JP2003262712A - 光学膜被覆物品 - Google Patents
光学膜被覆物品Info
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Abstract
を有する光学膜を被覆した物品を提供する。 【解決手段】 炭素−炭素二重結合を有する有機基を含
有する網目形成金属酸化物および光触媒活性を有する金
属酸化物を含有する有機無機複合膜が基材表面に被覆さ
れている光学膜被覆物品である。紫外線をその膜に対し
てパターン状に照射させて膜の露光部中の前記有機基を
分解させることにより露光部が非露光部の屈折率に比し
て高い屈折率を有する。
Description
するものであり、さらには、回折格子、光導波路、マイ
クロレンズアレイ、3次元光集積回路、3次元大容量光
メモリー、2次元および3次元フォトニッククリスタル
等の変調素子などとして有用な、2次元、3次元的に屈
折率が制御された光学膜被覆物品およびその製造方法に
関するものである。
有する光学素子は、微小光学素子の中でも重要な働きを
する素子として注目されている。屈折率分布を有する光
学素子の製造方法としては、様々なものが知られてい
る。例えば、カリウムイオンあるいはナトリウムイオン
を含む塩の高温融液浴中に、タリウムイオンを含む多成
分系ガラス物品を浸漬して、イオン交換を行わせて屈折
率分布型マイクロレンズおよびレンズアレイを作る方法
がある。
ンをしみ込ませてアルカリイオンの濃度分布を作り、こ
れを熱処理して固定させる分子スタッフィング法や、さ
らにはゾル・ゲル法で作製したシリカゲルに分子スタッ
フィング法を応用して屈折率分布レンズを作製する方法
なども知られている。
3/2−TiO2系透明膜(Rはメチル基、エチル基、フェ
ニル基またはベンジル基)を作製し、フォトマスクを介
して膜に紫外線照射して、露光部分の屈折率が増加する
ことを見い出している。(日本化学会第79春季年会予稿
集P281、2E326(2001年))
換法および前記分子スタッフィング法の技術では、屈折
率の分布を精密に制御することが困難であった。また前
記紫外線照射法では屈折率分布の精密制御は可能である
ものの、得られる膜は、その硬度が十分でなく工程上傷
つき易いという問題があった。
は3次元の任意のパターンで屈折率が制御されて、回折
格子、光導波路、マイクロレンズアレイ、3次元光集積
回路、3次元大容量光メモリー、2次元および3次元フ
ォトニッククリスタル等の光学素子として有用な、屈折
率分布の精密制御が可能でかつ高い硬度を有する光学膜
被覆物品を提供することを目的とするものである。
炭素二重結合を有する有機基を含有する網目形成金属酸
化物および(2)光触媒活性を有する金属酸化物を含有
する有機無機複合膜が基材表面に被覆されており、紫外
線をその膜に対してパターン状に照射させて膜の露光部
中の前記有機基を分解させることにより露光部が非露光
部の屈折率に比して高い屈折率を有する光学膜被覆物品
である。
とともに説明する。炭素−炭素二重結合を有する有機基
を含有する網目形成金属酸化物および光触媒活性を有す
る金属酸化物を含有する有機無機複合膜は、ゾルゲル法
によって製造することができる。本発明における有機無
機複合膜を構成する炭素−炭素二重結合を有する有機基
を含有する網目形成金属酸化物としては、下記一般式
(1)で示されるものが好ましく用いられる。 RMOn ・・(1) (ここで、Rは、炭素−炭素二重結合を有する有機基を
示し、Mはケイ素(Si)、チタン(Ti)、ジルコニ
ウム(Zr)またはアルミニウム(Al)を示しそして
nはMがケイ素、チタンまたはジルコニウムである場合
は3/2であり、Mがアルミニウムである場合は1であ
る。) 式(1)で表される網目形成金属酸化物の中で、Mがケ
イ素であるオルガノシルセスキオキサンが好ましく用い
られる。
ては、例えばビニル基、アリル基、メタクリロキシアル
キル基、アクリロキシアルキル基、1−ブテニル基、ヘ
プテニル基またはヘキセニル基を挙げることができる。
これらの中でアクリロキシアルキル基、メタクリロキシ
アルキル基、ビニル基、アリル基が好ましく用いられ
る。これは有機基としては比較的小さい体積を示すの
で、後述の光分解による硬度上昇の効果が現れやすいた
めと推定される。従って有機基を含有する網目形成金属
酸化物としては、アクリロキシプロピルシルセスキオキ
サン、メタクリロキシプロピルシルセスキオキサン、ビ
ニルシルセスキオキサンおよびアリルシルセスキオキサ
ンがさらに好ましく用いられる。
光触媒活性を有する金属酸化物としては、TiO2、Z
nO、SnO2、WO3、Bi2O3、Fe2O3、In
2O3、MoO2等の金属酸化物半導体を挙げることがで
きる。これらの中で、触媒活性が高く、優れた物理化学
的安定性を有する酸化チタン(TiO2)が好ましく用
いられる。
活性を有する金属酸化物の含有量が大きすぎたり小さす
ぎると光照射による屈折率の変化を大きくすることがで
きない。従って、前記有機無機複合膜は前記光触媒活性
を有する金属酸化物を、前記網目形成金属酸化物および
光触媒活性を有する金属酸化物の合計に対して、モル比
で表して1〜50モル%含有することが好ましく、5〜
40モル%含有することがより好ましい。
合を有する有機基を含有する加水分解および重縮合可能
な有機金属化合物および光触媒活性を有する金属酸化物
を構成する金属の化合物を含有する液状組成物を基材表
面に適用して基材表面に塗膜を形成し、加熱することに
より得られる。炭素−炭素二重結合を有する有機基を含
有する加水分解および重縮合可能な有機金属化合物とし
ては、下記一般式(2)で示されるものが好ましく用い
られる。 RMPn ・・(2) (ここで、Rは、炭素−炭素二重結合を有する有機基を
示し、Mはケイ素(Si)、チタン(Ti)、ジルコニ
ウム(Zr)またはアルミニウム(Al)を示し、Pは
それぞれ独立にアルコキシル基またはハロゲン原子であ
り、そしてnはMがケイ素、チタンまたはジルコニウム
である場合は3/2であり、Mがアルミニウムである場
合は1である。) 式(2)で表される有機金属化合物の中で、Mがケイ素
であり、Pはアルコキシル基であるオルガノトリアルコ
キシシランが好ましく用いられる。
機基Rとしては上記式(1)のRの説明と同じものを用
いることができる。前記有機金属化合物としては、アク
リロキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリロキ
シプロピルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキ
シシランおよびアリルトリアルコキシシランがさらに好
ましく用いられる。
金属の化合物としては、チタン、亜鉛、スズ、タングス
テン、ビスマス、鉄、インジウム、モリブデンのアルコ
キシド、錯体、無機塩等化合物を挙げることができる。
これらの中でチタン化合物としては、チタニウムアルコ
キシド、チタニウム錯体、硫酸チタニウム等を用いるこ
とができる。中でもチタニウムエトキシド、チタニウム
イソプロポキシド、チタニウムテトラブトキシド等のチ
タニウムアルコキシドを用いることが好ましい。
金属の化合物例えばチタニウムアルコキシドには必要に
応じて安定化剤を添加することができる。安定化剤は例
えばアセチルアセトン、ジピロバイルメタン、ベンゾイ
ルアセトン、ジベンゾイルメタン等のβ−ジケトン類
や、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸
アリル、アセト酢酸ベンジル等のβ−ケトエステル類、
サラニハモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等が例
示される。また、チタニウムアルコキシドに膜質改良の
ため、アルミニウムアセチルアセトネートなどを添加し
てもよい。
てもよい。後述のように有機無機複合膜に紫外線をパタ
ーン状に照射させて膜の露光部中の前記有機基(式
(1)に記載される炭素−炭素二重結合を有する有機
基)の箇所が光重合して結合点が増加することにより膜
の硬度が上昇していると考えられるが、光重合開始剤は
この光重合反応の開始を促進する。光重合開始剤として
は、ベンゾイルイソブチルエーテル、[2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン]、
[1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ
−2−メチルプロパン−1−オン]、[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プ
ロピルケトン]、[2,2−ジメトキシ−1,2−ジフ
ェニルエタン−1−オン]、[1−ヒドロキシ−シクロ
ヘキシル−フェニル−ケトン]、[2−メチル−1[4
−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパ
ン−1−オン]、[ビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィン
オキサイド]、[2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−
1−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−
1]のようなラジカル光重合開始剤を例示することがで
きる。
を有する有機基を含有する加水分解および重縮合可能な
有機金属化合物の加水分解および縮重合を促進するため
の触媒を含有させることができる。触媒としては酸触媒
が好ましく用いられ、酸触媒には、蟻酸、酢酸、テトラ
フロロ酢酸、プロピオン酸、しゅう酸、塩酸、硝酸、硫
酸のうち少なくとも一つの酸触媒を水溶液の形で用いる
ことが好ましい。
とができる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール
等のアルコール類や、n−ヘキサン、n−オクタン、シ
クロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタンなどの
脂肪族または脂肪族系の炭化水素類、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ギ酸エチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、エチレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート等のエステル類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類が例
示される。これらの中でメタノール、エタノール、プロ
パノールが好ましく用いられる。
きる。水は前記有機金属化合物の加水分解反応のために
必要であるが、酸触媒、溶媒などに含まれる水分だけで
足りることが多い。
金属化合物、酸触媒および希釈溶媒を混合、撹拌して得
られた溶液と、光触媒活性を有する金属酸化物を構成す
る金属の化合物、安定化剤酸触媒および希釈溶媒を混
合、撹拌して得られた溶液とを混合、撹拌することによ
り得られる。
状組成物を基材表面に、例えばディップコート、スピン
コート、印刷法、キャスト法などの一般に知られた塗布
方法によって塗布し、乾燥し、50〜300℃で1分〜
2時間加熱することにより得られる。加熱後の膜厚は1
00nm〜100μmの範囲とすることができる。
を必要としないため、基材としては、ガラス、セラミッ
クス、金属のみならず、従来方法が困難であった有機高
分子、生体組織等を用いることができる。
び光触媒活性を有する金属酸化物を含有する有機無機複
合膜はパターン状に紫外線照射される。この膜の上に配
置した光透過区域と光遮蔽区域を有するフォトマスクを
通して紫外線が照射される。フォトマスクの光透過区域
に対応する膜部分(露光部)では紫外光および光触媒作
用によりその中の有機基が分解される。そして露光部は
光遮蔽区域に対応する膜部分(非露光部)よりも高い屈
折率を有する。例えばビニルシルセスキオキサンおよび
チタニアを含有する膜については紫外線露光部は非露光
部に比して0.005〜0.08高い屈折率を有する。
紫外線の照射により屈折率変化が生じるのは、前記の有
機基Rが分解されるためと考えられる。オルガノシルセ
スキオキサンからなる膜であっても、チタニアのような
光触媒活性を有する金属酸化物が含有されていない場合
には、有機基の分解はわずかしか起こらないことから、
有機基の分解はチタニアの光触媒活性によるものであ
る。
が開裂して光重合することにより硬度の上昇も起こる。
有機基に対し光分解と光重合が同時に起こるが、結果と
して硬度は上昇していることが認められている。
められる。このような屈折率の変化量は、有機無機複合
膜の組成に応じて紫外線の照射条件を変化させることに
よって、制御することができる。
アーク灯等の各種紫外線ランプ、レーザ光等を用いるこ
とができる。紫外線の照射条件は、有機無機複合膜の組
成や紫外線の波長、強度等によって調整することができ
る。例えば、波長が200〜400nm程度で、照度が
数10〜100mW/cm2(波長365nm)程度の
紫外線を1分〜10時間照射させる。
機無機複合膜の任意の場所に施してもよい。また照射紫
外線ビームを走査させて有機無機複合膜の所定場所を照
射させてもよい。紫外線の照射時間または照度を場所的
に変化させることにより、屈折率を連続的に変化させる
ことができる。また紫外線レーザを用いて2光束干渉露
光により干渉縞のパターンを記録してもよい。これによ
って任意のパターンで屈折率が変化された光学膜を被覆
した物品を得ることできる。紫外線照射は空気中(また
は酸素雰囲気下)で行ってもよいが、酸素が光重合(ラ
ジカル重合)の進行を阻害しやすい場合には窒素雰囲気
下で行ってもよい。
平面方向に変化させるだけでなく膜の厚み方向にも変化
させることができる。例えば対物レンズを利用して、紫
外線が膜の厚み方向の所定の位置に集光するように紫外
線照射することにより、有機無機複合膜の厚さ方向に屈
折率が変化した3次元屈折率パターンを得ることも可能
である。
液状組成物の塗膜を加熱した後に行ってもよく、加熱の
前に行ってもよく、また加熱と同時に行ってもよい。
線を照射した後でも高い光透過性を有するため、光素子
として用いることができる。例えば、2次元あるいは3
次元的に屈折率の制御を行った光素子、回折格子、光導
波路、マイクロレンズアレイ、3次元集積回路、3次元
大容量光メモリー、3次元フォトニッククリスタル光変
調素子への利用が可能となる。
る。 [実施例1]エタノール0.08モルの溶媒にビニルト
リエトキシシラン0.08モルおよび触媒としての0.
1重量%希塩酸7.2gを添加し、室温で2時間攪拌し
て溶液Aを得た。エタノール0.02モルの溶媒にチタ
ニウムエトキシド0.02モルおよびアセト酢酸エチル
0.02モルを加えて1時間室温で攪拌して得た溶液B
を溶液Aに添加し、さらに室温で1時間攪拌して溶液C
を得た。この溶液Cにベンゾイルベンゾイルイソブチル
エーテル0.004モルおよびアルミニウムアセチルア
セトネート0.0016モルを添加してさらに室温で1
時間攪拌して有機無機複合膜用塗布液(液状組成物)と
した。この塗布液を145mm/分の引き上げ速度で、
洗浄したスライドガラス基板にディップコートし、室温
で40分乾燥した後、150℃で1時間加熱し、膜厚が
約0.5μmのビニルシルセスキオキサン−チタニア複
合膜を被覆した物品を得た。
有する金属メッシュをマイクロパターンアレイマスクと
して用いる。上記被覆物品の膜の上にこのマスクを配置
し、窒素雰囲気下で照度80mW/cm2(波長365
nm)の紫外線を60分照射させ、複合膜に屈折率変調
が記録された光学膜被覆物品とした。
ック微小硬度計(島津製作所製「DUH-W201」)にて測
定)および屈折率を測定した。なお膜露光部の硬度は非
露光部の硬度よりも高く、ここでは露光部と非露光部の
加重平均値が測定される。
お後述の比較例1でのエチルシルセスキオキサン−チタ
ニア光学膜では硬度は150であり、本実施例での硬度
の上昇が確認された。またビニルシルセスキオキサン−
チタニア光学膜では、屈折率は紫外線照射前で1.52
5、照射後には直径10μmの円形の紫外線露光部では
1.560であり紫外線非露光部では1.525を得
た。なお、この円形の紫外線露光部表面は非露光部表面
よりも約0.2μm凹んでいた。
0.08モルの代わりにアリルトリエトキシシラン0.
08モルを用いて実施例1と同様の方法で、アリルシル
セスキオキサン−チタニア光学膜被覆物品を得た。実施
例1と同様にして光学膜の硬度および屈折率を測定した
ところ、硬度は200であり、そして屈折率は紫外線照
射前で1.51であり、照射後の紫外線露光部では1.
55であり、紫外線非露光部では1.51であった。
0.08モルの代わりにメタクリロキシプロピルトリエ
トキシシラン0.08モルを用いて実施例1と同様の方
法で、にメタクリロキシプロピルシルセスキオキサン−
チタニア光学膜被覆物品を得た。同様にして、光学膜の
硬度を測定すると、210であり、また光学膜の屈折率
は紫外線照射前で1.52であり、照射後の紫外線露光
部では1.54であり、紫外線非露光部では1.52で
あった。
0.08モルの代わりにアクリロキシプロピルトリエト
キシシラン0.08モルを用いて実施例1と同様の方法
で、にアクリロキシプロピルシルセスキオキサン−チタ
ニア光学膜被覆物品を得た。同様にして、光学膜の硬度
を測定すると230であり、また光学膜の屈折率は紫外
線照射前で1.52であり、照射後の紫外線露光部では
1.55であり、紫外線非露光部では1.52であっ
た。
ルセスキオキサン−チタニア有機無機複合膜に、He−
Cdレーザ(波長325nm)を2光束干渉によりピッ
チ約1μmの干渉縞を、300W/cm2の照度で回折
格子を記録した。膜の屈折率は干渉縞露光部では1.5
60であり干渉縞非露光部では1.525であった。6
33nmのHe−Neレーザにて回折光を確認し、回折
格子の形成が認められた。
25mmの透明石英板の表面にクロムを蒸着させて幅5
μm、長さ約25mmの光透過部が形成された光導波路
用フォトマスクを得た。
サン−チタニア有機無機複合膜の上に上記光導波路用フ
ォトマスクを配置し、このマスクを介して膜に対して照
度80mW/cm2(波長365nm)の紫外線を60
分照射させ、複合膜に光導波路を形成させた光学膜被覆
物品を得た。マスクの光透過部に対応した複合膜の露光
部分に屈折率1.560の光導波路のコア(高さ0.6
μm、幅5μm、長さ約25mmの四角柱状)が形成さ
れた。マスクの光遮蔽部に対応した膜の非露光部分の屈
折率は1.525であり、リッジ型の光導波路が得られ
た。
エトキシシラン0.08モルの代わりにエチルトリエト
キシシラン0.08モルを用いた以外は、実施例1と同
様の方法でエチルシルセスキオキサン−チタニア光学膜
被覆物品を得た。同様にして、光学膜の硬度を測定する
と140であり、また光学膜の屈折率は紫外線照射前で
1.50であり、照射後の紫外線露光部では1.55で
あり、紫外線非露光部では1.50であった。
任意のパターンで屈折率が制御された回折格子、光導波
路、マイクロレンズアレイ、3次元光集積回路、3次元
大容量光メモリー、2次元および3次元フォトニックク
リスタル等の光学素子として有用な、屈折率分布の精密
制御が可能でかつ高い硬度を有する光学膜被覆物品が得
られる。
Claims (8)
- 【請求項1】(1)炭素−炭素二重結合を有する有機基
を含有する網目形成金属酸化物および(2)光触媒活性
を有する金属酸化物を含有する有機無機複合膜が基材表
面に被覆されており、紫外線をその膜に対してパターン
状に照射させて膜の露光部中の前記有機基を分解させる
ことにより露光部が非露光部の屈折率に比して高い屈折
率を有する光学膜被覆物品。 - 【請求項2】 前記網目形成金属酸化物は下記一般式
(1)で表される請求項1に記載の光学膜被覆物品。 RMOn ・・(1) (ここで、Rは炭素−炭素二重結合を有する有機基であ
って、ビニル基、アリル基、メタクリロキシアルキル
基、アクリロキシアルキル基、1−ブテニル基、ヘプテ
ニル基またはヘキセニル基を示し、Mはケイ素(S
i)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)またはア
ルミニウム(Al)を示しそしてnはMがケイ素、チタ
ンまたはジルコニウムである場合は3/2であり、Mが
アルミニウムである場合は1である。) - 【請求項3】 前記網目形成金属酸化物は、アクリロキ
シプロピルシルセスキオキサン、メタクリロキシプロピ
ルシルセスキオキサン、ビニルシルセスキオキサンおよ
びアリルシルセスキオキサンよりなる群から選ばれる少
なくとも1種である請求項1記載の光学膜被覆物品。 - 【請求項4】 前記光触媒活性を有する金属酸化物はT
iO2、ZnO、SnO2、WO3、Bi2O3、Fe
2O3、In2O3およびMoO2 よりなる群から選ばれる
少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記
載の光学膜被覆物品。 - 【請求項5】 前記網目形成金属酸化物はビニルシルセ
スキオキサンでありそして前記光触媒活性を有する金属
酸化物はTiO2である請求項1記載の光学膜被覆物
品。 - 【請求項6】 前記有機無機複合膜は前記光触媒活性を
有する金属酸化物を、前記網目形成金属酸化物および光
触媒活性を有する金属酸化物の合計に対して、モル比で
表して1〜50モル%含有する請求項1〜5のいずれか
1項に記載の光学膜被覆物品。 - 【請求項7】(1)炭素−炭素二重結合を有する有機基
を含有する加水分解および重縮合可能な有機金属化合物
および(2)光触媒活性を有する金属酸化物を構成する
金属の化合物を含有する液状組成物を基材表面に塗布し
て基材表面に塗膜を形成し、加熱し、そしてその加熱の
前後または加熱中に、その膜にパターン状に紫外線を照
射して露光膜部分に非露光膜部分の屈折率に比して大き
い屈折率を有せしめる光学膜被覆物品を製造する方法。 - 【請求項8】 前記有機金属化合物は、アクリロキシプ
ロピルトリアルコキシシラン、メタクリロキシプロピル
トリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランま
たはアリルトリアルコキシシランであり、そして前記金
属の化合物はチタン化合物である請求項7記載の光学膜
被覆物品を製造する方法。
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JP2002062040A JP2003262712A (ja) | 2002-03-07 | 2002-03-07 | 光学膜被覆物品 |
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- 2002-03-07 JP JP2002062040A patent/JP2003262712A/ja not_active Withdrawn
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