JP2003130143A - 小型減速機およびこれを備えたギヤードモータ - Google Patents
小型減速機およびこれを備えたギヤードモータInfo
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Abstract
歯車機構の構成部品間でキャリアを回転支持することが
できる小型減速機およびこれを備えたギヤードモータを
提供することを課題とする。 【解決手段】 太陽歯車10と、遊星歯車11と、遊星
歯車11を自転自在に支持するキャリア12と、遊星歯
車11に噛み合う固定内歯歯車13および可動内歯歯車
14と、から成る遊星歯車機構5を備えた小型減速機3
において、キャリア12は、一方の端部を同軸上におい
て固定内歯歯車13に回転自在に支持されると共に、他
方の端部を同軸上において可動内歯歯車14に回転自在
に支持されている。
Description
帯電話等の小型電子機器に搭載される小型減速機および
これを備えたギヤードモータに関するものである。
ドモータとして、例えば特開平1−316546号公報
に記載のものが知られている。この小型減速機は、主体
を為す遊星歯車機構と、遊星歯車機構を収容する2分割
構造のケースとから成り、モータ側のケースを介してモ
ータに一体的に取り付けられている(ギヤードモー
タ)。遊星歯車機構は、モータの主軸に固定した太陽歯
車と、太陽歯車に噛み合う複数の遊星歯車と、複数の遊
星歯車を回転自在に支持するキャリアと、遊星歯車に噛
み合う固定内歯歯車と、遊星歯車に噛み合うと共に出力
軸を一体に形成した可動内歯歯車とで構成されている。
この場合、キャリアは、一方の端部を固定内歯歯車に形
成した軸突起に回転自在に支持され、他方の端部をモー
タ側のケースに回転自在に支持されている。
減速機では、キャリアの他方の端部をケースに軸支する
ようにしているため、組付け精度も含めカバーとしての
ケース自体にも高い精度が要求される問題があった。す
なわち、遊星歯車機構を構成する部品以外にも、高い精
度が要求される部品が必要となり、全体としてコスト高
になる問題があった。
となく、遊星歯車機構の構成部品間でキャリアを回転支
持することができる小型減速機およびこれを備えたギヤ
ードモータを提供することをその課題としている。
入力側の太陽歯車と、太陽歯車に噛み合う遊星歯車と、
遊星歯車を自転自在に且つ太陽歯車廻りに公転自在に支
持するキャリアと、遊星歯車に噛み合う固定内歯歯車
と、遊星歯車に噛み合う出力側の可動内歯歯車と、から
成る遊星歯車機構を備えた小型減速機において、キャリ
アは、一方の端部を同軸上において固定内歯歯車に回転
自在に支持されると共に、他方の端部を同軸上において
可動内歯歯車に回転自在に支持されていることを特徴と
する。
品であるキャリアは、同軸上において固定内歯歯車およ
び可動内歯歯車に両持ちで回転自在に支持される。この
ため、キャリアおよびキャリアに支持した遊星歯車を、
回転ぶれを発生させること無く適切に支持することがで
きる。また、歯車として精度を要求される固定内歯歯車
および可動内歯歯車に、キャリアの回転支持部(軸受け
部)を形成しているため、組付け精度を含め、高精度な
回転支持部を比較的容易に形成することができる。
面を固定内歯歯車の内周面に回転自在に支持されている
ことが、好ましい。
車との間の摺接面積は大きくなるものの、キャリアにお
ける一方の端部の回転支持精度を高めることができる。
に形成された環状突部を有し、固定内歯歯車は、内歯形
成部に連なる環状段部を有し、キャリアは、環状突部の
外周面で環状段部の内周面に回転自在に支持されると共
に、環状突部の端面で環状段部に対し軸方向に位置規制
されていることが、好ましい。
固定内歯歯車の環状段部に回転自在に支持しつつ、環状
突部の端面を環状段部に位置規制することができ、回転
するキャリアの軸方向(スラスト方向)の移動を規制す
ることができる。また、環状突部が薄肉に形成されてい
るため、環状突部の端面と環状段部との間の摺接面積を
極力小さくすることができ、この部分の回転ロス(回転
摩擦抵抗)を抑制することができる。
に軸突起を有して有底円筒状に形成され、キャリアは、
他方の端部に形成した円形軸孔により軸突起に回転自在
に支持され、軸突起は、テーパー形状に形成されている
ことが、好ましい。
車との間の摺接面積を小さくすることができ、この部分
の回転ロス(回転摩擦抵抗)を極力抑制することができ
る。また、軸突起がテーパー形状に形成されているた
め、有底円筒状の可動内歯歯車を樹脂等で一体成形する
場合、型抜きを容易なものとすることができ、可動内歯
歯車を超小型に形成する場合に、特に有用となる。な
お、キャリアと可動内歯歯車とを、同方向に回転する構
成にすることが、好ましい。
軸孔周縁部には、円形軸孔と同軸上に環状凸部が形成さ
れ、キャリアは、環状凸部で軸突起の周囲に対し軸方向
に位置規制されていることが、好ましい。
環状凸部によりキャリアの軸方向(スラスト方向)の移
動を規制することができる。また、環状凸部を設けるこ
とにより、キャリアの端面(環状凸部の端面)と可動内
歯歯車との間の摺接面積を極力小さくすることができ、
この部分の回転ロス(回転摩擦抵抗)を抑制することが
できる。
において出力軸が連結されており、軸突起を含む可動内
歯歯車と出力軸とは、一体に成形されていることが、好
ましい。
とを、一体成形により簡単に形成することができると共
に、軸突起により、一体成形による型抜きを容易なもの
とすることができる。したがって、極めて小さな可動内
歯歯車および出力軸を、比較的簡単に作製することがで
きる。
持ちで支持し、且つ軸方向の中間位置で2分割に構成さ
れていることが、好ましい。
歯車側の半部と可動内歯歯車側の半部とで2分割とする
ことができ、キャリアが極めて小さいものであっても、
比較的簡単に作製することができる。
し7のいずれかに記載の小型減速機と、小型減速機を主
軸に直結したモータと、から成ることを特徴とする。
ト且つ精度良く形成することができ、全体として高精度
のギヤードモータを提供することができる。
明の一実施形態に係る小型減速機およびこれを備えたギ
ヤードモータについて説明する。図1はギヤードモータ
の外観斜視図、図2はその分解斜視図、図3はその断面
図である。これらの図に示すように、このギヤードモー
タ1は、超小型のモータ2と、このモータ2に直結した
小型減速機3とで構成され、またモータ2は、例えば呼
び径6mm程度のDCモータで構成されている。
主体を為す遊星歯車機構5を内蔵して、構成されてい
る。ケース4は、モータ2に固定した入力側ケース7
と、入力側ケース7にスナップイン形式で接合する出力
側ケース8とで、2分割に構成されている。一方、遊星
歯車機構5は、モータ2に直結した入力側の太陽歯車1
0と、太陽歯車10に噛み合う3個の遊星歯車11,1
1,11と、各遊星歯車11を自転自在に且つ太陽歯車
10廻りに公転自在に支持するキャリア12と、遊星歯
車11に噛み合う固定内歯歯車13と、遊星歯車11に
噛み合うと共に出力軸15を一体に形成した可動内歯歯
車14とで、構成されている。
ス7は、内側に平面視略十字状の十字溝21を有して、
ブロック状に一体に成形されており、その中心部分に
は、モータ2の主軸2a廻りに形成したボス2bに嵌合
する嵌合開口22が形成されている。十字溝21には、
小ねじ23,23用の一対の座ぐり溝24,24と、固
定内歯歯車13を固定するための一対の嵌合溝25,2
5とが、周方向に交互に形成されている。すなわち、一
対の座ぐり溝24,24と一対の嵌合溝25,25と
は、周方向に90°ずつ位相をずらして交互に配設され
ている。入力側ケース7は、一対の座ぐり溝24,24
を介してモータ2の端面2cに螺合した2本の小ねじ2
3,23により、モータ2の出力側の端面2cにねじ止
め固定されている。
よび一対の嵌合溝25,25を十字状に配設することに
より、入力側ケース7の内部にデットスペースが生ずる
ことがなく、入力側ケース7内のスペース効率を向上さ
せることができる。また、これにより、入力側ケース7
を高さ(丈)的にコンパクトに構成することができる。
ップイン用の4つの係止突起26と、上記の一対の座ぐ
り溝24,24および一対の嵌合溝25,25に面する
4つの方形凸部27とが、周方向に交互に形成されてい
る。各係止突起26は、ガイド斜面26aを有して角形
尖塔状に形成されており、後述する出力側ケース8の係
止孔34がスナップイン形式で係止されるようになって
いる。また、4つの方形凸部27には、出力側ケース8
の4つの切欠き部32が嵌り込み、出力側ケース8が軸
方向および周方向に位置決めされるようになっている。
ス8は、周壁部8aと先端側の覆い壁部8bとで略円筒
状に一体に成形されており、覆い壁部8bの中心部に
は、可動内歯歯車14を回転自在に支持する円形の摺接
開口31が形成されている(詳細は後述する)。周壁部
8aにおける出力側ケース8の接合部分には、周方向に
均等配置した4つの切欠き部32により4つの突片33
が形成され、この各突片22に、入力側ケース7の係止
突起26が係止される係止孔34が形成されている。
に対し、4つの切欠き部32を4つの方形凸部27に位
置合わせした後、軸方向から出力側ケース8を押し込む
と、出力側ケース8の各突片33が入力側ケースの係止
突起(ガイド斜面26a)26を乗り越えて、係止孔3
4にスナップイン形式で係止される。また、この状態
で、出力側ケース8の4つの切欠き部32が入力側ケー
ス7の4つの方形凸部27に嵌り込み、出力側ケース8
が入力側ケース7に不動に且つ抜止め状態に接合され
る。
0は、太陽歯車形成部37と、太陽歯車形成部37のモ
ータ2側に連なる軸穴形成部38とから成り、樹脂等で
一体に成形されている。軸穴形成部38は、太陽歯車形
成部を支持すべくこれより幾分太径に形成され、略半円
形断面の軸穴39を介して、モータ2の主軸(入力軸)
2aに打ち込むようにして軸着されている。また、太陽
歯車形成部37は、後述する各遊星歯車11の大歯車形
成部44に噛み合っている。
星歯車11は、歯車本体41と、同軸上において歯車本
体41の軸方向の両端部に突設した一対の支軸部42
a,42bとから成り、樹脂等で一体に成形されてい
る。歯車本体41は、可動内歯歯車14に噛み合う小歯
車形成部43と、小歯車形成部43のモータ2側に連な
る大歯車形成部44とで一体に形成され、大歯車形成部
44には、太陽歯車10が噛み合うと共に固定内歯歯車
13が噛み合っている。
は、歯数および各歯の位相が同一で、モジュールが異な
る構成になっている。したがって、小歯車形成部43
は、大歯車形成部44よりそのピッチ円直径が小さく、
且つその輪郭線が大歯車形成部44の輪郭線内に納まっ
ている。これにより、所望の減速比を得ることが可能と
なると共に、金型の型抜きを単純化することができる。
歯車11,11,11は、相互に120°点対称位置に
且つその軸線が相互に平行に配設され、それぞれ一対の
支軸部42a,42bにより、キャリア12に両持ちで
回転自在に支持されている。これにより、各遊星歯車1
1は、キャリア12を介して太陽歯車10廻りに公転し
つつ、自転する。なお、本実施形態では、遊星歯車11
の図示上側の部位をピッチ円直径の小さい小歯車形成部
43とし、下側の部位をピッチ円直径の大きい大歯車形
成部44としたが、この両者は、出力軸15の正逆回転
方向および減速比等により、その形態(ピッチ円直径の
差や歯数の差や相互の位相)が適宜決定されるものであ
り、この点に関し本発明は、上記実施形態に限定される
ものではない。
分割された入力側ピース12aと出力側ピース12bと
を相互に接合して、構成されている。より具体的には、
キャリア12は、遊星歯車11における大歯車形成部4
4と小歯車形成部43との境界部分に対応する位置で2
分割され、入力側ピース12aが大歯車形成部44に面
し、出力側ピース12bが小歯車形成部43に面してい
る。
け部51と、軸受け部51から出力側ピース12bに向
かって延びる3つの柱状連結部52,52,52とから
成り、樹脂等で一体に成形されている。軸受け部51の
中心部には、太陽歯車10が遊挿される円形の逃げ開口
53が形成されている。3つの柱状連結部52は、周方
向に3つの遊星歯車11を交互に挟んで均等に配置され
(120°点対称)、また軸受け部51には、各柱状連
結部52,52間に位置して、遊星歯車(支軸部42
a)11を回転自在に支持する3つの軸受け孔54,5
4,54が形成されている。
ス12bに接合するための円柱状の接合ピン55が突設
されている。また、各柱状連結部52は、断面略三角形
に形成されており、遊星歯車11に面する2辺は、遊星
歯車11を逃げるべく円弧状に窪入形成され、外側に位
置する他の1辺は、軸受け部51の外周面と面一になる
ように円弧状に突出形成されている。そして、軸受け部
51のモータ2側の端部は、薄肉に形成された環状突起
56となっており、キャリア12は、この環状突起56
の部分で固定内歯歯車13の環状段部76に回転自在に
支持され、且つ軸方向に位置決めされている(詳細は後
述する)。
状の軸受け部61と、軸受け部61から入力側ピース1
2aに向かって延びる3つの柱状連結部62,62,6
2とから成り、樹脂等で一体に成形されている。軸受け
部61の中心部には、後述する可動内歯歯車14の軸突
起84に回転自在に係合する円形軸孔63が形成されて
いる(詳細は後述する)。また、円形軸孔63の周囲に
は、可動内歯歯車14に向かって軸方向に僅かに突出す
る環状凸部64が形成されている。これにより、キャリ
ア12の軸方向の位置決めが為され、且つ出力側ピース
12bに可動内歯歯車14が回転接触する場合に、これ
が小さい面積で為されるようになっている。
2は、周方向に3つの遊星歯車11を交互に挟んで均等
に配置され(120°点対称)、また軸受け部61に
は、各柱状連結部62,62間に位置して、遊星歯車
(支軸部42b)11を回転自在に支持する3つの軸受
け孔65,65,65が形成されている。各柱状連結部
62の軸心には、入力側ピース12aの接合ピン55が
接合される接合孔66が形成され、この接合孔66は、
柱状連結部62および軸受け部61を貫通している。こ
れにより、出力側ピース12bの軸受け部61には、3
つの軸受け孔65と3つの接合孔66とが交互に且つ周
方向に等ピッチで形成されている。
三角形に形成されており、遊星歯車11に面する2辺は
円弧状に窪入形成され、外側に位置する他の1辺は円弧
状に突出形成されている。なお、出力側ピース12bの
柱状連結部62には、遊星歯車11の小歯車形成部43
に面し、入力側ピース12aの柱状連結部52には、遊
星歯車11の大歯車形成部44に面している。このた
め、出力側ピース12bの柱状連結部62の断面は、入
力側ピース12aの柱状連結部52の断面より一回り大
きく形成されている。これにより、入力側ピース12b
の柱状連結部52には接合ピン55を、出力側ピース1
2bの柱状連結部62には接合孔66を、それぞれ無理
なく形成(成形)できるようになっている。
後、入力側ピース12aと出力側ピース12bとを相互
接合することにより、同径に形成され軸受け部51,6
1同士が相互に平行に対面し、これに各遊星歯車11が
回転自在に支持された状態となる。また、この状態でキ
ャリア12は、上述したように、出力側を同軸上におい
て可動内歯歯車14の軸突起84に回転自在に支持さ
れ、入力側を同軸上において固定内歯歯車13の環状段
部76に回転自在に支持されている。
持ちで支持することができると共に、ケース4などに比
して部品精度が要求される固定内歯歯車13および可動
内歯歯車14に支持することができる。したがって、回
転部分を含めキャリア12および遊星歯車11を精度良
く組み付けることができ、動力伝達における損失(摩擦
ロス)を少なくすることができる。また、キャリア12
と可動内歯歯車13とが同方向に回転する場合には、相
対的な回転差を小さくすることができ、この両者間の摩
擦ロスをより少なくすることができる。
車13は、各遊星歯車11の大歯車形成部44に噛み合
う固定歯車形成部71と、固定歯車形成部71のモータ
2側に連なる歯車支持部72とから成り、樹脂等で一体
に成形されている。固定歯車形成部71の軸方向の丈
(歯幅)は、これに噛み合う遊星歯車11の大歯車形成
部44の丈より十分に大きく形成されている。また、固
定歯車形成部71の可動内歯歯車14側には、段部を介
して、可動内歯歯車14が回転自在に係合する薄肉の固
定側環状摺接部73が形成されている。この場合、後述
する可動内歯歯車14の可動側環状摺接部86が内側
に、この固定側環状摺接部73が外側に配設されてい
る。
摺接部73には、周方向に均等配置した3つの切欠き部
位74,74,74が形成されている。上述したよう
に、固定内歯歯車13は樹脂等の一体成形品であり、且
つ極めて小さなものである。このため、成形の際の型抜
きにおいて、突出しピンP(図示の仮想線参照)の突き
当て部位として、3つの切欠き部位74を形成するよう
にしている。すなわち、固定内歯歯車13を金型から抜
くときに、3本の突出しピンPを3つの切欠き部位74
に均等に突き当てて、これを抜くようにしている。
形成することができると共に、これを固定内歯歯車13
の厚肉部分(固定歯車形成部71の端面)に突き当てる
ことが可能となる。したがって、型抜きを円滑に行うこ
とができると共に、その際に、固定内歯歯車13が損傷
するのを有効に防止することができる。なお、切欠き部
位74は、可動内歯歯車14の円滑な回転に支障が生じ
ない限り、その大きさおよび個数(複数)は任意であ
る。
連なる端面壁様の形態を有しており、その中心部には、
太陽歯車10の軸穴形成部38を逃げる円形開口75が
形成されている。また、歯車支持部72の内周面には環
状段部76が形成されており、この環状段部76に上記
のキャリア(の環状突起56)12が、軸方向に位置決
めされた状態で回転自在に支持されている。
一対の嵌合突起77,77が180°点対称となるよう
に突出形成されている。上述したように、入力側ケース
7には一対の嵌合溝25,25が形成されており、一対
の嵌合突起77,77をこの一対の嵌合溝25,25に
嵌合し、固定内歯歯車13を入力側ケース7に着座させ
ることにより、固定内歯歯車13が入力側ケース7に対
し、回止め状態で固定される。
内歯歯車14は、有底円筒状の歯車本体81と、歯車本
体81から軸方向先方に突出する出力軸15とから成
り、樹脂等で一体に成形されている。歯車本体81は、
円筒状の可動歯車形成部82と、可動歯車形成部82に
連なる端面壁部83と、端面壁部83の内側に形成した
軸突起84とから成り、この軸突起84に上記のキャリ
ア12が回転自在に支持されている。また、出力軸15
は、環状の一対のずれ止め部85,85を有し、軸突起
84と同軸上において端面壁部83の外側に延設されて
いる。
成部71と同様に、その軸方向の丈(歯幅)は、これに
噛み合う遊星歯車11の小歯車形成部43の丈より十分
に大きく形成されている。また、可動歯車形成部82の
固定内歯歯車13側には、段部を介して、上記の固定側
環状摺接部73が回転自在に係合する薄肉の可動側環状
摺接部86が形成されている。
は、一方のずれ止め部85に連なる環状の段部となって
おり、この端面壁段部87が、上記の出力側ケース8の
摺接開口31に回転自在に係合している。すなわち、可
動内歯歯車14は、その可動側環状摺接部86が固定内
歯歯車13の固定側環状摺接部73に回転自在に摺接す
ると共に、この端面壁段部87が出力側ケース8の摺接
開口31に回転自在に摺接し、軸方向の2個所で回転自
在に支持されている。これにより、可動内歯歯車14の
回転支持精度を高めることができ、可動内歯歯車14を
太陽歯車10と同軸上において、精度良く回転させるこ
とができる。また、可動内歯歯車14の出力側ケース8
に対する回転支持部分を、出力軸15ではなく端面壁段
部87とすることで、出力側ケース8自体を、長さ
(丈)的にコンパクトに構成することができる。
って僅かにテーパー形状を為しており、キャリア12の
円形軸孔63が回転自在に係合している。上述したよう
に、可動内歯歯車14は樹脂等の一体成形品であり、成
形の際の型抜きにおいて、軸突起84が突出しピンPの
突き当て部位となる(図7の仮想線参照)。このため、
軸突起63をテーパー形状とすることで、可動内歯歯車
14の型抜きが円滑に行われ、突出しピンPによる可動
内歯歯車14の損傷を有効に防止することができる。な
お、可動内歯歯車14に軸突起84を形成しない場合に
は、固定内歯歯車13と同様に、その可動側環状摺接部
86に突出しピンP用の切欠き部位を設けることが好ま
しい。
成形品である。この場合の樹脂材料としては、ポリアセ
タール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂および
これらをベースポリマーとしてこれに炭素繊維、ウィス
カ、ガラス繊維、マイカ等をブレンドしたものが、好ま
しい。
る。図9は、入力側ケース7廻りの他の実施形態(第2
実施形態)を表している。この実施形態では、入力側ケ
ース7の内側に平面視略一文字状の一文字溝91が形成
され、この一文字溝91の両端部に、上記の一対の座ぐ
り溝24,24と一対の嵌合溝25,25とを兼用する
一対の深溝92,92が形成されている。すなわち、こ
の実施形態では、一対の座ぐり溝24,24と一対の嵌
合溝25,25が重複して配設されている。この場合、
各深溝92は、固定内歯歯車13の嵌合突起77が嵌合
する形状を優先した断面形状となっている。
を兼用させているため、入力側ケース7に形成する溝の
数を少なくすることができ、入力側ケース7の構造を単
純化することができる。このことはまた、一体成形のた
めの金型の構造や型抜きを容易にするため、入力側ケー
ス7を簡単に形成することができる。なお、両溝24,
25を兼用させることで余ったスペースを、他の部品の
収容スペースとして活用することも可能である。
の実施形態(第3実施形態)を表している。この実施形
態は、各構成部品が超小型であることを考慮し、各遊星
歯車11のキャリア12の組み付けを容易にするもので
ある。なお、キャリア12は、上記のような2分割構造
であってもよいが、この実施形態では一体構造のものが
用いられている。
施形態では、キャリア12が、入力側軸受け部101
と、出力側軸受け部102と、両軸受け部101,10
2を連結する3つの柱状連結部103,103,103
とから成り、樹脂等で一体に成形されている。また、各
軸受け部101,102の3つの軸受け孔(54,6
5)に相当する部分が、軸受け部101,102の外周
面から径方向に切り込むように形成した「U」字状の3
つの外向き軸受け溝104a,104bとなっている。
すなわち、キャリア12に対し各遊星歯車11が、径方
向の外側(軸方向に略直交する方向)から装着されるよ
うになっている。
11を簡単に組み付けることができると共に、キャリア
12自体を一体成形で形成することが可能となる。しか
し、このように構成すると、遊星歯車11は、これに噛
み合う太陽歯車10、固定内歯歯車13および可動内歯
歯車14との間で、噛み合いの交差分がたつくことにな
る。もっとも、安定な回転状態になれば、各歯車の回転
バランスによりがたつきが問題となるこはない。そこ
で、の実施形態では、各遊星歯車11の少なくとも一方
の支軸部105a,105bを位置決めすることができ
るようになっている。
部102に軸支される一方の支軸部105bは、出力側
軸受け部102から突出するように延在する一方、可動
内歯歯車14の端面壁部83の内面には、上記支軸部1
05bの突出部位106が挿入される凹状の環状ガイド
溝(環状ガイド部)107が形成されている。この場
合、環状ガイド溝107を浅溝で構成することも可能で
あるが、太陽歯車(或いはキャリッジ12)10の軸線
と遊星歯車11の軸線とを平行に維持できる(片持ち支
持)ように、一方の支軸部105bを位置規制可能な深
溝とすることが好ましい。
1が太陽歯車10を中心として円運動(公転)すると、
支軸部105bの突出部位106は、環状ガイド溝10
7に案内されて円運動する。これにより、各遊星歯車1
1は位置規制され、且つ太陽歯車10、固定内歯歯車1
3および可動内歯歯車14との良好な噛み合いを維持す
る。なお、特に図示しないが、各遊星歯車11の他方の
支軸部105aも入力側軸受け部101から突出させ、
その突出部位を、固定内歯歯車13に形成した段部或い
は溝部等の環状ガイド部に、摺動自在に係合させるよう
にしてもよい。
ており、この変形例では、入力側軸受け部101に、そ
の外周面から径方向に延びる「U」字状の3つの外向き
軸受け溝104aが形成される一方、出力側軸受け部1
02に、その内周面(円形開口109)から径方向に延
びる「U」字状の3つの内向き軸受け溝108が形成さ
れている。また、この円形開口109には、内向き軸受
け溝108に装着した支軸部105bの離脱を阻止する
リング(内側に円形軸穴63を形成)110が嵌合して
いる。この場合、この一方の支軸部105bは、リング
110により位置決めされ、且つこれにより太陽歯車
(或いはキャリッジ12)10の軸線と遊星歯車の軸線
が平行に維持される(片持ち支持)ことが、好ましい。
を保持し、両支軸部105a,105bを外向き軸受け
溝104aおよび内向き軸受け溝108の開放部分にあ
てがっておいて、遊星歯車11の傾きを戻すようにし
て、両支軸部105a,105bを両軸受け溝104
a,108に装着する。その後、円形開口109にリン
グ110を装着して、各遊星歯車11のキャリア12へ
の装着を完了する。なお、入力側軸受け部101の外向
き軸受け溝104aを内向き軸受け溝とすることも可能
である。また、上記のように、他方の支軸部105aを
延長し、その突出部位を固定内歯歯車13にガイドさせ
る構成としてもよい。
ており、この変形例では、入力側軸受け部101に、傾
斜ガイド部112aを有する3つの軸受け孔112が形
成される一方、出力側軸受け部102に、その外周面か
ら径方向に延びる「U」字状の3つの外向き軸受け溝1
04bが形成されている。傾斜ガイド部112aは、軸
受け孔112の遊星歯車11側の略半部を径方向外向き
に幾分傾斜させて、形成されている。この場合も、一方
の支軸部105aは、軸受け孔112により位置決めさ
れ、且つこれにより太陽歯車(或いはキャリッジ12)
10の軸線と遊星歯車11の軸線が平行に維持される
(片持ち支持)ことが、好ましい。
を保持し、傾斜ガイド部112aに案内して軸受け孔1
12に一方の支軸部105aを差し込みながら、遊星歯
車11の傾きを戻すようにして、他方の支軸部105b
を外向き軸受け溝104bに側方から装着する。なお、
上記のように、他方の支軸部104bを延長し、その突
出部位を可動内歯歯車14にガイドさせる構成としても
よい。また、入力側軸受け部101に外向き軸受け溝
を、出力側軸受け部102に軸受け孔を形成することも
可能である。さらに、変形例1と変形例2を組み合わせ
た構成とすることも可能である。
車13廻りの他の実施形態(第4実施形態)を表してい
る。この実施形態は、出力側に外力が作用したときに、
特にモータ2が過負荷となるのを防止するものであり、
構成部品の一部がスリップ回転するようになっている。
施形態では、固定内歯歯車13に上記のような嵌合突起
77が設けられておらず、出力側ケース(ケース2)8
と固定内歯歯車13との間に、トルクリミッタとなるO
リング121が介設されている。固定内歯歯車13の外
周面には、入力側ケース7寄りに位置して「コ」字状断
面の環状装着溝122が形成されており、この環状装着
溝122にOリング121が装着されている。固定内歯
歯車13にOリング121を装着した状態で、出力側ケ
ース8をスナップインすると、円形断面のOリング12
1が幾分押し潰される。
定内歯歯車13に一定のトルク(高負荷状態)が作用す
ると、Oリング121の摩擦力に抗して固定内歯歯車1
3がスリップ回転し、過負荷状態を回避できるようにな
っている。これにより、各構成歯車の破損や、モータ2
の焼付きを有効に防止することができる。なお、Oリン
グ121が装着される環状装着溝122を、出力側ケー
ス8の内周面に形成してもよい。また、特に図示しない
が、入力側ケース7が固定内歯歯車13を収容する構造
のものにあっては、Oリング121が、入力側ケース7
と固定内歯歯車13との間に介設されることは、いうま
でもない。
している。この変形例では、上記のOリング121に代
えて、固定内歯歯車13の外周面にばね性を発揮する環
状突起部124が、一体に形成されている。この場合
も、出力側に外力が作用して固定内歯歯車13に一定の
トルク(高負荷状態)が作用すると、環状突起部124
の摩擦力に抗して固定内歯歯車13がスリップ回転し、
過負荷状態を回避できるようになっている。また、上記
と同様に、環状突起部124を出力側ケース8の内面に
形成してもよい。
している。この変形例では、上記のOリング121に代
えて、固定内歯歯車13の外周面にコイル状のばね12
6が巻き締められている。この場合、ばね126はその
両端部を出力側ケース8に形成したスリット127に回
止め状態で係止されている。また、スリップ回転の方向
が、ばね126を巻き締める方向となるようにばね12
6が配設されている。この場合、出力側に外力が作用し
て固定内歯歯車13に一定のトルク(高負荷状態)が作
用すると、巻き締めたばね126の摩擦力に抗して固定
内歯歯車13がスリップ回転し、過負荷状態を回避でき
るようになっている。
している。この変形例では、可動内歯歯車14の可動歯
車形成部82に代えてこの部分が可動摩擦車128で構
成され、各遊星歯車11の小歯車形成部43に代えてこ
の部分が小摩擦車129で構成されており、いわゆる機
構学上の摩擦車同士が転接する構成(摩擦伝動機構)に
なっている。この場合も、出力側に外力が作用して固定
内歯歯車13に一定のトルク(高負荷状態)が作用する
と、両摩擦車128,129同士がスリップ回転し、過
負荷状態を回避できるようになっている。なお、相互に
噛み合う他の歯車同士、例えば固定内歯歯車13と遊星
歯車11とを摩擦車で構成してもよいことは、いうまで
もない。
これを備えたギヤードモータによれば、キャリアが、そ
の両端を固定内歯歯車および可動内歯歯車に回転自在に
支持されているため、キャリアおよび遊星歯車を適切且
つ精度良く回転支持することができる。また、遊星歯車
機構の構成部品間でキャリアを支持することができるた
め、遊星歯車機構の構成部品以外の部品に、精度を要求
する必要がなく、コストアップを抑制することができ
る。さらに、コンパクトで高精度なギヤードモータを提
供することができる。
観斜視図である。
ある。
び固定内歯歯車の分解斜視図である。
び可動内歯歯車の分解斜視図である。
星歯車の分解斜視図である。
車および可動内歯歯車の分解斜視図である。
解斜視図である。
および固定内歯歯車の分解斜視図である。
ある。
りの分解斜視図である。
のキャリア廻りの分解斜視図である。
のキャリア廻りの分解斜視図である。
ある。
スおよび固定内歯歯車の分解斜視図である。
の縦断面図である。
の縦断面図である。
の縦断面図である。
ース 8 出力側ケース 10 太陽歯車 11 遊星歯車 12 キャリ
ア 12a 入力側ピース 12b 出力
側ピース 13 固定内歯歯車 14 可動内
歯歯車 15 出力軸 24 座ぐり
溝 25 嵌合溝 31 摺動開
口 41 歯車本体 42a 支軸部 42b 支軸部 51 軸受
け部 52 柱状連結部 54 軸受け
孔 56 環状突起 61 軸受け
部 62 柱状連結部 63 円形軸
孔 64 環状凸部 65 軸受け
孔 71 固定歯車形成部 73 固定側
環状摺接部 74 切欠き部位 76 環状段
部 77 嵌合突起 81 歯車本
体 82 可動歯車形成部 83 端面壁
部 84 軸突起 86 可動側
環状摺接部 87 端面壁段部 92 深溝 101 入力側軸受け部 102 出力
側軸受け部 104a 外向き軸受け溝 104b 外
向き軸受け溝 105a 支軸部 105b 支
軸部 106 突出部位 107 環状
ガイド溝 108 内向き軸受け溝 109 円形
開口 110 リング 112 軸受
け孔 112a 傾斜ガイド部 121 O
リング 122 環状装着溝 124 環状
突起 126 ばね 128 可動
摩擦車 129 小摩擦車 P 突出
しピン
Claims (8)
- 【請求項1】 入力側の太陽歯車と、前記太陽歯車に噛
み合う遊星歯車と、前記遊星歯車を自転自在に且つ前記
太陽歯車廻りに公転自在に支持するキャリアと、前記遊
星歯車に噛み合う固定内歯歯車と、前記遊星歯車に噛み
合う出力側の可動内歯歯車と、から成る遊星歯車機構を
備えた小型減速機において、 前記キャリアは、一方の端部を同軸上において前記固定
内歯歯車に回転自在に支持されると共に、他方の端部を
同軸上において前記可動内歯歯車に回転自在に支持され
ていることを特徴とする小型減速機。 - 【請求項2】 前記キャリアは、一方の端部の外周面を
前記固定内歯歯車の内周面に回転自在に支持されている
ことを特徴とする請求項1に記載の小型減速機。 - 【請求項3】 前記キャリアの一方の端部は、薄肉に形
成された環状突部を有し、 前記固定内歯歯車は、内歯形成部に連なる環状段部を有
し、 前記キャリアは、前記環状突部の外周面で前記環状段部
の内周面に回転自在に支持されると共に、前記環状突部
の端面で前記環状段部に対し軸方向に位置規制されてい
ることを特徴とする請求項2に記載の小型減速機。 - 【請求項4】 前記可動内歯歯車は、底部中央に軸突起
を有して有底円筒状に形成され、 前記キャリアは、前記他方の端部に形成した円形軸孔に
より前記軸突起に回転自在に支持され、 前記軸突起は、テーパー形状に形成されていることを特
徴とする請求項1、2または3に記載の小型減速機。 - 【請求項5】 前記円形軸孔を形成した前記キャリアの
軸孔周縁部には、前記円形軸孔と同軸上に環状凸部が形
成され、 前記キャリアは、前記環状凸部で前記軸突起の周囲に対
し軸方向に位置規制されていることを特徴とする請求項
4に記載の小型減速機。 - 【請求項6】 前記可動内歯歯車には、同軸上において
出力軸が連結されており、 前記軸突起を含む前記可動内歯歯車と前記出力軸とは、
一体に成形されていることを特徴とする請求項4または
5に記載の小型減速機。 - 【請求項7】 前記キャリアは、前記遊星歯車を両持ち
で支持し、且つ軸方向の中間位置で2分割に構成されて
いることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記
載の小型減速機。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の小
型減速機と、 前記小型減速機を主軸に直結したモータと、から成るこ
とを特徴とするギヤードモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001326349A JP2003130143A (ja) | 2001-10-24 | 2001-10-24 | 小型減速機およびこれを備えたギヤードモータ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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-
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- 2001-10-24 JP JP2001326349A patent/JP2003130143A/ja active Pending
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