JP2003246086A - 液体噴射装置、及び、その駆動方法 - Google Patents
液体噴射装置、及び、その駆動方法Info
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Abstract
る。 【解決手段】 駆動信号発生回路は、ミドルドット駆動
パルスDP1,DP2を記録周期T内に2つ有する一連
の第1駆動信号COM1と、スモールドット駆動パルス
DP3を記録周期T内に1つ有する一連の第2駆動信号
COM2とを別個に発生する。そして、ミドルドット駆
動パルスDP1,DP2とスモールドット駆動パルスD
P3は、その発生時間を少なくとも一部で重複させる。
また、デコーダ、制御ロジック、及び、レベルシフタに
より、第1スイッチと第2スイッチを制御し、第1駆動
信号COM1を構成する波形部PS1〜PS3と第2駆
動信号COM2を構成する波形部PS4〜PS6とを組
み合わせて圧電振動子に供給する。
Description
記録装置、ディスプレー製造装置、電極形成装置、或い
は、バイオチップ製造装置等、各種の液体を液滴として
吐出可能な液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置、及
び、その駆動方法に関し、特に、階調データに応じて駆
動パルスの圧力発生素子への供給を制御し、ノズル開口
からの液滴の吐出を制御可能なものに関する。
液滴の状態で吐出させる装置であり、例えば、インク滴
を吐出して記録紙上に画像等を記録する画像記録装置、
液状の電極材を基板上に吐出して電極を形成する電極形
成装置、生体試料を吐出してバイオチップを製造するバ
イオチップ製造装置、或いは、所定量の試料を容器に吐
出するマイクロピペットが提案されている。
する着弾対象物に対する処理の高速化と着弾量制御の高
精度化とを両立すべく、ノズル開口から吐出される液滴
の量を変更可能としたものが提案されている。例えば、
この液体噴射装置の一種であるインクジェット式記録装
置では、複数の駆動パルスを1つの記録周期内に一連に
含ませた単一の駆動信号を発生し、記録データ(階調デ
ータ)に応じて駆動信号の必要部分を圧力発生素子に供
給することで、ノズル開口から吐出されるインク量を変
更している(例えば、特許文献1参照。)。
頁,第9図)
信号の必要部分を圧力発生素子に供給する従来の構成で
は、液体噴射ヘッドが有する本来の性能を十分に発揮さ
せ難いという問題があった。即ち、1つの吐出周期内に
複数の駆動パルスを含ませた関係から、駆動可能な最大
周波数よりも低い周波数で液体噴射ヘッド(圧力発生素
子)を駆動せざるを得なかった。
たものであり、その目的は、液体噴射ヘッドをより高い
周波数で駆動できるようにした液体噴射装置、及び、そ
の駆動方法を提供することにある。
成するために提案されたものであり、電位に応じて状態
を変化させ、圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ得る
圧力発生素子及び圧力室に連通したノズル開口を有する
液体噴射ヘッドと、駆動パルスを含んだ駆動信号を吐出
周期毎に繰り返し発生する駆動信号発生手段と、前記駆
動信号の圧力発生素子への供給を制御可能なスイッチ手
段と、階調データに応じてスイッチ手段を制御するスイ
ッチ制御手段とを備え、前記階調データに応じて駆動パ
ルスの圧力発生素子への供給を制御し、ノズル開口から
の液滴の吐出を制御可能な液体噴射装置において、前記
駆動信号発生手段は、吐出周期内における駆動パルスの
発生期間が少なくとも一部で重なっており、且つ、複数
の波形要素によって構成されている複数種類の駆動信号
を発生する構成とし、前記スイッチ手段は、各駆動信号
を選択的に圧力発生素子へ供給可能な構成とし、前記ス
イッチ制御手段は、1吐出周期内で各駆動信号の波形要
素を組み合わせて圧力発生素子に供給可能なことを特徴
とする。
させ、圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ得る圧力発
生素子及び圧力室に連通したノズル開口を有する液体噴
射ヘッドと、駆動パルスを含んだ駆動信号を吐出周期毎
に繰り返し発生する駆動信号発生手段と、前記駆動信号
の圧力発生素子への供給を制御可能なスイッチ手段と、
階調データに応じてスイッチ手段を制御するスイッチ制
御手段とを備え、前記階調データに応じて駆動パルスの
圧力発生素子への供給を制御し、ノズル開口からの液滴
の吐出を制御可能な液体噴射装置の駆動方法において、
吐出周期内における駆動パルスの発生期間が少なくとも
一部で重なっており、且つ、複数の波形要素によって構
成されている複数種類の駆動信号を発生させ、階調デー
タに基づき、1吐出周期内で各駆動信号の波形要素を組
み合わせて圧力発生素子に供給することを特徴とする。
る駆動パルスの発生期間が少なくとも一部で重なってお
り、且つ、複数の波形要素によって構成されている複数
種類の駆動信号を駆動信号発生手段から発生させている
ので、複数の駆動パルスを1つの駆動信号に一連に含ま
せた場合よりも吐出周期を短縮化できる。これにより、
液体噴射ヘッドを従来よりも高い周波数で駆動できる。
なお、上記の「階調データ」は、着弾階調を示すデータ
である。そして、「着弾階調」とは、単位面積あたりの
液体の着弾量を示す情報であり、記録装置における「記
録階調」の上位概念である。
動パルスを構成する駆動波形要素と駆動パルスの始終端
電位で一定の定電位波形要素とを含ませ、スイッチ制御
手段によって、1つの駆動信号の駆動波形要素と他の駆
動信号の駆動波形要素とを組み合わせて圧力発生素子に
供給する構成が好ましい。また、スイッチ制御手段によ
って、1つの駆動信号の駆動波形要素と他の駆動信号の
定電位波形要素とを組み合わせて圧力発生素子に供給す
る構成が好ましい。なお、「駆動波形要素」とは、液滴
を吐出させたり、メニスカスを微振動させる等の目的
で、圧力室の状態を制御するための波形要素を意味す
る。また、「定電位波形要素」とは、圧力室を基準容積
で維持するための波形要素を意味する。
されていない新たなパターンで液体噴射ヘッドを駆動で
きる。これにより、液体噴射ヘッドの駆動周波数を高め
つつも、複雑な制御を実現できる。また、定電位要素を
用いた場合には、この定電位要素によって振動子電位を
一定電位に維持できる。これにより、自然放電による振
動子電位の低下を防止でき、液滴の誤吐出等の不具合を
防止できる。
駆動信号発生手段と圧力発生素子との間に介在し、発生
される駆動信号の種類毎に設けられた複数の第1スイッ
チ手段とする構成が好ましい。また、この第1スイッチ
手段は、切り換えによって1つの駆動信号を圧力発生素
子に供給する構成が好ましい。この構成によれば、液体
噴射ヘッドの高周波駆動に適する。
発生される駆動信号の種類毎に設けられた複数の入力接
点と、圧力発生素子に導通される出力端子とを有し、各
入力接点を切り換えて出力端子に導通可能な第2スイッ
チ手段とする構成が好ましい。この構成によれば、スイ
ッチ制御を簡素化できる。
は、第1駆動信号を発生可能な第1駆動信号発生手段
と、第2駆動信号を発生可能な第2駆動信号発生手段と
を備え、第1駆動信号は、第1駆動パルスを1吐出周期
内に少なくとも2つ有する一連の信号であって、これら
の第1駆動パルスが吐出周期を跨いで一定間隔で発生さ
れる信号であり、第2駆動信号は、第2駆動パルスを1
吐出周期内に少なくとも1つ有する一連の信号であっ
て、隣り合う第1駆動パルス同士の中間のタイミングで
第2駆動パルスが発生される信号である構成が好まし
い。この構成では、液滴の着弾位置についてのばらつき
を防止することができる。
は、基準電位から膨張電位まで一定勾配で電位を変化さ
せ、圧力室を基準容積から膨張容積まで膨張させる膨張
要素と、膨張電位を所定時間維持し、圧力室の膨張状態
を維持する膨張ホールド要素とを少なくとも含み、前記
第2駆動パルスは、吐出電位を所定時間維持し、圧力室
を吐出容積で維持する吐出ホールド要素と、吐出電位か
ら基準電位まで一定勾配で電位を変化させ、圧力室を吐
出容積から基準容積まで収縮させる収縮制振要素とを少
なくとも含み、前記第1駆動パルスの膨張電位と第2駆
動パルスの吐出電位とを同電位に揃え、前記スイッチ制
御手段は、非吐出を示す階調データの場合に、膨張要
素、膨張ホールド要素、吐出ホールド要素、及び、収縮
制振要素を圧力発生素子に供給し、液滴が吐出されない
程度の圧力変動を圧力室内の液体に付与する構成が好ま
しい。この構成によれば、専用の微振動パルスを設けな
くてもメニスカスの微振動が行える。
号及び第2駆動信号は、基準電位で一定な定電位波形要
素によって駆動パルス同士の始終端を接続する信号であ
り、前記スイッチ制御手段は、第1駆動信号に含まれる
一部の第1駆動パルスを用いる階調データの場合に、当
該第1駆動パルスと第2駆動信号に含まれる定電位波形
要素とを圧力発生素子に供給し、第1駆動パルスの非供
給期間にて、定電位波形要素により圧力発生素子の電位
を基準電位に調整する構成が好ましい。この構成によれ
ば、第1駆動パルスの非供給期間における振動子電位の
降下を効果的に防止できる。
に基づいて説明する。なお、以下の説明は、インクジェ
ット式のプリンタを例に挙げて行う。このプリンタは、
液体状のインク(本発明の液体の一種)を液滴の状態に
して記録ヘッド(本発明の液体噴射ヘッドの一種)から
吐出させるものであり、本発明の液体噴射装置の一種で
ある。
トローラ1とプリントエンジン2とから構成されてい
る。プリンタコントローラ1は、図示しないホストコン
ピュータ等からの印刷データ(上位装置から送られてく
る第1制御データの一種)等を受信するインターフェー
ス3(以下、外部I/F3と称する。)と、各種データ
の記憶等を行うRAM4と、各種データ処理のためのル
ーチン等を記憶したROM5と、CPU等からなる制御
部6と、クロック信号(CK)を発生する発振回路7
と、記録ヘッド8へ供給する駆動信号(COM1,CO
M2)を発生する駆動信号発生回路9と、記録データ及
び駆動信号等をプリントエンジン2に送信するためのイ
ンターフェース10(以下、内部I/F10と称す
る。)とを備えている。
ド、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つ
のデータ又は複数のデータからなる印刷データをホスト
コンピュータ等から受信する。また、外部I/F3は、
ホストコンピュータに対してビジー信号(BUSY)や
アクノレッジ信号(ACK)等を出力する。
ァ、出力バッファ及びワークメモリ(図示せず)等とし
て利用されるものである。受信バッファには、外部I/
F3が受信したホストコンピュータからの印刷データが
一時的に記憶される。中間バッファには、制御部6によ
って中間コードに変換された中間コードデータが記憶さ
れる。出力バッファには、記録ヘッド8に送られる記録
データ(液体噴射ヘッドに送られる第2制御データの一
種)が展開される。また、ROM5は、制御部6によっ
て実行される各種制御ルーチン、フォントデータ及びグ
ラフィック関数、各種手続き等を記憶している。
発生手段に相当し、第1駆動信号COM1を発生可能な
第1駆動信号発生部9A(本発明の第1駆動信号発生手
段に相当)と、第2駆動信号COM2を発生可能な第2
駆動信号発生部9B(本発明の第2駆動信号発生手段に
相当)とを備える。そして、図3に示すように、第1駆
動信号COM1は、ミドルドット駆動パルスDP1,D
P2を1記録周期T内に2つ有する一連の信号であり、
記録周期T毎に繰り返し発生される。また、第2駆動信
号COM2は、スモールドット駆動パルスDP3を1記
録周期T内に1つ有する一連の信号であり、記録周期T
毎に繰り返し発生される。
Mの繰り返し単位であり、本発明における吐出周期の一
種である。また、ミドルドット駆動パルスDP1,DP
2は本発明における第1駆動パルスの一種であり、スモ
ールドット駆動パルスDP3は本発明における第2駆動
パルスの一種である。これらのミドルドット駆動パルス
DP1,DP2及びスモールドット駆動パルスDP3に
関し、吐出されるインク量(液滴の量)は、ミドルドッ
ト駆動パルスDP1,DP2の方がスモールドット駆動
パルスDP3よりも多い。そして、これらの駆動信号C
OM1,COM2については、後で詳しく説明する。
信号発生の制御を行ったり、ホストコンピュータからの
印刷データを記録データに展開したりする。そして、記
録データへの展開時において、制御部6は、まず受信バ
ッファ内の印刷データを読み出して中間コードに変換
し、この中間コードデータを中間バッファに記憶する。
次に、制御部6は、中間バッファから読み出した中間コ
ードデータを解析し、ROM5内のフォントデータ及び
グラフィック関数等を参照して中間コードデータをドッ
ト毎の記録データに展開する。
ビットの階調データによって構成される。この階調デー
タは、例えば、非記録(印字内微振動)を示す階調デー
タ[00]と、スモールドットによる記録を示す階調デ
ータ[01]と、ミドルドットによる記録を示す階調デ
ータ[10]と、ラージドットによる記録を示す階調デ
ータ[11]とから構成される。従って、この構成で
は、各ドットを4階調で記録することができる。なお、
この記録階調は、着弾階調の下位概念に相当し、単位面
積あたりのインクの着弾量を示す情報である。
段の一部を構成し、内部I/F10を通じて記録ヘッド
8にラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH−
A,CH−B)を供給する。これらのラッチ信号やチャ
ンネル信号に含まれるラッチパルスやチャンネルパルス
は、駆動信号COM1,COM2を構成する複数の波形
部や調整要素(PS1〜PS6,P0,P20)の供給
開始タイミングを規定する。
ルスLAT1は、振動子充電期間(期間t10,期間t
20)で発生される調整要素P0,P20の供給開始タ
イミングを規定する。また、第1チャンネル信号CH−
Aにおける第1チャンネルパルスCH11は第1駆動信
号COM1の期間t11で発生される第1波形部PS1
の供給開始タイミングを規定し、第2チャンネルパルス
CH12は期間t12で発生される第2波形部PS2の
供給開始タイミングを規定し、第3チャンネルパルスC
H13は期間t13で発生される第3波形部PS3の供
給開始タイミングを規定する。同様に、第2チャンネル
信号CH−Bにおける第1チャンネルパルスCH21は
第2駆動信号COM2の期間t21で発生される第4波
形部PS4の供給開始タイミングを規定し、第2チャン
ネルパルスCH22は期間t22で発生される第5波形
部PS5の供給開始タイミングを規定し、第3チャンネ
ルパルスCH23は期間t23で発生される第6波形部
PS6の供給開始タイミングを規定する。
る。このプリントエンジン2は、図1に示すように、記
録ヘッド8と、キャリッジ機構11と、紙送り機構12
とを備えている。
り付けられたキャリッジと、このキャリッジをタイミン
グベルト等を介して走行させる駆動モータ(例えば、D
Cモータ)等からなり、記録ヘッド8を主走査方向に移
動させる。紙送り機構12は、紙送りモータ及び紙送り
ローラ等からなり、記録紙(印刷記録媒体の一種)を順
次送り出して副走査を行う。
ヘッドの一種である。以下、この記録ヘッド8について
詳しく説明する。まず、図2に基づいて記録ヘッド8の
構造を説明する。例示した記録ヘッド8は、複数の圧電
振動子21、固定板22、及び、フレキシブルケーブル
23等をユニット化した振動子ユニット24と、この振
動子ユニット24を収納可能なケース25と、ケース2
5の先端面に接合された流路ユニット26とを備えてい
る。
た収納空部27を形成した合成樹脂製のブロック状部材
であり、収納空部27内には振動子ユニット24が収納
固定されている。
生素子の一種であり、縦方向に細長い櫛歯状に形成され
ている。この圧電振動子21は、圧電体と内部電極とを
交互に積層して構成された積層型の圧電振動子であっ
て、積層方向に直交する縦方向に伸縮可能な縦振動モー
ドの圧電振動子である。そして、各圧電振動子21の先
端面が、流路ユニット26の島部28に接合されてい
る。なお、この圧電振動子21はコンデンサと同じよう
に振る舞う。即ち、充電により圧電振動子21の電位
(振動子電位)は上昇し、放電によって電位は下降す
る。そして、信号の供給が停止された場合において、圧
電振動子21の電位は、停止直前の電位で保持される。
間に挟んでノズルプレート30を流路形成基板29の一
方の面側に配置し、弾性板31をノズルプレート30と
は反対側となる他方の面側に配置して積層することで構
成されている。
6個)のノズル開口32を副走査方向に沿って開設した
薄手の金属製板材(例えば、ステンレス板)によって構
成してある。流路形成基板29は、リザーバ33(共通
インク室)、インク供給口34(液体供給口の一種)、
圧力室35、及び、ノズル連通口36からなるインク流
路(液体流路の一種)が形成された板状部材である。本
実施形態では、この流路形成基板29を、シリコンウェ
ハーのエッチング処理によって作製している。弾性板3
1は、ステンレス製の支持板37上に樹脂フィルム38
をラミネート加工した二重構造の複合板材であり、圧力
室35に対応した部分の支持板37を環状に除去して島
部28を形成している。
圧力室35を通ってノズル開口32に至る一連のインク
流路がノズル開口32毎に形成される。そして、圧電振
動子21を充電したり放電したりすることで圧電振動子
21が変形する。即ち、この縦振動モードの圧電振動子
21は、充電によって振動子長手方向に収縮し、放電に
よって振動子長手方向に伸長する。このため、充電によ
って振動子電位を上昇させると、島部28が圧電振動子
側に引っ張られ、島部周辺の樹脂フィルム38が変形し
て圧力室35が膨張する。また、放電によって振動子電
位を下降させると、圧力室35が収縮する。
5の容積が制御できるので、圧力室35内のインク圧力
を可変でき、ノズル開口32からインク滴を吐出させる
ことができる。例えば、基準容積の圧力室35を一旦膨
張させた後に急激に収縮させることで、インク滴を吐出
させることができる。
いて説明する。
第1シフトレジスタ41及び第2シフトレジスタ42か
らなるシフトレジスタ回路と、第1ラッチ回路43と第
2ラッチ回路44とからなるラッチ回路と、デコーダ4
5と、制御ロジック46と、第1レベルシフタ47及び
第2レベルシフタ48とからなるレベルシフタ回路と、
第1スイッチ49及び第2スイッチ50とからなるスイ
ッチ回路と、圧電振動子21とを備えている。そして、
各シフトレジスタ41,42、各ラッチ回路43,4
4、各レベルシフタ47,48、各スイッチ49,5
0、及び、圧電振動子21は、それぞれノズル開口32
に対応して複数設けられる。
ラ1からの記録データ(SI)に基づいてインク滴を吐
出させる。本実施形態では、記録データの上位ビット
群、記録データの下位ビット群の順に記録ヘッド8へ送
られてくるので、まず、記録データの上位ビット群が第
2シフトレジスタ42にセットされる。全ノズル開口3
2について記録データの上位ビット群が第2シフトレジ
スタ42にセットされると、続いて記録データの下位ビ
ット群が第2シフトレジスタ42にセットされる。この
記録データの下位ビット群のセットに伴い、記録データ
の上位ビット群はシフトして第1シフトレジスタ41に
セットされる。
路43が電気的に接続され、第2シフトレジスタ42に
は第2ラッチ回路44が電気的に接続されている。そし
て、プリンタコントローラ1からのラッチパルス(LA
T1)が各ラッチ回路43,44に入力されると、第1
ラッチ回路43は記録データの上位ビット群をラッチ
し、第2ラッチ回路44は記録データの下位ビット群を
ラッチする。
録データ(上位ビット群,下位ビット群)はそれぞれ、
デコーダ45に入力される。このデコーダ45は、記録
データの上位ビット群及び下位ビット群に基づいて翻訳
を行い、駆動信号COM1,COM2を構成する各波形
部PS1〜PS6や調整要素P0,P20を選択するた
めの波形選択データを生成する。
駆動信号COM1,COM2毎に生成される。即ち、第
1駆動信号COM1に対応する第1波形選択データは、
第1調整要素P0(期間t10)、第1波形部PS1
(期間t11)、第2波形部PS2(期間t12)、及
び、第3波形部PS3(期間t13)に対応する合計4
ビットのデータによって構成されている。また、第2駆
動信号COM2に対応する第2波形選択データは、第2
調整要素P20(期間t20)、第4波形部PS4(期
間t21)、第5波形部PS5(期間t22)、及び、
第6波形部PS6(期間t23)に対応する合計4ビッ
トのデータによって構成されている。
形選択データ生成手段として機能し、2ビットの記録デ
ータ(階調データ)から4ビットの波形選択データを駆
動信号に対応した複数組生成する。
6からのタイミング信号も入力されている。この制御ロ
ジック46は、制御部6と共にタイミング信号発生手段
として機能しており、ラッチ信号(LAT)やチャンネ
ル信号(CH−A,CH−B)の入力に同期してタイミ
ング信号(TYM−A,TYM−B)を発生する。この
タイミング信号も駆動信号COM1,COM2毎に生成
される。即ち、図3に示すように、制御ロジック46
は、ラッチパルス(LAT1)と、第1駆動信号COM
1用のチャンネルパルス(CH11〜CH13)とによ
り、第1タイミング信号(TYM−A)を生成し、ラッ
チパルスと、第2駆動信号COM2用のチャンネルパル
ス(CH21〜CH23)とにより、第2タイミング信
号(TYM−B)を生成する。
の波形選択データは、タイミング信号によって規定され
るタイミングで上位ビット側から順次各レベルシフタ4
7,48に入力される。即ち、第1タイミング信号TY
M−Aに含まれる各タイミングパルスの発生タイミング
に応じて、第1波形選択データが第1レベルシフタ47
に入力される。また、第2タイミング信号TYM−Bに
含まれる各タイミングパルスの発生タイミングに応じ
て、第2波形選択データが第2レベルシフタ48に入力
される。
増幅器として機能し、波形選択データが[1]の場合に
は、対応するスイッチ49,50を駆動できる電圧、例
えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力
する。即ち、第1波形選択データが[1]の場合には第
1スイッチ49に電気信号が出力され、第2波形選択デ
ータが[1]の場合には第2スイッチ50に電気信号が
出力される。
動信号発生回路9からの第1駆動信号COM1が供給さ
れており、第2スイッチ50の入力側には第2駆動信号
COM2が供給されている。また、各スイッチ49,5
0の出力側には圧電振動子21が導通されている。これ
らの第1スイッチ49及び第2スイッチ50は、本発明
における第1スイッチ手段(スイッチ手段の一種)とし
て機能する。即ち、これらのスイッチ49,50は、発
生される駆動信号の種類毎に設けられており、駆動信号
発生回路9と圧電振動子21との間に介在して各駆動信
号COM1,COM2を圧電振動子21へ選択的に供給
する。
9,50の作動を制御する。即ち、第1スイッチ49に
入力された波形選択データが[1]である期間中は、こ
の第1スイッチ49が導通状態になり、第1駆動信号C
OM1が圧電振動子21に供給される。同様に、第2ス
イッチ50に入力された波形選択データが[1]である
期間中は、第2駆動信号COM2が圧電振動子21に供
給される。そして、供給された駆動信号COM1,CO
M2に応じて圧電振動子21の振動子電位が変化する。
一方、各スイッチ49,50に入力された波形選択デー
タが共に[0]の期間中は、各レベルシフタ47,48
からは各スイッチ49,50を作動させるための電気信
号が出力されないので、圧電振動子21へは駆動信号が
供給されない。要するに、波形選択データとして[1]
が設定された期間の調整要素P0,P20、及び、波形
部(第1波形部PS1〜第6波形部PS6)が選択的に
圧電振動子21に供給される。
5、制御ロジック46、及び、各レベルシフタ47,4
8が本発明のスイッチ制御手段として機能し、記録デー
タ(階調データ)に応じて各スイッチ49,50を制御
する。
動信号COM1,COM2と、これらの駆動信号COM
1,COM2の圧電振動子21への供給制御について説
明する。
に、第1駆動信号COM1と、第2駆動信号COM2と
からなる。そして、第1駆動信号COM1は、期間t1
0で発生される第1調整要素P0と、期間t11で発生
される第1波形部PS1と、期間t12で発生される第
2波形部PS2と、期間t13で発生される第3波形部
PS3とからなる。また、第2駆動信号COM2は、期
間t20で発生される第2調整要素P20と、期間t2
1で発生される第4波形部PS4と、期間t22で発生
される第5波形部PS5と、期間t23で発生される第
6波形部PS6とからなる。
する。
定な波形要素によって構成されている。この第1調整要
素P0は、後述するように、記録周期Tの始期において
振動子電位を中間電位Vhmに調整すべく圧電振動子2
1に供給される。なお、中間電位Vhmは、本発明の基
準電位の一種であり、各駆動パルスDP1〜DP3の始
終端電位でもある。
と、第1膨張要素P2と、前側膨張ホールド要素P3と
からなる。第1定電位要素P1は中間電位Vhmで一定
な波形要素であり、第1膨張要素P2は中間電位Vhm
から第1膨張電位Vh1までインク滴を吐出させない程
度の比較的緩やかな一定勾配で電位を上昇させる波形要
素である。また、前側膨張ホールド要素P3は第1膨張
電位Vh1で一定な波形要素である。
素P4と、第1吐出要素P5と、制振ホールド要素P6
と、膨張制振要素P7と、第2定電位要素P8とからな
る。後側膨張ホールド要素P4は第1膨張電位Vh1で
一定な波形要素であり、第1吐出要素P5は第1膨張電
位Vh1から収縮電位VLまで急勾配で電位を下降させ
る波形要素である。そして、制振ホールド要素P6は収
縮電位VLで一定な波形要素であり、膨張制振要素P7
は収縮電位VLから中間電位Vhmまでインク滴を吐出
させない程度の一定勾配で電位を上昇させる波形要素で
ある。また、第2定電位要素P8は、中間電位Vhmで
一定な波形要素である。
と、第1膨張要素P10と、第1膨張ホールド要素P1
1と、第1吐出要素P12と、制振ホールド要素P13
と、膨張制振要素P14とからなる。上記の第3定電位
要素P9は中間電位Vhmで一定な波形要素であり、第
1膨張ホールド要素P11は第1膨張電位Vh1で一定
な波形要素である。そして、この第1膨張ホールド要素
P11の発生時間は前側膨張ホールド要素P3と後側膨
張ホールド要素P4の和に等しい値に設定されている。
なお、これら以外の各波形要素、即ち、第1膨張要素P
10、第1吐出要素P12、制振ホールド要素P13、
及び、膨張制振要素P14は、第1波形部PS1及び第
2波形部PS2における第1膨張要素P2、第1吐出要
素P5、制振ホールド要素P6、及び、膨張制振要素P
7と同じ波形要素であるため説明は省略する。
部PS1及び第2波形部PS2の第1膨張要素P2、前
側膨張ホールド要素P3、後側膨張ホールド要素P4、
第1吐出要素P5、制振ホールド要素P6、及び、膨張
制振要素P7が第1ミドルドット駆動パルスDP1を構
成する。また、第3波形部PS3の第1膨張要素P1
0、第1膨張ホールド要素P11、第1吐出要素P1
2、制振ホールド要素P13、及び、膨張制振要素P1
4が第2ミドルドット駆動パルスDP2を構成する。こ
れらのミドルドット駆動パルスDP1,DP2は何れも
同じ波形形状であり、圧電振動子21に供給されると、
ミドルドットに対応する量のインク滴(中液滴の一種)
がノズル開口32から吐出される。
挙げて説明すると、第1膨張要素P2の供給により圧電
振動子21は素子長手方向に収縮し、圧力室35は中間
電位Vhm(基準電位)に対応する基準容積から第1膨
張電位Vh1に対応する膨張容積まで膨張する。この膨
張により、圧力室35内にはリザーバ33側からインク
が供給される。そして、この圧力室35の膨張状態は、
前側膨張ホールド要素P3及び後側膨張ホールド要素P
4の供給期間中に亘って維持される。
電振動子21は伸長する。この圧電振動子21の伸長に
より、圧力室35は、膨張容積から収縮電位VLに対応
する収縮容積まで急激に収縮される。この圧力室35の
急激な収縮により圧力室35内のインクが加圧され、ノ
ズル開口32から所定量のインク滴が吐出される。圧力
室35の収縮状態は、制振ホールド要素P6の供給期間
に亘って維持される。この間に、インク滴の吐出によっ
て減少した圧力室35内のインク圧力は、その固有振動
によって再び上昇する。この上昇タイミングにあわせて
膨張制振要素P7が供給される。この膨張制振要素P7
の供給により、圧力室35が基準容積まで膨張復帰し、
圧力室35内のインクの圧力変動が吸収される。
記の第1調整要素P0、第1定電位要素P1、第2定電
位要素P8、及び、第3定電位要素P9によって、ミド
ルドット駆動パルス同士DP1,DP2を始終端電位
(中間電位Vhm)で接続し、各ミドルドット駆動パル
スDP1,DP2が記録周期Tを跨いで一定間隔で発生
されるようにしている。即ち、第1調整要素P0の発生
期間と第1定電位要素P1の発生期間の和と、第2定電
位要素P8の発生期間と第3定電位要素P9の発生期間
の和を同じ値に設定している。このように、各ミドルド
ット駆動パルスDP1,DP2を、記録周期Tを跨いで
一定間隔で発生させるようにすると、ミドルドット駆動
パルスDP1,DP2を連続的に圧電振動子21に供給
した際に、供給開始時点におけるメニスカスの状態を一
定にできる。これにより、インク滴の飛行が安定化で
き、画質の向上が図れる。
号COM1では、第1膨張要素P2,P10、前側膨張
ホールド要素P3、後側膨張ホールド要素P4、第1膨
張ホールド要素P11、第1吐出要素P5,P12、制
振ホールド要素P6,P13、及び、膨張制振要素P
7,P14の各波形要素が、本発明における駆動波形要
素として機能する。即ち、これらの波形要素は、インク
滴を吐出させるべく圧力室35の状態を制御する波形要
素として機能する。また、第1調整要素P0、第1定電
位要素P1、第2定電位要素P8、及び、第3定電位要
素P9の各波形要素が、本発明における定電位波形要素
として機能する。即ち、これらの波形要素は、圧力室3
5を基準容積で維持するための波形要素として機能す
る。
する。
素P0と同様に中間電位Vhmで一定な波形要素によっ
て構成されている。そして、この第2調整要素P20
も、記録周期Tの始期において振動子電位を中間電位V
hmに調整するために、圧電振動子21に供給される。
なお、本実施形態では、記録周期Tの始期において、第
2調整要素P20と第1調整要素P0の何れか一方を圧
電振動子21へ供給する構成である。このため、第2調
整要素P20の発生期間t20を、第1調整要素P0の
発生期間t10と同じ時間幅に設定している。
1によって構成されている。この第4定電位要素P21
は、中間電位Vhmで一定な波形要素であり、第1駆動
信号COM1における期間t11から期間t12までの
間に発生される。具体的には、期間t11の開始時点か
ら発生を開始し、第2波形部PS2における制振ホール
ド要素P6の発生期間の途中で発生が終了する。
2と、第2膨張要素P23と、第2膨張ホールド要素P
24と、第2吐出要素P25と、前側吐出ホールド要素
P26とからなる。第5定電位要素P22は、中間電位
Vhmで一定な波形要素であり、極く短時間に亘って発
生される。第2膨張要素P23は中間電位Vhmから第
2膨張電位Vh2まで急激に電位を上昇させる波形要素
であり、第2膨張ホールド要素P24は第2膨張電位V
h2で一定な波形要素である。また、第2吐出要素P2
5は第2膨張電位Vh2から吐出電位Vh3まで急激に
電位を下降させる波形要素であり、前側吐出ホールド要
素P26は吐出電位Vh3で一定な波形要素である。な
お、本実施形態における吐出電位Vh3は、第1駆動信
号COM1における第1膨張電位Vh1と同電位に揃え
られている。
素P27と、収縮制振要素P28と、第6定電位要素P
29とからなる。後側吐出ホールド要素P27は、吐出
電位Vh3で一定な波形要素であり、極く短時間に亘っ
て発生される。収縮制振要素P28は、吐出電位Vh3
から中間電位Vhmまで比較的緩やかな一定勾配で電位
を下降させる波形要素であり、第6定電位要素P29は
中間電位Vhmで一定な波形要素であり、収縮制振要素
P28の終端から記録周期Tの終端に亘って発生され
る。
部PS5及び第6波形部PS6の第2膨張要素P23、
第2膨張ホールド要素P24、第2吐出要素P25、吐
出ホールド要素P26,P27、及び、収縮制振要素P
28がスモールドット駆動パルスDP3を構成する。そ
して、このスモールドット駆動パルスDP3が圧電振動
子21に供給されると、スモールドットに対応する極く
少量のインク滴(小液滴の一種)がノズル開口32から
吐出される。
電振動子21は素子長手方向に急速に収縮し、中間電位
Vhmに対応する基準容積から第2膨張電位Vh2に対
応する第2膨張容積まで急速に膨張する。この膨張によ
り、圧力室35内には比較的強い負圧が発生し、メニス
カス(ノズル開口32で露出しているインクの自由表
面)が圧力室35側に大きく引き込まれる。そして、こ
の圧力室35の膨張状態は、第2膨張ホールド要素P2
4の供給期間中に亘って維持される。この間にメニスカ
スの中心部分の移動方向が吐出方向に反転し、この中心
部分が柱状に盛り上がった状態になる。
圧電振動子21は伸長する。この圧電振動子21の伸長
により、圧力室35は、第2膨張容積から吐出電位Vh
3に対応する吐出容積まで急激に収縮される。そして、
この圧力室35の急激な収縮により圧力室35内のイン
クが加圧されて柱状部分の成長が促され、この柱状部分
が途中でちぎれてインク滴として吐出される。
ールド要素P26と後側吐出ホールド要素P27とが供
給され、その後、収縮制振要素P28が供給される。収
縮制振要素P28は、インク滴の吐出によって減少した
圧力室35内のインク圧力を補うべく圧力室35を収縮
させる。即ち、この収縮制振要素P28の供給により、
圧力室35が基準容積まで収縮し、圧力室35内のイン
クの圧力変動を吸収する。
P3を構成する各波形要素(P23〜P28)は、その
一部の発生期間がミドルドット駆動パルスDP1,DP
2を構成する各波形要素(P2〜P7,P10〜P1
4)の発生期間に重なっている。例えば、スモールドッ
ト駆動パルスDP3の第2膨張要素P23の発生期間
は、その一部が第1ミドルドット駆動パルスDP1の膨
張制振要素P7の発生期間に重なっている。また、スモ
ールドット駆動パルスDP3の収縮制振要素P28の発
生期間は、終端部分で第2ミドルドット駆動パルスDP
2の第1膨張要素P10の発生期間に重なっている。こ
のように、各駆動パルスDP1〜DP3を各駆動信号C
OM1,COM2に分けて設け、時間的に重畳させて発
生させると、限られた長さの記録周期Tであっても、駆
動パルスDP1〜DP3を効率よく配置できる。その結
果、記録ヘッド8の高周波駆動が実現できる。
記の第2調整要素P20、第4定電位要素P21、第5
定電位要素P22、及び、第6定電位要素P29によ
り、スモールドット駆動パルスDP3同士を始終端電位
(中間電位Vhm)で接続している。さらに、このスモ
ールドット駆動パルスDP3の発生タイミングを、第1
ミドルドット駆動パルスDP1と第2ミドルドット駆動
パルスDP2との中間に設定している。詳しくは、スモ
ールドット駆動パルスDP3における第2吐出要素P2
5の発生タイミングを、第1ミドルドット駆動パルスD
P1における第1吐出要素P5の発生タイミングと第2
ミドルドット駆動パルスDP2における第1吐出要素P
12の発生タイミングの丁度中間に設定している。これ
は、画質の向上を図るためである。
おいて第1ミドルドット駆動パルスDP1と第2ミドル
ドット駆動パルスDP2の両方を圧電振動子21に供給
し、ミドルドットの記録時において第2ミドルドット駆
動パルスDP2を圧電振動子21に供給する。さらに、
スモールドットの記録時においてはスモールドット駆動
パルスDP3を圧電振動子21に供給する。
を、第1ミドルドット駆動パルスDP1と第2ミドルド
ット駆動パルスDP2の中間に発生させると、前回記録
周期Tと今回記録周期Tとで記録階調が切り替わっても
インク滴の吐出間隔を均等にできる。例えば、前回記録
周期Tでスモールドットを、今回記録周期Tでラージド
ットをそれぞれ記録した場合の吐出間隔と、前回記録周
期Tでラージドットを、今回記録周期Tでスモールドッ
トをそれぞれ記録した場合の吐出間隔とを揃えることが
できる。これにより、今回記録周期Tにおけるメニスカ
スの状態が一定となり、インク滴の吐出を安定化でき、
ひいては画質の向上を図ることができる。
号COM2では、第2膨張要素P23、第2膨張ホール
ド要素P24、第2吐出要素P25、前側吐出ホールド
要素P26、後側吐出ホールド要素P27、及び、収縮
制振要素P28の各波形要素が、本発明における駆動波
形要素として機能する。また、第2調整要素P20、第
4定電位要素P21、第5定電位要素P22、及び、第
6定電位要素P29の各波形要素が、本発明における定
電位波形要素として機能する。
における多階調の制御について説明する。この多階調の
制御において、各スイッチ49,50は、スイッチ制御
手段(デコーダ45、制御ロジック46、及び、各レベ
ルシフタ47,48,以下同様。)により制御される。
そして、各スイッチ49,50は、選択された駆動信号
COM1,COM2を圧電振動子21に供給する。即
ち、第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2と
は、同時に圧電振動子21に供給されない。これは、振
動子電位を安定化させるためである。
の場合、デコーダ45は、非記録の階調データ[00]
の翻訳により、第1波形選択データ[1100]及び第
2波形選択データ[0001]を生成する。そして、ス
イッチ制御手段は、生成された波形選択データに基づい
て第1スイッチ49及び第2スイッチ50の動作を制御
し、第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2の
圧電振動子21への供給を制御する。
第1調整要素P0を圧電振動子21に供給する。これに
より、振動子電位は中間電位Vhmに調整される。ここ
で、第1調整要素P0と第2調整要素P20は、次に供
給される波形部(波形要素)に応じて選択され、選択さ
れた要素が圧電振動子21に供給される。具体的には、
次に供給される波形部が第1駆動信号COM1のもので
あれば第1調整要素P0が選択され、第2駆動信号CO
M2のものであれば第2調整要素P20が選択される。
これは、各スイッチ49,50の作動回数を低減するた
めである。即ち、各スイッチ49,50の作動回数が低
減すると、圧電振動子21に供給される駆動信号が安定
化され、圧電振動子21の動作も安定化するためであ
る。
49が接続状態とされる一方で、期間t21において第
2スイッチ50は切断状態とされる。これにより、図4
に太線で示すように、第1駆動信号COM1の第1波形
部PS1が圧電振動子21に供給され、第1膨張要素P
2によって圧力室35は膨張容積まで膨張する。この圧
力室35の膨張に伴って圧力室35内のインクが少し減
圧される。
第1スイッチ49が切断状態に制御され、期間t22に
おいては第2スイッチ50が切断状態に制御される。こ
れにより、期間t12の開始から期間t22の終了ま
で、圧電振動子21には第1駆動信号COM1も第2駆
動信号COM2も供給されない。その結果、図4に細線
で示すように、振動子電位は切断直前の電位である第1
膨張電位Vh1を維持し、圧力室35の容積は膨張容積
を維持する。この期間において圧力室35内のインクに
は、期間t11での減圧による圧力振動が励起される。
接続状態に制御される。これにより、図4に太線で示す
ように、第2駆動信号COM2の第6波形部PS6が圧
電振動子21に供給され、収縮制振要素P28によって
圧力室35は基準容積まで収縮する。そして、この圧力
室35の収縮に伴って圧力室35内のインクが少し加圧
される。
動により、メニスカスは、圧力室側と吐出側とに僅かに
振動する。このメニスカスの微振動によってノズル開口
32付近の増粘インクが分散され、インクの増粘が防止
される。
M1における第1膨張電位Vh1と、第2駆動信号CO
M2における吐出電位Vh3とを同電位に揃えているの
で、期間t23にて第6波形部PS6(後側吐出ホール
ド要素P27)を圧電振動子21に供給した際に、振動
子電位と第6波形部PS6の始端電位とが揃う。このた
め、第6波形部PS6を圧電振動子21に対して円滑に
供給できる。
録階調の場合に、第1駆動信号COM1を構成する一部
の波形要素(第1膨張要素P2,前側膨張ホールド要素
P3等)と、第2駆動信号COM2を構成する一部の波
形要素(後側吐出ホールド要素P27,収縮制振要素P
28等)とを組み合わせて圧電振動子21に供給し、メ
ニスカスを微振動させている。これにより、微振動専用
の波形要素を各駆動信号COM1,COM2内に設けな
くてもメニスカスを微振動させることができ、ノズル開
口32付近のインク増粘を防止できる。
いて説明する。この場合、デコーダ45は、スモールド
ットの階調データ[01]の翻訳により、第1波形選択
データ[0000]及び第2波形選択データ[111
1]を生成する。そして、スイッチ制御手段は、生成さ
れた波形選択データに基づいて第1駆動信号COM1及
び第2駆動信号COM2の圧電振動子21への供給を制
御する。
整要素P20が圧電振動子21に供給され、振動子電位
が中間電位Vhmに調整される。そして、期間t11,
期間t12,期間t13において第1スイッチ49が切
断状態に制御され、期間t21,期間t22,期間t2
3において第2スイッチ50が接続状態に制御される。
これにより、期間t21で第4波形部PS4が、期間t
22で第5波形部PS5が、期間t23で第6波形部P
S6がそれぞれ圧電振動子21に供給される。即ち、ス
モールドット駆動パルスDP3が圧電振動子21に供給
される。その結果、図5に太線で示すように、振動子電
位が第2駆動信号COM2に倣って変化し、スモールド
ット駆動パルスDP3による極く少量のインク滴がノズ
ル開口32から吐出される。
ち、ミドルドット駆動パルスの一部を用いる場合)につ
いて説明する。この場合、デコーダ45は、ミドルドッ
トの階調データ[10]の翻訳により、第1波形選択デ
ータ[0001]及び第2波形選択データ[1100]
を生成する。そして、スイッチ制御手段は、生成された
波形選択データに基づいて第1駆動信号COM1及び第
2駆動信号COM2の圧電振動子21への供給を制御す
る。
整要素P20が圧電振動子21に供給され、振動子電位
が中間電位Vhmに調整される。期間t11及び期間t
12では第1スイッチ49が切断状態とされ、期間t2
1において第2スイッチ50が接続状態とされる。これ
により、図6に太線で示すように、第2駆動信号COM
2の第4波形部PS4が圧電振動子21に供給され、第
4定電位要素P21によって振動子電位が中間電位Vh
mで維持される。
切断状態に制御されるので、t22の開始からt13の
開始直前までに亘って、圧電振動子21には第1駆動信
号COM1も第2駆動信号COM2も供給されない。そ
の結果、図6に細線で示すように、振動子電位は切断直
前の電位である中間電位Vhmを維持する。そして、先
の期間t21で第4定電位要素P21が圧電振動子21
に供給されているため、駆動信号の非供給期間は比較的
短時間となる。
チ49が接続状態に制御される。これにより、図6に太
線で示すように、第1駆動信号COM1の第3波形部P
S3が圧電振動子21に供給され、第2ミドルドット駆
動パルスDP2の供給によりミドルドットに対応する少
量のインク滴が吐出される。
トの記録階調の場合にも、第1駆動信号COM1を構成
する一部の波形要素(第3定電位要素P9,第1膨張要
素P10,第1膨張ホールド要素P11,第1吐出要素
P12,制振ホールド要素P13,膨張制振要素P1
4)と、第2駆動信号COM2を構成する一部の波形要
素(第4定電位要素P21)とを組み合わせて圧電振動
子21に供給している。即ち、波形要素の関係で第1駆
動信号COM1を供給できない期間(期間t11,期間
t12)において、第2駆動信号COM2の第4定電位
要素P21を供給することで、振動子電位を中間電位V
hmに維持している。
電振動子21への非供給期間を可及的に短くするためで
ある。即ち、プリンタを高湿下で使用した場合や圧電振
動子21を長期間に亘って酷使する等によって圧電体の
絶縁抵抗が低下した場合には、圧電振動子21における
電荷の保持力が低下する虞がある。そして、電荷の保持
力が低下すると、非供給期間における放電により振動子
電位が徐々に下降してしまう。このため、非供給期間が
長期に亘ると振動子電位の下降幅が大きくなり、次に駆
動信号を供給した際に駆動信号の電位と振動子電位との
電位差が大きくなってしまう。この場合、圧電振動子2
1の急激な変形が生じてインク滴が誤って吐出されてし
まう。そして、本実施形態のように、駆動信号COM
1,COM2の非供給期間を可及的に短くすると、万
一、電荷の保持力が低下したとしても、振動子電位の下
降幅を少なくできるので、駆動信号COM1,COM2
を支障なく供給することができる。
て説明する。この場合、デコーダ45は、ラージドット
の階調データ[11]の翻訳により、第1波形選択デー
タ[1111]及び第2波形選択データ[0000]を
生成する。そして、スイッチ制御手段は、生成された波
形選択データに基づいて第1駆動信号COM1及び第2
駆動信号COM2の圧電振動子21への供給を制御す
る。
整要素P0が圧電振動子21に供給され、振動子電位が
中間電位Vhmに調整される。そして、期間t11,期
間t12,期間t13において第1スイッチ49が接続
状態に制御される一方、期間t21,期間t22,期間
t23では第2スイッチ50が切断状態に制御される。
これにより、期間t11で第1波形部PS1が、期間t
12で第2波形部PS2が、期間t13で第3波形部P
S3がそれぞれ圧電振動子21に供給される。即ち、第
1ミドルドット駆動パルスDP1と第2ミドルドット駆
動パルスDP2とが圧電振動子21に供給される。その
結果、図7に太線で示すように、振動子電位が第1駆動
信号COM1に倣って変化し、ミドルドット駆動パルス
による少量のインク滴がノズル開口32から2回続けて
吐出され、これらのインク滴によってラージドットが記
録される。
つのミドルドット駆動パルスDP1,DP2を第1駆動
信号COM1に含ませると共に、1つのスモールドット
駆動パルスDP3を第2駆動信号COM2に含ませ、且
つ、ミドルドット駆動パルスDP1,DP2の発生期間
とスモールドット駆動パルスDP3の発生期間とを部分
的に重畳させているので、記録周期Tを短縮化できる。
これにより、圧電振動子21の高周波駆動が可能とな
り、記録ヘッド8の性能を十分に発揮させることができ
る。
形要素の一部と、第2駆動信号COM2を構成する波形
要素の一部とを組み合わせて圧電振動子21に供給して
いるので、各駆動信号には明示されていない新たなパタ
ーンでの駆動が可能である。例えば、専用の微振動パル
スを用いなくても、メニスカスを微振動させることがで
きる。また、圧電振動子21への駆動信号の非供給期間
を可及的に短くすることもできる。これにより、記録ヘ
ッド8を高周波駆動しつつも、複雑な制御を実現でき
る。
されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて
種々の変形が可能である。
種類毎に設けられた第1スイッチ49及び第2スイッチ
50により、各駆動信号COM1,COM2を圧電振動
子21へ選択的に供給するようにしたものを例示した
が、この構成に限定されるものではない。例えば、図8
に示す切換スイッチ61により、各駆動信号COM1,
COM2を圧電振動子21へ選択的に供給してもよい。
2スイッチ手段として機能するものであり、各圧電振動
子21毎に設けられる。この切換スイッチ61は、発生
される駆動信号の種類に対応して設けられた第1入力接
点61a、第2入力接点61b及びオフ接点61cと、
圧電振動子21に導通される出力端子61dとを有して
おり、各接点61a〜61cの1つが選択的に出力端子
61dに導通される。そして、第1入力接点61aには
第1駆動信号COM1の供給線が電気的に接続され、第
2入力接点61bには第2駆動信号COM2の供給線が
電気的に接続され、オフ接点61cは電気的に非接続と
されている。
dに導通させる接点61a〜61cを切り換えること
で、各駆動信号COM1,COM2を選択的に圧電振動
子21へ供給できる。即ち、第1入力接点61aを導通
させると第1駆動信号COM1を供給でき、第2入力接
点61bを導通させると第2駆動信号COM2を供給で
きる。また、オフ接点61cを導通させると第1駆動信
号COM1と第2駆動信号COM2の何れも供給されな
い。
ダ62及びスイッチ制御回路63(本発明のスイッチ制
御手段に相当)によって、動作が制御される。即ち、デ
コーダ62は、スイッチ切換データ生成手段として機能
し、記録データ(階調データ)の翻訳により、第1入力
接点61a([1])、第2入力接点61b
([2])、オフ接点61c([0])の何れかを示す
スイッチ切換データを生成する。そして、このスイッチ
切換データを、制御ロジック46´からのタイミングに
同期させてスイッチ制御回路63に出力する。
[00]の場合、デコーダ62は、スイッチ切換データ
[110002]を生成する。そして、このスイッチ切
換データの上位ビット側から順に、期間t10(t2
0)の開始タイミング、期間t11(t21)の開始タ
イミング、期間t12の開始タイミング、期間t22の
開始タイミング、期間t13の開始タイミング、及び、
期間t23の開始タイミングでスイッチ制御回路63に
出力する。これにより、期間t10及び期間t11で
は、切換スイッチ61が第1入力接点61aに導通され
て第1駆動信号COM1の第1調整要素P0及び第1波
形部PS1が圧電振動子21に供給される。その後、期
間t23の直前までは切換スイッチ61がオフ接点61
cに切り換えられるので、駆動信号の供給が遮断され
る。そして、期間t23では、切換スイッチ61が第2
入力接点61bに切り換えられて第2駆動信号COM2
の第6波形部PS6が圧電振動子21に供給される。そ
の結果、上記した実施形態と同様に、印字内微振動を行
うことができる。
ダ62は、スイッチ切換データ[222222]を生成
する。これにより、記録周期Tの全期間に亘って切換ス
イッチ61が第2入力接点61bに導通され、第2駆動
信号COM2の第2調整要素P20,第4波形部PS
4,第5波形部PS5,第6波形部PS6が圧電振動子
21に供給される。その結果、上記した実施形態と同様
に、スモールドットに対応するインク滴を吐出させるこ
とができる。
ダ62は、スイッチ切換データ[222011]を生成
する。これにより、期間t22の開始直前までは切換ス
イッチ61が第2入力接点61bに導通されて第2駆動
信号COM2の第2調整要素P20及び第4波形部PS
4が圧電振動子21に供給される。そして、期間t22
の開始時点から期間t13の開始直前までは切換スイッ
チ61がオフ接点61cに切り換えられ、駆動信号の供
給が遮断される。その後、期間t13で切換スイッチ6
1が第1入力接点61aに切り換えられて第1駆動信号
COM1の第3波形部PS3が圧電振動子21に供給さ
れる。その結果、上記した実施形態と同様に、ミドルド
ットに対応するインク滴を吐出させることができる。
ダ62は、スイッチ切換データ[111111]を生成
する。これにより、記録周期Tの全期間に亘って切換ス
イッチ61が第1入力接点61aに導通され、第1駆動
信号COM1の第1調整要素P0,第1波形部PS1,
第2波形部PS2,第3波形部PS3が圧電振動子21
に供給される。その結果、上記した実施形態と同様に、
ラージドットに対応するインク滴を吐出させることがで
きる。
21に対して1つの切換スイッチ61を制御すれば足り
るので、スイッチ制御の単純化が図れる。
信号に関し、上記実施形態では、1記録周期T内に2つ
のミドルドット駆動パルスDP1,DP2を有する第1
駆動信号COM1、及び、1つのスモールドット駆動パ
ルスDP3を有する第2駆動信号COM2を例示した
が、この構成に限定されない。例えば、第1駆動信号C
OM1に3つ以上の駆動パルスを含ませ、第2駆動信号
に2つ以上の駆動パルスを含ませてもよい。この場合に
おいて、第1駆動信号COM1にはミドルドット駆動パ
ルスDP1,DP2以外の駆動パルスを含ませてもよ
く、第2駆動信号COM2にはスモールドット駆動パル
スDP3以外の駆動パルスを含ませるでもよい。
施形態では、2種類の駆動信号を発生可能なものを例示
したが、3種類以上の駆動信号を発生させても同様に実
施できる。
では、所謂縦振動モードの圧電振動子21を用いた場合
について説明したが、これに限定されるものではない。
即ち、駆動パルスの供給によって電位を変化させ、駆動
パルスの供給を遮断した場合には直前の電位を保持可能
な素子であれば種々のものを用いることができる。例え
ば、所謂撓み振動モードの圧電振動子を用いてもよい
し、静電アクチュエータを用いてもよい。
ッタ、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジ
ェット式記録装置にも適用可能である。また、本発明
は、記録装置以外の液体噴射装置にも適用することがで
きる。例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタを
製造するディスプレー製造装置,有機EL(Electro Lu
minescence)ディスプレーやFED(面発光ディスプレ
ー)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ
(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,極く少量
の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適
用することができる。そして、ディスプレー製造装置で
は、色材噴射ヘッドからR(Red)・G(Green)・B
(Blue)の各色材の溶液を吐出する。また、電極製造装
置では、電極材噴射ヘッドから液状の電極材料を吐出す
る。チップ製造装置では、生体有機物噴射ヘッドから生
体有機物の溶液を吐出する。
である。
断面図である。
駆動信号の供給制御を説明する図である。
する図である。
給制御を説明する図である。
制御を説明する図である。
制御を説明する図である。
である。
…外部I/F,4…RAM,5…ROM,6…制御部,
7…発振回路,8…記録ヘッド,9…駆動信号発生回
路,10…内部I/F,11…キャリッジ機構,12…
紙送り機構,21…圧電振動子,22…固定板,23…
フレキシブルケーブル,24…振動子ユニット,25…
ケース,26…流路ユニット,27…収納空部,28…
島部,29…流路形成基板,30…ノズルプレート,3
1…振動板,32…ノズル開口,33…リザーバ,34
…インク供給口,35…圧力室,36…ノズル連通口,
37…支持板,38…樹脂フィルム,41…第1シフト
レジスタ,42…第2シフトレジスタ,43…第1ラッ
チ回路,44…第2ラッチ回路,45…デコーダ,4
6,46´…制御ロジック,47…第1レベルシフタ,
48…第2レベルシフタ,49…第1スイッチ,50…
第2スイッチ,61…切換スイッチ,62…デコーダ,
63…スイッチ制御回路
Claims (11)
- 【請求項1】 電位に応じて状態を変化させ、圧力室内
の液体に圧力変動を生じさせ得る圧力発生素子及び圧力
室に連通したノズル開口を有する液体噴射ヘッドと、 駆動パルスを含んだ駆動信号を吐出周期毎に繰り返し発
生する駆動信号発生手段と、 前記駆動信号の圧力発生素子への供給を制御可能なスイ
ッチ手段と、 階調データに応じてスイッチ手段を制御するスイッチ制
御手段とを備え、 前記階調データに応じて駆動パルスの圧力発生素子への
供給を制御し、ノズル開口からの液滴の吐出を制御可能
な液体噴射装置において、 前記駆動信号発生手段は、吐出周期内における駆動パル
スの発生期間が少なくとも一部で重なっており、且つ、
複数の波形要素によって構成されている複数種類の駆動
信号を発生する構成とし、 前記スイッチ手段は、各駆動信号を選択的に圧力発生素
子へ供給可能な構成とし、 前記スイッチ制御手段は、1吐出周期内で各駆動信号の
波形要素を組み合わせて圧力発生素子に供給可能なこと
を特徴とする液体噴射装置。 - 【請求項2】 前記駆動信号は、駆動パルスを構成する
駆動波形要素と駆動パルスの始終端電位で一定の定電位
波形要素とを含んでいることを特徴とする請求項1に記
載の液体噴射装置。 - 【請求項3】 前記スイッチ制御手段は、1つの駆動信
号の駆動波形要素と他の駆動信号の駆動波形要素とを組
み合わせて圧力発生素子に供給することを特徴とする請
求項2に記載の液体噴射装置。 - 【請求項4】 前記スイッチ制御手段は、1つの駆動信
号の駆動波形要素と他の駆動信号の定電位波形要素とを
組み合わせて圧力発生素子に供給することを特徴とする
請求項2に記載の液体噴射装置。 - 【請求項5】 前記スイッチ手段は、駆動信号発生手段
と圧力発生素子との間に介在し、発生される駆動信号の
種類毎に設けられた複数の第1スイッチ手段からなるこ
とを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の
液体噴射装置。 - 【請求項6】 前記第1スイッチ手段は、切り換えによ
って1つの駆動信号を圧力発生素子に供給することを特
徴とする請求項5に記載の液体噴射装置。 - 【請求項7】 前記スイッチ手段は、発生される駆動信
号の種類毎に設けられた複数の入力接点と、圧力発生素
子に導通される出力端子とを有し、各入力接点を切り換
えて出力端子に導通可能な第2スイッチ手段であること
を特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の液
体噴射装置。 - 【請求項8】 前記駆動信号発生手段は、第1駆動信号
を発生可能な第1駆動信号発生手段と、第2駆動信号を
発生可能な第2駆動信号発生手段とを備え、 前記第1駆動信号は、第1駆動パルスを1吐出周期内に
少なくとも2つ有する一連の信号であって、これらの第
1駆動パルスが吐出周期を跨いで一定間隔で発生される
信号であり、 前記第2駆動信号は、第2駆動パルスを1吐出周期内に
少なくとも1つ有する一連の信号であって、隣り合う第
1駆動パルス同士の中間のタイミングで第2駆動パルス
が発生される信号であることを特徴とする請求項1に記
載の液体噴射装置。 - 【請求項9】 前記第1駆動パルスは、基準電位から膨
張電位まで一定勾配で電位を変化させ、圧力室を基準容
積から膨張容積まで膨張させる膨張要素と、膨張電位を
所定時間維持し、圧力室の膨張状態を維持する膨張ホー
ルド要素とを少なくとも含み、 前記第2駆動パルスは、吐出電位を所定時間維持し、圧
力室を吐出容積で維持する吐出ホールド要素と、吐出電
位から基準電位まで一定勾配で電位を変化させ、圧力室
を吐出容積から基準容積まで収縮させる収縮制振要素と
を少なくとも含み、 前記第1駆動パルスの膨張電位と第2駆動パルスの吐出
電位とを同電位に揃え、 前記スイッチ制御手段は、非吐出を示す階調データの場
合に、膨張要素、膨張ホールド要素、吐出ホールド要
素、及び、収縮制振要素を圧力発生素子に供給し、液滴
が吐出されない程度の圧力変動を圧力室内の液体に付与
することを特徴とする請求項8に記載の液体噴射装置。 - 【請求項10】 前記第1駆動信号及び第2駆動信号
は、基準電位で一定な定電位波形要素によって駆動パル
ス同士の始終端を接続する信号であり、 前記スイッチ制御手段は、第1駆動信号に含まれる一部
の第1駆動パルスを用いる階調データの場合に、当該第
1駆動パルスと第2駆動信号に含まれる定電位波形要素
とを圧力発生素子に供給し、第1駆動パルスの非供給期
間にて、定電位波形要素により圧力発生素子の電位を基
準電位に調整することを特徴とする請求項8に記載の液
体噴射装置。 - 【請求項11】 電位に応じて状態を変化させ、圧力室
内の液体に圧力変動を生じさせ得る圧力発生素子及び圧
力室に連通したノズル開口を有する液体噴射ヘッドと、 駆動パルスを含んだ駆動信号を吐出周期毎に繰り返し発
生する駆動信号発生手段と、 前記駆動信号の圧力発生素子への供給を制御可能なスイ
ッチ手段と、 階調データに応じてスイッチ手段を制御するスイッチ制
御手段とを備え、 前記階調データに応じて駆動パルスの圧力発生素子への
供給を制御し、ノズル開口からの液滴の吐出を制御可能
な液体噴射装置の駆動方法において、 吐出周期内における駆動パルスの発生期間が少なくとも
一部で重なっており、且つ、複数の波形要素によって構
成されている複数種類の駆動信号を発生させ、 階調データに基づき、1吐出周期内で各駆動信号の波形
要素を組み合わせて圧力発生素子に供給することを特徴
とする液体噴射装置の駆動方法。
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