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JP2003265196A - ムコ多糖症のスクリーニング方法 - Google Patents

ムコ多糖症のスクリーニング方法

Info

Publication number
JP2003265196A
JP2003265196A JP2002073012A JP2002073012A JP2003265196A JP 2003265196 A JP2003265196 A JP 2003265196A JP 2002073012 A JP2002073012 A JP 2002073012A JP 2002073012 A JP2002073012 A JP 2002073012A JP 2003265196 A JP2003265196 A JP 2003265196A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gag
urine
glycosaminoglycan
absorbance
dye
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002073012A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshikatsu Eto
義勝 衞藤
Hiroshi Maeda
浩 前田
Hiroshi Fujita
寛 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seikagaku Corp
Original Assignee
Seikagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seikagaku Corp filed Critical Seikagaku Corp
Priority to JP2002073012A priority Critical patent/JP2003265196A/ja
Publication of JP2003265196A publication Critical patent/JP2003265196A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ムコ多糖症の高精度、簡便、効率的かつ安価
なスクリーニング方法等を提供する。 【解決手段】 下記ステップ(1)及び(2)を含む、
ムコ多糖症のスクリーニング方法。 (1)「被験者から採取された尿にグリコサミノグリカ
ン(GAG)特異的分解酵素を作用させて得られる溶
液」と「GAGに反応して特定波長における吸光度が変
化する色素」とを接触させて得られる尿検体ついて、当
該特定波長における吸光度を測定するステップ。 (2)ステップ(1)の測定結果を用いて、GAG特異
的分解酵素によって分解されたGAG量を算出し、これ
が規定範囲内にある尿検体を特定するステップ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ムコ多糖症のスク
リーニング方法及びスクリーニングキットに関する。
【0002】
【従来の技術】以下、本発明に最も近い技術等について
説明する。
【0003】Clinica Chimica Acta, vol.264, p245-25
0(1997)には、尿中のグリコサミノグリカン(以下、G
AGという)を1,9-ジメチルメチレンブルー(以下、ジ
メチルメチレンブルーを「DMMB」という)を用いて
測定し、ムコ多糖症のスクリーニングを行う方法が記載
されている。またこの色素は、一般的な紙オムツに含ま
れるアクリル酸ポリマーにも反応し、偽陽性を呈する旨
が記載されている。
【0004】また、Chimica et Biophysica Acta, vol.
883, p173-177(1986)には、1,9-DMMBの吸収波長は
GAGに反応していない状態では595nmであるのに対
し、GAGに反応すると525nmに変化する旨が記載され
ている。
【0005】また特開平4−135496号公報には、
GAG特異的分解酵素によってGAGを二糖に分解し、
当該二糖の組成を高速液体クロマトグラフィー(以下、
HPLCという)で分析することによってGAGを分析
する方法が記載されている。
【0006】しかし、これらいずれの文献にも、本発明
のスクリーニング方法及びキットに関して記載も示唆も
ない。
【0007】ムコ多糖症(mucopolysaccharidoses)は、
GAGの分解代謝に関係する酵素の障害(活性低下)によ
って起こる一連の遺伝病の総称である。障害される酵素
の種類に応じて特異的なGAGが組織中に蓄積し、尿中
に分泌されることが知られている。ムコ多糖症の臨床症
状は多様だが、多くは、粗な顔貌、多発性骨異常や内臓
腫大を伴う。また聴力低下、心血管障害や精神発達の遅
れを伴う場合もある。
【0008】ムコ多糖症は通常、出生時には症状がな
く、乳幼児期や小児期における身長の発達の低さ、骨の
異常な発育、毛深さ等の症状によって明らかとなる。ま
た、出生時においては正常でも、数年にわたって次第に
精神発達の遅れを来す場合もある。したがって、未だ症
状が現れない出生後の早期にムコ多糖症の診断がなされ
れば、早期に酵素補充療法や遺伝子治療等を実施でき、
精神発達の遅れ等をくい止めることができる可能性があ
る。従って、全ての新生児についてムコ多糖症の診断が
行われることが最も望ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし我が国における
新生児数は年間100万人を超える一方、ムコ多糖症の
発生頻度は4万〜5万人に1人と極めて低く、しかも診
断は酵素欠損や酵素異常を調べるという煩雑かつ高価な
ものであることから、その診断の前段階として、精度の
高いスクリーニング法が求められている。特に、新生児
の尿を必要時に必要量を直接採取することは困難である
から紙オムツ等から搾取する方法が簡便である反面、汎
用の色素はGAGのみならず紙オムツの成分にも反応し
て偽陽性を呈することから、かかる要因を排除する必要
がある。
【0010】そしてこのような問題を解決し、ムコ多糖
症の患者を漏れなく(偽陰性患者をも漏らすことな
く)、精度良く(偽陽性患者を可及的排除し)、簡便、
効率的かつ安価にスクリーニングできる方法が提供でき
れば、全新生児についてムコ多糖症の可能性を検知する
ことが可能となり、ムコ多糖症患者について漏れなく、
的確な確定診断を経て早期に治療することが可能とな
る。
【0011】のみならず、偽陽性患者が無用な診断を受
ける頻度も減少し、医療現場における負担も減少するこ
とから、その分、質の高い確定診断や治療が期待でき
る。すなわち本発明は、ムコ多糖症についての高精度、
簡便、効率的かつ安価なスクリーニング方法及びキット
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、GAG特異的分解酵
素と汎用の色素とを適宜組み合わせるステップを設ける
ことにより、高精度、簡便、効率的かつ安価なムコ多糖
症のスクリーニングが可能であることを見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0013】すなわち本発明は、下記ステップ(1)及
び(2)を少なくとも含む、ムコ多糖症のスクリーニン
グ方法(以下、「本発明方法1」という)を提供する。 (1)「被験者から採取された尿にGAGを特異的に分
解する酵素を作用させて得られる溶液」と「GAGに反
応して特定波長における吸光度が変化する色素」とを接
触させて得られる尿検体ついて、当該特定波長における
吸光度を測定するステップ。 (2)ステップ(1)で測定された結果を用いて、GA
Gを特異的に分解する酵素によって分解されたGAG量
を算出し、これが規定範囲内にある尿検体を特定するス
テップ。
【0014】本発明方法1における「被験者から採取さ
れた尿」は、下記ステップ(A)及び(B)を少なくと
も含むステップを経て特定された尿検体に対応する被験
者から採取されたものが好ましい。 (A)被験者の尿と、「GAGに反応して特定波長にお
ける吸光度が変化する色素」とを接触させて得られる尿
検体について、当該特定波長における吸光度を測定する
ステップ。 (B)(A)で測定された結果を用いて、「GAGに反
応して特定波長における吸光度が変化する色素」に反応
した物質量を算出し、これが基準範囲外にある尿検体を
特定するステップ。また本発明は、下記ステップ(3)
を少なくとも含む、ムコ多糖症のスクリーニング方法
(以下、「本発明方法2」という)を提供する。 (3)本発明方法1に記載のステップ(2)によって特
定された尿検体に対応する被験者から採取された尿中の
GAG組成を分析するステップ。
【0015】また本発明は、下記ステップ(4)を少な
くとも含む、ムコ多糖症のスクリーニング方法(以下、
「本発明方法3」という)を提供する。 (4)本発明方法2のステップ(3)によって分析され
たGAG組成と、ムコ多糖症とを関連づけるステップ。
【0016】これらの本発明方法に使用するGAGに反
応して特定波長における吸光度が変化する色素は、DM
MBであることが好ましい。同様に「GAGを特異的に
分解する酵素」は、コンドロイチナーゼ、ケラタナーゼ
及びヘパリチナーゼから選ばれる1又は2以上の酵素で
あることが好ましい。また、本発明方法2におけるGA
G組成の分析は、GAGを特異的に分解する酵素を作用
させてGAGを二糖に分解し、当該二糖の組成を分析す
ることにより行われることが好ましい。なお、以下、単
に「本発明方法」といった場合には、本発明方法1〜3
のいずれかを指す概念として理解されたい。
【0017】また本発明は、下記構成成分(a)及び
(b)を少なくとも含む、ムコ多糖症のスクリーニング
キット(以下、「本発明キット」という)を提供する。 (a)GAGに反応して特定波長における吸光度が変化
する色素 (b)GAGを特異的に分解する酵素 本発明キットを構成する「GAGに反応して特定波長に
おける吸光度が変化する色素」は、DMMBであること
が好ましい。同様に「GAGを特異的に分解する酵素」
は、コンドロイチナーゼ、ケラタナーゼ及びヘパリチナ
ーゼから選ばれる1又は2以上の酵素であることが好ま
しい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。 <1>本発明方法1 本発明方法1は、下記ステップ(1)及び(2)を少な
くとも含む、ムコ多糖症のスクリーニング方法である。 (1)「被験者から採取された尿にGAGを特異的に分
解する酵素を作用させて得られる溶液」と「GAGに反
応して特定波長における吸光度が変化する色素」とを接
触させて得られる尿検体ついて、当該特定波長における
吸光度を測定するステップ。 (2)ステップ(1)で測定された結果を用いて、GA
Gを特異的に分解する酵素によって分解されたGAG量
を算出し、これが規定範囲内にある尿検体を特定するス
テップ。
【0019】ここで「被験者から採取された尿」は、下
記ステップ(A)及び(B)を少なくとも含むステップ
を経て特定された尿検体に対応する被験者から採取され
たものが好ましい。 (A)被験者の尿と、「GAGに反応して特定波長にお
ける吸光度が変化する色素」とを接触させて得られる尿
検体について、当該特定波長における吸光度を測定する
ステップ。 (B)(A)で測定された結果を用いて、「GAGに反
応して特定波長における吸光度が変化する色素」に反応
した物質量を算出し、これが基準範囲外にある尿検体を
特定するステップ。
【0020】本発明方法1の前段階で好ましく行われる
「上記ステップ(A)及び(B)を少なくとも含むステ
ップ」は、非常に多数の被験者の尿から、ムコ多糖症の
可能性がある者を漏れなく、簡便、効率的かつ安価にス
クリーニングするステップであり、いわゆる第一次スク
リーニングともいえる。
【0021】上記ステップ(A)及び後述するステップ
(1)に付される尿の採取方法等は特に限定されない。
例えば、被験者の排尿時に直接採取してもよく、オムツ
(GAGを含有しない限り、その材質は問わない)等か
ら搾取してもよい。本発明方法は、排尿のコントロール
が特に困難な新生児において好ましく用いられるため、
オムツ等から尿を採取できるという点で極めて簡便であ
る。
【0022】上記ステップ(A)に付される尿は、採取
後間もないものを用いてもよく、本発明方法によって得
られるスクリーニング結果に影響を及ぼさない限りにお
いて、保管したものを用いてもよい。例えば、保管中に
生じる尿中のGAGの不溶化や分解等はスクリーニング
結果に影響を及ぼすが、アジ化ナトリウム等の保存剤に
よって影響を防止したり、Tween 20等の界面活性剤やグ
アニジン塩酸等の変性剤によって影響を除去することが
できる。
【0023】また、エチレンジアミン四酢酸(EDT
A)、亜鉛イオン、コバルトイオン等は、上記ステップ
(1)においてGAGを特異的に分解する酵素の作用を
阻害することでスクリーニング結果に影響を及ぼすこと
から、このような物質を含有する安定化剤等を添加しな
いようにすることが好ましい。
【0024】また、上記ステップ(A)で用いる色素に
近い吸収ピークを有する物質もスクリーニング結果に影
響を及ぼすことから、このような物質も添加しないこと
が好ましい。
【0025】上記ステップ(A)で用いる「GAGに反
応して特定波長における吸光度が変化する色素」は、G
AGと反応することによって当該色素の特定波長におけ
る吸収が検知可能な程度に変化する色素であり、かつ、
尿に可溶性のものである限りにおいて、特に限定されな
い。ここで「吸光度の変化」とは、「吸光度の増加」と
「吸光度の減少」のいずれをも含む概念であるが、「吸
光度の増加」であることが好ましい。また「検知可能な
程度の変化」は、分析機器等によって検知可能な程度の
変化であれば足りる。
【0026】ただし、尿自体が有する色素の吸収ピーク
の波長に近い色素は、尿の色素の影響を受けやすいこと
から避けることが好ましい。ここで用いることができる
色素としては、アルシアンブルー、ステインズオール、
キュプロメロニックブルー等が例示される。なお、「G
AGに反応して特定波長における吸光度が変化する色
素」には、GAGと反応することによってある1つの波
長における吸光度のみが変化する色素のみならず、複数
の波長における吸光度が変化する色素も包含される。
【0027】後者のような色素としては、例えば、GA
Gと反応することによってある波長における吸光度が増
加するとともに、他の波長における吸光度が減少するよ
うな色素が例示され、かつ好ましい。その中でも、GA
Gと反応することによって「GAGに反応した当該色素
が呈する吸収ピークの波長における吸光度」が増加する
とともに「未反応の当該色素が呈する吸収ピークの波長
における吸光度」が減少する色素が好ましい。このよう
な色素を用いると、色素との接触の後に、「GAGに反
応した当該色素が呈する吸収ピークの波長における吸光
度」と「未反応の当該色素が呈する吸収ピークの波長に
おける吸光度」のいずれか一方のみを測定することもで
き、その両方を測定することもできる。そしてこれら両
方を測定すれば、GAGとの反応をより高感度に検出す
ることができることから好ましい。
【0028】このような色素を用いる場合には、ある
「波長」と他の「波長」との差(例えば、GAGとの反
応前後での吸収ピークの波長の変化)が極端に小さいも
のは避けることが好ましい。具体的には、両波長の差
(例えば、反応前後の吸収ピークの波長の変化)が30
nm以上あるような色素を用いることが好ましく、50
nm以上あるような色素を用いることがより好ましい。
このような色素としてはDMMB等が例示される。特に
1,9-DMMBは、汎用されておりかつ安価である点でも
好ましい。
【0029】このような色素における、ある波長(例え
ば、GAGに反応した当該色素が呈する吸収ピークの波
長)や他の波長(例えば、未反応の当該色素が呈する吸
収ピークの波長)は、GAGに反応して特定波長におけ
る吸光度が変化する色素の種類に応じて異なるものであ
り、その値は既に知られているか、あるいは当業者が適
宜決定することができる。
【0030】例えば、色素が1,9-DMMBである場合、
「GAGに反応した当該色素が呈する吸収ピークの波
長」は520〜530nmの範囲であり、「未反応の当
該色素が呈する吸収ピークの波長」は585〜595n
mの範囲である。
【0031】このような色素を用いると、GAGと反応
することによって「GAGに反応した当該色素が呈する
吸収ピークの波長における吸光度」が増加する一方で
「未反応の当該色素が呈する吸収ピークの波長における
吸光度」が減少することから、感度の良い結果が得られ
る。
【0032】上記ステップ(A)において、尿と色素と
を「接触」させる方法は、尿中の成分と色素分子とが接
触でき、かつ、接触後の色素分子が尿中に溶解した状態
で存在するような方法である限りにおいて特に限定され
ない。例えば、尿や溶液に色素を添加することによって
接触させても良く、色素に尿や溶液を添加することによ
って接触させても良く、また、両者を同時に添加するこ
とにより接触させても良い。
【0033】また、色素を吸着させた濾紙等と尿とを接
触させ、濾紙等の色調変化を調べる方法等を採用しても
よい。なお、溶液と色素との接触時の温度は4℃〜40
℃程度であればよく、15℃〜30℃程度が好ましく、
25℃程度が特に好ましい。また一般に、GAGに反応
した色素の吸光度変化は速やかに生じるが、その後徐々
に変化してしまうため、色素との接触後30分以内、好
ましくは10分以内、最も好ましくは5分以内に吸光度
を測定することが望ましい。特定波長における吸光度を
測定する方法も特に限定されず、通常の吸光光度計等を
用いて測定することができる。
【0034】上記ステップ(B)は、(A)で測定され
た結果を用いて、「GAGに反応して特定波長における
吸光度が変化する色素」に反応した物質量(以下、単に
「色素に反応した物質量」ともいう)を算出し、これが
基準範囲外にある尿検体を特定するステップである。
(A)で測定された結果(吸光度の実測値)を用いて
「色素に反応した物質量」を算出する方法も特に限定さ
れない。「色素に反応した物質量」は、「濃度の値」と
して算出してもよく、「吸光度の値」として算出しても
よい。また色素として、GAGと反応することによって
ある波長における吸光度が増加するとともに他の波長に
おける吸光度が減少するような色素を用いた場合には、
「色素に反応した物質量」を「ある波長における吸光度
と他の波長における吸光度との比の値」として算出して
もよい。
【0035】例えば「色素に反応した物質量」を「濃度
の値」として算出する場合には、既知濃度のGAG標準
液を用いて、色素と接触させた後の「吸光度の値」(又
はある波長における吸光度と他の波長における吸光度と
の比の値)とGAG濃度との関係について予め検量線や
関係式等を作成しておき、未知濃度の検体についての測
定結果をその検量線や関係式等を用いてGAG濃度に変
換することで求めることができる。また、尿検体中に含
まれるクレアチニンなどの他の成分の濃度を基準に補正
をしても良く、かつ好ましい。
【0036】なお、上記ステップ(B)における「基準
範囲」とは、「GAGに反応して特定波長における吸光
度が変化する色素」に反応した物質量(尿中における)
が健常であると認められる範囲を意味し、次のスクリー
ニングステップに進めることとするか否かを決する基準
となるものである。
【0037】前記のように算出した「色素に反応した物
質量」が、この基準範囲(健常の範囲)外にある尿検体
については、ムコ多糖症の可能性があるといえることか
ら、これを特定する必要がある。そしてここで特定され
た尿検体は、次のステップ(ステップ(1))に進める
必要がある。
【0038】この「基準範囲」は、予め複数(なるべく
多く)の健常人の尿検体について「色素に反応した物質
量」を求め、その値が分布する範囲として設定すること
ができる。目安としては、0〜20μg/mg Cre (Creは
クレアチニンを意味する)程度が例示される。
【0039】また本発明方法1の前段階で好ましく行わ
れる「上記ステップ(A)及び(B)を少なくとも含む
ステップ」は、これ以外のステップをさらに含んでいて
もよい。例えば、上記ステップ(A)の前に被験者の尿
をプロテアーゼ、タンパク質沈殿剤、脱塩カラム等を用
いて前処理する工程を追加してもよい。
【0040】例えば「GAGに反応して特定波長におけ
る吸光度が変化する色素」を用いる場合、上記ステップ
(A)及び(B)を以下の通り行うことができる。な
お、カッコ内は当該色素として1,9-DMMBを用いた場
合を示す。
【0041】ステップ(A):被検者の尿と、「GAG
に反応して特定波長における吸光度が変化する色素」
(1,9-DMMB)とを接触させて得られる尿検体につい
て、「GAGに反応した当該色素が呈する吸収ピークの
波長」(530nm)と「未反応の当該色素が呈する吸
収ピークの波長」(590nm)とを測定する。
【0042】ステップ(B):ステップ(A)で測定さ
れた結果を用いて、「GAGと当該色素とが反応するこ
とによってGAGに反応した当該色素が呈する吸収ピー
クの波長における吸光度」(530nm)と「未反応の
当該色素が呈する吸収ピークの波長における吸光度」
(590nm)の両者の比を算出する。これにより、色
素と反応することによる前者の増加分と後者の減少分を
感度良く検知することができ、GAGを含有する可能性
がある尿検体を漏れなくスクリーニングすることができ
る。比の算出方法は特に限定されないが、「GAGと当
該色素とが反応することによってGAGに反応した当該
色素が呈する吸収ピークの波長における吸光度」/「未
反応の当該色素が呈する吸収ピークの波長における吸光
度」(530nm/590nm)とすると、この値が大きいほど、色
素に反応する物質が多く尿検体に含まれていることにな
る。また、この分子と分母を逆にすれば(590nm/530n
m)、この値が小さいほど、色素に反応する物質が多く尿
検体に含まれていることになる。このような比の値(あ
る波長における吸光度と他の波長における吸光度との比
の値)をそのまま「色素に反応した物質量」としてもよ
い。あるいは、既知濃度のGAG標準液を用いて「色素
と接触させた後のある波長における吸光度(530n
m)と、他の波長における吸光度(590nm)との比
の値」とGAG濃度との関係について予め作成しておい
た検量線や関係式等を用いて、色素に反応した物質量を
「濃度」として求めてもよい。また、尿検体中に含まれ
るクレアチニンなどの他の成分の濃度を基準に補正をし
ても良く、かつ好ましい。
【0043】ステップ(1)は、「被験者から採取され
た尿にGAGを特異的に分解する酵素を作用させて得ら
れる溶液」と「GAGに反応して特定波長における吸光
度が変化する色素」とを接触させて得られる尿検体つい
て、当該特定波長における吸光度を測定するステップで
ある。「被験者から採取された尿」は、前記ステップ
(A)及び(B)を少なくとも含むステップを経て特定
された尿検体に対応する被験者から採取されたものが好
ましい。
【0044】ステップ(A)では「被験者の尿」を色素
と接触させるが、ステップ(1)では「被験者から採取
された尿にGAGを特異的に分解する酵素を作用させて
得られる溶液」を色素と接触させる点で異なっている。
【0045】「GAGを特異的に分解する酵素」(以
下、GAG特異的分解酵素という)は、GAGに作用す
ることにより「GAGに反応して特定波長における吸光
度が変化する色素」に対する反応性を消失させる程度に
までGAGを分解する酵素である限りにおいて特に限定
されない。このような酵素としては、コンドロイチナー
ゼ、ケラタナーゼ及びヘパリチナーゼから選ばれる1又
は2以上の酵素が例示され、かつ好ましい。具体的に
は、分解するGAGの種類によって下記が例示される。
【0046】コンドロイチン硫酸(以下、CSとい
う):コンドロイチナーゼABC、コンドロイチナーゼ
ACII、コンドロイチナーゼACI デルマタン硫酸(以下、DSという):コンドロイチナ
ーゼABC、コンドロイチナーゼB ケラタン硫酸(以下、KSという):ケラタナーゼ、ケ
ラタナーゼII、 ヘパラン硫酸(以下、HSという):ヘパリチナーゼ
I、ヘパリチナーゼII、 尿中のGAGの完全な分解を期するため、これらのGA
G特異的分解酵素を併用することが好ましい。
【0047】GAG特異的分解酵素を作用させる方法
は、尿中のGAG分子と酵素分子とが接触して酵素反応
が生ずる限りにおいて特に限定されない。例えば、酵素
溶液と尿とを溶液中で接触させてもよく、酵素を適当な
固相(ビーズ、膜等)に結合させた固定化酵素と尿とを接
触させてもよい。好ましいのは前者である。
【0048】GAG特異的分解酵素を作用させる条件
は、用いる酵素に応じて当業者が適宜決定することがで
きる。例えば、以下の酵素の至適温度及び至適pHは概
ね以下の通りである。
【0049】コンドロイチナーゼABC:至適温度 3
7℃、至適pH 8.0 コンドロイチナーゼACII:至適温度 37℃、至適p
H 6.0 ケラタナーゼII:至適温度 37℃、至適pH 6.0 ヘパリチナーゼI:至適温度 37℃、至適pH 7.0 ヘパリチナーゼII:至適温度 37℃、至適pH 7.0 これら酵素を併用して同時に反応させる場合は、pH
5.5〜8.0程度、温度25〜37℃の条件下で、1
〜2時間程度反応させることが好ましい。
【0050】「被験者から採取された尿」に上記の「G
AG特異的分解酵素」を上記の方法・条件で作用させる
と、当該尿中にGAGが含まれている場合には、当該G
AGが酵素によって分解される。もし尿中に、GAG以
外の物質であって、「GAGに反応して特定波長におけ
る吸光度が変化する色素」に非特異的に反応してしまう
物質が含まれている場合には、当該物質は酵素によって
分解されずに尿中にそのまま残存する。
【0051】そして、酵素反応後の溶液を「GAGに反
応して特定波長における吸光度が変化する色素」と接触
させ反応させると、尿中のGAGが含まれていたサンプ
ルは、当該GAGが酵素によって分解されているので色
素に反応せず、吸光度は変化しない。一方、尿中に、G
AG以外の物質であって「GAGに反応して特定波長に
おける吸光度が変化する色素」に非特異的に反応してし
まう物質が含まれていたサンプルは、当該物質は酵素に
よって分解されずに残存しているので、「GAGに反応
して特定波長における吸光度が変化する色素」に反応し
て吸光度が変化することになる。
【0052】ステップ(2)は、ステップ(1)で測定
された結果を用いて、GAG特異的分解酵素によって分
解されたGAG量を算出し、これが規定範囲内にある尿
検体を特定するステップである。
【0053】ここでいう「GAG量」は、「濃度の値」
として算出してもよく、「吸光度の値」として算出して
もよい。また色素として、GAGと反応することによっ
てある波長における吸光度が増加するとともに他の波長
における吸光度が減少するような色素を用いた場合に
は、「GAG量」を「ある波長における吸光度と他の波
長における吸光度との比の値」として算出してもよい。
この点を含めた「GAG量」の算出に関しては、特筆し
ない限り、前記のステップ(B)における「色素に反応
した物質量」の算出に関する説明と同様である。
【0054】ステップ(1)において、酵素反応後の溶
液を「GAGに反応して特定波長における吸光度が変化
する色素」と接触させ反応させた場合に、酵素反応前の
尿にGAG以外の物質であって「当該色素に非特異的に
反応してしまう物質」(非特異的反応物質)が含まれて
いる場合には非特異的反応物質の量に応じて色素の吸光
度は変化するが、GAGのみが含まれている場合には色
素の吸光度は変化しない。
【0055】よって、酵素反応後の溶液を「GAGに反
応して特定波長における吸光度が変化する色素」と接触
させた場合の吸光度の変化は、当該色素に非特異的に反
応してしまう物質の量を反映することとなる。
【0056】尿中には、GAGと、GAG以外の物質で
あって「GAGに反応して特定波長における吸光度が変
化する色素」に非特異的に反応してしまう物質との両者
が含まれている可能性もある。よってステップ(1)に
おいては「GAG特異的分解酵素を作用させるサンプ
ル」と「当該酵素を作用させないサンプル」とを設け、
ステップ(2)においてはGAG特異的分解酵素を作用
させないサンプルにおける値と作用させたサンプルにお
ける値との差又は比を求めることによって「GAG量」
を算出することが望ましい。
【0057】GAG特異的分解酵素を作用させないサン
プルにおける値と作用させたサンプルにおける値との
「差」は、そのまま「GAG量」示すことになる。した
がって、この差の絶対値が大きいということはGAG量
が多いということを意味し、この差が実質的にないとい
うことは、GAGは実質的に存在しない(「GAGに反
応して特定波長における吸光度が変化する色素」に非特
異的に反応してしまう物質のみが含まれている)ことを
意味することとなる。
【0058】また、これら両者の比(例えば、「GAG
特異的分解酵素を作用させたサンプルにおける値」/
「GAG特異的分解酵素を作用させないサンプルにおけ
る値」は、「GAGに反応して特定波長における吸光度
が変化する色素」に非特異的に反応してしまう物質の量
の含有割合を示すことになる。したがって、この比が1
00%に近いということは当該物質の含有割合が高い
(GAGの含有割合は0に近い)ということを意味し、
この比が0%に近いということは、当該物質の含有割合
が0に近い(GAGが含有されている)ことを意味する
こととなる。よってこの比をX%とすると、100−X
(%)が「GAG量」(GAGの含有割合)を示すことにな
る。
【0059】このように評価することで、GAG以外の
物質であって「GAGに反応して特定波長における吸光
度が変化する色素」に非特異的に反応してしまう物質に
よる影響(偽陽性)を排除し、GAG量を正確に測定す
ることができる。
【0060】ステップ(2)における「規定範囲」と
は、ムコ多糖症の可能性があると疑われる程度の尿中の
GAG量の範囲を意味し、次のスクリーニングステップ
に進めることとするか否かを決する基準となるものであ
る。
【0061】前記のように、算出した「GAG量」がこ
の規定範囲内にある尿検体については、ムコ多糖症の可
能性があると疑われる程度のGAG量が尿中に含まれて
いる可能性が高いことから、これを特定する必要があ
る。そして、この「規定範囲」内にある尿検体を特定す
ることによって「規定範囲」外にある尿検体を排除する
ことができる。すなわち、「GAGに反応して特定波長
における吸光度が変化する色素」に非特異的に反応して
しまう物質を含有する尿検体(偽陽性を示す尿検体)が
排除されることとなる。この意味で、ここでいう「規定
範囲」は、真の陽性例を特定するための範囲であるとい
える。
【0062】この「規定範囲」は、予め複数(なるべく
多く)のムコ多糖症患者の尿検体についてGAG量を求
め、その値が分布する範囲として設定することができ
る。「GAG特異的分解酵素を作用させたサンプルにお
ける測定値と、作用させなかったサンプルにおける測定
値との比」としてGAG量(GAGの含有割合)を示し
た場合、その「規定範囲」の目安は40〜100%程度
が例示される。
【0063】本発明方法1すなわち「上記ステップ
(1)及び(2)を少なくとも含む、ムコ多糖症のスク
リーニング方法」は、これ以外のステップをさらに含ん
でいてもよい。例えば、上記ステップ(1)の前に、前
記ステップ(A)及び(B)を少なくとも含むステップ
や、被験者の尿を前処理する工程を追加したりしてもよ
い。
【0064】ステップ(2)における測定値がこの規定
範囲内にあるサンプルについてはムコ多糖症の可能性が
あるといえることから、次のステップ(本発明方法2に
おけるステップ(3))に進める必要がある。
【0065】<2>本発明方法2 本発明方法2は、下記ステップ(3)を少なくとも含
む、ムコ多糖症のスクリーニング方法である。 (3)本発明方法1のステップ(2)によって特定され
た尿検体に対応する被験者から採取された尿中のGAG
組成を分析するステップ。
【0066】尿中のGAG組成の分析方法は、尿中に含
まれているGAGの種類を分析できる方法である限りに
おいて特に限定されない。尿中のGAG組成の分析方法
としては、例えば以下のようなものが挙げられる。 i)特定種類のGAGに特異的な分解酵素を尿中のGAG
に作用させ、これによって生ずる複数種の分解産物(二
糖)のイオン交換カラムからの溶出時間の差異を、高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析する
方法(二糖分析)。 ii)GAGの種類(電荷)による移動度の差異を、電気泳
動を用いて分析する方法。 iii)特定種類のGAGに特異的に結合する抗体を用いて
ELISAで分析する方法。 iv)特定種類のGAGに特異的な分解酵素を尿中のGA
Gに作用させ、GAGの分解の有無及び程度を、GAG
に反応する色素を用いて分析する方法。
【0067】これらのなかでも、微量のGAGを高感度
かつ高精度に分析できるという観点から二糖分析が好ま
しい。すなわち、GAG特異的分解酵素を作用させてG
AGを二糖に分解し、当該二糖の組成を分析することに
より行われることが好ましい。二糖分析は、特開平4−
135496号公報に記載の方法で行うことができる。
【0068】<3>本発明方法3 本発明方法3は、下記ステップ(4)を少なくとも含
む、ムコ多糖症のスクリーニング方法である。 (4)本発明方法2のステップ(3)によって分析され
たGAG組成と、ムコ多糖症とを関連づけるステップ。
【0069】ムコ多糖症の種類と、これに対応して尿中
に排出されるGAGとの関係は以下の表1の通りである
ことが知られている。
【0070】
【表1】
【0071】本発明方法2のステップ(3)によって分
析されたGAG組成と、ムコ多糖症との関連づけは、こ
の表にしたがって行うことができる。
【0072】まず、分析されたGAG組成が上記のよう
なGAGを含む組成となっていた場合には、何らかのム
コ多糖症である、又は、その可能性が高い、と関連づけ
ることができる。
【0073】そして、例えば分析されたGAG組成が、
DSおよびHSを含む組成となっていた場合には、I
型、II型又はVII型のムコ多糖症である、又は、その可
能性が高い、と関連づけることができる。また、例えば
分析されたGAG組成が、HSのみを含む組成となって
いた場合には、III型のムコ多糖症である、又は、その
可能性が高い、と関連づけることができる。以下同様に
表1に基づいて関連づけることができる。
【0074】本発明方法1〜3は、それぞれ別個の者に
よって実施することができる。例えば、本発明方法1を
医療現場(病院や医院等)で実施し、その結果に基づい
て本発明方法2を業者(検査センター等)で実施し、そ
の結果に基づいて本発明方法3はさらに別の業者で実施
するということも可能である。もちろん、本発明方法1
〜3の全てを1人の者が実施することもできる。また、
本発明方法1及び2は医療現場で実施し、本発明方法3
は業者が実施するという形態も可能であり、同様に本発
明方法1は医療現場で実施し、本発明方法2及び3は業
者で実施するということも可能である。
【0075】<4>本発明キット 本発明キットは、下記構成成分(a)及び(b)を少な
くとも含む、ムコ多糖症のスクリーニングキットであ
る。 (a)GAGに反応して特定波長における吸光度が変化
する色素 (b)GAG特異的分解酵素
【0076】本発明キットは、上記(a)及び(b)を
少なくとも含む限りにおいて特に限定されず、さらに、
尿を希釈するための希釈液、尿の前処理液、保存液、安
定化液、二糖分析用陰イオン交換体、二糖分析用の二糖
の標準物質、検量線作成の標準となる既知濃度のグリコ
サミノグリカン標準品、マイクロタイタープレート等を
構成成分として加えることができる。
【0077】GAGに反応して特定波長における吸光度
が変化する色素としては、本発明方法と同様にDMMB
が好ましい。またGAG特異的分解酵素についても、本
発明方法と同様にコンドロイチナーゼ、ケラタナーゼ及
びヘパリチナーゼから選ばれる1又は2以上の酵素であ
ることが好ましい。
【0078】これらの構成成分は、それぞれ別体の容器
に収容しておき、使用時に本発明測定方法に従って使え
るキットとして保存しておくことができる。本発明キッ
トを用いたムコ多糖症のスクリーニングは、前記<1>
〜<3>の本発明方法に従って行うことができる。
【0079】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【実施例1】本発明方法1(ステップ(1)及び
(2))の前段階であるステップ(A)及び(B)に関
し、ヒトの尿を用いて「GAGに反応して特定波長にお
ける吸光度が変化する色素」によるスクリーニングが可
能か否かを調べるため、以下の実験を行った。
【0080】(1)検量線の作成 各種GAG(HS(ブタ肺由来)、CS−A(ウシ気管由
来)、CS−C(サメ軟骨由来)又はDS(ブタ肺由来);
いずれも生化学工業株式会社製)の標準液(濃度:1、
2、3、4、6、8、12、及び16μg/mL)に、反応用緩衝液
(2.88M グアニジン塩酸 - 0.05% Tween20 - 50mM 酢
酸ナトリウム緩衝液)50μLを添加し、次いで、DMM
B色素溶液(15mg/L DMMB - 75mM ギ酸ナトリウム
緩衝液 (pH6.8)) 400μLを添加して攪拌し、波長530nm
及び590nmにおける吸光度を吸光光度計で測定して両者
の比(OD530nm/OD590nm)を求めた。GAG濃度と OD53
0nm/OD590nmとの関係(検量線)を図1に示す。なお、
図1中の丸印はHSを、三角印はCS−Aを、菱形印は
CS−Cを、四角印はDSをそれぞれ示す。
【0081】この結果、HSはCSやDSに比して反応
性が若干低いが、GAGの種類によってDMMBの反応
性は大きく異ならないことが示された。
【0082】(2)尿中のGAGの測定 何らかの疾患が疑われる患者16人と健常者9人から採
取した尿を用いて、以下の方法で尿中のGAGを測定し
た。
【0083】1) 尿100μL に生理食塩水を加えて4倍に
希釈する。 2) 反応用緩衝液(2.88M グアニジン塩酸 - 0.075% Tw
een20 - 150mM 酢酸ナトリウム緩衝液 (pH6.8))50μL
をマイクロチューブに添加する。 3) 2)で調製したマイクロチューブに、1)で調製した尿
検体を添加する。 4) 3)で調製した尿検体に、DMMB色素溶液(15mg/L
DMMB - 75mM ギ酸ナトリウム緩衝液 (pH6.8)) 400
μLを添加して攪拌する。 5) 波長530nm及び590nmにおける吸光度を吸光光度計で
測定し、両者の比(OD530nm/OD590nm)を求める。 6) 前記(1)で作成した検量線を用いて、各検体中のGA
G濃度を算出する。
【0084】測定の結果を表2に示す。また、同一の尿
サンプルを用いて、日を改めて全く同じ方法で測定した
結果を表3に示す。なお、表中の「n.d.」は検出されな
かったことを示す。また「MSD」はマルチプルスルフ
ァターゼ欠損症を意味する。
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】表2及び表3から明らかな通り、これら2
回の測定間でGAGの測定値がよく一致していることか
ら、この方法は非常に再現性が高い方法であるといえ
る。また、健常者の尿中GAG量は9〜16μg/mg Cre程
度(平均:12〜13μg/mg Cre)だったのに対し、いずれ
のムコ多糖症患者もこれよりはるかに高い値を示した。
以上の結果から、健常者の尿中GAG量の範囲(基準範
囲)から外れる尿検体を選択することにより、ムコ多糖
症を漏れなく、しかも安価に選別できることが示され
た。
【0088】
【実施例2】本発明方法1(ステップ(1)及び
(2))に関し、ヒトの尿を用いて、GAG特異的分解
酵素とGAGに反応して特定波長における吸光度が変化
する色素を用いたスクリーニングが可能か否か調べるた
め、以下の実験を行った。 (1)GAGの添加試験 まず、健常者の尿にGAGを添加したものを検体として
GAGの測定を行った。添加したGAGは以下の通りで
ある。HS(フ゛タ大動脈由来)、CS−C(サメ軟骨由来)
またはKS(ウシ角膜由来)(いずれも生化学工業株式会
社製)。
【0089】またGAG特異的分解酵素(いずれも生化
学工業株式会社製)は、尿100μLに対してそれぞれ以下
の量で用いた。HSに対して、2.5 mUのヘパリチナーゼ
I及びIIの混合溶液(100μL)。CSに対して、80 mUのコ
ンドロイチナーゼABC及び16 mUのコンドロイチナー
ゼACII(100μL)。KSに対して、1 mUのケラタナーゼ
II(100μL)。
【0090】酵素処理及びGAGの測定は、以下の通り
行った。 1) 尿90μLに上記いずれかのGAGの200μg/ml溶液ま
たは0.9% NaClを10μL添加する。 2) 1)で調製した溶液に、前記量のGAG特異的分解酵
素または100mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)を100μL
添加する。 3) 37℃で2時間反応させる。 4) 0.9% NaClを200μl添加して攪拌する。 5) DMMBを用いて測定する。具体的には以下の通り
である。 5-1)上記4)で調製した溶液、およびGAGの標準液(対
応するGAGで調製)を マイクロチューブに分取す
る。 5-2) これに反応用緩衝液を50μL添加する。 5-3) DMMB色素溶液400μLを添加して攪拌する。 5-4) 5-3)で調製した溶液の300μLを、96穴のマイク
ロタイタープレート(商品名:Maxisorp、NUNC社製)のウ
ェルに移す。 5-5) 前記と同様に波長530nm及び590nmにおける吸光度
を測定し、両者の比(OD530nm/OD590nm)を求める。
【0091】この試験を実施した結果、HSを添加した
尿にヘパリチナーゼI及びIIを作用させたものでは、添
加したHSの測定値(OD530nm/OD590nm)の63〜98
%が酵素処理によって減少した。また、CS−Cを添加
した尿にコンドロイチナーゼABC及びコンドロイチナ
ーゼACIIを作用させたものでは、添加したCS−Cの
測定値(OD530nm/OD590nm)の99〜100%が酵素処
理によって減少した。また、KSを添加した尿にケラタ
ナーゼIIを作用させたものでは、添加したKSの測定値
(OD530nm/OD590nm)の63〜100%が酵素処理によ
って減少した。
【0092】この結果から、GAGの添加に伴う測定値
(OD530nm/OD590nm)の増加分は、各々の分解酵素によ
り少なくとも63%以上低下した(酵素処理前に対する
酵素処理後の比(残存率)が37%未満)。この結果か
ら、前記のステップ(A)及びステップ(B)において
色素との反応による測定値の増加が認められた場合にお
いて、それが尿中のGAGの増加によるものであるなら
ば、このステップ(1)における測定値はステップ
(A)の測定値に比して低下することが明らかとなっ
た。
【0093】(2)実際の検体を用いた試験 ムコ多糖症患者計9人から採取した尿を用いてGAGを
測定した。また尿100μLに対して、以下のGAG特異的
分解酵素混合溶液を用いた。
【0094】2.5 mUのヘパリチナーゼI及びIIの混合
物、80 mUのコンドロイチナーゼABC、16 mUのコンド
ロイチナーゼACIIおよび1 mUのケラタナーゼIIを含有
し、100mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)で全量を100μ
Lとした混合溶液。
【0095】酵素処理及びGAGの測定は、以下の通り
行った。 1) 尿90μLに、上記のGAG特異的分解酵素混合溶液ま
たは100mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)を300μL添加
する。 2) 37℃で2時間反応させる。 3) 0.9% NaClを100μL添加して攪拌する。 4) DMMBを用いて測定する。具体的には上記(1)と同
様である。 この試験の結果を、残存率(酵素処理前の測定値に対す
る酵素処理後の測定値の比)と併せて表4に示す。
【0096】
【表4】
【0097】表4より、少なくとも酵素処理前後の測定
値の差に相当する量は、GAGに相当するものであると
いえる。これらの結果から、本発明方法1(ステップ
(1)及び(2))においては、尿中に存在するGAG
以外の物質であってGAGに反応して特定波長における
吸光度が変化する色素に非特異的に反応してしまう物質
による影響(偽陽性による影響)を排除することがで
き、精度良く効率的にムコ多糖症を選別できることが示
された。
【0098】
【実施例3】本発明方法2(ステップ(3))及び本発
明方法3(ステップ(4))に関し、16人(患者又は
健常者)から採取した尿を用い、その中のGAG組成を
二糖分析できるか否かを確認するために、以下の実験を
行った。 (1)前処理 尿1mLを陰イオン交換カラム(Q−セファロースカラ
ム;ファルマシア製)にアプライし、尿中のGAGを吸
着させた。次いでカラムを50mM Tris-HCl緩衝液(pH8.
6)で洗浄し、4M NaClで溶出する画分を採取して、これ
をPD-10(ゲルろ過カラム;ファルマシア製)で脱塩
し、遠心エバポレーターで濃縮した。この濃縮物を水
0.2mLに溶解して試料液とした。 (2) コンドロイチナーゼABCを用いたCSの分析 試料液40μLに、水70μL、100mM Tris-HCl緩衝液(pH8.
0)40μL、及びコンドロイチナーゼABC(100mU)を
加えて全量を200μLとし、37℃で2時間酵素反応させた
後、生成した二糖を陰イオン交換カラムを用いたHPL
Cで分析した。HPLCの条件等は以下の通りである。
【0099】カラム:YMCゲルPA120 S−5
(アミノプロピル基結合シリカゲル;株式会社ワイエム
シィ) 溶離液:0〜200mMの硫酸ナトリウム溶液の直線濃度勾配 温度:25℃ 流速:0.5mL/分 検出:蛍光検出計 (3) コンドロイチナーゼAC−IIを用いたCSの分析
(DSの分析) 試料液40μLに、水70μL、100mM 酢酸ナトリウム(pH8.
0)40μL、及びコンドロイチナーゼAC−II(100mU)
を加えて全量を200μLとし、37℃で2時間酵素反応させ
た後、生成した二糖を陰イオン交換カラムを用いたHP
LCで分析した。HPLCの条件等は「(2) コンドロイ
チナーゼABCを用いたCSの分析」と同様である。
「(2) コンドロイチナーゼABCを用いたCSの分析」
で求めたCSの総量(CSとDSの両方が含まれる)か
らここで求めたCSの総量を差し引くことにより、DS
の量を算出した。 (4)HSの分析 試料液100μLに、100mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH7.
0)50μL、10mM酢酸カルシウム50μL、ヘパリチナーゼ
I(2.5mU)及びヘパリチナーゼII(2.5mU)を加えて全
量を210μLとし、37℃で4時間反応させた後、生成した
二糖を陰イオン交換カラムを用いたHPLCで分析し
た。HPLCの条件等は、カラムとしてYMCゲルIE
S(ポリエチレンイミン;株式会社ワイエムシィ)を用
いた以外は「(2)コンドロイチナーゼABCを用いたC
Sの分析」と同様である。 (5)クレアチニンの測定 分析によって得られた二糖の量をクレアチニン量で補正
するために、市販のキット(クレアチニンテストワコ
ー;和光純薬)を用いて尿中のクレアチニン濃度を測定
した。
【0100】16人(患者又は健常者)から採取した尿
についての分析結果を表5に示す。
【0101】なお表5中における「CS」はコンドロイ
チン硫酸の量を、「DS」はデルマタン硫酸の量を、
「HS」はヘパラン硫酸の量をそれぞれ意味する。また
「MSD」は、マルチプルスルファターゼ欠損症を意味
する。
【0102】
【表5】
【0103】表5から、Hurler症候群患者とHunter症候
群患者の尿中のDS及びHSの量は健常者とはかけ離れ
て高値であった。この結果から、二糖分析はムコ多糖症
のスクリーニングステップとして利用可能であることが
確認され、また、これによる分析結果をムコ多糖症と関
連づけることが可能であることが示された。
【0104】
【実施例4】 本発明キットの作製 以下の構成からなる本発明キットを作製した。 1.DMMB色素溶液(15mg/L DMMB - 75mM ギ酸
ナトリウム緩衝液 (pH6.8) 1本 2.ヘパリチナーゼI及びII(0.1U)、コンドロイチナ
ーゼABC(U)、コンドロイチナーゼACII(U)及び
ケラタナーゼII(0.1U)を含有する混合物 1本 3.尿の希釈バッファー(0.9% NaCl) 1本 4.反応用緩衝液 (2.88M グアニジン塩酸 - 0.075%
Tween20 - 150mM 酢酸ナトリウム緩衝液 (pH6.8)) 1
本 5.マイクロタイタープレート 1枚
【0105】
【発明の効果】本発明方法は、ムコ多糖症の患者を漏れ
なく、精度良く、簡便、効率的かつ安価にスクリーニン
グできる方法であり、極めて実用性が高い方法である。
これにより全新生児についてムコ多糖症の可能性が検知
できれば、未だムコ多糖症の症状が現れない出生後の早
期の段階で酵素補充療法や遺伝子治療等を実施でき、精
神発達の遅れ等をくい止めることができる可能性が高く
なる。
【0106】また本発明キットは、本発明方法をさらに
簡便・迅速化するものであることから、極めて有用であ
る。
【0107】なお本発明は、ムコ多糖症のスクリーニン
グのみならず、状態の把握、治療方針の決定、治療効果
の確認、医薬品開発の評価等へも応用することができ、
極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 GAG濃度と OD530nm/OD590nmとの関係(検
量線)を示す図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記ステップ(1)及び(2)を少なく
    とも含む、ムコ多糖症のスクリーニング方法。 (1)「被験者から採取された尿にグリコサミノグリカ
    ンを特異的に分解する酵素を作用させて得られる溶液」
    と「グリコサミノグリカンに反応して特定波長における
    吸光度が変化する色素」とを接触させて得られる尿検体
    ついて、当該特定波長における吸光度を測定するステッ
    プ。 (2)ステップ(1)で測定された結果を用いて、グリ
    コサミノグリカンを特異的に分解する酵素によって分解
    されたグリコサミノグリカン量を算出し、これが規定範
    囲内にある尿検体を特定するステップ。
  2. 【請求項2】 被験者から採取された尿が、下記ステッ
    プ(A)及び(B)を少なくとも含むステップを経て特
    定された尿検体に対応する被験者から採取されたもので
    ある、請求項1に記載のスクリーニング方法。 (A)被験者の尿と、「グリコサミノグリカンに反応し
    て特定波長における吸光度が変化する色素」とを接触さ
    せて得られる尿検体について、当該特定波長における吸
    光度を測定するステップ。 (B)(A)で測定された結果を用いて、「グリコサミ
    ノグリカンに反応して特定波長における吸光度が変化す
    る色素」に反応した物質量を算出し、これが基準範囲外
    にある尿検体を特定するステップ。
  3. 【請求項3】 下記ステップ(3)を少なくとも含む、
    ムコ多糖症のスクリーニング方法。 (3)請求項1に記載のステップ(2)によって特定さ
    れた尿検体に対応する被験者から採取された尿中のグリ
    コサミノグリカン組成を分析するステップ。
  4. 【請求項4】 下記ステップ(4)を少なくとも含む、
    ムコ多糖症のスクリーニング方法。 (4)請求項3に記載のステップ(3)によって分析さ
    れたグリコサミノグリカン組成と、ムコ多糖症とを関連
    づけるステップ。
  5. 【請求項5】 グリコサミノグリカンに反応して特定波
    長における吸光度が変化する色素が、ジメチルメチレン
    ブルーである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のス
    クリーニング方法。
  6. 【請求項6】 グリコサミノグリカンを特異的に分解す
    る酵素が、コンドロイチナーゼ、ケラタナーゼ及びヘパ
    リチナーゼから選ばれる1又は2以上の酵素である、請
    求項1〜5のいずれか1項に記載のスクリーニング方
    法。
  7. 【請求項7】 グリコサミノグリカン組成の分析が、グ
    リコサミノグリカンを特異的に分解する酵素を作用させ
    てグリコサミノグリカンを二糖に分解し、当該二糖の組
    成を分析することにより行われることを特徴とする、請
    求項3〜6のいずれか1項に記載のスクリーニング方
    法。
  8. 【請求項8】 下記構成成分(a)及び(b)を少なく
    とも含む、ムコ多糖症のスクリーニングキット。 (a)グリコサミノグリカンに反応して特定波長におけ
    る吸光度が変化する色素(b)グリコサミノグリカンを
    特異的に分解する酵素
  9. 【請求項9】 グリコサミノグリカンに反応して特定波
    長における吸光度が変化する色素が、ジメチルメチレン
    ブルーである、請求項8に記載のスクリーニングキッ
    ト。
  10. 【請求項10】 グリコサミノグリカンを特異的に分解
    する酵素が、コンドロイチナーゼ、ケラタナーゼ及びヘ
    パリチナーゼから選ばれる1又は2以上の酵素である、
    請求項8又は9に記載のスクリーニングキット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008102114A (ja) * 2005-12-27 2008-05-01 Dai Ichi Seiyaku Co Ltd ムコ多糖症の診断方法
JP2017535774A (ja) * 2014-11-14 2017-11-30 シャイアー ヒューマン ジェネティック セラピーズ インコーポレイテッド 質量分析によるグリコサミノグリカンのレベルの測定
IT202200007808A1 (it) 2022-04-20 2023-10-20 Luigi Michele Pavone Composizioni terapeutiche per malattie causate da accumulo di eparan solfato

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