JP2003164701A - 重合性化合物の精製用蒸留塔の底部構造及びこれを使用した重合性化合物の製造方法 - Google Patents
重合性化合物の精製用蒸留塔の底部構造及びこれを使用した重合性化合物の製造方法Info
- Publication number
- JP2003164701A JP2003164701A JP2001365515A JP2001365515A JP2003164701A JP 2003164701 A JP2003164701 A JP 2003164701A JP 2001365515 A JP2001365515 A JP 2001365515A JP 2001365515 A JP2001365515 A JP 2001365515A JP 2003164701 A JP2003164701 A JP 2003164701A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- distillation column
- polymerizable compound
- column
- acrylic acid
- bottom structure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
リル酸等を製造するに際し、蒸留塔でのミカエル付加物
の生成を抑制しつつ塔底部にアクリル酸重合物の発生
や、固形物の付着、堆積を極めて少なくして、プラント
の長期運転を可能とした蒸留塔の底部構造及びこれを使
用した重合性化合物の製造方法を提供する。 【解決手段】 重合性化合物を精製する蒸留塔であって
塔底部を円錐状にし、当該円錐状の先端に抜出し配管を
接続した蒸留塔の底部構造及びこれを使用した重合性化
合物の製造方法。
Description
製蒸留塔の底部構造及び当該蒸留塔を使用した重合性化
合物の製造方法に係り、更に詳しくは、アクリル酸或い
はアクリル酸を含有する液を蒸留する蒸留塔においてア
クリル酸のミカエル付加物の生成を抑制しつつ、当該蒸
留塔の底部に接続されている抜出し配管部分でアクリル
酸重合物の発生や堆積を防止してプラントの長期運転を
可能にした蒸留塔の底部構造及びこれを使用した重合性
化合物の製造方法に関するものである。
する蒸留塔の底部構造は、例えば図4に拡大図で示すも
のが用いられている。図4において、Aは蒸留塔であ
り、当該蒸留塔Aの塔底鏡部の中心には抜出し配管2を
接続しており、そして抜出し配管2にはリボイラー還流
管3を介してリボイラーBが連絡されており、更にリボ
イラーBはリボイラー還流管4を介して蒸留塔Aの下部
側壁に連絡されている。また蒸留塔Aの塔底鏡部は、塔
径bを長軸とし、2aを短軸とする楕円回転体の半球形
状をしており、一般的にa/b=0.25の程度のもの
が広く使用されている。アクリル酸は、易重合性化合物
であると共にミカエル付加により容易に二量体を生成す
る。この二量体の生成は温度が高いほど生成速度を増大
する。蒸留塔の塔底部は、操作温度が高く、沸留時間が
長いのでこの部分には最も二量体が生成する。図4に示
した蒸留塔の底部構造では、塔底部の容積が大きいので
抜出し配管2を介して抜出し液体をスムースに抜出され
ず、塔底部に抜出し液体が長く滞留する。その結果、こ
の塔底部でミカエル付加物(アクリル酸二量体)が多く
生成されると云う問題があった。
時間を短くする目的で用いられる従来の塔底部拡大図で
ある。図5において、Aは蒸留塔であって、当該蒸留塔
Aの塔底鏡部の中心には塔径b1より小径のb2で高さh
の筒状体を下方に垂下し、当該筒状体に抜出し配管2を
接続したものである。当該塔底部を有する蒸留塔は、ア
クリル酸二量体の生成低減には効果を有するが重合物の
付着、成長、閉塞に対しては不利な点もあり、特に一旦
重合物が生じると急激に閉塞が進行すると云う問題があ
った。
ミカエル付加物、特にアクリル酸二量体の生成を抑制す
ると共に重合性化合物の精製用蒸留塔の底部に接続され
ている抜出し配管部でアクリル酸重合物の発生や堆積を
防止してプラントの長期運転を可能にした重合性化合物
の精製用蒸留塔の底部構造及びこれを使用した重合性化
合物の製造方法を提供するものである。即ち、本発明の
要旨は、 (1)重合性化合物を精製する蒸留塔であって、塔底部
の全体または底中心部が円錐状である蒸留塔の底部構造
である。 (2)重合性化合物が、ミカエル付加により多量体を生
成する性質を有するものである上記(1)の蒸留塔の底
部構造である。 (3)重合性化合物が、(メタ)アクリル酸である上記
(1)〜(2)の蒸留塔の底部構造である。 (4)不純物を含有する重合性化合物を、上記(1)〜
(3)の蒸留塔を使用して精製する重合性化合物の製造
方法である。 (5)重合性化合物が、(メタ)アクリル酸である上記
(4)の重合性化合物の製造方法である。
の蒸留塔を使用した重合化合物の製造方法を添付図面に
基づいて説明する。図1は重合性化合物の精製用蒸留塔
の一実施例の全体図、図2は本発明の蒸留塔の底部構造
の拡大図、図3は本発明の蒸留塔の底部構造の他の実施
例の拡大図である。
の概要を説明する。Aは精製用蒸留塔であって、当該精
製用蒸留Aには原液供給管1が接続されている。Bはリ
ボイラーであって、当該リボイラーBの流入側は塔底に
接続された塔底抜出し配管2にリボイラー還流管3を介
して接続されており、またリボイラーBの流出側はリボ
イラー還流管4を介して精製用蒸留塔Aの下部側面に接
続されている。5は塔頂ガス管であって、当該塔頂ガス
管5は精製用蒸留Aの塔頂に接続されていて塔頂ガスを
凝縮器に供給する配管である。6は還流管であって、当
該還流管6は精製用蒸留塔Aの上部側面に接続されてい
て還流槽等からの液体を精製用蒸留A内に還流する配管
である。
で塔径bの円筒体である。当該蒸留塔の底部構造は円錐
角αを有する円錐状でり、その中心部に塔底抜出し配管
2が接続されている。そして、この円錐角αを約120
°以下に設定することにより、アクリル酸等の製造時
に、蒸留塔Aの底部分にアクリル酸重合物の発生防止、
及び堆積の防止の機能が有効に発揮されると共に塔底部
の容積も減少するので、ミカエル付加物であるアクリル
酸二量体の生成も少なくできる。図2の「2」においも
図2の「1」と類似の底部構造であるが、円錐角αを有
する円錐状の最外周C部分は曲面状とし当該蒸留塔の側
面に滑らかに移行させて接合した形状である。このよう
に曲面状のC部分を設けることにより、蒸留塔Aの塔底
部分は圧力に対する耐久性が向上する。この場合c/b
が0.15以下に設定することが好ましく、これ以上C
部分が大きくなると、堆積防止効果が不十分となること
がある。
b1を有する精製用蒸留塔Aの塔底鏡部の中心部に塔径
b1より小径b2で高さhの筒状体を下方に垂下し、当該
筒状体の先端を円錐角αで円錐状に形成し、この先端に
底抜出し配管2を接続した構造である。図3の「2」に
おいも図3の「1」と類似の底部構造であるが、精製用
蒸留塔Aの塔底鏡部の中心部に直接に円錐角αで円錐状
に形成し、この先端に底抜出し配管2を接続した構造で
ある。
は、反応または蒸留などの取扱の際に容易に重合して重
合反応を生成する化合物、特にミカエル付加により多量
体を生成する性質を有する化合物、中でも(メタ)アク
リル酸が挙げられる。
C=90cm、塔底円錐角α=110°の塔底構造を有
する蒸留塔Aを使用し、酢酸2.9重量%、トルエン6
重量%を含むアクリル酸溶液7.5t/hを、塔頂圧力
6kPa、塔頂温度50℃で運転し、塔底よりトルエン
及び酢酸を含まないアクリル酸を得た。塔底液中のアク
リル酸二量体の平均濃度は2.8重量%であった。六ヶ
月の運転期間中、塔底及び塔底の抜出し配管2に閉塞等
の障害は生じなかった。点検確認のために運転を停止し
て蒸留塔Aを開放したところ、塔底付近に僅かに薄膜の
付着物が見られただけであった。
5の楕円の回転体の塔底構造を有する蒸留塔Aを使用
し、実施例1と同様の運転条件で塔底よりトルエン及び
酢酸を含まないアクリル酸を得た。塔底液中のアクリル
酸二量体の平均濃度は3.6重量%であった。運転より
二ヶ月後、塔底の抜出し配管2に閉塞が発生し、運転を
停止して蒸留塔Aを開放して点検すると、塔底部に多量
の堆積物が確認された。当該堆積物は水による膨潤を示
し、乾燥後の燃焼試験で98%以上が燃焼したことによ
り、重合生成物と判断した。
体径b2=1450mm、高さh=1125mm及び円
錐角α=70°の塔底構造を有する蒸留塔Aを使用し、
水54重量%、アクリル酸43重量%を含む溶液7.2
t/hに対して、トルエンをエントレーナーとして脱水
蒸留を行った。塔頂圧力18kPa、塔頂温度45℃、
塔底液からリボイラーBへの液循環は960t/hを維
持して運転を継続した。塔底液中のアクリル酸二量体の
平均濃度は2.0重量%であった。採取した塔底液を
0.5μmのフィルターを用いて加圧濾過し、更に減圧
乾燥することにより4ppmの固形物が得られた。この
ように塔底液中の固形物が存在するにも拘わらず11ヶ
月清掃することなく運転することができた。
1450mm、高さh=1125mmの底構造を有する
蒸留塔Aを使用し、実施例2と同様の条件で運転を行っ
た。塔底液中のアクリル酸二量体の平均濃度は2.1重
量%であった。採取した塔底液を0.5μmのフィルタ
ーを用いて加圧濾過し、更に減圧乾燥することにより1
8ppmの固形物が得られた。閉鎖により、5ヶ月後に
運転を停止して清掃が必要であった。
容積を少なくすると共に蒸留塔から底抜出し配管に至る
面積を緩やかに変化させた構造であるので、例えばアク
リル酸等を製造した際に、この接合部分にアクリル酸重
合物の発生や、固形物の付着、堆積が極めて少なく、ま
たミカエル付加物(アクリル酸二量体)の生成も抑制す
ることができ、プラントの長期運転が可能となった。
Claims (5)
- 【請求項1】 重合性化合物を精製する蒸留塔であっ
て、塔底部の全体または底中心部が円錐状である蒸留塔
の底部構造。 - 【請求項2】 重合性化合物が、ミカエル付加により多
量体を生成する性質を有するものである請求項1に記載
の蒸留塔の底部構造。 - 【請求項3】 重合性化合物が、(メタ)アクリル酸で
ある請求項1〜2に記載の蒸留塔の底部構造。 - 【請求項4】 不純物を含有する重合性化合物を、請求
項1〜3に記載の蒸留塔を使用して精製する重合性化合
物の製造方法。 - 【請求項5】 重合性化合物が、(メタ)アクリル酸で
ある請求項4に記載の重合性化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001365515A JP2003164701A (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | 重合性化合物の精製用蒸留塔の底部構造及びこれを使用した重合性化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001365515A JP2003164701A (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | 重合性化合物の精製用蒸留塔の底部構造及びこれを使用した重合性化合物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003164701A true JP2003164701A (ja) | 2003-06-10 |
Family
ID=19175528
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001365515A Pending JP2003164701A (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | 重合性化合物の精製用蒸留塔の底部構造及びこれを使用した重合性化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003164701A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005170931A (ja) * | 2003-11-17 | 2005-06-30 | Mitsubishi Chemicals Corp | 易重合性化合物用の容器 |
JP2007191449A (ja) * | 2006-01-20 | 2007-08-02 | Nippon Shokubai Co Ltd | アクリル酸の製造方法 |
WO2016088578A1 (ja) * | 2014-12-03 | 2016-06-09 | 株式会社日本触媒 | 易重合性物質の精製方法 |
DE102017004718A1 (de) * | 2017-05-16 | 2018-11-22 | Linde Aktiengesellschaft | Kolonne zum Stoff- und/oder Energieaustausch mit Teilräumen im Sumpf und Verfahren zum Stoff- und/oder Energieaustausch |
-
2001
- 2001-11-30 JP JP2001365515A patent/JP2003164701A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005170931A (ja) * | 2003-11-17 | 2005-06-30 | Mitsubishi Chemicals Corp | 易重合性化合物用の容器 |
JP2007191449A (ja) * | 2006-01-20 | 2007-08-02 | Nippon Shokubai Co Ltd | アクリル酸の製造方法 |
WO2016088578A1 (ja) * | 2014-12-03 | 2016-06-09 | 株式会社日本触媒 | 易重合性物質の精製方法 |
JPWO2016088578A1 (ja) * | 2014-12-03 | 2017-07-06 | 株式会社日本触媒 | 易重合性物質の精製方法 |
CN107001229A (zh) * | 2014-12-03 | 2017-08-01 | 株式会社日本触媒 | 易聚合性物质的精制方法 |
CN107001229B (zh) * | 2014-12-03 | 2019-11-05 | 株式会社日本触媒 | 易聚合性物质的精制方法 |
DE102017004718A1 (de) * | 2017-05-16 | 2018-11-22 | Linde Aktiengesellschaft | Kolonne zum Stoff- und/oder Energieaustausch mit Teilräumen im Sumpf und Verfahren zum Stoff- und/oder Energieaustausch |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4242964B2 (ja) | (メタ)アクリル酸および/またはそのエステルの精製方法 | |
US7326323B2 (en) | High capacity purification of thermally unstable compounds | |
ZA200601208B (en) | Thermal separating method for separating at least one mass flux containing enriched (meth) acrylic monomers | |
JPH09110778A (ja) | 主成分として(メタ)アクリル酸を含有する液体混合物を連続的に蒸留により分離する方法 | |
JP5701305B2 (ja) | アクリル酸結晶を母液中の該アクリル酸結晶の懸濁液sから精製分離するための分離法のスタートアップ方法 | |
EP1535893B1 (en) | Process for producing (meth)acrylic acid compound | |
JP2003164701A (ja) | 重合性化合物の精製用蒸留塔の底部構造及びこれを使用した重合性化合物の製造方法 | |
CH370058A (fr) | Appareil servant à l'exécution en continu de réactions catalytiques en phase liquide | |
JP4080090B2 (ja) | 易重合性化合物または易重合性化合物含有液の蒸留方法 | |
US20040225152A1 (en) | Process for producing (meth)acrylic acid | |
JP2000290226A (ja) | 易重合性物質含有物の精製方法およびその装置 | |
JP2005179352A (ja) | (メタ)アクリル酸の精製方法 | |
RU2350598C2 (ru) | Способ очистки (мет)акриловой кислоты | |
JP4848112B2 (ja) | 易重合性物質の蒸留方法 | |
JP4514901B2 (ja) | (メタ)アクリル酸等の精製方法 | |
CN1697676A (zh) | 易聚合化合物的容器 | |
JP3938905B2 (ja) | (メタ)アクリル酸の製造方法 | |
JP2003160530A (ja) | (メタ)アクリル酸の精製方法 | |
JP4186459B2 (ja) | 易重合性化合物用の塔設備 | |
ES2522574T3 (es) | Procedimiento para producir ácido (met)acrílico | |
JP4514933B2 (ja) | 蒸留方法 | |
JP2005336099A (ja) | (メタ)アクリル酸又は/及び(メタ)アクロレインを含む反応ガスの冷却方法 | |
JP4741767B2 (ja) | 易重合性物質の蒸留方法およびこれに使用する蒸留装置。 | |
JP2004059494A (ja) | 精製アクリル酸の製造方法 | |
JP2005527515A (ja) | (メタ)アクリル酸および/またはそのエステルを含有する液体を精留処理するために使用された棚段塔の清浄化方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040604 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20040604 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060804 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060815 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061003 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080507 |