JP2003122378A - オーディオ再生装置 - Google Patents
オーディオ再生装置Info
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- JP2003122378A JP2003122378A JP2001317276A JP2001317276A JP2003122378A JP 2003122378 A JP2003122378 A JP 2003122378A JP 2001317276 A JP2001317276 A JP 2001317276A JP 2001317276 A JP2001317276 A JP 2001317276A JP 2003122378 A JP2003122378 A JP 2003122378A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 部屋固有の残響特性の影響を受けることな
く、どんな部屋でも同様のサラウンド効果を得ることの
できるオーディオ再生装置を提案せんとするものであ
る。 【解決手段】 音声信号を再生してスピーカ1に供給す
るようにしたオーディオ再生装置において、このスピー
カが配された空間の残響特性を打ち消す逆フィルタ5b
を備え、この音声信号をこの逆フィルタ5bを通してこ
のスピーカ1に供給するようにしたものである。
く、どんな部屋でも同様のサラウンド効果を得ることの
できるオーディオ再生装置を提案せんとするものであ
る。 【解決手段】 音声信号を再生してスピーカ1に供給す
るようにしたオーディオ再生装置において、このスピー
カが配された空間の残響特性を打ち消す逆フィルタ5b
を備え、この音声信号をこの逆フィルタ5bを通してこ
のスピーカ1に供給するようにしたものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サラウンド再生す
るのに好適なオーディオ再生装置に関する。
るのに好適なオーディオ再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばCD(Compact Disc)等の
音源からの音声信号を再生してスピーカに出力するオー
ディオ再生装置において、音声信号に例えばDSP(di
gitalsignal processor)による信号処理を施し「コン
サートホール」や「ライブハウス」といった所謂サラウ
ンド再生を行う如くするものが提案されている。このサ
ラウンド再生時には、聴取者は部屋に居ながらにしてあ
たかもその場にいるかのような臨場感を得ることができ
る。
音源からの音声信号を再生してスピーカに出力するオー
ディオ再生装置において、音声信号に例えばDSP(di
gitalsignal processor)による信号処理を施し「コン
サートホール」や「ライブハウス」といった所謂サラウ
ンド再生を行う如くするものが提案されている。このサ
ラウンド再生時には、聴取者は部屋に居ながらにしてあ
たかもその場にいるかのような臨場感を得ることができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、同じオーデ
ィオ再生装置を用いて、同じ音源をサラウンド再生して
聞いた場合でも、部屋によってサラウンド効果が異なっ
ていた。これは部屋それぞれに固有の残響特性があり、
サラウンド音にこの残響特性が付加されてしまっていた
からである。
ィオ再生装置を用いて、同じ音源をサラウンド再生して
聞いた場合でも、部屋によってサラウンド効果が異なっ
ていた。これは部屋それぞれに固有の残響特性があり、
サラウンド音にこの残響特性が付加されてしまっていた
からである。
【0004】図5に示す如く、一般にスピーカから発せ
られた音波を聞いた場合、聴取者2の耳元にはスピーカ
1から直接に到来する直接音の他に、部屋3を構成する
壁や天井で反射され若干遅れて到達する反射音、更に何
度も反射を繰り返し拡散された残響音が届く。通常、部
屋の容積、壁の硬さなどによって音波の反射状態が変わ
るので、聴取者の耳元での聞こえ方も変わってくる。こ
れを部屋固有の残響特性という。
られた音波を聞いた場合、聴取者2の耳元にはスピーカ
1から直接に到来する直接音の他に、部屋3を構成する
壁や天井で反射され若干遅れて到達する反射音、更に何
度も反射を繰り返し拡散された残響音が届く。通常、部
屋の容積、壁の硬さなどによって音波の反射状態が変わ
るので、聴取者の耳元での聞こえ方も変わってくる。こ
れを部屋固有の残響特性という。
【0005】然しながら、部屋の残響をキャンセルする
には、この部屋の残響特性が必要であるが、この残響特
性を測定するには特別の装置が必要であり、一般の家庭
にて測定するというのは現実的ではない。
には、この部屋の残響特性が必要であるが、この残響特
性を測定するには特別の装置が必要であり、一般の家庭
にて測定するというのは現実的ではない。
【0006】本発明は斯かる点に鑑み、部屋固有の残響
特性の影響を受けることなく、どんな部屋でも同様のサ
ラウンド効果を得ることを目的とする。
特性の影響を受けることなく、どんな部屋でも同様のサ
ラウンド効果を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明オーディオ再生装
置は、音声信号を再生してスピーカに供給するようにし
たオーディオ再生装置において、このスピーカが配され
た空間の残響特性を打ち消す逆フィルタを備え、この音
声信号をこの逆フィルタを通してこのスピーカに供給す
るようにしたものである。
置は、音声信号を再生してスピーカに供給するようにし
たオーディオ再生装置において、このスピーカが配され
た空間の残響特性を打ち消す逆フィルタを備え、この音
声信号をこの逆フィルタを通してこのスピーカに供給す
るようにしたものである。
【0008】斯かる本発明によれば、スピーカが配され
た空間の残響特性を打ち消す逆フィルタを備えこの逆フ
ィルタを通してスピーカに音声信号を供給するようにし
たので、部屋固有の残響特性が打ち消され所望のサラウ
ンド効果を得ることができる。
た空間の残響特性を打ち消す逆フィルタを備えこの逆フ
ィルタを通してスピーカに音声信号を供給するようにし
たので、部屋固有の残響特性が打ち消され所望のサラウ
ンド効果を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して、本
発明オーディオ再生装置の実施の形態の例につき説明す
る。この図1において図5に対応する部分には同一符号
を付して示す。
発明オーディオ再生装置の実施の形態の例につき説明す
る。この図1において図5に対応する部分には同一符号
を付して示す。
【0010】図1において、4は例えばCD(Compact
Disc)等の音源を示し、このCD等の音源4よりの音声
信号がオーディオ再生装置本体5を構成する例えば音声
信号をサラウンド処理する信号処理手段5aに供給され
る。そして、信号処理手段5aの後段に配された部屋の
残響特性を再現する音響伝達関数H(z)と反対の音響伝達
関数H(z)-1を持ち部屋の残響特性をキャンセル処理する
逆フィルタ5bを通してスピーカ1に供給され、このス
ピーカ1よりの音声を聴取者2が聞くことができる如く
構成されている。
Disc)等の音源を示し、このCD等の音源4よりの音声
信号がオーディオ再生装置本体5を構成する例えば音声
信号をサラウンド処理する信号処理手段5aに供給され
る。そして、信号処理手段5aの後段に配された部屋の
残響特性を再現する音響伝達関数H(z)と反対の音響伝達
関数H(z)-1を持ち部屋の残響特性をキャンセル処理する
逆フィルタ5bを通してスピーカ1に供給され、このス
ピーカ1よりの音声を聴取者2が聞くことができる如く
構成されている。
【0011】この信号処理手段5aは、例えばオーディ
オ再生装置本体5に配されたサラウンドモード表示5c
より例えば「コンサートホール」、「ライブハウス」等
のサラウンドモードを選択し、この選択されたサラウン
ドモードに応じて信号処理手段5aの信号処理設定を切
り換えて所望のサラウンド効果を得られるよう信号処理
を行う如くする。
オ再生装置本体5に配されたサラウンドモード表示5c
より例えば「コンサートホール」、「ライブハウス」等
のサラウンドモードを選択し、この選択されたサラウン
ドモードに応じて信号処理手段5aの信号処理設定を切
り換えて所望のサラウンド効果を得られるよう信号処理
を行う如くする。
【0012】また、この逆フィルタ5bは、例えばオー
ディオ再生装置本体5に配された部屋モデル表示5dよ
り聴取者2がプリセットされた複数の部屋モデルの中か
ら実際の部屋の構成に近い部屋モデルを選択して、この
選択された部屋モデルに応じて逆フィルタ5bの音響伝
達関数を切り換える如くして決定される。例えば10数
種類の部屋モデルとそれに対応した逆フィルタとを用意
しておく。
ディオ再生装置本体5に配された部屋モデル表示5dよ
り聴取者2がプリセットされた複数の部屋モデルの中か
ら実際の部屋の構成に近い部屋モデルを選択して、この
選択された部屋モデルに応じて逆フィルタ5bの音響伝
達関数を切り換える如くして決定される。例えば10数
種類の部屋モデルとそれに対応した逆フィルタとを用意
しておく。
【0013】ここで、図2を参照して、周知の技術によ
り逆フィルタを作成する方法について述べる。
り逆フィルタを作成する方法について述べる。
【0014】まず、逆フィルタの元となるキャンセル処
理する対象の残響特性が必要である。残響特性を決定す
る音響伝達関数は、部屋の中にスピーカを配置してこの
スピーカからインパルス音を放音し、このインパルス音
が到達するスピーカとは部屋の反対側に位置する聴取点
でのインパルス応答を測定することにより求めることが
できる。即ち、聴取点で測定したインパルス応答が、イ
ンパルス音が放音されたスピーカから聴取点までの音響
伝達関数であり、この部屋の残響特性となる。
理する対象の残響特性が必要である。残響特性を決定す
る音響伝達関数は、部屋の中にスピーカを配置してこの
スピーカからインパルス音を放音し、このインパルス音
が到達するスピーカとは部屋の反対側に位置する聴取点
でのインパルス応答を測定することにより求めることが
できる。即ち、聴取点で測定したインパルス応答が、イ
ンパルス音が放音されたスピーカから聴取点までの音響
伝達関数であり、この部屋の残響特性となる。
【0015】ところで、上述の音響伝達関数について
は、部屋の容積、壁の種類等による音波の反射状態の違
いなど、さまざまな条件下でのデータがあり、上述の部
屋の音響伝達関数はこれらのデータよりコンピュータを
用いてシミュレーションし求めることができる。例えば
10畳、高さ2m、壁コンクリート等の部屋を構成する
条件をインプットすると、これらの条件からコンピュー
タ上でシミュレートしこの部屋の音響伝達関数が算出さ
れる。そして算出された音響伝達関数を基に部屋の残響
特性を再現するFIR(finite impulse response )フ
ィルタ5b´を作成することができる。
は、部屋の容積、壁の種類等による音波の反射状態の違
いなど、さまざまな条件下でのデータがあり、上述の部
屋の音響伝達関数はこれらのデータよりコンピュータを
用いてシミュレーションし求めることができる。例えば
10畳、高さ2m、壁コンクリート等の部屋を構成する
条件をインプットすると、これらの条件からコンピュー
タ上でシミュレートしこの部屋の音響伝達関数が算出さ
れる。そして算出された音響伝達関数を基に部屋の残響
特性を再現するFIR(finite impulse response )フ
ィルタ5b´を作成することができる。
【0016】次に、上述の如く求められた部屋の残響特
性を再現するFIRフィルタの効果を打ち消す逆FIR
フィルタを作成する。図2において、入力端子20より
の任意の入力信号L1に対し、入力信号L1と、部屋の
残響特性を再現するフィルタ5b´及び逆フィルタ5b
を直列に並べた系の出力信号L2とを加算回路21に入
力して、その差分の出力信号L3を出力端子22に得る
如くする。
性を再現するFIRフィルタの効果を打ち消す逆FIR
フィルタを作成する。図2において、入力端子20より
の任意の入力信号L1に対し、入力信号L1と、部屋の
残響特性を再現するフィルタ5b´及び逆フィルタ5b
を直列に並べた系の出力信号L2とを加算回路21に入
力して、その差分の出力信号L3を出力端子22に得る
如くする。
【0017】このとき、入力信号L1と部屋の残響特性
を再現するフィルタ5b´及び逆フィルタ5bを直列に
並べた系の出力信号L2とを加算回路21に入力してそ
の差分の出力信号L3が零と成るべく、出力信号L3よ
りのフィードバックに基づき逆フィルタ5bの仕様を決
めるパラメータを調節する如くする。
を再現するフィルタ5b´及び逆フィルタ5bを直列に
並べた系の出力信号L2とを加算回路21に入力してそ
の差分の出力信号L3が零と成るべく、出力信号L3よ
りのフィードバックに基づき逆フィルタ5bの仕様を決
めるパラメータを調節する如くする。
【0018】そして、上述の如く調節して出力信号L3
が零になったとき、フィルタ5b´の残響特性を打ち消
す逆フィルタ5bの音響伝達関数H(z)-1が決定される。
が零になったとき、フィルタ5b´の残響特性を打ち消
す逆フィルタ5bの音響伝達関数H(z)-1が決定される。
【0019】図3Aに、ある音場における音響伝達イン
パルス応答Hの例を示す。横軸は例えば44.1kHzに
て標本化されたポイント数(P)で時間軸に対応し、縦
軸は振幅の相対値を表す。図3Aにおいて、インパルス
音が放音された地点から聴取点まで音が到達するまでの
ブランク(約400P)をおいた後1ショット大きく鋭
く立ち上がりその後徐々に減衰していく様子を表してい
る。
パルス応答Hの例を示す。横軸は例えば44.1kHzに
て標本化されたポイント数(P)で時間軸に対応し、縦
軸は振幅の相対値を表す。図3Aにおいて、インパルス
音が放音された地点から聴取点まで音が到達するまでの
ブランク(約400P)をおいた後1ショット大きく鋭
く立ち上がりその後徐々に減衰していく様子を表してい
る。
【0020】また、図3Bに、図3Aに示したある音場
の音響伝達インパルス応答Hに対する逆フィルタの音響
伝達インパルス応答H-1の例を示す。図3Aと同様に横
軸は44.1kHzにて標本化されたポイント数(P)で
時間軸に対応し、縦軸は振幅の相対値を表す。図3Bに
示す如く、逆フィルタのインパルス応答H-1は逆フィル
タの特性上、インパルスの立ち上がりを中心に略左右対
象でこの立ち上がり地点より徐々に減衰するものとな
る。
の音響伝達インパルス応答Hに対する逆フィルタの音響
伝達インパルス応答H-1の例を示す。図3Aと同様に横
軸は44.1kHzにて標本化されたポイント数(P)で
時間軸に対応し、縦軸は振幅の相対値を表す。図3Bに
示す如く、逆フィルタのインパルス応答H-1は逆フィル
タの特性上、インパルスの立ち上がりを中心に略左右対
象でこの立ち上がり地点より徐々に減衰するものとな
る。
【0021】そして、図4は図3A、Bの各インパルス
応答を周波数軸上で表現したものである。横軸は周波数
(Hz)及び縦軸は振幅(dB)を示し、この縦軸の振幅は相対
的な値である。図4において、ある音場における周波数
特性とその逆フィルタの周波数特性とが0(dB)を対象軸
として周波数全域について略対称となり互いに打ち消し
合う如くする。
応答を周波数軸上で表現したものである。横軸は周波数
(Hz)及び縦軸は振幅(dB)を示し、この縦軸の振幅は相対
的な値である。図4において、ある音場における周波数
特性とその逆フィルタの周波数特性とが0(dB)を対象軸
として周波数全域について略対称となり互いに打ち消し
合う如くする。
【0022】然して、本例においては、準備された10
数種類の部屋モデルの残響特性に対し、上述の如き方法
にてそれぞれ逆フィルタ5bを作成し、例えばオーディ
オ再生装置本体5に搭載されているROMに各部屋モデ
ルに対応する逆フィルタ5bに関するデータを書き込み
(記憶させ)、部屋モデル表示5dにて選択された部屋
モデルに対応する逆フィルタ5bを読み出せる如くして
おく。
数種類の部屋モデルの残響特性に対し、上述の如き方法
にてそれぞれ逆フィルタ5bを作成し、例えばオーディ
オ再生装置本体5に搭載されているROMに各部屋モデ
ルに対応する逆フィルタ5bに関するデータを書き込み
(記憶させ)、部屋モデル表示5dにて選択された部屋
モデルに対応する逆フィルタ5bを読み出せる如くして
おく。
【0023】本例は上述の如く構成したので、例えばC
D(Compact Disc)等の音源4よりの音声信号をオーデ
ィオ再生装置にて再生したときには、聴取者2は、オー
ディオ再生装置5本体に配されたサラウンドモード表示
5cにプリセットされているサラウンドモードより、例
えば「コンサートホール」、「ライブハウス」等所望の
サラウンドモードを選択する。そしてオーディオ再生装
置5本体を構成する音声信号をサラウンド処理する信号
処理手段5aに供給された音声信号は、上述の選択され
たサラウンドモードに応じてサラウンド処理される。サ
ラウンド処理された音声信号は信号処理手段5aの後段
に配されている部屋の残響特性をキャンセル処理する逆
フィルタ5bに供給される。この逆フィルタ5bでは部
屋モデル表示5dにて選択した部屋モデルに応じた音響
伝達関数が呼び出され部屋の残響特性をキャンセルする
よう信号処理する如くする。そして部屋の残響特性をキ
ャンセルするよう信号処理がなされた音声信号はスピー
カ1に供給され放音される。
D(Compact Disc)等の音源4よりの音声信号をオーデ
ィオ再生装置にて再生したときには、聴取者2は、オー
ディオ再生装置5本体に配されたサラウンドモード表示
5cにプリセットされているサラウンドモードより、例
えば「コンサートホール」、「ライブハウス」等所望の
サラウンドモードを選択する。そしてオーディオ再生装
置5本体を構成する音声信号をサラウンド処理する信号
処理手段5aに供給された音声信号は、上述の選択され
たサラウンドモードに応じてサラウンド処理される。サ
ラウンド処理された音声信号は信号処理手段5aの後段
に配されている部屋の残響特性をキャンセル処理する逆
フィルタ5bに供給される。この逆フィルタ5bでは部
屋モデル表示5dにて選択した部屋モデルに応じた音響
伝達関数が呼び出され部屋の残響特性をキャンセルする
よう信号処理する如くする。そして部屋の残響特性をキ
ャンセルするよう信号処理がなされた音声信号はスピー
カ1に供給され放音される。
【0024】このスピーカ1より放音された音声が聴取
者2に届く間に音響伝達関数H(z)で表される部屋の残響
特性が付加されるが、予め部屋の残響特性を打ち消す音
響伝達関数H(z)-1を持つ逆フィルタ5bによって部屋の
残響特性をキャンセル処理するようにしているので、聴
取者2は純粋にオリジナルの音源に対しサラウンド処理
がなされた音声のみを聴取することができる。
者2に届く間に音響伝達関数H(z)で表される部屋の残響
特性が付加されるが、予め部屋の残響特性を打ち消す音
響伝達関数H(z)-1を持つ逆フィルタ5bによって部屋の
残響特性をキャンセル処理するようにしているので、聴
取者2は純粋にオリジナルの音源に対しサラウンド処理
がなされた音声のみを聴取することができる。
【0025】このオーディオ再生装置本体5に搭載され
るROMには、上述の如く複数の部屋の残響モデルとそ
れに対応する逆フィルタ5bを用意しておき、聴取者2
は実際の部屋に一番近い部屋モデルを予めプリセットさ
れた部屋モデルの中から選択する。そして、選択された
部屋モデルに基づきその部屋の残響特性を打ち消すよう
な逆フィルタ5bを適応することによって、部屋が固有
に持っている残響特性の影響を受けることなく、どんな
部屋で聞いても同様の音を聞くことができる。
るROMには、上述の如く複数の部屋の残響モデルとそ
れに対応する逆フィルタ5bを用意しておき、聴取者2
は実際の部屋に一番近い部屋モデルを予めプリセットさ
れた部屋モデルの中から選択する。そして、選択された
部屋モデルに基づきその部屋の残響特性を打ち消すよう
な逆フィルタ5bを適応することによって、部屋が固有
に持っている残響特性の影響を受けることなく、どんな
部屋で聞いても同様の音を聞くことができる。
【0026】以上述べた如く、本例によれば、スピーカ
が配置された部屋の残響特性を打ち消す如くする音響伝
達関数を有する逆フィルタを備え、音声信号をこの逆フ
ィルタを通してこのスピーカに供給するようにしたの
で、部屋固有の残響特性が打ち消され所望のサラウンド
効果を得ることができる。
が配置された部屋の残響特性を打ち消す如くする音響伝
達関数を有する逆フィルタを備え、音声信号をこの逆フ
ィルタを通してこのスピーカに供給するようにしたの
で、部屋固有の残響特性が打ち消され所望のサラウンド
効果を得ることができる。
【0027】また、この逆フィルタを複数用意し、部屋
の構成に基づいて逆フィルタを選択できるようにするこ
とにより、部屋固有の残響特性の影響を受けることな
く、どんな部屋で聞いても同様の音声を聞くことができ
る。
の構成に基づいて逆フィルタを選択できるようにするこ
とにより、部屋固有の残響特性の影響を受けることな
く、どんな部屋で聞いても同様の音声を聞くことができ
る。
【0028】尚、本例では、残響特性をシミュレートす
る部屋を構成する条件として部屋の容積、床及び壁の種
類を挙げたが、その他部屋の形状やスピーカの配置、聴
取者の位置等データを書き込む(記憶させる)ROMの
メモリ容量が許す範囲でさまざまな条件が考えられる。
このようにしたときには、より実際の部屋に則した残響
特性を持つ部屋モデルをプリセットできる。
る部屋を構成する条件として部屋の容積、床及び壁の種
類を挙げたが、その他部屋の形状やスピーカの配置、聴
取者の位置等データを書き込む(記憶させる)ROMの
メモリ容量が許す範囲でさまざまな条件が考えられる。
このようにしたときには、より実際の部屋に則した残響
特性を持つ部屋モデルをプリセットできる。
【0029】また、部屋の構成に基づいて部屋モデルを
選択するようにしたが、実際の部屋の構成とは異なって
も、聴取者が自分の耳で聞いて心地よいサラウンド再生
が得られた部屋モデルに設定するようにしてもよい。
選択するようにしたが、実際の部屋の構成とは異なって
も、聴取者が自分の耳で聞いて心地よいサラウンド再生
が得られた部屋モデルに設定するようにしてもよい。
【0030】また、本例では部屋の残響特性モデルをオ
ーディオ再生装置にプリセットするようにしたが、設備
が整っている状態であれば一般家庭で部屋の残響を測定
するようにしてもよい。即ち、残響特性を測定した結果
を例えばメモリカード等の記録媒体に記録しこのメモリ
カードをメーカーに送付する、又は測定したデータをイ
ンターネット等を用いメーカーに送信する如くする。メ
ーカ側では送られてきた残響特性を基に部屋の残響をキ
ャンセルする逆フィルタを作成して、後日依頼主に返送
する。そして、例えばオーディオ再生装置内のROM等
にこの逆フィルタのデータを書き込み(記憶させ)オー
ディオ再生装置に組み込む如くして、部屋固有の残響を
キャンセルするようにしてもよい。
ーディオ再生装置にプリセットするようにしたが、設備
が整っている状態であれば一般家庭で部屋の残響を測定
するようにしてもよい。即ち、残響特性を測定した結果
を例えばメモリカード等の記録媒体に記録しこのメモリ
カードをメーカーに送付する、又は測定したデータをイ
ンターネット等を用いメーカーに送信する如くする。メ
ーカ側では送られてきた残響特性を基に部屋の残響をキ
ャンセルする逆フィルタを作成して、後日依頼主に返送
する。そして、例えばオーディオ再生装置内のROM等
にこの逆フィルタのデータを書き込み(記憶させ)オー
ディオ再生装置に組み込む如くして、部屋固有の残響を
キャンセルするようにしてもよい。
【0031】さらに、本発明は上述例に限らず、本発明
の要旨を逸脱することなくその他種々の構成が採り得る
ことは勿論である。
の要旨を逸脱することなくその他種々の構成が採り得る
ことは勿論である。
【0032】
【発明の効果】斯かる本発明によれば、スピーカが配置
された部屋の残響特性を打ち消す音響伝達関数を有する
逆フィルタを備え、音声信号をこの逆フィルタを通して
このスピーカに供給するようにしたので、部屋固有の残
響特性が打ち消され所望のサラウンド効果を得ることが
できる利益がある。
された部屋の残響特性を打ち消す音響伝達関数を有する
逆フィルタを備え、音声信号をこの逆フィルタを通して
このスピーカに供給するようにしたので、部屋固有の残
響特性が打ち消され所望のサラウンド効果を得ることが
できる利益がある。
【0033】また、この逆フィルタを複数用意し、部屋
の構成に基づいて逆フィルタを選択できるようにするこ
とにより、部屋固有の残響特性の影響を受けることな
く、どんな部屋で聞いても同様の音声を聞くことができ
る利益がある。
の構成に基づいて逆フィルタを選択できるようにするこ
とにより、部屋固有の残響特性の影響を受けることな
く、どんな部屋で聞いても同様の音声を聞くことができ
る利益がある。
【図1】本発明オーディオ再生装置の実施の形態の例を
示す構成図である。
示す構成図である。
【図2】逆フィルタ作成の説明に供する線図である。
【図3】ある音場およびその逆フィルタのインパルス応
答の一例を示す線図である。
答の一例を示す線図である。
【図4】図3の各インパルス応答の周波数特性の一例を
示す線図である。
示す線図である。
【図5】部屋の中で音が反射する様子を示す線図であ
る。
る。
1・・・・スピーカ、2・・・・聴取者、4・・・・音源、5・・・・オ
ーディオ再生装置本体、5a・・・・信号処理手段、5b・・
・・逆フィルタ、5b´・・・・フィルタ、5c・・・・サラウン
ドモード表示、5d・・・・部屋モデル表示
ーディオ再生装置本体、5a・・・・信号処理手段、5b・・
・・逆フィルタ、5b´・・・・フィルタ、5c・・・・サラウン
ドモード表示、5d・・・・部屋モデル表示
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 矢崎 健敏
東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ
ー株式会社内
Fターム(参考) 5D020 CC04 CC06
5D062 AA22
5D108 AA01 AA03 AA08 AD09
Claims (2)
- 【請求項1】 音声信号を再生してスピーカに供給する
ようにしたオーディオ再生装置において、 前記スピーカが配された空間の残響特性を打ち消す逆フ
ィルタを備え、前記音声信号を前記逆フィルタを通して
前記スピーカに供給するようにしたことを特徴とするオ
ーディオ再生装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のオーディオ再生装置にお
いて、 複数用意された逆フィルタより前記空間の構成に基づい
て前記逆フィルタを選択するようにしたことを特徴とす
るオーディオ再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001317276A JP2003122378A (ja) | 2001-10-15 | 2001-10-15 | オーディオ再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001317276A JP2003122378A (ja) | 2001-10-15 | 2001-10-15 | オーディオ再生装置 |
Publications (1)
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