JP2003149045A - 熱型赤外線検出器 - Google Patents
熱型赤外線検出器Info
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Abstract
ても、出力の変動を防止することができ、精度高い検出
を行うことのできる熱型赤外線検出器を提供すること。 【解決手段】 赤外線透過性窓4を有するキャン2とス
テム3とからなる容器1内に、感温素子8の冷接合部1
3を前記ステム3と熱的に結合するようにして設けた熱
型赤外線検出器において、前記感温素子8の赤外線入射
側に熱伝導性の良好な絞り部材17を設け、この絞り部
材17を前記ステム3と熱的に結合している。
Description
とからなる容器内に感温素子を設けた熱型赤外線検出器
に関する。 【0002】 【従来の技術】物体の温度を非接触で測定する温度測定
装置の一つに、容器内にサーモパイルよりなる感温素子
を設けた熱型赤外線検出器がある。この熱型赤外線検出
器は、周囲の温度揺らぎなどの影響を少なくするため、
図4に示すように、容器内に収容することが一般に行わ
れている。すなわち、図4において、40はキャン41
とステム42とからなる容器で、キャン41には赤外線
透過窓43が形成されている。44はサーモパイルより
なる感温素子で、ステム42と熱的に結合された状態で
ステム42の上面に載置されるようにして容器40内に
設けられている。なお、45は赤外線透過窓43を固定
するための接着剤、46は信号取り出し用のリードピン
である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
熱型赤外線検出器においては、その周囲温度に急激な変
化があった場合、感温素子44を載置しているステム4
2よりも熱容量の小さいキャン41の方が早く温度変化
する。そして、感温素子44は、その周囲の全ての赤外
線の影響を受けるので、容器40内部に温度変化が生ず
ると、赤外線透過窓43から容器40内に入射する本来
の赤外線に基づく信号以外に出力が生ずることになり、
結果として出力に過渡的な変動が生じ、検出精度が低下
するといった不都合があった。 【0004】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、その目的は、周囲温度が急激に変化するよう
なことがあっても、出力の変動を防止することができ、
精度高い検出を行うことのできる熱型赤外線検出器を提
供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明では、赤外線透過性窓を有するキャンとス
テムとからなる容器内に、感温素子の冷接合部を前記ス
テムと熱的に結合するようにして設けた熱型赤外線検出
器において、前記感温素子の赤外線入射側に熱伝導性の
良好な絞り部材を設け、この絞り部材を前記ステムと熱
的に結合している。 【0006】上記構成よりなる熱型赤外線検出器におい
ては、周囲温度が急激に変化した場合、熱容量の小さい
キャンが最初に温度変化するが、感温素子の冷接合部と
絞り部材とがステムを介して熱的に結合されているの
で、絞り部材と感温素子の冷接合部とはほぼ同じ温度に
なる。したがって、絞り部材によって感温素子に対して
ノイズとなる余分な赤外線が入射されるのが防止され、
感温素子には本来の測定すべき赤外線のみが入射するの
で、過渡的な出力変動は生じず、精度の高い検出を行う
ことができる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、この発明の詳細を、図を参
照しながら説明する。図1〜図3は、この発明の一つの
実施の形態を示す。まず、図1および図2において、1
は下部側が開放された筒状のキャン2と、このキャン2
の下部開口を閉塞するステム3とからなる容器で、両者
2,3は、例えば圧接によって接合される。 【0008】前記キャン2は、例えば厚さ0.3mm程
度の銅板をプレス加工によりハット状に形成したもの
で、その外面は鏡面あるいは光沢めっきが施されてい
る。そして、このキャン2の上面中央部には、当該部分
を適宜の大きさだけ例えば矩形状に切除して形成された
開口に、赤外線透過性材料よりなる窓材をはんだ付けす
ることにより赤外線透過性窓4が形成されている。な
お、5はキャン2の開放下端部に形成される鍔部、6は
赤外線透過性窓4の接着剤である。 【0009】前記ステム3は、例えば厚さ1mm程度の
銅板からなり、その上面には段部3aが突設されてい
る。そして、このステム3には、2本の信号取り出し用
のリードピン7が厚み方向に貫設され、その貫通部に
は、図示してないが、リードピン7とステム3とを電気
的に絶縁するためにガラス溶着が施されている。なお、
7aはステム3の下面に適宜の手法で突設されるアース
用リードピンである。 【0010】8は感温素子で、図3に示すように、二種
の熱電材料9,10を接続した複数の熱電対を直列に接
続したサーモパイルよりなり、ベース部材としての例え
ばSi基板11の上面に形成されるSiO2 などの絶縁
性薄膜12上に、冷接合部13が外側に、温接合部14
が内側にそれぞれ位置するように環状に形成されてなる
ものであり、その冷接合部13がステム3と熱的に結合
された状態でステム3の上面に設けられる。なお、15
は信号取り出しワイヤで、リードピン7に接続されてい
る。また、16はSi基板11の下面側に形成される熱
容量を小さくするための開口である。 【0011】17は感温素子8の赤外線入射側に位置
し、感温素子8やピン7,7aの上端を覆うようにして
設けられる絞り部材で、ステム3の段部3aの上面にこ
れと熱的に結合されるようにして設けられている。この
絞り部材17は、例えば銅のように熱伝導性の良好な素
材よりなり、例えば円筒状のキャップ状に形成され、そ
の天面18には、赤外線透過性窓4から入射する赤外線
19を感温素子8に入射させるための例えば丸孔20が
開設されている。そして、図示する例では、前記丸孔2
0の下部側(感温素子8側)の周壁21は下方に開いた
球面凹部状に形成されており、赤外線透過性窓4から入
射する赤外線18を余すところなく通過させ、感温素子
8に入射することができるようにしてある。 【0012】上記熱型赤外線検出器においては、感温素
子8を載置するステム3が感温素子8と熱的に結合され
ているとともに、赤外線透過性窓4から入射する赤外線
19の感温素子8への入射を妨げないようにしてステム
3上に設けられる絞り部材17がステム3と熱的に結合
されている、したがって、感温素子8の冷接合部13と
絞り部材17とがステム3を介して熱的に結合されてい
ることになる。 【0013】そして、前記熱型赤外線検出器の周囲温度
が急激に変化すると、熱容量の小さいキャン2が最初に
温度変化するが、感温素子8の冷接合部13と絞り部材
とがステムを介して熱的に結合されているので、絞り部
材17と感温素子8の冷接合部13とはほぼ同じ温度に
なる。したがって、絞り部材17から感温素子8に対し
てノイズとなる余分な赤外線が入射されるのが防止さ
れ、つまり、キャン2から輻射される赤外線が感温素子
8に入射することがなくなり、感温素子8には本来の測
定すべき赤外線透過性窓4から入射する赤外線19のみ
が入射するので、過渡的な出力変動は生じず、精度の高
い検出を行うことができる。 【0014】ところで、熱型赤外線検出器は、放射温度
計のセンサとして使用されることがあるが、この場合、
感温素子8の視野(感温素子8に入射する赤外線の入射
角度)が広がっていると、測定距離(温度検出対象と感
温素子8との間の距離)によって視野の大きさが変化
し、温度測定を正確に行うことが困難であるが、上述の
ように、感温素子8の赤外線入射側に絞り部材17を設
けることにより、感温素子8の視野が制限され、測定距
離による出力の変化がなくなり、より精度の高い温度測
定が可能になる。 【0015】この発明は、上述の実施の形態に限られる
ものではなく、種々の変形して実施することができる。
例えば、キャン2をアルミニウムやフェルニコなどの鉄
系合金で形成してあってもよい。そして、ステム3を、
銅板とアルミニウム(またはフェルニコなどの鉄系合
金)板などとを適宜重ね合わせた合板構造の金属部材で
形成してもよい。 【0016】 【発明の効果】この発明は、以上のような形態で実施さ
れ、以下のような効果を奏する。すなわち、この発明の
熱型赤外線検出器においては、容器外の温度が急激に変
化するようなことがあっても、出力の変動を防止するこ
とができ、精度高い検出を行うことができる。また、前
記熱型赤外線検出器を放射温度計のセンサーとして用い
る場合、感温素子の視野が巧みに制限されることによ
り、測定距離によって出力が変化することがなく、温度
測定をより高精度に行うことができる。
図である。 【図2】前記熱型赤外線検出器の分解斜視図である。 【図3】前記熱型赤外線検出器で用いる感温素子の構成
を概略的に示す平面図である。 【図4】従来の熱型赤外線検出器を示す断面図である。 【符号の説明】 1…容器、2…キャン、3…ステム、4…赤外線透過性
窓、8…感温素子、13…冷接合部、17…絞り部材、
19…赤外光。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 赤外線透過性窓を有するキャンとステム
とからなる容器内に、感温素子の冷接合部を前記ステム
と熱的に結合するようにして設けた熱型赤外線検出器に
おいて、前記感温素子の赤外線入射側に熱伝導性の良好
な絞り部材を設け、この絞り部材を前記ステムと熱的に
結合したことを特徴とする熱型赤外線検出器。
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- 2001-11-16 JP JP2001351397A patent/JP2003149045A/ja active Pending
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