JP2003197035A - 透明導電性フィルム - Google Patents
透明導電性フィルムInfo
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Abstract
くい透明導電性フィルムを提供することを目的としてい
る。 【解決手段】導電層形成フィルム12と、導電層14
と、導電層形成フィルムと導電層との間に形成された金
属酸化物からなるアンダーコート層(導電性を有するも
のを除く)13と、前記アンダーコート層と導電層形成
フィルムとの間に形成された前記金属酸化物に含まれる
単一の金属元素又は前記金属酸化物に含まれる少なくと
も1種を含む2種以上の金属元素の合金からなる金属層
15とを備える。
Description
に用いられる透明導電性フィルムに関する。
(PDA)、並びにサブノートパソコンに代表される携
帯用情報末端では、一般的に、携帯性と使いやすさが重
視されることから液晶ディスプレイなどの表示装置上に
入力装置として例えば抵抗膜式タッチパネルが配置され
ている。そして、タッチパネル上を指やペンで押圧する
ことで、入力が図られ、押圧位置はX−Y座標として確
認される。
力操作が行われるタッチ側基板には、片面若しくは両面
に表面保護を目的とした光硬化型アクリル樹脂層を形成
したフィルム状の透明性を有するポリエチレンテレフタ
ラート又はポリカーボネートが用いられ、一方、ディス
プレイ側基板には、ポリエチレンテレフタラート、ポリ
カーボネート、ソーダライムガラス又は強化ガラスが用
いられる。そして、各基板の片面には、透明導電層とし
てインジウム・錫酸化物(以下、ITOと記載する。)
の薄膜が形成される。
は、可視光領域における高い透明性(殊に、波長550
nm付近の光透過率が高いこと)が要求されるが、これ
に対しては、タッチ側の導電層を形成するフィルム及び
ディスプレイ側の導電層を形成するフィルムと透明導電
層との間への適当な金属酸化物(以下、「アンダーコー
ト層」と呼ぶ。)を挿入する技術が知られている。即
ち、各基板と透明導電層との間に例えば、酸化珪素、酸
化珪素−酸化錫系の金属酸化物層を挿入し、電極、金属
酸化物層、フィルムと屈折率が例えばそれぞれ交互に変
化するように設計することにより、透明性の向上を図る
という技術である。この技術は、詳述はしないがタッチ
パネル内の特に空気と接する部位で光の反射率が高くな
ることが光透過率を下げる大きな要因であることから極
めて意義深い。
フィルム基板との密着性が問題となる。
ィルム基板との密着性に優れたタッチパネルなどに用い
られる透明導電性フィルムを提供することを目的として
いる。
に、本発明の透明導電性フィルムは、導電層形成フィル
ムと、導電層と、導電層形成フィルムと導電層との間に
形成された金属酸化物からなるアンダーコート層(導電
性を有するものを除く)と、前記アンダーコート層と導
電層形成フィルムとの間に形成された前記金属酸化物に
含まれる単一の金属元素又は前記金属酸化物に含まれる
少なくとも1種を含む2種以上の金属元素の合金からな
る金属層とを備えることを特徴とする。
成フィルムとの密着性を向上させ、導電層の脱落等を防
止することができる。
び亜鉛からなる群から選ばれた金属を用いることが好ま
しい。
る透明導電性フィルムをタッチパネルに適応した場合の
実施の形態ついて具体的に説明する。
分解図であり、図2は、組立後のX−X線矢視断面図で
ある。
ルであって、図1に示すように、タッチ側基板10と、
ディスプレイ側基板20とが、スペーサ30を介し空気
層31を形成する状態で対設されて構成されている。
いて操作者からの指や機器を用いた入力を受け付ける側
の面状部材であり、可撓性と耐熱性とに優れるとともに
透明性の高い素材からなり、両面にハードコート層11
が形成された導電層形成部材12と、当該ハードコート
層11の一の表面11aにアンダーコート層13を介し
て形成され、パネル中央部に位置する導電層14と、こ
のアンダーコート層13と導電層形成部材12とを密着
させる密着層15とからなる。導電層14の対向する2
側辺には電極141、142が設けられている。そし
て、導電層形成部材12の端部には図示しないコネクタ
が接続される、コネクタ電極143、144が形成さ
れ、このコネクタ電極143、144と前記電極14
1、142との間が配線パターン145,146で接続
されている。
コート層21が形成された支持部材22と、当該ハード
コート層21の一の表面21aに導電層形成部材23及
びアンダーコート層24を介して形成され、パネル中央
部に位置する導電層25と、アンダーコート層24と導
電層形成部材23とを密着させる密着層26とかなる。
導電層形成部材23は、接着層27を介してハードコー
ト層21の表面に接着されている。導電層25の対向す
る2側辺であって、前記導電層14に形成された電極1
41,142の対向方向と直交する方向の側辺には、電
極251、252が形成されている。そして、導電層形
成部材23の端部には、前記同様、コネクタと接続され
る一対のコネクタ電極253、254が形成され、更
に、このコネクタ電極253、254と前記電極25
1、252とを接続する配線パターン255,256が
形成されている。また、導電層25の表面には例えば、
光硬化型のアクリル樹脂からなるドット状のスペーサ3
0(高さ10μm程度、直径10〜50μm)が所定間
隔(数mm間隔)を置いて配されている。
板20とは、導電層14と導電層25とが平行に対向す
る状態でそれらの周縁部で接着剤40により接着され
る。
系、セルロース系、メラミン系或はウレタン系の樹脂を
母材(導電層形成部材12、支持部材22)に塗布し、
次いで、紫外線を照射することによりの面全面に取着さ
せることで形成される厚み数μmの薄層である。
部材12の表面の硬度は、摩擦に対する耐久性、透明導
電層の密着性、適度な剛性を導電層に付与する観点か
ら、鉛筆硬度測定法でH以上にすることが好ましく、3
H以上がより好ましい。
方がパネル自体の耐久性が向上するので好ましいが、も
ちろんなくても構わない。
ようなハードコート層を形成することもできる。
金属酸化物である。導電層14及び25には、ITO、
酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸
化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜
鉛、シリコン添加酸化亜鉛、或は酸化亜鉛−酸化錫系、
酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム
−酸化マグネシウム系金属酸化物を用いることができ
る。
置するというパターンは、アンダーコート層13及び2
4上全面に導電性の膜を形成した後、ウェットエッチン
グにより形成する。
インクを用いて塗布印刷により電極141,142、1
43、144、251、252、253、配線パターン
145、146、255、256を形成する。
5、26について アンダーコート層13(24)は、導電層14(25)
に近い順に屈折率がそれぞれ異なる金属酸化物からなる
絶縁性の2つの層、13a(24a)、13b(24
b)を備える。ここで、導電層及びアンダーコート層
(上下の2層)は、それぞれの層の屈折率が順に、高、
低、高となるように設計し、これらの積層された構造物
での光透過率がより高くなるようにしてある。
6)を介して、ハードコート層11(導電層形成部材2
3)に密着している。密着層15(26)は、金属元素
単一又は2種以上の金属元素の合金からなる金属層であ
り、シリコン、チタン、錫又は亜鉛の元素単一、或いは
これらの合金により形成することが好ましい。
般的に用いられていた酸化珪素(SiOx;X≦2)から
なる密着層よりも薄く、10Å〜50Åに設定すること
が望ましい。これは、50Åを超えると、光透過率が落
ち、アンダーコート層を介在させる意義がなくなるから
であり、一方、10Åよりも薄いと、十分な密着性が得
られないからである。
スパッタリング法、抵抗蒸着法、電子ビーム蒸着法など
の真空薄膜化技術を適応して形成することができる。
成する金属酸化物には、酸化珪素、酸化チタン、酸化
錫、酸化錫−酸化ハフニウム系、酸化珪素−酸化錫系、
酸化亜鉛−酸化錫系、酸化錫−酸化チタン系等を用いる
ことができる。このような屈折率の異なる層を設けるこ
とによって、パネル自体の光透過率をより向上させるこ
とができる。
ッタリング法、抵抗蒸着法、電子ビーム蒸着法などの真
空薄膜化技術を適応して形成することができるが、スパ
ッタリング法によって2種類以上の金属の酸化物から構
成されたアンダーコート層13、24の各層を形成する
場合、それら金属の単体をスパッタリングする原料とす
るよりも、それら金属の合金を原料として用いた方がス
パッタ効率が向上するので同じ膜厚に設定する場合に生
産性が向上するので望ましい。
の厚み(例えば、5〜100μm)の薄層である。粘着
剤としては例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、
シリコーン系粘着剤等を用いることができる。
ィスプレイ側の導電層25にも押圧は伝わり、当該導電
層25の一部は凹形状に弾性変形する。この弾性変形が
繰り返し行われれば、最悪は導電層自体の復元性が失わ
れてしまう。こうなれば、導電層25の表面に凹部が残
ったままになり、タッチパネルを用いた入力操作が適切
に行われなくなってしまう。ここで、接着層27は、導
電層25に弾性を付与する役割を果たし、このような問
題を回避するのに寄与する。
導電層形成部材23について 導電層形成部材12及び23には、ポリオレフィン系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリラー
トなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタラート等
の素材からなる透明性シートを用いることができる。
ボネート又はポリメチルメタクリラートなどのアクリル
樹脂基板、ポリオレフィン系樹脂基板を用いることがで
きる。
考慮すると、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリラ
ートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタラート
又はポリオレフィン系樹脂基板を用いることが好まし
く、又耐熱性をも考慮するとポリカーボネート、ポリオ
レフィン系樹脂がより好ましい。
導電層形成部材との密着性が向上する理由 上記したように密着層をシリコンなどの金属で形成すれ
ば、金属のもつ反応性ゆえに、当該密着層形成後でもそ
れ自体には反応性が残るので、金属層自体が接触するア
ンダーコート層、ハードコート層及び導電層形成部材と
化学的に結合する。このことは、金属元素単一であろう
と金属元素複数からなる合金であろうと同様である。こ
れに対して、従来の酸化珪素の場合、密着層自体の反応
性に乏しい。従って、密着層をシリコンなどの金属で形
成すれば、アンダーコート層とハードコート層、導電層
形成部材との高い密着性が得られるものと考えられる。
考えられる。
は、複数層に形成したが、これは1層(酸化珪素など)
であっても無論構わない。
部材23には樹脂を用いたが、これに限定されず、ガラ
スをはじめとする無機系の材料を用いて構成し、これに
直接ITO等の導電層を形成し、これと予め密着層を形成
した支持部材と貼り合わせた構成とすることもできる。
この場合、ガラス製の導電層形成部材23は、アンダー
コート層を兼用することになる。
て、下記表1に示すような導電層形成部材、導電層、ア
ンダーコート層及び密着層とからなる透明導電性フィル
ムを作製した。
ルムであり、フィルム、は比較例である。
にはポリエチレンテレフタラート(PET)を用い、密着
層は厚み10Åのシリコン膜で、アンダーコート層は厚
み500の酸化珪素膜で、導電層は厚み300ÅのITO
の膜でそれぞれ構成されている。
ム同様にポリエチレンテレフタラート(PET)を用
い、密着層は厚み10Åのシリコン膜で、導電層は厚み
300ÅのITOの膜で構成している。そして、アンダー
コート層は2層で構成し、導電層形成部材寄り側には厚
み600Åの酸化亜鉛−酸化錫系の膜を配し、その上層
には、厚み450Åの酸化珪素の膜を配した。
構成されてある以外はフィルムと同様の構成である。
金で構成されてある以外はフィルムと同様の構成であ
る。
て、密着層が配されていないフィルムである。
いて、密着層が配されていないフィルムである。
長の可視光透過率は、表1の最右欄に記したように、フ
ィルムが90.5%、フィルムが90.7%、フィ
ルムが95.1%、フィルムが95.2%、フィル
ムが94.8%、フィルムが95.0%に設定され
ており、中でも、フィルム〜では、アンダーコート
層を2層にすることにより1層の場合よりも光透過率を
より高く設定し、フィルムの透明性の向上を図ってあ
る。
て、以下の実験を行い、それらの特性を調べた。
溶液(25℃下)に作製した各フィルムを所定時間(5
分間、15分間、5時間、15時間)、侵漬放置し、水
洗した後、テープ剥離試験を行ったもののITO電極表面
を顕微鏡観察し、加えてITO電極表面の抵抗値をも測定
した。
プを透明導電性フィルムのITO電極側に貼り付け、これ
を引き剥がすという操作を1回だけ行う。
は、作製した各フィルムを温度80℃、湿度90%とい
う高温で多湿の環境下に所定時間(24時間、120時
間、500時間)放置したのち、前記テープ剥離試験を
行ったもののITO電極表面を顕微鏡観察し、加えてITO電
極表面の抵抗値をも測定した。
材であるPETフィルムと密着層との密着性を評価する。
2に示した。
という記号が付してあるが、これらは、導電層の表面状
態の変化の程度の違いを表すものであり、○は変化な
し、△は導電層は剥離していないが表面にクラックが発
生しているもの、×は導電層が剥離しているものを表
す。また、抵抗値は、初期値(フィルムは320Ω/
単位面積、フィルムは300Ω/単位面積、フィルム
は302Ω/単位面積、フィルムは310Ω/単位
面積、フィルムは305Ω/単位面積、フィルムは
298Ω/単位面積である。)に対する変化率で表して
いる。
密着層を配していない、比較例に係るフィルム、
は、アルカリ耐性実験において、あまりよい結果は得ら
れなかった。すなわち、これらのフィルムでは、5分間
アルカリ水溶液に侵漬しただけで、顕微鏡観察の結果、
導電層表面にはクラックが発生しており、5時間アルカ
リ水溶液に侵漬したものであれば、導電層は明らかに剥
離していた。また、導電層の表面抵抗値は、侵漬する時
間が長くなるのつれて、抵抗値の上昇が認められ、双方
ともに、15時間の侵漬では、測定不可能な程度にま
で、上昇していた。
、及びでは、良好な結果が得られた。すなわち、
15時間アルカリ水溶液に侵漬した場合にも、フィルム
及びでクラックの発生が認められた程度で剥離は観
察されず、抵抗値は、15時間経過しても最大で初期値
の1.13倍にしかなっていなかった。
と、比較例に係るフィルム、は、あまりよい結果は
得られなかった。すなわち、これらのフィルムでは、1
20時間で、顕微鏡観察の結果、導電層表面にはクラッ
クが発生しており、高温多湿環境におく時間が長くなる
つれて、抵抗値の上昇が認められ、500時間では、初
期抵抗値の4倍付近に達していた。
、及びでは、良好な結果が得られた。すなわち、
500時間、高温多湿環境においた場合にも、すべての
フィルムで変形は認められず、抵抗値は、500時間で
も最大で初期値の1.15倍にしかなっていなかった。
ム、、及びは、比較例に係るフィルム及び
に比べ、導電層の密着性が極めて高いことを表し、従っ
て、金属で構成した密着層の有効性を示すものである。
ルムの方が、アルカリ耐性実験及び高温多湿耐性試験
双方において抵抗値の上昇率が小さかった。これは、フ
ィルムに配した、アンダーコート層の一層がPETフィ
ルムとの密着性向上に若干ではあるが貢献していること
を示すものである。
電性フィルムは、導電層形成フィルムと、導電層と、導
電層形成フィルムと導電層との間に形成された金属酸化
物からなるアンダーコート層(導電性を有するものを除
く)と、前記アンダーコート層と導電層形成フィルムと
の間に形成された前記金属酸化物に含まれる単一の金属
元素又は前記金属酸化物に含まれる少なくとも1種を含
む2種以上の金属元素の合金からなる金属層とを備える
ことを特徴とする。
性フィルムとの密着性を向上させ、導電層の脱落等を防
止することができる。
たタッチパネルの分解図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 導電層形成フィルムと、導電層と、導電
層形成フィルムと導電層との間に形成された金属酸化物
からなるアンダーコート層(導電性を有するものを除
く)と、前記アンダーコート層と導電層形成フィルムと
の間に形成された前記金属酸化物に含まれる単一の金属
元素又は前記金属酸化物に含まれる少なくとも1種を含
む2種以上の金属元素の合金からなる金属層とを備える
ことを特徴とする透明導電性フィルム。 - 【請求項2】 請求項1に記載の透明導電性フィルムを
用いたタッチパネル。
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