3の組成物とした。この組成物はpHが8.2であ
った。 比較例7:希釈したTMAH水溶液にフッ化水素酸水溶
液を所定量添加混合し、次いで炭酸水素ナトリウムを添
加し攪拌下で溶解させ、更に水酸化ナトリウム水溶液を
添加混合した。次いで、この添加剤溶液をコロイダルシ
リカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表3の組
成物とした。この組成物はpHが11.0であった。
【表3】
【0025】
【発明の効果】以上の説明で示される通り、本発明の研
磨組成物は、平均一次粒子径が30〜200nmの実質
的に単分散である酸化珪素粒子がその濃度が1〜25重
量%であるコロイド溶液からなり、該コロイド溶液が、
pH8.7〜10.5の間で緩衝作用を有する緩衝溶液
として調整されたものであり、成分の一つにフッ素イオ
ンもしくはフッ素が配位した陰イオンをフッ素として1
〜100ミリmol/Kg含有することを特徴とする研
磨用組成物は、pH変化が少なく、研磨速度が速く、洗
浄性が良好な事が判明した。本発明の研磨組成物を使い
シリコンウェーハ、半導体デバイス基板を研磨表面の品
質を落とさず、安定に高速研磨する事が出来る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均一次粒子径が30〜200nmの実質
    的に単分散である酸化珪素粒子がその濃度が1〜25重
    量%であるコロイド溶液からなり、該コロイド溶液が、
    pH8.7〜10.5の間で緩衝作用を有する緩衝溶液
    として調整されたものであり、成分の一つにフッ素イオ
    ンもしくはフッ素が配位した陰イオンをフッ素として1
    〜100ミリmol/Kg含有することを特徴とする研
    磨用組成物。
  2. 【請求項2】緩衝溶液を形成する陽イオンが、カリウム
    イオン及び/または、ナトリウムイオン及び/または、
    テトラメチルアンモニウムイオンであることを特徴とす
    る請求項第1項記載の研磨用組成物。
  3. 【請求項3】緩衝溶液を形成する陰イオンが、炭酸イオ
    ン及び/または、炭酸水素イオンを含むことを特徴とす
    る請求項第1項および請求項第2項記載の研磨用組成
    物。
  4. 【請求項4】ナトリウムの含有量が2ミリmol/Kg
    以下である請求項第1項、請求項第2項および請求項第
    3項記載の研磨用組成物。
  5. 【請求項5】平均一次粒子径が30〜200nmの実質
    的に単分散である酸化珪素粒子がその濃度が25〜65
    重量%であるコロイド溶液からなり、該コロイド溶液
    が、pH緩衝作用を有する緩衝溶液として調整されたも
    のであり、成分の一つにフッ素イオンもしくはフッ素が
    配位した陰イオンをフッ素として5〜500ミリmol
    /Kg含有し、水、有機溶剤、塩類を含んだ溶液あるい
    はその混合物で希釈することにより、請求項第1項〜第
    4項に記載の研磨用組成物を調整する方法。
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