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JP2003286319A - 光学活性フマル酸ジエステル誘導体およびその液晶重合体 - Google Patents

光学活性フマル酸ジエステル誘導体およびその液晶重合体

Info

Publication number
JP2003286319A
JP2003286319A JP2002092400A JP2002092400A JP2003286319A JP 2003286319 A JP2003286319 A JP 2003286319A JP 2002092400 A JP2002092400 A JP 2002092400A JP 2002092400 A JP2002092400 A JP 2002092400A JP 2003286319 A JP2003286319 A JP 2003286319A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
liquid crystal
compound
optically active
polymerizable compound
Prior art date
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Granted
Application number
JP2002092400A
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English (en)
Other versions
JP3900987B2 (ja
Inventor
Tatsuji Harufuji
龍士 春藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
JNC Petrochemical Corp
Original Assignee
Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Petrochemical Corp, Chisso Corp filed Critical Chisso Petrochemical Corp
Priority to JP2002092400A priority Critical patent/JP3900987B2/ja
Publication of JP2003286319A publication Critical patent/JP2003286319A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 重合性でかつ光学活性なフマル酸ジエステ
ル、優れた耐光性、耐熱性および機械的強度を有し、そ
して液晶性を有する重合体、この重合体からなる光学補
償膜、光書き込み記録材料、液晶カラーフィルター、お
よび強誘電性液晶重合体表示素子を提供する。 【解決手段】 式(1)で表される光学活性な重合性化
合物、それを重合させて得られる重合体、その重合体を
用いた光学補償膜、光書き込み記録材料、液晶カラーフ
ィルター、および強誘電性液晶重合体表示素子。 (式中、RはC3〜15のアルキルであり、このアル
キルが不斉炭素を有するように任意の水素が−CH
−CHCH、−CF、塩素等で置き換えられてお
り;RはC1〜20のアルキル;A、AおよびA
は、1,4−シクロヘキシレンのような環;Zは単
結合、−O−、−COO−等;ZおよびZは、単結
合、−COO−等;xは1または0、yは1〜20)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶性の光学活性
な重合性化合物とその重合体、およびこれらの用途に関
する。これらは液晶表示素子の構成要素である液晶組成
物、光学補償膜、光書き込み記録材料、液晶カラーフィ
ルター、強誘電性液晶重合体表示素子などに利用でき
る。本発明において、液晶性化合物の語は、液晶相を有
する化合物および液晶相を有しないが液晶組成物の成分
として有用な化合物の総称として用いる。式(1)で表
される光学活性な重合性化合物を、化合物(1)と表記
することがある。式(2)で表される繰り返し単位の少
なくとも1つを有する重合体を、重合体(2)と表記す
ることがある。化合物(1)の少なくとも1つを含有す
る液晶組成物を組成物と表記することがある。「(メ
タ)アクリレート」は、「α位の水素がメチルで置き換
えられてもよいアクリレート」、すなわち「アクリレー
トまたはメタクリレート」を意味する。「(メタ)アク
リル酸」にもこの用法が適用される。「任意」の語は
「区別なく選択された少なくとも1つの」を意味する。
【0002】
【従来の技術】光学活性な液晶ポリマーを利用する試み
が数多く行われている。用途は、位相差板などの光学補
償膜(特開2000−144132公報)、光書き込み
記録材料(特開平10−62740号公報)、液晶カラ
ーフィルター(特開2001−242315公報)、強
誘電性液晶ポリマーディスプレー(フェロエレクトロニ
クス,Vol.122, p53-62, 1991)などである。これらの用
途における材料は、光学活性な液晶性基(メソゲン)が
メチレン鎖などのスペーサーによってアクリル酸ポリマ
ー、メタクリル酸ポリマーまたはシロキサンポリマーに
結合している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光学補償膜、液晶カラ
ーフィルターに必要な特性は、ねじれや引っ張りのよう
な応力に対する強度および耐光性である。光書き込み記
録材料に必要な特性は、レーザーに対する耐光性および
耐熱性である。強誘電性液晶重合体ディスプレーに必要
な特性は、応力に対する強度である。これら材料に必要
な特性は、耐光性、耐熱性、応力に対する強度である。
しかし、従来の材料において、これらの特性は充分では
なかった。
【0004】本発明の第一の目的は、重合性でかつ光学
活性なフマル酸ジエステルを提供することである。第二
の目的は、優れた耐光性、耐熱性および機械的強度を有
し、そして液晶性を有する重合体を提供することであ
る。第三の目的は、この重合体からなる光学補償膜、光
書き込み記録材料、液晶カラーフィルター、および強誘
電性液晶重合体表示素子を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、光学活性な
フマル酸ジエステル誘導体について検討したところ、特
定のフマル酸ジエステル誘導体を重合して得られる重合
体が、優れた耐光性、耐熱性および機械的強度を有し、
そして液晶性を有することを見い出した。さらに、この
重合体が光学補償膜、光書き込み記録材料、液晶カラー
フィルター、強誘電性液晶重合体表示素子などに有用で
あることも見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】上記の目的を達成するため、本発明は以下
の構成からなる。 〔1〕 式(1)で表される光学活性な重合性化合物。 (式中、Rは炭素数3〜15のアルキルであり、この
アルキルが不斉炭素を有するように任意の水素が−CH
、−CHCH、−CF、塩素、フッ素、または
−CNで置き換えられており;Rは炭素数1〜20の
アルキルであり;A、AおよびAは独立して、
1,4−シクロヘキシレン、1,4―シクロヘキセニレ
ン、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−シク
ロヘキシレン、1,3−ジオキサン―2,5―ジイル、
1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンで置き換え
られた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイ
ル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5
−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,
4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、または
フルオレン−2,7−ジイルであり;Zは単結合、−
O−、−COO−、または−OOC−であり;Zおよ
びZは独立して、単結合、−COO−、−OOC−、
−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH
−、−CH=CH−、−CHCH−、または−C
≡C−であり;xは1または0であり、yは1〜20の
整数である。) 〔2〕 〔1〕項に記載した式(1)において、xが0
である〔1〕項に記載の光学活性な重合性化合物。 〔3〕 〔1〕項に記載した式(1)において、xが1
である〔1〕項に記載の光学活性な重合性化合物。 〔4〕 〔1〕項に記載した光学活性な重合性化合物の
少なくとも1つと、液晶性を有する非重合性化合物の少
なくとも1つとを含有する組成物。 〔5〕 〔1〕項に記載した光学活性な重合性化合物の
少なくとも1つと、その他の重合性化合物の少なくとも
1つとを含有する組成物。 〔6〕 その他の重合性化合物の少なくとも1つをさら
に含有する〔4〕項に記載の組成物。
【0007】〔7〕 式(2)で表される繰り返し単位
の少なくとも1つを有する重合体。 (これらの式中のR、R、A〜A、Z
、x、およびyの記号の意味は、〔1〕項に記載し
た記号の意味と同一である。) 〔8〕 〔4〕項に記載した組成物を重合して得られる
重合体。
〔9〕 〔5〕項に記載した組成物を重合して得られる
重合体。 〔10〕 〔6〕項に記載した組成物を重合して得られ
る重合体。
【0008】〔11〕 〔7〕項に記載した重合体を含
有する光学補償膜。 〔12〕 〔8〕〜〔10〕項のいずれか1項に記載し
た重合体を含有する光学補償膜。 〔13〕 〔7〕項に記載した重合体を含有するコレス
テリック液晶重合体(ポリマー)型光書き込み記録材
料。 〔14〕 〔8〕〜〔10〕項のいずれか1項に記載し
た重合体を含有するコレステリック液晶重合体(ポリマ
ー)型光書き込み記録材料。 〔15〕 〔7〕項に記載した重合体を含有する強誘電
性液晶重合体(ポリマー)表示素子。 〔16〕 〔8〕〜〔10〕項のいずれか1項に記載し
た重合体を含有する強誘電性液晶重合体(ポリマー)表
示素子。 〔17〕 〔7〕項に記載した重合体を含有する液晶カ
ラーフィルター。 〔18〕 〔8〕〜〔10〕項のいずれか1項に記載し
た重合体を含有する液晶カラーフィルター。
【0009】
【発明の実施の形態】化合物(1)は以下の特徴を有す
る。 1)化合物(1)は重合性であり、液晶性を有する。 2)化合物(1)はR−Z−A−Z−A
(Z−A−の液晶骨格を有する。この液晶骨格
は剛直であり、液晶性の発現に寄与する。この基はアル
キレン鎖によってエステルに結合している。 3)液晶骨格における結合基Z、ZおよびZは、
光などに不安定であるアゾ、ジアゾ、アゾキシではな
い。
【0010】化合物(1)を単独重合または共重合して
得られる重合体(2)は以下の特徴を有する。 1)重合体(2)におけるポリメチレン主鎖の総ての炭
素が置換基を有するので、応力に対する機械的な強度お
よび耐熱性に優れている。 2)化合物(1)は光に安定であるので、重合体(2)
も耐光性に優れている。 3)液晶骨格はポリメチレン主鎖から立体的な拘束を受
けにくい。このため重合体(2)の液晶性は大きく、透
明点は高い。
【0011】従って、重合体(2)は上述したように従
来の材料よりも優れた性質を有しており、光学補償膜、
光書き込み記録材料、液晶カラーフィルター、および強
誘電性液晶重合体表示素子に適した材料である。
【0012】化合物(1)におけるR、R、A
、A、Z、Z、Z、x、およびyの記号を
説明する。Rは炭素数3〜15のアルキルであり、こ
のアルキルが不斉炭素を有するように任意の水素が−C
、−CHCH、−CF、塩素、フッ素、また
は−CNで置き換えられている。好ましいRは1−メ
チルプロピル、1−メチルブチル、1−メチルペンチ
ル、1−メチルヘキシル、1−メチルヘプチル、1−メ
チルオクチル、1−メチルノニル、1−メチルデシル、
1−エチルブチル、1−エチルペンチル、1−エチルヘ
キシル、1−エチルヘプチル、1−エチルオクチル、1
−エチルノニル、1−エチルデシル、5−メチルヘプチ
ル、6−メチルオクチル、2−メチルブチル、1−トリ
フルオロメチルブチル、1−トリフルオロメチルペンチ
ル、1−トリフルオロメチルヘキシル、1−トリフルオ
ロメチルオクチル、1−トリフルオロメチルノニル、2
−フルオロオクチル、2−クロロオクチル、2−シアノ
オクチル、および1−シアノオクチルである。これらの
基は(R)配置であってもよいし、(S)配置であって
もよい。
【0013】Rは炭素数1〜20のアルキルである。
好ましい直鎖アルキルは、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノ
ニル、およびデシルである。好ましい分岐アルキルは、
イソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、1−メチ
ルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、4−
メチル−2−ペンチル、sec−ヘプチル、およびse
c−オクチルである。好ましい環状アルキルは、シクロ
プロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、シクロヘプチル、シクロドデシル、4−メチルシ
クロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、4−プロピ
ルシクロヘキシル、4−ブチルシクロヘキシル、4−ペ
ンチルシクロヘキシル、4−ヘキシルシクロヘキシル、
4−ヘプチルシクロヘキシル、4−オクチルシクロヘキ
シル、4−ノニルシクロヘキシル、4−デシルシクロヘ
キシル、トランス−4−シクロヘキシルシクロヘキシ
ル、トランス−4−(4−メチルシクロヘキシル)シク
ロヘキシル、トランス−4−(4−エチルシクロヘキシ
ル)シクロヘキシル、トランス−4−(4−n−プロピ
ルシクロヘキシル)シクロヘキシル、トランス−4−
(4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル、
トランス−4−(4−n−ヘキシルシクロヘキシル)シ
クロヘキシル、トランス−4−(4−n−ヘプチルシク
ロヘキシル)シクロヘキシル、トランス−4−(4−n
−オクチルシクロヘキシル)シクロヘキシル、ノルボル
ニル、カンフェニル、トリシクロデシル、アダマンチ
ル、およびジメチルアダマンチルである。
【0014】R2は嵩高い方が化合物(1)の反応性が
高い。反応性の高さは、環状アルキル>分岐アルキル>
直鎖アルキル、の順である。R2は嵩高くない方が重合
体(2)の液晶性が高い。液晶性の高さは、直鎖アルキ
ル>分岐アルキル>環状アルキル、の順である。反応性
が高く、液晶性が高い化合物(1)のR2は分岐アルキ
ルである。特に好ましいR2はイソプロピルである。
【0015】A、AおよびAは独立して、1,4
−シクロヘキシレン、1,4―シクロヘキセニレン、任
意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロヘキ
シレン、1,3−ジオキサン―2,5―ジイル、1,4
−フェニレン、任意の水素がハロゲンで置き換えられた
1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリ
ダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイ
ル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テ
トラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはフルオ
レン−2,7−ジイルである。好ましいA、Aまた
はAは下記の二価基である。
【0016】
【0017】Zは単結合、−O−、−COO−、また
は−OOC−である。好ましいZは単結合、−COO
−、および−OOC−である。ZおよびZは独立し
て、単結合、−COO−、−OOC−、−CFO−、
−OCF−、−CHO−、−OCH−、−CH=
CH−、−CHCH−、または−C≡C−である。
好ましいZまたはZは、単結合、−COO−および
−OOC−である。Z またはZが、単結合、−CO
O−、および−OOC−である場合は、液晶骨格が剛直
になるので液晶性を示しやすい。ZまたはZが−C
≡C−である場合は、重合体(2)の屈折率異方性が大
きくなる。ZまたはZが−CFO−、−OCF
−、−CHO−、−OCH−、および−CHCH
−の場合は、液晶骨格が柔軟になるので、重合体
(2)の粘度が低くなる。
【0018】xは1または0である。yは1〜20の整
数であるが、好ましいyは3〜11である。さらに、好
ましいyは3〜6である。化合物(1)の好ましい液晶
骨格、R−Z−A−Z−A−(Z−A
−は、式(1−1)〜(1−31)である。
【0019】
【0020】
【0021】 (式中、R、Z、A、A、およびAの記号の
意味は、〔1〕項の記号の意味と同一である。)
【0022】〔化合物(1)の製造方法〕化合物(1)
の製造方法の一例を下記のスキームに示す。無水マレイ
ン酸とアルコール(ROH)とのエステル化反応によ
りマレイン酸モノエステル(a)を得る。この化合物を
異性化して原料であるフマル酸モノエステル(b)を製
造する。光学活性な化合物(MEG1)とω−ブロモア
ルカノールとを水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭
酸カリウム、または水素化ナトリウムのような塩基の存
在下で反応させて他の原料であるアルコール(c)を得
る。このアルコール(c)と上記のフマル酸モノエステ
ル(b)とをジシクロヘキシルカルボジイミドまたは1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド塩酸塩のような縮合剤によってエステル化し、
目的の化合物(1)を製造する。
【0023】 (式中、R、R、A、A、A、Z、Z
、x、およびyの記号の意味は、〔1〕項の記号の
意味と同一である。)
【0024】重合体(2)は液晶性を有し、そして式
(2)で表される繰り返し単位の少なくとも1つを有す
る。この重合体(2)は化合物(1)を重合させること
によって得られる。化合物(1)の重合の形態は次のと
おりである。化合物(1)の1つを単独重合させる。化
合物(1)の少なくとも2つを共重合させる。化合物
(1)の少なくとも1つと他の単量体とを共重合させ
る。これらの重合は非重合性の化合物の存在下でおこな
うこともできる。得られた共重合体は、ランダム共重合
体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合
体などのいずれでもよい。
【0025】重合反応を行うには、化合物(1)の少な
くとも1つを含有する組成物を調製する。この組成物
は、液晶性を有する非重合性化合物、化合物(1)とは
異なる重合性化合物、多官能の重合性化合物、重合反応
の開始剤、溶媒、などのその他の成分を含有してもよ
い。化合物(1)とは異なる重合性化合物を「化合物
(3)」と表記することがある。化合物(1)と化合物
(3)とを含有する組成物を「重合性組成物」と表記す
ることがある。
【0026】化合物(3)は、皮膜形成性および機械的
強度を低下させず、化合物(1)と共重合しうるもので
あれば特に限定されない。化合物(3)は液晶性を有し
てもよいし、有さなくてもよい。好ましい化合物(3)
は、フマル酸誘導体、アクリル酸誘導体、ソルビン酸誘
導体、クロトン酸誘導体、およびマレイミド誘導体であ
る。化合物(3)が液晶性を有する場合には、重合体
(2)の液晶相の温度範囲を調節することができる。液
晶性を有する化合物(3)の例は、以下の通りである。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル
であり、Rはメチル、エチル、2−メチルブチル、プ
ロピル、オクチル、イソプロピル、t−ブチル、シクロ
ヘキシル、4ブチルシクロヘキシル、ノルボルニル、ま
たはアダマンチルであり、yは1〜20の整数であ
る。)
【0031】液晶性の化合物(3)の好ましい添加量
は、化合物(1)の重量に基づいて、0.5〜95重量
%である。添加量が0.5重量%以上であるので、液晶
相の温度範囲を容易に調整できる。添加量が95重量%
以下であるので、重合体(2)を容易に得ることができ
る。
【0032】液晶性を有しない重合性化合物の好ましい
例は、式(3)で表されるフマル酸ジエステルおよびビ
ニル系単量体である。式(3)で表されるフマル酸ジエ
ステルを化合物(3−1)と表記することがある。これ
らの化合物と共重合させた重合体(2)は被膜を形成し
やすい。
【0033】
【0034】最初に、化合物(3−1)を例示する。R
またはRは1価の脂肪族炭化水素基または芳香族炭
化水素基である。これらの基の水素はハロゲンで置き換
えられてもよい。これらの基は炭素の代わりに、硫黄
(S)、窒素(N)、リン(P)、およびケイ素(S
i)のようなヘテロ原子を有してもよい。これらの炭化
水素基は非環式、単環式、縮合多環式、または架橋環式
である。脂肪族炭化水素基の好ましい炭素数は1〜14
であり、芳香族炭化水素基の好ましい炭素数は6〜20
である。これらの1価基の好ましい例は直鎖アルキル、
分岐アルキル、シクロアルキル、アリール、およびハロ
ゲンまたはヘテロ原子を有するアルキルである。この順
に具体例を示す。
【0035】直鎖アルキルの具体例は、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、およびド
デシルである。分岐アルキルの具体例は、イソプロピ
ル、sec−ブチル、t−ブチル、sec−アミル、イ
ソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、sec−ヘ
キシル、4−メチル−2−ペンチル、sec−ヘプチ
ル、およびsec−オクチルである。シクロアルキルの
具体例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシル、アダマンチル、およびジメチル
アダマンチルである。アリールの具体例は、フェニル、
ベンジル、1−フェニル−1−エチル、3−フェニルプ
ロピル、1−フェニル−2−プロピル、および1−フェ
ニル−1−プロピルである。
【0036】ハロゲンを有するアルキルの具体例は、ト
リフルオロメチル、トリフルオロメチルエチル、ヘキサ
フルオロイソプロピル、パーフルオロイソプロピル、パ
ーフルオロブチルエチル、パーフルオロオクチルエチ
ル、2−クロロエチル、および1−ブトキシ−2−プロ
ピルである。ヘテロ原子を有するアルキルの具体例は、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシのようなア
ルコキシ;メトキシメチル、メトキシエチルのようなア
ルコキシアルキル、シアノメチル、シアノエチル、シア
ノブチルのようなシアノアルキル;ヒドロキシ、ヒドロ
キシエチル、ヒドロキシエチルチオエチル(HO−CH
CH−S−CHCH−)、ヒドロキシブチルの
ようなヒドロキシアルキル;およびトリメチルシリル、
トリメチルシロキシプロピルのような含ケイ素基であ
る。
【0037】RとRが同一である化合物(3−1)
の好ましい例は、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプ
ロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジシクロヘキシ
ル、フマル酸ジ1−フェニル−2−プロピル、フマル酸
ジsec−ブチル、フマル酸ジt−ブチル、およびフマ
ル酸ジ2−エチルヘキシルである。特に好ましい化合物
(3−1)は、フマル酸ジイソプロピルおよびフマル酸
ジsec−ブチルである。これらの化合物は共重合性が
よいので、化合物(1)との共重合に適している。
【0038】RとRが同一でない化合物(3−1)
の好ましい例は、次のとおりである。RとRとを明
確に区別するために、=の記号を用いた。さらに好まし
い化合物には、その名称のあとに#印を付した。好まし
い例はフマル酸イソプロピル=メチル、フマル酸イソプ
ロピル=エチル#、フマル酸イソプロピル=プロピル、
フマル酸イソプロピル=ブチル#、フマル酸イソプロピ
ル=sec−ブチル#、フマル酸イソプロピル=t−ブ
チル#、フマル酸イソプロピル=アミル#、フマル酸イ
ソプロピル=イソアミル、フマル酸イソプロピル=se
c−アミル、フマル酸イソプロピル=sec−ヘキシ
ル、フマル酸イソプロピル=4−メチル−2−ペンチ
ル、フマル酸イソプロピル=2−エチルヘキシル、フマ
ル酸イソプロピル=オクチル、フマル酸イソプロピル=
ノニル、フマル酸t−ブチル=sec−ブチル、フマル
酸t−ブチル=シクロヘキシル、フマル酸t−ブチル=
4−メチル−2−ペンチル、フマル酸t−ブチル=2−
エチルヘキシル、フマル酸イソプロピル=シクロヘキシ
ル#、およびフマル酸イソプロピル=シクロペンチル#
のようなジアルキルエステルである。
【0039】好ましい例はフマル酸イソプロピル=2−
フェニル−1−エチル、フマル酸イソプロピル=3−フ
ェニルプロピル、フマル酸イソプロピル=1−フェニル
−2−プロピル#、およびフマル酸イソプロピル=1−
フェニル−1−プロピルのようなアリールを有するエス
テルである。好ましい例はフマル酸イソプロピル=(ト
リメチルシリル)プロピル、フマル酸t−ブチル=(ト
リメチルシリル)プロピル、フマル酸シクロヘキシル=
(トリメチルシリル)プロピル、フマル酸イソプロピル
=(3−トリス(トリメチルシロキシ)シリル)プロピ
ル、およびフマル酸イソプロピル=3−((ペンタメチ
ル)ジシロキサニル)プロピルのようなケイ素を有する
エステルである。好ましい例はフマル酸N、N−ジメチ
ルアミノエチル=イソプロピル、フマル酸t−ブチル=
1−ブトキシ−2−プロピル、フマル酸2−シアノエチ
ル=イソプロピル、フマル酸2−ヒドロキシエチル=イ
ソプロピル、フマル酸グリシジル=イソプロピル、フマ
ル酸イソプロピル=ジエチルホスフォメチル、フマル酸
2−メチルチオエチル=イソプロピル、およびフマル酸
イソプロピル=2−ヒドロキシエチルチオエチル=イソ
プロピルのようなヘテロ原子を有するエステルである。
好ましい例はフマル酸イソプロピル=パーフルオロイソ
プロピル#、フマル酸パーフルオロオクチルエチル=イ
ソプロピル、フマル酸トリフルオロメチル=イソプロピ
ル、フマル酸ペンタフルオロエチル=イソプロピル、お
よびフマル酸ヘキサフルオロイソプロピル=イソプロピ
ルのようなハロゲンを有するエステルである。RとR
が同一でない化合物(3−1)の特に好ましい例は、
フマル酸イソプロピル=2−ヒドロキシエチルおよびフ
マル酸イソプロピル=2−シアノエチルである。
【0040】次に、ビニル系単量体を例示する。このビ
ニル系単量体は、化合物(1)と共重合し、生成した重
合体(2)に皮膜形成性と機械的強度を付与することが
できれば特に限定されない。好ましいビニル系単量体は
オレフィン系炭化水素を主体とするビニル系単量体であ
る。好ましい例は酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,
2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタ
ン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、および2−エチル
−2−メチルブタン酸ビニルのようなビニルエステルで
ある。好ましい例はN−ビニルアセトアミドのようなビ
ニルアセトアミドである。好ましい例はp−t−ブチル
安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニ
ル、および安息香酸ビニルのような芳香族ビニル系単量
体である。好ましい例はスチレン、o−、m−、p−ク
ロロスチレン、o−、m−、p−クロロメチルスチレ
ン、およびα−メチルスチレンのようなスチレン誘導体
である。好ましい例は塩化ビニル、およびフッ化ビニル
のようなハロゲン化ビニルである。
【0041】好ましい例はエチルビニルエーテル、ヒド
ロキシブチルモノビニルエーテル、t−アミルビニルエ
ーテル、およびシクロヘキサンジメタノールメチルビニ
ルエーテルのようなビニルエーテルである。好ましい例
はα、β−ビニルナフタレンのようなナフタレン誘導体
である。好ましい例はメチルビニルケトン、およびイソ
ブチルビニルケトンのようなアルキルビニルケトンであ
る。好ましい例はブタジエン、およびイソプレンのよう
なジエンである。好ましい例はメチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、およびフェニル(メタ)アクリレートのような(メ
タ)アクリル酸エステルである。好ましい例はジメチル
イタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコ
ネート、およびジイソプロピルイタコネートのようなイ
タコネートである。
【0042】架橋された重合体(2)の被膜形成能は高
い。架橋させるための多官能の重合性化合物を組成物の
成分として添加することもできる。好ましい多官能の重
合性化合物は、多官能のアクリレート誘導体である。好
ましい多官能アクリレートは、1,4−ブタンジオール
ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリ
レート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テ
トラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリメチロールEO付加
トリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレー
ト、トリスアクリロキシエチルフォスフェート、ビスフ
ェノールA EO付加ジアクリレート、ビスフェノール
Aグリジジルエーテルジアクリレート(商品名:大阪有
機化学株式会社製 ビスコート700)、およびポリエ
チレングリコールジアクリレートである。
【0043】非液晶性のビニル系単量体または多官能の
重合性化合物の好ましい添加量は、液晶性誘導体の重量
に基づいて、0.5〜50重量%である。前記添加量
が、0.5重量%以上であるので、十分な被膜形成力を
得ることができ、50重量%以下であるので、容易に重
合体(2)を得ることができる。液晶性誘導体は化合物
(1)、液晶性を有する比重合成化合物および液晶性の
化合物(3)である。
【0044】[重合体(2)の製造方法]重合体(2)を
得るには、種々の重合反応形式を用いることができる。
利用できる重合反応形式は、ラジカル重合法、アニオン
重合法、カチオン重合法、配位重合法、リビング重合法
などである。化合物(1)を用いて重合体(2)を製造
するには、熱または光による重合法が好ましい。熱重合
に際しては、化合物(1)と重合性化合物とを、ラジカ
ル重合開始剤の存在下、0〜150℃の反応温度で1〜
100時間程度重合させる。ラジカル重合開始剤の例
は、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチ
ルパーオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、
2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル(MAIB)、ジ
t−ブチルパーオキシド(DTBPO)、アゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)、およびアゾビスシクロヘ
キサンカルボニトリル(ACN)である。
【0045】光または電子線のようなエネルギーを照射
する重合法は、一般に重合に際し化合物(1)と重合性
化合物とを、光ラジカル重合開始剤の存在下で重合させ
る。光ラジカル重合開始剤の例は、チバ・スペシャリテ
ィー・ケミカル株式会社製の2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:ダロキ
ュアー1173)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン(商品名:イルガキュアー184)、2,2
−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
(商品名:イルガキュアー651)、以下商品名:イル
ガキュアー500、イルガキュアー2959、イルガキ
ュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー
1300、イルガキュアー819、イルガキュアー17
00、イルガキュアー1800、イルガキュアー185
0、ダロキュアー4265、およびイルガキュアー78
4である。光ラジカル重合開始剤の例は、p−メトキシ
フェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリク
ロロメチル1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニ
ルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフ
ェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイ
ミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1
−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2
−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケター
ル、および2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェ
ニル]−2−モルホリノプロパン−1,2,4−ジエチ
ルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合
物である。
【0046】重合体(2)の製造方法は、アニオン重合
法、配位重合法およびリビング重合法であってもよい。
アニオン重合法、配位重合法およびリビング重合法に用
いる好ましい開始剤は、n−ブチルリチウム、t−ブチ
ルリチウム−トリアルキルアルミニウムのようなアルカ
リ金属アルキル、アルミニウム化合物、および遷移金属
化合物である。
【0047】重合する際には溶媒を用いることができ
る。好ましい溶媒の例は、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、メシチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ノナン、デカン、テトラヒドロフラン、1,4−
ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、およびこれらの混合溶媒
である。
【0048】単離した重合体(2)は溶媒に溶かして成
形することができる。好ましい溶媒は、N−メチル−2
−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール、テトラ
ヒドロフラン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、ビ
ス(メトキシエチル)エーテル、γ−ブチロラクトン、
テトラメチル尿素、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢
酸エチル、およびヘキサフルオロ−2−プロパノールで
ある。しかし、溶媒はこれらに制限されることはなく、
アセトン、ベンゼン、トルエン、ヘプタン、塩化メチレ
ンのような一般的な有機溶媒との混合物であってもよ
い。
【0049】コレステリック液晶膜の製造は、以下の方
法により行う。すなわち、前記により得られた重合体
(2)を有機溶媒に溶解した溶液を準備する。この溶液
を予め配向処理したガラス板またはトリアセチルセルロ
ースフィルム、または三井化学(株)製のアペル、日本
ゼオン(株)製のゼオノアもしくはゼオネックス、JS
R(株)製のアートンのようなノルボルネン系高分子フ
ィルムに、マイクログラビアコート法、グラビアコート
法、ワイヤーバーコード法、デップコート法、スプレー
コート法、メニスカスコート法のような方法を用いて塗
布する。そして重合体(2)のガラス転移点以上の温度
に加熱する。次いで放冷することにより重合体(2)を
均一に配向させ、均一な膜厚のコレステリック液晶重合
体膜とする。コレステリック相のピッチを調整するため
に光学活性化合物を重合体(2)に添加してコレステリ
ック液晶膜を製造する事もできる。ピッチ調整に用いる
光学活性化合物は、カイラル化合物であっても、コレス
テロール骨格を有する化合物であってもかまわない。具
体例を以下に示す。好ましい化合物はピッチの短い化合
物である。この化合物は、ピッチ調整の点から添加量を
少なくさせることができる。
【0050】
【0051】光学異方性薄膜の厚さは、所望の位相差値
により異なる。その位相差値は光学異方性薄膜の複屈折
率により異なる。好ましい光学異方性薄膜の厚さは0.
05〜50μm、より好ましくは0.1〜20μm、さ
らに好ましくは0.5〜10μmである。
【0052】光学異方性薄膜のヘイズ値は1.5%以
下、好ましくは1.0%以下である。光学異方性薄膜の
透過率は80%以上、好ましくは85%以上である。好
ましい透過率は、可視光領域でこれらの割合である。ヘ
イズ値がこれらの割合以上の場合には、偏光性能に問題
を生じる可能性がある。特に透過率が低いと、液晶表示
素子に用いた場合に明るさを損失させる可能性がある。
【0053】[重合体(2)の用途]熱重合によって得ら
れた重合体(2)は各種の保護膜、光書き込み記録材
料、液晶表示素子のカラーフィルターなどへの応用が可
能である。重合体(2)は光学異方性を有するため、単
独で位相差板として使用するか、または他の位相差板と
組み合わせることにより、偏光板、円偏光板、楕円偏光
板、色補償板、視覚補償板のような光学異方性薄膜とし
て利用が可能である。重合体(2)が強誘電性を有する
場合は、強誘電性液晶重合体ディスプレーに使用でき
る。光重合によって得られた重合体(2)も熱重合の場
合と同様に利用できる。この重合体はさらに、偏光を用
いることによってラビングレスの配向膜に利用すること
ができる。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明の詳細を説明する
が、本発明はこれらの実施例に制限されない。実施例中
に記載した相転移温度において、Cは結晶、Chはコレ
ステリック相、SmCは強誘電性液晶相、SmXは未
同定のスメクチック相、Iは等方性液体、Tmは重合体
の融点を示す。相転移温度の単位は℃である。得られた
化合物は核磁気共鳴スペクトルに基づいて同定した。核
磁気共鳴スペクトルにおいて、sはシングレット、dは
ダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、mは
マルチプレットである。重合体の重量平均分子量(M
w)、多分散度(Mw/Mn)はGPC(ゲル・パーミ
ェーション・クロマトグラフィー)の測定(島津LC−
9A、カラム:Shodex GF−7M HQ、展開
溶媒:DMF)により求めた。また、鉛筆硬度は、JI
S規格「JIS K5400 8.4 鉛筆引掻試験」
の方法に基づき測定した。
【0055】[光学活性な重合性化合物の製造] 実施例1 (第1段階)マレイン酸モノ(トランス−4−n−ブチ
ルシクロヘキシル)の製造 無水マレイン酸63g、トランス−4−n−ブチルシク
ロヘキサノール100g、酢酸ナトリウム5gをフラス
コに加え、70℃で3時間加熱攪拌した。室温まで冷や
した後、水200mlを加え激しく攪拌すると結晶を含
有するスラリーが得られた。濾過して得られた結晶を風
乾し、シクロヘキサンから再結晶することで、110g
のマレイン酸モノ(トランス−4−n−ブチルシクロヘ
キシル)を得た。プロトンNMRを測定したところ、δ
=6.39ppmに、マレイン酸の2重結合に由来する
J値1.8Hzのダブレット(2重線)が観測されたの
で目的物であることを同定した。融点は66℃であっ
た。
【0056】(第2段階)フマル酸モノ(トランス−4
−n−ブチルシクロヘキシル)の製造 マレイン酸モノ(トランス−4−n−ブチルシクロヘキ
シル)90g、水50mlを300mlのフラスコに加
え、80℃まで加熱し攪拌した。そこへテトラエチルア
ンモニウムブロマイド2g、過酸化カリウム2gを加え
さらに2時間攪拌した。加熱を止めて室温までもどし、
反応混合物を水400mlに注ぎ込むと結晶が得られ
た。濾過して得られた結晶を風乾し、シクロヘキサンか
ら再結晶することで、80gのフマル酸モノ(トランス
−4−n−ブチルシクロヘキシル)を得た。プロトンN
MRを測定したところδ=6.86ppmに、フマル酸
の2重結合に由来するJ値1.8Hzのダブレット(2
重線)が観測されたので目的物であることを同定した。
融点は68℃であった。
【0057】第1段階および第2段階の方法と同様にし
て、フマル酸モノシクロヘキシル(融点85〜87
℃)、フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノアダ
マンチル、フマル酸モノイソプロピル、フマル酸モノ−
t−ブチル、フマル酸モノ トランス、トランス−4−
n−ペンチル−シクロヘキシル−4−シクロヘキシルを
得た。
【0058】(第3段階)(S)−4−(6−ヒドロキ
シヘキシルオキシ)−4´−(2−メチルブチルオキ
シ)ビフェニルの製造 (S)−4´−ヒドロキシ−4−(2−メチルブチルオ
キシ)ビフェニル10g、6−ブロモヘキサノール8.
4g、炭酸カリウム9.7gをジメチルホルムアミド2
00mlに加え、90℃で3時間攪拌した。3Nの塩酸
500Lに反応混合物を注ぎ込むと無色の結晶が析出し
たので、これを濾過して分取した。得られた結晶を水で
よく洗浄した後、十分に乾燥し、酢酸エチルから再結晶
して13gの(S)−4−(6−ヒドロキシヘキシルオ
キシ)−4´−(2−メチルブチルオキシ)ビフェニル
を得た。融点:114〜115℃
【0059】前述と同様の方法により以下の化合物を製
造した。 (S)−4−(3−ヒドロキシプロピルオキシ)−4´
−(1−メチルヘプチルオキシ)ビフェニル 融点:6
7〜68℃ (S)−2−メチルブチル 4´−(9−ヒドロキシノ
ニルオキシ)ビフェニル−4−カルボキシレート 融
点:74℃ (R)−1−メチルヘプチル 4´−(9−ヒドロキシ
ノニルオキシ)ビフェニル−4−カルボキシレート 融
点:83〜85℃ (S)−4´−(2−メチルブチルオキシ)ビフェニル
4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ベンゾエート
相転移温度:C 130 SmX 180 I (R)−3−フルオロ−4−(1−メチルヘプチルオキ
シカルボニル)フェニル4−(6−ヒドロキシヘキシル
オキシ)ベンゾエート 油状物 (R)2−(9−ヒドロキシノニル)−6−[(1−メ
チルヘプチルオキシ)フェニル]ナフタレン 融点:1
17℃
【0060】(第4段階)(S)−フマル酸 イソプロ
ピル [4´−(2−メチルブチルオキシ)ビフェニル
−4−イルオキシ]ヘキシル(化合物[7])の製造 フマル酸 モノイソプロピル3.4g、(S)−4−
(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)−4´−(2−メチ
ルブチルオキシ)ビフェニル7.7gを塩化メチレン1
50mlに溶かし、5℃まで冷やし、そこへジメチルア
ミノピリジン1g、1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩4.5gを加え室
温で12時間攪拌した。水50mlを加え分液、有機層
を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得
られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製、エ
タノールから再結晶を行い、5.3gの(S)−フマル
酸イソプロピル [4´−(2−メチルブチルオキシ)
ビフェニル−4−イルオキシ]ヘキシル[7]を得た。
【0061】C 60.5 (SmX 50.7) I H−NMR(CDCl、90MHz):δ(pp
m):0.99(3H、t)、1.02(3H、d、J
=6.3Hz)、1.29(6H、d、J=6.3H
z)1.4〜2.0(m)、3.80(2H、dd)
3.99(2H、t、J=6.3Hz)、4.21(2
H、t、J=6.3Hz)、5.11(1H、m)、
6.83(2H、s)、6.93(4H、d、J=8.
3Hz)、7.45(4H、d、J=8.3Hz)
【0062】実施例1の方法と同様にして、以下の光学
活性な重合性化合物を製造した。 実施例2 化合物[17]:(S)−フマル酸 イソプロピル
[4´−(1−メチルヘプチルオキシ)ビフェニル−4
−イルオキシ]プロピル 融点:70〜72℃ H−NMR(CDCl、90MHz):δ(pp
m):0.88(3H、t)、1.29(6H、d、J
=6.3Hz)1.2〜1.5(m)、2.18(2
H、m)4.09(2H、t、J=6.3Hz)、4.
42(2H、t、J=6.3Hz)、5.11(1H、
m)、6.83(2H、s)、6.92(4H、d、J
=8.3Hz)、7.45(4H、d、J=8.3H
z)
【0063】実施例3 化合物[28]:(R)−フマル酸 イソプロピル
4´−(2−メチルブチルオキシカルボニル)ビフェニ
ル−4−イルオキシ)ノニル 融点:49〜55℃ H−NMR(CDCl、90MHz):δ(pp
m):0.99(3H、t)、1.02(3H、d、J
=6.3Hz)、1.29(6H、d、J=6.3H
z)1.4〜2.0(m)、4.00(2H、t、J=
6.3Hz)、4.10〜4.30(4H、m)、5.
11(1H、m)、6.82(2H、s)、6.98
(2H、d、J=8.8Hz)、7.56(2H、d、
J=8.8Hz)、7.61(2H、d、J=8.6H
z)、8.08(2H、d、J=8.6Hz)
【0064】実施例4 化合物[38]:(R)−フマル酸 イソプロピル
4´−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)ビフェ
ニル−4−イルオキシ)ノニル 融点:36〜37℃ H−NMR(CDCl、90MHz):δ(pp
m):0.87(3H、t)、1.02(3H、d、J
=6.3Hz)、1.2〜2.0(m)、4.00(2
H、t、J=6.3Hz)、4.19(2H、t、J=
6.3Hz)、5.12(2H、m)、6.83(2
H、s)、6.97(2H、d、J=8.8Hz)、
7.56(2H、d、J=8.8Hz)、7.61(2
H、d、J=8.6Hz)、8.08(2H、d、J=
8.6Hz)
【0065】実施例5 化合物[77]:(R)−フマル酸 イソプロピル
[3−フルオロ−4−(1−メチルヘプチルオキシカル
ボニル)フェニル ベンゾエート−4−イルオキシ]ヘ
キシル H−NMR(CDCl、90MHz):δ(pp
m):0.87(3H、t)、1.02(3H、d、J
=6.3Hz)、1.2〜2.0(m)、3.98(2
H、t、J=6.3Hz)、4.14(2H、t、J=
6.3Hz)、5.11(2H、m)、6.50〜6.
80(m)、6.83(2H、s)、6.20(m)、
7.80〜8.00(m) 油状物
【0066】実施例6 化合物[88]:(R)−フマル酸 イソプロピル
6−[4−(1−メチルヘプチルオキシ)フェニル]ナ
フタレン−2−イルオキシ)ノニル C 124 SX 157 I H−NMR(CDCl、90MHz):δ(pp
m):0.88(6H、t)、1.29(6H、d、J
=6.3Hz)1.4〜2.0(m)、4.00〜4.
30(4H、m)、4.40(1H、m)、5.11
(1H、m)、6.83(2H、s)、6.90〜7.
23(m)、7.55〜7.93(m)
【0067】実施例7 化合物[107]:(S)−フマル酸 イソプロピル
[4´−(2−メチルブチルオキシ)ビフェニル ベン
ゾエート−4−イルオキシ]ヘキシル δ(ppm):0.99(3H、t)、1.02(3
H、d、J=6.3Hz)、1.29(6H、d、J=
6.3Hz)1.4〜2.0(m)、3.82(2H、
dd)4.06(2H、t、J=6.3Hz)、4.2
2(2H、t、J=6.3Hz)、5.11(1H、
m)、6.83(2H、s)、6.97(2H、d、J
=8.8Hz)、7.23(2H、d、J=8.8H
z)7.50(4H、d、J=8.8Hz)、7.58
(2H、d、J=9.0Hz)、8.16(2H、d、
J=9.0Hz) 油状物
【0068】[フマル酸ジエステル単独重合体の製造] 実施例8 <(S)−フマル酸 イソプロピル [4´−(2−メ
チルブチルオキシ)ビフェニル−4−イルオキシ]ヘキ
シル[7]の重合> (S)−フマル酸 イソプロピル [4´−(2−メチ
ルブチルオキシ)ビフェニル−4−イルオキシ]ヘキシ
ル0.7g、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル
(以後ACNと略す)0.017gをガラスアンプルに
とり、一旦−60℃に冷却して真空ポンプで1時間十分
脱気を行った後、封管した。封管したガラスアンプルを
80℃で18時間反応させた。ガラスアンプル内の内容
物をテトラヒドロフラン8mlに溶解し、メタノール1
00mlに投入して沈殿させた。この操作を3回行った
後、メタノールで十分洗浄し、減圧下で乾燥させ0.3
gのポリ−(S)−フマル酸 イソプロピル [4´−
(2−メチルブチルオキシ)ビフェニル−4−イルオキ
シ]ヘキシル[P1]を得た。この重合体は室温でコレ
ステリック液晶相を示した。 Tm 128 (Ch 120) I 重量平均分子量(M) 40000 多分散度(Mw/Mn) 1.88
【0069】実施例9 化合物[28]0.7g、ACN0.015gを用い、
80℃、15時間で反応させた以外は、実施例8と同様
の操作により0.25gの重合体[P2]を得た。この
重合体はコレステリック液晶相を示した。 Tm 106 Ch 122 I 重量平均分子量(Mw) 51000 多分散度(Mw/Mn) 1.89
【0070】実施例10 化合物[107]0.87g、ACN0.017gを用
い、80℃で24時間反応させた以外は、実施例8と同
様の操作により0.34gの重合体[P3]を得た。こ
の重合体はコレステリック液晶相を示した。 Tm 50 Ch 65 I 重量平均分子量(Mw) 10700 多分散度(Mw/Mn) 1.48
【0071】実施例11 化合物[117]1g、ACN0.01gを用い、80
℃で24時間反応させた以外は、実施例8と同様の操作
により0.74gの重合体[P4]を得る。この重合体
は強誘電性液晶相を示す。
【0072】[フマル酸ジエステル共重合体の製造] 実施例12 <(S)−フマル酸 イソプロピル [4´−(2−
メチルブチルオキシ)ビフェニル−4−イルオキシ]ヘ
キシル[7]とフマル酸 イソプロピル 6−(4´−
シアノ−1,1´−ビフェニル−4−イルオキシ)ヘキ
シル[FCB]との共重合>
【0073】(S)−フマル酸 イソプロピル [4´
−(2−メチルブチルオキシ)ビフェニル−4−イルオ
キシ]ヘキシル[7]0.57g、フマル酸 イソプロ
ピル 6−(4´−シアノ−1,1´−ビフェニル−4−イル
オキシ)ヘキシル[FCB]0.5g、ACN0.02
7gをガラスアンプルに入れ、−60℃に冷却して真空
ポンプで十分脱気を行った後、封管した。封管したガラ
スアンプルを80℃で16時間反応させた。得られた反
応混合物をテトラヒドロフラン20mlに溶解し、メタ
ノール150mlに投入して共重合体を沈殿させた。こ
の操作を3回行った後、メタノールで十分洗浄し、減圧
下で乾燥させの0.5gの共重合体[CP1]を得た。
単独重合体[P1]よりも高い透明点を示した。 Tm 170 Ch 175 I 重量平均分子量(M) 46000 多分散度(Mw/Mn) 1.90
【0074】実施例13 [ビニルエーテル共重合体の製造] <(S)−フマル酸 イソプロピル [4´−(2−
メチルブチルオキシ)ビフェニル−4−イルオキシ]ヘ
キシル[7]とシクロヘキシルビニルエーテルとの共重
合>フマル酸 シクロヘキシル 6−(4´−シアノ−
1,1´−ビフェニル−4−イルオキシ)ヘキシル1
g、シクロヘキシルビニルエーテル0.26g、ACN
0.05gをガラスアンプルに入れ、−60℃に冷却し
て真空ポンプで十分脱気を行った後、封管した。封管し
たガラスアンプルを80℃で17時間反応させた。得ら
れた反応混合物をテトラヒドロフラン10mlに溶解
し、メタノール150mlに投入して共重合体を沈殿さ
せた。この操作を3回行った後、メタノールで十分洗浄
し、減圧下で乾燥させ0.7gの共重合体[CP2]を
得た。この共重合体はコレステリック液晶相を示した。 Tm 63 Ch 80 I 重量平均分子量(M) 39000 多分散度(Mw/Mn) 1.46
【0075】実施例14 [位相差膜の製造、評価]共重合体[CP1]をクロロホ
ルムに溶解して10重量%の溶液を調製した。この溶液
をラビングしたポリイミド配向膜を有するポリエチレン
テレフタレート基板にスピンコートした後、十分乾燥さ
せ薄膜を得た(膜厚30nm)。ついで150℃のオー
ブンで30分加熱した後、放冷して配向処理を行った。
偏光顕微鏡による観察により、共重合体が配向している
ことを確認した。室温でこのシートに引っ張り、ひねり
の応力を加えても液晶の配向の乱れはなく、機械的な応
力に対して強いことを確認した。
【0076】[強度、硬度試験]コレステリック液晶重合
体膜[CP1]の鉛筆硬度は2Hであった。アクリル系
重合体よりも表面硬度が高いことが判った。 [耐光性試験]重合体[P1]を太陽光にあたるように1
ヶ月室外に放置して耐光性試験を行った。耐光試験1ヶ
月経過した重合体に曇り、色つきはなかった。光による
重合体の劣化は確認されなかった。
【0077】実施例15 [強誘電性液晶重合体表示素子の製造]強誘電性液晶重
合体[P4]と4μmのビーズをITO透明電極と配向
膜を有するポリエチレンテレフタレート基板に挟み、1
30℃に加熱しながら圧着したものを、室温にもどしフ
ィルム状の強誘電性液晶重合体表示素子を作製した。こ
の素子に電圧を印可してスイッチングできることを確認
した。室温でこのフィルム状液晶表示素子に引っ張り、
ひねりの応力を加えても液晶の配向の乱れはなく、機械
的な応力に対して強いことを確認した。
【0078】実施例16 [光学活性な重合性化合物の製造]実施例1の方法と同様
にして、化合物番号[1]〜[130]を製造する。
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【発明の効果】本発明の化合物である光学活性フマル酸
ジエステルは、重合性を示し、これを重合して得られる
重合体は、優れた耐光性、耐熱性および機械的強度を有
し、そして液晶性を有する。従って、本発明の重合体
は、位相差フィルムのような光学補償膜、光書き込み記
録材料、液晶カラーフィルター、強誘電性液晶重合体デ
ィスプレーなどに使用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/30 G02B 5/30 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 Fターム(参考) 2H048 AA05 AA18 AA24 AA28 2H049 BA06 BA42 BB44 BC22 4H006 AA01 AB64 BJ50 BM30 BM71 BP30 4H027 BA02 BA06 BA11 BB08 BD01 4J100 AL08Q AL39P AL39Q AM47Q BA04P BA04Q BA40Q BC04P BC04Q BC43P BC43Q BC44P BC44Q BC49Q BC69P BC73P BD11P CA04 DA66 JA32

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で表される光学活性な重合性化
    合物。 (式中、Rは炭素数3〜15のアルキルであり、この
    アルキルが不斉炭素を有するように任意の水素が−CH
    、−CHCH、−CF、塩素、フッ素、または
    −CNで置き換えられており;Rは炭素数1〜20の
    アルキルであり;A、AおよびAは独立して、
    1,4−シクロヘキシレン、1,4―シクロヘキセニレ
    ン、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−シク
    ロヘキシレン、1,3−ジオキサン―2,5―ジイル、
    1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンで置き換え
    られた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイ
    ル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5
    −ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,
    4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、または
    フルオレン−2,7−ジイルであり;Zは単結合、−
    O−、−COO−、または−OOC−であり;Zおよ
    びZは独立して、単結合、−COO−、−OOC−、
    −CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH
    −、−CH=CH−、−CHCH−、または−C
    ≡C−であり;xは1または0であり、yは1〜20の
    整数である。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した式(1)において、
    xが0である請求項1に記載の光学活性な重合性化合
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した式(1)において、
    xが1である請求項1に記載の光学活性な重合性化合
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載した光学活性な重合性化
    合物の少なくとも1つと、液晶性を有する非重合性化合
    物の少なくとも1つとを含有する組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載した光学活性な重合性化
    合物の少なくとも1つと、その他の重合性化合物の少な
    くとも1つとを含有する組成物。
  6. 【請求項6】 その他の重合性化合物の少なくとも1つ
    をさらに含有する請求項4に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 式(2)で表される繰り返し単位の少な
    くとも1つを有する重合体。 (これらの式中のR、R、A〜A、Z
    、x、およびyの記号の意味は、請求項1に記載し
    た記号の意味と同一である。)
  8. 【請求項8】 請求項4に記載した組成物を重合して得
    られる重合体。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載した組成物を重合して得
    られる重合体。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載した組成物を重合して
    得られる重合体。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載した重合体を含有する
    光学補償膜。
  12. 【請求項12】 請求項8〜10のいずれか1項に記載
    した重合体を含有する光学補償膜。
  13. 【請求項13】 請求項7に記載した重合体を含有する
    コレステリック液晶重合体型光書き込み記録材料。
  14. 【請求項14】 請求項8〜10のいずれか1項に記載
    した重合体を含有するコレステリック液晶重合体型光書
    き込み記録材料。
  15. 【請求項15】 請求項7に記載した重合体を含有する
    強誘電性液晶重合体表示素子。
  16. 【請求項16】 請求項8〜10のいずれか1項に記載
    した重合体を含有する強誘電性液晶重合体表示素子。
  17. 【請求項17】 請求項7に記載した重合体を含有する
    液晶カラーフィルター。
  18. 【請求項18】 請求項8〜10のいずれか1項に記載
    した重合体を含有する液晶カラーフィルター。
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