JP2003106170A - ガスタービンおよびガスタービン複合プラント、並びに冷却蒸気圧力調整方法 - Google Patents
ガスタービンおよびガスタービン複合プラント、並びに冷却蒸気圧力調整方法Info
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Abstract
と。 【解決手段】 動翼1および静翼2の下流に、冷却蒸気
の圧力を調整する手段であるIP−GV30を設ける。
そして、車室3における車室空気圧力P3にマージン圧
力αを加えた値よりも動翼1の冷却蒸気圧力P1および
静翼2の冷却蒸気圧力P2の方が高くなるように制御す
る。P3+αがP1またはP2のいずれか一方に等しくな
ったときには、IP−GV30を閉じてP1およびP2を
高くする。
Description
高温部材である動翼や静翼等を十分に冷却して、運転中
のトリップを最小限にできる動静翼蒸気冷却を用いたガ
スタービン、その制御装置、ガスタービン複合プラン
ト、並びに冷却蒸気圧力調整方法およびそのプログラム
に関する。
て熱効率を高めるため、空気の代わりに蒸気を冷却媒体
として使用して、ガスタービンの動翼や静翼といった高
温部を蒸気冷却する技術が使用されつつある。ここで、
乾き蒸気の定圧比熱は基準状態の下でcp=1.86k
J/kgKであり、空気の定圧比熱cp=1.00kJ/
kgKの2倍近い値を持っている。このため、蒸気は同
じ質量の空気と比較して熱容量が大きく吸熱効果も高く
なる。また、湿り蒸気を冷却媒体として利用すれば湿り
分の蒸発潜熱も冷却に利用できるので、さらに吸熱効果
が高くなる。このように、冷却媒体に蒸気を使用する
と、空気を使用した場合よりも冷却効率が高くできるの
で、燃焼ガスのタービン入口温度も高くでき、その結果
熱効率を向上させることができる。
機からの空気が使用されていたが、この圧縮空気が冷却
に使用されるとタービンから取り出すことのできる仕事
が少なくなってしまう。そこで、空気の代わりに蒸気を
使用すれば、動静翼の冷却空気が省略でき、その分ター
ビンで回収できる仕事は多くなるので、発電効率が向上
する。
スタービンの部分断面図である。また、図16は、高温
部に蒸気冷却を採用したガスタービン複合プラントを示
す概略図である。このガスタービン複合発電プラントで
は、HRSG370(Heat Recovery Steam Generato
r:排熱回収ボイラー)によって、ガスタービンの排気
ガスが持っている熱エネルギーを回収する。回収された
ガスタービン排気ガスの熱エネルギーによって蒸気が作
られて、この高温・高圧の蒸気はまず高圧蒸気タービン
350に供給されてこれを駆動し、これに接続された発
電機355によって電力を発生する。
は、ガスタービンのタービン主軸310内に設けられた
蒸気供給管311を通って動翼321に導かれる。ま
た、ガスタービンのケーシング外側に設けられた蒸気供
給口330から静翼325へ蒸気が供給される。ここ
で、動翼321および静翼325内部には冷却流路が設
けられており、動翼321および静翼325に導かれた
蒸気はこの冷却流路を通過する間に流路内壁面から燃焼
ガスの熱を吸収して流路外へ排出される。その後、動翼
321を冷却した蒸気はタービン主軸310内に設けら
れた蒸気回収管312を通って、また、静翼325を冷
却した蒸気は蒸気回収口331からガスタービンの外部
へ取り出される。
燃焼器尾筒等を冷却した冷却蒸気等と混合された後、中
圧蒸気タービン351や低圧蒸気タービン352を駆動
するための作動流体として使用される。中圧蒸気タービ
ン351や低圧蒸気タービン352を駆動した蒸気は復
水器365によって水に戻った後、ポンプによってHR
SG370へ供給されて、再び上記の過程を繰り返す。
ービンの負荷が増加した場合には、負荷の増加に応じて
燃焼に使用する空気の量も直ちに増加するため、車室の
圧力が高くなる。このとき、車室圧力の方が動静翼内の
蒸気圧力よりも高くなると、燃焼ガスが動静翼に設けら
れた冷却空気供給孔から動静翼内の冷却流路へ逆流して
動静翼が過熱し、ガスタービンのトリップ(停止)を招
くことがあった。このため、常に動静翼の冷却蒸気圧力
よりも車室圧力の方が低くなるように制御する必要があ
る。
の熱容量と比較すると小さいので、負荷を上昇させると
車室圧力もこれにともなって上昇する。一方、HRSG
や蒸気タービン等の蒸気系は水を作動流体として使用す
るため熱容量が大きいので、負荷が変動しても蒸気の供
給が直ちに追従する訳ではない。このため、これまでの
蒸気冷却を使用したガスタービンでは、負荷の上昇に冷
却蒸気の供給が追いつかず、特に負荷が急上昇した場合
等にはガスタービンのトリップを招くことがあった。
と出口間における差圧が小さくなると冷却用蒸気が流れ
難くなり、その結果、動静翼が過熱してトリップにつな
がる。例えば、動静翼の下流側における蒸気タービン、
あるいは動静翼の上流側における蒸気供給系に何らかの
異常が発生した場合には、動静翼に設けられた冷却流路
の入口と出口間における差圧が小さくなる。すると、動
静翼に流れる冷却蒸気量が減少する結果、動静翼が過熱
してガスタービンのトリップを招いてしまう。
6号には、ガスパス圧力を表す運転パラメータを検出す
る圧力検出器からの信号にバイアス値を加え蒸気圧力設
定信号として出力し、ガス圧力にバイアス値を加算した
値以下に冷却蒸気の圧力が低下しないように制御するガ
スタービン複合プラントが開示されている。しかしなが
ら、このガスタービン複合プラントでは、高温部材であ
る動静翼の上流側に設置した蒸気流量制御手段によっ
て、動静翼に供給する蒸気の流量を制御している。この
ため蒸気圧力の応答が遅く、車室圧力の上昇に動静翼を
冷却する蒸気圧力の上昇が追いつかない場合があり、そ
の結果、燃焼ガスの逆流によってガスタービンのトリッ
プは十分に抑制できなかった。
たものであって、動翼や静翼等の高温部を十分に冷却し
て、運転中のトリップを最小限にできる動静翼蒸気冷却
を用いたガスタービン、その制御装置、ガスタービン複
合プラント、並びに冷却蒸気圧力調整方法およびそのプ
ログラムを提供することを目的とする。
めに、請求項1に係るガスタービンは、ガスタービンの
冷却を要する高温部材に冷却蒸気を供給する蒸気供給手
段と、前記高温部材の下流側に設けられ、且つ前記高温
部材に供給される冷却蒸気圧力を調整するための弁その
他の蒸気圧力調整手段と、前記高温部材の冷却蒸気圧力
とガスタービンの車室圧力とを測定する測定手段と、前
記冷却蒸気圧力と前記車室圧力とを比較し、この比較結
果に基づいて前記冷却蒸気圧力を前記車室圧力よりも高
くなるように前記蒸気圧力調整手段を制御する制御手段
と、を備えたことを特徴とする。
を備えたガスタービンで高温部材である動静翼の冷却蒸
気圧力を車室圧力よりも高く保つにあたって、弁等の動
静翼の冷却蒸気圧力を調整する手段を、動翼または静翼
の下流に設けるようにしてある。従来は動静翼の上流側
に弁等を設け、動静翼の冷却蒸気圧力を車室圧力よりも
高くなるように制御していたが、動静翼の上流側に存在
するHRSG等の冷却蒸気供給源は熱容量が大きく、こ
こから供給される蒸気の流量および圧力はほとんど変化
しないので、動静翼の冷却蒸気圧力は、動静翼の下流側
によって支配される。このため、従来は動静翼の上流側
に設けられた冷却蒸気圧力調整手段をいくら調整して
も、ほとんど冷却蒸気圧力を変化させることはできなか
った。
等の圧力調整手段を設けるようにしたので、応答よく、
また、大きな調整幅で動静翼の冷却蒸気圧力を制御でき
る。これによって、車室圧力の変動に追従して常に動静
翼の冷却蒸気圧力を車室圧力よりも高く制御できるの
で、ガスタービンのトリップを抑えて安定した運転がで
きる。このときの冷却蒸気圧力の制御には、例えば、動
静翼の冷却蒸気圧力の方が車室圧力よりも高くなるよう
に、両者の圧力比を一定値に保つような制御方法があ
る。なお、ガスタービンの冷却を要する高温部材には動
翼、静翼、ローターディスク、タービン主軸等がある
が、本発明にいう高温部材とは、特にガスタービンの動
翼および静翼をいうものとする(以下同様)。
復水器までの間である。すなわち、高温部材を冷却した
蒸気が、気体から液体に戻るまでの区間である。蒸気圧
力調整手段は、このような区間におけるいずれかの箇所
に設けることになるが、特に、中圧蒸気タービンや低圧
蒸気タービン等といった蒸気を大量に消費する機器の前
に、蒸気圧力調整手段を設けることが望ましい。これ
は、蒸気圧力調整手段の下流に大量に蒸気を消費する機
器があるため、蒸気圧力調整手段を調整すると蒸気は速
やかに下流側の機器へ流れ、上流側の圧力は素早く変化
するからである。例えば高温部材である動静翼の下流で
あって、中圧蒸気タービンの上流側に配置したIP−G
V30やIP−TB40等(図1参照)を、高温部材に
供給する冷却蒸気の圧力調整手段として使用することが
望ましい。この場合、中間に再熱器が介在している場合
があるが、そのような場合であってもIP−GV等を調
整すれば、蒸気は速やかに下流側の機器へ流れて、これ
よりも上流側の蒸気圧力は素早く変化する。
気を分岐させて、この蒸気を復水器に流すような場合
は、動静翼出口から復水器までの間が高温部材の下流に
なる。この場合には、復水器に分岐させる冷却後の蒸気
量を調整する弁等の手段が、高温部材の蒸気圧力調整手
段になる。復水器では、蒸気が水に戻される際に急激な
圧力低下があるため、高温部材の下流であって復水器の
上流に蒸気圧力調整手段を設けてこれを調整すると、上
流側の圧力は素早く変化するので好ましい。なお、冷却
蒸気を分岐させた後は、復水器のみならず中圧蒸気ター
ビン等にこの蒸気を供給してもよい。
スタービンの冷却を要する高温部材に冷却蒸気を供給す
る蒸気供給手段と、前記高温部材の下流側に設けられ
た、冷却蒸気を分岐させて流すための分岐流路と、前記
分岐流路へ流す冷却蒸気量を変化させることにより、前
記高温部材に供給される冷却蒸気圧力を調整する弁その
他の蒸気圧力調整手段と、前記高温部材の冷却蒸気圧力
とガスタービンの車室圧力とを測定する測定手段と、前
記冷却蒸気圧力と前記車室圧力とを比較し、この比較結
果に基づいて前記冷却蒸気圧力が前記車室圧力よりも高
くなるように前記蒸気圧力調整手段を制御する制御手段
と、を備えたことを特徴とする。
または静翼の下流に冷却蒸気を分岐させて流すための蒸
気流路を備えている。動翼または静翼の冷却蒸気圧力を
制御するには、制御対象にできるだけ近い位置に弁等の
圧力調整手段を配置して、これによって制御することが
望ましい。このガスタービンにおいては、動翼または静
翼の下流であって、混合器やHRSGに入る前に設けた
冷却蒸気を分岐させて流すための蒸気流路へ冷却蒸気を
流すことで、動静翼の冷却蒸気圧力を調整する。このた
め、上記ガスタービンと比較して素早く動静翼の冷却蒸
気圧力を調整できるので、車室空気圧力が急激に上昇し
た場合であっても即座に動静翼の冷却蒸気圧力を高くす
ることができる。その結果、ガスタービンのトリップを
抑えて安定した運転ができる。
記ガスタービンにおいて、さらに、前記高温部材の冷却
蒸気圧力を、前記車室圧力の圧力値と一定の圧力値とを
演算した大きさに保つことを特徴とする。蒸気冷却を適
用したガスタービンにおいては、動静翼の冷却蒸気圧力
が車室圧力よりも高くなるように制御する。この場合、
両者の圧力値が等しくなったときに、動静翼の冷却蒸気
圧力を高くするように圧力調整手段を制御したのでは、
応答の遅れによって車室圧力値が動静翼冷却蒸気圧力値
を上回る場合がある。また、急激な負荷上昇に起因し
て、車室空気の圧力が急激に上昇した場合にも、動静翼
の冷却蒸気圧力の上昇がこれに追従できない場合もあ
る。こうなると、ガスタービンのトリップを招いてしま
うため、このガスタービンは、車室空気の圧力値と一定
のマージン圧力値とを演算した値よりも動静翼の冷却蒸
気圧力値が大きくなるように制御する。このようにする
ことで、ガスタービンのトリップを抑制し安定した運転
ができるようになる。なお、この演算には、例えば車室
空気圧と一定のマージン圧力とを加算するものや、両者
を一定の比に保つようにするものがある(以下同様)。
記ガスタービンにおいて、さらに、前記蒸気圧力調整手
段の上流直近で冷却蒸気の圧力を測定し、当該冷却蒸気
の測定値と一定の圧力値とを演算した値を、前記高温部
材の冷却蒸気圧力値としたことを特徴とする。
調整手段の上流直近で測定した圧力によって、動静翼の
冷却蒸気圧力を制御する。一般的に、制御に用いるパラ
メータは実際に対象物を制御する制御手段の近くで測定
することが精密で応答性のよい制御をする上で好まし
い。このガスタービンでは、冷却蒸気圧力制御手段の上
流側であって、できる限り当該冷却蒸気圧力制御手段の
近傍で冷却蒸気圧力を測定し、これに基づいて動静翼の
圧力を制御する。これによってより精密な制御ができる
ので、無駄に蒸気を流すことなく動静翼の冷却蒸気圧を
制御できる。また、制御の応答性も高くなるので、急激
な車室圧力変動に対しても遅れることなく動静翼の冷却
蒸気圧力を制御できる。なお、動静翼から冷却蒸気圧力
制御手段までの圧力損失によって、冷却蒸気圧力制御手
段の近傍で測定した冷却蒸気圧力は動静翼の蒸気圧力よ
りも低くなっている。このずれを補正するために、例え
ば、冷却蒸気圧力制御手段の近傍で測定した冷却蒸気圧
力値と当該圧力損失分とを加算する演算をした圧力値
を、動静翼冷却蒸気圧力とする。
記ガスタービンにおいて、さらに、前記制御手段は、前
記高温部材の冷却蒸気圧力と前記車室圧力との差分を求
め、且つ当該差分の変化率に応じて前記蒸気圧力調整手
段の調整速度を設定する演算部と、前記演算部からの信
号に基づいて前記蒸気圧力調整手段を制御する制御部
と、を備えたことを特徴とする。
の差分に基づいて、冷却蒸気圧力調整手段の調整速度を
決定し、その決定した調整速度で冷却蒸気圧力調整手段
を制御する。例えば、負荷の急上昇等によって車室圧力
が急上昇した場合には、弁等の冷却蒸気圧力調整手段の
調整が追いつかず、車室圧力が動静翼の冷却蒸気圧力を
超える場合もある。このガスタービンでは、車室圧力が
急上昇して動静翼の冷却蒸気圧力と車室圧力との差分の
変化率の絶対値がある値を超えた場合には、冷却蒸気圧
力制御手段である弁を素早く開閉する。このように、車
室圧力と動静翼の冷却蒸気圧力とが急速に近づくと弁が
素早く開閉されるので、動静翼の冷却蒸気圧力は素早く
変化する。その結果、急激な車室圧力等の変化に対して
も、動静翼の冷却蒸気圧力を車室圧力よりも高く保つこ
とができ、ガスタービンのトリップを抑えることができ
る。
速度のみならず、弁の開閉度も制御してもよい。すなわ
ち、車室圧力値が動静翼の冷却蒸気圧力値に急激に近づ
いた場合には、弁を急速に、かつ大きく開閉すること
で、さらに素早く動静翼の冷却蒸気圧力を調整できる。
その結果、ガスタービンがトリップする危険性をさらに
低くできるので、より安定した運転ができる。
ービンの冷却を要する高温部材に蒸気を供給する蒸気供
給手段と、前記高温部材に供給される冷却蒸気圧力を調
整するための弁その他の蒸気圧力調整手段と、前記冷却
蒸気圧力とガスタービンの車室圧力とを測定する測定手
段と、を備えたガスタービンの高温部材に供給される冷
却蒸気圧力を調整するための制御装置であって、前記冷
却蒸気圧力と前記車室圧力とを比較し、この比較結果に
基づいて前記冷却蒸気圧力を前記車室圧力よりも高くす
るように前記蒸気圧力調整手段を作動させる信号を生成
する処理部と、前記処理部からの信号に基づいて前記蒸
気圧力調整手段を制御する制御部と、を備えたことを特
徴とする。
圧力調整手段を、動翼または静翼の下流に設けた蒸気冷
却システムを備えたガスタービンを制御する制御装置で
ある。そして、車室圧力と動翼または静翼の冷却蒸気圧
力とを比較して、その比較結果に基づいて動静翼の冷却
蒸気圧力調整手段を制御するものである。この制御装置
は、動静翼の下流側に設けた弁等の圧力調整手段を制御
して、動静翼の冷却蒸気圧力を車室圧力よりも高くなる
ように制御するようにしたので、応答よく、また、大き
な調整幅で当該冷却蒸気圧力を制御できる。これによっ
て、車室圧力の変動に追従して常に動静翼の冷却蒸気圧
力を車室圧力よりも高く制御できるので、ガスタービン
のトリップを抑えて安定した運転ができる。
ービンの冷却を要する高温部材に蒸気を供給する蒸気供
給手段と、前記高温部材に供給される冷却蒸気圧力を調
整するための弁その他の蒸気圧力調整手段と、前記冷却
蒸気圧力とガスタービンの車室圧力とを測定する測定手
段と、を備えたガスタービンの動翼または静翼に供給さ
れる冷却蒸気圧力を調整するための制御装置であって、
前記高温部材の冷却蒸気圧力と車室圧力との差分を求
め、且つ当該差分の変化率に応じて前記蒸気圧力調整手
段の動作速度を設定する演算部と、前記演算部からの信
号に基づいて前記蒸気圧力調整手段を制御する制御部
と、を備えたことを特徴とする。
圧力調整手段を、動翼または静翼の下流に設けるように
した蒸気冷却システムを備えたガスタービンを制御する
制御装置である。そして、動静翼と車室圧力との差分に
基づいて、冷却蒸気圧力調整手段の調整速度を決定し、
その決定した調整速度で冷却蒸気圧力調整手段を制御す
る。例えば、車室圧力が急上昇して動静翼の冷却蒸気圧
力と車室圧力との差分の変化率の絶対値がある値を超え
たと判断した場合には、冷却蒸気圧力制御手段である弁
を素早く開閉するように制御する。このように、車室圧
力と動静翼の冷却蒸気圧力とが急速に近づくと弁が素早
く開閉されるので、動静翼の冷却蒸気圧力は素早く変化
する。その結果、急激な車室圧力等の変化に対しても、
動静翼の冷却蒸気圧力を車室圧力よりも高く保つことが
でき、ガスタービンのトリップを抑えることができる。
なお、弁等の冷却蒸気圧力制御手段の調整速度のみなら
ず、弁の開閉度も制御してもよい。このようにすると、
さらに素早く動静翼の冷却蒸気圧力を調整できるので、
ガスタービンがトリップする危険性をさらに低くでき
る。
法は、ガスタービンの車室圧力よりもガスタービンの冷
却を要する高温部材を冷却する蒸気圧力を高く保つよう
に前記高温部材を蒸気冷却するにあたって、前記高温部
材の冷却蒸気圧力および前記車室圧力を測定する工程
と、前記高温部材の冷却蒸気圧力と前記車室圧力とを比
較する工程と、前記比較結果に基づいて、前記高温部材
の下流に設けられた当該高温部材の冷却蒸気圧力を調整
する蒸気圧力調整手段を制御する工程と、を備えたこと
を特徴とする。
翼の冷却蒸気圧力を調整する手段を、動翼または静翼の
下流に設けるようにした蒸気冷却システムを備えたガス
タービンに適用するものである。そして、動静翼の冷却
蒸気圧力が車室圧力よりも高くなるようにこの冷却蒸気
圧力調整手段を制御する。このように、動静翼の下流側
に設けた弁等の圧力調整手段を制御して、動静翼の冷却
蒸気圧力を調整するようにしたので、応答よく、また、
大きな調整幅で動静翼の冷却蒸気圧力を制御できる。そ
の結果、車室圧力の変動に追従して常に動静翼の冷却蒸
気圧力を車室圧力よりも高く制御できるので、ガスター
ビンのトリップを抑えて安定した運転ができる。また、
この冷却蒸気圧力調整方法をコンピュータに実行させる
ためのプログラム(請求項9)によって、この冷却蒸気
圧力調整方法がコンピュータを利用して実現できる。
プラントは、動翼、静翼その他の高温部材を蒸気で冷却
するガスタービンと、前記ガスタービンの排気ガスによ
って蒸気を発生させる排熱回収ボイラーと、前記排熱回
収ボイラーから供給される蒸気をガスタービンの高温部
材に導くための配管と、前記ガスタービンの高温部材の
下流に設けられ、且つ前記高温部材に供給される冷却蒸
気圧力を調整する弁その他の蒸気圧力調整手段と、前記
高温部材の冷却蒸気圧力とガスタービンの車室圧力とを
測定する測定手段と、前記冷却蒸気圧力と前記車室圧力
とを比較し、この比較結果に基づいて前記冷却蒸気圧力
を前記車室圧力よりも高くするように前記蒸気圧力調整
手段を制御する制御手段と、前記排熱回収ボイラーから
供給される蒸気によって駆動される蒸気タービンと、を
備えたことを特徴とする。
却システムを備え、かつ弁等の動静翼の冷却蒸気圧力を
調整する手段を、動翼または静翼の下流に設けるように
したガスタービンを備えたガスタービン複合プラントで
ある。動静翼の冷却蒸気圧力が車室圧力よりも高くなる
ように、制御手段によって冷却蒸気圧力調整手段が制御
される。このガスタービン複合プラントは、動静翼の下
流側に設けた弁等の圧力調整手段を制御して、動静翼の
冷却蒸気圧力を調整するガスタービンを備えているの
で、応答よく、また、大きな調整幅で動静翼の冷却蒸気
圧力を制御できる。その結果、車室圧力の変動に追従し
て常に動静翼の冷却蒸気圧力車室圧力よりも高く制御で
きるので、ガスタービンのトリップを抑えることができ
る。このため、プラント全体としても安定した運転がで
きるので、真夏の昼間のように電力需要が急激に増加し
た場合であっても、ガスタービンがトリップすることな
く安定して電力を供給できる。
プラントは、動翼、静翼その他の高温部材を蒸気で冷却
するガスタービンと、前記ガスタービンの排気ガスによ
って蒸気を発生させる排熱回収ボイラーと、前記排熱回
収ボイラーから供給される蒸気をガスタービンの高温部
材に導くための配管と、前記ガスタービンの高温部材の
下流に設けられた、冷却蒸気を分岐させて流すための分
岐流路と、前記分岐流路へ流す冷却蒸気量を変化させる
ことにより、前記高温部材に供給される冷却蒸気圧力を
調整する弁その他の蒸気圧力調整手段と、前記高温部材
の冷却蒸気圧力とガスタービンの車室圧力とを測定する
測定手段と、前記冷却蒸気圧力と前記車室圧力とを比較
し、この比較結果に基づいて前記冷却蒸気圧力が前記車
室圧力よりも高くなるように前記蒸気圧力調整手段を制
御する制御手段と、前記排熱回収ボイラーから供給され
る蒸気によって駆動される蒸気タービンと、を備えたこ
とを特徴とする。
却システムを備え、かつ弁等の動静翼の冷却蒸気圧力を
調整する手段を、動翼または静翼の下流に設けるように
したガスタービンを備えたガスタービン複合プラントで
ある。そして、動静翼と車室圧力との差分に基づいて、
冷却蒸気圧力調整手段の調整速度を決定し、その決定し
た調整速度で冷却蒸気圧力調整手段を調整して、動静翼
の冷却蒸気圧力が車室圧力よりも高くなるように制御す
る。例えば車室圧力が急激に大きくなったような場合に
は、車室圧力と動静翼の冷却蒸気圧力とが急速に近づく
ため、弁が素早く開閉される。このため、動静翼の冷却
蒸気圧力は素早く変化するので、急激な車室圧力等の変
化に対しても、動静翼の冷却蒸気圧力を車室圧力よりも
高く保つことができる。その結果、ガスタービンのトリ
ップを抑えることができるため、プラント全体としても
安定した運転ができる。得に電力需要が急増して、ガス
タービンの負荷が急激に上昇したような場合であって
も、安定して電力を供給できる。
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。また、下記実施の形
態における構成要素には、当業者が容易に想定できるも
のが含まれるものとする。
の形態1に係る動静翼蒸気冷却を用いたガスタービンの
冷却系統を示す概略図である。また、図2は、この発明
の実施の形態1に係るガスタービンの部分断面図であ
る。このガスタービンは、ガスタービンの高温部材であ
る動静翼の下流に配置した蒸気圧力調整手段によって、
動静翼入口の冷却蒸気圧力を車室の圧力よりも高く保つ
点に特徴がある。なお、ガスタービンの高温部材として
は、動翼および静翼の他に、燃焼器尾筒やタービン主
軸、あるいはローターディスクも含まれるが、特に動
翼、静翼あるいは燃焼器尾筒の冷却に本発明を適用する
と効果的である。
れる高圧蒸気によって駆動される高圧蒸気タービン(図
示せず)の排気蒸気を動静翼の冷却媒体として使用する
ものである。なお、冷却媒体として使用する蒸気は高圧
蒸気タービンの排気蒸気に限られない。例えば、HRS
Gに備えられたHP−SH(High Pressure Super Heat
er:高圧過熱器)から供給される高圧蒸気も使用でき
る。また、ガスタービンの起動時には、高圧蒸気タービ
ンの駆動に使用するための蒸気が十分に得られないた
め、このような場合には工場等に設置した予備ボイラー
で作られた補助蒸気を使用することができる。以下の実
施の形態においても同様である。
は、動翼用蒸気流量調整弁10および静翼用蒸気流量調
整弁20によって流量を調整される。そして、図2に示
すように、動翼1に供給される蒸気は、タービン主軸7
5内に設けられた蒸気供給流路71を経由して、また、
静翼2に供給される蒸気は蒸気供給口73を通ってそれ
ぞれの内部に設けられた冷却流路へ供給される。
静翼2内部の冷却流路内壁面と熱交換した後、動翼1お
よび静翼2の外部へ排出される。このとき、動翼1を冷
却した蒸気は、タービン主軸75内に設けられた蒸気回
収流路72を通って、静翼2を冷却した蒸気は蒸気回収
口74を通ってそれぞれガスタービン90外へ取り出さ
れてから、混合器5へ導かれる。なお、混合器5の代わ
りにHRSG内に設けられた再熱器(図示せず)に冷却後
の蒸気を導いて、ここでガスタービン排ガスの熱エネル
ギーを与えてから中圧蒸気タービンに供給してもよい。
筒(図示せず)冷却蒸気や高圧蒸気タービンの排気蒸気
等と混合される。これらの混合蒸気は蒸気圧力調整手段
であるIP−GV30(中圧蒸気タービン用ガバナ:In
termediate Pressure-Governor)またはIP−TB35
(Intermediate Pressure-Turbine Bypass)の少なくと
も一方によって圧力を調整された後中圧蒸気タービン4
(図1参照)へ供給されて、これを駆動する。なお、中
圧蒸気タービン4の代わりに低圧蒸気タービン(図示せ
ず)を駆動してもよい。
からより高い値へ変動した場合を考える。ガスタービン
の負荷が上昇すると、上昇した負荷に対応した出力を発
生するために、より多くの燃料を燃焼させてより高い熱
エネルギーを発生させることで出力の増加に対応する。
このとき、ガスタービンの燃焼器にはより多くの燃料が
供給されるが、供給される燃料が増加した分燃焼用空気
の供給量も増加する。すなわち、燃焼器に供給される燃
料が増加すると、圧縮器6(図1参照)に供給される空
気量も増加し、これに対応して車室3の空気圧力である
車室圧力P3も上昇する。
供給する高圧蒸気タービンや、これに蒸気を供給するH
RSG等から構成される蒸気供給系の熱容量は、ガスタ
ービンと比較して大きい。このため、ガスタービンの出
力が上昇してHRSGに入力される排気ガスの熱エネル
ギーが増加しても、すぐにはHRSGから供給される蒸
気量は増加しない。したがって、HRSGから供給され
る冷却蒸気の量は、ガスタービンの負荷が上昇して、あ
る程度の時間が経過してから増加し始める。このよう
に、ガスタービン複合プラントでは、動翼1および静翼
2に供給される蒸気量が増加するまでに要する時間は、
車室圧力が上昇を始める時間よりも遅くなる。その結
果、ガスタービンの負荷が上昇すると、車室圧力P3の
方が動翼の蒸気圧力P1および静翼の蒸気圧力P2よりも
大きくなってしまう。この状態になると、燃焼ガスが動
翼1および静翼2に設けられたフィルム冷却孔から内部
冷却流路へ逆流し、動静翼の温度が上昇する結果、ガス
タービンのトリップすなわち停止を招いてしまう。
管50(図1参照)に蒸気漏れが生じたり、あるいは蒸
気供給管50が詰まったりした場合には、動翼1に供給
される蒸気量が少なくなり、動翼の蒸気圧力P1が低下
する。そして、P1が低下して車室圧力P3よりも低くな
ると、燃焼ガスが動翼1や静翼2内部に設けられた冷却
流路内に逆流して動静翼を過熱し、ガスタービンのトリ
ップを招くこともあった。
するために、車室圧力P3は、動翼および静翼の蒸気圧
力P1およびP2よりも小さくなるように制御する必要が
ある。従来は、この制御のために動静翼の上流に設けら
れた動翼用蒸気流量調整弁10および静翼用蒸気流量調
整弁20を開閉することで、車室圧力P3の方が動静翼
の蒸気圧力よりも小さくなるように制御しようとしてい
た。しかし、動翼および静翼の蒸気圧力P1およびP
2は、これらの下流における蒸気の圧力に支配されるの
で、この方法では蒸気圧力を十分に制御することはでき
ない。また、HRSGから発生する蒸気量が増加するま
でには、ガスタービンの排ガスによる加熱量が増加して
からある程度の時間を要する。このため、動静翼の蒸気
圧力P1およびP2を高くするのに十分な蒸気量を、車室
圧力P3の上昇とともに確保することはできない。
ンでは、負荷の上昇等によって車室圧力P3が上昇した
場合には、動静翼の下流にある蒸気圧力調節手段である
IP−GV30またはIP−TB40を閉じることによ
って、動翼1および静翼2の冷却蒸気圧力P1およびP2
を上昇させる。このように、動静翼の下流側で動静翼の
入口蒸気圧力を制御するので、動静翼の上流側に存在す
る熱容量が大きいHRSGや高圧蒸気タービンといった
蒸気供給系の応答にほとんど影響を受けることなく、迅
速に動静翼の冷却蒸気圧力を制御できる。このため、動
静翼の過熱を抑えて、ガスタービンのトリップを抑制で
きるので安定した運転ができる。
冷却蒸気の圧力を制御する方法について説明する。な
お、次の説明では説明を簡略化するため、動翼1の冷却
蒸気圧力P1の制御を説明するが、静翼の冷却空気圧力
P2の制御も同様である。図3は、この発明の実施の形
態1に係るガスタービンの制御方法を示したフローチャ
ートである。また、図4は、この制御方法に適用できる
制御装置を示したブロック図である。
P3よりも大きくなるように制御すれば理論上燃焼ガス
の逆流は生じない。しかしながら、このガスタービンで
は、車室圧力P3にマージン圧力αを加算した値よりも
高い圧力値になるように、動翼1の蒸気圧力P1を制御
する。この理由については後述する。このように制御す
るため、制御装置100の処理部110に設けられた第
一演算器111によって車室圧力に圧力αを加算する。
動翼1の冷却蒸気圧力P1と、車室圧力P3とを測定する
(ステップS1)。この測定値は測定器211および2
12に取り込まれた後、電気信号に変換されて、制御装
置100の処理部110へ送られる。そして、処理部1
10内の第一演算器111によって、車室圧力P3に予
め圧力αが加算される(ステップS2)。その後、比較
器112で車室圧力P3と動翼1の冷却蒸気圧力P1とが
比較される(ステップS3)。
P3+αとなった場合には、その結果を受けて第二演算
器113が制御信号をコントローラ120へ信号を送
り、その制御信号に基づいて制御部であるコントローラ
120が圧力調節手段であるIP−GV30を閉じる
(ステップS4)。すると、中圧蒸気タービン4に流れ
る冷却蒸気の流量が減り、動翼の冷却蒸気圧力P1が上
昇する。その結果、動翼1の冷却蒸気圧力P1はP3+α
よりも大きくなって、燃焼ガスが動翼内へ逆流すること
を防止できる。
は、平均してみればP1>P3+αを維持しているが、あ
る瞬間にはP1≦P3+αとなり、次の瞬間にはP1>P3
+αとなることがある。このような場合にIP−GV3
0を閉めるように制御すると、IP−GVの開閉信号が
短い周期で断続的に入力されるため、IP−GV30が
ハンチングを発生する場合がある。これを抑えるため、
例えば、三回連続してP1≦P3+αとなった場合にIP
−GV30を閉じるように制御してもよい。このように
すると、車室圧力P3等の脈動の影響を排除できるの
で、IP−GV30のハンチングを抑えて安定した制御
ができる。
理由を説明する。図5は、動翼の冷却蒸気圧力と車室圧
力との関係を示した説明図である。動翼1とIP−GV
30との間は長い配管によって結ばれているため、IP
−GV30を閉じると直ちに動翼1の冷却蒸気圧力P1
が上昇する訳ではない。つまり、車室圧力P3が上昇し
てきたのでIP−GV30を閉じたとしても、実際にP
1の圧力が上昇を開始するまでにはある程度の時間を要
するため、図5(a)に示すように、車室圧力P 3が動
翼1の冷却蒸気圧力P1を超えてしまう場合がある。こ
うなると、ガスタービンはトリップしてしまうので、こ
のような事態を防ぐために、予めマージンとして圧力α
を車室圧力P3に加算したのである。こうすると、図5
(b)に示すように、動翼1の冷却蒸気圧力P1が上昇
を開始するまでにある程度の時間を要しても、P1とP3
+αとが等しくなったときにP1を上昇させる制御が入
る。こうして、車室圧力P3が動翼1の冷却蒸気圧力P1
を超える前にP1は上昇を開始するので、動翼1の冷却
蒸気圧力P1を常に車室圧力P3よりも高く保つことがで
きる。ただし、マージン圧力αの値が小さいと、車室圧
力P3が動翼1の冷却蒸気圧力P1を超える場合があるの
で、ガスタービンの仕様等に応じてこのマージン圧力α
を最適な値に設定する必要がある。
(x)を用いてもよい。定数を用いるときには、例えば
α=0.15〜0.30MPaとすることが望ましい。
また、αをガスタービンの負荷の関数としてもよい。図
6は、マージン圧力αを関数としたときの一例を示す説
明図である。このような関数としては、例えば、図6
(a)に示すように、負荷Lが増加するとαも増加する
ような関数α=a×L+b(a、bは定数)を用いるこ
とができる。このような関数を用いると、負荷が小さく
車室圧力P3が急激に上昇しないような場合には、でき
るだけ長時間IP−GV30(図1参照)を開けておく
ことができる。その結果、中圧蒸気タービン4(図1参
照)へより多くの蒸気を供給できるため、それだけ多く
の仕事を中圧蒸気タービン4から取り出すことができ
る。
に車室圧力P3が上昇した場合には、マージンの圧力α
が大きく設定される。これによって、IP−GV30
(図1参照)を早い時期に閉めて動翼1の冷却蒸気圧力
P1を高くできるので、燃焼ガスが動翼1内へ逆流する
ことを防止できる。また、図6(b)に示すように、α
を負荷Lの非線形の関数α=f(L)として、ある負荷
から急激にαの値を立ち上げるようにしてもよい。さら
に、αは負荷Lに限らず、動翼1の温度や燃料供給量の
関数としてもよい。これは、負荷が直接測定できない場
合に有効である。また、燃料を供給してから負荷が上昇
するまでには遅れが存在するが、燃料供給量を制御のパ
ラメータとすればこの遅れは無視できるので、より迅速
に動静翼の冷却蒸気圧力を調整できるので好ましい。さ
らに、冷却蒸気圧力P1の制御には、例えば、動翼1の
冷却蒸気圧力P1の方が車室圧力P3よりも高くなるよう
に、両者の圧力比を一定値に保つような制御をすること
もできる。そして、安定した制御をする上では、この圧
力比を1.1〜2.0程度とすることが好ましい。
態1に係るガスタービンのもう一つの制御方法を示した
フローチャートである。また、図8は、この制御方法に
適用できる制御装置のブロック図である。上記制御にお
いては、動翼1の冷却蒸気圧力P1は動翼1の入口に備
えられた圧力計201によって測定していた(図1〜図
3参照)。しかしながら、制御に用いるパラメータは、
実際に対象物を制御する制御手段の近くで測定すること
がより精密で応答性の高い制御をする上で好ましい。動
翼1の上流に設置されている圧力計201は、実際に冷
却蒸気の圧力を制御するIP−GV30とは距離が離れ
た場所に設置されているので、圧力計201の測定値を
使用すると、制御の精度がやや低くなる場合がある。し
たがって、この制御には圧力計201の測定値P1を使
用するよりも、圧力計204(図1参照)で測定したI
P−GV30の入口圧力P4を使用することが望まし
い。なお、制御の精度をより高くするため、圧力計20
4はIP−GV30の上流側であって、できるだけIP
−GV30の近くに設けることが望ましい。
ら圧力計204までの配管が長いため、圧力損失によっ
てP4はP1よりも小さくなる。したがって、圧力計20
4の測定値P4を動翼1の冷却蒸気圧力P1として使用す
る場合には、この圧力損失分をP4に加算する等の演算
をして補正する必要がある。このため、冷却蒸気圧力P
1と車室圧力P3とを測定し(ステップS10)、その後
圧力計204の測定値は測定器214で電気信号に変換
された後、第一演算器111bによって予め上記圧力損
失を考慮した圧力βが加算される(ステップS20)。
そして、P4+βが動翼1の冷却蒸気圧力P1に置き換え
られて、制御装置102に備えられた処理部130内の
比較器112で車室圧力P3と比較される(ステップS
30)。比較結果がP1=P4+β≦P3+αのときに
は、第二演算器113から制御部であるコントローラ1
20へ制御信号が送られ、コントローラ120はIP―
GV30(図1参照)を閉じるように制御する(ステッ
プS40)。このようにすると、実際に圧力を制御する
IP−GV30の近傍における圧力P4をパラメータと
して動翼1の冷却蒸気圧力P1を制御できるので、制御
の精度を高くできる。
ウエアにより実現されるものであってもよく、また、こ
の処理部130等はメモリおよびCPU(中央演算装
置)により構成され、処理部の機能を実現するためのプ
ログラム(図示省略)をメモリにロードして実行するこ
とによりその機能を実現させるものであってもよい。な
お、このプログラムは、上述した機能の一部を実現する
ためのものであってもよく、さらに上述した機能をコン
ピュータシステムにすでに記録されているプログラムと
の組み合わせで実現できるものであってもよい。
等は、周辺機器として入力装置、表示装置など(いずれ
も図示省略)をメモリにロードして実行することにより
その機能を実現させるものであってもよい。この場合に
は、この制御装置102等に周辺機器として入力装置、
表示装置など(いずれも図示省略)が接続されるものと
する。ここで、入力装置とはキーボード、マウス等の入
力デバイスのことをいう。表示装置とはCRT(Cathod
e Ray Tube)や液晶表示装置などのことをいう。
ビンは、動静翼の下流側で冷却蒸気の圧力を制御するの
で、動静翼の上流側で冷却蒸気の圧力を制御する場合と
比較して、冷却蒸気圧力の応答は飛躍的に速くなる。し
かしながら、ガスタービン自体の寸法が大きく、また、
個々の機器を配置する都合上、動静翼の冷却蒸気圧力を
制御するIP−GV30は動静翼から離れた位置に配置
されている。このため、動静翼の下流側で冷却蒸気圧力
を制御するといっても、IP−GVの開閉と動翼等にお
ける冷却蒸気圧力の変化との間に生ずる応答の遅れを完
全に排除することはできない。
ンでは、ごく短時間の間にマージン圧力αを超えるよう
な車室圧力の変化が起こった場合には、その変化に冷却
蒸気の圧力変化が追従できない場合がある。そして、ご
く短時間の間に車室圧力が動静翼の冷却蒸気圧力を超え
てしまい、ガスタービンのトリップを招くことがある。
このような問題を解決するためには、マージン圧力αを
大きくすればよいが、車室圧力と冷却蒸気圧力との関係
から無闇に大きくすることはできない。
問題点を解決するものであり、車室圧力P3および動翼
圧力P1の変化率をパラメータとして、IP−GVの開
閉を制御する点に特徴がある。図9は、実施の形態1の
変形例に係るガスタービンの制御例を示すフローチャー
トである。また、図10は、この制御に適用できる制御
装置を示すブロック図である。この制御装置103に
は、演算部131と制御部であるコントローラ121と
が備えられている。ここでは、動翼1の冷却蒸気圧力P
1と車室圧力P3との差圧であるΔPの変化傾向を変化率
のパラメータとして、IP−GV30の開閉を制御する
例について説明する。
圧力を制御するため、上述したように、IP−GV30
の直近上流における圧力P4を測定し、これに補正値β
を加算して動翼の冷却蒸気圧力P1とする。車室圧力P3
およびIP−GV30の直近上流における圧力P4は、
図1に示す圧力計203および204によって測定され
る(ステップS100)。その測定値は測定器213お
よび214によって電気信号に変換されて、制御装置1
03に取り込まれる。なお、このときのサンプリング周
期はプラントの大きさ等によって適宜設定できるが、こ
の例においては100ms間隔でP4およびP3を測定し
た。
P4は、演算部131内に設けられた第一演算器111
aおよび111bによって、それぞれマージン圧力αお
よび補正値βが加算され、P4+β=P1と置き換えられ
る(ステップS200)。つぎに、比較器112によっ
てP1とP3+αとが比較される(ステップS300)。
この比較結果がP1>P3+αである場合にはつぎのステ
ップへ進むが、そうでない場合には動翼の冷却蒸気圧力
P1が車室圧力P3を下回るおそれがある。このため、こ
の場合には第二演算器113からコントローラ121に
制御信号を送り、コントローラ121がIP−GV30
を閉じて動翼の冷却蒸気圧力を上昇させる制御(ステッ
プS6)に移行する。
αである場合には、減算器140によって差圧ΔP=P
1−P3が計算される(ステップS400)。つぎに、こ
こで計算されたΔPに基づき、第二演算器113によっ
て現在のΔP(n)と一回前のΔP(n−1)とが比較
される。そして、ΔP(n)>ΔP(n−1)であると
きには、差圧ΔPが低下傾向であると判断される(ステ
ップS500)。
の測定値のみとの比較ではなく、さらに前の測定値同士
の比較によってΔPの変化傾向を判断してもよい。例え
ば、二回および三回前の測定値ΔP(n−2)およびΔ
P(n−3)を使用して、ΔP(n)>ΔP(n−1)
と、ΔP(n−1)>ΔP(n−2)と、ΔP(n−
2)>ΔP(n−3)とが同時に成り立つ場合に、差圧
ΔPが低下傾向であると判断するようにしてもよい。こ
のようにすると、一回前の測定値のみと比較する場合よ
りもノイズの影響を受け難くなるので、IP−GV30
のハンチングを抑制して安定した制御ができる。
ると判断した場合には、第二演算器113からコントロ
ーラ121に制御信号を送り、この制御信号を受けてコ
ントローラ121がIP−GV30を閉じるように制御
する(ステップS600)。すると、IP−GV30が
閉じる結果、動翼の冷却蒸気圧力P1が上昇を始める。
このようにすると、差圧ΔPが低下傾向に変化したとき
にはIP−GVを閉めることにより、車室圧力P3が動
翼の冷却蒸気圧力P1を超えるよりも早くP1を上昇させ
ることができるので、ガスタービンのトリップを防止し
て、安定した運転ができる。また、マージン圧力を大き
く設定しなくとも、迅速な制御ができる。さらに、動静
翼等といった高温部材の過熱を抑えることができるた
め、これら部材の破損を抑制して寿命も長くできる。
エアにより実現されるものであってもよく、また、この
演算部131はメモリおよびCPU(中央演算装置)に
より構成され、処理部の機能を実現するためのプログラ
ム(図示省略)をメモリにロードして実行することによ
りその機能を実現させるものであってもよい。なお、こ
のプログラムは、上述した機能の一部を実現するための
ものであってもよく、さらに上述した機能をコンピュー
タシステムにすでに記録されているプログラムとの組み
合わせで実現できるものであってもよい。
は、周辺機器として入力装置、表示装置など(いずれも
図示省略)をメモリにロードして実行することによりそ
の機能を実現させるものであってもよい。この場合に
は、この制御装置103に周辺機器として入力装置、表
示装置など(いずれも図示省略)が接続されるものとす
る。ここで、入力装置とはキーボード、マウス等の入力
デバイスのことをいう。表示装置とはCRT(Cathode
Ray Tube)や液晶表示装置などのことをいう。
Pが低下する変化の割合がある設定値以上になった場合
には、IP−GV30の開閉速度を高くし、かつ開閉度
を大きくするようにしてもよい。IP−GV30の開閉
速度および開閉度を大きくするには、例えば、コントロ
ーラ121にPIDコントローラを使用している場合に
は、その比例ゲインを大きくすればよい。このようにす
ると、例えば負荷の急激な変動等によって車室圧力P3
が急激に上昇した場合には、IP−GV30を素早く、
かつ大きく閉じることができるので、動翼1の冷却蒸気
圧力P1を素早く上昇させることができる。その結果、
車室圧力P3の上昇よりも動翼1の冷却蒸気圧力P1は急
速に上昇するので、急激な負荷変動に対してもガスター
ビンのトリップを防止できる。また、車室圧力の変化が
緩やかである場合には、IP−GV30の開閉速度およ
び開閉度を小さく制御するため、IP−GVのハンチン
グを抑えて安定した制御ができる。
いて動翼の冷却蒸気圧力P1が下がり、一方で車室圧力
P3が負荷上昇にともなって上昇している場合には、急
速にP3がP1を超えてガスタービンのトリップを招く場
合がある。この制御ロジックによれば、このような状態
でもガスタービンのトリップを防止して安定した運転が
できるので有効である。また、差圧ΔPの変化傾向によ
って動翼1の冷却蒸気圧力P1を制御するので、P1およ
びP3のサンプリング周波数を適当な値にしたり、より
過去の測定値までさかのぼって変化傾向を判定したりす
ることで、車室圧力P3等の脈動の影響を排除できる。
また、この脈動の影響を排除することでIP−GV30
のハンチングも抑制できるので、安定したガスタービン
の運転ができるようになる。
動翼の冷却蒸気圧力P1とを比較したが、静翼2の冷却
蒸気圧力P2についても同様に制御できる。ここで、動
翼の冷却蒸気圧力P1と車室圧力P3との差圧ΔP1と、
静翼の冷却蒸気圧力P2と車室圧力P3との差圧ΔP2と
の変化を比較して、ΔP1およびΔP2のうちいずれか一
方が減少傾向を示した場合にはIP−GV30を閉める
ようにしてもよい。図11は、この制御方法を示すフロ
ーチャートである。このようにすると、動翼1または静
翼2の冷却蒸気圧力のうち、車室圧力P3との差がより
速く近づく方にあわせて冷却蒸気圧力を制御するので、
より確実にガスタービンのトリップを防止できる。
よび差圧ΔP2の変化率のうち、いずれか一方の変化率
が設定値を超えた場合には、IP−GV30を素早くか
つ大きく開閉するようにしてもよい。図11(b)は、
この制御方法を示すフローチャートである。なお、差圧
ΔPの変化率は、例えば、(ΔP(n)−ΔP(n−
1))/Δtで求めることができる。ここで、Δtはサ
ンプリング周期であり、時間の次元を持っている。この
ようにすると、動翼1または静翼2の冷却蒸気圧力のう
ちいずれか一方の値が車室圧力の値へ急激に近づいて
も、変化率が大きい方に合わせて冷却蒸気圧力を制御で
きるので、より確実にガスタービンのトリップを防止で
きる。
IP−GV30によって動翼1の冷却蒸気圧力P1と静
翼の冷却蒸気圧力P2とを制御しているが、動翼1と静
翼2とを別個の配管として、それぞれ個別に制御しても
よい。こうすると、P1およびP2を個別に調整できるの
でより精密な制御ができ、冷却蒸気の無駄を抑えて、よ
り多くの蒸気を中圧蒸気タービン4に送り込むことがで
きる。
るガスタービンの制御方法の一例を示す説明図である。
このガスタービンは、車室圧力が動静翼の冷却蒸気圧力
を超えないように制御しつつ、動静翼に流れる冷却蒸気
の流量を一定量確保するように制御する点に特徴があ
る。上記制御においては、動静翼の冷却蒸気圧力を常に
車室圧力よりも高く保つように制御することで、燃焼ガ
スが動静翼の内部冷却流路へ逆流することを防止し、ガ
スタービンのトリップを抑制する。
が十分に確保されていないと、動静翼の熱を動静翼の外
部へ十分に移動させることができない。その結果、動静
翼が過熱してガスタービンのトリップを招いてしまう。
そこで、この変形例においては、動静翼の冷却蒸気圧力
を車室圧力よりも高く保ちつつ、冷却に必要な蒸気の流
量を確保するように制御するものである。
ては、動翼1および静翼2の上流に冷却蒸気の流量を調
整する動翼用蒸気流量調整弁10および20が備えられ
ている。また、動翼1および静翼2の上流側と下流側と
の差圧を測定するための差圧計221および222が備
えられている。この変形例においては、当該差圧から冷
却蒸気の流量を求めるものであり、変換に必要なパラメ
ータである蒸気温度も温度計251および252によっ
て測定される。差圧ΔP1xおよびΔP2xは、P1−P1
outおよびP2−P2outで求められる。流量Q1
は、Q=B×√((2×g×ΔPnx)/ρ)となる。
ここで、gは重力加速度、ρは蒸気の密度である。ま
た、Bは流量係数であり、冷却用蒸気の粘性や動翼内冷
却流路の形状等に依存するものである。
αとP2>P2+αとが両立するように制御しつつ、動翼
用蒸気流量調整弁10および20によって動翼1および
静翼2を流れる冷却蒸気の流量Qnを所定の流量に制御
する。例えば、負荷の増加にともなって車室圧力P3が
上昇すると、IP−GV30を閉じて動翼の冷却蒸気圧
力P1および静翼の冷却蒸気圧力P2を上昇させる。この
とき、動翼の出口における冷却蒸気圧力P1outおよ
びP2outも上昇するため、差圧ΔPnxが小さくなる
結果、動翼1および静翼2を流れる流量Q1およびQ2が
少なくなる。このため、動翼用蒸気流量調整弁10およ
び20を開いて所定の流量Qnを確保するように冷却蒸
気を流すように制御する。この変形例に係る制御ロジッ
クを適用したガスタービンは、車室圧力よりも動静翼の
冷却蒸気圧力を高く制御しつつ、動静翼の冷却に必要な
蒸気流量を確保できるので、負荷変動があってもガスタ
ービンのトリップを抑制して安定した運転ができる。
施の形態2に係る動静翼蒸気冷却を用いたガスタービン
の冷却系統を示す概略図である。このガスタービンは、
動静翼と蒸気圧力調整手段であるIP−GVとの間に冷
却蒸気を分岐させる分岐流路を設け、この分岐流路に蒸
気を流すことによって動静翼の冷却蒸気圧力を制御する
点に特徴がある。図12に示すように、動翼1および静
翼2の下流には、動翼1および静翼2を冷却した冷却蒸
気を復水器7に流すための分岐流路55が設けられてい
る。そして、この分岐流路55には蒸気圧力調整手段で
ある圧力調整弁60が設けられており、この圧力調整弁
60を開閉することで、動静翼の冷却蒸気圧力を調整す
る。そして、この分岐流路55に流された蒸気は復水器
7へ導かれて水に戻った後、再びHRSGへ供給されて
蒸気となる。
り動静翼に近い場所で冷却蒸気の圧力を調整できるの
で、実施の形態1に係るガスタービンよりも速い応答速
度で冷却蒸気の圧力を制御できる。このため、車室空気
の圧力変動に対して迅速に対応できるため、ガスタービ
ンのトリップを抑え、さらに安定してガスタービンの運
転ができる。特に、このガスタービン発電に用いたり、
あるいはガスタービン複合プラントに適用したりした場
合には、ガスタービンのトリップが抑えられるため、安
定して電力を供給できる。なお、圧力調整弁60の制御
方法については、実施の形態1およびその変形例で説明
した制御方法が適用できる。
るガスタービンをガスタービン複合発電プラントに適用
した一例を示す説明図である。このガスタービン複合発
電プラントは、動静翼等の高温部材に対して蒸気冷却シ
ステムを使用したガスタービンを備えたものであって、
ガスタービンの車室圧力を動静翼の冷却蒸気圧力よりも
低くなるように制御する点に特徴がある。
燃焼器520と、タービン530とを備えており、圧縮
機510で圧縮された高温・高圧の空気が燃焼器520
に導かれる。燃焼器520では、この高温・高圧の空気
に、天然ガス等のガス燃料や、軽油、軽重油等の液体燃
料を噴射して燃焼させて高温の燃焼ガスを発生させる。
燃焼ガスは燃焼器尾筒540を通ってタービン530へ
噴射され、タービン530で高温高圧の燃焼ガスが持つ
熱エネルギーを回転エネルギーに変換する。この回転エ
ネルギーによって圧縮機510が駆動され、圧縮機51
0を駆動した残りの回転エネルギーによって発電機60
0が駆動されて電力を発生する。なお、このガスタービ
ン500では、高圧蒸気タービン800を駆動した後の
蒸気によって燃焼器尾筒540も冷却される。
℃程度の高温を保っているので、この熱エネルギーを回
収するために、タービンを駆動した燃焼ガスは、HRS
G700へ導かれる。HRSG700に設けられた高圧
蒸発器で発生した高圧蒸気は、第一の高圧過熱器および
第二の高圧過熱器で過熱された後、配管730によって
高圧蒸気タービン800へ供給されてこれを駆動する。
高圧蒸気タービン800が駆動されると、これに連結さ
れた発電機610が電力を発生する。また、タービンを
駆動した燃焼ガスは高圧過熱器や高圧蒸発器等で熱エネ
ルギーを回収されるため燃焼ガス温度は低くなるが、中
圧過熱器、低圧過熱器、中圧蒸発器および低圧蒸発器等
によって燃焼ガスの持つ熱エネルギーがさらに回収され
る。HRSG700で熱エネルギーを回収された燃焼ガ
スは、脱硫設備等を備えた浄化設備750によって清浄
にされた後、大気中へ放出される。
気は、配管731によってガスタービン500の高温部
材である動翼531および静翼532に導かれて、これ
らを冷却する。このとき、車室空気圧よりも動翼531
および静翼532の冷却蒸気圧力が高くなるように、蒸
気圧力調整手段であるIP−GV840等が演算部およ
びコントローラを備えた制御装置105によって制御さ
れる。なお、制御装置105には、処理部と制御部とが
備えられており、ここでの制御は上述した制御が適用さ
れる。なお、IP−GV840は、動翼531および静
翼532の下流側に設けられているため、IP−GV8
40の開閉に対して素早く動静翼の蒸気圧力が変化す
る。
0に導かれて、燃焼器尾筒540を冷却した蒸気等と混
合された後、中圧蒸気タービン810を駆動するために
使用される。中圧蒸気タービン810を駆動した蒸気は
低圧蒸気タービン820を駆動して、復水器760へ導
かれる。ここで蒸気は水に戻されて、再びHRSG70
0へ供給される。なお、中圧蒸気タービン810および
低圧蒸気タービン820は、高圧蒸気タービン800と
ともに発電機610に連結されているため、これらが駆
動されることによって発電機610が電力を発生する。
00では、ガスタービンの排熱をHRSG700で回収
するため、燃焼ガスの持つ熱エネルギーを効率よく回収
できる。また、HRSGや高圧蒸気タービン800等に
よってさまざまな温度レベルを持つ蒸気が生成されるの
で、その中から最も適した温度レベルを持つ蒸気をガス
タービンの高温部材を冷却する媒体として使用できる。
このため、冷却蒸気の温度調節が必要最小限で済むの
で、温度調節に余分なエネルギーを消費せず、プラント
全体としての熱効率をより高くできる。
プラント900では、ガスタービンの高温部材である動
静翼の冷却蒸気圧力をガスタービンの車室圧力よりも高
くなるように制御しているため、燃焼ガスによる動静翼
の過熱を抑制できる。その結果、ガスタービンがトリッ
プする危険性を低くできるので、プラント全体としての
信頼性が向上し、安定して電力を供給できる。
スタービン(請求項1)では、蒸気冷却システムを備え
たガスタービンで動静翼の冷却蒸気圧力を車室圧力より
も高く保つにあたって、弁等の動静翼の冷却蒸気圧力を
調整する手段を、動翼または静翼の下流に設けるように
した。このため、冷却蒸気圧力制御手段の操作に対して
応答よく、また、大きな調整幅で動静翼の冷却蒸気圧力
を制御できる。これによって、車室圧力の変動に追従し
て常に動静翼の蒸気圧力車室圧力よりも高く制御できる
ので、ガスタービンのトリップを抑えて安定した運転が
できる。
項2)では、動翼または静翼の下流であって、混合器や
HRSGに入る前に設けた冷却蒸気を分岐させて流すた
めの蒸気流路に冷却蒸気を流すことで、動静翼の冷却蒸
気圧力を調整するようにした。このため、上記ガスター
ビンと比較して、蒸気圧力調整手段の操作に対してさら
に速い応答で動静翼の冷却蒸気圧力を調整できる。この
ため、例えば負荷の急上昇によって車室空気圧力が急激
に上昇した場合であっても即座に動静翼の冷却蒸気圧力
を高くすることができる。その結果、ガスタービンのト
リップを抑えて安定した運転ができる。
項3)では、上記ガスタービンにおいて、さらに、高温
部材の冷却蒸気圧力値を、車室圧力の圧力値と一定の圧
力値とを演算した値に保つようにした。このため、制御
系に存在する応答の遅れを除去することができ、また、
急激な負荷上昇に起因して車室圧力が急上昇した場合で
も、動静翼の冷却蒸気圧力を車室圧力よりも高くでき
る。
項4)では、上記ガスタービンにおいて、さらに、弁そ
の他の冷却蒸気圧力制御手段の上流側であって、できる
限り当該冷却蒸気圧力制御手段の近傍で冷却蒸気圧力を
測定し、これに基づいて動静翼の圧力を制御するように
した。このため、上記ガスタービンと比較して、さらに
精密な制御ができるので、無駄に蒸気を流すことなく動
静翼の冷却蒸気圧を制御できる。また、制御の応答性も
高くなるので、急激な車室圧力変動に対しても遅れるこ
となく動静翼の冷却蒸気圧力を制御できる。
項5)では、上記ガスタービンにおいて、動静翼と車室
圧力との差分に基づいて、冷却蒸気圧力調整手段の調整
速度を決定し、その決定した調整速度で冷却蒸気圧力調
整手段を制御する制御手段を備えるようにした。このた
め、負荷の上昇等によって、車室圧力と動静翼の冷却蒸
気圧力とが急速に近づくと冷却蒸気圧力調整手段である
弁が素早く開閉されるので、動静翼の冷却蒸気圧力は素
早く変化する。その結果、急激な車室圧力等の変化に対
しても、動静翼の冷却蒸気圧力を車室圧力よりも高く保
つことができ、ガスタービンのトリップを抑えて安定し
た運転ができる。
6)では、動静翼の下流側に設けた弁等の圧力調整手段
を調節して、動静翼の冷却蒸気圧力を車室圧力よりも高
くなるように制御するようにした。このため、応答よ
く、また、大きな調整幅で動静翼の冷却蒸気圧力を制御
できる。これによって、車室圧力の変動に追従して常に
動静翼の冷却蒸気圧力を車室圧力よりも高く制御できる
ので、ガスタービンのトリップを抑えて安定した運転が
できる。
7)では、動静翼と車室圧力との差分に基づいて、冷却
蒸気圧力調整手段の調整速度を決定し、その決定した調
整速度で冷却蒸気圧力調整手段を制御するようにした。
このため、車室圧力と動静翼の冷却蒸気圧力とが急速に
近づいた場合には、冷却蒸気圧力調整手段である弁が素
早く開閉されるので、動静翼の冷却蒸気圧力は素早く変
化する。その結果、急激な車室圧力等の変化に対して
も、動静翼の冷却蒸気圧力を車室圧力よりも高く保つこ
とができ、ガスタービンのトリップを抑えることができ
る。
法(請求項8)では、動静翼の下流側に設けた弁等の圧
力調整手段を制御して、動静翼の冷却蒸気圧力を調整す
るようにしたので、応答よく、また、大きな調整幅で動
静翼の冷却蒸気圧力を制御できる。その結果、車室圧力
の変動に追従して常に動静翼の冷却蒸気圧力を車室圧力
よりも高く制御できるので、ガスタービンのトリップを
抑えて安定した運転ができる。さらに、この発明に係る
コンピュータプログラム(請求項9)によれば、この冷
却蒸気圧力調整方法をコンピュータに実行させるための
プログラム(請求項9)によって、この冷却蒸気圧力調
整方法がコンピュータを利用して実現できる。
ラント(請求項10)では、動静翼の下流側に設けた弁
等の冷却蒸気圧力調整手段を制御して、動静翼の冷却蒸
気圧力を調整するガスタービンを備えるようにした。こ
のため、冷却蒸気圧力調整手段の調節に対して応答よ
く、また、大きな調整幅で動静翼の冷却蒸気圧力を制御
できる。その結果、ガスタービンのトリップを抑えるこ
とができ、また、プラント全体としても安定した運転が
できるので、真夏の昼間のように電力需要が急激に増加
した場合であっても、ガスタービンがトリップすること
なく安定して電力を供給できる。
ラント(請求項11)では、蒸気冷却システムを備え、
且つ弁等の動静翼の冷却蒸気圧力を調整する手段を、動
翼または静翼の下流に設けるようにしたガスタービンを
備えた。そして、このガスタービンでは動静翼と車室圧
力との差分に基づいて、冷却蒸気圧力調整手段の調整速
度を決定し、その決定した調整速度で冷却蒸気圧力調整
手段を調整して、動静翼の冷却蒸気圧力が車室圧力より
も高くなるように制御するようにした。このため、動静
翼の冷却蒸気圧力は制御開始時から素早く変化するの
で、急激な車室圧力等の変化に対しても、ガスタービン
のトリップを抑えることができる。このため、プラント
全体としても安定した運転ができ、得に電力需要が急増
して、ガスタービンの負荷が急激に上昇したような場合
であっても、安定して電力を供給できる。
を用いたガスタービンの冷却系統を示す概略図である。
部分断面図である。
制御方法を示したフローチャートである。
ロック図である。
た説明図である。
説明図である。
もう一つの制御方法を示したフローチャートである。
図である。
御例を示すフローチャートである。
ク図である。
の一例を示す説明図である。
却を用いたガスタービンの冷却系統を示す概略図であ
る。
複合発電プラントに適用した一例を示す説明図である。
部分断面図である。
合プラントを示す概略図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 ガスタービンの冷却を要する高温部材に
冷却蒸気を供給する蒸気供給手段と、 前記高温部材の下流側に設けられ、且つ前記高温部材に
供給される冷却蒸気圧力を調整するための弁その他の蒸
気圧力調整手段と、 前記高温部材の冷却蒸気圧力とガスタービンの車室圧力
とを測定する測定手段と、 前記冷却蒸気圧力と前記車室圧力とを比較し、この比較
結果に基づいて前記冷却蒸気圧力を前記車室圧力よりも
高くなるように前記蒸気圧力調整手段を制御する制御手
段と、 を備えたことを特徴とするガスタービン。 - 【請求項2】 ガスタービンの冷却を要する高温部材に
冷却蒸気を供給する蒸気供給手段と、 前記高温部材の下流側に設けられた、冷却蒸気を分岐さ
せて流すための分岐流路と、 前記分岐流路へ流す冷却蒸気量を変化させることによ
り、前記高温部材に供給される冷却蒸気圧力を調整する
弁その他の蒸気圧力調整手段と、 前記高温部材の冷却蒸気圧力とガスタービンの車室圧力
とを測定する測定手段と、 前記冷却蒸気圧力と前記車室圧力とを比較し、この比較
結果に基づいて前記冷却蒸気圧力が前記車室圧力よりも
高くなるように前記蒸気圧力調整手段を制御する制御手
段と、 を備えたことを特徴とするガスタービン。 - 【請求項3】 さらに、前記高温部材の冷却蒸気圧力
を、前記車室圧力の圧力値と一定の圧力値とを演算した
大きさに保つことを特徴とする請求項1または2に記載
のガスタービン。 - 【請求項4】 さらに、前記蒸気圧力調整手段の上流直
近で冷却蒸気の圧力を測定し、当該冷却蒸気の測定値と
一定の圧力値とを演算した値を、前記高温部材の冷却蒸
気圧力値としたことを特徴とする請求項1〜3のうちい
ずれか一つに記載のガスタービン。 - 【請求項5】 前記制御手段は、 前記高温部材の冷却蒸気圧力と前記車室圧力との差分を
求め、且つ当該差分の変化率に応じて前記蒸気圧力調整
手段の調整速度を設定する演算部と、 前記演算部からの信号に基づいて前記蒸気圧力調整手段
を制御する制御部と、 を備えたことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか
一つに記載のガスタービン。 - 【請求項6】 ガスタービンの冷却を要する高温部材に
蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記高温部材に供給さ
れる冷却蒸気圧力を調整するための弁その他の蒸気圧力
調整手段と、前記冷却蒸気圧力とガスタービンの車室圧
力とを測定する測定手段と、を備えたガスタービンの高
温部材に供給される冷却蒸気圧力を調整するための制御
装置であって、 前記冷却蒸気圧力と前記車室圧力とを比較し、この比較
結果に基づいて前記冷却蒸気圧力を前記車室圧力よりも
高くするように前記蒸気圧力調整手段を作動させる信号
を生成する処理部と、 前記処理部からの信号に基づいて前記蒸気圧力調整手段
を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする制御装
置。 - 【請求項7】 ガスタービンの冷却を要する高温部材に
蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記高温部材に供給さ
れる冷却蒸気圧力を調整するための弁その他の蒸気圧力
調整手段と、前記冷却蒸気圧力とガスタービンの車室圧
力とを測定する測定手段と、を備えたガスタービンの動
翼または静翼に供給される冷却蒸気圧力を調整するため
の制御装置であって、 前記高温部材の冷却蒸気圧力と車室圧力との差分を求
め、且つ当該差分の変化率に応じて前記蒸気圧力調整手
段の動作速度を設定する演算部と、 前記演算部からの信号に基づいて前記蒸気圧力調整手段
を制御する制御部と、 を備えたことを特徴とする制御装置。 - 【請求項8】 ガスタービンの車室圧力よりもガスター
ビンの冷却を要する高温部材を冷却する蒸気圧力を高く
保つように前記高温部材を蒸気冷却するにあたって、 前記高温部材の冷却蒸気圧力および前記車室圧力を測定
する工程と、 前記高温部材の冷却蒸気圧力と前記車室圧力とを比較す
る工程と、 前記比較結果に基づいて、前記高温部材の下流に設けら
れた当該高温部材の冷却蒸気圧力を調整する蒸気圧力調
整手段を制御する工程と、 を備えたことを特徴とする蒸気冷却システムを備えたガ
スタービンの冷却蒸気圧力調整方法。 - 【請求項9】 ガスタービンの車室圧力よりもガスター
ビンの冷却を要する高温部材を冷却する蒸気圧力を高く
保つように前記高温部材を蒸気冷却するにあたって、 前記高温部材の冷却蒸気圧力および前記車室圧力を測定
する手順と、 前記高温部材の冷却蒸気圧力と前記車室圧力とを比較す
る手順と、 前記比較結果に基づいて、前記高温部材の下流に設けら
れた当該高温部材の冷却蒸気圧力を調整する蒸気圧力調
整手段を制御する手順と、 をコンピュータに実行させることを特徴とする蒸気冷却
システムを備えたガスタービンの冷却蒸気圧力調整プロ
グラム。 - 【請求項10】 動翼、静翼その他の高温部材を蒸気で
冷却するガスタービンと、 前記ガスタービンの排気ガスによって蒸気を発生させる
排熱回収ボイラーと、 前記排熱回収ボイラーから供給される蒸気をガスタービ
ンの高温部材に導くための配管と、 前記ガスタービンの高温部材の下流に設けられ、且つ前
記高温部材に供給される冷却蒸気圧力を調整する弁その
他の蒸気圧力調整手段と、 前記高温部材の冷却蒸気圧力とガスタービンの車室圧力
とを測定する測定手段と、 前記冷却蒸気圧力と前記車室圧力とを比較し、この比較
結果に基づいて前記冷却蒸気圧力を前記車室圧力よりも
高くするように前記蒸気圧力調整手段を制御する制御手
段と、 前記排熱回収ボイラーから供給される蒸気によって駆動
される蒸気タービンと、 を備えたことを特徴とするガスタービン複合プラント。 - 【請求項11】 動翼、静翼その他の高温部材を蒸気で
冷却するガスタービンと、 前記ガスタービンの排気ガスによって蒸気を発生させる
排熱回収ボイラーと、 前記排熱回収ボイラーから供給される蒸気をガスタービ
ンの高温部材に導くための配管と、 前記ガスタービンの高温部材の下流に設けられた、冷却
蒸気を分岐させて流すための分岐流路と、 前記分岐流路へ流す冷却蒸気量を変化させることによ
り、前記高温部材に供給される冷却蒸気圧力を調整する
弁その他の蒸気圧力調整手段と、 前記高温部材の冷却蒸気圧力とガスタービンの車室圧力
とを測定する測定手段と、 前記冷却蒸気圧力と前記車室圧力とを比較し、この比較
結果に基づいて前記冷却蒸気圧力が前記車室圧力よりも
高くなるように前記蒸気圧力調整手段を制御する制御手
段と、 前記排熱回収ボイラーから供給される蒸気によって駆動
される蒸気タービンと、 を備えたことを特徴とするガスタービン複合プラント。
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