JP2003172897A - 光走査装置とその製造方法、光書込装置、画像形成装置、振動ミラーチップとその製造方法、光走査モジュール - Google Patents
光走査装置とその製造方法、光書込装置、画像形成装置、振動ミラーチップとその製造方法、光走査モジュールInfo
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- JP2003172897A JP2003172897A JP2002216250A JP2002216250A JP2003172897A JP 2003172897 A JP2003172897 A JP 2003172897A JP 2002216250 A JP2002216250 A JP 2002216250A JP 2002216250 A JP2002216250 A JP 2002216250A JP 2003172897 A JP2003172897 A JP 2003172897A
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Abstract
動させる光走査装置において、安定なビーム形状での光
走査を可能にする。 【解決手段】 ミラー基板101のミラー面115の形
成されない裏面に、少なくとも梁102,103と直交
する方向に延びる補強用状リブ121が形成され、それ
以外の領域には肉抜き領域とされる。この補強用リブ1
21を設けることによって、ミラー基板101の振動時
における変形が効果的に抑えられてミラー面115の平
坦性が維持されるため、安定したビーム形状での光走査
が可能である。補強用リブについては、ミラー基板の外
縁をとり囲むように設ける等、様々な態様が開示され
る。また、ミラー基板を薄膜と枠体とから構成した態様
も開示される。
Description
れた微小なミラーを、梁をねじり回転軸として往復振動
させる構成の光走査装置に関する。
種の光走査装置は、デジタル複写機、レーザプリンタ等
の画像形成装置の光書込系や、バーコードリーダー、ス
キャナー等の読み取り装置の読取系への応用が有望視さ
れている。
されている光走査装置では、同一直線上に設けられた2
本の梁で支持されたミラー基板を、ミラー基板に対向す
る位置に設けた電極との間の静電引力で、2本の梁をね
じり回転軸として往復振動させている。マイクロマシニ
ング技術で形成されるこの光走査装置は、従来のモータ
ーを使ったポリゴンミラーの回転による光走査装置と比
較して、構造が簡単で半導体プロセスでの一括形成が可
能なため、小型化が容易で製造コストも低く、また単一
の反斜面であるため複数面による精度のばらつきがな
く、さらに往復走査であるため高速化にも対応できる等
の効果が期待できる。
rkshop on MEMS2000 (2000) 473-478 、及び、MEMS1999
333-338 には、ミラー基板の振れ角を大きくするた
め、その振動領域に電極が重ならないようミラー基板の
端面に対向電極を設ける静電駆動のねじり振動型光走査
装置が提案されている。これらの光走査装置は、板厚20
μmのシリコンからなる可動電極としてのミラー基板
と、ミラー基板端面に微小なギャップを隔てて対向する
固定電極の間の静電引力で駆動するもので、両電極は同
一部位に形成されている。The 13th Annual Internatio
nal Workshop on MEMS2000 (2000) 473-478 に記載の光
走査装置では、ミラー基板を起動させるためのねじり回
転軸に対する初期モーメントをあたえるのに、形成プロ
セスで生じる構造体の微小な非対称性を利用している。
一方、MEMS1999 333-338 に記載の光走査装置では、駆
動電極に直交する面上に起動のための金属電極薄膜を配
備している。
下げるため、ミラー基板の端部と固定電極とを櫛歯状の
形状として両者の対向面積を増加させた光走査装置も提
案されている(特許第2924200号、特許第301
1144号)。
膜ミラーを使用する振動ミラーチップが試作されてお
り、円形の枠体に引張応力のポリシリコンを形成し、枠
体の外側のねじり梁に平行して伸ばした位置に櫛歯状電
極を形成し、上下に配置された電極でねじり梁をねじり
振動させる機構を備えている。
術を用いて作製されるねじり振動型の光走査装置のミラ
ー基板は、一般にシリコン基板のドライエッチングによ
り貫通させる方法で形成され、ミラー基板の厚さとして
は数10μmである。たとえば、The 13th Annual Inte
rnational Workshop on MEMS2000 (2000) 473-478 に記
載の光走査装置では、板厚30μmで最大1.5mm□の
ミラー基板を形成しており、また、MEMS1999 333-338
に記載された光走査装置では、板厚20μmで最大3mm
□のミラー基板を形成している。
も、光源からの光の広がり、あるいは実使用部分での必
要ビーム径によっては、ミラー基板の一辺を数mmの大
きさにしなければならない場合がある。
動トルクをTrq、角速度をω、ミラー振動空間の粘性抵
抗をδとすると、ミラーの振れ角θは次式であらわすこ
とができる。 θ=Trq×K(ω、δ)/I ただし、K(ω,δ)は振動係数である。
幅、長さ、厚さをそれぞれb、a、tとすると、ミラー
の慣性モーメントIは次式であらわすことができる。 I=M (a^2+b^2)/12 =ρ t a b(a^2+b^2)/12
しては、ミラーを軽くして慣性モーメントを小さくすれ
ばよいことがわかる。
慣性モーメントをIとすると、ミラーの共振周波数f
は、次式であらわすことができる。 f=1/2π√(k/I) ここで、梁の幅をc、高さをt、長さをLとすると、ね
じり弾性係数kは次式であらわすことができる。 k=β t c^3 E/L (1+ν) ただし、βは断面形状係数、Eはヤング率、νはポアソ
ン比である。
るためには、梁の断面積を大きくするか長さを短くする
かして、ねじり弾性係数を大きくするか、あるいは、ミ
ラーを軽くして慣性モーメントを小さくすればよいこと
がわかる。
小さくすることは、振れ角を大きくするためにも高速動
作させるためにも有効であり、特に、振れ角を大きくす
るための構造的な手段としてミラーの軽量化が不可欠で
ある。しかし、ミラー基板として必要な大きさを維持し
つつ軽量化のためにミラーの板厚を薄くすると、高速駆
動が要求される場合に、振動時にミラー基板が変形しミ
ラー表面形状を一定に維持することが困難となり、ビー
ム形状や焦点位置が変動するといった不具合が生じると
いう問題があった。また、製造工程で板厚を高精度に制
御することが難しく、板厚のばらつきによって共振周波
数がばらついてしまうという問題もあった。
ミラーを薄膜で作製し周囲を枠体で支持した光スキャナ
ーが試作されているが、現状では大きさが1mm以下で
あり、これをそのまま大型のミラーに対応させて使用す
る場合には、高周波数での動作時にミラーが変形した
り、又はミラーを支持している周囲の枠体が薄膜のミラ
ーの引張応力によって変形するといった問題があった。
てなされたものであり、その主たる目的は、大型のミラ
ー基板を大きな振れ角で高速動作させた場合でもミラー
面の変形が小さく安定な光走査が可能な光走査装置もし
くは振動ミラーチップ、並びに、それらを用いた光走査
モジュール、光書込装置及び画像形成装置を提供するこ
とにある。また、本発明のもう1つの目的は、そのよう
な光走査装置もしくは振動ミラーチップを簡単かつ低コ
ストで製造する方法を提供することにある。
は、請求項1に記載のように、同一直線上に設けられた
2本の梁で支持されたミラー基板と、前記梁をねじり回
転軸として前記ミラー基板を往復振動させるためのミラ
ー駆動手段を有する基本構成であるが、前記ミラー基板
に、その変形を抑えるための補強部が形成されたことを
特徴とするものである。前述のように、ミラー基板が大
きく板厚が薄くなると、高周波数での振動時にミラー基
板が変形しやすいが、本発明の光走査装置では、ミラー
基板に形成された補強部によって、そのような変形を抑
えてミラー面の平坦性を維持できるため、ビーム形状や
焦点位置が安定する。
は、請求項2に記載のように、補強部がミラー基板のミ
ラー面と反対側の面に形成されることであり、補強部が
形成されてもミラー面は全面を使用可能であるため、使
用できるビーム形状の自由度が大きく、光走査装置の汎
用性が増す。
は、請求項3に記載のように、補強部が梁と直交する方
向に延びる凸条状リブからなることであり、ミラー基板
の慣性モーメントの増加を出来るかぎり抑えつつ、もっ
とも変形を生じやすいミラー基板の梁から遠い部分の変
形を効果的に抑制することができる。また、凸条からな
る補強部は、後述のように半導体プロセスによってミラ
ー基板と容易に一体形成することができる。
は、請求項4に記載のように、補強部が格子状の凸条状
リブからなることであり、ミラー基板のねじれ変形も効
果的に抑制し、安定なビーム形状での光走査が可能とな
る。また、このような格子状の凸条状リブからなる補強
部も半導体プロセスによって容易にミラー基板と一体形
成することができる。
は、請求項5に記載のように、ミラー基板の梁と結合さ
れた端部にも補強部が形成されることであり、この端部
の補強部によりミラー基板の変形をより確実に抑制する
ことができるとともに、梁とミラー基板との結合断面積
を増やしてその結合強度を高め光走査装置の信頼性を向
上させることができる。
は、請求項6に記載のように、ミラー駆動手段の要素で
ある可動電極として作用するミラー基板端部にも補強部
が形成されることであり、その補強部によって、補強効
果が高まるだけでなく、可動電極の面積を増加させてミ
ラー基板の駆動電圧を下げることができる。
は、請求項7に記載のように、ミラー基板を梁を挟んだ
両端部分で最も幅が広い平面形状とすることであり、ミ
ラー基板の慣性モーメントを小さくして駆動電圧の低電
圧化を図ることができる。
の特徴は、請求項8に記載のように、シリコン基板を凹
状にエッチング加工して、残った凸部でミラー基板の変
形を抑えるための補強部を形成することであり、ミラー
基板と補強部を半導体プロセスを用いて一体成形できる
ので、ミラー基板の変形を抑えてミラー面の平坦性を維
持することにより安定した光ビーム形状で光走査が可能
な光走査装置を、低コストで製造可能となる。
9に記載のように、ねじり梁により支持され前記ねじり
梁を回転軸として往復振動するミラー基板を有し、単一
の基板を貫通して、前記ねじり梁、前記ミラー基板、及
び前記ねじり梁を結合してミラー基板を支持する枠体と
が一体形成された光走査装置において、前記ミラー基板
は、前記ねじり梁と厚さを同一としたリブの領域と、前
記ねじり梁の厚さよりも薄い肉抜き領域とを有すること
を特徴とする。このような構成の光走査装置は、支持部
から可動部にかけて一体形成されているため、強度が高
く耐久性に優れ、また、リブ構造によりミラー基板を軽
量化しつつ剛性を維持できるので、その平板部は静止時
にだけでなく振動時にもひずむことなく平坦性を維持で
きるので、常に安定したビーム形状での光走査が可能と
なる。
は、請求項10に記載のように、前記ミラー基板は、前
記ねじり梁を延長して前記ミラー基板を貫通するリブ
と、前記ミラー基板を縁どりするリブとを有することに
ある。このような構成の光走査装置は、振動時において
ミラーを縁取りするリブによって、ねじり梁に直交する
方向及び平行な方向の変形を低減することができ、さら
に、ねじり梁を延長してミラー基板を貫通するリブによ
って、振動の中心軸の位置精度を向上させる効果がある
ことから、安定した走査ビーム形状を得ることができ
る。
は、請求項11に記載のように、前記ミラー基板は、前
記リブ領域及び前記肉抜き領域のある面と反対側の面に
ミラー面を有することにある。このような構成によれ
ば、ミラー面全面が使用できるので、使用できるビーム
形状の自由度が大きく汎用性が向上する。
は、請求項12に記載のように、前記ミラー基板は、前
記ねじり梁を延長して前記ミラー基板を貫通する前記リ
ブと交差して、前記ミラー基板を縁どりする前記リブを
架橋するリブを有することにある。このように、ミラー
基板を縁どりするリブを架橋するリブは、振動時に慣性
力が大きくきいてくる方向のリブでるため、ミラー基板
の変形を効果的に低減することができ、安定した走査ビ
ーム形状を得ることができる。
は、請求項13に記載のように、前記ミラー基板を縁ど
りする前記リブを架橋する前記リブが、前記ねじり梁を
延長して前記ミラー基板を貫通する前記リブと直交する
方向に通ることにある。すなわち、慣性力が大きくきい
てくる方向にリブが最短の長さで配置されることになる
ため、ミラー基板の変形を効果的に低減することがで
き、安定した走査ビーム形状を得ることができると同時
に、同リブによるミラー基板の重量増加を最小限に抑
え、振れ角の減少を最小にすることができる。
は、請求項14に記載のように、前記ミラー基板は複数
の格子状のリブを有することにあり、ねじり梁に直交す
る方向及び平行な方向のミラー基板の変形をより小さく
することができ、ミラー基板のねじれ変形にも強くなる
ため、安定した走査ビーム形状を得ることができ、か
つ、ミラー基板の重量増加を最小限に抑えることができ
るため、振れ角の減少を最小にすることができる。
は、請求項15に記載のように、前記ミラー基板の重心
が、前記ねじり梁を延長して前記ミラー基板を貫通する
前記リブ上になるように、前記格子状のリブが配置され
たことにある。このように、ミラー基板の重心が回転軸
上にくるようにするとミラー基板の振動が安定し、した
がって安定した走査ビーム形状を得ることができる。
は、請求項16に記載のように、前記ミラー基板の重心
が、前記ねじり梁を延長して前記ミラー基板を貫通する
前記リブの中心位置になるように、前記格子状のリブが
配置されたことにある。このように、ミラー基板の重心
が回転軸上の回転軸方向の中心にくるため、ミラー基板
の梁方向の変形も少ない安定した振動が得られ、より安
定した走査ビーム形状を得ることができる。
は、請求項17に記載のように、前記リブの交差部位の
角が曲線状であることにあり、その部位での振動時の応
力集中が緩和され、そこからの亀裂の発生が減るため、
耐久性が向上する。
は、請求項18に記載のように、前記ねじり梁と、前記
ミラー基板を縁どりする前記リブとが交差する部位の角
が曲線状であることにあり、その部位での振動時の応力
集中が緩和され、そこからの亀裂の発生が減るため、耐
久性が向上する。
は、請求項19に記載のように、前記ミラー基板と前記
ねじり梁とは、前記ミラー面と前記ねじり梁の中心軸と
が一致する位置関係にあることにある。このような位置
関係とすることにより、ミラー面に照射されるビームの
ねじり回転時の位置ずれがなくなり、反射ビームの走査
位置精度を向上させることができる。
は、請求項20に記載のように、前記ミラー基板を縁取
りする前記リブの、前記ねじり梁と平行な部分に可動電
極が設けられ、この可動電極と対向して前記枠体に固定
電極が設けられたことにある。このような構成によれ
ば、電極の板厚方向の長さを大きくとることにより電極
面積を増加させ、駆動電圧を上げることなく大きな静電
トルクを得て振れ角を増加させることができる。
は、請求項21に記載のように、前記ミラー基板を縁取
りする前記リブの、前記ねじり梁と平行な部分の長さ
が、前記ねじり梁を延長して前記ミラー基板を貫通する
前記リブの長さよりも長いことにある。このような構成
によれば、可動電極の長さを大きくとれるため、電極面
積をさらなる増加が可能であり、したがって、駆動電圧
を上げることなく静電トルクをさらに増加させさせ、よ
り大きな振れ角でミラー基板を振動させることが可能に
なる。
は、請求項22に記載のように、前記可動電極及び固定
電極は櫛歯状であることにある。このように櫛歯状の電
極構造は、平面的な電極構造に比べ電極面積を大きくす
ることができるので、同一電圧での静電トルクをより大
きくしてより振れ角を大きくすることができる。
は、請求項23に記載のように、前記ミラー基板及び前
記ねじり梁が単結晶シリコンで形成されていることにあ
り、構造材料に欠陥が少ないため信頼性が高く、耐久性
も優れ、かつ、加工が容易であるためコスト的にも有利
である。
は、請求項24に記載のように、前記ミラー基板及び前
記ねじり梁が同一材料基板の微細加工により一体形成す
ることにあり、可動部が一体形成されるため、強度が高
く耐久性に優れる。
1つの特徴は、請求項25に記載のように、同一材料基
板を凹状に微細加工して前記ミラー基板の前記肉抜き領
域を形成し、残った凸部で前記ミラー基板の前記リブの
領域を形成することにあり、製造工程が簡単になるため
のコスト的に有利である。
は、請求項26に記載のように、前記ミラー基板及び該
ミラー基板を駆動する手段を、前記ミラー基板で偏向さ
れた光ビームを透過される部分と、前記駆動手段との結
線のための端子部とを具備する減圧容器内に収容したこ
とにある。このような構成によれば、ミラー基板の振動
空間の粘性抵抗が小さくなるため、小さな駆動トルクで
大きな振れ角を得ることができる。
27に記載のように、請求項1乃至23のいずれか1項
記載の光走査装置と、記録信号によって変調された光ビ
ームを前記光走査装置のミラー基板のミラー面へ入射さ
せるための手段と、前記ミラー面で反射された光ビーム
を被走査面に結像させるための手段とを有することにあ
る。このような構成の光書込装置は、光走査装置を低電
圧で駆動できるため消費電力が小さく、ミラー基板の往
復振動時の風切り音が小さいので静粛性の面でも優れ
る。また、光走査装置のミラー基板として大きく精度の
高いものを使用できるため、使用できるビーム形状の自
由度が大きく汎用性の面でも優れる。
項28に記載のように、請求項1乃至23のいずれか1
項記載の光走査装置と、静電潜像担持体と、前記光走査
装置のミラー基板のミラー面へ記録信号によって変調さ
れた光ビームを入射させるための手段と、前記ミラー面
で反射された光ビームを前記静電潜像担持体に結像させ
るための手段とを有し、前記記録信号にしたがった静電
潜像が前記静電潜像担持体上に形成されることにある。
安定した光ビーム形状で静電潜像担持体を光走査して画
像形成を行うことが可能であるとともに、消費電力及び
静粛性の面で優れる。
され光ビームを偏向するミラー基板と、前記ねじり梁を
回転軸として前記ミラー基板をねじり振動させるミラー
駆動手段と、を有する振動ミラーチップにおいて、前記
ミラー基板は、薄膜状に形成されたミラー部分と、前記
ミラー部分に結合する枠体と、を有することを特徴とす
る。
ー基板は、薄膜状に形成されたミラー部分と、前記ミラ
ー部分に結合する枠体と、を有するので、ミラー基板が
大型かつ軽量で振れ角が大きく、また動作時におけるミ
ラー基板の変形が低減され、安定したビーム形状を得る
ことができる振動ミラーチップを提供することができ
る。
の振動ミラーチップにおいて、前記ミラー部分は、前記
枠体が結合される側と反対側にミラー面を有することを
特徴とする。
ー部分は、前記枠体が結合される側と反対側にミラー面
を有するので、ミラー面の全面を有効に利用することが
でき、ビームの損失がない。
30記載の振動ミラーチップにおいて、前記枠体は、前
記ねじり梁の延長上に、前記枠体の内側を架橋する補強
梁を有することを特徴とする。
は、前記ねじり梁の延長上に、前記枠体の内側を架橋す
る補強梁を有するので、動作時にねじり梁を通る回転軸
が安定して、動作時における枠体のねじり梁方向の変形
を低減し、不要な振動モードを抑えて、安定したビーム
形状を得ることができる。
31のいずれか1項記載の振動ミラーチップにおいて、
前記枠体は、前記回転軸と直交する方向に補強梁を有す
ることを特徴とする。
は、前記回転軸と直交する方向に補強梁を有するので、
動作時におけるミラー部分の回転方向の変形を低減で
き、安定したビーム形状を得ることができる。
32のいずれか1項記載の振動ミラーチップにおいて、
前記回転軸に対して線対称であり、前記回転軸の中心を
通り前記回転軸と直交する軸に対して線対称である、補
強梁を有することを特徴とする。
軸に対して線対称であり、前記回転軸の中心を通り前記
回転軸と直交する軸に対して線対称である、補強梁を有
するので、動作時にミラー部分全体に亘って均等に変形
を低減できるので、安定したビーム形状を得ることがで
きる。
33のいずれか1項記載の振動ミラーチップにおいて、
前記枠体の内側のかど、前記枠体及び前記補強梁が交わ
る部位のかど、並びに前記補強梁同志が互いに交わる部
位のかどの少なくとも1つは、曲面に形成されることを
特徴とする。
の内側のかど、前記枠体及び前記補強梁が交わる部位の
かど、並びに前記補強梁同志が互いに交わる部位のかど
の少なくとも1つは、曲面に形成されるので、かどの部
分への応力集中を緩和することができ、動作時又は取り
扱い時のミラー基板の破損を低減させることができる。
34のいずれか1項記載の振動ミラーチップにおいて、
前記枠体及び/又は前記補強梁は、前記ねじり梁と同一
の厚さであることを特徴とする。
及び/又は前記補強梁は、前記ねじり梁と同一の厚さで
あるので、ねじり梁、枠体、及び補強梁の同時形成が可
能となり、低コストで振動ミラーチップを形成できる。
34のいずれか1項記載の振動ミラーチップにおいて、
前記補強梁は、前記ミラー部分と離隔することを特徴と
する。
梁は、前記ミラー部分と離隔するので、枠体は補強梁に
よりその剛性を十分に維持し、かつミラー部分は歪みが
ほとんど無く、平坦性の高い面精度を得ることができ
る。
34のいずれか1項記載の振動ミラーチップにおいて、
前記ミラー部分は、前記ねじり梁の中心軸が前記ミラー
部分を通ることを特徴とする。
ー部分は、前記ねじり梁の中心軸が前記ミラー部分を通
るので、ミラー部分に振動の中心軸が通ることとなり、
光学設計が容易となる。
37のいずれか1項記載の振動ミラーチップにおいて、
前記ミラー部分は、引張応力を有する薄膜で形成される
ことを特徴とする。
ー部分は、引張応力を有する薄膜で形成されるので、引
張応力により薄膜の枠体の内側における平坦性を確保す
ることができ、安定したビーム形状を得ることができ
る。
38のいずれか1項記載の振動ミラーチップにおいて、
前記ミラー部分は、多層膜により形成されることを特徴
とする。
ー部分は、多層膜により形成されるので、複数の様々な
機能を有する薄膜を活用してミラー部分を設計すること
ができ、構造及工程における設計の自由度が高く、高性
能な振動ミラーチップを低コストで作製することができ
る。
9のいずれか1項至記載の振動ミラーチップにおいて、
前記ミラー駆動手段は、前記枠体に設けられた可動電極
と、前記可動電極と対向する位置に設置される固定電極
と、を有することを特徴とする。
ー駆動手段は、前記枠体に設けられた可動電極と、前記
可動電極と対向する位置に設置される固定電極と、を有
するので、電極構造が簡単であり製造コストが安く、効
率よくミラー基板を駆動することができる。
の振動ミラーチップにおいて、前記可動電極は、櫛歯状
であることを特徴とする。
電極は、櫛歯状であるので、電極面積が大きく、従って
駆動トルクを大きくすることができ、ミラー基板の振れ
角を大きくすることができる。
ルにおいて、請求項29乃至41のいずれか1項記載の
振動ミラーチップと、該振動ミラーチップで偏向した光
ビームの透過部分と、前記振動ミラーチップの前記ミラ
ー駆動手段に結線する端子部と、を容器内に備えること
を特徴とする。
9乃至41のいずれか1項記載の振動ミラーチップと、
該振動ミラーチップで偏向した光ビームの透過部分と、
前記振動ミラーチップの前記ミラー駆動手段に結線する
端子部と、を容器内に備えるので、ミラー基板が大型か
つ軽量で振れ角が大きく、また動作時におけるミラー基
板の変形が低減され、安定したビーム形状を得ることが
できる振動ミラーチップを備える光走査モジュールを提
供することができる。
の光走査モジュールにおいて、さらに前記振動ミラーチ
ップの前記ミラー基板上で前記光ビームを多重反射させ
る反射光学系を備えることを特徴とする。
記振動ミラーチップの前記ミラー基板上で前記光ビーム
を多重反射させる反射光学系を備えるので、ミラー基板
の振れ角が小さくても、光走査モジュールからの光ビー
ムの射出角を大きくすることができる。
いて、光ビームを発生させる光源手段と、該光ビームを
走査する請求項42又は43記載の光走査モジュール
と、該光走査モジュールによって走査された前記光ビー
ムを結像させる光学系と、を備えることを特徴とする。
を発生させる光源手段と、該光ビームを走査する請求項
14又は15記載の光走査モジュールと、該光走査モジ
ュールによって走査された前記光ビームを結像させる光
学系と、を備えるので、ミラー基板が大型かつ軽量で振
れ角が大きく、また動作時におけるミラー基板の変形が
低減され、安定したビーム形状を得ることができる振動
ミラーチップを備える光走査装置を提供することがで
き、振動ミラーチップが小さいので光走査装置を小型化
かでき、一又は複数の光走査装置を配列することができ
る。
の光走査装置において、前記振動ミラーチップは、前記
ミラー部分が前記枠体の結合される側と反対側にミラー
面を有し、前記枠体及び該枠体の内側を架橋する前記補
強梁が前記ミラー部分と結合していない前記ミラー面の
部分で、前記光ビームが反射することを特徴とする。
ミラーチップは、前記ミラー部分が前記枠体の結合され
る側と反対側にミラー面を有し、前記枠体及び該枠体の
内側を架橋する前記補強梁が前記ミラー部分と結合して
いない前記ミラー面の部分で、前記光ビームが反射する
ので、ミラー面の歪みが無く平坦性の高い部分で光ビー
ムを反射し、安定したビーム形状を得ることができる。
おいて、請求項44又は45記載の光走査装置と、該光
走査装置によって静電潜像を形成する感光体と、前記静
電潜像をトナーで顕像化する現像手段と、該現像手段に
よって顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手
段と、を備えることを特徴とする。
4又は45記載の光走査装置と、該光走査装置によって
静電潜像を形成する感光体と、前記静電潜像をトナーで
顕像化する現像手段と、該現像手段によって顕像化され
たトナー像を記録紙に転写する転写手段と、を備えるの
で、ミラー基板が大型かつ軽量で振れ角が大きく、また
動作時におけるミラー基板の変形が低減され、安定した
ビーム形状を得ることができる振動ミラーチップを備え
る画像形成装置を提供し、振動ミラーチップが小型であ
る為、画像形成装置を小型化することができ、さらに、
光走査装置の騒音、振動を小さくすることができる。
膜状のミラー部分と、該ミラー部分と結合する枠体と、
該枠体の内側を架橋する補強梁と、を備える振動ミラー
チップの製造方法において、前記基板の前記ミラー部分
を形成する側の面に、少なくともミラー層を成膜する成
膜ステップと、前記基板の前記ミラー部分を形成する面
と反対側の面に前記枠体及び前記補強梁を残すマスクパ
ターンを形成するマスク形成ステップと、前記基板の前
記ミラー部分を形成する面と反対側の面から基板の貫通
エッチングにより前記ミラー部分の外周を貫通する貫通
ステップと、を含むことを特徴とする。
の前記ミラー部分を形成する側の面に、少なくともミラ
ー層を成膜する成膜ステップと、前記基板の前記ミラー
部分を形成する面と反対側の面に前記枠体及び前記補強
梁を残すマスクパターンを形成するマスク形成ステップ
と、前記基板の前記ミラー部分を形成する面と反対側の
面から基板の貫通エッチングにより前記ミラー部分の外
周を貫通する貫通ステップと、を含むので、本発明は、
簡単で低コストな振動ミラーチップの製造方法を提供す
ることができる。
の製造方法において、前記基板は、エッチング停止層を
間に有するシリコン基板であり、前記ミラー部分を形成
する側の面は、エッチング停止層の面であることを特徴
とする。
は、エッチング停止層を間に有するシリコン基板であ
り、前記ミラー部分を形成する側の面は、エッチング停
止層の面であるので、エッチング停止層の両面上のシリ
コン基板を容易にエッチングすることができ、振動ミラ
ーチップを容易に製造できる。
48記載の製造方法において、前記成膜ステップは、さ
らに応力調節膜の成膜を含むことを特徴とする。
ステップは、さらに応力調節膜の成膜を含むので、応力
調節膜を積層することによりミラー部分の応力を容易に
調節することができる。
明の実施の形態について説明する。
構成を図1に示す。図1の(a)は光走査装置の概略中
央断面図、(b)は光走査装置の概略裏面図である。
その対向した2つの端部109,110の中央部で、一直線上
に設けられた2本のねじり梁102、103によって支持され
ている。ミラー基板101は、略正方形の平板部の表面
(図1(a)では上面)に使用光に対し十分な反射率を
もつ金属薄膜115がミラー面として形成され、その平板
部の裏面に補強部として、ねじり梁102,103と直交する
方向に延びる補強用凸条121(以下、リブと記す)が複
数本並べて形成された構造である。ミラー基板101の
裏面において、リブ121の領域の厚さはねじり梁102,103
の厚さと同一となっている。つまり、このリブ領域以外
の領域は、ねじり梁102,103より薄い肉抜き領域となっ
ている。ねじり梁102、103は、光走査装置として必要な
共振周波数が得られるようなねじり剛性を持つ寸法を有
し、内フレーム(枠体)104に固定されている。この内
フレーム104は、それより板厚の大きい外フレーム(枠
体)120で周囲を固定されている。
ラー基板101を梁102,103をねじり回転軸として往復振動
させるためのミラー駆動手段を有する。このミラー駆動
手段は、具体的には以下に説明するように、駆動用の固
定電極と可動電極、起動用の固定電極と可動電極からな
り、これら可動電極としてはミラー基板101の端部が利
用される。
ない端部105,106は櫛歯形状をなしており、同一部位の
内フレーム104に設けられた同じく櫛歯形状の駆動用の
固定電極107、108に、微小ギャップをへだてて噛み合う
かたちで対向している。この櫛歯状端部105,106が駆動
用可動電極として作用する。また、ミラー基板101の梁1
02,103に支持されている端部109,110は直線形状をなし
ており、それと基板厚さ方向にずらして外フレーム120
に設けられた、同じく直線形状の起動用の固定電極111,
112と、微小ギャップをへだてて対向している。この固
定電極111,112と対向するミラー基板端部109,110の部分
は起動用可動電極として作用する。
料からなる一体構造であり、その表面には絶縁材料113
が形成されている。外フレーム120の内側端面の絶縁材
料上には、ミラー基板101の端部109、110に近接対向す
る位置に前記起動用固定電極111、112がそれぞれ形成さ
れている。この部位において、外フレーム120はミラー
基板101よりも厚くなっており、ミラー基板端部109、11
0と固定電極111、112とは基板厚さ方向にずらされ、相
互に重ならない位置関係とされている。
13が除かれて導電性材料が露出した部分が形成され、そ
の部分に電極引き出し用のパッド114が形成されてい
る。内フレーム104の櫛歯形状端面に形成された駆動用
固定電極107、108と、外フレーム120の内側端面に形成
された起動用固定電極111、112は、外フレーム120の表
面に形成されたパッド116,117と裏面に形成されたパッ
ト118,119まで引き出されている。
を参照して説明する。2本の梁102,1031で支持されたミ
ラー基板101は、外フレーム120上に形成された電極引き
出し用パッド114を介して接地される。起動用の固定電
極111,112に例えば50Vの電圧を印加すると、例えば5
μmのギャップを隔てて互いに重ならないように基板厚
さ方向にずらして設けられている起動用固定電極111,11
2とミラー基板101の端部109,110との間に静電引力が働
くため、ミラー基板101は梁102,103はねじり回転軸とし
て図中反時計回り方向に駆動され、最終的に、図2
(a)に丸Aで囲って示すように、ミラー基板端部109,
110が起動用固定電極111,112と一部が重なる位置までミ
ラー基板101が振られることにより、駆動用固定電極10
7,108とミラー基板101の端部105,106との間に振動開始
に必要な大きさの段差が生じる。なお、本発明の光走査
装置の構造では、起動用固定電極111,112を段差方向に
広く形成することが容易であり、そうするによって梁10
2,103のねじり剛性が大きい場合にも起動に必要な段差
を生じさせることができる。
加を断つと同時に駆動用固定電極107,108に例えば50V
の電圧を印加すると、同電極とミラー基板101の端部10
5,106との間に働く静電引力と梁102,103のねじり剛性に
よって、ミラー基板101は時計回り方向に振れる。図2
(b)に示すようにミラー基板101が水平位置に到達し
た時点で駆動用固定電極107,108への電圧印加を断つ
と、ミラー基板101は慣性モーメントにより時計回り方
向にさらに振れ、最終的に図2(c)に示すように慣性
モーメントと梁102,103のねじり剛性とがつりあう位置
まで振れる。その直後に駆動用固定電極107,108に再び
電圧を印加すると、静電引力と梁102,103のねじり剛性
とによりミラー基板101は反時計回り方向に振れる。そ
して、図2(d)のようにミラー基板101が再び水平位
置に達した時点で駆動用固定電極107,108への電圧印加
を断つと、ミラー基板101は慣性モーメントと梁102,103
のねじり剛性とがつりあう位置までさらに振れる。
ミラー基板101の駆動周波数をミラー基板101の共振周波
数に設定することにより、起動用固定電極111,112によ
る起動時の変位よりも大きな振れ角でミラー基板101を
往復振動(揺動)させることができる。
角と駆動パルスのタイミングを図3に示す。図示のよう
に、走査角が最大となる時間からのパルス印加開始の遅
れをδとして、走査角が0となる画像中央にむけてミラ
ーが移動する時間Tだけ駆動パルスを印加する。つま
り、1周期の間に2回のパルス駆動することになる。
基板101の面積を大きくしたうえで所定の慣性モーメン
トとなるようにミラー基板101の平板部の板厚を薄くし
ても、ミラー基板101の平板部の裏面に設けた補強用リ
ブ121によって、静止時及び振動時におけるミラー基板1
01の変形を効果的に抑えることができる。よって、高周
波数での振動時にもミラー面の平坦性が維持されるた
め、安定したビーム形状での光走査が可能である。な
お、リブ121は、ミラー基板101の慣性モーメントの増加
をできるかぎり抑えつつ十分な補強効果を発揮させるの
に好適な形状である。また、ミラー基板101の変形は梁1
02,103から離れた部分で生じやすいが、本実施例のよう
に梁102,103と直交する方向に延びるリブ121によれば、
そのような部分での変形を効果的に抑制することができ
る。また、ミラー基板101の平板部の裏面(ミラー面と
反対側の面)に補強用リブ121が設けられるため、平板
部表面全体をミラー面として利用でき、したがって、本
実施例の光走査装置は使用できるビーム形状の自由度が
大きく汎用性が高い。さらに、ミラー基板101の裏面に
設けられるリブ121は、図4(d)及び図5(e)に関
連して説明するように、シリコン基板を凹状にエッチン
グ加工する際に凸部として残す方法により容易に形成す
ることができるため、光走査装置の製造プロセスの複雑
化を招かない。
の光走査装置の製造方法の一例について、図4乃至図6
を参照して説明する。以下に述べる製造プロセスは、後
記の第2実施例、第3実施例及び第4実施例の光走査装
置にも同様に適用し得ることは明らかである。
ームの材料としては、高精度の微細加工が容易であるこ
とと、それぞれの部材全体を共通の電極として使用でき
るようになることから、高濃度の不純物が含まれた低抵
抗のシリコン基板が用いられる。
のシリコン基板201の片面に、シリコンを深くエッチン
グするためのマスクとして高粘度耐熱レジスト202を例
えば100μmの厚さで塗布する(図4(a))。ここで
使用されるマスク材としては、シリコンとの密着性がよ
く、エッチング時の選択比が100μmのシリコンエッチ
ング時にもマスクとして残る程度に大きく、かつエッチ
ング後には容易に除去できるような材料であればよく、
また、Niメッキ膜等を利用してもよい。
で内フレーム形状にパターニングする(図4(b))。
速度が大きく異方性の高いドライエッチング装置(ICP-R
IE)を用いて、シリコン基板を内フレーム形状に例えば1
00μmの深さまでエッチング除去する(図4(c))。
ここで形成されたエッチング端面の段差部分に、後工程
で起動用の固定電極111,112が形成される。
形成された基板に再び高粘度耐熱レジスト203を例えば1
00μmの厚さで塗布し、露光、現像することで補強用凸
条121の形状にパターニングする(図4(d))。
0μmまで薄くした部分のシリコン基板をドライエッチ
ング装置(ICP-RIE)を用いて補強用リブ121の形状に例え
ば50μmの深さまでエッチング除去する(図5
(e))。
した面と反対側のシリコン基板面に、高粘度耐熱レジス
ト204を例えば100μmの厚さで塗布し、フレーム内側の
シリコン基板が薄くなった領域の裏面を、ミラー基板10
1及び梁102,103の形状にパターニングする(図5
(f))。
速度が大きく異方性の高いドライエッチング装置(ICP-R
IE)を用いて、シリコン基板を貫通するまでドライエッ
チングすることでミラー基板101及び梁102,103を形成す
る(図5(g))。このように、図4(d)及び図5
(e)に関連して説明したように、シリコン基板を凹状
にエッチング可能し残った凸部を補強用リブ121として
形成する方法であるため、半導体プロセスを用いて容易
にミラー基板101を一体形成することができる。
ストを溶解、除去した後、基板全体を熱酸化し、基板と
の絶縁材料として表面に例えば厚さ1μmのSiO2 膜2
05を形成する(図5(h))。
起動用固定電極111,112及び駆動用固定電極107,108とそ
れらの引き出し用パッド116,117,118,119となる金属薄
膜206,207として、例えば300Å厚さのTi薄膜をスパッタ
法で成膜した後に例えば1200Å厚さのPt 薄膜をスパッ
タ法で成膜し、さらに、ミラー基板表面のミラー面とな
る金属薄膜115としてAl 薄膜208を形成する(図6
(i))。なお、これらの成膜の際に、電極以外の領域
に金属薄膜が形成されないように、金属性のステンシル
マスクで遮蔽し、また、同一部位で近接した駆動用の固
定電極については、ミラー基板をジグを用いて傾斜させ
た状態で斜め方向から成膜した。ここで、Ti薄膜はSi
O2 膜上でのPt 薄膜の密着性を向上させるためのもの
である。なお、ここではPt 薄膜を電極材料として用い
ているが、導電性が高くSiO2との密着性が確保できれ
ば、AuやTi、その他の材料を使用してもよい。また、ミ
ラー面用の金属薄膜としてAl 薄膜208を成膜したが、光
走査装置で使用されるレーザー光に対し必要十分な反射
率が得られる金属薄膜ならばAu、その他の材料も選択可
能である。また、ここでは成膜方法としてスパッタ法を
用いたが、真空蒸着、イオンプレーティング法等の他の
方法で成膜してもよい。
メタルマスクを使ってエッチング除去し、コンタクトホ
ール209を形成する(図6(j))。このシリコンが露
出したコンタクトホール209に、ミラー基板に電圧を印
加するためのパッド114としてのAl 薄膜210をメタルマ
スクを使って成膜し、それと基板との間の電気抵抗を下
げるため400℃の熱処理を行う(図6(k))。
について図7を参照して説明する。図7(a)はミラー
基板の裏面図、同図(b)は同図(a)のA−A’断面
図である。
厚さが30μm、大きさが4mm□のミラー基板101の
平板部の裏面に、前記第1実施例と同様な梁102,103と
直交する方向に延びた補強用リブ121が設けられるが、
前記第1実施例と異なり、梁102,103が結合した端部に
沿った位置にも補強用リブ121a,121bが設けらる。そ
れぞれの補強用リブの高さは例えば30μmであり、ミ
ラー基板101の梁102,103との結合端部の厚さは梁102,10
3の厚さと同一の60μmとなっている。したがって、
補強用リブ121a,121bが無い場合に比べ、梁102,103とミ
ラー基板101との結合強度が増大し、光走査装置の信頼
性が向上する。これ以外の構成は前記第1実施例と同様
であるので説明を省略する。
について図8を参照して説明する。図8(a)はミラー
基板の裏面図、同図(b)は同図(a)のB−B’断面
図である。
厚さが30μm、大きさが4mm□のミラー基板101の平
板部の裏面に例えば30μmの高さの補強用リブ121が
設けられるが、前記各実施例と異なって、補強用リブ12
1は梁102,103と直交する方向及び平行方向に延びて全体
として格子状とされる。また、ミラー基板平板部の梁12
1,122と結合される端部及び駆動用電極と対向する端部
に沿った位置にも補強用リブ121が設けられる。これ以
外の構成は前記第1の実施例と同様であるので説明を省
略する。
ような格子状の補強用リブ121によってミラー基板101が
全面的に補強され、ミラー基板101のねじれ変形も効果
的に抑制されるため、さらに安定したビーム形状での光
走査が可能となる。また、前記第2の実施例と同様に、
ミラー基板101の梁102,103と結合する端部は梁102,103
と同じ60μmの厚さとなって、ミラー基板101と梁10
2,103との結合強度が前記第1の実施例より増加する。
また、駆動用固定電極と対向するミラー基板端部は可動
電極として作用するが、この端部の厚さも補強用リブ12
1の分だけ増加し60μmとなるため、前記各実施例よ
りも可動電極の面積が増加し、その結果、ミラー基板10
1をより低い電圧で駆動可能となる。
について図9を参照して説明する。図9はミラー基板10
1の裏面図である。同図に示すように、本実施例におい
ては、ミラー基板101は、梁102,103をはさんだ両端部
分、つまり駆動用固定電極と対向する側の端部の部分で
最も広くなるような略H型の平面形状を有する。このよ
うな平面形状は、ミラー基板101の慣性モーメントの減
少と、それによる駆動電圧の低電圧化に効果的である。
また、補強用リブ121は、前記第3の実施例と同様に格
子状に形成され、また、梁102,103と結合される端部及
び可動電極として作用する端部に沿う位置にも形成され
る。したがって、ミラー基板101の梁102,103との結合強
度を向上させることができ、また、可動電極の面積を増
大させて駆動電圧の低電圧化を図ることができる。
について図10を参照して説明する。図10の(a)は
光走査装置の概略中央断面図、(b)は光走査装置の概
略裏面図である。
同様に補強用リブ121が設けられるが、本実施例におい
ては、補強用リブ121として、ねじり梁102,103を延長し
てミラー基板101を横切るリブ121dと、ミラー基板101の
外周を縁どりするリブ122eが設けられている。これらリ
ブ121の領域はその厚さがねじり梁102,103と同一となっ
ており、それ以外の領域はねじり梁102,103の厚さより
も薄い肉抜き領域となっている。
リコンからなるミラー基板の板厚を20μm、大きさを
4mm×4mmとし、2.5kHzで±5°の振れ角で振動した
場合のミラー基板101の変形の最大値の計算結果を図1
1に示す。このように、補強リブのないミラー基板の場
合、ねじり梁を中心としたミラーの両側の中心位置での
変形が最も大きく、その変形量は約1μmにもなること
がわかる。
取りするリブ121dがこの変形を低減すると同時に、それ
と直行方向の変形も低減でき、さらに、ねじり梁102,10
3を延長してミラー基板101を貫通するリブ121eは振動の
中心軸の位置精度を向上させる効果があることから、安
定した走査ビーム形状を得ることができる。
製造方法の一例について、図12乃至図14を参照して
説明する。
して、高精度の微細加工が容易なシリコン基板を用い
た。
コン基板1201の片面に、シリコンを深くエッチングする
ためのマスクとして高粘度耐熱レジスト1202を100μm
の厚さで塗布する(図12(a))。ここで使用するマス
ク材としては、シリコンとの密着性がよく、エッチング
時の選択比が100μmのシリコンエッチング時にもマス
クとして残る程度に大きく、かつ、エッチング後には容
易に除去できるような材料であればよく、また、Niメ
ッキ膜等を利用してもよい。
で内フレーム形状にパターニングする(図12(b))。
速度が大きく異方性の高いドライエッチング装置(ICP-R
IE)を用いて、シリコン基板を内フレーム形状に100μm
の深さまでエッチング除去する(図12(c))。ここで
形成されたエッチング端面の段差部分に、後工程で起動
用の固定電極が形成される。
形成された基板に再び高粘度耐熱レジスト1203を100μ
mの厚さで塗布し、露光、現像することで補強リブの形
状にパターニングする(図12(d))。
0μmまで薄くした部分のシリコン基板をドライエッチ
ング装置(ICP-RIE)を用いて50μmの深さまでエッチン
グ除去することによって肉抜きし、リブの形状を形成す
る(図13(e))。
ングした面と反対側の面に、高粘度耐熱レジスト1204を
100μmの厚さで塗布し、枠体内側のシリコン基板が薄
くなった領域の裏面を、ミラー基板及び梁形状にパター
ニングする(図13(f))。
速度が大きく異方性の高いドライエッチング装置(ICP-R
IE)を用いて、シリコン基板を貫通するまでドライエッ
チングすることでミラー基板、梁を形成する(図13
(g))。
熱酸化し、基板との絶縁材料として表面に厚さ1μmの
SiO2膜1205を形成する(図13(h))。
に、それぞれ起動用固定電極と駆動用固定電極として、
Ti薄膜300Åをスパッタ法で成膜したあとに1200Å厚さ
のPt薄膜1206,1207をスパッタ法で成膜する。さらに、
ミラー基板表面にミラー面としてAl薄膜1208を形成する
(図14(i))。なお、成膜の際に、電極以外の領域に
は金属薄膜が形成されないように、金属性のステンシル
マスクで遮蔽し、また、同一部位で近接した駆動用固定
電極としてのPt薄膜1207は、ミラー基板をジグを用いて
傾斜させた状態で斜め方向から成膜した。ここで、Ti薄
膜はSiO2膜上でのPt薄膜の密着性を向上させるため
のものである。なお、ここではPt薄膜を電極材料として
用いているが、他に導電性が高く、SiO2との密着性
が確保できれば、Au,Ti,等他の材料を使用してもよい。
また、ここでは成膜方法としてスパッタ法を用いたが、
真空蒸着、イオンプレーティング法等の他の方法で成膜
してもよい。また、ミラー面としての金属薄膜1208とし
てAlを成膜したが、使用するレーザー光に対し必要十分
な反射率が得られる金属薄膜ならば、Au等の他の材料も
選択可能であり、その成膜方法もスパッタ法、イオンプ
レーティング法等の他の方法を用いてもよい。
メタルマスクを使ってエッチング除去し、コンタクトホ
ール1209を形成する(図14(j))。このシリコンが露
出したコンタクトホールに、ミラー基板に電圧を印加す
るための電極1210をメタルマスクを使って成膜し、電極
と基板との抵抗を下げるための400℃の熱処理を行う
(図14(k))。
6乃至第11の実施例の光走査装置にも同様に適用し得
ることは明らかである。
走査装置の製造方法の別の例についして、図15及び図
16を参照して説明する。
板、ねじり梁、フレームの材料として、高精度の微細加
工が容易で、かつ、電極分離構造を容易に形成できるSO
I基板を用いる。ここでは、ミラー基板、ねじり梁を形
成する側の基板を、絶縁分離した各部位をそのまま電極
として使用できるように、高濃度の不純物が含まれた0.
1Ω・cm以下の低抵抗の厚さ100μmのシリコン基板と
し、フレームを形成する側の基板を厚さ525μmの数Ω
・cmから数十Ω・cmの中抵抗のシリコン基板とし、それ
らを厚さ1μmの酸化膜からなる絶縁膜で分離したSOI
基板を用いるものとして説明する。
板2001のフレーム形成側の面に、シリコンを深くエッチ
ングするためのマスクとして高粘度耐熱レジスト2002を
100μmの厚さで塗布する(図15(a))。ここで使用す
るマスク材としては、シリコンとの密着性がよく、エッ
チング時の選択比が100μmのシリコンエッチング時に
もマスクとして残る程度に大きく、かつエッチング後に
容易に除去できるような材料であればよく、Niメッキ
膜等を利用してもよい。
で内フレーム形状にパターニングする(図15(b))。
速度が大きく異方性の高いドライエッチング装置(ICP-R
IE)を用いて、シリコン基板を内フレーム形状に酸化膜
が露出する525μmの深さまでエッチング除去する(図
15(c))。ここで、酸化膜はエッチングレートがシリ
コンと比較して著しく小さいため、エッチング停止層と
して機能する。なお、ここで形成されるエッチング端面
の段差部分に、後の工程で起動用の固定電極が形成され
る。
ミラー基板を形成する側の基板に再び高粘度耐熱レジス
ト2003を100μmの厚さで塗布し、露光、現像すること
でリブ形状にパターニングする(図15(d))。
ライエッチング装置(ICP-RIE)を用い、100μmまで薄く
した部分のシリコン基板を50μmの深さまでエッチング
除去することで肉抜きし、リブ形状を形成する(図16
(e))。
を1.5μmの厚さで塗布し、ミラー基板及び梁形状にパ
ターニングする(図16(f))。このとき、レジスト
は、リブの段差部分も含めて塗布をする必要があること
から、スプレー状にして塗布する。
速度が大きく異方性の高いドライエッチング装置(ICP-R
IE)を用いて、シリコン基板を貫通するまでドライエッ
チングすることでミラー基板、梁を形成する(図16
(g))。
となるAl薄膜2005をメタルマスクを使って真空蒸着法に
より成膜し、それと基板との抵抗を下げるために400℃
の熱処理を行う(図16(h))。ここではAl薄膜2005
は、Au等の他の材料の薄膜とすることも可能であり、そ
の成膜方法もスパッタ法、イオンプレーティング法等の
他の方法を用いることも可能である。
れば、ミラー基板を形成してから後の絶縁のための酸化
膜形成と、その酸化膜上のミラー基板端面位置への金属
電極の形成工程、および、酸化膜の一部除去によるコン
タクト部の形成工程が不要となり、製造工程を短縮でき
る。なお、この製造方法は後記の第6乃至第11の実施
例の光走査装置にも同様に適用し得ることは明らかであ
る。
について図17を参照して説明する。図17の(a)は
ミラー基板の裏面図であり、(b)はそのA−A’線断
面図である。
第5の実施例と同様であるので図示及び説明を省略し、
本実施例の特徴であるミラー基板101の補強用リブ121に
関する構成についてのみ説明する。4mm□の大きさのミ
ラー基板101の裏面には補強用リブ121が設けられるが、
本実施例では、ねじり梁102,103を延長してミラー基板1
01を横切るリブ121dと、ミラー基板外周を縁どりするリ
ブ121dに加えて、リブ121dの中央で直交しリブ121eを架
橋するリブ121fが設けられている。リブ領域の厚さはね
じり梁102,103と同一の60μmとなっており、それ以
外の肉抜き領域はねじり梁よりも30μmだけ薄くなっ
ている。
る慣性力は、微小領域の質量とねじり梁102,103からの
距離の2乗の積に比例することから、ねじり梁102,103
と平行な方向では微小領域の質量による慣性力の違いだ
けで、位置による慣性力の違いはないため変形が小さい
が、ねじり梁と直行する方向では位置による慣性力の違
いが大きくきいてくるため変形が大きい。そこで、本実
施例においては、リブ121fを設けて、ねじり梁と直行す
る方向の剛性を高めることにより、振動による変形を効
果的に抑制する。
について図18を参照して説明する。図18の(a)は
ミラー基板の裏面図であり、(b)はそのB−B’線断
面図である。
第5の実施例と同様であるので図示及び説明を省略し、
本実施例の特徴であるミラー基板101の補強用リブ121に
関する構成についてのみ説明する。
は補強用リブ121が設けられるが、本実施例では、ねじ
り梁102,103を延長してミラー基板101を横切るリブ121d
と、ミラー基板外周を縁どりするリブ121dに加えて、リ
ブ121dと平行及び垂直な複数のリブ121gが格子状に設け
られている。格子状のリブ121gは、ミラー基板101の重
心位置(G)がリブ121dの中心にくるように、リブ121d
の中心に対して対象に配置されている。リブ領域の厚さ
はねじり梁102,103と同一の60μmとなっており、そ
れ以外の肉抜き領域はねじり梁よりも30μmだけ薄く
なっている。
とにより、ねじり梁102,103に直行方向及び平行方向の
ミラー基板変形を、前記第6の実施例より以上に減少さ
せることができる。ただし、ミラー基板の重量増加は振
れ角は減少させるように作用するため、その分をおぎな
うためにはより大きな駆動トルク、すなわち、より高い
駆動電圧が必要となる。
について図19を参照して説明する。図19はミラー基
板の裏面図である。
第5の実施例と同様であるので図示及び説明を省略し、
本実施例の特徴であるミラー基板101の補強用リブ121に
関する構成についてのみ説明する。
場合と同様に、ミラー基板101の裏面に補強用リブ121と
して、ねじり梁102,103を延長してミラー基板101を横切
るリブ121d、ミラー基板外周を縁どりするリブ121d、及
び、リブ121dと平行及び垂直な格子状のリブ121gが設け
られる。ミラー基板外周を縁取りするリブ121dのミラー
基板自由端側部分121dsは、リブ121dの長さより長く、
ミラー基板101のねじり梁102,103と結合された端部より
外側に張り出している。このリブの部分121dsは櫛歯形
状とされ、同様の櫛歯形状とされたフレーム側の駆動用
固定電極107,108(図10)と狭ギャップを隔てて対向
して駆動用可動電極として働くが、可動電極側の長さが
増加した分、固定電極107,108の長さも増加させられて
いる。リブ領域の厚さはねじり梁102,103と同一の60
μmとなっており、それ以外の肉抜き領域はねじり梁よ
りも30μmだけ薄くなっている。
2,103に直交する方向及び平行な方向のミラー基板変形
を効果的に抑制できるが、ミラー基板重量が増加するた
め、必要な振れ角を得るために必要な駆動トルク(静電
力)も増加する。そこで、本実施例においては、可動電
極として作用するリブ部分121esの長さを延長して駆動
電極面積を増加させることにより、駆動トルクの増大を
図っている。
について図20を参照して説明する。図20の(a)は
ミラー基板の裏面図であり、(b)はそのB−B’線断
面図である。
第5の実施例と同様であるので図示及び説明を省略し、
本実施例の特徴であるミラー基板101の補強用リブ121に
関する構成についてのみ説明する。
場合と同様に、4mm□の大きさのミラー基板101の裏面
に補強用リブ121として、ねじり梁102,103を延長してミ
ラー基板101を横切るリブ121dと、ミラー基板外周を縁
どりするリブ121dとが設けられるが、図20(a)に見
られるように、リブ121eの各コーナー部、及び、リブ10
2eとリブ102eとの交差部分に、曲率が付けられている。
この曲率を付加した部位は振動時のミラー基板の変形に
よる応力が集中しやすい部分であるため、曲率を付加す
ることによって応力集中が緩和され、その部位からの亀
裂の発生が起きにくくなる。なお、リブ領域の厚さはね
じり梁102,103と同一の60μmとなっており、それ以
外の肉抜き領域はねじり梁よりも30μmだけ薄くなっ
ている。本発明の第10の実施例における光走査装置に
ついて図21を参照して説明する。図21の(a)はミ
ラー基板の裏面図であり、(b)はそのB−B’線断面
図である。
第5の実施例と同様であるので図示及び説明を省略し、
本実施例の特徴であるミラー基板101の補強用リブ121に
関する構成についてのみ説明する。
場合と同様に、4mm□の大きさのミラー基板101の裏面
に補強用リブ121として、ねじり梁102,103を延長してミ
ラー基板101を横切るリブ121dと、ミラー基板外周を縁
どりするリブ121dとが設けられるが、図21(a)に見
られるように、リブ121eと捻り梁102,103との交差部分
(ねじり梁102,103とミラー基板101との連結部)に曲率
が付けられている。この部位は振動時のミラー基板の変
形による応力が集中しやすい部分であるため、曲率を付
加することによって応力集中が緩和され、その部位から
の亀裂の発生が起きにくくなる。リブ領域の厚さはねじ
り梁102,103と同一の60μmとなっており、それ以外
の肉抜き領域はねじり梁よりも30μmだけ薄くなって
いる。
1eの各コーナー部、及び、リブ102eとリブ102eとの交差
部分にも曲率を付けてもよく、そのような態様も本発明
に包含されることは当然である。
22に模式的に示すように、ミラー基板101の表面(ミ
ラー面115が形成される側の面)と、ねじり梁102,103の
表面とが同一面とされていた。
いては、図23に模式的に示すように、ミラー基板101
の表面と、ねじり梁102,103の厚さ方向の中心とが一致
するような位置関係とされる。このような位置関係とす
ることにより、ミラー基板のねじり回転によるミラー面
上でのビーム位置のずれが生じなくなるため、反射ビー
ムの走査位置精度が向上する。
様でよい。また、補強用リブ121のうち、ミラー基板外
周を囲むリブ121eについては図示のようにミラー基板10
1の表側にも突出するように形成されるが、これに限定
されるわけではない。
該ミラー基板を駆動する手段を、記ミラー基板で偏向さ
れた光ビームを透過される部分と、駆動手段との結線の
ための端子部とを具備する減圧容器内に収容した光走査
装置も本発明に含まれる。
真印刷方式のプリンタや複写機などの画像形成装置のた
めの光走査装置として最適である。次に、そのような画
像形成装置の一例について図24を参照して説明する。
光書込装置301の被走査面を提供する感光体ドラムであ
る。光書込装置301は、記録信号によって変調された1
本又は複数本のレーザビームで感光体ドラム302の表面
(被走査面)を同ドラムの軸方向に走査するものであ
る。感光体ドラム302は、矢印303方向に回転駆動され、
帯電部304で帯電された表面に光書込装置301により光走
査されることによって静電潜像を形成される。つまり、
広義には、感光体ドラム302は静電潜像担持体である。
この静電潜像は現像部305でトナー像に顕像化され、こ
のトナー像は転写部306で記録紙307に転写される。転写
されたトナー像は定着部307によって記録紙307に定着さ
れる。感光体ドラム302の転写部306を通過した表面部分
はクリーニング部309で残留トナーを除去される。な
お、感光体ドラム302に代えてベルト状の感光体を用い
る構成も可能であることは明らかである。また、トナー
像を転写媒体に一旦転写し、この転写媒体からトナー像
を記録紙に転写して定着させる構成とすることも可能で
ある。
された1本又は複数本のレーザビームを発する光源部32
0と、前記第1の実施例乃至第11に関連して説明した
本発明の光走査装置321と、この光走査装置321のミラー
基板のミラー面に光源部320からのレーザビームを結像
させるための結像光学系322と、ミラー面で反射された
1本又は複数本のレーザビームを感光体ドラム302の表
面(被走査面)に結像させるための走査光学系323から
構成される。光走査装置321は、その駆動のための集積
回路324とともに回路基板325に実装された形で光書込装
置301に組み込まれる。
ような利点を有する。本発明による光走査装置321は、
前述のようにレーザビーム形状の安定性、駆動電圧の低
電圧化の面で有利であるほか、回転多面鏡に比べ駆動の
ための消費電力が小さいため、画像形成装置の省電力化
に有利である。光走査装置321のミラー基板の振動時の
風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、画像形成装置
の静粛性の改善に有利である。光走査装置321は回転多
面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、ま
た、光装置装置321の発熱量もわずかであるため、光書
込装置301の小型化が容易であり、したがって画像形成
装置の小型化に有利である。
ム302の駆動機構、現像部305、転写部306などの制御手
段、光源部320の駆動系などは、従来の画像形成装置と
同様でよいため図中省略されている。
ーチップの斜視図及び断面図を図25に示す。図25の
(a)は振動ミラーチップ全体の斜視図であり、(b)
は振動ミラーチップの中央における梁と垂直方向の断面
図である。
ラー部分3001と枠体3002とが結合して形成されるミラー
基板、補強梁3003、ねじり梁3004、支持部3005、熱酸化
膜3006、フレーム3007、枠体の一部の可動電極3008及び
可動電極引き出しパッド3009、固定電極3010及び固定電
極引き出しパッド3011とからなる。
膜及び金属薄膜3012を含む薄膜状のミラー部分3001と、
ミラー部分3001と結合しミラー部分3001の外縁にシリコ
ン単結晶で形成された枠体3002と、枠体3002と同一の高
さで枠体3002の内側を架橋する補強梁3003とから成る。
3012と枠体3002とは中央の窒化シリコン薄膜を挟んで互
いに反対側にある。金属薄膜3012は、光に対して十分な
反射率を有し、枠体3002と反対側の面はミラー面として
使用する。このように枠体と反対側にミラー面がある
と、ミラー面上に枠体が無いため、ミラー面の全面を光
ビームの反射に有効に使用することができ、光ビームの
損失を防ぐことができる。
として引張応力を有しているので、枠体3002の内側にお
いて金属薄膜3012も含めたミラー部分3001、特にミラー
面の平坦性を確保することができる。その結果、安定し
た光ビームの形状を得ることができる。ここではミラー
部分3001として窒化シリコン薄膜を用いているが、内部
応力として引張応力を有する他の薄膜、例えば多結晶シ
リコン薄膜等を用いることも可能である。
は、全て薄膜で形成されているので、大型のミラー基板
を形成しても軽量であり、従って慣性モーメントが小さ
くなり、振動ミラーチップの動作時にミラー基板は大き
な振れ角を得ることができる。またミラー部分3001は、
枠体3002と補強梁3003とによって保持されるので、ミラ
ー基板としての剛性が高く、動作時におけるミラー基板
の変形が少なく安定したビーム形状を得ることができ
る。
近傍で2本のねじり梁3004で支持されている。この2本
のねじり梁3004は、枠体3002の外側の側面における互い
に対向する位置に結合し、ミラー基板のねじり振動の回
転軸を含むように略同一直線上に設けられている。振動
ミラーチップの動作時は、ねじり梁3004に支持されたミ
ラー基板が、ねじり梁3004を回転軸としてねじり振動
し、ミラー基板のミラー面にビーム光源から照射される
光ビームを偏向させる。
ねじり梁3004の延長上に配置することが好ましい。補強
梁3003をねじり梁3004の延長上、すなわち同一直線上の
位置に配置してねじり振動の回転軸の一部とすること
で、動作時にミラー基板がねじり振動の回転軸に対して
対称になる。これにより、動作時に回転軸が安定して、
枠体3002のねじり梁3004方向の変形を低減し、不要な振
動モードを抑えて、安定したビーム形状が得られる。2
本のねじり梁3004は、ねじり振動の繰り返し動作に対し
て十分な耐性が得られ、かつ適度なねじり剛性が得られ
るように、シリコン単結晶で枠体3002と一体で形成され
る。さらに、ねじり梁3004の高さ、幅、及び長さが、振
動子としての共振周波数が所望の値となるように、ねじ
り剛性に基づいて適切に設計される。
は、ねじり弾性係数をk、ミラー基板の慣性モーメント
をIとすると次式で表すことができる。 f=1/(2π)×√(k/I)
幅をc、ねじり梁の高さをt、ねじり梁の長さをLとす
ると次式で表すことができる。 k=βtc^3 E/(L(1+ν))なお、βは断面形
状係数、Eはヤング率、νはポアソン比である。
ミラー基板の重量をM、ミラー基板の幅(ねじり梁と直
行する方向)をaとすると次式で表すことができる。 I=M a^2 /12
厚60μmのミラー基板を、断面50μm×60μm、
長さ500μmの梁で支持することにより、ミラー基板
が約3kHzで共振駆動することがわかる。
側は、それぞれ同じシリコンで一体に形成された支持部
3005に結合されており、この支持部3005は、熱酸化膜30
06を介してシリコンで形成されたフレーム3007に固定さ
れている。これらミラー基板の枠体3002、補強梁3003、
ねじり梁3004と支持部3005とは共通の低抵抗シリコン基
板で形成されており、支持部3005の表面には可動電極引
き出しパッド3009としてAl薄膜が形成されている。こ
こで、枠体3002、補強梁3003、ねじり梁3004は、全て同
一の高さ(厚さ)とすれば、それらは同時形成が可能で
あり、低コストで振動ミラーチップを製作できる。
転軸方向と直交する方向の両側面に、櫛歯形状の可動電
極3008が形成されている。このように可動電極を櫛歯状
にすることによって、電極面積を増やすことができ、静
電力によるミラー基板の駆動トルクを大きくすることが
できる。その結果ミラー基板の振れ角を大きくすること
ができる。また櫛歯形状の可動電極3008と微小間隔を隔
てて、同様の櫛歯形状である駆動用の固定電極3010が可
動電極3008などと独立して設けられている。この櫛歯形
状の駆動用の固定電極3010は、櫛歯形状の可動電極3008
と噛み合う形で対向している。可動電極3008と固定電極
3010とが対向して設置されていることで、電極構造が簡
単であり製造コストを下げて、効率良くミラー基板を駆
動することができる。また駆動用の固定電極3010は低抵
抗シリコン基板で形成されており、熱酸化膜3006を介し
てシリコンで形成されたフレーム7に固定されている。
さらに固定電極3010の表面には固定電極引き出しパッド
3011としてAl薄膜が形成されている。
動ミラーチップの動作を、図26を用いて説明する。枠
体に形成された櫛歯状の可動電極3008は、枠体、ねじり
梁、支持部と共通の低抵抗シリコン基板で形成されてい
るので、ねじり梁の支持部表面に形成された可動電極引
き出しパッド(図25の3009)と同電位である。また低
抵抗シリコン基板で形成された駆動用の固定電極3010
は、熱酸化膜3006を介してフレーム3007に固定されお
り、ここでは固定電極3010における2つの固定電極引き
出しパッド3011を接地している。これら可動電極3008の
表面における可動電極引き出しパッドにそれぞれ同時に
電圧を印加することにより、可動電極3008と固定電極30
10との間に静電力を働かせる。なお、図26と反対に、
可動電極3008における2つの可動電極引き出しパッドを
接地し、固定電極3010の表面における固定電極引き出し
パッド3011に電圧を印加してもよい。
に電圧を印加していない初期状態を示している。ここで
ミラー基板は、形状や内部応力等のわずかな非対称性に
より、水平位置から数μm程度という微小量ではあるが
初期変位を有している。この為にミラー基板に形成され
た可動電極8とフレーム上に熱酸化膜3006を介して形成
された固定電極3010とは、互いの対向する面が平行であ
るように静止しているのではなく、ねじれ角の方向にわ
ずかな変位を伴って互いに対向している。
3010との間に、可動電極引き出しパッドに電圧を印加し
て静電力を働かせることにより、可動電極3008と固定電
極3010の互いに対向する面が、平行に向かい合う方向、
すなわち図26(B)に示すようなミラー基板が固定電
極と水平になる方向、に向かってねじり梁を軸としてね
じり振動させる(回転させる)ことができる。
定電極と水平になった瞬間に、電圧の印加を停止する
と、図26(C)に示すように、ミラー基板の慣性によ
り初期変位と反対側に、梁のねじり剛性とミラー基板の
回転のモーメントとが釣り合う位置まで変位させること
ができる。ここで再び駆動用の可動電極3008に電圧を印
加すると、可動電極3008及び固定電極3010の間の静電引
力と梁のねじり剛性とにより、ミラー基板は逆方向に回
転し、Dに示すように再び固定電極と水平な位置にまで
変位する。
ミラー基板とねじり梁の共振周波数に設定することによ
り、ミラー基板の大きな振れ角を得ることができる。こ
のとき、ミラー部分1の裏面に設けられた補強梁3003に
よりミラー基板の変形が低減される為、ミラー部分1で
反射したビームは乱反射せず、安定した走査ビーム形状
を得ることができる。
動ミラーチップの平面図及び断面図を図27に示す。本
実施例における振動ミラーチップは、ミラー部分の構造
を除いては、第12の実施例と同じ構造である。ミラー
基板は、熱酸化膜3006窒化シリコン薄膜3013とで形成さ
れたミラー部分3001と、ミラー部分3001と結合するシリ
コン単結晶で形成された枠体3002と、から成る。ミラー
部分3001の外縁に形成された枠体3002の内側は、補強梁
3003で架橋されている。またミラー部分3001の枠体3002
及び補強梁3003が形成されていない側には、使用する光
に対して十分な反射率をもつ金属薄膜3012がミラー面と
して形成されている。ミラー基板は、枠体3002の外側の
側面中央近傍で2本のねじり梁3004で支持されている。
この2本のねじり梁3004は、枠体3002の外側の側面にお
ける互いに対向する位置に結合し、ミラー基板のねじり
振動の回転軸となるよう同一直線上に設けられている。
さらに枠体3002の内側を架橋する補強梁3003も、ねじり
梁3004と同一直線上の位置に配置することが好ましい。
側は、それぞれ同じくシリコンで一体に形成された支持
部3005に結合されており、この支持部3005は、熱酸化膜
3006を介してシリコンで形成されたフレーム3007に固定
されている。支持部3005の表面には可動電極引き出しパ
ッド3009として金属薄膜3012が形成されいる。ミラー基
板の枠体3002には、ねじり梁による回転軸方向と直交す
る方向の両側面に、櫛歯形状の可動電極3008が形成され
ている。また櫛歯形状の可動電極3008と微小間隔を隔て
て、同様の櫛歯形状である駆動用の固定電極3010が設け
られている。この櫛歯形状の駆動用の固定電極3010は、
櫛歯形状の可動電極3008と噛み合う形で対向している。
また駆動用の固定電極3010は低抵抗シリコン基板で形成
されており、熱酸化膜3006を介してシリコンで形成され
たフレーム3007に固定されている。さらに固定電極3010
の表面には固定電極引き出しパッド3011として金属薄膜
3012が形成されている。
部分3001が内部応力として引張応力を有する窒化シリコ
ン薄膜の単層膜で形成されていたが、第13の実施例に
おけるミラー部分3001は、熱酸化膜3006と窒化シリコン
薄膜3013の2層膜から構成されており、熱酸化膜3006が
ミラー基板の枠体3002及び補強梁3003のある側、窒化シ
リコン薄膜3013がミラー面側に成膜されている。熱酸化
膜3006は、シリコンをエッチングする際には選択比が大
きくエッチング停止層として好都合である。しかしなが
ら、熱酸化膜3006は通常内部応力として圧縮応力を有し
ている為、単層膜として用いると座屈してミラー面とし
ての平坦性が確保できなくなる。そこで、内部応力とし
て引張応力を有している窒化シリコン薄膜3013を熱酸化
膜3006と組み合わせて成膜し、二層膜とすることで膜全
体の応力が引張応力になるように調整している。このよ
うに金属薄膜3012も含めて、ミラー部分3001を多層膜と
して形成することにより、複数の様々な機能を有する薄
膜を活用してミラー部分の設計をすることができる。ま
た、ミラー部分1の構造や工程における設計の自由が高
く、高性能な振動ミラーチップを作製することができ
る。ここで、エッチング停止層として熱酸化膜3006を用
いる本実施例における振動ミラーチップの構造は、製法
がより簡単で、コスト的にも有利であると考えられるこ
とから、次に本実施例における振動ミラーチップの製造
方法を、図28及び図29を用いて説明する。
ーチップの製造には、SOI(Silicon on Insulator)
ウエハを用いた。以下SOIウエハにおいて、熱酸化膜
3006を介して下側の厚いウエハをベースウエハ3014、上
側の薄いウエハをボンドウエハ3015と呼ぶことにする。
フレームとして使用するベースウエハ3014は、厚さ52
5μm、中抵抗の(100)ウエハであり、枠体、補強
梁、ねじり梁、支持部、可動電極、固定電極として使用
するボンドウエハ3015には、厚さ60μm、低抵抗の
(100)ウエハを用いた。また両ウエハの間にある熱
酸化膜3006の厚さは500nmとした。なおボンドウエ
ハの厚さは、ミラー基板及びねじり梁の共振周波数の設
計値に合わせて設定した。また上述のSOIウエハは、
十分に清浄化された2枚のシリコンウエハを、熱酸化膜
を介して減圧雰囲気中で接触させ仮接合した後、100
0℃以上の高温で熱処理、本接合し、上側ウエハを所望
の厚さまで研磨することにより作製することができる。
Iウエハの両面にLP−CVD(減圧気相化学析出)法
により厚さ1000オングストロームの窒化シリコン薄
膜3013を形成した。ここで形成する薄膜は、KOH溶液
による異方性エッチングで厚さ525μmのベースウエ
ハを全て除去する際に、エッチングマスクとして十分な
耐性を有する窒化シリコン薄膜3013を用いている。一般
に異方性エッチングに用いられる厚さ1μm程度の熱酸
化膜3006は、エッチング速度が窒化シリコン薄膜3013と
比較して大きい為、このようにシリコンを深くエッチン
グする際のマスクとしては適切ではない。
ストマスクを用いたドライエッチングによりパターニン
グし、ミラー部分3001及びねじり梁部分を形成する領域
をエッチング除去する。この際、(100)シリコンウ
エハは、窒化シリコン薄膜3013が形成されているエッチ
ングマスクの面に対して54.7°の角度傾いた方向に
エッチングされる。この為、最終的に残るボンドウエハ
の領域がマスクパターンよりも内側の領域となることを
考慮した上で、エッチングマスクのパターンを設計する
必要がある。
ングされた窒化シリコン薄膜3013をエッチングマスクと
して、85℃に昇温した30質量%のKOH溶液による
異方性エッチングで、ベースウエハ3014を熱酸化膜3006
に達するまでエッチング除去する。このとき熱酸化膜6
は、シリコンと比較してKOH溶液に対するエッチング
速度が遅いので、エッチング停止層とすることができ
る。これによりベースウエハ3014をフレーム3007とした
厚さ60μmのボンドウエハ3015からなるシリコンダイ
アフラム3016が形成され、以後の工程ではこのシリコン
ダイアフラム3016部分にミラー基板、ねじり梁、及び櫛
歯電極を形成する。
−CVD法により厚さ1000オングストロームの窒化
シリコン薄膜3013を形成し、さらにスパッタ法により1
000オングストロームの厚さのAl薄膜をミラー面と
して形成する。熱酸化膜3006は薄膜のミラー部分3001と
して用いることになるが、熱酸化膜3006は一般に内部応
力として圧縮応力を有する為、単層膜にすると座屈が生
じてしまう。また一般にスパッタ法により成膜した金属
薄膜も圧縮応力を有している。この為窒化シリコン薄膜
30013を熱酸化膜3006と合わせて成膜し、窒化シリコン
薄膜3013の内部応力としての引張応力により、熱酸化膜
3006及び金属薄膜3012の圧縮応力を打ち消して、窒化シ
リコン薄膜3013、熱酸化膜3006、金属薄膜3012からなる
多層膜全体としての内部応力が引張応力となるようにす
る。つまりここでは、窒化シリコン薄膜3013が応力調節
膜として、多層膜全体の応力を容易に調節することがで
きる。また、ここでは金属薄膜3012としてAlを成膜し
たが、使用するレーザ光に対し必要十分な反射率が得ら
れる金属薄膜ならばAu等の他の材料も使用可能であ
る。また、成膜方法としてはスパッタ法を用いたが、真
空蒸着法、イオンプレーティング法等の他の方法で成膜
してもよい。
エハ3015のミラー部分3001を形成する領域にレジストを
パターニングし、このレジストをマスクとしてボンドウ
エハ3015のミラー部分3001を形成する領域以外の窒化シ
リコン薄膜3013、熱酸化膜3006、Alの金属薄膜3012を
ドライエッチングによりエッチング除去し、窒化シリコ
ン薄膜3013、熱酸化膜3006、Alの金属薄膜3012からな
るミラー部分3001を形成する。
エハのミラー部分3001と反対側の窒化シリコン薄膜3013
をレジストマスクで、枠体、梁、補強部、微小間隔の形
状にドライエッチングでパターニングする。
ト/窒素化シリコン薄膜をマスクとして、エッチング速
度が大きく異方性の高いドライエッチング装置を用い
て、ミラー基板とその周囲のシリコンに対して厚さ60
μmの貫通エッチングを行った。このときミラー基板の
エッチングは、図28(d)で形成したミラー部分にお
ける熱酸化膜3006で停止する。
シリコン薄膜3013のマスクを使用したドライエッチング
で除去し、得られたシリコン基板の表面にマスクを使っ
てAl薄膜をスパッタ法により成膜し、固定電極と基板
との抵抗を下げるために400℃の熱処理を行って電極
引き出しパッド3009、3011を形成する。ここではAl薄
膜を電極材料として用いているが、他に導電性が高く、
シリコンとの密着性が確保できれば、Au,Ti,等他
の材料を使用してもよい。また成膜方法としてスパッタ
法に限らず、真空蒸着、イオンプレーティング法等の他
の方法で成膜してもよい。
ーチップの平面図及び断面図を図30に示す。本実施例
における振動ミラーチップは、ミラー部分の構造を除い
ては、第13の実施例と同じ構造である。ミラー基板
は、熱酸化膜3006と窒化シリコン薄膜3013とで形成され
たミラー部分3001と、ミラー部分3001を伸張状態にして
ミラー部分3001と結合するシリコン単結晶で形成された
枠体及び補強梁と、から成る。ミラー部分3001の外縁に
形成された枠体(図示せず)と枠体の内側を架橋する補
強梁(図示せず)は同一の高さにある。またミラー部分
1の表面における枠体及び補強梁の形成されていない側
には、使用する光に対して十分な反射率をもつ金属薄膜
3012がミラー面として形成されている。ミラー基板は、
枠体の外側の側面中央近傍で2本のねじり梁3004で支持
されている。この2本のねじり梁3004は、枠体の外側の
側面における互いに対向する位置に結合し、ミラー基板
のねじり振動の回転軸となるよう同一直線上に設けられ
ている。さらに枠体の内側を架橋する補強梁も、ねじり
梁3004と同一直線上の位置に配置することが好ましい。
ねじり梁3004の枠体に結合していない側は、それぞれ同
じくシリコンで一体に形成された支持部3005に結合され
ており、この支持部3005は、熱酸化膜3006を介してシリ
コンで形成されたフレーム3007に固定されている。支持
部3005の表面には可動電極引き出しパッド3009として金
属薄膜30122が形成されいる。ミラー基板の枠体には、
ねじり梁3004による回転軸方向と直交する方向の両側面
において、櫛歯形状の可動電極3008が形成されている。
また櫛歯形状の可動電極3008と微小間隔を隔てて、同様
の櫛歯形状である駆動用の固定電極3010が設けられてい
る。この櫛歯形状の駆動用の固定電極3010は、櫛歯形状
の可動電極3008と噛み合う形で対向している。また駆動
用の固定電極3010は低抵抗シリコン基板で形成されてお
り、熱酸化膜3006を介してシリコンで形成されたフレー
ム3007に固定されている。さらに固定電極3010の表面に
は固定電極引き出しパッド3011として金属薄膜3012が形
成されている。
01は、ミラー基板のフレーム3007側に形成されている
が、本実施例におけるミラー部分3001は、ミラー基板の
フレーム3007と反対側に形成されている。基本的な製造
方法は第13の実施例と同じである為、ここでは製造方
法の説明は省略する。このようにミラー部分3001をフレ
ーム3007と反対側に配置することにより、ミラー部分30
01のミラー面よりも上方に配置される構造体が無くなる
為、光学設計上の自由度が高くなる。
ーチップの平面図を図31に示す。本実施例における振
動ミラーチップは、ミラー基板における補強梁3003の構
造を除いては、第13の実施例と同じ構造である。した
がってここでは補強梁3003の構造についてのみ説明す
る。第13の実施例では枠体の内側を架橋する補強梁30
03は、ねじり梁3004とほぼ同一直線上の位置に配置され
ていたのに対し、本実施例における枠体3002の内側を架
橋する補強梁3003は、ねじり梁3004の延長上とほぼ直交
方向に、すなわちねじり振動の回転軸と直交する方向
に、互いに向き合う櫛歯電極3017の形成されている枠体
3002の側面の中央部近傍を架橋して配置されている。本
実施例の振動ミラーチップは、補強梁3003のパターンを
変更することで第13の実施例と同様に製造することが
可能である。補強梁3003を本実施のように配置すること
により、本発明の振動ミラーチップの動作時において、
櫛歯電極3017の部分が補強梁3003によって支持され、ミ
ラー面の回転方向の変形を低減でき、安定したビーム形
状を得ることができる。
ように枠体3002の内側を架橋する補強梁として、ねじり
梁3004とほぼ同一直線上の位置に、すなわちねじり振動
の回転軸に沿った方向に、配置される補強梁3003と、ね
じり梁3004とほぼ直交方向に、すなわちねじり振動の回
転軸と直交する方向に、互いに向き合う櫛歯電極3017の
形成されている枠体側面の中央部付近を架橋して配置さ
れる補強梁3003とを合わせ持つミラー基板も作製するこ
とができる。このように、ねじり振動の回転軸に対して
線対称であり、その回転軸の中心を通り、その回転軸と
直交する軸に対しても線対称である補強梁を設けること
が好ましい。枠体の内側に設ける補強梁3003は、上述の
ような配置の対称性を満たせば、ねじり梁3004と平行な
方向、又は垂直な方向だけでなく、ねじり梁3004と傾い
た方向(ねじり振動の回転軸に対して傾いた方向)であ
ってもよい。このような梁を設けると動作時にミラー部
分全体に亘って均等に変形を低減できるので、安定した
ビーム形状を得ることができる。
たように、枠体3002の内側を架橋する補強梁として、ね
じり梁3004とほぼ同一直線上の位置に配置される補強梁
3003と、ねじり梁3004とほぼ直交方向に、互いに向き合
う櫛歯電極3017の形成されている枠体側面の中央部付近
を架橋して配置される補強梁3003を併せ持っている。こ
こで枠体3002の内側、枠体3002と補強梁3003とが交差す
る部分、又は補強梁3003が互いに交差する部位のそれぞ
れのかどが、曲面に形成されている。このように枠体30
02と補強梁3003のかどの部分が曲面になっていると、か
どの部分への応力集中を緩和することができる為、振動
ミラーチップの動作時又は取り扱い時にミラー基板の破
損を低減させることができる。
ーチップの断面図を図34に示す。本実施例における振
動ミラーチップにおいては、ミラー基板における補強梁
3003の構造を除いては、第13の実施例と同じ構造であ
る。従ってここでは補強梁3003の構造についてのみ説明
する。
架橋する補強梁3003の高さは枠体3002の高さと一致して
いた為、枠体3002及び補強梁3003は共にミラー部分3001
の裏面に接合されているのに対して、本実施例における
枠体3002の内側を架橋する補強梁3003の高さ(厚さ)
は、枠体3002よりも高さ(厚さ)が低く(薄く)、ミラ
ー部分3001と離隔している。これにより、枠体3002は補
強梁3003によって剛性を十分に維持すると共に、ミラー
部分3001がほぼ全面に亘って補強梁3003から独立してい
るので、ミラー部分はほとんど歪みが無く、ミラー面は
平坦性の高い面精度が得られる。
ーチップの断面図を図35に示す。本実施例における振
動ミラーチップは、ミラー部分3001が枠体3002の高さの
ほぼ中央位置に配置されている。したがって補強梁3003
の高さは枠体3002の高さの約1/2となっている。枠体
3002の高さはねじり梁3004の高さと同じである為、他の
実施例ではミラー部分3001の中心が、枠体3002の高さの
半分に相当する距離だけ離れた位置で振動していたのに
対し、本実施例では、回転軸であるねじり梁の中心軸が
ミラー部分を通る配置となっている。従ってミラー部分
内にあるねじり振動の回転軸まわりにミラー部分が振動
することになり、光学設計が容易となる。
される光走査モジュールの一例を示す斜視図である。ね
じり振動するミラー基板3020は、厚さ60μmのシリコ
ン基板からなり、エッチングによりミラー部分と、ミラ
ー部分を軸支するねじり梁3004とを、それらの周囲を貫
通し枠部から分離して形成する。ねじり梁3004を挟んで
対向するミラー部分の両辺部分は、櫛歯状に凹凸を形成
し、それらの櫛歯と噛み合うように枠部側も凹凸に形成
してある。また、ミラー部分のミラー面の裏側はリブ状
に梁を残してあり、ミラー面の裏側からエッチングによ
りミラー部分を5μmまで薄肉化し、軽量化を図ってい
る。ミラー部分及び枠部側の凹凸部には、Au等の金属
被膜が蒸着され、ミラー部分の両端の凹凸部を可動電極
3008、対向する枠部側の凹凸部を固定電極3010としてい
る。ミラー部分は、固定電極3010の一方に電圧を印加す
ると対向する可動電極3008との間に静電力を生じ、ねじ
り梁4がねじれて微小角の回転を起し、各電極に交互に
電圧を印加することでねじり振動する。ここで、印加電
圧の周波数をミラー部分の共振周波数に近づけると、共
振により振幅を拡大することができる。本実施例では、
電極間の微小間隔を4μm、ねじり梁の幅を60μm、
ミラー径を4×2mmとし、2.5kHzで共振振動す
る。なお電極を櫛歯状とすることで、ミラー基板3020の
外周長をできるだけ長くし、電極の面積を増加させてい
る。これにより、低電圧の印加で、より大きな静電トル
クが得られる。フレームは525μmのシリコン基板か
らなり、上述のミラー基板とは絶縁膜を介して接合され
ており、中央部は貫通してミラー基板3020を覗くことが
できる。フレーム上には、ミラー基板3020との接合面か
ら約26°傾けた反射面を有する第1反射素子3021と、
同様に約9°傾けた反射面を有する第2反射素子3022と
が、光ビームの通過する微小間隔を挟んで互いに対向し
て接合し、屋根状の対ミラーを形成している。上述の反
射素子3021,3022は、各々結晶面方位(110)及び
(111)から9°スライス角度を傾けたシリコン基板
からなり、エッチングにより(111)面を露出させ、
その(111)面を各ミラーチップとフレームの接合面
とする。支持基体は、底板部3026と中央に角穴3030を有
する台座部3025とがFe等の焼結金属等で一体成形さ
れ、絶縁材料を介して複数の端子3027が貫通して保持さ
れている。ミラー基板3020上に重ね合わせたフレーム30
07は、台座部3025に接合して保持され、上述の角穴3030
は、ミラー基板3020が揺動する空間となる。電極引き出
しパッドはワイヤーボンディングにより各端子3027の上
端と結線される。モジュールは、支持基体の底板部の底
面を回路基板に突き当てて実装され、端子3027の下端を
回路基板のスルーホールに挿入して、半田づけによる電
気的な接続がなされると同時に、モジュールは回路基板
へ固定される。また台座部3025の外縁には、光ビームの
通過する窓3028が形成された箱蓋状のカバー3029が装着
され、内部を不活性気体で満たして封止される。尚、振
動ミラーチップを支持基体とカバーで3029で封止する際
に、不活性気体として粘性抵抗の低い気体を選択する、
又は内部を減圧状態とすることで、ミラー基板3020をよ
り低負荷で振動させることができるのでミラー基板の振
れ角を大きくすることができる。
断面図を示す。光ビームは、ミラー基板3020の回転軸を
含み実装面と垂直な面内(垂直走査断面内)を、実装面
の法線に対して約20°の入射角度で、窓3028及び貫通
穴を通過してミラー基板3020に入射する。ミラー基板30
20のミラー面で偏向された光ビームは、その後第1反射
素子反射面3023で反射され、再度ミラー基板3020のミラ
ー面に入射し、次に第2反射素子反射面3024で反射され
る。第2反射素子反射面3024とミラー基板3020のミラー
面との間で垂直走査断面内の位置を移動しながら反射を
繰り返し(本実施例の図37では3回の繰り返し)、貫
通穴を通過して入射光線と約40°の角度、すなわち実
装面の法線に対して入射光線と反対側に20°の角度で
射出する。
のミラー面で光ビームを多重反射させることで、ミラー
基板3020のミラー面の振れ角が小さくても、光ビームは
大きな走査角が得られるようにしている。つまり、ミラ
ー基板3020のミラー面がねじれ振動によって傾くと、光
ビームは回転軸と垂直方向に多重反射され、光ビームの
反射角度は反射されるごとに増加していく。ここでミラ
ー基板3020のミラー面での総反射回数をN、ミラー基板
3020の振れ角をαとすると、射出する光ビームの角度で
ある走査角θは、2Nαであり、反射する回数が多いほ
ど大きくなる。図37に示す本実施例の場合、±5°の
振れ角で、ミラー基板3020のミラー面における光ビーム
の総反射回数が5回なので、走査角50°が得られる。
た光走査装置を示す。光走査モジュール3031は、半導体
レーザの駆動回路と振動ミラーチップのミラー基板の駆
動回路とが形成される回路基板3032上に、レーザ光の走
査方向に合わせて順次配列されている。また各光走査モ
ジュール3031において、光ビームの走査開始側にはセン
サーが回路基板3032上に配置されている。各光走査モジ
ュール3031に対してレーザ光を走査する光学系は、半導
体レーザ3033、カップリングレンズ3034、及び走査光学
系を構成する第1レンズ3035、第2レンズ3036から構成
されている。第1レンズ3035及び第2レンズ3036は、光
走査モジュール3031のミラー基板の回転軸を含む垂直走
査断面内で各々光軸が一致し、かつレーザ光が走査する
面に対して各レンズの側面が平行になるように、ハウジ
ング内に配置され固定される。半導体レーザ3033は、発
光源とモニタ用フォトダイオードが組み込まれている汎
用の素子を用い、そのリード端子はフレキシブルケーブ
ルにより回路基板3032に結線されている。回路基板3032
には、半導体レーザ3033の変調制御を司る回路、及び振
動ミラーチップ内の固定電極に駆動パルス電圧を印加す
る回路等が形成されている。半導体レーザ3033から射出
したレーザ光は、第1面が軸対称の非球面、第2面が垂
直走査方向に曲率を有するシリンダ面であるカップリン
グレンズ3034によって、レーザ光の走査方向には略平行
光束に、レーザ光の走査方向と垂直な方向には振動ミラ
ーチップのミラー面で集束するような集束光束になる。
レーザ光は、入射ミラーを介して光走査モジュールに入
射し、振動ミラーチップによって偏向、走査されて射出
される。射出されたレーザ光は、上述の走査光学系によ
り被走査面上に結像され、画像記録がなされる。第2レ
ンズ3036の直前には同期ミラーが配備され、走査開始側
の光ビームを反射し、センサーにおいて振動ミラーチッ
プのミラー面の角度変位を検出して、同期信号を発生す
る。各半導体レーザ3033は、この同期信号に基づき、時
間とともに周波数が一回の走査内で変化するパルス列
に、画素データを乗せた変調信号をLD駆動部により与
えられオン・オフされる。
ップのミラー部分が枠体の結合される側と反対側にミラ
ー面を有しており、枠体及び枠体の内側を架橋する補強
梁がミラー部分と結合していないようなミラー面の部分
で、光ビームを反射させるようにすると、ミラー面の歪
みが無く平坦性の高い部分で光ビームが反射するので、
安定したビーム形状を得ることができ望ましい。
形成装置の一例を示す。レーザ光の被走査面である感光
体ドラム3041の周囲には、感光体を高圧に帯電する帯電
チャージャー3042、光走査装置3040により記録された静
電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ロー
ラ3043、現像ローラにトナーを供給するトナーカートリ
ッジ3044、ドラムに残ったトナーを掻き取り備蓄するク
リーニングケース3045が配置される。感光体ドラムへは
上述のように主走査方向を分割して潜像記録が行われ
る。記録紙は給紙トレイ3046から給紙コロ3047により供
給され、レジストローラ対3048により副走査方向の記録
開始のタイミングに合わせて送り出され、感光体ドラム
を通過する際に転写チャージャ49によってトナーが転
写され、定着ローラ3050で定着して排紙ローラ3051によ
り排紙トレイ3052に排出される。以上のようにして、記
録紙に画素データに基づく画像を形成することができ
る。
が、本発明はそれら実施例の構成のみに限定されるもの
ではなく、様々な変形が許されるものである。
7、請求項9乃至23に記載の光走査装置は、ミラー基
板が大きく、板厚が薄くなっても、ミラー基板の変形を
抑えてミラー面の平坦性を維持できるため、ビーム形
状、焦点位置の安定した光走査が可能である。さらに、
請求項2記載の光走査装置は、ミラー面全面を使用可能
であるため、使用できるビーム形状の自由度が大きく汎
用性に優れる。さらに、請求項3記載の光走査装置は、
ミラー基板の慣性モーメントの増加を出来るかぎり抑え
つつ、最も変形を生じやすいミラー基板の梁から遠い部
分の変形を効果的に抑制することができ、また、半導体
プロセスによって補強部をミラー基板と容易に一体形成
することができる。さらに、請求項4記載の光走査装置
は、ミラー基板のねじれ変形も効果的に抑制し、さらに
安定なビーム形状での光走査が可能となり、また、半導
体プロセスによって補強部をミラー基板と容易に一体形
成することができる。さらに、請求項5記載の光走査装
置は、梁とミラー基板との結合強度を高め装置の信頼性
を向上できる。さらに、請求項6記載の光走査装置は、
可動電極の面積を増加させてミラー基板の駆動電圧を下
げることができる。さらに、請求項7記載の光走査装置
は、ミラー基板の慣性モーメントを小さくして駆動電圧
の低電圧化を図ることができる。請求項9記載の光走査
装置は、支持部から可動部にかけて一体成形で構成され
ているため、強度が高く耐久性に優れるとともに、リブ
構造によりミラー基板を軽量化しつつ剛性を維持できる
ので、平板部は静止時にだけでなく、振動時にもひずむ
ことなく平坦性を維持でき、したがって、常に安定した
ビーム形状での光走査が可能となる。請求項10記載の
光走査装置は、振動時においてミラー基板を縁取りする
リブによって、ねじり梁に直交する方向及び平行な方向
の変形を効果的に抑えることができ、さらに、ねじり梁
を延長してミラー基板を貫通するリブによって振動の中
心軸の位置精度を向上させることができるため、安定し
た走査ビーム形状を得ることができる。請求項11記載
の光走査装置は、ミラー面全面が使用できるため、使用
できるビーム形状の自由度が大きく汎用性が高い。請求
項12記載の光走査装置は、振動時に慣性力が大きくき
いてくる方向にリブが配置されるため、ミラー基板の変
形をより効果的に低減し、安定した走査ビーム形状を得
ることができる。請求項13記載の光走査装置は、振動
時に慣性力が大きくきいてくる方向にリブが最短の長さ
で配置されるので、同リブによるミラー基板の重量増加
を最小限に抑えることができるため、振れ角の減少を最
小にすることができる。請求項14記載の光走査装置
は、ねじり梁に直交する方向及び平行な方向のミラー基
板の変形をより小さくすることができ、ミラー基板のね
じれ変形にも強く、安定した走査ビーム形状を得ること
ができ、かつ、ミラー基板の重量増加を最小限に抑える
ことができるため振れ角の減少を最小にすることができ
る。請求項15記載の光走査装置は、ミラー基板の重心
が回転軸上にくるためミラー基板の安定した振動が得ら
れ、したがって安定した走査ビーム形状を得ることがで
きる。請求項16記載の光走査装置は、ミラー基板の重
心が回転軸上の回転軸方向の中心にくるため、ミラー基
板の梁方向の変形も少ない安定した振動が得られ、より
安定した走査ビーム形状を得ることができる。請求項1
7又は18記載の光走査装置は、振動時のミラー基板の
変形による応力集中を緩和して亀裂の発生を低減するこ
とができるため、耐久性が向上する。請求項19記載の
光走査装置は、ミラー面に照射されるビームのねじり回
転時の位置ずれがなくなり、反射ビームの走査位置精度
が向上する。請求項20、21又は22記載の光走査装
置は、電極面積をおおきくとることができるため、駆動
電圧を上げることなく静電トルクを増加させ、ミラーの
振れ角を大きくすることができる。請求項23記載の光
走査装置は、構造材料に欠陥が少ないため信頼性、耐久
性が向上し、また、加工が容易であるためコスト的にも
優れる。また、請求項26記載の光走査装置は、ミラー
振動空間の粘性抵抗が小さくなるため、小さな駆動トル
クで大きな振れ角を得ることができる。また、請求項2
7記載の光書込装置は、安定なビーム形状での光走査が
可能であるとともに、回転多面鏡を使用するような光書
込装置に比べ、消費電力及び静粛性の面で優れる。ま
た、請求項28記載の画像形成装置は、安定したビーム
形状で感光体を走査して良好な品質の静電潜像を感光体
上に形成できるとともに、光走査に回転多面鏡を用いる
構成に比べ、消費電力及び静粛性の面で優れる。また、
請求項8記載の製造方法によれば、請求項1乃至7記載
の光走査装置のミラー基板と補強部を半導体プロセスを
用いて一体成形できるので、ミラー基板の変形を抑えて
ミラー面の平坦性を維持することにより安定した光ビー
ム形状で光走査が可能な光走査装置を、低コストで製造
可能になる。また、請求項24記載の製造方法によれ
ば、光走査装置の可動部が一体形成されるため、強度が
高く耐久性に優れた光走査装置を実現できる。請求項2
5記載の製造方法は、製造工程が簡単であるためコスト
的に有利である、等々の効果を得られる。
れば、ミラー基板が大型かつ軽量で振れ角が大きく、ま
た動作時におけるミラー基板の変形が低減され、安定し
たビーム形状を得ることができる振動ミラーチップ、こ
の振動ミラーチップを備える光走査モジュール、光走査
装置、及び画像形成装置を提供し、また簡単で低コスト
な振動ミラーチップの製造方法を提供することができ
る。
の断面図及び裏面図である。
示す図である。
るための断面図である。
るための断面図である。
るための断面図である。
例を説明するための裏面図及び断面図である。
例を説明するための裏面図及び断面図である。
例を説明するための裏面図及び断面図である。
めの裏面図及び断面図である。
る。
するための断面図である。
するための断面図である。
するための断面図である。
するための断面図である。
するための断面図である。
を説明するための裏面図及び断面図である。
一例を説明するための裏面図及び断面図である。
一例を説明するための裏面図である。
一例を説明するための裏面図及び断面図である。
一例を説明するための裏面図及び断面図である。
り梁との位置関係を説明するための断面図である。
り梁との位置関係を説明するための断面図である。
置及び画像形成装置の一例を説明するための概略構成図
である。
斜視図及び断面図である。
である。
平面図及び断面図である。
説明する図である。
説明する図である。
平面図及び断面図である。
平面図である。
平面図である。
平面図である。
断面図である。
断面図である。
分解斜視図である。
断面図である。
視図及び断面図である。
構成図である。
Claims (49)
- 【請求項1】同一直線上に設けられた2本の梁で支持さ
れたミラー基板と、前記梁をねじり回転軸として前記ミ
ラー基板を往復振動させるためのミラー駆動手段を有す
る光走査装置において、前記ミラー基板に、その変形を
抑えるための補強部が形成されたことを特徴とする光走
査装置。 - 【請求項2】 前記補強部は、前記ミラー基板のミラー
面と反対側の面に形成されることを特徴とする請求項1
記載の光走査装置。 - 【請求項3】 前記補強部は、前記梁と直交する方向に
延びる凸条状リブからなることを特徴とする請求項2記
載の光走査装置。 - 【請求項4】 前記補強部は、格子状の凸条状リブから
なることを特徴とする請求項2記載の光走査装置。 - 【請求項5】 前記ミラー基板の前記梁と結合された端
部にも前記補強部が形成されたことを特徴とする請求項
1、2、3又は4記載の光走査装置。 - 【請求項6】 前記ミラー基板の、前記ミラー駆動手段
の要素である可動電極として作用する端部にも前記補強
部が形成されたことを特徴とする請求項1乃至5のいず
れか1項記載の光走査装置。 - 【請求項7】 前記ミラー基板は前記梁を挟んだ両端部
分で最も幅が広い平面形状を有することを特徴とする請
求項1乃至6のいずれか1項記載の光走査装置。 - 【請求項8】 同一直線上に設けられた2本の梁で支持
されたミラー基板と、前記梁をねじり回転軸として前記
ミラー基板を往復振動させるためのミラー駆動手段を有
する光走査装置の製造方法であって、シリコン基板を凹
状にエッチング加工して、残った凸部で前記ミラー基板
の変形を抑えるための補強部を形成することを特徴とす
る光走査装置の製造方法。 - 【請求項9】 ねじり梁により支持され前記ねじり梁を
回転軸として往復振動するミラー基板を有し、単一の基
板を貫通して、前記ねじり梁、前記ミラー基板、及び前
記ねじり梁を結合してミラー基板を支持する枠体とが一
体形成された光走査装置において、前記ミラー基板は、
前記ねじり梁と厚さを同一としたリブの領域と、前記ね
じり梁の厚さよりも薄い肉抜き領域とを有することを特
徴とする光走査装置。 - 【請求項10】 前記ミラー基板は、前記ねじり梁を延
長して前記ミラー基板を貫通するリブと、前記ミラー基
板を縁どりするリブとを有することを特徴とする請求項
9記載の光走査装置。 - 【請求項11】 前記ミラー基板は、前記リブ領域及び
前記肉抜き領域のある面と反対側の面にミラー面を有す
ることを特徴とする請求項9記載の光走査装置。 - 【請求項12】 前記ミラー基板は、前記ねじり梁を延
長して前記ミラー基板を貫通する前記リブと交差して、
前記ミラー基板を縁どりする前記リブを架橋するリブを
有することを特徴とする請求項10に記載の光走査装
置。 - 【請求項13】 前記ミラー基板を縁どりする前記リブ
を架橋する前記リブが、前記ねじり梁を延長して前記ミ
ラー基板を貫通する前記リブと直交する方向に通ること
を特徴とする請求項12記載の光走査装置。 - 【請求項14】 前記ミラー基板は、複数の格子状のリ
ブを有することを特徴とする請求項10、12又は13
記載の光走査装置。 - 【請求項15】 前記ミラー基板の重心が、前記ねじり
梁を延長して前記ミラー基板を貫通する前記リブ上にな
るように、前記格子状のリブが配置されたことを特徴と
する請求項14記載の光走査装置。 - 【請求項16】 前記ミラー基板の重心が、前記ねじり
梁を延長して前記ミラー基板を貫通する前記リブの中心
位置になるように、前記格子状のリブが配置されたこと
を特徴とする請求項14記載の光走査装置。 - 【請求項17】 前記リブの交差部位の角が曲線状であ
ることを特徴とする請求項10記載の光走査装置。 - 【請求項18】 前記ねじり梁と、前記ミラー基板を縁
どりする前記リブとが交差する部位の角が曲線状である
ことを特徴とする請求項10記載の光走査装置。 - 【請求項19】 前記ミラー基板と前記ねじり梁とは、
前記ミラー面と前記ねじり梁の中心軸とが一致する位置
関係にあることを特徴とする請求項11記載の光走査装
置。 - 【請求項20】 前記ミラー基板を縁取りする前記リブ
の、前記ねじり梁と平行な部分に可動電極が設けられ、
この可動電極と対向して前記枠体に固定電極が設けられ
たことを特徴とする請求項10記載の光走査装置。 - 【請求項21】 前記ミラー基板を縁取りする前記リブ
の、前記ねじり梁と平行な部分の長さが、前記ねじり梁
を延長して前記ミラー基板を貫通する前記リブの長さよ
りも長いことを特徴とする請求項20記載の光走査装
置。 - 【請求項22】 前記可動電極及び固定電極は櫛歯状で
あることを特徴とする請求項20記載の光走査装置。 - 【請求項23】 前記ミラー基板及び前記ねじり梁が単
結晶シリコンで形成されていることを特徴とする請求項
9記載の光走査装置。 - 【請求項24】 前記ミラー基板及び前記ねじり梁が同
一材料基板の微細加工により一体形成することを特徴と
する請求項10記載の光走査装置の製造方法。 - 【請求項25】 同一材料基板を凹状に微細加工して前
記ミラー基板の前記肉抜き領域を形成し、残った凸部で
前記ミラー基板の前記リブの領域を形成することを特徴
とする請求項10記載の光走査装置の製造方法。 - 【請求項26】 前記ミラー基板及び該ミラー基板を駆
動する手段を、前記ミラー基板で偏向された光ビームを
透過される部分と、前記駆動手段との結線のための端子
部とを具備する減圧容器内に収容したことを特徴とする
請求項1乃至23のいずれか1項記載の光走査装置。 - 【請求項27】 請求項1乃至23のいずれか1項記載
の光走査装置と、記録信号によって変調された光ビーム
を前記光走査装置のミラー基板のミラー面へ入射させる
ための手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを被
走査面に結像させるための手段とを有することを特徴と
する光書込装置。 - 【請求項28】 請求項1乃至23のいずれか1項記載
の光走査装置と、静電潜像担持体と、前記光走査装置の
ミラー基板のミラー面へ記録信号によって変調された光
ビームを入射させるための手段と、前記ミラー面で反射
された光ビームを前記静電潜像担持体に結像させるため
の手段とを有し、前記記録信号にしたがった静電潜像が
前記静電潜像担持体上に形成されることを特徴とする画
像形成装置。 - 【請求項29】 ねじり梁で支持され光ビームを偏向す
るミラー基板と、前記ねじり梁を回転軸として前記ミラ
ー基板をねじり振動させるミラー駆動手段と、を有する
振動ミラーチップにおいて、前記ミラー基板は、薄膜状
に形成されたミラー部分と、前記ミラー部分に結合する
枠体と、を有することを特徴とする振動ミラーチップ。 - 【請求項30】 前記ミラー部分は、前記枠体が結合さ
れる側と反対側にミラー面を有することを特徴とする請
求項29記載の振動ミラーチップ。 - 【請求項31】 前記枠体は、前記ねじり梁の延長上
に、前記枠体の内側を架橋する補強梁を有することを特
徴とする請求項29又は30記載の振動ミラーチップ。 - 【請求項32】 前記枠体は、前記回転軸と直交する方
向に補強梁を有することを特徴とする請求項29乃至3
1のいずれか1項記載の振動ミラーチップ。 - 【請求項33】 前記回転軸に対して線対称であり、前
記回転軸の中心を通り前記回転軸と直交する軸に対して
線対称である、補強梁を有することを特徴とする請求項
29乃至32のいずれか1項記載の振動ミラーチップ。 - 【請求項34】 前記枠体の内側のかど、前記枠体及び
前記補強梁が交わる部位のかど、並びに前記補強梁同志
が互いに交わる部位のかどの少なくとも1つは、曲面に
形成されることを特徴とする請求項29乃至33のいず
れか1項記載の振動ミラーチップ。 - 【請求項35】 前記枠体及び/又は前記補強梁は、前
記ねじり梁と同一の厚さであることを特徴とする請求項
29乃至34のいずれか1項記載の振動ミラーチップ。 - 【請求項36】 前記補強梁は、前記ミラー部分と離隔
することを特徴とする請求項31乃至34のいずれか1
項記載の振動ミラーチップ。 - 【請求項37】 前記ミラー部分は、前記ねじり梁の中
心軸が前記ミラー部分を通ることを特徴とする請求項2
9乃至34のいずれか1項記載の振動ミラーチップ。 - 【請求項38】 前記ミラー部分は、引張応力を有する
薄膜で形成されることを特徴とする請求項29乃至37
のいずれか1項記載の振動ミラーチップ。 - 【請求項39】 前記ミラー部分は、多層膜により形成
されることを特徴とする請求項29乃至38のいずれか
1項記載の振動ミラーチップ。 - 【請求項40】 前記ミラー駆動手段は、前記枠体に設
けられた可動電極と、前記可動電極と対向する位置に設
置される固定電極と、を有することを特徴とする請求項
29乃39のいずれか1項至記載の振動ミラーチップ。 - 【請求項41】 前記可動電極は、櫛歯状であることを
特徴とする請求項40記載の振動ミラーチップ。 - 【請求項42】 請求項29乃至41のいずれか1項記
載の振動ミラーチップと、該振動ミラーチップで偏向し
た光ビームの透過部分と、前記振動ミラーチップの前記
ミラー駆動手段に結線する端子部と、を容器内に備える
ことを特徴とする光走査モジュール。 - 【請求項43】 さらに前記振動ミラーチップの前記ミ
ラー基板上で前記光ビームを多重反射させる反射光学系
を備えることを特徴とする請求項42記載の光走査モジ
ュール。 - 【請求項44】 光ビームを発生させる光源手段と、該
光ビームを走査する請求項42又は43記載の光走査モ
ジュールと、該光走査モジュールによって走査された前
記光ビームを結像させる光学系と、を備えることを特徴
とする光走査装置。 - 【請求項45】 前記振動ミラーチップは、前記ミラー
部分が前記枠体の結合される側と反対側にミラー面を有
し、前記枠体及び該枠体の内側を架橋する前記補強梁が
前記ミラー部分と結合していない前記ミラー面の部分
で、前記光ビームが反射することを特徴とする請求項4
4記載の光走査装置。 - 【請求項46】 請求項44又は45記載の光走査装置
と、該光走査装置によって静電潜像を形成する感光体
と、前記静電潜像をトナーで顕像化する現像手段と、該
現像手段によって顕像化されたトナー像を記録紙に転写
する転写手段と、を備えることを特徴とする画像形成装
置。 - 【請求項47】 基板からの、薄膜状のミラー部分と、
該ミラー部分と結合する枠体と、該枠体の内側を架橋す
る補強梁と、を備える振動ミラーチップの製造方法にお
いて、 前記基板の前記ミラー部分を形成する側の面に、少なく
ともミラー層を成膜する成膜ステップと、 前記基板の前記ミラー部分を形成する面と反対側の面に
前記枠体及び前記補強梁を残すマスクパターンを形成す
るマスク形成ステップと、 前記基板の前記ミラー部分を形成する面と反対側の面か
ら基板の貫通エッチングにより前記ミラー部分の外周を
貫通する貫通ステップと、を含むことを特徴とする製造
方法。 - 【請求項48】 前記基板は、エッチング停止層を間に
有するシリコン基板であり、前記ミラー部分を形成する
側の面は、エッチング停止層の面であることを特徴とす
る請求項47記載の製造方法。 - 【請求項49】 前記成膜ステップは、さらに応力調節
膜の成膜を含むことを特徴とする請求項47又は48記
載の製造方法。
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