JP2003166515A - 十字穴付きねじの駆動穴形状 - Google Patents
十字穴付きねじの駆動穴形状Info
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- JP2003166515A JP2003166515A JP2001367290A JP2001367290A JP2003166515A JP 2003166515 A JP2003166515 A JP 2003166515A JP 2001367290 A JP2001367290 A JP 2001367290A JP 2001367290 A JP2001367290 A JP 2001367290A JP 2003166515 A JP2003166515 A JP 2003166515A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】駆動穴への食い付きがよく且つあらかじめ設定
されているねじ締めトルクが正確に得られる十字穴付き
ねじの駆動穴形状を得る。 【解決手段】駆動穴10を係合羽根21が係合する係合
溝11と、ドライバビット20が入る進入穴15とから
構成し、係合溝11の係合面13をこれの中心線に平行
あるいは中心側が広くなるよう形成し、係合面13を進
入穴15に突出する円弧形状のガイド面14で接続し、
しかも、係合溝11の両側の係合面13間には前記係合
羽根21が嵌合するとともにガイド面14には係合羽根
21の基部が遊嵌する十字穴付きねじの駆動穴形状であ
るので、ドライバビットを特殊な形状に変更することな
く使用することができる。また、通常のドライバビット
を使用してこのねじを締め付けても締め付け作業終了時
にカムアウト現象が生じない。更に、ねじ締めトルクの
ばらつきが解消され、製品不良の発生が減少する。
されているねじ締めトルクが正確に得られる十字穴付き
ねじの駆動穴形状を得る。 【解決手段】駆動穴10を係合羽根21が係合する係合
溝11と、ドライバビット20が入る進入穴15とから
構成し、係合溝11の係合面13をこれの中心線に平行
あるいは中心側が広くなるよう形成し、係合面13を進
入穴15に突出する円弧形状のガイド面14で接続し、
しかも、係合溝11の両側の係合面13間には前記係合
羽根21が嵌合するとともにガイド面14には係合羽根
21の基部が遊嵌する十字穴付きねじの駆動穴形状であ
るので、ドライバビットを特殊な形状に変更することな
く使用することができる。また、通常のドライバビット
を使用してこのねじを締め付けても締め付け作業終了時
にカムアウト現象が生じない。更に、ねじ締めトルクの
ばらつきが解消され、製品不良の発生が減少する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライバビットに
よりねじ締め駆動された時に、このドライバビットがね
じの駆動穴から滑り上がるカムアウト現象を生じること
なく、確実にねじに駆動力を伝達するとともに駆動穴へ
のドライバビットの嵌合において食い付き可能にした十
字穴付きねじに関する。
よりねじ締め駆動された時に、このドライバビットがね
じの駆動穴から滑り上がるカムアウト現象を生じること
なく、確実にねじに駆動力を伝達するとともに駆動穴へ
のドライバビットの嵌合において食い付き可能にした十
字穴付きねじに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からねじを締め付けたり緩めたりす
る場合に、この駆動力が作用する頭部には一般にドライ
バビットが係合する十字形状の係合溝を有する駆動穴が
形成されており、この駆動穴にドライバビットの係合羽
根を係合させて駆動力を伝達してワークにねじを締め付
けるようになっている。このようなねじ締め作業におい
ては、図7に示すような駆動穴110を有するねじ10
1が採用されており、十字形状となっている係合溝11
1と係合溝111との間にはこれら係合溝111の係合
面113を接続する直線状の嵌合面114で繋がってい
る。この嵌合面114は通常、係合溝111と係合溝1
11との間の等分割位置において傾斜した稜線115を
有する断面三角形状に形成されており、これらねじ10
1の中心線を挟んで対向する嵌合面114の間隔bは頭
部102の上面に達するにしたがって徐々に拡がってい
る。そして、この部分で図8に示すように、前記ドライ
バビット120の接続面122と嵌合する、所謂、食い
付き性能を持たせている。
る場合に、この駆動力が作用する頭部には一般にドライ
バビットが係合する十字形状の係合溝を有する駆動穴が
形成されており、この駆動穴にドライバビットの係合羽
根を係合させて駆動力を伝達してワークにねじを締め付
けるようになっている。このようなねじ締め作業におい
ては、図7に示すような駆動穴110を有するねじ10
1が採用されており、十字形状となっている係合溝11
1と係合溝111との間にはこれら係合溝111の係合
面113を接続する直線状の嵌合面114で繋がってい
る。この嵌合面114は通常、係合溝111と係合溝1
11との間の等分割位置において傾斜した稜線115を
有する断面三角形状に形成されており、これらねじ10
1の中心線を挟んで対向する嵌合面114の間隔bは頭
部102の上面に達するにしたがって徐々に拡がってい
る。そして、この部分で図8に示すように、前記ドライ
バビット120の接続面122と嵌合する、所謂、食い
付き性能を持たせている。
【0003】一方、このようにしてドライバビット12
0に食い付いたねじはドライバビット120にねじを回
転するための回転駆動力が駆動穴110を介して加わる
と、この回転力はドライバビット120の係合羽根12
1からねじの係合溝111の斜面となった係合面113
に伝達されてねじはともに回転されてワーク(図示せ
ず)にねじ込まれるようになっているのが現状である。
0に食い付いたねじはドライバビット120にねじを回
転するための回転駆動力が駆動穴110を介して加わる
と、この回転力はドライバビット120の係合羽根12
1からねじの係合溝111の斜面となった係合面113
に伝達されてねじはともに回転されてワーク(図示せ
ず)にねじ込まれるようになっているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
使用されているねじを駆動するためのドライバビットは
その係合羽根を前記ねじの係合溝に嵌り易くするため
に、ねじの駆動穴の係合溝より角度αだけ異なって形成
されているか、あるいは僅かに厚みが薄く形成されたり
して、係合羽根の先端が僅かに薄い羽根形状となってい
るのが常である。そして、ねじとドライバビットとの食
い付き性を良くするために嵌合面の間隔bは日本工業規
格で規定されており、ねじ締め開始時にはこの嵌合面付
近で駆動力が伝達されているが、ワークへのねじ締め完
了時にはドライバビットの係合羽根がねじの駆動穴から
滑って抜け出る、所謂、カムアウト現象が多々生じ、ね
じの駆動穴が破壊される等して十分なねじ締めトルクが
得られていない。また、自動組み立て作業ラインにおい
ては、このねじ締めトルクが常時一定になるようにトル
ク管理されているが、依然としてねじ締めトルクにばら
つきが生じている。更に、このカムアウト現象が生じな
いようにするためには、これに対向するようにドライバ
ビットに大きな推力を加えねばならず、この推力によ
り、ワークに歪みが生じている。しかも、係合溝にはド
ライバビットの係合羽根の先端が接することがほとんど
ないため、十分なねじ締めトルクが得られていない等の
諸々の課題を有している。
使用されているねじを駆動するためのドライバビットは
その係合羽根を前記ねじの係合溝に嵌り易くするため
に、ねじの駆動穴の係合溝より角度αだけ異なって形成
されているか、あるいは僅かに厚みが薄く形成されたり
して、係合羽根の先端が僅かに薄い羽根形状となってい
るのが常である。そして、ねじとドライバビットとの食
い付き性を良くするために嵌合面の間隔bは日本工業規
格で規定されており、ねじ締め開始時にはこの嵌合面付
近で駆動力が伝達されているが、ワークへのねじ締め完
了時にはドライバビットの係合羽根がねじの駆動穴から
滑って抜け出る、所謂、カムアウト現象が多々生じ、ね
じの駆動穴が破壊される等して十分なねじ締めトルクが
得られていない。また、自動組み立て作業ラインにおい
ては、このねじ締めトルクが常時一定になるようにトル
ク管理されているが、依然としてねじ締めトルクにばら
つきが生じている。更に、このカムアウト現象が生じな
いようにするためには、これに対向するようにドライバ
ビットに大きな推力を加えねばならず、この推力によ
り、ワークに歪みが生じている。しかも、係合溝にはド
ライバビットの係合羽根の先端が接することがほとんど
ないため、十分なねじ締めトルクが得られていない等の
諸々の課題を有している。
【0005】本発明の目的は、このような課題を解消す
るとともにドライバビットの駆動穴への食い付き性がよ
く且つ駆動時にドライバビットが滑り出ることなく、あ
らかじめ設定されているねじ締めトルクが正確に得られ
るようにした十字穴付きねじの駆動穴形状を提供するこ
とである。
るとともにドライバビットの駆動穴への食い付き性がよ
く且つ駆動時にドライバビットが滑り出ることなく、あ
らかじめ設定されているねじ締めトルクが正確に得られ
るようにした十字穴付きねじの駆動穴形状を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、係合羽
根21とこれの根元となる基部とを有するドライバビッ
ト20が係合する駆動穴10を形成した頭部2とねじ山
3を形成した脚部4とからなる十字穴付きねじにおい
て、駆動穴10を前記係合羽根21が係合する係合溝1
1と、中心にあって前記ドライバビット20の基部が入
る進入穴15とから構成し、係合溝11の放射方向端に
接近する係合面13を係合溝11の中心線に平行あるい
はねじ1の中心側が広くなるように形成し、互いに隣接
する係合溝11の係合面13を前記進入穴15に突出す
る円弧形状のガイド面14で接続し、しかも、前記係合
溝11の両側の係合面13間には前記ドライバビット2
0の係合羽根21が嵌合するとともにガイド面14には
前記ドライバビット20の係合羽根21の基部が隙間を
有して遊嵌するようにした十字穴付きねじの駆動穴形状
を提供することで達成される。
根21とこれの根元となる基部とを有するドライバビッ
ト20が係合する駆動穴10を形成した頭部2とねじ山
3を形成した脚部4とからなる十字穴付きねじにおい
て、駆動穴10を前記係合羽根21が係合する係合溝1
1と、中心にあって前記ドライバビット20の基部が入
る進入穴15とから構成し、係合溝11の放射方向端に
接近する係合面13を係合溝11の中心線に平行あるい
はねじ1の中心側が広くなるように形成し、互いに隣接
する係合溝11の係合面13を前記進入穴15に突出す
る円弧形状のガイド面14で接続し、しかも、前記係合
溝11の両側の係合面13間には前記ドライバビット2
0の係合羽根21が嵌合するとともにガイド面14には
前記ドライバビット20の係合羽根21の基部が隙間を
有して遊嵌するようにした十字穴付きねじの駆動穴形状
を提供することで達成される。
【0007】また、この構成において、ガイド面は互い
に隣接する係合溝11の間にあって、一方の係合溝11
を構成する締め付け方向側の係合面13と他方の係合溝
11を構成する緩め方向側の係合面13とを夫々中心位
置が異なる二つの円弧で接続し、この互いの円弧の接続
位置を隣り合う係合溝11の中間に位置させ、これら円
弧を角度を持たせて接続した十字穴付きねじの駆動穴形
状とすることで前記目的が達成される。更に、前記ガイ
ド面形状に変えて、ガイド面は互いに隣接する係合溝1
1の間にあって、一方の係合溝11を構成する締め付け
方向側の係合面13と他方の係合溝11を構成する緩め
方向側の係合面13とを一つの円弧で接続した十字穴付
きねじの駆動穴形状とすることでも達成される。
に隣接する係合溝11の間にあって、一方の係合溝11
を構成する締め付け方向側の係合面13と他方の係合溝
11を構成する緩め方向側の係合面13とを夫々中心位
置が異なる二つの円弧で接続し、この互いの円弧の接続
位置を隣り合う係合溝11の中間に位置させ、これら円
弧を角度を持たせて接続した十字穴付きねじの駆動穴形
状とすることで前記目的が達成される。更に、前記ガイ
ド面形状に変えて、ガイド面は互いに隣接する係合溝1
1の間にあって、一方の係合溝11を構成する締め付け
方向側の係合面13と他方の係合溝11を構成する緩め
方向側の係合面13とを一つの円弧で接続した十字穴付
きねじの駆動穴形状とすることでも達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図6に基づき説明する。図1及び図2において、1
は頭部2とこの頭部2と一体で且つねじ山3を有する脚
部4とからなるねじである。このねじ1の頭部2には脚
部4の中心線上に後述のドライバビットと係合するよう
放射方向に形成された係合溝11からなる十字形状の駆
動穴10が形成されている。この十字形状の駆動穴10
を形成する係合溝11はその底面12が中心に向かうに
従って深くなっている。この係合溝11の頭部外周側、
即ち、係合溝11の放射方向端に接近する位置にはその
両側に係合面13が形成してあり、これは底面12から
頭部2の表面に達するに従って僅か拡がるように傾斜し
ている。この係合溝11はこれの中心線に平行あるいは
ねじ1の中心側が僅か広くなるように形成されている。
これによりこの係合溝11の係合面13の間はドライバ
ビットの係合羽根が嵌る巾となっており、ねじ1にはド
ライバビットからの締め付けあるいは緩めの駆動力がこ
の位置で伝達されるようになっている。
乃至図6に基づき説明する。図1及び図2において、1
は頭部2とこの頭部2と一体で且つねじ山3を有する脚
部4とからなるねじである。このねじ1の頭部2には脚
部4の中心線上に後述のドライバビットと係合するよう
放射方向に形成された係合溝11からなる十字形状の駆
動穴10が形成されている。この十字形状の駆動穴10
を形成する係合溝11はその底面12が中心に向かうに
従って深くなっている。この係合溝11の頭部外周側、
即ち、係合溝11の放射方向端に接近する位置にはその
両側に係合面13が形成してあり、これは底面12から
頭部2の表面に達するに従って僅か拡がるように傾斜し
ている。この係合溝11はこれの中心線に平行あるいは
ねじ1の中心側が僅か広くなるように形成されている。
これによりこの係合溝11の係合面13の間はドライバ
ビットの係合羽根が嵌る巾となっており、ねじ1にはド
ライバビットからの締め付けあるいは緩めの駆動力がこ
の位置で伝達されるようになっている。
【0009】また、図2及び図3に示すように、この駆
動穴10を構成し且つ互いに隣接するこれら係合溝11
の間には、ガイド面14が形成されて前記係合面13を
接続しており、このガイド面14はねじ1の中心線上に
おいて前記係合溝11の基部を構成する進入穴15の周
壁を形成し、進入穴15に突出した形状となっている。
このガイド面14は通常は互いに隣接する係合溝11の
間にあって、一方の係合溝11を構成する締め付け方向
側の係合面13と他方の係合溝11を構成する緩め方向
側の係合面13とを夫々中心位置が異なる二つの円弧で
接続した曲面形状となっている。この互いの円弧の接続
位置は隣り合う係合溝11の中間に位置しており、これ
ら円弧を角度を持たせて接続し、その接続部分において
稜線16が形成されている。しかも、このガイド面14
は前記駆動穴10が深くなるにつれてねじ1の中心線方
向に傾斜した斜面となっており、前記稜線16はねじ1
の中心線を挟んで対向する間隔bがねじ1の頭部表面に
達するにつれて僅かに拡がった形状となっている。これ
により、図4に示すように、ドライバビット20が駆動
穴10に滑らかに案内されるとともに、係合時にドライ
バビット20の接続面22との間の隙間をできるだけ少
なくすることができ(図6参照)、ねじ1に対するドラ
イバビット20の倒れを少なくできる。
動穴10を構成し且つ互いに隣接するこれら係合溝11
の間には、ガイド面14が形成されて前記係合面13を
接続しており、このガイド面14はねじ1の中心線上に
おいて前記係合溝11の基部を構成する進入穴15の周
壁を形成し、進入穴15に突出した形状となっている。
このガイド面14は通常は互いに隣接する係合溝11の
間にあって、一方の係合溝11を構成する締め付け方向
側の係合面13と他方の係合溝11を構成する緩め方向
側の係合面13とを夫々中心位置が異なる二つの円弧で
接続した曲面形状となっている。この互いの円弧の接続
位置は隣り合う係合溝11の中間に位置しており、これ
ら円弧を角度を持たせて接続し、その接続部分において
稜線16が形成されている。しかも、このガイド面14
は前記駆動穴10が深くなるにつれてねじ1の中心線方
向に傾斜した斜面となっており、前記稜線16はねじ1
の中心線を挟んで対向する間隔bがねじ1の頭部表面に
達するにつれて僅かに拡がった形状となっている。これ
により、図4に示すように、ドライバビット20が駆動
穴10に滑らかに案内されるとともに、係合時にドライ
バビット20の接続面22との間の隙間をできるだけ少
なくすることができ(図6参照)、ねじ1に対するドラ
イバビット20の倒れを少なくできる。
【0010】尚、この実施の形態ではガイド面14が二
つの円弧で接続された曲面形状であるが、この他に、図
示しないが、一方の係合溝11を構成する締め付け方向
側の係合面13と他方の係合溝11を構成する緩め方向
側の係合面13とを一つの円弧で接続した形状としても
よい。また、これらの形状のガイド面14は通常のフィ
リップス十字穴に係合するドライバビット20における
係合羽根21の根元を構成する基部の接続面22との間
に、ドライバビット20が駆動穴10に嵌る時に同様に
僅かな隙間を有するようになっている。
つの円弧で接続された曲面形状であるが、この他に、図
示しないが、一方の係合溝11を構成する締め付け方向
側の係合面13と他方の係合溝11を構成する緩め方向
側の係合面13とを一つの円弧で接続した形状としても
よい。また、これらの形状のガイド面14は通常のフィ
リップス十字穴に係合するドライバビット20における
係合羽根21の根元を構成する基部の接続面22との間
に、ドライバビット20が駆動穴10に嵌る時に同様に
僅かな隙間を有するようになっている。
【0011】これにより、図4及び図5に示すように、
駆動穴10にドライバビット20を係合すると、係合羽
根21が係合溝11に嵌ってねじ1に食い付き状態とな
る。この時、ガイド面14には図6に示すように、ドラ
イバビット20の基部の接続面22が接していないの
で、ねじ締め駆動時にドライバビット20がねじ1の駆
動穴10から抜け出る、所謂、カムアウト現象の発生が
抑制され、ドライバビット20の駆動力はねじ締め初期
段階から係合羽根21から係合溝11の係合面13に正
確に伝達されるように構成されている。
駆動穴10にドライバビット20を係合すると、係合羽
根21が係合溝11に嵌ってねじ1に食い付き状態とな
る。この時、ガイド面14には図6に示すように、ドラ
イバビット20の基部の接続面22が接していないの
で、ねじ締め駆動時にドライバビット20がねじ1の駆
動穴10から抜け出る、所謂、カムアウト現象の発生が
抑制され、ドライバビット20の駆動力はねじ締め初期
段階から係合羽根21から係合溝11の係合面13に正
確に伝達されるように構成されている。
【0012】このように構成されたねじ1をワーク(図
示せず)に締め付ける場合は、ドライバビット20の先
端にねじ1の頭部2の駆動穴10を嵌め合わせると、ド
ライバビットの係合羽根21がねじ1の係合溝11に食
い付き状態で嵌る。この後、ワークのねじ穴(図示せ
ず)に対して、このねじ1の脚部4を押し付けてドライ
バビット20に図4に示すように、回転駆動力を加え
る。この動作において、ねじ締め初期段階からねじ締め
完了までドライバビット20の係合羽根21の基部は駆
動穴10のガイド面14には接触せずに係合羽根21が
係合面13に接触するので、ドライバビット20は上昇
することなく確実なねじ締め作業が行われる。
示せず)に締め付ける場合は、ドライバビット20の先
端にねじ1の頭部2の駆動穴10を嵌め合わせると、ド
ライバビットの係合羽根21がねじ1の係合溝11に食
い付き状態で嵌る。この後、ワークのねじ穴(図示せ
ず)に対して、このねじ1の脚部4を押し付けてドライ
バビット20に図4に示すように、回転駆動力を加え
る。この動作において、ねじ締め初期段階からねじ締め
完了までドライバビット20の係合羽根21の基部は駆
動穴10のガイド面14には接触せずに係合羽根21が
係合面13に接触するので、ドライバビット20は上昇
することなく確実なねじ締め作業が行われる。
【0013】このようにしてねじ1が所定量ワークにね
じ込まれてワークの表面にねじ1の座面5が着座する
と、ねじ1にはこのねじ締めトルクに対向して抵抗が増
加し、ねじ1にはあらかじめ設定されているねじ締めト
ルクが得られる。一方、ねじ1の駆動穴10とドライバ
ビット20の係合羽根21とは依然として接触している
ので、この駆動穴10からドライバビット20が滑り出
る、カムアウト現象が生じにくく、安定したねじ締めト
ルクが得られる。
じ込まれてワークの表面にねじ1の座面5が着座する
と、ねじ1にはこのねじ締めトルクに対向して抵抗が増
加し、ねじ1にはあらかじめ設定されているねじ締めト
ルクが得られる。一方、ねじ1の駆動穴10とドライバ
ビット20の係合羽根21とは依然として接触している
ので、この駆動穴10からドライバビット20が滑り出
る、カムアウト現象が生じにくく、安定したねじ締めト
ルクが得られる。
【0014】
【発明の効果】本発明は以上説明した実施の形態から明
らかなように、ドライバビット20が係合する駆動穴1
0を形成した頭部2とねじ山3を形成した脚部4とから
なる十字穴付きねじにおいて、駆動穴10を係合溝11
と前記ドライバビット20の基部が入る進入穴15とか
ら構成し、係合溝11の放射方向端に接近する係合面1
3を係合溝11の中心線に平行あるいはねじ1の中心側
が広くなるように形成し、隣接する係合溝11の係合面
13を前記進入穴15に突出する円弧形状のガイド面1
4で接続し、しかも、係合溝11の両側の係合面13間
にはドライバビット20の係合羽根21が嵌合するとと
もにガイド面14には前記係合羽根21の基部が隙間を
有して遊嵌するようにした十字穴付きねじの駆動穴形状
である。
らかなように、ドライバビット20が係合する駆動穴1
0を形成した頭部2とねじ山3を形成した脚部4とから
なる十字穴付きねじにおいて、駆動穴10を係合溝11
と前記ドライバビット20の基部が入る進入穴15とか
ら構成し、係合溝11の放射方向端に接近する係合面1
3を係合溝11の中心線に平行あるいはねじ1の中心側
が広くなるように形成し、隣接する係合溝11の係合面
13を前記進入穴15に突出する円弧形状のガイド面1
4で接続し、しかも、係合溝11の両側の係合面13間
にはドライバビット20の係合羽根21が嵌合するとと
もにガイド面14には前記係合羽根21の基部が隙間を
有して遊嵌するようにした十字穴付きねじの駆動穴形状
である。
【0015】このため、一般に使用されているドライバ
ビットを特殊な形状に変更することなく使用することが
できる。また、通常使用されているドライバビットを使
用してこのねじを締め付けても締め付け作業終了時にカ
ムアウト現象が生じない。これにより、あらかじめ設定
されているねじ締めトルクが正確に得られる。更に、自
動組み立て作業ラインにおいては、ねじ締めトルクが常
時一定となるよう管理されているが、このねじを使用す
ることで、ねじ締めトルクのばらつきが解消され、製品
不良の発生が減少する。しかも、カムアウト現象が生じ
ないようにするために従来はねじ締め作業中、ドライバ
ビットに大きな推力を絶えず加える必要があったが、こ
れを減少させることができ、ワークにはこの推力による
歪みが発生しない。
ビットを特殊な形状に変更することなく使用することが
できる。また、通常使用されているドライバビットを使
用してこのねじを締め付けても締め付け作業終了時にカ
ムアウト現象が生じない。これにより、あらかじめ設定
されているねじ締めトルクが正確に得られる。更に、自
動組み立て作業ラインにおいては、ねじ締めトルクが常
時一定となるよう管理されているが、このねじを使用す
ることで、ねじ締めトルクのばらつきが解消され、製品
不良の発生が減少する。しかも、カムアウト現象が生じ
ないようにするために従来はねじ締め作業中、ドライバ
ビットに大きな推力を絶えず加える必要があったが、こ
れを減少させることができ、ワークにはこの推力による
歪みが発生しない。
【0016】その上、ガイド面14は一方の係合溝11
を構成する締め付け方向側の係合面13と他方の係合溝
11を構成する緩め方向側の係合面13とを夫々中心が
異なる二つの円弧で接続し、この互いの円弧の接続位置
を隣り合う係合溝11の中間に位置させ、これら円弧を
角度を持たせて接続した駆動穴形状であるので、駆動穴
にドライバビットを係合させる時にドライバビットの案
内が滑らかになるとともに、係合時にドライバビットの
接続面との間の隙間が少ないので、ねじに対するドライ
バビットの倒れも少なくできる。このため、ねじ締め時
においてねじを斜めに締め付けることも減少し、駆動穴
の破損も生じにくい。更に、このガイド面形状に変えて
一方の係合面13と他方の係合面13とを一つの円弧で
接続した十字穴付きねじの駆動穴形状とすることで、こ
れを製造するパンチの形状が簡単になり、ねじの駆動穴
を形成する際のパンチの寿命も長くなり、製造コストの
低減に繋がる等の特有の効果が得られる。
を構成する締め付け方向側の係合面13と他方の係合溝
11を構成する緩め方向側の係合面13とを夫々中心が
異なる二つの円弧で接続し、この互いの円弧の接続位置
を隣り合う係合溝11の中間に位置させ、これら円弧を
角度を持たせて接続した駆動穴形状であるので、駆動穴
にドライバビットを係合させる時にドライバビットの案
内が滑らかになるとともに、係合時にドライバビットの
接続面との間の隙間が少ないので、ねじに対するドライ
バビットの倒れも少なくできる。このため、ねじ締め時
においてねじを斜めに締め付けることも減少し、駆動穴
の破損も生じにくい。更に、このガイド面形状に変えて
一方の係合面13と他方の係合面13とを一つの円弧で
接続した十字穴付きねじの駆動穴形状とすることで、こ
れを製造するパンチの形状が簡単になり、ねじの駆動穴
を形成する際のパンチの寿命も長くなり、製造コストの
低減に繋がる等の特有の効果が得られる。
【図1】本発明の実施の形態を示すねじの要部断面正面
図である。
図である。
【図2】図1の拡大平面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う要部断面正面図である。
【図4】本発明の使用形態を示すねじの要部断面正面図
である。
である。
【図5】図4のB−B線に沿う要部拡大断面平面図であ
る。
る。
【図6】図5のC−C線に沿う要部断面図である。
【図7】本発明の従来例を示すねじの平面図である。
【図8】従来のねじとドライバビットとの嵌合状態を示
す拡大要部断面図である。
す拡大要部断面図である。
1 ねじ
2 頭部
3 ねじ山
4 脚部
5 座面
10 駆動穴
11 係合溝
12 底面
13 係合面
14 ガイド面
15 進入穴
16 稜線
20 ドライバビット
21 係合羽根
22 接続面
Claims (3)
- 【請求項1】 係合羽根(21)とこれの根元となる基
部とを有するドライバビット(20)が係合する駆動穴
(10)を形成した頭部(2)とねじ山(3)を形成し
た脚部(4)とからなる十字穴付きねじにおいて、 駆動穴を前記係合羽根が係合する係合溝(11)と、中
心にあって前記ドライバビットの基部が入る進入穴(1
5)とから構成し、係合溝の放射方向端に接近する係合
面(13)を係合溝の中心線に平行あるいはねじ(1)
の中心側が広くなるように形成し、互いに隣接する係合
溝の係合面を前記進入穴に突出する円弧形状のガイド面
(14)で接続し、しかも、前記係合溝の両側の係合面
間には前記ドライバビットの係合羽根が嵌合するととも
にガイド面には前記ドライバビットの係合羽根の基部が
隙間を有して遊嵌するようにしたことを特徴とする十字
穴付きねじの駆動穴形状。 - 【請求項2】 ガイド面は互いに隣接する係合溝の間に
あって、一方の係合溝を構成する締め付け方向側の係合
面と他方の係合溝を構成する緩め方向側の係合面とを夫
々中心位置が異なる二つの円弧で接続し、この互いの円
弧の接続位置を隣り合う係合溝の中間に位置させ、これ
ら円弧を角度を持たせて接続したことを特徴とする請求
項1記載の十字穴付きねじの駆動穴形状。 - 【請求項3】 ガイド面は互いに隣接する係合溝の間に
あって、一方の係合溝を構成する締め付け方向側の係合
面と他方の係合溝を構成する緩め方向側の係合面とを一
つの円弧で接続したことを特徴とする請求項1記載の十
字穴付きねじの駆動穴形状。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001367290A JP2003166515A (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | 十字穴付きねじの駆動穴形状 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001367290A JP2003166515A (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | 十字穴付きねじの駆動穴形状 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003166515A true JP2003166515A (ja) | 2003-06-13 |
Family
ID=19177062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001367290A Pending JP2003166515A (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | 十字穴付きねじの駆動穴形状 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003166515A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006183720A (ja) * | 2004-12-27 | 2006-07-13 | Nitto Seiko Co Ltd | ねじの駆動穴 |
-
2001
- 2001-11-30 JP JP2001367290A patent/JP2003166515A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006183720A (ja) * | 2004-12-27 | 2006-07-13 | Nitto Seiko Co Ltd | ねじの駆動穴 |
JP4523837B2 (ja) * | 2004-12-27 | 2010-08-11 | 日東精工株式会社 | ねじの駆動穴 |
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