JP2003171215A - フルボ酸含有物、フルボ酸含有組成物、植物活力剤、フルボ酸含有物の製造方法 - Google Patents
フルボ酸含有物、フルボ酸含有組成物、植物活力剤、フルボ酸含有物の製造方法Info
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Abstract
に、植物の生長を促進するフルボ酸を、地下かん水に含
まれる腐植物質より十分量で生産性良好に製造する。 【解決手段】 炭素、水素、窒素、硫黄および酸素の総
和に占める窒素含有量が0.6質量%以上であるフルボ
酸含有物や、13C−NMRにより決定される芳香族炭素
含有率が19%以下で、13C−NMRにより決定される
脂肪族炭素含有率が30%以上であるフルボ酸含有物を
使用する。
Description
有するフルボ酸含有物、主にフルボ酸を含有するフルボ
酸含有組成物、主にフルボ酸の作用による植物活力剤、
及びこれらの製造方法に関する。
腐植物質となる。腐植物質の主成分は高分子有機酸であ
り、腐植物質は、土壌、湖、河川および海底などに広く
分布しており、特に泥炭、褐炭および風化炭などに豊富
に含まれている。腐植物質は、植物の生長、鉱物の遷移
および堆積と密接に関連している応用分野の広い天然資
源である。
れ、フミン酸は一般に分子量が数万でアルカリ性水溶液
に可溶であり、フルボ酸は一般に分子量数千で酸性水溶
液に可溶である。なお、腐植物質の厳密な定義は、国際
腐植物質学会(International Humi
c Substances Society、IHSS
と略記する)によって定められている。そして、これら
の腐植物質の中でも、フルボ酸は高い植物生長促進効果
を有することが知られている(例えば、金 鳳鶴、西崎
秦および山口 達明、千葉工業大学研究報告 理工
編、第46巻、第123〜130頁、1999年)。
どに含まれている腐植物質の主成分はフミン酸であるた
め、これらの物質からフルボ酸を精製し、植物生長剤と
して使用する際、十分な量のフルボ酸を得ることが困難
な場合があり、またフルボ酸の製造コストが高くなる場
合があった。
含まれるのみならず、地下かん水にも含まれる場合があ
ることが知られており(例えば、S.Nagao、Y.
Nakaguchi、N.Fujitake及びH.O
gawa、第10回IHSS学会予稿集、第2巻、第1
143〜1146頁、2000年)、地下かん水に含ま
れる腐植物質がフルボ酸の新たな原料となることが期待
される。
ん水に含まれる腐植物質より十分量のフルボ酸を安価に
製造する方法は未だ知られておらず、地下かん水より得
られるフルボ酸が植物生長促進などの十分な効果を有し
ているかも未だ知られていない。
腐植物質から製造された従来の植物生長剤では効果が不
十分な場合があり、より高活性の植物生長剤が求められ
つつある。
保するため、植物に対して生長促進作用を有するのみな
らず、発芽促進および耐病性付与などの効果や、殺菌作
用を有する植物活力剤が求められつつある。
の本発明によれば、炭素、水素、窒素、硫黄および酸素
の総和に占める窒素含有量が0.6質量%以上であるこ
とを特徴とするフルボ酸含有物が提供される。
り決定される芳香族炭素含有率が19%以下であり、13
C−NMRにより決定される脂肪族炭素含有率が30%
以上であることを特徴とするフルボ酸含有物が提供され
る。
濃縮する工程と、該濃縮地下かん水の液性を酸性とする
工程と、該酸性水から多孔性吸着剤によりフルボ酸を精
製する工程とを含んでなる方法により製造できる。
ん水を脱気し酸化処理して二次地下かん水を得る工程
と、該二次地下かん水を濃縮する工程と、該濃縮二次地
下かん水の液性を酸性とする工程と、該二次酸性水から
多孔性吸着剤によりフルボ酸を精製する工程とを含んで
なる方法により製造できる。
に含まれる腐植物質より十分量のフルボ酸含有物を安価
に製造することができ、得られたフルボ酸含有物は植物
生長促進などの十分な効果を有している。
物に対して生長促進作用を有するのみならず、発芽の促
進、耐病性の向上、耐乾燥性の向上、光合成の促進、代
謝の促進、植物性酵素の活性化などの効果や、殺菌作用
を有していると考えられ、植物活力剤として有用であ
る。
酸含有物と比べ、窒素含有量が高い。このため本発明の
フルボ酸含有物は植物活力剤として高い活性を有してい
ると考えられ、この観点から、炭素、水素、窒素、硫黄
および酸素の総和に占める窒素含有量は0.6質量%以
上であり、1質量%以上がより好ましく、1.2質量%
以上が更に好ましく、2質量%以上が最も好ましい。
フルボ酸含有物と比べ、炭素含有量が低く、水素含有量
が高い。このため本発明のフルボ酸含有物は植物活力剤
として高い活性を有していると考えられ、この観点か
ら、炭素、水素、窒素、硫黄および酸素の総和に占める
炭素含有量は60質量%以下が好ましく、45質量%以
下がよりより好ましく、43質量%以下が更に好まし
く、41質量%以下が最も好ましく;水素含有量は2質
量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、
3.4質量%以上が更に好ましく、4質量%以上が最も
好ましい。
は、芳香族成分の含有量が低く、脂肪族成分の含有量が
高いことを意味する。このため本発明のフルボ酸含有物
は植物活力剤として高い活性を有していると考えられ、
この観点から、炭素に対する水素の質量比(水素の含有
質量/炭素の含有質量)が0.05以上が好ましく、
0.09以上がより好ましく、0.1以上が更に好まし
い。
て決定することができ、例えば、ヤナコ社製CHN C
ORDER MT−5を用いて測定し、必要に応じて、
乾燥灰分を差引いて計算する。
成分の含有量が高いことは、分光学的に定量化できる。
この観点から、13C−NMRにより決定される芳香族炭
素含有率は19%以下であり、17%以下がより好まし
く、15%以下が更に好ましく、一方、13C−NMRに
より決定される脂肪族炭素含有率は30%以上であり、
35%以上がより好ましく、40%以上が更に好まし
く、45%以上が最も好ましい。
社製AMX−400を用い、CP/MASで測定するこ
とができ、13C−NMRにより決定される芳香族炭素含
有率とは、0〜230ppmのピーク面積の総和に対す
る110〜150ppmのピーク面積の総和の比であ
り、13C−NMRにより決定される脂肪族炭素含有率と
は0〜230ppmのピーク面積の総和に対する0〜5
0ppmのピーク面積の総和の比である。
から、13C−NMRのチャート上において、110〜1
50ppmの領域でベースラインのノイズに対して優位
な吸収が観測されないことが好ましい。
豊富に含み特定の特性を有する地下かん水を選択し、こ
の地下かん水を濃縮し、得られた濃縮地下かん水の液性
を酸性とし、得られた酸性水から多孔性吸着剤が充填さ
れたカラムによりフルボ酸を精製する方法を採用するこ
とにより、初めて実用レベルで製造することができる。
地下水を言い、例えば、地殻変動により地中に封鎖され
た海水、周辺の地層から溶出した塩分を含有する地下
水、塩濃度の高い湧水、塩濃度の高い温泉水などを使用
することができる。しかしながら、原料となる地下かん
水としては、腐植物質を多量に含有しているものが好ま
しく、腐植物質を多量に含有している地下かん水は一般
に着色している。
学的に色度として定量化することができる。例えば、J
IS K 0102に準拠して測定される色度の主波長
が550〜600nmであることが好ましい。また、そ
の主波長での刺激純度が5%以上が好ましく、10%以
上がより好ましく、15%以上が更に好ましい。一方、
70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、5
0%以下が更に好ましい。
度は産出される地域により大きく異なる。また、同じ地
域から産出される地下かん水の場合も、採取する深度に
よって、含有物および含有物濃度は大きく異なる。従っ
て、十分な品質のフルボ酸含有物を十分な生産性で得る
ためには、使用する地下かん水を注意深く選択する必要
がある。
の大部分がフルボ酸であるものが存在し、この様な地下
かん水を用いれば、実質的にフルボ酸のみを含有するフ
ルボ酸含有物を、安価に製造できるので好ましい。具体
的には、腐植物質中のフルボ酸含有量が70質量%以上
の地下かん水が好ましく、80質量%以上がより好まし
く、90質量%以上が更に好ましい。
よりフルボ酸含有物を製造することにより、フルボ酸の
含有率が好ましくは80質量%以上、より好ましくは9
0質量%以上、更に好ましくは95質量%以上のフルボ
酸含有物を、生産性良好に得ることができる。
Sで規格化されている酸による分画法に準拠して測定す
ることができる。
0.098MPa(1atm)下で25℃の水に溶解す
る飽和溶解度以上のメタンと、50質量ppm以上のヨ
ウ素とを含有するものがある。この様な地下かん水とし
ては、水溶性天然ガス付随かん水などを挙げることがで
きる。
オンクロマトグラフィー法および滴定分析法などにより
定量化できる。
を製造する際に、地下かん水を脱気処理してメタンを初
めとする天然ガス成分を除去した後に、少なくとも酸化
処理しヨウ素を除去して得られる二次地下かん水を使用
することにより、植物活力剤として更に高活性なフルボ
酸含有物を得ることができる。
にフルボ酸の一部が分解され低分子量化され、植物に対
する吸収効率が向上するためだと考えられる。このよう
な観点からすると、フルボ酸の平均分子量は2000以
下が好ましく、1500以下がより好ましく、1300
以下が更に好ましい。なお、フルボ酸の平均分子量は、
ゲルパーメーションクロマトグラフィー法およびサイズ
排除クロマトグラフィー法などにより測定できる。
より生成した低分子化合物が更に反応および重合などし
て生じた化合物が関与しているためだとも考えられる。
酸およびフルボ酸分解物に導入される等の化学反応のた
めだとも考えられる。
び酸化処理で使用される塩素などに起因している可能性
もある。
り、天然型フルボ酸は還元型であると考えられる。ま
た、フルボ酸には再生型が知られており、再生型フルボ
酸は酸化型であると考えられる。これらのフルボ酸は、
植物活力剤としての効果に加え、殺菌作用、微量元素を
キレートし輸送する作用などを有すると考えられる。
下に述べる様な特定の方法を採用することにより、初め
て実用レベルで製造することができる。
通常5倍とされ、10倍以上がより好ましく、一方、通
常100倍以下とされ、50倍以下が好ましい。
膜分離法、凍結濃縮法および溶媒抽出法などを挙げるこ
とができる。特に、吸着法で使用される吸着剤として
は、疎水性吸着剤、イオン交換型吸着剤、活性炭などの
多孔性吸着剤などが、濃縮効率が高く、フルボ酸の劣化
が少ないと予想され好ましい。また、膜分離法の中で
も、限外濾過法、逆浸透濾過法、透析濾過法などが、濃
縮効率が高く、フルボ酸の劣化が少ないと予想され好ま
しい。
る。これにより、フミン酸などの酸不溶な腐植物質の画
分と、酸可溶なフルボ酸とを分離することができる。具
体的には、濃縮地下かん水に塩酸、酢酸およびトリフロ
ロ酢酸(TFA)などを添加してpHを所定の値に調整
するが、添加する酸は揮発性であることが脱塩が容易で
あるので好ましく、フルボ酸の劣化が少ないなどの理由
から、塩酸が好ましい。
ルボ酸の劣化を抑制する観点から、1以上が好ましく、
一方、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以
下が更に好ましい。
び遠心法などにより酸不溶成分を除去し、酸性水中のフ
ルボ酸を多孔性吸着剤に吸着する。多孔性吸着剤として
は、例えばXAD樹脂を使する。XAD樹脂が充填され
たカラム(XADカラム)としては、例えばオルガノ社
製XAD−8を使用することができ、XADカラムを用
いてフルボ酸を精製する方法は、IHSSにより規格化
されている。
ムによりによりフルボ酸を溶出し、H+型陽イオン交換
樹脂によりフルボ酸をナトリウムフリーとし、これを例
えば凍結乾燥してフルボ酸を得る。
然ガス及びヨウ素を含んでいる場合、先ず、地下かん水
を脱気して天然ガスを除去する。
を除去して二次地下かん水とする。酸化処理により地下
かん水中のヨウ化物イオンはヨウ素分子に酸化され除去
される。なお、酸化処理をすることにより、同時に殺菌
処理も行われていると考えられ、滅菌された最終製品を
得ることができる。
を添加する。塩素水中の塩素濃度および添加する塩素水
の使用量は、塩素水が添加された後の地下かん水の酸化
還元電位(ORP)が所定の範囲となる様にする。OR
Pの値としては、ヨウ化物イオンを十分にヨウ素分子に
酸化するため500meV以上が好ましく、ヨウ素酸が
発生したりフルボ酸が劣化することを抑制するため60
0meV以下が好ましい。
および次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加する。硫酸を
添加することにより、酸化処理に最適なORPの範囲を
広くできる。なお、硫酸および次亜塩素酸ナトリウム水
溶液の添加量は、添加後の地下かん水のORPが500
〜700meVとなる様にする。なお、硫酸としては、
例えば70%希硫酸を使用する。
は、地下かん水の原水の場合と同様に濃縮され、濃縮二
次地下かん水の液性を酸性とし、二次酸性水からXAD
樹脂などの多孔性吸着剤によりフルボ酸を精製して、フ
ルボ酸含有物の製造する。
らフルボ酸含有物を製造することにより、植物活力剤と
して更に高い活性を有するフルボ酸含有物を得ることが
できる。
フルボ酸含有物を主成分として含有する組成物は、植物
活力剤として有用である。
コロイドの少なくとも何れか一方の形態でフルボ酸含有
物を含有する水性組成物;フルボ酸含有物を支持する担
持体を含有する分散系組成物;フルボ酸含有物を支持す
る担持体を含有する固形組成物などを挙げることができ
る。
成物またはフルボ酸含有分散系組成物の場合、これらの
組成物を例えば水耕液および散布剤などとして使用でき
る。フルボ酸含有水性組成物中またはフルボ酸含有分散
系組成物中のフルボ酸含有物の濃度は、植物活力剤とし
ての活性に大きく影響し、十分な活性を実現するために
は、0.01質量ppm以上が好ましく、0.1質量p
pm以上がより好ましく、1質量ppm以上が更に好ま
しい。一方、過剰量の使用による阻害効果を回避するた
め、30質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好
ましく、100質量ppm以下が更に好ましく、50質
量ppm以下が最も好ましい。
固形組成物の場合、この組成物は例えば耕地上や耕地中
に設置して使用できる。フルボ酸含有固形組成物中のフ
ルボ酸含有物の濃度は、植物活力剤としての活性に大き
く影響し、十分な活性を実現するためには、0.1質量
ppm以上が好ましく、1質量ppm以上がより好まし
く、10質量ppm以上が更に好ましい。一方、過剰量
の使用による阻害効果を回避するため、90質量%以下
が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量
%以下が更に好ましく、50質量%以下が最も好まし
い。
水性組成物は、所定量のフルボ酸含有物を水および水溶
液などに添加することで製造できる。
離することなく、フルボ酸含有水性組成物を製造でき
る。この場合、簡便な方法によりフルボ酸含有水性組成
物を製造できる。
に応じてヨウ素およびメタン等を含む地下かん水から、
フルボ酸含有物を単離することなく、フルボ酸の濃度が
所定の範囲となるよう地下かん水を濃縮または希釈し
て、フルボ酸含有水性組成物を製造できる。なお、必要
に応じて、過剰の塩類などを除去したり、塩濃度を低下
するために希釈することもある。
応じてヨウ素およびメタン等を含む地下かん水を濃縮す
る前に、フルボ酸含有物の製造の場合と同様に、地下か
ん水を脱気して天然ガスを除去し、更に必要に応じて酸
化処理してヨウ素を除去し、得られた二次地下かん水を
濃縮または希釈し、過剰の塩類などを除去して、フルボ
酸含有水性組成物を製造することもできる。
有物および組成物には、ヨウ素を初めとする、アンモニ
ウムイオン、カリウムイオン及びリン酸イオン等が残存
している可能性があり、これらの物質がフルボ酸と相乗
的に作用しているとも考えられる。
明する。なお、特に断りのない限り、試薬は市販の高純
度品を使用した。
yza sativa)を発芽させ、均一に生長した幼
苗を選抜し、プラスチック容器に設置したポリエチレン
製のネットの上に幼苗を3本固定した。水耕液のpHを
5.5に調整し、28℃明所条件下で2週間生育させ
た。その後、根の乾燥質量を測定し、フルボ酸含有物無
添加の水耕液により生育した系(コントロール)を基準
として生長促進の効果を評価した。
02(ミノルタカメラ製)を用いてクロロフィル量を測
定し、光合成能を評価した。
オキシグラフ9型)を用いて呼吸速度を測定し、代謝能
を評価した。
芽させ、発芽するまでの日数を比較することにより、発
芽促進を評価した。
含有水性組成物1 日本国千葉県九十九里地区の地下100〜2100mか
ら、地下かん水を採取した。この地下かん水は着色して
おり、色度の主波長は575nmであり、575nmで
の刺激純度は30%であった。この地下かん水は0.0
98MPa(1atm)下で25℃の水に対する飽和溶
解度以上のメタンと98質量ppmのヨウ素とを含有し
ており、地下かん水を採取後、常圧とすることにより、
メタンを主成分とする天然ガスが発生し、脱気された。
レーターを用いて、20倍に濃縮後、塩酸によりpHを
1〜1.5とした。この際に発生した沈殿物をフィルタ
ーにより除去した。そして、IHSS法に従い、オルガ
ノ社製XAD−8カラム及び市販のH+陽イオン交換樹
脂を用いてフルボ酸を精製し、凍結乾燥してフルボ酸含
有物1を得た。
ろ、炭素含有量は31.7質量%、水素含有量は3.4
質量%、窒素含有量は1.2質量%であった。また、フ
ルボ酸は天然型と考えられる。
度が10質量ppmとなるよう春日井氏水耕液に溶解し
フルボ酸含有水性組成物1を調製した。
ネを生育したところ、根の乾燥質量はコントロールの2
40%であった。また、フルボ酸含有水性組成物1を用
いることにより、イネの光合成能および代謝能が向上し
た。
U産)より得られたフルボ酸を分析したところ、炭素含
有量は40.2質量%、水素含有量は3.3質量%、窒
素含有量は0.5質量%であり;13C−NMRにより決
定される芳香族炭素含有率は20%、13C−NMRによ
り決定される脂肪族炭素含有率は23%であった。
した。110〜150ppmの領域に、芳香族炭素に由
来する吸収が確認される。
し、終濃度を10質量ppmとして用いたところ、根の
乾燥質量はコントロールの120%であった。
含有水性組成物2 フルボ酸含有物1の製造で使用した地下かん水から天然
ガスを脱気後、塩素水を添加し、ヨウ素分子を除去して
二次地下かん水とした。
酸含有物1の場合と同様にしてフルボ酸含有物2を製造
した。得られたフルボ酸含有物2を分析したところ、炭
素含有量は40.5質量%、水素含有量は4.3質量
%、窒素含有量は2.2質量%であり;13C−NMRに
より決定される芳香族炭素含有率は11.2%、13C−
NMRにより決定される脂肪族炭素含有率は47.5%
であり;フルボ酸の平均分子量は1200であった。ま
た、フルボ酸は再生型と考えられる。
ャート上において、110〜150ppmの領域に、ベ
ースラインに対して優位な吸収は観測されなかった。
5質量ppmとなるよう春日井氏水耕液に溶解しフルボ
酸含有水性組成物2を調製した。
ネを生育したところ、根の乾燥質量はコントロールの3
50%であった。また、フルボ酸含有水性組成物2を用
いることにより、イネの光合成能および代謝能が向上し
た。
導度が1mS/cm以下となるよう希釈して、フルボ酸
含有水性組成物3を製造した。得られたフルボ酸含有水
性組成物3を使用することにより、小松菜の発芽が促進
された。
に濃縮し、析出する塩類を除去し、電気伝導度が1mS
/cm以下となるよう希釈してフルボ酸含有水性組成物
4を製造した。得られたフルボ酸含有水性組成物4を使
用することにより、小松菜の発芽が促進された。
和に占める窒素含有量が0.6質量%以上であるフルボ
酸含有物や、13C−NMRにより決定される芳香族炭素
含有率が19%以下で、13C−NMRにより決定される
脂肪族炭素含有率が30%以上であるフルボ酸含有物を
用いることにより、植物の生長を促進するのみならず、
発芽を促進し、耐病性を向上し、耐乾燥性を向上し、光
合成を促進し、代謝を促進し、植物性酵素の活性化など
を実現できる。
結果である。
る。
Claims (18)
- 【請求項1】 炭素、水素、窒素、硫黄および酸素の総
和に占める窒素含有量が0.6質量%以上であることを
特徴とするフルボ酸含有物。 - 【請求項2】 前記炭素に対する前記水素の質量比は、
0.05以上であることを特徴とする請求項1記載のフ
ルボ酸含有物。 - 【請求項3】 13C−NMRにより決定される芳香族炭
素含有率が19%以下であり、13C−NMRにより決定
される脂肪族炭素含有率が30%以上であることを特徴
とするフルボ酸含有物。 - 【請求項4】 地下かん水中の腐植物質より得られ、実
質的にフルボ酸のみを含有することを特徴とする請求項
1乃至3何れかに記載のフルボ酸含有物。 - 【請求項5】 前記地下かん水の色度の主波長は550
〜600nmであり、該主波長での刺激純度は5〜70
%であることを特徴とする請求項4記載のフルボ酸含有
物。 - 【請求項6】 前記地下かん水の腐植物質中に占めるフ
ルボ酸の含有率は、70質量%以上であることを特徴と
する請求項4又は5記載のフルボ酸含有物。 - 【請求項7】 前記地下かん水は、0.098MPa
(1atm)下で25℃の水に対する飽和溶解度以上の
メタンと、50質量ppm以上のヨウ素とを含有するこ
とを特徴とする請求項4乃至6何れかに記載のフルボ酸
含有物。 - 【請求項8】 前記地下かん水を脱気処理後、少なくと
も酸化処理して得られる二次地下かん水より製造される
ことを特徴とする請求項4乃至7何れかに記載のフルボ
酸含有物。 - 【請求項9】 前記フルボ酸の平均分子量は2000以
下であることを特徴とする請求項8記載のフルボ酸含有
物。 - 【請求項10】 前記フルボ酸は天然型および再生型の
少なくとも何れか一方であることを特徴とする請求項1
乃至9何れかに記載のフルボ酸含有物。 - 【請求項11】 請求項1乃至10何れかに記載のフル
ボ酸含有物を主成分とすることを特徴とするフルボ酸含
有組成物。 - 【請求項12】 溶液およびコロイドの少なくとも何れ
か一方の形態で前記フルボ酸含有物を含有している水性
組成物であるか、前記フルボ酸含有物を支持する担持体
を含有する分散系組成物であるか、前記フルボ酸含有物
を支持する担持体を含有する固形組成物であることを特
徴とする請求項11記載のフルボ酸含有組成物。 - 【請求項13】 前記フルボ酸含有物の濃度は、0.0
1質量ppm〜30質量%であることを特徴とする請求
項12記載のフルボ酸含有水性組成物またはフルボ酸含
有分散系組成物。 - 【請求項14】 前記フルボ酸含有物の濃度は、0.1
質量ppm〜90質量%であることを特徴とする請求項
12記載のフルボ酸含有固形組成物。 - 【請求項15】 請求項11乃至14何れかに記載のフ
ルボ酸含有組成物よりなることを特徴とする植物活力
剤。 - 【請求項16】 地下かん水を濃縮する工程と、該濃縮
地下かん水の液性を酸性とする工程と、該酸性水から多
孔性吸着剤によりフルボ酸を精製する工程とを含んでな
ることを特徴とするフルボ酸含有物の製造方法。 - 【請求項17】 地下かん水を脱気し酸化処理して二次
地下かん水を得る工程と、該二次地下かん水を濃縮する
工程と、該濃縮二次地下かん水の液性を酸性とする工程
と、該二次酸性水から多孔性吸着剤によりフルボ酸を精
製する工程とを含んでなることを特徴とするフルボ酸含
有物の製造方法。 - 【請求項18】 前記酸化処理は、塩素水を添加する
か、又は硫酸および次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加
することにより行われることを特徴とする請求項17記
載のフルボ酸含有物の製造方法。
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